第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は「食でつなぐ。人を満たす。」とのパーパス(存在意義)を掲げ、経営の基軸としております。このパーパスには、創業からつなぐ「日本の食文化を守り育てる」との想いを礎としつつ、「食」が持つあらゆる可能性を模索し、「食」を通じてあらゆるヒト・モノ・コトをつなぎ合わせることで、世の中に対して新たな価値を提供し続け、より良い社会の実現に貢献していく企業であり続けたいとの想いを込めております。当社はこのパーパスのもと、飲食店の経営そのものを支援する企業へと進化すると同時に、外食産業の持続的な発展へと寄与することで、企業価値の拡大を図ってまいります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

当社の中核事業である飲食店支援事業を取り巻く環境は、サービスの対象である外食産業において、マスク着用ルールの緩和や新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類へ移行することにより消費者の生活がより平常に近づき外食需要の回復が期待される一方、コロナ禍によりテレワークが浸透したこと等を背景とした外食機会の縮小やデリバリーやテイクアウトの普及等による食の選択肢の多様化等により飲食店では以前に増して「外食ならでは」の体験価値が求められるようになると考えられます。加えて、人手不足や人件費の上昇、原材料価格や光熱費の高騰等の先行きも不透明な状況にあり、飲食店は収益確保のために限られたリソースの中で効率的に店舗を運営しつつ、消費者に「外食ならでは」の体験価値を提供することで売上を高めていく必要があります。また消費者の飲食店検索・予約行動においては、「Go To Eatキャンペーン」等をきっかけに「ネット予約をして飲食店に行く」行動様式が広がっており、その手段としてGoogleやSNSの存在感が高まっているほか、今後は対話型AI等の新たなサービスの台頭も予測される等、従来の飲食店検索・予約サイトはWebサービスの潮流の大きな変化の中にあると考えられます。

 

上述の事業環境を踏まえ、当社は「ぐるなび」サイトの在り方を見直し飲食店への送客力を高めること、「ぐるなび」サイトに限らず多様な販促・集客手法を飲食店が効率的に有効活用できるよう支援すること、さらに飲食店運営のDX支援の強化を通じて、飲食店が「外食ならでは」の体験価値を消費者に提供し続けられる環境の整備に貢献し、売上拡大と店舗運営効率化の双方に寄与することが、外食産業の発展、ひいては当社企業価値の拡大につながると考え、その実現に向け以下の取り組みを重点施策とする2024年3月期から2026年3月期までの中期事業方針を策定いたしました。

 

①「ぐるなび」サイトの変革

当社は「ぐるなび」サイトを「楽天会員にとって最も利得性、利便性の高いネット予約メディア」とするため、より多くの楽天会員による当社サイトを通じた飲食店検索・予約のリピート利用を促すコンテンツや機能の拡充を図ってまいります。具体的には、「ぐるなび」サイト内での楽天ポイント利用や楽天IDによる決済機能の実装等に取り組むほか、コロナ禍という厳しい事業環境を背景とした加盟飲食店の減少により掲載情報やネット予約の席在庫が不十分な状況にあるため、掲載情報の拡充に向けた外部サービスとの連携等についても取り組みを強化してまいります。

 

②マーケティングエージェントの確立

飲食店の販促・集客手法が多様化、複雑化する中において、多様なツールの運用・管理に係る飲食店の負担を軽減し、かつ効果を最大化するためのエージェント機能を強化・確立してまいります。また当社の集積する飲食店、消費者双方の外食関連データを活用し「ぐるなび」サイトや当社商品の利用に留まらず、幅広い販促・集客手法の中から各飲食店にとって最適な販促施策を提案し、施策の実行や効果検証等を総合的に支援するための営業人員の育成、サービス拡充に取り組んでまいります。

 

③「ぐるなびFineOrder」の第2の基幹サービス化

「ぐるなびFineOrder」は下記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおり、既に業務効率化や客単価向上に資するサービスとして大手チェーン店への導入が進みつつありますが、さらにマーケティング機能の拡充や、中小規模飲食店向け商品の開発を通じ幅広い飲食店への導入を進めることで、「ぐるなびFineOrder」を飲食店と消費者をつなぐ新たなサービスとして確立し、「ぐるなび」サイトに次ぐ第2の基幹サービスへと成長させてまいります。

