第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、次の3点を経営の基本理念としています。

① 金融サービス業におけるベストカンパニーを目指すこと。

② 中立な姿勢と公正な思考に徹すること。

③ 個の価値を尊び、和の精神を重んじること。

 当社は社会的資産の最適な配分実現のため、あらゆる状況下の金融や投資に係る市場の調査・分析・予測結果を情報(コンテンツ)やアドバイスとして提供し、来るべき成熟社会の一翼を担いたいと考えております。そのため、専門性はもとより利益相反を徹底的に排除する中立公正な思考に徹する企業姿勢、そして優れた「個」の力が発揮される社内環境を維持してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、高付加価値による収益性の高い企業グループを目指しており、収益拡大と持続的成長の競争力を高めるため、資本効率を意識した経営に取り組んでおります。2021年2月25日公表の「2021年12月期~2023年12月期中期経営計画」において、当社主力事業である情報サービス事業の既存事業の安定的で底堅い成長と、既存事業と関連のあるヘッジファンド向け投資助言に加え、機関投資家向け新サービスの提供の拡大、企業 IR 支援サービス分野では、新型コロナウイルス感染症に伴う契約企業の業績悪化による IR コスト削減などの影響を受け、解約やサービスの一時中断等が生じており、現在の契約社数は約 400 社となっております。2021 年12 月期には契約社数 1,000 社を目標に掲げておりましたが、直近の新型コロナウイルス感染症の状況等から、今期達成目標を 1,000 社から 500 社程に見直し、解約を抑え、契約社数の維持に努めながら 2023 年 12 月期に契約社数 1,000 社を目指します。

 また、M&A等の投資につきましては、グループ戦略上の意義と回収の態様、そして回収期間を明確にしてガバナンスを効かせることによりバランスを図ってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

① 情報サービス事業

 主力事業である情報サービス事業において、前期計画としていた既存事業の復調、既存事業と関連のある周辺事業への新たな取組みにおいて、コンテンツのリニューアルを行った個人投資家向け販売サイト「クラブフィスコ」では、自社の投資レポートはもちろん、フィスコソーシャルレポーターをはじめとした著名な個人投資家の方の投資手法をまとめた投資教育教材の拡販を推進しており、売上も堅調に推移し引き続き当社主力事業として、安定的な収益確保に努めてまいります。従前からの金融機関向け、上場企業向けリアルタイムサービスは大きく伸びないながらも前期と同様底堅い推移を見込んでおります。同じく、金融・経済の調査、分析、コンテンツ作成、編集等を行うアウトソーシングサービスは、前年度の売上増加の目標を超える増加率で推移しており、今後も新規契約の獲得等による取引増加を図り、安定的な収益の確保を目指します。また、既存事業と関連のある新規事業領域として、ヘッジファンド向け投資助言に加え、機関投資家向けのアナリストレポートの販売を開始し、個別に金融・経済情報を提供するサービスも稼働させており、引き続き、契約件数の増加および売上の増加に向けた施策を実施しております。投資教育、暗号資産など今後も個人投資家の関心が高い分野において、動画による投資教育講座、アナリスト養成講座など収益化に向けたサービスメニューのラインナップを増強することで、販売の拡大につなげて参ります。

 企業 IR 支援サービス分野では、組織力強化やブランドの強化を図ることで、統合レポート、アニュアル・レポート、ESG レポート、ならびに英文翻訳業務の拡大を目指します。中核サービスであるスポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)においては、効果的な IR コミュニケーション・サービスの需要を引き続き取り込む方針です。企業 IR 支援サービス分野において、新型コロナウイルス感染症に伴う契約企業の業績悪化による IR コスト削減などの影響を受け、解約やサービスの一時中断等が生じており、現在の契約社数は約 400 社となっております。2021 年12 月期には契約社数 1,000 社を目標に掲げておりましたが、直近の新型コロナウイルス感染症の状況等から、今期達成目標を 1,000 社から 500 社程に見直し、解約を抑え、契約社数の維持に努めながら 2023 年 12 月期に契約社数 1,000 社を目指します。スポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)を起点とした、企業の非財務情報を適時配信するソリューション提供サービス、国内上場企業から海外機関投資家への情報発信に関するアレンジメントサービス、英文翻訳業務のニーズについても取り込み、企業の IR に関する課題をワンストップで解決できる体制構築と事業拡大を目指します。

