文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「公明正大且つ信用あるオークション市場の創造と拡大」、「常に信用を重んじる中での慎重かつ大胆な挑戦」、「豊かで美しく潤いある生活文化の追求」の実現を目指して事業を進めております。
(2)目標とする経営指標
当社グループの効率的な経営の実現を目標として、ROE(自己資本当期純利益率)15%以上を連結での中長期的な指標として掲げております。
(3)経営戦略等
当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対応することが経営戦略上重要であると考えており、オークションにおける高額品の取扱い比率を高め、そして資産防衛ダイヤモンド販売やアートのプライベートセールの拡大により、増収増益を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、公開のオークションという商形態にて美術品や高級品の換金やコレクションを円滑に実現し、美術品を中心とした高額品の価値付けに寄与することを自らのミッションとして事業を展開しております。グローバルにおける金利高止まりの継続によって、安全資産および代替資産への分散投資需要が促進され、アートや宝飾品、時計、リカーといった高額商品への投資的なニーズや経済的関心が顕在化しております。このような環境のなかで、当社が展開する公開オークションは、単なる流通手段にとどまらず、現代におけるアートや高額資産の経済的価値付けの一翼を担う機能としての社会的意義を持つため、その役割の重要性を認識し、自らのミッションの実現に向けた取り組みを更に強化・加速してまいります。
主な取り組みとしては、日本の高齢化に伴い、相続等による様々な高額品の取り扱い獲得を図ってまいります。さらに、国内の市場だけでなく、アジアを中心とした世界からの需要を取り込むため、国際マーケティング人材の採用強化と同時に、国内外からインターネットでオークションにライブで参加できるライブビッティングシステムの利便性向上と利用拡大を推進し、これまでのオークション形態に拘らず、より多くの方にオークションを体験していただき、新たな顧客層の開拓を図ってまいります。また、インフレ下での安全資産ニーズに支えられている資産防衛ダイヤモンド販売事業は、今後も安定した売上基盤として位置付け、推進してまいります。
引き続き、高額品の取扱い比率を高めるとともに、日本における美術の再評価・再流通について、基盤の確立に努めてまいります。また、コンテンポラリーアート分野での作家開拓や海外市場との連携強化を通じて、新たな価値創造に取り組んでまいります。富裕層を中心とした資産分散・実物資産志向は引き続き堅調に推移しており、これが高額品市場における一部の安定需要を下支えているため、富裕層向けサービスを拡充し、投資的観点からのアート需要の獲得に注力してまいります。
また、ノンコア事業にかかる資産の整理・選択による経営資源の集中を実行するとともに、外部環境の影響を受けやすいオークション事業などの既存ビジネスだけでなく、新しい流通・販売チャネルを交えた多層的な市場横断型の事業展開を目指すことにより、新たな需要創出や収益構造の安定化・強靭化を目指してまいります。
以上の方針のもと、アートや高級品が持つ文化的・経済的価値の再発見を促進しつつ、変化の大きい市場環境の中でも、新たな顧客基盤と収益力の拡充を図り、事業の持続性と企業価値の最大化に向けた取り組みを継続してまいります。
(5)第三者委員会による調査結果を踏まえた当社の課題
当社の連結子会社であるShinwa Prive株式会社において、2019年5月期から2024年5月期までのプライベートセールに関する不適切な会計処理により、実態と相違がある売上計上が行われている疑いがあることが判明いたしました。これを受け、当社は、2024年7月4日開催の取締役会において、プライベートセールに関する会計処理において疑義が発生したため、専門的かつ客観的な調査が必要であるとの判断に至り、業績への影響の有無、社内体制の不備の有無や原因の究明および再発防止策の策定等を目的として、外部専門家で構成される第三者委員会の設置を決議いたしました。
その後、当社は、2024年9月6日、第三者委員会から調査報告書を受領し、子会社であるShinwa Prive 株式会社が行った絵画等のアート作品のプライベートセールの中に、実質的には金融取引等と処理すべきもの及び売買契約締結時に売上計上されていたが引渡時に売上計上されるべきであったものが含まれていたとの評価を受けております。
当社は、第三者委員会より受領した調査報告書における報告内容の検討、及びこれを受けた自主調査の結果、売買取引と金融取引の分類及び売上計上時期に関し、必ずしも適切とはいえない会計処理が行われていたことを確認しました。このため、当社は影響のある過年度の決算を訂正することが適切であると判断し、2019年5月期から2023年5月期の各有価証券報告書、2020年5月期第1四半期から2024年5月期第3四半期までの各四半期報告書について、訂正報告書を提出することといたしました。
また、第三者委員会からは、上記の発生原因として、上場企業の会計処理及び内部統制に詳しい公認会計士等が役員にいないことを含むアート作品のプライベートセールの業務執行(契約書締結フロー等を含む)に対する監視・監督の不備等のガバナンス上の問題、管理担当者と執行担当者の兼務、内部監査室のリソース不足等、上記の会計処理を止めることのできなかった組織上・内部統制上の問題の指摘を受けております。
これらの事実は、当社グループのアート作品のプライベートセールに関する事業活動におけるルールの遵守、内部統制評価計画策定、業務プロセスに対する評価手続等の点で、当社の業務プロセスに係る内部統制に不備があり、また、内部統制評価の計画及び評価結果の取締役会等への報告等の点で、当社の決算・財務報告に係るプロセスに不備があり、その結果、アート作品のプライベートセールに関して内部統制が適切に機能しなかったことによるものと認識しております。
(6)上記課題に対する当社の対応状況
当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、内部統制を十分機能させるべく、第三者委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を講じて、適正な内部統制の整備及び運用を図っております。
・グループ全体におけるコンプライアンス意識の抜本的改革
・内部監査部門の組織体制の再整備
・公益通報関連者規程の改定及び周知徹底
・内部統制を実効あらしめるための業務フローの改善及び職務権限関連規程の改定
・適切な経理処理を遂行するためのグループ経理関連規程の改定
・グループ会社を含む役職員への実効性のある研修・教育の実施
次に、当社グループは、上記⑸の課題および重要な不備を是正するために、以下の措置を実施しており、今後も、再発防止策の実行を推進してまいります。