 

④DXサービスの拡充

株式会社オプティムとの資本業務提携のもと、上記①~③の施策とも連動しつつ、飲食店の販促・集客、顧客管理、経営管理等の一体的なDX推進に資するサービスの開発や、当社と加盟飲食店をつなぐ外食産業向けデジタルプラットフォーム「ぐるなびPRO」のシステム強化に取り組んでまいります。

 

当社は上述の重点施策を通じ「飲食店DXのベストパートナー」となることを目指しており、その実現にあたっては、楽天グループ株式会社をはじめとするパートナー企業との連携をより一層強化・推進すると同時に、当社独自の強みである「人的サポート」と「デジタル活用」を通じて収集する「外食に関する情報資産」を分析・活用することにより、重点施策の推進力や実効性を高めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス及びリスク管理

当社は上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針」のとおり、「食でつなぐ。人を満たす。」とのパーパス(存在意義)のもと、世の中に対して新たな価値を提供し続け、より良い社会の実現に貢献していく企業であり続けたいと考えております。その実現に向けて、社会課題の変容や人的資本の活用等、当社を取り巻くサステナビリティに関するリスクや機会、またそれらに対する対応を、適宜経営執行会議において審議し、取締役会へ報告しております。またコーポレート・ガバナンスに関する事項については、コンプライアンス・リスク管理委員会において重要な問題を審議し、その結果を取締役会へ報告するほか、取締役会の任意の諮問機関として設置するガバナンス委員会において適宜審議しております。

なお、サステナビリティ関連のリスクを含む当社グループ全体のリスク管理については、コンプライアンス・リスク管理担当執行役員の制定する「リスク管理基本規程」において、その基本方針及び推進体制の概要を定めております。詳細については、下記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 ロ.損失の危険に関する規定その他の体制」をご参照ください。

 

(2) 戦略、指標及び目標

当社は「食」を事業領域としているため、「食」に関連する多様な社会課題に対し積極的に取り組む責任があると考えております。例えば、飲食店検索・予約メディアの運営者として消費者の「食」をより安全・安心で豊かなものにするための信頼性の高い情報発信の徹底、環境や社会の変容に強い飲食店経営モデルへの進化の支援、優れた日本の食文化・技術の発信・普及、後世への承継等について、当社が創業来構築・蓄積してきた外食に関わる方々とのネットワークや外食に関するデータベース、それらを活かした飲食店支援のノウハウ等を活用・発揮し取り組むことで、外食産業や食文化の持続的な発展に貢献すると同時に、当社中核事業である飲食店支援の持続的成長はもとより、新規事業の創出等による当社企業価値の更なる拡大へとつながると考えております。

 

また当社は創業来、営業をはじめとした「人」の力が築く、外食産業に携わる「人々」との絆を重視し事業を展開しております。「人と人とのつながり」が持つ互いの価値を高め合う力を信じ、大切に想う当社だからこそ、当社の多様な人材が個性や能力を発揮できる環境の整備のほか、外食に携わる方々の才能の発掘や育成、生産性向上を通じた労働環境の改善等、「人」に関わる様々な社会課題の解決に向けて積極的に取り組んでおります。

 

なお当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 

当社は、事業環境の変化に対応し絶え間ない価値創造が可能な強い組織を実現することで、パーパスの実践と企業価値の持続的な拡大を果たすため、2020年に「働き方進化プロジェクト」を発足いたしました。本プロジェクトでは、以下の3つの「シフト」による「Smart Work Shift(生産性高く、主体的かつ効率的な働き方)」をコンセプトとし、社員の働きやすさの向上(社内環境整備等)と、やりがいの向上(人材育成を含む人事制度の強化等)による働きがいの向上に取り組んでおります。

 

「Smart Work Shift(生産性高く、主体的かつ効率的な働き方)」

 ・Workstyle Shift(個人にあった働き方)