 利益面につきましては、個人投資家向けのサービスの復調が見込まれる他、利益率の高い案件の獲得および継続的に取り組んでいる費用削減や外注先の見直し等の施策を実施することにより、安定的な利益確保、黒字幅拡大を見込んでおります。

 

② 広告代理業

 新型コロナウイルス感染症に伴う企業広告およびクライアント企業の広告活動の自粛等が懸念される中、紙媒体中心の広告業務から、バナー広告、ネット動画制作等の広告におけるトレンドや媒体特性なども踏まえて、企業IRや広告において、提案力の強化を進めながら、1件当たりの受注金額の大型化に向けての販売強化を図るなど収益性の向上につなげてまいります。

 

③ 暗号資産・ブロックチェーン事業

 フィスコ・コンサルティングでは、引き続き暗号資産に対する自己勘定投資を予定しており、ビットコインを中心とした暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行ってまいります。また、当社発行の FSCC を 2020 年 12 月に海外投資家への FSCC の認知度向上を図る目的で、海外の暗号資産交換所に上場し、取引が開始されるに至っております。今後も積極的にFSCC の認知度向上を図りつつ、暗号資産分野における新規ビジネスの創造、FSCC の価値向上を通じて、当社の企業価値の向上を目指しています。

 当社持分法適用関連会社のZaif Holdingsの子会社であるZaif においては、2020 年 10 月からのビットコインを中心とした暗号資産取引価格の急騰を受け、運営する暗号資産交換所「Zaif Exchange」での取引量の増加に加え、交換所運営の効率化による経常費用削減、手数料収入の大幅な増収などから、業績が大きく改善しております。引き続き、暗号資産取引相場が活況な状況にもあり、営業外収益の持分法による投資利益を通して、当社の業績に大きく寄与することが見込まれます。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、経営方針に基づく経営戦略の実践において、投資家の皆様のご期待にお応えし、友好かつ継続的な関係を維持していただくためには、健全な財務体質強化と持続的な成長拡大が必要であると認識しております。そのため、下記の当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題を掲げ、その対応に取り組んでまいります。

① コンテンツ制作体制の増強・整備と品質管理体制の強化

 当社グループは、既存事業の中核である情報サービス事業におけるコンテンツの品質を高めるため、オペレーションの最適化を進めております。暗号資産関連コンテンツを含むすべてのコンテンツ作業を戦略的に分析し、コンテンツの属性に応じて作業を標準化する一方、個性を生かす作業時間を増加させ、迅速性・正確性の確保と同時に高付加価値を追求するリソース配分を進め、コンテンツ制作から情報配信までを一元管理できる体制を構築しております。

 今後も更なるオペレーションの最適化及びコンテンツ制作の多極化に取り組み、より専門化、より多様化する商品を開発するため、持続的なアナリスト教育とスタッフ個々のレベルアップに取り組むと同時に、客員アナリスト等の外部アナリストによるコンテンツ制作等もより積極的に取り組んでまいります。

 

② 販売・マーケティング体制の強化

 個人投資家、機関投資家、金融法人及び事業法人等の様々なニーズに即応するサービスの開発提供及び高付加価値化のために、主に金融機関向けの営業を担当する営業開発部と事業法人向けのサービス提供を目的としたIRコンサルティング事業本部を中核に営業活動を展開しております。ますます激動する株式市場、為替市場及び暗号資産市場を中心としたマーケット・プレイヤーの多様化するニーズに応えるサービスを提供できるよう顧客サービスの強化に取り組んでまいります。

 

③ ウェブサイト及びスマートフォンアプリ運営の拡充

 無料スマートフォンアプリ『株・企業報』、『暗号資産ナビ』及びウェブ版『FISCO』並びに有料課金サイト「クラブフィスコ」においては、定性情報とともに定量情報を横断的に提供しておりますが、特に個別銘柄及び個別資産に関してのデータベースの構築、インターフェイス改良及びデータ処理速度の向上、システムトラブルの対応等に経営資源を継続的・計画的に投下してまいります。

 