ア コンプライアンス及びリスク管理体制の再構築
①当社の内部統制及びガバナンス体制に対する当社のステークホルダーからの信頼を回復することを目的として、2024 年9月18日付でガバナンス委員会を設置いたしました。
ガバナンス委員会設置の目的として、⑴内部統制システムの整備、⑵会計の知識の強化、⑶リスクコンプライアンス委員会が担当する事項に対する助言・勧告、⑷上記目的のために必要なグループ再編の検討、⑸取締役会の運営に関する整備、⑹取締役及び監査役に対する評価及び取締役・監査役候補者の指名、⑺その他上記目的のために必要と認める事項を掲げており、同委員会で検討作業を進めております。
同委員会の答申が出ましたら、当社は、ガバナンス体制強化のため、同委員会の提案を踏まえた各種施策を実行しております。
②第三者委員会からの調査結果および再発防止のための提言を踏まえて、再発防止に向けた具体策の立案に加え、コンプライアンス体制の強化に関する各種施策について速やかに検討を行う目的として、2024年9月18日付でリスクコンプライアンス委員会を設置いたしました。
リスクコンプライアンス委員会設置の目的として、(1)グループ全体に関わるリスクコンプライアンス体制の基本方針ならびに推進体制(組織・体制・人事)に関する事項、(2)グループ全体に関わるリスクコンプライアンス体制に関する規程・規則、マニュアル等に関する事項(各規程・規則、マニュアル等の相互の整合性の検討・整理を含む)、(3)グループ全体のコンプライアンス推進及びリスク管理推進に関する教育・啓蒙計画に関する事項、(4)グループ各社のコンプライアンス遵守状況及びリスク管理状況の確認・判定、指導・支援策に関する事項、(5)法令・リスク管理規程違反あるいは会社に対する不正行為等に関わる問題の確認・調査、改善・予防策に関する事項、(6)報告・相談、内部通報制度の整備策に関する事項、(7)重大な法令・リスク管理違反、危機発生時(不祥事を含む)の対応策・再発防止策に関する事項を掲げており、同委員会では現在、内部監査部門の充実、内部通報制度の整備、規程類の整備、グループ全体における研修等に向けた検討作業を進めております。
当社は、同委員会における議論の内容を踏まえて、コンプライアンス体制の強化及びリスク管理にかかる各種施策を実行しております。
③上場企業の会計処理及び内部統制に詳しい公認会計士を役員に選任することの検討をし、役員候補といたしました。
④コンプライアンスに対する意識を高く保つために、役員及び従業員向けに専門家によるコンプライアンス研修を実施しております。
イ 公益通報者規程の改定
①外部通報窓口を新たに追加し、通報窓口を、総務人事部と常勤監査役に加え、外部弁護士の3つとしました。
②各子会社担当者に事前に相談・通報することについても許容する旨、規程に盛り込みました。
ウ 業務フローの改善及び規程の改定
①職務権限関連規程、内部通報関連規程、内部監査関連規程、文書管理関連規程、取締役会関連規程、監査役会関連規程を一部改定し、社内ヘ周知しております。
②上記の前提となる業務フローの改善等の見直しを進めています。また、適宜、社内規程類の定期的な見直しを実施し、規程・マニュアルの記載内容と業務実態との間で齟齬がないか定期的に確認し、齟齬があれば規程又は運用の見直しを行っております。
エ 内部監査体制の再構築
内部監査部門を強化すべく、専任の内部監査室長および内部監査部員を選任いたしました。
当社は 適正な内部統制の整備及び運用のさらなる強化に取り組み、内部管理体制の強化およびコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが重要であると考え、着実に施策を講じてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティをめぐる課題を極めて重要な経営課題と認識しております。当社グループのサステナビリティに関する取り組みや、人的資本への経営資源の配分を進めることで企業価値向上に努めてまいります。
定例的な取締役会への報告等を通じて、サステナビリティをめぐる課題に関する業務・計画の進捗状況を確認し、実効的な監督を行ってまいります。
(2)戦略
当社グループは、事業をより充実させ、持続的に成長していくためには、人材を確保することが重要であると考えております。
(3)リスク管理
サステナビリティ課題のリスク及び機会の識別や評価等については、取締役会が統括し、リスクの見直しや軽減化を図るとともに、リスク発見時に迅速に対応できるようリスク管理体制の整備に努めてまいります。リスク管理の内容については、必要に応じて、取締役会に報告し、適切なリスクマネジメントに向けた対応を図ってまいります。
また、必要に応じて弁護士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、潜在的なリスクの早期発見に努めてまいります。
(4)指標及び目標
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。当社グループは、事業リスクの見直しや軽減化を図るとともに、事業リスク発見時に迅速に対応できるようリスク管理体制の整備に努めております。リスク管理の内容については、必要に応じて、取締役会に報告し、適切なリスクマネジメントに向けた対応を図っております。また、必要に応じて弁護士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、潜在的な事業リスクの早期発見に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.グループ全体
(1)内部統制に関する不備について
当社グループはグループ従業員数50名弱と規模が小さく、内部管理体制も当該規模に応じたものとなっております。また、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等⑸及び⑹」に記載の通り、当社グループにおいては、決算・財務報告プロセス並びに業務プロセスに関する内部統制について前連結会計年度において重要な不備がありました。今後も、当社グループは、内部管理体制の強化と、それに伴う人員補充を鋭意実施していく方針であります。しかし、人材の確保及び管理体制強化が不十分であった場合には、適切な組織的対応が出来ず、組織効率が低下する可能性があり、業務に支障をきたすおそれがあります。
(2)第三者委員会による調査結果を踏まえた当社の課題
当社の連結子会社であるShinwa Prive株式会社において、2019年5月期から2024年5月期までのプライベートセールに関する不適切な会計処理により、実態と相違がある売上計上が行われている疑いがあることが判明いたしました。これを受け、当社は、2024年7月4日開催の取締役会において、プライベートセールに関する会計処理において疑義が発生したため、専門的かつ客観的な調査が必要であるとの判断に至り、業績への影響の有無、社内体制の不備の有無や原因の究明および再発防止策の策定等を目的として、外部専門家で構成される第三者委員会の設置を決議いたしました。
