文中の将来に関する事項は、本四半期報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府による経済対策の効果や雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調で推移しましたが、中国をはじめとするアジア諸国の景気の下振れリスクが高まり、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは、連結子会社である株式会社ネクスグループ(以下「ネクスグループ」といいます。)が株式会社SJI(JASDAQ コード番号2315、以下「SJI」といいます。)と資本業務提携を締結し、平成27年6月29日開催のSJI定時株主総会において、第三者割当による募集株式および新株予約権のそれぞれの発行が承認可決され、平成27年6月30日付で募集株式の払込手続きが完了し、SJI及びその子会社を連結の範囲に含めました。本資本提携により財務面において脆弱であったSJIの資本増強が実現するとともに、SJIの同定時株主総会において、海外資産売却の一環として石油化学エンジニアリングサービス事業を行っていた連結子会社の保有株式の全てを譲渡すること、及び取締役をはじめとする経営体制の大幅な刷新についても承認可決され、新生SJIとして始動いたしました。なお、SJIの連結子会社化をうけ、ネクスグループは、株式交換により7月にネクス・ソリューションズを完全子会社化いたしました。
SJIは、過年度の会計処理の訂正を行ったことを受け、株式会社東京証券取引所より平成27年2月25日付にて、特設注意市場銘柄に指定されております。過年度の会計処理の訂正の原因となった過去の経営体制や企業風土と決別し、公正で適正かつ透明性のある組織風土づくりを進め、ガバナンス・コンプライアンス体制の充実強化に努めてまいります。
具体的には、経営トップをはじめとする役職員全員のコンプライアンス意識の向上(コンプライアンス研修の充実等)、取締役会に対する監視機能の強化、監査体制の機能強化、内部通報制度の強化等を通じて、ガバナンス重視の経営に向けて社内体制の強化を図ってまいります。
これらの取り組みを実行すると同時に、特設注意市場銘柄の指定解除を喫緊の課題として、内部管理体制等の改善に努めてSJIのステークホルダーの信頼を回復すべく、平成27年7月よりガバナンス推進室を新設したほか、社外委員会等のご指摘をふまえ、再発防止策を徹底することは勿論のこと、人事制度を始めとする企業風土を改善する取り組みを開始しております。
また、平成27年10月1日に開催されましたSJIの臨時株主総会において、本店所在地の変更および決算期(事業年度の末日)の変更等を含む定款の一部変更が承認可決されました。本社移転につきましては、賃借料の大幅なコストカットと本社部門の規模を適正水準とすることを目的としており、一層の効率化を図ってまいります。
情報サービス事業におきましては、子会社の株式会社フィスコIR(以下「フィスコIR」といいます。)に企業調査レポート事業の移管を開始し、より総合的な企業IR支援サービスを提供できる体制といたしました。
当該移管がほぼ完了したことから、フィスコIRは統合報告書、アニュアル・レポート、CSRレポート、株主通信、企業調査レポート等、クライアント企業のニーズに適合したIR制作物をワンストップで提供できるようになりました。また、東京証券取引所が定めるコーポレート・ガバナンス・コードが施行されたことに伴い、決算短信や企業調査レポート等の英語版の受注も増え始めており、上場クライアント企業のニーズに対応できるよう努力してまいります。なお、フィスコIRは、日本企業における投資家向け広報(IR)活動が転換期を迎えているとの認識のもと、投資家と企業を繋ぐ唯一無二のプラットフォームを構築するとともに、比較的レポートが少ない中小型株の企業等の情報を補完して、資本市場の活性化に寄与したいと考えております。また、上場会社をはじめとする400社以上の顧客と取引があることから、当社グループの事業である広告代理業、コンサルティング事業、インターネット旅行事業、デバイス事業のハブとして、クロスセルを推進してまいります。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は6,818百万円(前年同期比5.0%増)、売上原価は5,741百万円(前年同期比19.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は、SJIグループの連結子会社化に伴い増加し、のれんの償却額208百万円を加えた1,713百万円(前年同期比28.8%増)となりました。その結果、営業損失は636百万円(前年同期は373百万円の営業利益)と前年同期と比較して大幅な減益となり、経常損失は865百万円(前年同期は436百万円の経常利益)となりました。これは、雑収入71百万円等の営業外収益97百万円を計上したものの、主にSJIグループにおいて発生した為替差損175百万円等の営業外費用325百万円を計上したことによるものであります。