 ・Ownership Shift(一人ひとりが主役)

 ・Management Shift(生産性向上、価値創造の促進)

 

「働き方進化プロジェクト」における具体的な施策は以下のとおりです。

施策

実施時期

ダイバーシティ推進部署の設立(注)

2015年11月

働きやすさの向上

(社内環境整備等)

働き方の
柔軟性・多様性の向上

就業場所の拡大

2020年12月

遠隔勤務制度の導入

2021年4月

フレックスタイム制度の導入

2021年10月

出社とリモートワークを併用する
「Hybridな働き方」の導入

2021年10月

仕事のしやすさの向上

リモートワーク下における
コミュニケーションガイドの作成

2020年10月

マネジメントハンドブックの作成

2021年2月

全社朝礼の見直し等、
社内コミュニケーションの活性化

2021年8月

やりがいの向上

(人事制度強化等)

 

成長実感の向上

社内公募制度の強化

2019年より随時

全社員及び役職、職種毎の役割定義の明確化

2021年7月

e-ラーニングシステムの全社導入

2021年7月

貢献実感の向上

表彰制度の見直し

2021年より随時

パルスサーベイ(従業員意識調査)の導入

2022年12月

 

(注)「働き方進化プロジェクト」発足以前からの取り組み

 

2024年3月期におきましても人的資本経営の推進を当社の主要施策の一つと位置付け、2023年4月に評価・報酬に関する人事制度の改定を実施したほか、今後も引き続き、人材育成体系及び施策の強化、タレントマネジメントシステムによる人材の可視化及び分析等の強化、またこれらの施策に関する定量的な指標・目標の設定と進捗管理に取り組むことで、社員のエンゲージメント向上、ダイバーシティの推進を実現し、パフォーマンスの向上やイノベーションの創出による企業価値の持続的な拡大を目指してまいります。

 

他方、当社の企業活動及び事業の対象である外食産業は、地域社会や地球環境との強い結びつきの中で成り立っていることから、食を通じた地域社会振興への貢献や、当社及び外食産業の環境負荷低減、健全で透明性の高い経営の実践等、当社及び外食産業が社会・地球の一員として果たすべき役割・責任を認識し、行動に移しております。これにより、当社事業の発展の阻害要因となり得る社会的・環境的リスクを低減し、持続的な企業価値の拡大へと繋げてまいります。

 

上記に関する具体的な事業及び企業活動については、当社ウェブサイトをご参照ください。

https://corporate.gnavi.co.jp/profile/sustainability/

 

 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項については、提出日現在において当社グループで想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。

 

①外食市場の変化による影響について

当社グループの連結売上高の大部分を占める飲食店販促サービス売上については、その成長を有料加盟店舗数及び店舗あたり契約高の増加に依存しているため、外食市場の動向、飲食業界の業況及び大口取引先の販売促進政策の変更並びに消費者行動の変動により影響を受けます。このため、人手不足のさらなる深刻化や原材料価格・光熱費の高騰、また、テレワークの浸透、外出自粛要請・行動制限の影響及び飲食店検索行動の変化といった消費者側の変化が飲食店の収益の悪化につながった場合には、有料加盟店舗数及び店舗あたり契約高が減少することにより、当社業績に影響を与える可能性があります。

これに対し当社グループは、飲食店の販促に留まらず経営全体を支援するというコンセプトは継承しつつ、飲食店の生産性向上に直結する集客活動・店舗運営のDX支援にフォーカスし、飲食店の販促支援企業から飲食店DXのベストパートナーへと進化することで、業績の回復・再成長につなげてまいります。

 

②今後の事業展開について

当社グループでは、「食でつなぐ。人を満たす。」というパーパス(存在意義)を掲げ、飲食店の販促支援に留まらない多面的な事業ポートフォリオを構築することを目指しておりますが、必ずしも想定通りに計画が進捗する保証はなく、また新規事業に関しては想定以上に人材の確保、設備の増強等追加的な費用が発生することがあるため、業績に影響を与える可能性があります。また、事業拡大の手段として企業合併又は買収等を行うことがありますが、想定通りに効果が得られない可能性もあります。

