(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策を背景に、企業業績が回復基調にあるなかで、設備投資が緩やかに増加し、雇用環境にも改善が見られましたが、消費税率引き上げや円安進行等に伴う個人消費の下押し懸念が残りました。
一方で、海外におきましては、米国の景気回復が継続しているものの、中国・アセアンをはじめとした新興国経済の景気が減速する動きとなっていることから世界経済全体の先行きについては、不透明な状況が継続しております。国内株式市場におきましては、日経平均株価終値は前年の年末終値と比較して1,582円94銭上昇して19,033円71銭で年内の取引を終えました。
このような状況のもと、当社グループは、株式会社ネクスグループ(以下「ネクスグループ」といいます。)が株式会社SJI(以下「SJI」といいます。)と資本業務提携契約を締結し、SJI定時株主総会において、第三者割当による募集株式及び新株予約権のそれぞれの発行が承認可決され、平成27年6月30日付で募集株式の払込手続きが完了し、SJI及びその子会社6社を連結の範囲に含めました。
本資本提携によって財務面において脆弱であったSJIの財務体質が大幅に改善し、10月にはネクスグループによる新株予約権の一部行使により、SJIの財政状態はさらに改善いたしました。
しかしながら、SJIは過年度の会計処理の訂正を行ったことを受け、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)より特設注意市場銘柄に指定されております。過年度の会計処理の訂正の原因となった過去の経営体制や企業風土と決別し、公正で適正かつ透明性のある組織風土づくりを進め、ガバナンス・コンプライアンス体制の充実強化に努めてまいります。
SJIは特設注意市場銘柄の指定解除を喫緊の課題として、内部管理体制等の改善に努めて、ステークホルダーの信頼を回復すべく、平成27年7月にガバナンス推進室を新設したほか、社外委員会等のご指摘をふまえ、再発防止策を徹底することは勿論のこと、人事制度を始めとする企業風土を改善する取り組みに着手しております。
また、新生SJIが業績を回復するために、グループ会社間の人材の相互交流に注力しており、こうした交流の中から営業促進の連携を深めております。各グループ会社の顧客に対して、営業活動を行うことにより新たな顧客層の開拓や潜在ニーズの掘り起こしを開始いたしました。具体的には、SJIの金融分野での優れた開発のノウハウを活かすとともに、国内企業向けシステム開発の豊富な経験と、ハイレベルな日・中の技術者による中国オフショア開発委託、長年の経験による高品質で納期厳守のプロジェクト運営が顧客より高い評価を得ております。なお、ネクスグループは、7月にSJIの持分法適用関連会社であった株式会社ネクス・ソリューションズ(以下「ネクス・ソリューションズ」といいます。)を株式交換により完全子会社化いたしました。今後は、ネクス・ソリューションズとSJIの両社で、グループ全体のプロジェクトに対する開発を積極的に行い、通信機器のソフトウェア開発から関連アプリケーションの開発、農業ICTや金融関連、ロボット関連のシステム等の開発により、自社での製品化を目指してまいります。
情報サービス事業におきましては、株式会社フィスコIR(以下「フィスコIR」といいます。)に企業調査レポート事業の移管を開始し、より総合的な企業IR支援サービスを提供できる体制といたしました。
当該移管が完了したことから、フィスコIRは統合報告書、アニュアル・レポート、CSRレポート、株主通信、企業調査レポート等、クライアント企業のニーズに適合したIR制作物をワンストップで提供できるようになりました。また、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードが施行されたことに伴い、決算短信や企業調査レポート等の英語版の受注も増え始めており、上場クライアント企業のニーズに対応できるよう努力してまいります。
なお、当社及びフィスコIRは、日本企業における投資家向け広報IR活動が転換期を迎えているとの認識のもと、投資家と企業を繋ぐ唯一無二のプラットフォームを構築するとともに、比較的レポートが少ない中小型株の企業等の情報を補完して、資本市場の活性化に寄与したいと考えております。また、上場会社をはじめとする約400社の顧客と取引があることから、当社グループの事業である広告代理業、コンサルティング事業、インターネット旅行事業、デバイス事業のハブとして、クロスセルを推進してまいります。
また、当社は、国内上場企業の投資情報を無料提供する戦略的アプリであるスマートフォンアプリ「FISCO(FISCOアプリ)」のPCブラウザ版「FISCO(FISCOウェブ)」のサービス提供を6月に開始いたしました。
両サービスは、気になった上場銘柄の業績や株価、開示情報などをワンストップで把握できること、多岐に渡る情報源からアナリストが厳選した注目銘柄と注目材料が毎日更新されるなどの機能を有しており、個人投資家を中心としたユーザーから好評を博しております。
(http://web.fisco.jp/)
当連結会計年度の売上高は、情報サービス事業及び広告代理業並びにコンサルティング事業におきましては、概ね計画どおり推移いたしました。
しかしながら、デバイス事業において、当初計画していた数値から大きく減少いたしました。自動車テレマティクス分野の新製品の内の1種「OBDⅡ型データ収集ユニット」の販売において、大手自動車関連企業に対しODM生産による製品の提供を行う予定でしたが、顧客からの仕様変更の要求により追加開発を行ったため販売計画が大きく遅れ、顧客都合によりさらに販売計画が延期のうえ頓挫いたしました。
また、自動車テレマティクス分野の一部製品においては顧客より仕様追加の要求があり、追加開発を行ったため販売開始が大幅に遅れました。
その他、既存デバイス製品4製品につきましても、様々な要因により約19億円の売上減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、10,206百万円(前期比21.1%増)となり、売上原価は8,299百万円(前期比31.8%増)、販売費及び一般管理費は2,460百万円(前期比36.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は、SJIの株式取得に伴うのれんの増加により、のれんの償却代355百万円を含めて652百万円の増加となりました。営業損失は553百万円(前期は323百万円の営業利益)となり、経常損失は950百万円(前期は903百万円の経常利益)と大幅に減少いたしました。
当期純損益は、ネクスグループの商品の不具合による係争案件で支払った和解金25百万円、当社の係争中の労働関連訴訟に対する損失に備えるために計上した訴訟損失引当金繰入額50百万円等の特別損失160百万円を計上した一方で、イー・旅ネット・ドット・コム株式会社等の株式を売却したことによる関係会社株式売却益432百万円、SJI等の元取締役からの受取和解金271百万円、SJIの債務免除益137百万円等の特別利益1,005百万円を計上したものの、当期純損失141百万円(前期は730百万円の当期純利益)と前期実績を大幅に下回る減益となりました。
当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は、以下のとおりであります。