④ システムの強化、バックアップシステムの拡充

 コンテンツ供給の多様化、個人顧客をはじめとする供給先の増加、社内情報ネットワークの複雑化、今日的にますます重要となったコンプライアンス上の要請などにより、安全な社内インフラをはじめとするシステムの強化と災害等に対応したバックアップ体制の強化を図っております。今後もこのような内外の体制を厳格に維持する必要があるため重点的に資本投下を継続してまいります。

 

⑤ コンテンツ配信における最新テクノロジーの適正な評価

 当社グループのコンテンツ販売にシステム開発や維持は欠かせないものですが、テクノロジーの進化が思わぬ陳腐化や競争力低下を引き起こす可能性があります。当社グループでは、いたずらに新技術を追い求めるのではなく、俯瞰的にこれをとらえ、適時適切に最新テクノロジーを評価した上で設備投資計画を策定、実行すべきと考えております。

 

⑥ 内部管理体制の強化

 当社が業績を回復させるためには、業務運営の効率化や、上場会社及び金融商品取引業者としての法令遵守、リスク管理、IR充実のための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。

 このため、今後も業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に行える体制整備に努め、財務報告に係る内部統制システムの整備をはじめとして、定期的な内部監査の実施によりコンプライアンス体制を強化するとともに、監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等により、企業としての自浄作用が有効に機能するよう図っていく方針であります。

 

⑦ 暗号資産・ブロックチェーン事業の拡充、安定化

 暗号資産の運用につきましては、引き続きトレーディングシステムの利用など、その取引相場の状況に応じた運用を継続し、資金効率を意識した運用を行ってまいります。

 

⑧ 連結子会社とのシナジー効果の追求

 当社グループは、それぞれの事業の特性や強みを活かし、グループ全体の最適化を進めることが重要な課題であると認識しております。今後さらに、顧客に付加価値の高いサービスの提供を可能とするため、グループ全体でのシナジー効果を追求し企業価値の増進に努めてまいります。

 

⑨ グループ会社間のサービスの提供

 グループ間でのサービスの提供が拡大するにつれ、その代価の決定に、より客観的な根拠が必要となっております。このため、きめ細かなコスト計算を図るとともに第三者価格などの情報を入手し、合理的な算定根拠を明示して、厳格な承認手続のもとにグループ間の取引を進めてまいります。

 

⑩ チャイニーズウォールの拡充

 当社のみならず、連結子会社にも内部監査体制を充実させ、フロントランニング行為や利益相反を起こす可能性のあるリスクに備えて組織的な内部監査体制のもとにチャイニーズウォールを拡充する必要があります。

 

関係会社の適時適切な計数管理

 連結財務諸表作成のための各子会社の適時適切な会計記録の作成と予算管理が課題となっており、月次報告を基礎とする定期的な計数管理の精度を高めるために当社及び各子会社の連携を強化してまいります。

 

⑫ 全社的な課題

 内部統制の運用及びその評価については取締役による検証のほか、一定の計画に従った定期的な内部監査や外部専門家によるチェックを実施しており、継続的に有効な管理体制を維持しております。直近の課題として国際会計基準導入を視野に、全社統制、決算・財務報告プロセスにおける統制及びIT全般統制を整備してまいります。

 

2【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

当社グループでは、経営判断の各局面において下記のリスクを中心に多面的な観点から、慎重かつ迅速に協議を重ねて事業を推進しておりますが、すべてのリスク要因等を網羅することは不可能であり、また予測したリスクの発生の態様、程度等も一概でなく、当社グループの将来の業績に少なからず影響を与える事態が発生する可能性は否定できません。したがいまして、当社株式への投資のご判断に当たっては、下記内容を十分にご理解いただくとともに、多角的にご検討くださいますようあらかじめ申し上げます。

(1) 事業環境の変動

  当社グループを取り巻く環境について、国内外の経済情勢の変動は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。特に、情報サービス事業において、重要顧客層である金融業界の再編が起きた場合、株式や為替等の金融商品市場が急激に変動した場合または金融商品市場の分析手法の高度化やサービス提供方法の多様化に対応できず、当社グループが提供するサービスが顧客のニーズにマッチできなくなった場合は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性がありますが、その時期や影響を予想することは困難であります