四半期純損益は、関係会社株式売却損24百万円、和解金25百万円等の特別損失62百万円を計上したものの、特別利益として、関係会社株式売却益254百万円及び受取和解金271百万円等の623百万円を計上したことにより、四半期純損失152百万円(前年同期は255百万円の四半期純利益)となりました。
なお、セグメントごとの業績は、次のとおりです。
① 情報サービス事業
個人向けサービスは、ECサイト「クラブフィスコ」及び株価分析ツール「LaQoo+(ラクープラス)」並びに注目銘柄配信サービス「マーケット マスターズ」のサービスによる売上高が30百万円(前年同期比23.6%減)となりました。
ポータルサービスの売上高は、「YAHOO!JAPAN ファイナンス」における当社のページビュー数が好調を維持・継続してたものの、売上高は40百万円(前年同期比11.1%減)にとどまりました。
企業IR支援サービス分野におきましては、当社及びフィスコIRによる企業調査レポートサービスの受注が好調に推移したことにより売上高519百万円となりました。なお、企業調査レポートサービス分野につきましては、当連結会計年度より企業調査レポートに加えてフィスコIRの売上を合算しているため、前年同期比は記載しておりません。
法人向リアルタイムサービスにおいては、金融情報専用端末における金融機関の散発的な解約もあり、売上高は138百万円(前年同期比9.8%減)となりました。アウトソーシングサービスにおいては、証券会社及びインターネット専業金融取引業者などの一部解約があったことから売上高は164百万円(前年同期比18.1%減)となりました。
この結果、当事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は906百万円(前年同期比17.3%減)となり、セグメント利益は147百万円(前年同期比58.8%減)となりました。
② デバイス事業
デバイス事業におきましては、7月に開催された鈴鹿8時間耐久レースに昨年に引き続き参戦し、厳しい環境下での環境テストを重ね、安定したデータのログ取得の実績を積むことにより通信の安定性の検証を行いました。
将来的には株式会社ネクス(以下「ネクス」といいます。)の自動車テレマティクス製品でのノウハウを活かし、オートバイのECU(Engine Control Unit)データの通信等も視野にいれ、より安定した精度の高い通信技術の検証を行ってまいります。
ネクスにおきましては、上期の売上が大きく減少した3点の理由についてそれぞれ下記の通り進捗しておりますが、一部は当該四半期での販売につながったものの、その大半は第4四半期での販売を予定しております。
① 自動車テレマティクス分野の新製品2機種について、顧客からの仕様変更の要求がありましたが開発は完了し、第4四半期の販売に向け量産を開始いたしました。
② 既存製品のLTE対応のUSBドングル1機種において発生した不具合につきましては、ソフトウェアの書換作業が完了し予定通り製品販売をしております。
③ 既存製品の3G対応のUSBドングル1機種において、製品販売先であるメーカーにおいて、ネクスの通信機器を組み込む予定の製品の開発が遅延しておりましたが、販売先メーカーによる製品開発が完了し、当該四半期より販売を開始いたしました。
農業ICT事業「NCXX FARM」では、特許農法の実施、ICT技術を用いた環境管理、データ収集と分析を行いながら、3期目の収穫を迎えました。現在は、140坪の試験圃場にてトマト栽培を行なっておりますが、今後は本格的な事業化のために、大幅に規模を拡大していく予定です。
また、ヴイストン株式会社と共同開発中の介護ロボットにつきましては、提携先介護施設において、実証実験を繰り返しており、高齢者が能動的にロボットとコミュニケーションをとるための検証と改良を引き続き行なっております。
次に、株式会社ネクス・ソリューションズ(「ネクス・ソリューションズ」といいます。)及びSJIが事業を展開する情報サービス・ソフトウェア産業におきましては、企業の収益改善を背景として、IT投資が進み、需要は引き続き拡大基調を示しております。企業や個人のクラウドに対するニーズが高まっており、システムをクラウド上に移行する際に使われる仮想化ソフトの需要が見込まれます。また、企業のビッグデータに関する注目は高く、ビッグデータ解析に使う解析ソフトやデータベースソフトの需要が高まる可能性があります。そして近年、企業や金融機関を狙ったセキュリティ攻撃が多発しており、セキュリティに対する関心は企業、個人ともに高くなっております。こうした分野を収益化するために、積極的に技術者の採用、育成を進めております。
