(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、景気は緩やかな回復基調にあるものの、先行きへの慎重な見方が増しており、個人消費は消費マインドに足踏みがみられ、力強さに欠ける状況が続いています。一方、当社の事業が立脚する非対面決済市場においては、スマートフォンの普及等の影響もあり、引き続きBtoC市場は持続的な成長を続けているほか、CtoC市場も拡大が見られております。
このような情勢のもと、当社は平成25年8月に公表した「中期経営3か年計画(2013年7月-2016年6月)」に掲げられた目標を達成すべく、諸施策を推進・実行してまいりました。
この中期経営3か年計画においては、重点施策を「次世代を担うビジネススキームの確立」、「カイゼン(機能拡充/システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上、いわば筋肉質の企業体質づくり)」の2つとし、これらの着実な実行を目指して活動して参りました結果、「中期経営3か年計画(2013年7月-2016年6月)」の最終年度に当たる当事業年度の経営成績は、売上高10,529百万円(前事業年度比18.5%増)、営業利益2,054百万円(前事業年度比25.5%増)、経常利益は2,007百万円(前事業年度比32.1%増)、当期純利益は1,350百万円(前事業年度比44.0%増)となりました。また、ROE(自己資本当期純利益率)は16.3%となりました。中期経営3か年計画において当初より目標として掲げていた最終年度における「営業利益20億円」、「ROE15%」を達成することができました。
(2) キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14,958百万円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において営業活動により得られた資金は2,554百万円となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益2,007百万円、収納代行預り金の増加817百万円であり、主な減少要因は、営業未払金の減少312百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において投資活動により得られた資金は218百万円となりました。主な増加要因は、有価証券の償還による収入4,300百万円、定期預金の払戻による収入2,200百万円であり、主な減少要因は有価証券の取得による支出4,897百万円、定期預金の預入による支出1,100百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において財務活動により支出した資金は1,108百万円となりました。主な減少要因は、自己株式の取得による支出630百万円、配当金の支払い額476百万円であります。
(1)受注状況
当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。
|
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
58,653 |
193.5 |
50,466 |
220.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当社における受注の内容は、相手先からの受託開発であります。
(2)販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
決済・認証事業(千円) |
10,529,005 |
118.5 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日) |
当事業年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
AMAZON.COM INT'L SALES,INC.※2 |
3,087,764 |
34.7 |
3,525,399 |
33.5 |
|
GMOペイメントゲートウェイ(株) |
1,309,505 |
14.7 |
1,742,731 |
16.6 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(注)2.アマゾンジャパン合同会社に対する売上高492,282千円(当事業年度)を含む。