その後、当社は、2024年9月6日、第三者委員会から調査報告書を受領し、子会社であるShinwa Prive 株式会社が行った絵画等のアート作品のプライベートセールの中に、実質的には金融取引等と処理すべきもの及び売買契約締結時に売上計上されていたが引渡時に売上計上されるべきであったものが含まれていたとの評価を受けております。
当社は、第三者委員会より受領した調査報告書における報告内容の検討、及びこれを受けた自主調査の結果、売買取引と金融取引の分類及び売上計上時期に関し、必ずしも適切とはいえない会計処理が行われていたことを確認しました。このため、当社は影響のある過年度の決算を訂正することが適切であると判断し、2019年5月期から2023年5月期の各有価証券報告書、2020年5月期第1四半期から2024年5月期第3四半期までの各四半期報告書について、訂正報告書を提出することといたしました。
また、第三者委員会からは、上記の発生原因として、上場企業の会計処理及び内部統制に詳しい公認会計士等が役員にいないことを含むアート作品のプライベートセールの業務執行(契約書締結フロー等を含む)に対する監視・監督の不備等のガバナンス上の問題、管理担当者と執行担当者の兼務、内部監査室のリソース不足等、上記の会計処理を止めることのできなかった組織上・内部統制上の問題の指摘を受けております。
これらの事実は、当社グループのアート作品のプライベートセールに関する事業活動におけるルールの遵守、内部統制評価計画策定、業務プロセスに対する評価手続等の点で、当社の業務プロセスに係る内部統制に不備があり、また、内部統制評価の計画及び評価結果の取締役会等への報告等の点で、当社の決算・財務報告に係るプロセスに不備があり、その結果、アート作品のプライベートセールに関して内部統制が適切に機能しなかったことによるものと認識しております。
(3)上記課題に対する当社の対応状況
当社グループは、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、内部統制を十分機能させるべく、第三者委員会からの指摘・提言も踏まえ、以下の改善策を講じて、適正な内部統制の整備及び運用を図っております。
・グループ全体におけるコンプライアンス意識の抜本的改革
・内部監査部門の組織体制の再整備
・公益通報関連者規程の改定及び周知徹底
・内部統制を実効あらしめるための業務フローの改善及び職務権限関連規程の改定
・適切な経理処理を遂行するためのグループ経理関連規程の改定
・グループ会社を含む役職員への実効性のある研修・教育の実施
次に、当社グループは、上記(2)の課題および重要な不備を是正するために、以下の措置を実施しており、今後も、再発防止策の実行を推進してまいります。
ア コンプライアンス及びリスク管理体制の再構築
①当社の内部統制及びガバナンス体制に対する当社のステークホルダーからの信頼を回復することを目的として、2024 年9月18日付でガバナンス委員会を設置いたしました。
ガバナンス委員会設置の目的として、⑴内部統制システムの整備、⑵会計の知識の強化、⑶リスクコンプライアンス委員会が担当する事項に対する助言・勧告、⑷上記目的のために必要なグループ再編の検討、⑸取締役会の運営に関する整備、⑹取締役及び監査役に対する評価及び取締役・監査役候補者の指名、⑺その他上記目的のために必要と認める事項を掲げており、同委員会で検討作業を進めております。
同委員会の答申が出ましたら、当社は、ガバナンス体制強化のため、同委員会の提案を踏まえた各種施策を実行しております。
②第三者委員会からの調査結果および再発防止のための提言を踏まえて、再発防止に向けた具体策の立案に加え、コンプライアンス体制の強化に関する各種施策について速やかに検討を行う目的として、2024年9月18日付でリスクコンプライアンス委員会を設置いたしました。
リスクコンプライアンス委員会設置の目的として、(1)グループ全体に関わるリスクコンプライアンス体制の基本方針ならびに推進体制(組織・体制・人事)に関する事項、(2)グループ全体に関わるリスクコンプライアンス体制に関する規程・規則、マニュアル等に関する事項(各規程・規則、マニュアル等の相互の整合性の検討・整理を含む)、(3)グループ全体のコンプライアンス推進及びリスク管理推進に関する教育・啓蒙計画に関する事項、(4)グループ各社のコンプライアンス遵守状況及びリスク管理状況の確認・判定、指導・支援策に関する事項、(5)法令・リスク管理規程違反あるいは会社に対する不正行為等に関わる問題の確認・調査、改善・予防策に関する事項、(6)報告・相談、内部通報制度の整備策に関する事項、(7)重大な法令・リスク管理違反、危機発生時(不祥事を含む)の対応策・再発防止策に関する事項を掲げており、同委員会では現在、内部監査部門の充実、内部通報制度の整備、規程類の整備、グループ全体における研修等に向けた検討作業を進めております。
当社は、同委員会における議論の内容を踏まえて、コンプライアンス体制の強化及びリスク管理にかかる各種施策を実行しております。
③上場企業の会計処理及び内部統制に詳しい公認会計士を役員に選任することの検討をし、役員候補といたしました。
④コンプライアンスに対する意識を高く保つために、役員及び従業員向けに専門家によるコンプライアンス研修を実施しております。
イ 公益通報者規程の改定
①外部通報窓口を新たに追加し、通報窓口を、総務人事部と常勤監査役に加え、外部弁護士の3つとしました。
②各子会社担当者に事前に相談・通報することについても許容する旨、規程に盛り込みました。
ウ 業務フローの改善及び規程の改定
①職務権限関連規程、内部通報関連規程、内部監査関連規程、文書管理関連規程、取締役会関連規程、監査役会関連規程を一部改定し、社内ヘ周知しております。
②上記の前提となる業務フローの改善等の見直しを進めています。また、適宜、社内規程類の定期的な見直しを実施し、規程・マニュアルの記載内容と業務実態との間で齟齬がないか定期的に確認し、齟齬があれば規程又は運用の見直しを行っております。
エ 内部監査体制の再構築
内部監査部門を強化すべく、専任の内部監査室長および内部監査部員を選任いたしました 。
2.オークション関連事業
(1)オークションへの出品について
当社グループが主力とする近代美術の分野では、近年、続いていた近代美術の中価格帯作品の相場全体にも下げ止まりの兆候が見え始め、徐々に市場全体が復調する兆しがある中で、特に高価格帯作品の相場は明らかな上昇を見せております。特に一部の高価格帯に属する作品は予想を大幅に上回る価額で落札されるものも出てきています。本格参入したコンテンポラリーアート(現代美術)も活況を呈しており、オークション事業の大きな柱の一つとして成長するよう推進いたします。従来同様に、良品の出品募集営業を徹底強化し、同時に新規顧客層の開拓を強化していく所存でありますが、景気動向や新規の競合他社の参入等による出品数の減少となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