(2) 法律の改正

  当社グループは事業の遂行にあたって、金融商品取引法、電波法、個人情報保護法、景品表示法、特定商取引法、知的財産権法、資金決済法等の法的規制の適用を受けています。法律の改正等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(3) 法令遵守違反及び情報の漏洩等

  当社グループは、情報サービス事業を始めとする各種事業において、お客様等のプライバシーや信用に関する情報(個人情報を含む)を取り扱う場合や、他企業等の情報を受け取る場合がありますが、これらの情報が誤ってまたは不正により外部に流出する可能性があります。情報が外部に流出した場合、「中立且つ公正であること」を経営の最重要方針としている当社グループのブランド価値が毀損し、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。また、国内外で事業を展開するうえで、それぞれの国・地域での法令・規制を遵守することが必要であり、その意識を高めることに努めていますが、完全にコンプライアンスリスクを回避することは困難であり、関連法令・規制上の義務を実行できない場合、または役職員による不正行為等が行われた場合は、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(4) 自然災害の影響

  国内外の地震、台風、洪水、津波等の自然災害、戦争、テロ行為、感染症の流行等様々な外的要因は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があり、情報サービス事業等の機能が停止する可能性があります。

(5) グループ会社への出資

  当社グループでは、業務の専門性、国際性、効率化、利益相反の回避等を勘案しつつ、新規事業に関しては、別法人を介してグループ全体の事業展開を図っております。こうしたグループ会社への出資は、その会社の業績いかんでは想定した利益を生み出さず、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(6) 新規事業への参入に伴うリスク

  当社グループでは、グループ経営の安定化を目指して、新たな事業領域の拡大を行っており、新規事業へ参入するために、企業買収等も予想されます。これらの実現のために、事業投資資金及び企業買収資金等が突発的に発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(7) 当社グループにおける人的資源への依存について

  当社グループの事業において収益を確保するためには、人的資源の位置付けは非常に重要です。そのため、優秀な人材の退社等により当社グループのノウハウや技術が流出した場合や継続して優秀な人材を養成・確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業は人的資源に高く依存しているため、情報の誤謬や配信ミス等が人為的ミスにより発生する場合があります。そのため、当該人為的ミスにより、当社グループが提供する情報に不適切な内容が含まれていた場合や第三者の権利を侵害した場合は、当社グループのブランド価値が毀損し、当社グループの社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 当社グループにおけるシステムトラブルの影響

  当社グループは、システムの保守管理について、遠隔操作カメラとセンサー常設によるサーバールーム監視体制の強化、電源や機器とプログラムの二重化、ファイアーウォール設置と第三者によるその監視、社内規程の遵守及びサーバールームへの入室可能者の限定等の対策を講じています。しかしながら、自然災害、火災・事故、外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入等により、データベース管理運用システム、コンテンツ配信用システム、クラブフィスコ運用管理システム等の当社グループの業務上重要な基幹システムに障害が発生した場合には当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、システムの不具合による予期しない配信障害が発生した場合、当社グループの情報配信体制等に対する顧客、取引先からの評価に変化が生じ、その後の事業戦略に影響が及ぶ可能性があります。

(9) 重要な訴訟等に係るリスク

  当社グループは、情報サービス事業、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業等を展開していますが、これらに関連して、コンテンツの購読者、投資先及び投資家、製品の製造・販売・購入者、特許権者、サービスユーザー等より直接または間接的に法的手続等を受ける可能性があります。当社グループが今後当事者となる可能性のある訴訟及び法的手続きの発生や結果を予測することは困難ではありますが、当社グループに不利な結果が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 特定取引先への依存

  当社グループの各事業のうち、情報サービス事業、広告代理業におきましては、特定の取引先による売上が高い割合を占めております。当社グループは、当該特定取引先以外の取引先の開拓に努めており、依存度を低減する施策を実施しておりますが、必ずしも奏功するとは限りません。また、特定取引先との取引に何らかの支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 収益構造が下半期偏重となることについて

  当社グループの各事業のうち、情報サービス事業におきましては、主要顧客先である国内金融機関及び事業会社の多くが3月決算の会社であるため、当該法人顧客の決算期前後に当たる当社の上半期においては、契約の解約が発生し、一方で、当社の下半期にかけて、追加契約及び新規契約が発生する傾向があります。