1)情報サービス事業
① 個人向情報
個人投資家向サービスは、ECサイト「クラブフィスコ」による投資情報コンテンツ(「マーケット展望」、「IPOナビ」、「FX デイリー&ウィークリーストラテジー」、「フィスコ日本株分析」、「フィスコ マーケット マスターズ」等)の販売、株価自動予測サービス「LaQoo+(ラクープラス)」による投資助言事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、個人投資家向サービスの売上高は40百万円(前期比20.4%減)となりました。
ポータルサービスの売上高は、「YAHOO!JAPAN ファイナンス」における当社のページビュー数が好調を維持・継続していたものの、売上高は54百万円(前期比7.7%減)にとどまりました。
② 法人向情報
企業IR支援サービス分野におきましては、当社及びフィスコIRによる企業調査レポートサービスの受注が好調に推移したことにより売上高827百万円となりました。
なお、企業調査レポートサービス分野につきましては、当連結会計年度より企業調査レポートに加えてフィスコIRの売上を合算しているため、前期比は記載しておりません。
法人向リアルタイムサービスにおいては、金融機関専用端末サービスにおける金融機関の散発的な解約もあり、売上高は181百万円(前期比9.8%減)となりました。アウトソーシングサービスにおいては、証券会社及びインターネット専業金融取引業者などの一部解約があったことから売上高は222百万円(前期比7.6%減)となりました。
これらの結果、情報サービス事業の売上高は1,335百万円(前期比9.4%減)となり、セグメント利益は329百万円(前期比6.7%減)となりました。
2)デバイス事業
新規市場への取組みの一環として、平成27年1月に株式会社ネクス(現ネクスグループ)が株式会社ZMP(以下「ZMP」といいます。)と自動車テレマティクス(※1)分野での共同マーケティングを開始いたしました。
ZMPが保有する車両情報を解析する技術と、株式会社ネクスの通信モジュール及び通信技術を組み合わせることで、車両の状態監視、走行時の音声や画像データなどの送信、新たな機能の追加におけるソフトウェアの自動アップデートなどの実現や、ネクス・ソリューションズで、走行情報等から収集したデータを蓄積するサーバーや、そのデータを活用し役立てる為のアプリケーションの開発を行うなどの検討をしてまいります。
※1 「テレマティクス (Telematics)」 とは、テレコミュニケーション(Telecommunication=通信)とインフォマティクス(Informatics=情報工学)から作られた造語で、移動体に携帯電話などの移動体通信システムを利用してサービスを提供することの総称です。
また、株式会社ネクスは、平成27年4月1日に商号を「株式会社ネクスグループ」に変更いたしました。そして、同社のデバイス事業を会社分割し、新たに設立した完全子会社「株式会社ネクス」に承継させ、ネクスグループは持株会社体制に移行いたしました。持株会社体制へ移行することで、ネクスグループはグループ経営及び農業ICT事業等の戦略的ビジネスを担当し、新たなビジネスの優先度や規模に応じた人員・資金配分を行うことで、グループ最適経営を実践することを目的としております。
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農業ICT事業(NCXX FARM)につきましては、特許農法(多段式ポット栽培)による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」の検証を行うとともに、ミニトマトの栽培ノウハウの蓄積・データ解析を行い、高品質の作物を安定的に生産できるようシステムの改善を行った結果、多段式ポット栽培により単位面積あたりの収穫量が、慣行農法と比較して1.5~2倍となることを実証することができました。 また、ICTシステムを用いた環境管理については、農業設備の自動制御並びに自動潅水などによる作業の効率化を実現するとともに、栽培品質の安定化についてもデータを蓄積し、今後のシステム商品として有効に活用できるものとなりました 生産したトマトは、「IT野菜」として産直やレストラン、Eコマースなどにより販売を行う一方で、各種加工品の開発など、6次産業化に向けた取り組みも行ってまいりました。また、「黄いろのトマト」は岩手県花巻市の「ふるさと納税記念品」に採用されるなど地域に密着した取り組みを引き続き進めております。 |
お土産品「黄いろのトマト」 |
来期より圃場の規模を現在の140坪から総面積1,640坪まで拡大し、農作物の生産、加工、販売を行う「6次産業化事業」の事業拡大を進めてまいります。また、NCXX FARMの特徴である、特許農法による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」に製品の「販売サポートシステム」と「生産物の全量買取保証」を加えた一連のシステムのパッケージ販売を行う「フランチャイズ事業」を開始し、新たな事業の柱となるように拡大する予定です。
M2M分野のドメイン拡大の領域の1つとして、参入しました介護業ロボット事業に関しましては、ロボット関連製品のメーカーであるヴイストン株式会社と介護ロボットの共同開発を行っております。現状は、高齢者とのコミュニケーションにフォーカスしたロボットの試作機を開発し、提携施設での試験導入を行っており、現場の意見をフィードバックしながら試作機の改良を繰り返しております。引き続き開発を行い、早期に製品化できるように進めております。
株式会社ケア・ダイナミクス(以下「ケア・ダイナミクス」といいます。)では、介護事業者向けASPシステムの提供をおこない、既に400以上の介護施設にシステムの導入実績がありますが、新たに介護ロボットの導入支援や介護ICTの提供などのサービスを開始し「総合介護事業支援企業」へと進化いたしました。4月には、ネクスグループとCYBERDYNE株式会社との間でロボットスーツHAL®販売取次店業務に関する契約を締結し、都内の介護施設へ導入支援いたしました。今後も、歩行支援や移乗支援を行うもの、遠隔での見守りシステムなど様々な種類の介護ロボットの提供や、ウェアラブル端末(※2)や通信機器を利用したICTサービスの提供などを行い介護事業会社の支援を行ってまいります。
※2 「ウェアラブル端末」とは、腕や頭部など、身体に装着して利用することを想定した端末をいいます。
以上の結果、デバイス事業は、既存主力製品であるQuad-band LTE に対応した USB 型データ通信端末及び3G通信に対応したUSB型データ通信端末が監視カメラ、業務機器、カーナビ向け等へ販売進捗しましたが、新製品2機種の販売予定が遅延したことにより、大幅に売上減となっております。また、SJIは、当社の連結子会社となってから経費削減に取り組み9月より単月黒字化を達成しております。なお、ネクス・ソリューションズ、ケア・ダイナミクスにつきましては、概ね計画通りに推移いたしました。
その結果、デバイス事業の売上高は5,666百万円(前期比23.6%増)、セグメント損失は430百万円(前期はセグメント利益75百万円)となりました。
3)インターネット旅行事業
インターネット旅行事業におきましては、6月に外国人向の専用サイトをオープンするなど、広くグローバルな視点から訪日外国人旅行者向に商品を企画することで、これまでのアウトバウンド事業だけでなく、今後オリンピックに向けて増加が見込まれるインバウンド(※3)事業に着手してまいりました。