主な取り組みとしては、日本の高齢化に伴い、相続等による様々な高額品の取り扱い獲得を図っております。さらに、国内の市場だけでなく、アジアを中心とした世界からの需要を取り込むため、国際マーケティング人材の採用強化と同時に、国内外からインターネットでオークションにライブで参加できるライブビッティングシステムの利便性向上と利用拡大を推進し、これまでのオークション形態に拘らず、より多くの方にオークションを体験していただき、新たな顧客層の開拓を図ってまいります。また、インフレ下での安全資産ニーズに支えられている資産防衛ダイヤモンド販売事業は、今後も安定した売上基盤として位置付け、推進してまいります。引き続き、インフレによる資産価値の上昇をベースにオークションに関連した資産性商材の分野でも新たな可能性を追求し、優良高額品の取り扱いを増加させることで、顧客基盤と事業拡大を図ることを経営視点の一つに置いていきます。
(2)売上高の構成について
オークション関連事業の売上高の主たる構成要素は、落札価額に対する手数料収入(落札手数料及び出品手数料)であります。落札手数料は、落札価額に対し15.0%相当額、出品手数料は、落札価額の10.0%(いずれも別途消費税)としております。その他、カタログの販売高、出品者から徴収するカタログ掲載料で構成されるカタログ収入、有料会員から徴収する会費収入もあります。
なお、作品を仕入れた後に、在庫商品としてオークションやプライベートセールで売却する場合があります。この場合、オークションでの落札価額またはプライベートセールでの販売価格を商品売上高としてそのまま売上高に計上するため、在庫商品の取扱高の増減が、売上高変動のひとつの要因となりますので、新規顧客開拓の強化等の適切な対応を図っております。
当社グループは、引き続き高額品の取扱い比率を高めるとともに、日本における美術の再評価・再流通について、基盤の確立に努めてまいります。また、コンテンポラリーアート分野での作家開拓や海外市場との連携強化を通じて、新たな価値創造に取り組んでまいります。富裕層を中心とした資産分散・実物資産志向は引き続き堅調に推移しており、これが高額品市場における一部の安定需要を下支えているため、富裕層向けサービスを拡充し、投資的観点からのアート需要の獲得に注力してまいります。また、ノンコア事業にかかる資産の整理・選択による経営資源の集中を実行するとともに、外部環境の影響を受けやすいオークション事業などの既存ビジネスだけでなく、新しい流通・販売チャネルを交えた多層的な市場横断型の事業展開を目指すことにより、新たな需要創出や収益構造の安定化・強靭化を目指してまいります。以上の方針のもと、アートや高級品が持つ文化的・経済的価値の再発見を促進しつつ、変化の大きい市場環境の中でも、新たな顧客基盤と収益力の拡充を図り、事業の持続性と企業価値の最大化に向けた取り組みを継続してまいります。
(3)美術品の査定について
オークションに出品されるすべての作品は、査定委員会にて現物を直接検分して、評価額を決定しております。査定委員会は、常任委員の他、必要に応じて担当部長ならびに社外の専門家を交えて複数のメンバーで構成しております。作品の評価額は、オークション出品の際、そのままエスティメイト(落札予想価格帯)を構成するため、適切な評価額を決定する体制を整えております。
しかしながら、査定委員会が現下の市況と大きく乖離した評価をし、その結果オークションで落札されないケースが連続した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)鑑定・鑑別の外部委託について
オークションに出品される美術品や宝飾品の真贋に関しては、権威ある第三者機関に鑑定・鑑別を依頼しております。美術品に関しては、当社グループが認める鑑定機関及び鑑定人が存在する作家の作品に関しその鑑定を受け、宝飾品に関しては、原則として当社グループが定める鑑別機関の鑑別を受けることとしており、当社グループは、販売委託者と鑑定・鑑別機関及び鑑定人の仲介を行っておりますが、当社グループが鑑定・鑑別を行うことはありません。
オークションの開催・運営にあたっての規則であるオークション規約及び特約に基づき、当社グループが開催する近代美術、近代陶芸、戦後美術&コンテンポラリーアートの出品作品、ブランドバック等のブランド雑貨に関し、当社グループは、オークションの開催日から1年以内に、落札作品が真作でないとの証明がなされた場合、落札作品を引き取り、落札者に代金を返還することになっております。但し、近代美術PartⅡ等のオークションで取り扱う低価格作品、骨董(アンティーク)等の真贋判定の困難な作品に関しては保証しておりません。出品作品の真贋には、最善の注意を払い対応しておりますが、真作でない作品を誤って取り扱うことにより、信用低下につながる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)オークション未収入金及びオークション未払金について
オークション未収入金及びオークション未払金は、オークション事業により発生する、落札者及び出品者に対する未決済債権及び債務であります。オークション規約及び販売委託に関する約定に基づき、落札者からは、オークション開催日から土日祝日を除く10日以内に購入代金が支払われ、出品者に対しては、オークション開催日から35日以内に販売代金を支払っており、従ってオークション未収入金及びオークション未払金の期末残高は、オークションの開催日程と連結会計年度末日との関係で増減いたします。
(6)前渡金制度について
当社グループは、営業戦略上、業者のみならず一般コレクターからの出品を促進するためのシステムとして、オークションへの出品が決定した作品に関し、販売委託契約締結と同時に販売代金の一部を前渡しすることができる前渡金制度を採用しております。主に近代美術オークションにおいて契約締結から支払までの期間が最長約4ヶ月であることに関し、出品者の急な資金需要に対応できる施策として、当社グループの出品募集に大きく貢献しております。
前渡金が支払われている作品が不落札となった場合には、オークション終了後に出品者から前渡金が返還されることになっていますが、万一、出品者が前渡金を返還できない事態が生じたとしても、不落札の作品を売却し、前渡金返還に充てることができます。しかしながら、今後事業が拡大する中で、前渡金の返還及び回収が滞る事案が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますので、前渡金の管理を強化するための適切な対応を図っております。具体的には、管理部門が作成した前渡金リストに基づいて作品評価額との乖離度合い等の異常性を取締役会で監視する体制を構築しております。
(7)一括保証取引について