ネクス・ソリューションズでは、主要顧客となる大手自動車部品メーカー、大手情報処理サービス企業等からの開発委託を受ける一方で、OBDⅡ型自動車テレマティクスデータ収集ユニット(GX410NC)に対応した自社システム開発に着手いたしました。具体的には、車両位置や現在の状態をリアルタイムで把握し、仕入・生産・販売・勤怠システムなどの既存インフラとの連携させた運行管理システムや、危険運転を察知してエコドライブを指導する安全運転管理システム等の自動車テレマティクス・サービスの開発を行ってまいります。
SJIでは、人材の育成・強化を目的とした社内技術者向け研修の充実や、KPI(重要業績評価指標)の設定による事業マネージメントの強化、殊にプロジェクトの徹底した管理に注力いたしました。また、GM(グループマネージャー)制度を立ち上げたことにより、プロジェクトごとの課題発見やその対応の迅速化が実現し、金融機関向、情報通信業向、ならびに官公庁・団体向の開発案件は比較的好調に推移しております。
SJIの喫緊の課題である財務の健全化につきましては、借入金等の返済を行う等債務圧縮に努め、平成27年10月期決算における債務超過の解消を目的として、10月にネクスグループがSJI発行の新株予約権の一部を行使いたしました。
株式会社ケア・ダイナミクス(以下「ケア・ダイナミクス」といいます。)では、8月にCYBERDYNE株式会社と、同社が生産・レンタルする「HAL®介護支援用(腰タイプ)」の介護施設への導入支援、および販売取次を開始しました。今後もCYBERDYNE株式会社のHAL®をはじめとする、介護現場をサポートする新技術を持った様々な介護ロボットの商品ラインナップをそろえることで、多くの介護事業者への導入支援を行い、介護現場での新しい運動訓練の提供、介護現場の効率化、介護現場で働く多くの方々の負担の軽減を目指してまいります。
以上の結果、デバイス事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は3,339百万円(前年同期比7.9%減)、セグメント損失は616百万円(前年同期は94百万円のセグメント利益)となりました。
③ インターネット旅行事業
イー・旅ネット・ドット・コム株式会社(以下「イー旅」といいます。)および、株式会社ウェブトラベル(以下「ウェブトラベル」といいます。)が属するインターネット旅行事業につきましては、ウェブサイトならではの利便性に加え専門家によるホスピタリティ精神あふれる質の高いオーダーメイド旅行サービスを提供しております。
多様化、高度化する旅行ニーズに応えトラベルコンシェルジュを増員するために、添乗員の募集・ツアーコンダクターの求人や派遣をおこなう株式会社エコールインターナショナルと業務提携を行い、同社に登録中の添乗員・ツアーコンダクターによるコンシェルジュ業務を開始いたしました。
イー旅は、2017年度の株式上場に向けて資本参加を含めた業務提携を積極的に進めており、7月には株式会社ソウ・ツー(以下「ソウ・ツー」といいます。)と資本業務提携を締結いたしました。
ソウ・ツーは「不動産事業」「店舗事業」「ライフスタイル事業」「蔦屋事業」の4事業を営んでおり、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」といいます。)と協力して代官山・湘南でT-Site事業を行っております。CCCは、株式会社Tトラベルや株式会社アークスリー・インターナショナルなどの旅行事業も営んでおりますが、ウェブトラベルとはマーケットが違うところからシナジーを期待しており、12月を目途に代官山蔦屋書店内Tトラベルカウンターでのイベントや、来春オープンが決まっている枚方T-Siteでの協業イベントも予定しております。
|
同事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は、イスラム国によるテロ不安等の影響を受け、ヨーロッパやハネムーンを中心とした海外旅行事業売上が1,091百万円、国内旅行事業売上が90百万円の合計1,181百万円(前年同期比8.4%減)となりました。セグメント利益は、システムの見直しや各種契約の見直し等の継続したものの、売上高の減少を補うことはできず、18百万円(前年同期比37.2%減)にとどまりました。 なお、トラベルコンシェルジュが中心となり企画した「こだわりの旅シリーズ」では、新しい「こだわりの旅」を毎月発表し好評を博しております。オーダーメイドだからこそ実現できる「こだわりの旅シリーズ」として、月1度、新しい「こだわりの旅」を発表しており、6月に発表した「クメール王朝の世界遺産を訪ねる旅」に続き、7月には「北欧の雑貨とデザインの旅」、8月には長期滞在型のモデルケース「暮らすように旅するニューヨーク」を、新たにリリースいたしました。