11月には中国福建省の旅行業者と業務提携を行い、中国からの訪日旅行者の積極的な取り込みと、中国への渡航者へのサービスの拡充を図っており、今後もインバウンド事業の拡大に積極的に取り組んでまいります。
※3 「インバウンド」とは、外から入ってくる旅行、一般的に訪日外国人旅行を指しております。
7月には株式会社ソウ・ツーと業務提携を行い、トラベルコンシェルジュの優位性を生かし、代官山T-SITEの蔦屋書店内にあるTトラベルの旅行カウンターへ方面別専門家を毎週派遣し、専門知識を生かした集客方法のテストケースとして一躍を担っております。さらに、今春オープン予定の大阪の枚方T-SITEでは、蔦谷書店をコアに本の持つ提案力を生かした「憧れ」をテーマとする生活提案型の複合施設が計画予定されており、代官山T-SITE同様にコンシェルジュの派遣を行い、協業の推進を図ってまいります。
また、トラベルコンシェルジュが中心となり企画した「こだわる人の旅」では、毎月新しい「こだわりの旅」を発表しています。10月には最近再燃したフィリピンのビーチを取り上げ『憧れのビーチリゾート』を、11月にはイタリア料理の日本における第一人者カルミネ・コッツオリーノ氏が手がけるフィレンツェの料理学校で学ぶ『イタリア・トスカーナで本格イタリアンの料理教室を体験』をリリースいたしました。これからも継続してこだわりの旅をご案内してまいります。
インターネット旅行事業の売上高は、イスラム国によるテロの影響を受けて大手旅行会社では売上が30%も落ち込んでおりますが、イー・旅ネット・ドット・コムグループは年間売上の5%相当(80百万円)のキャンセルにとどまりました。インバウンドの取込等の収益改善に取り組みましたが、売上高の減少を補うまでには至りませんでした。
売上構成としては、イタリア、スペイン、フランス方面のハネムーンを中心とした海外旅行事業売上が1,545百万円、国内旅行事業売上が130百万円の合計1,675百万円(前期比4.7%減)となりました。一方でセグメント利益は7百万円(前期比79.8%減)となりました。
なお、来期は円高傾向にあることに加え、原油価格の低下による燃油サーチャージの値下げや廃止になることから業績の回復を見込んでおります。
4)広告代理業
広告代理業におきましては、株式会社フィスコダイヤモンドエージェンシーは、動画等映像系のコンテンツやメディアに対する需要も顕在化してきたため、得意とするVI(ビジュアルアイデンティティ)視点を取り入れております。4月には、マンガを活用したコミュニケーションサービスを提供するため、マンガマーケティング事業を推進する株式会社シンフィールドと業務提携をいたしました。
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マンガは読み手の情報処理スピードが速く、難しい内容でもシンプルに伝えることが可能です。また、マンガであるゆえに注目度も高く、ネット社会・マルチメディア社会にふさわしい性質を持っています。 株式会社シンフィールドは、登録マンガ家300名超を組織しており、制作の幅を拡げているだけではなく、リサーチや分析も実施することによって効果的な表現方法を開発しています。株式会社フィスコダイヤモンドエージェンシーは、従来からのマーケティング手法やコンテンツ開発にマンガを取り入れ、事業理解、商品理解、人材募集、社内教育等々に対してマンガによるコミュニケーションの活用と普及を目指し、多くの企業に提供してまいります。 |
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株式会社フィスコダイヤモンドエージェンシーは、従来からのマーケティング手法やコンテンツ開発にマンガを取り入れ、事業理解、商品理解、人材募集、社内教育等々に対してマンガによるコミュニケーションの活用と普及を目指し、多くの企業に提供してまいります。
同事業の売上高は1,481百万円(前期比205.5%増)と大幅に増加いたしました。これは主に株式会社シヤンテイの売上高を連結したことによるものです。セグメント利益は70百万円(前期比47.0%増)と増収増益となりました。
5)コンサルティング事業
コンサルティング事業におきましては、株式会社バーサタイルが主に当社グループ内の業務効率化のためのコンサルティング業務を実施いたしました。株式会社バーサタイルは、当社の海外子会社であるMEC S.R.L.SOCIETA' AGRICOLAから輸入したワインの輸入販売を開始するとともに、福岡県で飲食事業を開始いたしました。コンサルティング事業の売上高は、コンサルティングの受注件数が少なかったことから46百万円(前期比63.7%減)となり、セグメント損失は53百万円(前期は78百万円のセグメント利益)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比して1,230百万円減少し、3,486百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は1,107百万円の減少(前連結会計年度は1,852百万円の増加)となりました。これは主に、未収入金の減少額が1,265百万円あったものの、仕入債務の減少額362百万円、前受金の減少額607百万円及び未払金の減少額507百万円並びに未払費用の減少額が544百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は709百万円の減少(前連結会計年度は1,013百万円の減少)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入400百万円及び関係会社株式の売却による収入1,224百万円あったものの、連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出750百万円及び無形固定資産の取得による支出942百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は482百万円の増加(前連結会計年度比30.3%)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出2,067百万円及び長期借入金の返済による支出2,266百万円があった一方で、長期借入れによる収入2,833百万円、新株予約権付社債の発行による収入1,157百万円等があったことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
デバイス事業 |
6,154,242 |
164.5 |
|
合計 |
6,154,242 |
164.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比(%) |
|
情報サービス事業 |
318,604 |
67.5 |
74,430 |
15.8 |
|
デバイス事業 |
5,685,578 |
193.9 |
2,210,055 |
407.6 |
|
広告代理業 |
359,595 |
75.9 |
25,548 |
59.3 |
|
合計 |
6,363,778 |
164.1 |
2,310,034 |
218.4 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) (千円) |