オークションへの一括の大口出品に関して、営業戦略上、落札価額合計額の最低金額の保証を行う場合があります。一括保証した金額については、作品をお預かりし、契約締結後に前渡金として保証金額の支払いを行う場合がありますが、実際の落札価額合計額が、この保証金額に満たない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)美術品等の保管について
当社グループでは、作品を当社グループの倉庫等で保管しております。保管中、作品にはすべて保険を付保しており、盗難、火災等については保険の対象となっております。しかし、地震等の自然災害に起因する事故については保険対象外の扱いとなっていることから、地震等の自然災害が発生し、作品が損壊した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
また、オークション規約上、当社グループの故意または重過失に起因する損害に関しては、通常の損害の他、予見可能な損害までを責任の範囲と定めており、通常損害保険で担保されない範囲の損害が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等について
当社グループが行っているオークション形態は、海外においてオークション事業を展開しているクリスティーズ、サザビーズ等の事業をモデルとしております。日本国内においては、商法第551条の問屋(といや)に該当し、オークションの運営にあたっては、オークション規約を制定しておりますが、同規約は、民法、商法、消費者契約法、古物営業法等の規制を受けております。
これら、日本国内における法的規制により、過去において当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼした事実はありません。しかしながら、当社グループが行うオークションという事業形態は、日本国内で完全に認知を得ているわけではなく、将来的にオークションの運営に支障を来すような法令等の規制を受けた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
現在、当社グループでは定期開催のオークションの他、西洋美術オークション、コンテンポラリーアートオークション、ワイン・リカーオークション、個人収集品オークション等を随時開催しております。また、チャリティオークション開催のためのカタログ作製作業やオークション会場運営等の業務提供も行っております。酒類の取り扱いに関しては「酒税法」の、宝石・貴金属等の取り扱いに関しては「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の、西洋美術の一部の作品の取り扱いに関しては「電気用品安全法」の、象牙等の希少野生動植物種の剥製、標本、器官等の取り扱いに関しては「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の定めに従い行っております。今後も、取扱商品が拡大していく中で個別に法的規制を受けるケースが考えられますが、当社グループは、いかなる場合も法令を遵守し対応していく所存であります。しかしながら、将来的に個別の法的規制により当社グループが取り扱えないアイテムが発生し、当社グループの事業計画の変更を余儀なくされ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)古物の取り扱いについて
当社グループは、盗難品や遺失物を取り扱わないよう、定期的に社内教育を行っております。しかしながら、不測の事態により盗難品や遺失物を取り扱った場合、信用失墜により取扱高の減少及び法令手続に基づく損失の発生等の可能性があります。
(11)著作権について
オークションカタログに図版を掲載するに当たり、著作権者或いは著作権管理団体に著作権使用に係る許諾を受けることを、当社グループで把握しているものについては実施しています。また、それ以外のものについては著作権法第47条の2の定める範囲内で掲載しております。著作権使用料は出品者負担として、請求がある著作権者或いは著作権管理団体に支払っておりますが、今後請求元が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)顧客情報の取り扱いについて
当社グループは、オークション出品者に対して、その出品者との間で締結される販売委託契約により、顧客情報に関する守秘義務を負っております。当社グループは、個人情報の取り扱いについては充分注意しておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩する事態となった場合、信用の失墜による取扱高の減少及び損害賠償による損失の発生等の可能性があります。今後も個人情報管理を徹底するため、個人情報に関する教育を継続するとともに、情報セキュリティ強化のための適切な対応を図っております。
(13)戦略的在庫商品の保有について
美術市場全体の安定化と規模の拡大を実現する事を目標に、いわゆる近代美術の巨匠といわれる作家の名品(マスターピース)クラスの作品を購入し、戦略的在庫として保有し、作品ごとに、販売時期、価格及び販売先に関して理想とする最良の環境での販売を考えており、その環境が整うまでは保有することを予定しております。戦略的在庫商品の購入後は、経済環境や美術品取引市場の著しい変動により、保有する戦略的在庫商品の評価の見直しを迫られる可能性があります。また、販売が計画通り進まず、保有期間の長期化による資金の固定化や、予想していた販売収益が得られない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.その他事業
(1)法的規制等について
低圧型太陽光発電施設等による売電事業では、今後は利回りに着目した需要の継続的な開拓が必須となりますが、固定価格買取制度が大幅に変更された結果、市場全体の販売価格は低下しており、事業の採算性に関して今まで以上に十分な検討が必要となってまいります。
(2)気象・災害等について
太陽光発電は、気象条件により発電量が左右されるほか、設備の劣化や天災・火災等の事故により、想定した発電量と実際の発電量との間に予期せぬ乖離が生じる可能性があり、これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.その他
(1)為替相場について
当社グループの海外現地法人は、外貨建ての財務諸表を作成しているため、日本円に換算する際、為替レートによる換算リスクが生じます。このため急激な為替変動が起こった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)デリバティブ取引のリスクについて