そのため、新規事業等の事業計画については、経営執行会議でその進捗や収支計画、万一計画通りに進捗しなかった場合の撤退リスク・費用等を十分に評価する等の対策を講じております。

 

③ユーザーの支持獲得について

当社グループは、主として「ぐるなび」のコンテンツの魅力を高めてユーザー数を増加させることにより飲食店の販売促進ツールとしての「ぐるなび」の価値を増大させ、加盟飲食店への送客を増加させることで収益増加を図っております。

今後、競合他社の動向や業種を超えた飲食店向けサービスの出現・進化によって「ぐるなび」の相対的競争優位性が低下し、「ぐるなび」がユーザーの支持を失った場合、飲食店の販売促進ツールとしての「ぐるなび」の価値の低下や送客数の伸び悩みにより、加盟飲食店が減少するなど業績に影響を与える可能性があります。

これに対し当社グループは、1億人以上を数える楽天会員にとって最も利便性、利得性の高いネット予約メディアを目指し、当社会員との連携をさらに拡大し、楽天ポイント利用等、楽天IDによる決済機能の実装のほか、掲載情報の拡充に向けた外部サービスとの連携等の取組みを強化することでユーザー数の維持・拡大を図り、送客力・費用対効果の向上を通じ、有料加盟店舗数及び店舗当たり契約高の増大につなげてまいります。

 

④事業環境の変化へ対応するための投資について

当社グループはITを事業基盤としており、サービスの価値向上のために有効と思われる技術は積極的に取り入れておりますが、ITの進歩はめまぐるしいため、今後利用価値の高い新技術が出現した場合、導入している技術が陳腐化して、ネットワーク関連機器及びソフトウエア等の開発あるいは導入にかかる投資が予想以上に増加し、業績に影響を与える可能性があります。

そのため、最新の技術動向を常時把握するとともに、必要に応じて速やかに最新技術に投資できるよう資金の確保に努めております。

 

⑤楽天グループ株式会社との関係について

当社は、インターネットサービス事業における高いシナジーの実現と、これによる今後の当社グループの業績拡大と発展を期待し、楽天グループ株式会社(以下「同社」といいます。)との間で資本業務提携関係にあり、同社は2023年3月31日現在、当社の議決権の16.63%を保有する主要株主かつ筆頭株主となっております。

当社の経営の重要な意思決定において、同社の事前承認や事前報告が必要な事項はなく、また当社と同社との間における取引関係も独立した第三者間と同様の一般的な取引条件で行っており、同社からの独立性は確保されている状況にあります。将来的にこの関係が解消される可能性は極めて低いと考えておりますが、万一維持されなくなった場合には、飲食店への送客力の低下に伴う収益の減少、あるいは当社グループの事業展開や資本政策への影響をもたらす可能性があります。

これに対し当社グループは、楽天ID連携会員数をさらに伸ばし、楽天エコシステムにおける外食のプレゼンスを向上させるなど、緊密かつ相互的な協力関係を構築することにより、両者の発展に貢献するよう努めてまいります。

 

⑥人材の確保について

当社グループでは、事業領域の拡大に伴って人材の確保と育成が重要な課題となっています。適正な人材の獲得・育成・維持・確保が計画通りに進まない場合や、適正な人材が社外に流出した場合には、期待していた収益を得られず、業績に影響を与える場合があります。

そのため、内部での人材育成と抜擢を重視し、多種多様な求人手段を活用して外部からの人材登用にも取り組んでいます。また、「新しい働き方」の実施等により、やりがいと働きやすさの両立を図ることで、人材流出を防止しております。

 

⑦開発体制について

当社グループでは、常に新しいサービスを創造するため、積極的に開発人員を投入しています。しかし、計画通りに開発要員を確保できない場合や、開発計画と人員数・開発スキルのバランスが崩れると、事業の進行が遅れ、期待していた収益を得られないなど、業績に影響を与える可能性があります。また、開発投資の実行に対して想定通りの効果を得られない可能性もあります。