(1) 中期経営3か年計画(2013年7月-2016年6月)の総括
当社は右肩上がりの成長率を維持している非対面決済市場を事業ドメインとしており、その中で確立した高い競争優位のスキームにより業績を伸ばしてまいりました。一方で事業スキームにもライフサイクルがあり、そのままでは陳腐化が避けられないため、今後も現状のビジネススキームのさらなる発展と新規事業開発へのチャレンジを続けてまいります。当社はITの本質を、価値生産者がエンドユーザーと直接結びつき、商品・サービスを、時間と場所の制約を超えて直接売買できるしくみと認識しております。当社は快適かつ先進的な決済プラットホームをコアとし、その周辺に事業領域を拡大することで継続的な利益成長を達成してまいります。当事業年度までの3年間の具体的な重点施策を「次世代を担うビジネススキームの確立」、「カイゼン(機能拡充・システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上、いわば筋肉質の企業体質づくり)」の2つとし、これらにリソースを集中投入してまいりました。
A.次世代を担うビジネススキームの確立
1)バスIT化プロジェクト
当社は2001年3月、日本で初めて都市間高速バスチケットのコンビニ発券サービスを開始、以来国内100社以上のバス事業者様にこのサービスをご導入いただきました。
そのシステム、運用、および営業基盤をベースとし、最新テクノロジーを具体的な形としてバス事業者様、ご利用者様双方のお役にたてるプラットホーム化の作業が“バスIT化プロジェクト”です。急速に普及したネット接続スマートフォン・タブレット端末を活用し、それまでできなかったことを可能にするしくみを開発・投入いたしました。
具体的にはお客様がスマホアプリから行きたい場所へ行くバスを探し、そこからそのまま購入できるサービスのリリース、始発バス停を発車した後でもバスチケットを販売できる、いわば販売機会を極大化できるしくみ、航空・Jリーグなどで培ってきた電子認証のノウハウを高速バスに車載する安価なタブレット端末で実現するしくみなどを開発し投入いたしました。個別のバス事業者がそれぞれ開発すると成り立たないスキームを当社が一括して開発、その共通プラットホームをバス事業者様に変動費化してご提供いたしました。普及拡大はまだこれからですが確実な手応えを感じております。
2) コンシューマ向けサービスの開発・提供
当社の決済サービスのコアである事業者の代金回収に加え、支払者側に便利なコンシェルジュ機能を提供するスマホアプリの開発を進めてまいりました。開発が当初予定より遅れましたが、今期(第35期)には投入できる目途が立ちました。
B.カイゼン(機能拡充/システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上、いわば筋肉質の企業体質づくり)
1) バリュートランスファープラットホームの機能拡充(既存サービスの拡充)
従来の収納代行・ネットde受取(銀行振込サービス)に加え、コンビニ店頭で現金を受け取ることができるサービス、およびAmazonギフトで受け取ることができるサービスを開始いたしました。
ほかにも大学入試向け電子決済の拡充、紙の請求書の発行を事業者がシステム開発行うことなく電子化できコストダウンできる“ペーパーレス化”プロジェクト等、期中に見えてきたビジネスチャンスにもできる限り素早く対応をしてまいりました。
2) システム安定運用/コストパフォーマンス向上
当社システムは既に社会インフラになりつつあり、システムの安定稼働を重要課題として取り組んでまいりましたが、予想以上のトラフィック増加にシステム増強および社内体制が追いつけず、2015年10月に大規模障害が発生、関係者に多大なご迷惑をおかけすることとなってしまいました。その反省から、抜本的な社員の再教育、更には増加し続けるトラフィックに対応するためのシステム増強、社内体制の整備への取り組みを加速させました。
一方で、何よりも安定稼働をプライオリティNo.1としていることから、並行して進める予定であった「原価構成分析システム」の活用は今後の課題として残りました。
C.地域貢献活動
北海道の高等専門学校に通う経済面で苦労する学生向けに1億円の“ウェルネット奨学金”を設立し、2016年3月末までに約30名の学生に約700万円を支援いたしました。支援を受けた学生からは数多くの感謝のお手紙をいただき、それにより逆に当社が励まされる、素晴らしい学校との関係が構築できました。