当社グループの金融機関からの長期借入金には、一部市場金利に連動するものが含まれており、変動金利の長期借入金につきましては、金利スワップ取引を利用しております。当該デリバティブ取引は、期末ごとに時価評価したうえで損益処理することとしており、この評価損益が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善を見せる中、企業の業務効率向上を目的とした設備投資は堅調に推移しており、前年度比実質GDP成長率はプラス成長を維持する見通しであります。また、2025年春闘においては前年並みの賃上げ率が報告されており、個人消費の伸びは今後も維持するものとみられております。これらの要因により、緩やかな景気回復により経済成長が継続する可能性が高いと見込まれております。
一方、米国は大統領権限による様々な景気刺激策により、景気を下支えしておりますが、インフレの加速が予測されております。また、欧州連合(EU)においては、政策金利の引き下げを継続しており、投資動向に影響を与え、域内の内需回復が進む見通しとなっております。しかしながら、米国のトランプ政権による高関税政策の動向によるスタグフレーション発生の可能性、中国経済においても成長刺激策による成長維持を見込むものの、悪化傾向にある雇用状況が消費性向を抑制する要因となっております。これらの外的要因は、日本経済にも下押し圧力を及ぼす可能性があり、引続き慎重な動向の見極めが必要となっております。
そのような状況の中、2025年4月までは食料品など9,000品目以上の値上げがされており、今後も物価上昇は継続傾向にあるなか、資産防衛策としての実物資産への需要は一定レベルで存在し、不動産価格指数や金価格は上昇基調を維持しているようです。しかしながら、アートオークション市場においては価格の上昇をにらみ良品の出し渋り傾向が見られるため、オークションへの出品誘致を強化する対策を講じておりますが、以前に比べ低調であると言わざるを得ません。このような厳しい状況の中、委託販売品の取扱や前期よりずれ込んだプライベートセールなどもあり、アート関連事業において、取扱高は5,864,620千円(前年同期間比8.1%減)、売上高は2,037,021千円(前年同期間比1.3%増)と増収となりました。中でも、プライベートセールの売上高は、前年同期分と比し、75.8%増の1,153,243千円となりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前年比925,754千円減の3,313,026千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前年比868,436千円減の965,191千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前年比57,318千円減の2,347,834千円となりました。
b.経営成績
各事業の業績は次のとおりです。
1.アート関連事業
アート関連事業は、取扱高5,864,620千円(前年比8.1%減)、売上高2,037,021千円(前年比1.3%増)、セグメント利益194,306千円(前年は39,259千円のセグメント損失)となりました。
種別の業績は次のとおりです。
|
|
第36期 |
|||||||
|
|
2025年5月期 |
|||||||
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|
取扱高 |
前年比増減 |
売上高 |
前年比増減 |
オークション |
オークション |
オークション |
落札率 |
|
(千円) |
(%) |
(千円) |
(%) |
開催数 |
出品数 |
落札数 |
(%) |
|
|
近代美術オークション |
1,153,070 |
△18.0 |
233,237 |
△18.1 |
6 |
375 |
306 |
81.6 |
|
近代陶芸オークション |
252,830 |
△5.3 |
44,534 |
△9.5 |
4 |
717 |
635 |
88.6 |
|
近代美術PartⅡオークション(注)1 |
133,435 |
24.3 |
30,582 |
43.1 |
6 |
570 |
529 |
92.8 |
|
コンテンポラリーアートオークション |
119,675 |
△52.7 |
24,741 |
△50.0 |
6 |
125 |
104 |
83.2 |
|
ワイン・リカーオークション |
454,225 |
△28.0 |
96,524 |
△32.7 |
3 |
1,775 |
1,478 |
83.3 |
|
ジュエリー&ウォッチオークション |
393,700 |
△47.4 |
81,103 |
△40.6 |
2 |
616 |
370 |
60.1 |
|
その他オークション (注)2 |
70,140 |
△23.9 |
14,911 |
△19.1 |
3 |
400 |
361 |
90.3 |
|
アイアートオークション |
1,614,398 |
△8.9 |
344,747 |
△13.0 |
5 |
1,648 |
1,297 |
78.7 |
|
オークション事業合計 |
4,191,473 |
△20.6 |
870,383 |
△20.8 |
35 |
6,226 |
5,080 |
81.6 |
|
プライベートセール |
1,649,000 |
69.3 |
1,153,243 |
75.8 |
|
|
|
|
|
その他 |
24,146 |
△81.2 |
13,394 |
△94.7 |
|
|
|
|
|
プライベートセール・ |
1,673,147 |
51.7 |
1,166,638 |
28.1 |
|
|
|
|
|
アート関連事業合計 |
5,864,620 |
△8.1 |
2,037,021 |
1.3 |
|
|
|
|
(注)1.取扱高の前年比増減率と売上高の前年比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があ
ります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に
売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合
には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。
2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。
ⅰ)オークション事業
当連結会計年度は、オークションの開催回数は35回(前年度開催回数38回)でした。主な内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及びコンテンポラリーアートオークションを各6回、アイアートオークションを5回、近代陶芸オークションを4回、ワイン・リカーオークションを3回、西洋美術オークション、ジュエリー&ウォッチオークションを各2回、MANGAオークションを1回で、取扱高は昨年と比し20.6%減となりました。