|
|
④ 広告代理業
広告代理業におきましては、株式会社フィスコダイヤモンドエージェンシーの業績が順調に推移したことに加え、同社子会社の株式会社シヤンテイのノベルティ制作売上が大きく貢献し、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,356百万円(前年同期比257.9%増)なり、セグメント利益は68百万円(前年同期比64.0%増)と増収増益となりました。
当事業では、BSTVメディアの扱いの獲得、ノベルティの新規顧客からの受注とB to B分野への販路拡大を推進しております。また、今後の成長に向けウェブサイトや販促ツールで効果を発揮するマンガ表現をマーケティング分野で活用すべく業務提携を行うなど、積極的な営業活動に取り組んでおります。
⑤ コンサルティング事業
コンサルティング事業におきましては、株式会社バーサタイルが介護施設等に対するコンサルティングを実施いたしました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は33百万円(前年同期比67.0%減)となり、セグメント損失は42百万円(前年同期は69百万円のセグメント利益)となりました。なお、株式会社バーサタイルは、イタリアで、ぶどう栽培及びワインの醸造を行っているMEC S.R.L. SOCIETA' AGRICOLAの持分の追加取得を行い、連結子会社化いたしました。今後は、同社が醸造したワインの国内への輸入・販売を実施してまいります。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて9,906百万円増加し20,522百万円となりました。これは主にSJI及びその子会社を連結の範囲に含めた影響によるもので、のれんが5,671百万円、未収入金(長期未収入金を含む)が5,060百万円、短期貸付金及び長期貸付金が2,371百万円増加した一方で、SJIを連結したことを主因として貸倒引当金が6,676百万円増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて9,433百万円増加し15,159百万円となりました。これは主に、SJI及びその子会社の債務の増加によるものであります。具体的には、短期借入金が2,411百万円、長期借入金(1年内返済予定長期借入金を含む)が5,011百万円、未払金555百万円、未払費用が686百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて473百万円増加の5,363百万円となりました。これは主に四半期純損失152百万円計上したことにより利益剰余金が減少した一方で、少数株主持分が697百万円増加したこと等によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、受託開発も含め22百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)従業員数
① 連結会社
当第3四半期連結会計期間末において、当社グループの従業員数は、前連結会計年度末と比較して408名増加し752名となっております。これは主にデバイス事業において、株式会社SJI及びその連結子会社を第2四半期連結会計期間に連結子会社化したことに伴う従業員数の増加であります。
② 提出会社
当第3四半期連結累計期間において、当社の従業員数の著しい増減はありません。
(6)主要な設備
当社グループは、当第3四半期連結累計期間において、前記「(5) 従業員数」に記載の株式取得にともない、主要な設備として新たに以下の事業所を有することとなりました。
(平成27年9月30日現在)
|
会社名 |
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
帳簿価額 |
従業員数 (人) |
||||
|
建物及び構築物 (千円) |
工具、器具及び備品 (千円) |
ソフト ウェア (千円) |
リース資産 (千円) |
合計 (千円) |
|||||
|
㈱SJI |
本社 (東京都品川区) |
デバイス 事業 |
本社、システム開発機器及び事業所設備等 |
4,026 |
20,064 |
58,296 |
5,505 |
87,892 |
472 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記事業所は建物を賃借しており、当第3四半期連結会計期間の賃借料は18,296千円であります。