社会貢献活動は継続させることが何よりも重要との考え方より、2016年6月期には更に6千万円を積み増しました。今後も一市民として地域社会への貢献を継続してまいります。
(2) 当社を取り巻く環境変化と対応戦略=新中期経営5か年計画(2016年7月-2021年6月)
当社は主として非対面決済およびその周辺を事業ドメインとし、その中で確立したノウハウと実績により業績を伸ばしてまいりました。非対面決済市場は今後も一定の伸長を見込んでおり、引き続き現状のビジネススキームの維持発展を継続してまいります。当新中期5か年計画期間中においては、フィンテックの急速な進展、実用化が見込まれ、またIoTの利活用が始まるなど、当社を取り巻く大きな環境変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行うことで、最終年度には経常利益50億円を目標とした成長戦略を実行してまいります。
A.ウェルネットの“フィンテックサービス”「支払秘書」をリリースします(2017年3月予定)
当社の事業収益の柱は“リアルタイムの現金決済”ですが、電子マネー・キャッシュレス決済が今後さらに伸長する可能性が高いとみて、2011年に構想し、その後要件定義・開発を進めてきた電子マネーサービス「支払秘書」をリリースします。
スマートフォンアプリ「支払秘書」はサーバ管理型電子マネーで以下の機能を持っています。
①提携銀行からリアルタイムに電子マネーをチャージできる(他の収納機関からもチャージ可能)
②「秘書」のリマインド機能により支払の“うっかり忘れ”を防止でき、回収率向上にもつながる
サービスや商品を提供する事業者サイドから見ると購入と同時に即時決済されるようになるため、販売機会を逃しません。また今までコスト的に見合わなかったデジタルコンテンツ等の多頻度少額決済にも対応できるようになるとともに、最近ニーズが高まっているワンクリック決済への対応もできるようになります。
更に、後払い決済領域事業者様は、従来の紙の請求書から電子請求に替わることにより請求書発行コストの低減メリットを享受できます。
本サービスの普及については、①既に当社決済をご導入頂いている事業者様への訴求、②提携銀行と共同で営業、③月間800万回に及ぶ決済時にコンシューマが利用する「(当社提供の)支払い方法案内画面」に新たな決済手段として表示、これにより支払秘書アプリのインストールを推進すると共に、④(特にコンシューマ向けの)積極的なプロモーションを行うことで、アプリの普及拡大を強力に推進してまいります。
体制面においては札幌事業所、営業部内に新たな専用チーム“フィンテックイノベーション”チーム、“イノベーション推進室”をそれぞれ設け一体感をもって課題を迅速に解決してまいります。「支払秘書」を強い意志をもって次世代の当社を代表する新たなサービスに育ててまいります。
B.バスIT化プロジェクトを積極的に推進いたします
バスIT化プロジェクトの基幹を担う“バスもり!シリーズ”の開発・投入・プロモーションを積極的に行います。
前期までに都市間高速バス向け認証用車載端末“バスもり!MONTA”、地図から探してそのままチケット購入できるスマホアプリ“バスもり!ナビ”を投入して参りましたが、今年は“バスもり!ナビ”を大幅に進化させたスマートフォンアプリ“バスもり!コンシェルジュ”を投入いたしました(2016年8月)。
スマホで全て完結できる便利なアプリ“バスもり!コンシェルジュ”の機能は以下の通りです。
① 当社が既に取り扱っている100路線以上の都市間高速バス・空港連絡バスのチケットをスマホだけで簡単に購入できる
② いつも利用するチケットを“即買い”に登録すると、ワンクリックでチケット購入ができる
③ “即買いモード”で購入したチケットはワンクリックで「次のバス」に変更可能(空港などの利用を想定)
④ 履歴一覧などからの購入もできる
⑤ キャンセル手続きもスマホで簡単に行える
チケットも従来当社が手掛けてきたコンビニ発券に加え、スマホ画面に表示される電子チケットが加わり、24時間いつでもどこでも手元のスマホでチケット購入できるため、ユーザーの利便性が飛躍的に向上します。本アプリはインバウンド需要を見据え、日本語以外に英語、中国語に対応しております。