(12) 潜在株式による希薄化

  当社グループでは、役職員のモチベーションの向上、また優秀な人材を確保する目的で、新株予約権(ストック・オプション)の付与を行っております。2020年12月31日現在、新株予約権による潜在株式総数は、330,500株(2,065個)であり、これは発行済株式総数の約0.72%に当たります。これらの潜在株式は将来的に当社株式の希薄化や株式の供給要因となり、当社の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

(13) 投融資について

  当社では、今後の事業拡大のために、国内外を問わず設備投資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンスを目的とした事業投資、M&A等を実施する場合があります。

  当社といたしましては、投融資案件に対しリスク及び回収可能性を十分に事前評価し投融資を行っておりますが、投融資先の事業の状況が当社に与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融資額を回収できなかった場合、当社の経営成績・財政状態に影響を与える可能性があります。

(14) 暗号資産交換業について

  当社グループのうち、Zaifは、暗号資産交換業者として金融庁・財務局への登録を行っております。将来的に、法令、税制又は政策の変更等により、暗号資産取引が禁止、制限又は課税の強化等がなされ、暗号資産の保有や取引が制限され、又は現状より不利な取扱いとなる可能性があります(以下、「法令・税制変更リスク」といいます。)。また、外部環境の変化(法令・税制変更リスクを含みます。)、同社にシステムその他の必要なサービスを提供する委託先等の破綻等によって、同社の事業が継続できなくなる可能性があります。これらによる同社の業績変動が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(15) サイバー攻撃による暗号資産の喪失

  Zaifでは、同社が管理する電子ウォレットにおいて顧客の所有する暗号資産の預託を受けております。また、当社グループでは、国内外の暗号資産取引所を介して電子取引システムを利用する方法による暗号資産に対する投資を行っております。電子ウォレットに対して不正アクセスが行われた場合には、権限のない第三者によりこれらの電子ウォレットに保管される暗号資産が消失させられるとともに、当社グループはこれらの暗号資産を取り戻せない可能性があります。当社グループが保有する暗号資産の消失及び当社グループの顧客の暗号資産の消失により、顧客に対する多額の弁済が生じる可能性があるとともに、当社グループの業績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

(16) 暗号資産の価格変動

  当社グループは暗号資産を保有しており、またZaifにおいて、暗号資産交換所を運営しているため、様々な要因に基づく暗号資産の価格変動により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(17) 新型コロナウイルス感染症による影響について

  新型コロナウイルス感染症に係る第2回目の緊急事態宣言が、2021年1月8日に発出されるなど、依然として予断を許さない状況にあります。当社グループの事業・サービスのなかで、IR企業支援サービス分野及び広告代理業は、企業IR、広告およびクライアント企業の広告活動の自粛等で、新型コロナウイルス感染症による影響を受けておりますが、今後も契約社数の維持に努めながら、クライアント企業のニーズを取り込み、企業IRや広告において提案力の強化を進めるなど、当社グループの業績に与える影響を最小限に抑えるよう努めております。また、新型コロナウイルス感染症に関する状況の変化を注視し、迅速な対策の検討とリスクを軽減する体制を構築しています。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、年初から続く新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛や個人消費の低迷を受けた経済活動の停滞により、深刻な打撃を受けました。緊急事態宣言解除後は、徐々に経済活動が再開されたものの、年末にかけて再び感染拡大が始まり、年明けには2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、経済の見通しは依然として、予断を許さない状況にあります。

 当社事業の情報サービスと関連性の高い国内株式市場におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により、株価は2020年3月に一時16,000円台まで急落しましたが、徐々に回復し、前年の年末終値と比較して3,787円上昇し27,444円17銭で年内の取引を終えました。新型コロナウイルス感染症の収束の兆しが見えない状況が続く中、足元ではワクチン普及加速への期待とともに、同感染症の拡大防止対策を講じつつ、徐々に経済活動の正常化への動きが進むものと想定されます。

 当社の持分法適用関連会社のZaif Holdingsの子会社であるZaifは、2019年6月21日に、金融庁より資金決済法に基づく、業務改善命令を受けておりましたが、2020年8月31日に継続的な報告義務が解除されました。引き続き当社グループでは、暗号資産の情報、交換所、同システム、金融仲介機能を網羅し、暗号資産による一気通貫のサービス提供を可能とすることを成長戦略としています。