これに対し当社グループでは、多様な求人手段を活用して社員の採用を図るとともに、計画的かつ効率的な開発人員の配置やスキル向上に努めております。

 

⑧システムに関わるリスクについて

当社グループのサービスはインターネット上で提供されており、インターネットの接続環境及び社内外のコンピューターネットワーク等のインフラが良好に稼動することに大きく依存しております。しかし、社外からの破壊的な行為、社内での人的ミス、又は自然災害等によりシステムダウン等の障害が発生した場合、顧客に対するサービス提供の停止又はユーザー情報の消失等が発生するおそれがあります。その結果、サービス利用料の減収やユーザーに対する補償が生じたり、当社グループに対する信頼性の低下を招いたりすることによって、業績に影響を与える場合があります。

そのため、当社グループは、コンピューターネットワークシステムに関して、バックアップセンターの強化、各種サーバーの増強及び冗長化、サーバールーム入室認証システムの導入並びに社内コンピューターネットワーク利用状況監視システム等、可能な限りの対策を行っております。

 

⑨資金繰りについて

当社グループは、将来の成長や投資活動のために追加の資金調達が必要な場合がありますが、金融市場の変動や信用状況の悪化などにより、必要な資金調達が制約される可能性があります。また、予期せぬ事象が発生した場合、予算外の費用が発生する可能性があります。これらの資金繰りに関するリスクが顕在化した場合、当社グループの財務計画や運営に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは、資金繰りの健全性を確保するために、適切なキャッシュフロー管理やリスク管理を実施しています。また、必要に応じて増資や借入の検討を行い、適切な資金繰りを確保する努力を行っています。

 

⑩知的財産権について

当社グループのサービスに関する技術及びノウハウ、あるいはサービス名などに関する特許権・商標権等を他社が先に取得しているなど、必要な知的財産権を保有していないことにより、サービスの開発又は販売等に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。また、今後、当社の知的財産権侵害を理由とする訴訟等が発生しないとは限らず、かかる事態が発生した場合には、多額のライセンス料又は損害賠償の支払など、業績に影響を与える可能性があります。

これに対し当社グループでは、知的財産に関する専門部署を設置して、知的財産権の適切な出願、侵害の防止等その管理に努めており、新規に開発したサービスで知的財産権の対象となる可能性のあるものについては、必要に応じて特許権・商標権等の出願を行っております。

 

⑪個人情報の取扱いについて

当社グループのサービスでは広く会員を募っており、会員登録に伴い各種の個人情報を取得しております。したがって、外部からの侵入者及び当社グループ関係者並びに業務委託先等により会員の個人情報が外部に流出して不正に使用された場合、損害賠償請求等当社グループの責任を問われるとともに、当社グループの評判が低下し、業績に影響を与える場合があります。

これに対し当社グループでは、個人情報を含む秘密情報の保護・管理に関する専門部署を設置した上で、コンピューターシステムにおけるセキュリティの強化を常時行うとともに、個人情報保護に関する各種規程を定めて運用しており、また、ユーザーに対しても当社グループのサイト上にプライバシーポリシーを掲出し取り組みを明示しております。

 

⑫インターネットを巡る法的規制の現状と今後の可能性及び影響について

インターネットの普及と技術の進歩により、データの収集や利用、オンラインプラットフォームの運営などに関する法的な課題や懸念が存在していますが、インターネットユーザーや関連事業者を対象とした新たな法的規制が制定された場合、情報表示や個人情報の取り扱いに関する大規模な改修などが必要となるほか、開発や運営における労力が増加する可能性があります。また、規制の遵守やそれに準拠するための対応策やコンプライアンス体制の整備が必要となる可能性があります。これらの要因により、運営コストが増加することにより、業績に影響を与える可能性があります。

そのため、当社グループでは、法的規制の動向を注視し、適切なコンプライアンス体制の整備と対応策の検討を随時行っております。

 

⑬震災等の巨大災害の発生について

震災等の巨大災害が大都市で発生した場合には、多数の飲食店等の顧客に甚大な被害が生じるほか、当社の人員、施設、システム等にも著しい損害が発生することが予想され、顧客やサービス提供の基盤の喪失により、収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループは、サーバーの冗長化や事業継続計画の策定など、事業基盤を維持するための様々な対策を講じております。