前年同期比(%) |
|
情報サービス事業 |
1,335,936 |
90.6 |
|
デバイス事業 |
5,666,291 |
123.6 |
|
インターネット旅行事業 |
1,675,702 |
95.3 |
|
広告代理業 |
1,481,241 |
305.5 |
|
コンサルティング事業 |
46,870 |
36.3 |
|
報告セグメント計 |
10,206,042 |
121.1 |
|
その他 |
861 |
299.1 |
|
合計 |
10,206,903 |
121.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去後の金額で記載しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、加賀電子株式会社については、当連結会計年度において販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、当連結会計年度の記載を省略しております。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年1月1日 至 平成26年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
加賀電子㈱ |
1,069,297 |
12.7 |
- |
- |
(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、経営方針に基づく経営戦略の実践において、投資家の皆様のご期待にお応えし、友好かつ継続的な関係を維持していただくためには、健全な財務体質強化と持続的な成長拡大が必要であると認識しております。そのため、下記の対処すべき課題を掲げ、その対応に取り組んでまいります。
① コンテンツ制作体制の増強・整備と品質管理体制の強化
当社グループは、既存事業の中核である情報サービス事業におけるコンテンツの品質を高めるため、オペレーションの最適化を進めております。
すべてのコンテンツ作業を戦略的に分析し、コンテンツの属性に応じて作業を標準化する一方、個性を生かす作業時間を増加させ、迅速性・正確性の確保と同時に高付加価値を追求するリソース配分を進め、コンテンツ制作から情報配信までを一元管理できる体制を構築しております。今後も更なるオペレーションの最適化及びコンテンツ制作の多極化に取り組んでまいります。また、より専門化、より多様化する商品を開発するため、持続的なアナリスト教育とスタッフ個々のレベルアップに取り組んでまいります。
② 販売・マーケティング体制の強化
個人投資家、機関投資家、金融法人及び事業法人等の様々なニーズに即応するサービスの開発提供及び高付加価値化のために、主に金融機関向の営業を担当する営業開発部と事業法人向のサービス提供を目的とした株式会社フィスコIRを中核に営業活動を展開しております。ますます激動する株式市場及び為替市場を中心としたマーケット・プレイヤーの多様化するニーズに応えるサービスを提供できるよう顧客サービスの強化に取り組んでまいります。
③ ウェブサイト及びスマートフォンアプリ運営の拡充
無料スマートフォンアプリ及びウェブ版『FISCO』並びに有料課金サイト「クラブフィスコ」においては、定性情報とともに定量情報を横断的に提供しておりますが、特に個別銘柄に関してのデータベースの構築、インターフェイス改良及びデータ処理速度の向上、システムトラブルの対応等に経営資源を継続的・計画的に投下してまいります。
④ システムの強化、バックアップシステムの拡充
コンテンツ供給の多様化、個人顧客をはじめとする供給先の増加、社内情報ネットワークの複雑化、今日的にますます重要となったコンプライアンス上の要請などにより、社内インフラをはじめとするシステムの強化と災害等に対応したバックアップ体制の強化を図っております。今後もこのような内外の体制を厳格に維持する必要があるため重点的に資本投下を継続してまいります。
⑤ コンテンツ配信における最新テクノロジーの適正な評価
当社グループのコンテンツ販売にシステム開発や維持は欠かせないものですが、テクノロジーの進化が思わぬ陳腐化や競争力低下を引き起こす可能性があります。当社グループでは、いたずらに新技術を追い求めるのではなく、俯瞰的にこれをとらえ、適時適切に最新テクノロジーを評価した上で設備投資計画を策定、実行すべきと考えております。
⑥ 中国・アセアンへの新規事業展開
当社グループは、当社及び株式会社ネクスの在外子会社が中国での事業展開を進めております。今後は、他のアジア諸国においても、情報サービス事業、デバイス事業を中心に事業の拡大を進めてまいります。
⑦ 連結子会社とのシナジー効果の追及
当社グループは、それぞれの事業の特性や強みを活かし、グループ全体の最適化を進めることが重要な課題であると認識しております。今後、さらに顧客に付加価値の高いサービスの提供を可能とするため、グループ全体でのシナジー効果を追求し企業価値の増進に努めてまいります。
⑧ グループ会社間のサービスの提供
国内のみならず在外グループ間でのサービスの提供が拡大するにつれ、その代価の決定に、より客観的な根拠が必要となっております。このため、きめ細かなコスト計算を図るとともに第三者価格などの情報を入手し、合理的な算定根拠を明示して、厳格な承認手続きのもとにグループ間の取引を進めてまいります。
⑨ 株式会社SJIの特設注意市場銘柄からの脱却
連結子会社である株式会社SJIは、内部管理体制に不備があり、その改善の必要性が極めて高いことから東京証券取引所より特設注意市場銘柄の指定を受けております。株式会社SJIは、過去の経営体制や企業風土と決別し、ガバナンス・コンプライアンス体制の確立に取り組んでおります。同社の特設注意市場銘柄の指定解除へ向け、内部管理体制の整備と運用の強化に取り組んでまいります。
⑩ チャイニーズウォールの拡充
海外子会社の設立や重要な連結子会社の増加に伴い、当社のみならず連結子会社にも内部監査体制を充実させ、フロントランニング行為や利益相反を起こす可能性のあるリスクに備えて組織的な内部監査体制のもとにチャイニーズウォールを拡充する必要があります。
⑪ 関係会社の適時適切な計数管理
海外子会社を含め、連結計算書類作成のための各子会社の適時適切な会計記録の作成と予算管理が課題となっており、月次報告を基礎とする定期的な計数管理の精度を高めるために当社及び各子会社の連携を強化してまいります。
⑫ 全社的な課題
内部統制の運用及びその評価については取締役による検証のほか、一定の計画に従った定期的な内部監査や外部専門家によるチェックを実施しており、継続的に有効な管理体制の構築を目指しております。直近の課題として国際会計基準導入を視野に、全社統制、決算・財務報告プロセスにおける統制及びIT全般統制を整備してまいります。
本有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると思われる事項を以下に記載いたします。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループでは、経営判断の各局面において下記のリスクを中心に多面的な観点から、慎重かつ迅速に協議を重ねて事業を推進しておりますが、すべてのリスク要因等を網羅することは不可能であり、また予測したリスクの発生の態様、程度等も一概でなく、当社グループの将来の業績に少なからず影響を与える事態が発生する可能性は否定できません。したがいまして、当社株式への投資のご判断に当たっては、下記内容を十分にご理解いただくとともに、多角的にご検討くださいますようあらかじめ申し上げます。