近代美術オークションは、出品点数20.2%増、落札点数13.3%増でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で107.7%、取扱高は、1,153,070千円となり、昨年と比し18.0%減少しました。
近代陶芸オークションは、出品点数5.5%減、落札点数2.3%減となり、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で115.1%という水準で推移いたしました。取扱高は、252,830千円となり、昨年と比し5.3%減少しています。
近代美術PartⅡオークションは、出品点数18.8%増、落札点数16.3%増で、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で220.2%と高水準で推移しました。取扱高は、133,435千円となり、昨年と比し24.3%増加しました。
コンテンポラリーアートオークションは、出品点数0.8%増、落札点数9.6%減でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で29.4%で推移いたしました。取扱高は、119,675千円となり、昨年と比し52.7%減少しました。
ワイン・リカーオークションは、出品点数8.0%減、落札点数14.8%減となり、取扱高は454,225千円となり、前年比28.0%減となりました。
ジュエリー&ウォッチオークションは、出品点数17.5%減、落札点数31.0%減となり、取扱高は393,700千円と前年比47.4%減となりました。
アイアートオークションは、5回開催し、出品点数1,648点、落札点数1,297点となり、取扱高は1,614,398千円と前年比8.9%減となりました。
ⅱ)プライベートセール・その他事業
プライベートセール・その他事業では、美術品のプライベートセールでは大型案件が前期から期ずれとなったため、美術作品のプライベートセール事業は、売上高1,153,243千円(前年同期比75.8%増)となりました。資産防衛ダイヤモンド販売事業は、売上高350,964千円(前年同期比33.1%減)となりました。
結果として、プライベートセール・その他事業は、前年同期比で取扱高51.7%増、売上高28.1%増となりました。
2.その他事業
子会社保有の太陽光発電施設による売電事業は継続しており、当連結会計年度のその他事業のセグメント売上高は30,567千円(前年同期比17.5%増)、15,326千円のセグメント損失(前年は30,149千円のセグメント損失)となりました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,067,589千円(前年同期比1.6%増、対前年同期増加額31,589千円)、営業利益12,323千円(前年は242,524千円の営業損失)、経常損失17,749千円(前年は222,107千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失142,340千円(前年は1,010,510千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より120,555千円減少(前年同期間は931,126千円減少)し1,221,441千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は、210,878千円(前年は809,783千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失による資金減少147,072千円、オークション未収入金の減少による資金増加209,118千円、オークション未払金の減少による資金減少411,072千円、仕入債務の減少による資金減少21,733千円、法人税等の還付による資金増加104,923千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、22,888千円(前年は250,750千円の減少)となりました。これは主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による資金増加38,601千円、無形固定資産の取得による資金減少11,000千円、有形固定資産の取得による資金減少5,692千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、67,740千円(前年は143,903千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使に伴う株式発行による資金増加105,637千円に対し、長期借入金返済による資金減少35,548千円、セールアンドリースバック支出による資金減少2,349千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年6月1日 至 2025年5月31日) |
前年同期比(%) |
|
アート関連事業(千円) |
2,037,021 |
1.3 |
|
その他事業(千円) |
30,567 |
17.5 |
|
合計(千円) |
2,067,589 |
1.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上になる相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1.財政状態の分析
当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年比925,754千円減の3,313,026千円となりました。内訳は流動資産が775,768千円減の2,643,516千円、固定資産は149,986千円減の669,510千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金1,221,441千円(前年比120,555千円の減少)、売掛金4,374千円(前年比21,024千円の減少)、オークション未収入金267,815千円(前年比209,118千円の減少)、商品1,016,850千円(前年比191,499千円の減少)、その他132,265千円(前年比222,163千円の減少)であります。固定資産の主な内訳と増減は、のれん224,576千円(前年比27,221千円の減少)、その他投資資産231,135千円(前年比6,709千円の増加)であります。
負債は965,191千円(前年比868,436千円の減少)となりました。内訳は流動負債が712,879千円(前年比867,876千円の減少)、固定負債が252,311千円(前年比559千円の減少)となりました。流動負債の主な内訳と増減は、買掛金5,692千円(前年比22,250千円の減少)、オークション未払金306,851千円(前年比460,832千円の減少)、短期借入金90,000千円(前年比-千円増減)、前受金43,356千円(前年比256,233千円の減少)、過年度決算訂正関連費用引当金-千円(前年比117,691千円の減少)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金166,691千円(前年比35,882千円の減少)であります。