 

⑭海外子会社及び海外事業について

海外子会社及び海外事業においては、当該国の政治・経済情勢や規制状況の変化に起因した代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生する場合があり、業績に影響を与える場合があります。

 

⑮訴訟

当社グループがステークホルダーを含む第三者から損害賠償請求などの訴訟を起こされた場合、当社グループの事業展開に支障が生じたり、保有するブランドイメージを毀損したりする場合があります。また金銭的負担により、業績に影響が出る場合があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況及び当該経営成績等に関する経営者の視点による認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症を背景とした行動制限等の厳しい状況が緩和される中で、持ち直しの動きがみられました。当社サービスの対象である外食産業においても飲食店の売上高は業態によってばらつきはあるものの総じて回復基調にありましたが、その一方で原材料価格・光熱費の上昇や人材不足等経営環境には厳しさや先行き不透明感がみられました。

 

当社は当期、不透明な事業環境の中においても着実に中核事業を回復し第4四半期を黒字とすること、また中長期的な当社の事業成長を牽引する新たな事業・サービスを構築することを目指し、主に下記の取り組みを進めてまいりました。

中核事業である飲食店支援の回復と再成長に向けて、販促支援領域においては、加盟飲食店への送客力を高めARPUの向上や解約率の低減を図ることを目的に、ポイント付与やネット予約クーポンの配布を軸としたネット予約促進キャンペーンの展開、より販促効果の高い加盟プランへのプランアップ提案等に注力し、これらの取り組みの結果、当第4四半期におけるストック型サービスのARPUは前年同期より37%上昇いたしました。また業務・経営支援領域においては、モバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」に関し、連携するPOSレジシステムの拡大や「楽天ポイント」との連携をはじめとした機能拡充のほか、導入店舗における円滑な利用促進のためのサポート強化等を通じた契約企業数の拡大に注力し、導入店舗では業務効率化だけでなく客単価向上等の効果が現れています。その他、販促分野に留まらない総合的な飲食店支援サービスの拡充や人材交流を通じた社員の育成等を目的とし5月に株式会社テンポスホールディングスと業務提携契約を、外食産業のDX推進を加速すべく飲食店の様々な業務領域においてデジタルを活用した支援ツールを企画・開発・提供することを目的に12月に株式会社オプティムと資本業務提携契約をそれぞれ締結いたしました。

飲食店支援以外の新たな取り組みとして、商業施設の飲食エリアのコンセプト設計から店舗誘致・構築、フロア運営までを総合的にプロデュースする店舗開発事業において4月に鹿児島県、5月に愛知県、11月に東京都の商業施設にそれぞれフードホールをオープンしたほか、食を通じた地域振興施策として総務省の「地域活性化起業人制度」を活用した従業員の派遣を全国13の地域へと拡大、6月には当社が運営するECサイトにおいて「ふるさと納税」サービスの取り扱いを開始いたしました。また9月には予約が困難な飲食店の席確保や予約代行等の付加価値の高い食体験サービスを提供する有料会員制サービス「PREMIUM GOURMET CLUB」を開始いたしました。

加えて早期の業績回復と中長期的な利益創出に向け、注力サービスの絞り込みや業務効率化による経営資源配分の見直しにも取り組み、具体的には、7月に「楽天ぐるなびデリバリー」及び「楽天ぐるなびテイクアウト」のサービスを、2月にマルチ決済サービス「ぐるなびPay」を、3月にPOSレジサービス「ぐるなびPOS+(ポスタス)」を終了したほか、12月に連結子会社である株式会社ぐるなびプロモーションコミュニティを解散いたしました。また売上回復にかかる期間における固定費の低減等を目的に業務提携先企業等への従業員の出向を5月以降順次実施いたしました。