 また、当社は2016年に企業トークン、フィスココイン(略称「FSCC」)を発行しており、FSCCを当社個人向けサービスである「クラブフィスコ」における決済通貨として採用するなど、暗号資産分野において積極的な取り組みを行っております。FSCCを決済通貨として利用促進することで、利用者が様々なメリットを享受できるようなフィスココイン経済圏の形成に取り組んでおります。

 なお、当社がネクスグループの株式を売却したことに伴い、第3四半期連結会計期間より、ネクスグループは持分法適用関連会社から除外されています。

 

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,119百万円前期は5,789百万円の売上高)、売上総利益722百万円は(前期は2,504百万円の売上総利益)となりました。販売費及び一般管理費は、661百万円前期は3,090百万円の販売費及び一般管理費)となり、営業利益は61百万円(前期は586百万円の営業損失)となりました。また、当社が保有する暗号資産を売却したことに伴い、暗号資産売却益として営業外収益に83百万円を計上したものの、持分法適用関連会社のネクスグループ及びZaif Holdingsに対する持分法による投資損失286百万円を計上したことなどにより経常損失127百万円(前期は984百万円の経常損失)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純損益はネクスグループ株式の売却により、ネクスグループを持分法適用関連会社から除外したことに伴う特別利益128百万円を計上した結果、66百万円(前期は666百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は、以下のとおりであります。

① 情報サービス事業

 金融・経済情報配信サービス分野におきましては、ポータルサービスおよび法人向けリアルタイムサービスが前期比で15百万円減少したものの、機関投資家向けやアウトソーシングサービスの新規契約による取引増加および個人向けサービスである「クラブフィスコ」が前期比で売上高が27百万円増加し、売上高は423百万円(前期は415百万円の売上高)となりました。

 上場企業を対象としたIR支援およびコンサルティングサービス分野におきましては、季節性の高い大企業向け統合報告書やアニュアルレポートについて、そのサービス特性から検収時期および売上計上時期が下期偏重傾向にありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、売上検収時期の延期などの影響を受けました。また、スポンサー型アナリストレポート(企業調査レポート)についても、新型コロナウイルス感染症に伴う契約企業の業績悪化によるIRコスト削減などの影響を受け、解約やサービスの一時中断等が生じております。これらの影響により売上高は608百万円(前期は668百万円の売上高)となりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は1,031百万円前期は1,082百万円の売上高)と減少しましたが、利益率の高い案件の獲得及び継続的に取り組んでいる費用削減や取引先の見直し等の施策により、セグメント利益は304百万円前期は194百万円のセグメント利益)と大幅に改善しました。

② 広告代理業

 2020年夏に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックに伴い、業務提携先の実業之日本社が手がける、パ ラスポーツマガジンの広告掲載、タイアップ記事掲載など新規広告獲得が進んでおりましたが、大会の延期による企業広告の減少およびクライアント企業の事業活動の自粛等の影響を受けたことにより、広告収入の減少を余儀なくさ れましたが、案件1件当たりの受注金額および、獲得単価アップと費用削減を図りました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は65百万円(前期は80百万円の売上高)となり、セグメント利益18百万円(前期は10百万円のセグメント損失)となりました。

 

③ 暗号資産・ブロックチェーン事業

 株式会社フィスコ・コンサルティングにおいて、暗号資産に対する自己勘定投資を行っており、損益の純額を売上に計上しております。ビットコインを中心とした暗号資産の取引価格が、2020年10月から年末にかけ1ビットコイン120万円から1ビットコイン250万円以上に急騰し、2021年2月には1ビットコイン500万円を超えるなど取引相場が活況な状況もあり、その取引相場の状況に応じてトレーディングを行いました。

 この結果、当連結会計年度の売上高はトレーディングも含め22百万円前期は10百万円セグメント利益は20百万円前期は1百万円のセグメント損失となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比して517百万円増加し、2,720百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比して124百万円増加いたしました。これは現金及び預金が41百万円増加したこと、売掛金が106百万円増加したことなどによります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比して393百万円増加いたしました。これは、無形固定資産が92百万円増加したこと、投資有価証券が297百万円増加したことなどが主たる要因であります。