(1) 事業環境の変動
当社グループを取り巻く環境について、国内外の経済情勢の変動は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。特に、情報サービス事業において、重要顧客層である金融業界の再編が起きた場合、株式や為替等の金融商品市場が急激に変動した場合または金融商品市場の分析手法の高度化やサービス提供方法の多様化に対応できず、当社グループが提供するサービスが顧客のニーズにマッチできなくなった場合は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。また、デバイス事業の属する通信業界(携帯端末)は、製品のライフサイクルが短く、当社グループの商品が陳腐化した場合や新技術等への迅速な対応ができなかった場合は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(2) アジアへの事業展開に伴うリスク
当社グループは中国・香港・台湾等の海外へ事業展開を進めております。それに伴い、生産委託取引先や在外子会社等との外貨建取引のさらなる増加を見込んでおります。デリバティブ取引(外国為替証拠金取引)や為替予約等の活用により為替相場の変動リスクを軽減するように努めておりますが、予測の範囲を超える急激な為替変動は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。また、これらの国・地域において、政情や治安が不安定になったり、為替、貿易、雇用等現地での事業展開に影響する法令や政策が変更されたり、経済状況が悪化する等事業環境が変化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(3) 法律の改正
当社グループは事業の遂行にあたって、金融商品取引法、電波法、旅行業法、製造物責任法、個人情報保護法、景品表示法、特定商取引法、知的財産権法等の法的規制の適用を受けています。法律の改正等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(4) 法令遵守違反及び情報の漏洩等
当社グループは、情報サービス事業を始めとする各種事業において、お客様等のプライバシーや信用に関する情報(個人情報を含む)を取り扱う場合や、他企業等の情報を受け取る場合がありますが、これらの情報が誤ってまたは不正により外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合、「中立且つ公正であること」を経営の最重要方針としている当社グループのブランド価値が毀損し、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外で事業を展開するうえで、それぞれの国・地域での法令・規制を遵守することが必要であり、その意識を高めることに努めていますが、完全にコンプライアンスリスクを回避することは困難であり、関連法令・規制上の義務を実行できない場合、または役職員による不正行為等が行われた場合は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 自然災害の影響
国内外の地震、台風、洪水、津波等の自然災害、戦争、テロ行為、感染症の流行等様々な外的要因は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特にインターネット旅行事業においては、これらの災害が発生した地域への渡航が大幅に減少することも想定されます。また、情報サービス事業やデバイス事業等の機能が停止する可能性があります。
(6) グループ会社への出資
当社グループでは、業務の専門性、国際性、効率化、利益相反の回避等を勘案しつつ、新規事業に関しては、別法人を介してグループ全体の事業展開を図っております。こうしたグループ会社への出資は、その会社の業績いかんでは想定した利益を生み出さず、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(7) 新規事業への参入に伴うリスク
当社グループでは、グループ経営の安定化を目指して、新たな事業領域の拡大を行っており、新規事業へ参入するために、企業買収や海外展開等も予想されます。これらの実現のために、事業投資資金及び企業買収資金等が突発的に発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
(8) 当社グループにおける人的資源への依存について
当社グループの事業において収益を確保するためには、人的資源の位置付けは非常に重要です。そのため、優秀な人材の退社等により当社グループのノウハウや技術が流出した場合や継続して優秀な人材を養成・確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業は人的資源に高く依存しているため、情報の誤謬や配信ミス等が人為的ミスにより発生する場合があります。そのため、当該人為的ミスにより、当社グループが提供する情報に不適切な内容が含まれていた場合や第三者の権利を侵害した場合は、当社グループのブランド価値が毀損し、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 当社グループにおけるシステムトラブルの影響
当社グループは、システムの保守管理について、遠隔操作カメラとセンサー常設によるサーバールーム監視体制の強化、電源や機器とプログラムの二重化、ファイアーウォール設置と第三者によるその監視、社内規程の遵守及びサーバールームへの入室可能者の限定等の対策を講じています。しかしながら、自然災害、火災・事故、外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入等により、データベース管理運用システム、コンテンツ配信用システム、クラブフィスコ運用管理システム等の当社グループの業務上重要な基幹システムに障害が発生した場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、システムの不具合による予期しない配信障害が発生した場合、当社グループの情報配信体制等に対する顧客、取引先からの評価に変化が生じ、その後の事業戦略に影響が及ぶ可能性があります。
(10) 重要な訴訟等に係るリスク
当社グループは、情報サービス事業、ファンド組成・運用事業を含めたコンサルティング事業、デバイス事業、インターネット旅行事業、広告代理業等を展開していますが、これらに関連して、コンテンツの購読者、投資先及び投資家、製品の製造・販売・購入者、特許権者、サービスユーザー等より直接または間接的に法的手続等を受ける可能性があります。当社グループが今後当事者となる可能性のある訴訟及び法的手続きの発生や結果を予測することは困難ではありますが、当社グループに不利な結果が生じた場合は、当社グループの業績、財政状態及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 特定取引先への依存