また、当社はコロナ禍からの業績回復・再成長の実現のため、第三者割当増資により事業推進に係る設備資金や運転資金を調達する等、前期より財務基盤の強化を図ってまいりました。当期においてはより一層の運転資金の充実及び財務基盤の強化のため8月に株式会社商工組合中央金庫より資本性劣後ローンによる2,200百万円の、また1月に上述の資本業務提携に伴う第三者割当増資によりオプティムより300百万円の資金調達を実施いたしました。

 

以上の活動の結果、当社の当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。

 

財政状態について、当連結会計年度末の総資産は、流動資産が上述の資金調達等による現金及び預金の増加を主因に1,369百万円増加した一方で、固定資産が本社オフィスの縮小等による敷金及び保証金の減少を主因に475百万円減少したことから、前連結会計年度末より893百万円増加13,001百万円となりました。

負債については、上述の資本性劣後ローンによる資金調達により長期借入金が増加したことを主因とし、前連結会計年度末より2,846百万円増加6,102百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失2,286百万円等により前連結会計年度末より1,953百万円減少6,898百万円となりました。

 

経営成績について、当連結会計年度の売上高は12,296百万円(前連結会計年度は12,852百万円)となりました。事業区分別の売上高は下表のとおりです。

 

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

対前期

増減率

(%)

金額(千円)

金額(千円)

基盤事業

飲食店販促サービス

 

 

 

 

ストック型サービス

8,412,290

7,863,974

△6.5

スポット型サービス

1,579,564

1,118,196

△29.2

小計

9,991,854

8,982,170

△10.1

プロモーション

1,361,331

1,282,249

△5.8

小計

11,353,185

10,264,419

△9.6

関連事業

1,499,119

2,031,647

+35.5

合計

12,852,305

12,296,066

△4.3

 

 

飲食店販促サービスのうちストック型サービスについては、前期において受注の低調により売上の減少が続き、当期の期初におけるベース売上が低水準だったことを主因とし前期を下回りましたが、上述の販促支援領域における取り組み等が奏功し、当期においては第1四半期をボトムに四半期毎に売上が回復いたしました。スポット型サービスについては、2021年9月に新たな加盟プランを開始したことに伴う手数料の改定によりネット予約手数料売上が減少したことのほか、上述のデリバリー及びテイクアウトサービスの終了により、前期を下回りました。

関連事業については、上述の店舗開発事業において商業施設からの収益を計上したほか、訪日外国人向け観光情報サービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE」の回復等により前期を上回りました。

 

費用面については、採用の抑制及び自然減による従業員の減少と上述の出向施策により人件費が減少したほか、注力サービス・施策の絞り込みによる業務委託費や広宣・販促費の減少等により前期を下回りました。

 

以上の結果、営業損失は1,724百万円(前連結会計年度は4,786百万円の損失)、経常損失は1,664百万円(前連結会計年度は4,692百万円の損失)となりました。なお当連結会計年度において固定資産の減損処理に伴う減損損失690百万円を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純損失は2,286百万円(前連結会計年度は5,768百万円の損失)となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純損失の計上により、1,042百万円の支出(前連結会計年度比3,603百万円の支出減)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、ソフトウェア(442百万円)及び有形固定資産(289百万円)の取得等による支出があった一方、投資有価証券の売却(399百万円)、本社オフィスの縮小に伴う敷金及び保証金の回収(364百万円)等の収入があったことから、123百万円の支出(前連結会計年度比813百万円の支出減)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に上述の長期借入金による収入2,200百万円、第三者割当増資300百万円により、2,449百万円の収入(前連結会計年度は4,994百万円の収入)となりました。

 

当社グループにおける主な資金需要は、営業活動等に係る人件費やサービスの制作・運用に係る外注費、事務所賃借料等の運転資金のほか、サービスの拡大・強化に係るソフトウェア投資等の設備資金です。資金調達につきましては、基本的に内部資金を活用しておりますが、事業環境の変化を見据え、適宜外部資金の調達を実施しております。

 

なお、生産実績については、当社グループは飲食店販促支援事業を主たる事業として行っており、生産に該当する事項はありません。また、当社グループの主たる業務である飲食店販促支援事業は、提供するサービスの性格上、受注の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。