 

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比して6百万円増加し1,422百万円となりました。これは、短期借入金が59百万円減少したこと、1年内返済予定の長期借入金が13百万円減少したこと、前受金が26百万円減少したこと、持分法適用に伴う負債が151百万円増加したことなどが主たる要因であります。

 

(純資産)

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比して511百万円増加し1,297百万円となりました。これは、利益剰余金が423百万円増加したこと、自己株式が279百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が179百万円減少したことなどが主たる要因であります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比して41百万円増加し、151百万円となりました

 

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローとそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は41百万円の減少(前連結会計年度は576百万円の減少)となりました。これは主に、前受金が26百万円減少したこと、未払金が11百万円減少したことおよび未払費用が2百万円減少したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は172百万円の増加(前連結会計年度は1,405百万円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入141百万円、暗号資産の売却による収入83百万円、長期貸付金の回収87百万円があった一方で、有形および無形固定資産の取得による支出132百万円があった事によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は89百万円の減少(前連結会計年度は712百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が59百万円減少、長期借入金の借入による収入が39百万円、及び長期借入金の返済による支出が46百万円あった事によるものです

(4)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 重要性の観点から生産実績を定義することが困難であるため、記載を省略しております。

 

②受注実績

 生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。

 

③販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

情報サービス事業

1,031,688

95.7

広告代理業

65,441

83.4

暗号資産・

ブロックチェーン事業

22,353

209.4

報告セグメント計

1,119,483

19.4

その他

42

0.5

 合計

1,119,525

19.3

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.前連結会計年度において、ネクスグループを連結の範囲から除外したことに伴い、当連結会計年度より以下の事業について報告セグメントを廃止しております。

・インターネット旅行事業

・IOT関連事業

・ブランドリテールプラットフォーム事業

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経営成績等は、売上高は1,119百万円(前期は5,789百万円の売上高)となりました。売上原価は、396百万円(前期は3,284百万円の売上原価)となり、販売費及び一般管理費は、661百万円(前期は3,090百万円の販売費及び一般管理費)となりました。

 営業利益は、61百万円(前期は586百万円の営業損失)となりました。

 また、経常損失は、127百万円(前期は984百万円の経常損失)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、66百万円(前期は666百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 詳細は、「経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況 」に記載のとおりであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性にかかる情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況 」に記載しております。

 当社グループでは、運転資金、設備投資及び投融資資金の資金需要があり、自己資金、借入、社債の発行、及び保有株式の売却といった資金調達方法の中から、諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達していく方針であります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。

 経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。また、新型コロナウィルス感染症による影響等の不確実性については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (17) 新型コロナウイルス感染症による影響について」に記載しております。

 

(繰延税金資産)

 企業会計上の収益・費用と、課税所得計算上の益金又は損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表への繰延税金資産計上の要否を検討しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減少され、税金費用が計上される可能性があります。

 

(貸倒引当金)

 当社グループは、債権に対し貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金は、過去の貸倒損失の実績及び回収可能性に疑義がある債権の個別評価に基づいて計上しております。入手可能な情報に基づき貸倒引当金は十分であると考えておりますが、将来、債権先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。

 

(有価証券)

 当社グループは、時価を把握することが極めて困難と認められる投資有価証券を保有しております。これらの投資有価証券につきましては、実質価額が著しく低下し、かつ回復する見込みがないと判断した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特別損失(個別)および特別利益(連結)の計上

 2020年6月3日開催の取締役会において、当社の持分法適用関連会社であるネクスグループの当社保有株式の一部を売却する決議をし、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

 本件株式譲渡により、当社個別決算において、関係会社株式売却損として70百万円の特別損失を計上し、連結損益計算書において関係会社株式売却益として 128百万円の特別利益を計上しております。

 

譲渡先の名称

株式会社クシム

異動前の保有株式数

2,920,800 株(保有割合19.43%)

譲渡株式数

710,000 株

譲渡価額

119,280,000 円
1 株168 円(2020 年6月2日終値)

異動後の保有株式数

2,210,800 株(保有割合14.71%)

 

 

5【研究開発活動】

  該当事項はありません。