当社グループの各事業のうち、情報サービス事業、デバイス事業、広告代理業におきましては、特定の取引先による売上が高い割合を占めております。当社グループは、当該特定取引先以外の取引先の開拓に努めており、依存度を低減する施策を実施しておりますが、必ずしも奏功するとは限りません。また、特定取引先との取引に何らかの支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 収益構造が下半期偏重となることについて
当社グループの各事業のうち、情報サービス事業、コンサルティング事業及び広告代理業におきましては、主要顧客先である国内金融機関及び事業会社の多くが3月決算の会社であるため、当該法人顧客の決算期前後に当たる当社の上半期においては、契約の解約が発生し、一方で、当社の下半期にかけて、追加契約及び新規契約が発生する傾向があります。また、インターネット旅行事業におきましては、夏休みや新婚旅行による海外旅行の需要が当社の下半期に当たる8月及び9月にかけて高まります。したがいまして、当社グループの売上及び利益は下半期に偏重する傾向があります。
(13) 潜在株式による希薄化
当社グループでは、役職員のモチベーションの向上、また優秀な人材を確保する目的で、新株予約権(ストック・オプション)の付与を行っております。平成27年12月31日現在、新株予約権による潜在株式総数は、2,392,500株(4,785個)であり、これは発行済株式総数の約6.5%に当たります。これらの潜在株式は将来的に当社株式の希薄化や株式の供給要因となり、当社の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度における研究開発活動については、以下のとおりです。
主にデバイス事業分野において、今後の成長が期待される自動車テレマティクス分野への取り組みとして、OBDⅡ型自動車テレマティクスデータ収集ユニット「GX410NC」に関する開発に注力してまいりました。
本製品の特徴は業界最高レベルの車種対応数(900車種以上)とデータ取得数を実現しており、今後より多くのデータ取得を目的とするビッグデータビジネスのニーズに十分応えられる製品となっております。
また、モバイルの特徴を最大限に生かし、車種追加をソフトウェアアップデートで実現可能なため、毎年リリースされる新型車種、特定用途の車両についても、お客様のご要望により順次ソフトウェアのアップデートを行うことができます。加えて、製品単体だけでなく製品を使ってさまざまなソリューションを提供するテレマティクス・サービスシステムの開発を行うとともに、トライアルサーバを構築やお客様への提供を開始しております。
一方で前連結会計年度に引き続き「WINNER Z-TECH & NCXX Group」として、鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦、「トラッキングアプリ」を用いて走行中のバイクのデータ収集の試験を行い製品化に向けた取り組みを進めてまいりました。
以上により、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は受託開発費271,225千円も含め、288,638千円となりました。
なお、情報サービス事業、インターネット旅行事業、広告代理業、コンサルティング事業においては、研究開発活動を行っていないため、記載しておりません。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しておりま
す。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与
える見積りを必要とします。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成
のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要
な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
(繰延税金資産)
企業会計上の収益・費用と、課税所得計算上の益金又は損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債
と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対
照表への繰延税金資産計上の要否を検討しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依
存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減少され、税金費用が計上される可能性がありま
す。
(貸倒引当金)
当社グループは、債権に対し貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金は、過去の貸倒損失の実績及び回収可
能性に疑義がある債権の個別評価に基づいて計上しております。入手可能な情報に基づき貸倒引当金は十分である
と考えておりますが、将来、債権先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能
性があります。
(2)当連結会計年度の財政状態の分析
ⅰ.資産の増減
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比して6,296百万円増加し、16,912百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比して551百万円増加いたしました。これは現金及び預金が1,630百万円減少したこと、貸倒引当金の増加が2,918百万円あった一方で、受取手形及び売掛金が1,648百万円増加したこと及び未収入金が1,662百万円増加したことによります。これらは主に株式会社SJI及びその子会社を連結の範囲に含めたことに伴うものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比して5,745百万円増加いたしました。これは、株式会社SJI及びその子会社を連結したことにより、のれんが5,128百万円増加したこと、長期貸付金が1,303百万円増加したこと、長期未収入金が2,641百万円増加したことなどが主たる要因であります。
ⅱ.負債の増減
負債につきましては、前連結会計年度末における負債総額が5,725百万円だったのに対し、当連結会計年度末は5,514百万円増加し11,240百万円となりました。
これは主に、SJIを連結子会社化した影響によるもので、短期借入金が533百万円増加したこと及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が4,219百万円増加したことが主たる要因であります。
ⅲ.純資産の増減
純資産につきましては、前連結会計年度末に比して781百万円増加し5,671百万円となりました。これは配当の支払い等により資本剰余金が110百万円減少した一方で、少数株主持分が895百万円増加したことが主たる要因であります。
(3)当連結会計年度の経営成績の分析
売上高につきましては、前期比1,776百万円増加の10,206百万円となりました。これは当連結会計年度において、連結の範囲に含めた株式会社SJI及びその子会社の売上を計上したことが主たる要因です。