純資産は2,347,834千円(前年比57,318千円の減少)となりました。これは、資本金220,086千円(前年比54,508千円の増加)、資本剰余金2,999,234千円(前年比54,508千円の増加)、利益剰余金△876,405千円(前年比142,340千円の減少)となったことによるものであります。この結果、1株当たり純資産額は212.72円、自己資本比率は70.7%となっております。
2.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、公開のオークションという商形態にて美術品や高級品の換金やコレクションを円滑に実現し、美術品を中心とした高額品の価値付けに寄与することを自らのミッションとして事業を展開しております。グローバルにおける金利高止まりの継続によって、安全資産および代替資産への分散投資需要が促進され、アートや宝飾品、時計、リカーといった高額商品への投資的なニーズや経済的関心が顕在化しております。このような環境のなかで、当社が展開する公開オークションは、単なる流通手段にとどまらず、現代におけるアートや高額資産の経済的価値付けの一翼を担う機能としての社会的意義を持つため、その役割の重要性を認識し、自らのミッションの実現に向けた取り組みを更に強化・加速してまいります。
主な取り組みとしては、日本の高齢化に伴い、相続等による様々な高額品の取り扱い獲得を図ってまいります。さらに、国内の市場だけでなく、アジアを中心とした世界からの需要を取り込むため、国際マーケティング人材の採用強化と同時に、国内外からインターネットでオークションにライブで参加できるライブビッティングシステムの利便性向上と利用拡大を推進し、これまでのオークション形態に拘らず、より多くの方にオークションを体験していただき、新たな顧客層の開拓を図ってまいります。また、インフレ下での安全資産ニーズに支えられている資産防衛ダイヤモンド販売事業は、今後も安定した売上基盤として位置付け、推進してまいります。
引き続き、インフレによる資産価値の上昇をベースにオークションに関連した資産性商材の分野でも新たな可能性を追求し、優良高額品の取り扱いを増加させることで、顧客基盤と事業拡大を図ることを経営視点の一つに置いていきます。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、各事業の販売費及び一般管理費があります。
財務政策
当社は持株会社体制への移行を行い、運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金運用を推進しておりますが、前事業年度に発覚した不正会計問題により、金融機関からの借入に依存することが困難な状況となっております。
当社は、会計不正に係る一連の訂正作業が終わり、再発防止策の整備も着実に進みつつある状況下において、「信頼回復」から「成長軌道」へと舵を切る新たなフェーズに入るべきと認識しております。そのため、今後は、これまで事業活動の停滞を余儀なくされていた分の遅れを取り戻し、また、近年シュリンクしている国内のアート流通マーケットにおける当社の存在感や新たなポジショニングを確立させるべく、「ガバナンス・内部統制等の管理体制の強化」、「アート関連事業への成長投資」、「丸の内エリア再開発に伴う事務所の移転」を目的とした資金調達を検討し、日本国内のみならず、世界へ通用するアートを中心とした文化資産の価値流通企業を目指した戦略的経営を行ってまいります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ROE(自己資本当期純利益率)を重要な指標として位置づけ、当社グループの効率的な経営の実現を目標として、15%以上を連結での中長期的な指標として掲げておりますが、当期は目標値を下回る結果となりました。この背景としては、過去5年間に遡り実施した不正会計に関する訂正処理の結果、財務数値に大幅な修正が生じたこと、また、当連結会計年度においては収益力の伸び悩みや、一時的なコスト増加、具体的には不正会計への対応に伴う緊急的・臨時的な支出が増加したことに加え、想定外の対応を要する事象が発生したことが挙げられます。今後は収益力の強化を最重要課題とし、核心事業への経営資源を集中的に投下することで、軸足をしっかりと据える方針です。一方で、中核事業との相乗効果(シナジー)が見込める分野については、成長の糸口として積極的に取り組むことで、全体の企業価値向上を図ります。
|
決算年月 |
2021年5月 |
2022年5月 |
2023年5月 |
2024年5月 |
2025年5月 |
|
自己資本利益率(%) |
- |
9.18 |
10.23 |
- |
- |
②.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成のために当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
当社が行った見積りのうち重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
1.正規特約店委託契約
当社子会社(Shinwa Auction株式会社)は、2025年5月31日現在、9業者と正規特約店委託契約を締結しております。
(1)契約の目的
特約店は、美術業者や得意先コレクターからオークションへの出品に関する業務を行うことを目的としております。業務内容は、オークション売却希望者から売却委託を受け、販売委託契約を締結する業務と、オークション売却希望者を紹介することにより、オークション売却希望者との販売委託契約の締結の仲介をする業務があります。
(2)契約期間に関する事項
契約期間は、契約日から1年間とし、それ以降は自動更新であります。
(3)紹介料に関する事項
特約店の紹介による出品契約が締結された場合には、落札価額に応じた紹介料を特約店に支払います。
(4)契約解除に関する事項
契約満了の30日前までに契約解除の申し出があった場合、オークションへの出品及び紹介総額が一定基準に満たない場合、その他契約違反が生じた場合は、正規特約店委託契約を解除することができます。
2.MAGO CREATION 株式会社との業務提携に関する基本合意
当社は、2025年5月19日開催の取締役会において、MAGO CREATION 株式会社と業務提携に係る基本合意書の締結を決議いたしました。なお、詳細につきましては、2025年5月19日付で適時開示しております「MAGO CREATION 株式会社との業務提携に関する基本合意のお知らせ」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。