売上原価は、株式会社ネクスの製品原価が高騰したこと等により、前期比2,000百万円増加の8,299百万円となり、売上総利益は224百万円減少の1,907百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、株式会社SJIを連結したことに伴い、のれんの償却額を含めて652百万円増加の2,460百万円となりました。営業損益は、主に株式会社ネクスの原価の上昇の影響を受けたこと等により、553百万円の営業損失となり、経常損失は950百万円(前期は903百万円の経常利益)と大幅に減少いたしました。
当期純損益は、ネクスグループの商品の不具合による係争案件で支払った和解金25百万円、当社の係争中の労働関連訴訟に対する損失に備えるために計上した訴訟損失引当金繰入額50百万円等の特別損失160百万円を計上した一方で、イー・旅ネット・ドット・コム株式会社等の株式を売却したことによる関係会社株式売却益432百万円、SJI等の元取締役からの受取和解金271百万円、SJIの債務免除益137百万円等の特別利益1,005百万円を計上したものの、当期純損失141百万円(前期は730百万円の当期純利益)と前期実績を大幅に下回る減益となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、1「業績等の概要」に記載しております。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社は創業以来一貫して、中立・公正を是とした金融情報配信事業を、金融機関向けを中心に行ってまいりました。現在では、金融機関、インターネット金融商品取扱業者並びに機関投資家だけでなく、ヤフーをはじめとするポータルサイトへの情報配信やスマートフォンアプリ及びPCブラウザ版『FISCO』により個人投資家に対しても金融情報を提供しており、インターネット空間における金融情報配信業者として圧倒的な知名度を誇っています。
これらの事業の推進により、「フィスコ」のインターネット空間での圧倒的な知名度が梃子となり、投資家と企業IRを齟齬なくつなぐという、唯一無比の情報配信業者となることを目指しております。これは、企業のみならず投資家や消費者を含む巨大なネットワーク化を可能とするため、金融情報だけでない様々なコミュニケーションが行われることとなり、単なるIRや情報配信を超えた様々なサービス・事業の機会を内包したものとなります。
そしてグループ全体としては、これまでも、金融情報配信事業で培ったブランド力及び迅速かつ正確な情報の分析力・編集力・配信力を中核とする戦略資産を、能動的に各事業会社へ転用し収益化することと、その事業が持つノウハウの吸収を目的として、周辺事業のポートフォリオの構築を行っており、業界内で一定以上の競争力を有する事業でポートフォリオ構築に成功しております。これらポートフォリオ企業と進化するフィスコ本体事業とのシナジーは、お互いに高めあい、高い収益率を生むことになります。
今後、金融情報配信事業に加え、上場企業のIR受託業務のトップランナーとなり、「上場企業の経営課題ソリューション企業」へと転身を図ってまいります。
売上の向上には、自律成長の他、M&Aを積極的に推進する予定ですが、M&Aにおいては低PBRや高キャッシュフロー企業の買収を堅持し、企業価値の大幅な向上を目指してまいります。
なお、次期のセグメント別の見通しは以下のとおりであります。
(情報サービス事業)
情報サービス事業におきましては、上場企業の顧客拡大の観点から「企業調査レポート」の営業主体を株式会社フィスコIRに移管いたしました。これにより統合レポート、アニュアル・レポート、株主通信、企業調査レポートなどの制作業務を同社に集約することで、企業IR・PRサービスの一気通貫で請け負うことが可能となり、クライアント企業の企業IR・PRの様々なニーズに対応し総合的なサービスを重層的に提供してまいります。
情報サービス事業のプラットフォーム戦略の多角化として、「FISCO(FISCOアプリ)」のPCブラウザ版「FISCO(FISCOウェブ)」の認知度の拡がりにより、同プラットフォームでの広告の取扱いを開始するとともに、LINE株式会社の「LINEアカウントメディア プラットフォーム」に参画し、スマートフォンアプリ「LINE(ライン)」で開設するフィスコの公式アカウントを通じて、投資情報ニュース配信を年末に開始しております。なお、LINE株式会社のLINEアカウントメディア プラットフォームへの参画により将来的に発生する広告収益の50%をメディア側に分配予定としており、当社としては今回の取組みを情報配信事業による収益源の1つとして考えております。
また、当社におきましては、株式会社テックビューロ(以下「テックビューロ」といいます。)と業務提携し、ブロックチェーン技術による情報配信の実証実験とビットコインマーケット情報の配信を開始しました。フィンテックの分野で注目を集めるブロックチェーン技術は、金融サービスの勘定システムに限らず、P2Pネットワークによるゼロダウンタイムの情報管理システムを構築することやインフラコストの低減、改竄不可能なデータによるセキュリティ化することが可能となります。
ブロックチェーン型データベースは、情報が各ノードに分散記録され、全てのノードがダウンしない限り、1つでも動いていればサービス続行が可能という特性を持っており、当社では、テックビューロが開発するプライベート・ブロックチェーン技術「mijin」をデータ処理エンジンとして活用することにより、フィスコの配信システムのゼロダウンタイム化に関する実証実験を検討いたします。また、テックビューロでは、「Zaif」ブランドとして、ビットコインなどの暗号通貨を取り扱う取引所や販売所、決済サービスを提供しております。フィスコのマーケット分析リソースと情報配信ネットワークを活用し、ビットコインのマーケットコメントや価格情報の試験的な配信を開始しました。当社は、本業務提携によりブロックチェーン技術を応用して、アナリスト集団の運営を分散型のシステムで自動化するような新たな事業モデルの創出も検討していく予定です。
また、当社は株価自動予測システムをてがけ、アルゴリズムトレードの研究を継続してきました。昨今におけるコンピュータの処理能力の向上もあり、AI(人工知能)の機能も増し、最先端かつ異次元の仕組みをつくる環境が整ってきたと判断し、SJIとの連携によるフィスコAI株価自動予測システムの開発に着手いたします。
従来、株価の調査や株価自動予測システムはアナリストによる地道な作業、単一アルゴリズムによる柔軟性の乏しいシステムが主なものでした。この問題を打開すべく、アナリストの分析の質・量を飛躍的に向上させ、柔軟性の高いアルゴリズムに重点を置いて開発を進めてまいります。また、AIが成長することでアナリストも成長し、それがまたAIの成長を促すような共存共益、かつ相互の成長スパイラルの仕組みの構築も目指します。
さらには、当社、SJI、中国生態道徳教育促進会、北京大学生態文明研究センターと人工知能(AI)分野に関して、共同研究を行う予定で、それぞれが保有する人工知能分野の知見を持ち寄り、より幅広い視点からその技術の応用を試みます。当社のマーケットに対する着眼点、SJIの40年に渡る金融機関のシステム構築経験と数多くのノウハウをベースとした実証実験・システム開発力に加え、中国生態道徳教育促進会、北京大学生態文明研究センターによる学術的側面からの知見による技術の応用を研究してまいります。
(デバイス事業)
デバイス事業におきましては、引き続き、ロボット開発、アグリビジネス、自動車テレマティクス、フィンテックなど注目される成長分野へ積極的な参入をしてまいります。
農業事業は、来期より圃場の規模を現在の140坪から総面積1,640坪まで拡大し、農作物の生産・加工・販売を行う「6次産業化事業」の事業拡大を進めております。また、NCXX FARMの特徴である、特許農法による「化学的土壌マネジメント」+ICTシステムによる「デジタル管理」、新たに製品の「販売サポートシステム」と「生産物の全量買取保証」を加えた一連のシステムのパッケージ販売を行う「フランチャイズ事業」を開始し、新たな事業の柱となすべく拡大してまいります。
ロボット関連の開発につきましては、介護ロボットの試験機を施設へ導入し、高齢者とのコミュニケーションについての実証実験を繰り返しております。介護現場でも使用しやすく、導入のしやすいコスト体系などを実現させ、早期の製品化に向けて開発を進めてまいります。
通信機器製品を取扱うネクスでは、当期の活動成果をベースに事業ドメインを拡大、その裾野を広げるとともに開発資産を有効に活用し異業種と通信機器とを融合させ、新事業への取り組みを進めてまいります。
具体的にはM2M市場を取り巻くIoT分野へ注力し、これまで通信を必要としなかった産業分野への通信機能組込による利便性の向上、遠隔制御の高度化による人件費コスト削減など様々なソリューションを提供してまいります。
また、車載向け製品につきましても、当期販売を開始したOBDⅡ型自動車テレマティクスデータ収集ユニット「GX410NC」などの高付加価値の通信機器により、車両の状態監視や、様々な車両情報の入手を実現し、ネクス・ソリューションズで、走行情報等から収集したデータを蓄積するサーバーや、そのデータを活用し役立てるためのアプリケーションの開発を行うことで、これまでにない新たなサービスの提供を目指してまいります。
そして、本サービスを早急に普及させるために、様々な技術をもった有望な提携先と積極的にアライアンスを組むことで、加速度的にビジネス規模の拡大を図ってまいります。
ネクス・ソリューションズ、SJIでは、グループ全体のプロジェクトに対する開発を積極的に行ない、通信機器のソフトウェア開発から関連アプリケーションの開発、農業ICTや金融関連、ロボット関連のシステム、アプリケーションの開発をおこない、自社での製品化を目指すと共に、グループ全体の事業のサポートをしてまいります。
また、成長分野への取り組みとしましては、当期よりグループ入りしたSJIの金融分野でのシステム開発のノウハウを活かし、新たにフィンテック分野へ進出いたします。
先進的な技術をもった企業とのアライアンスも視野に入れ、早期の事業化を目指してまいります。さらに、グループ会社内のシステム開発で培ったノウハウを、既存事業である金融関連、メーカー、商社、行政機関からの受注型開発ビジネスの拡大に活かしてまいります。
ケア・ダイナミクスでは、既に提供している介護事業者向けASPシステムの販売拡大に加え、400以上のサービス導入先のネットワークを活かし、介護ロボットの導入支援を進めてまいります。取り扱い製品も、CYBERDYNE株式会社のロボットスーツHAL®を始め、様々な用途の介護ロボットを取り揃え、高齢者と介護施設の様々なニーズに対応してまいります。
なお、ネクスグループは健康コーポレーション株式会社の子会社であるRIZAP株式会社と業務提携し、高齢者が安心して利用できるRIZAP介護プロジェクトを始動し、介護施設へ低糖質フードの提供、RIZAPトレーナーによる安全で効果的な介護メソッドを提供してまいります。ネクスグループは、SJI及びネクス・ソリューションズにより、高齢者に対する様々なトレーニングデータの収集から分析までをシステム化することで、新たなサービスの品質向上や、利用者をサポートするアプリケーションの開発などを行なう予定です。
(インターネット旅行事業)
インターネット旅行事業では、新たなトラベルコンシェルジュの採用や研修によりスキルアップして、拡充を図るとともに、「こだわりの旅」の提案により、ホスピタリティ精神あふれる質の高いオーダーメイド旅行サービスの提供に努めてまいります。また、円安を背景に増加する訪日外国人をターゲットにしたインバウンド業務に着手することで、収益の機会を積極的に取り込んでまいります。すでに、都内に民泊用の不動産物件を多数保有している株式会社シノケングループと民泊事業の具体的な検討を開始しております。
また、イー・旅ネット・ドット・コム株式会社は、日本固有の文化財である、神社仏閣を代表とする古建築の保存のためのクラウドファンディングを株式会社フィスコ・キャピタルを通じて開始いたします。これは、建物の経年劣化により修繕の必要性が生じているものの資金調達や修繕が進まない神社仏閣の保存の一助となることを資金面から支えることを企図し、資金の担い手である訪日旅行客には、インセンティブ・トリップを提供するものです。さらには、これまでは旅行業に特化したクラウドソーシング事業を推進してまいりましたが、これを旅行以外の分野に拡張し、個人だけでなく法人からも様々な業務を受託する総合型クラウドソーシングのプラットフォーマーとして業容の拡大を目指しております。そして、それぞれの事業の早期の拡大を目指すため積極的に業務提携をおこない、事業を進めてまいります。
(コンサルティング事業)
コンサルティング事業は、株式会社バーサタイルを中核として、引き続き国内外における新たな金融ソリューション、ファンド関連事業、大学生の就職活動における企業調査レポートの活用などリクルート分野の開拓をしてまいります。また、当期より開始したワインの輸入販売や飲食店経営など収益の安定化を図ってまいります。
(広告代理業)
広告代理業につきましては、これからも引き続き株式会社フィスコダイヤモンドエージェンシーと販売促進物&ノベルティ制作会社である株式会社シヤンテイが一体となり、当社グループの既存顧客並びにインターネットを中心とした配信媒体を複合的に活用して、積極的に新規クライアント企業の開拓に努めてまいります。
以上により、平成28年12月期の業績見通しにつきましては、売上高15,480百万円、営業利益411百万円、経常利益353百万円、親会社株主に帰属する当期純損失175百万円を見込んでおります。これは株式会社SJIののれんの償却による負担の増加による影響です。
SJI等の連結子会社化の影響により、のれん償却額400百万円を計上することにより、営業利益以下の利益が大幅に引き下げられることとなりました。のれん償却額は現預金の流出を伴わない費用であるため、キャッシュフローの増減と、営業利益以下の利益項目の増減に大きな乖離が発生します。
この点を考慮し、参考指標として新たに「EBITDA」を開示させていただくことにいたしました。平成28年12月期のEBITDAは900百万円となります。
「EBITDA」=営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額
また、上記の見通しにつきましては、堅調に推移している情報サービス事業、広告代理業の成長に加え、デバイス事業における株式会社SJIの大規模な財務体質ならびに内部管理体制等の改善が通年で業績に寄与し、また同業種である株式会社ネクス・ソリューションズ他のグループ企業との協業を総合的に判断して、本報告書提出日現在において想定される売上およびコストを保守的にみて作成しております。現在交渉中の案件も含めて、今後も継続してさらなる売り上げの獲得と、グループ全体で効率化を図り、コストの低減を実現させることで、利益を増大させるように取り組んでまいります。