電子チケットの認証方法については、既に提供開始している車載用タブレット端末“バスもり!MONTA”に加え、「認証端末」がない場合には“電子もぎり”で認証できる機能をバスもり!コンシェルジュに加えることで(2016年12月予定)ほとんどのバス路線に対応できるようになるため「電子チケット」の対象路線も拡大いたします。
最終的には、いかに多くのコンシューマにこのアプリを認知いただき、ダウンロードし、ご利用いいただくかが収益化に向けて重要な要素となるため、“高速バスはスマホで買える”バスもり!コンシェルジュのプロモーションを積極的に展開してまいります。
C.オープンイノベーション
“IoT”“フィンテック”等、当社の事業領域周辺では大きな変革が起きており、同時に大きなビジネスチャンスが広がっております。このチャンスを取り込むべく、リスクを恐れずに積極的な施策を行ってまいります。
具体的には様々な知見・技術を持つ大学・事業体・企業などとの連携強化によりこのビジネスチャンスに的確に対応いたします。
①ブロックチェーン技術を使った安全かつローコストなプラットホームの開発・提供を目指し、北海道大学と共同研究をスタートいたします。更にこの関係を深化させ具体的な成果物を生み出します。また、ブロックチェーン活用プラットホーム等社会インフラになり得る成果物が完成した暁には、オープンに参画いただけるしくみとすることで、社会貢献の一端を担ってまいりたいと考えております。
②ビックデータ活用、イールドマネジメント、路線バスの可視化による需要喚起等、IT利活用によるバス事業および地方創生に資する共同研究を国立情報学研究所と推進いたします。
③当社決済周辺プラットホームの開発・整備を行う企業との連携に取り組みます。
④特に金融サービスにおいては“セキュリティ”と“コストパフォーマンス”の両立が重要課題です。その課題解決には相当額の研究開発費を要するため、それらへの投資を目的としたCVC“ウェルネットベンチャーキャピタル”を立ち上げます。
D.システムの根幹を担う札幌事業所のレベルアップを図ります(2016年7月から3年間)
前期に発生した大規模障害の反省から、札幌事業所の体制を整備して参りましたが、今期からは更にダイナミックなレベルアップを目的とした投資を行います。
① NTTアドバンステクノロジ株式会社の支援を得て、札幌事業所社員のスキルを一気に引き上げます
10名以上のスキルの高い技術者に札幌事業所に常駐いただき、本格的な品質管理部門を設立、システム開発からインフラ設計、運用に至るまで、当社社員と一つのチームになって実地教育を行っていただく、言わば“究極のOJT”によりレベルアップを図ります。
② 体制整備
前期まで札幌事業所の担当取締役は社長が兼任してまいりましたが、NTTアドバンステクノロジ株式会社から高い技術力と知見、および経験を持つ人材を招へいし、執行役員も1名から3名体制に増強、更に十分な知見を持つ顧問を付けるなど、できることはすべて行いレベルアップと「安定運用」を達成します。
③ クラウド化
従来型のインフラ構築手法では、激しく増加するトラフィックに対応しきれないとの判断の下、今後3年計画で柔軟なスケールアップ・分散処理ができるクラウドに移行いたします。これにより安定稼働とベストコストパフォーマンスの両立を目指します。
E.正しい企業活動を行う“ガバナンス”
当社は会社の存在意義と社員の行動指針を“ウェルネットアレテー”として定め、実効性のあるガバナンスを 目指しております。商材が変われども当社の根幹をなす行動哲学として社員へ浸透させてまいります。
(ウェルネットアレテー)
“あったら便利なしくみ”を作り続けることで社会に貢献します
その「しくみ」を広く世の中に提案・普及させます
そこから得た「利益」を社員、株主、次への投資として配分します
(ウェルネット社員アレテー)
既成概念にとらわれず発想します
まず自分の頭で考え、全体最適な提案をします
議論はオープンに行い「決めるべき人」が決め、組織として実行します
「誰が」「何を」「いつまでに」を常に明確にします
実行結果を検証し、更に改善、を繰り返します
報告は正直、正確、迅速に行います
提供役務と対価を文書化して合意後に取引を行います
清廉を旨とし、接待、贈り物を受けません
(3) 収益予想と株主還元(2016年7月から5年間)(2016年7月-2021年6月)
当社は2016年6月期までの3年間、100%株主還元を行ってまいりました。また、営業利益20億円、ROE15%という意欲的な目標を達成できたことで、株主の皆様のご期待にもお応えでき、ご信頼いただけたものと存じます。
今期からの5年間は大きく変わる環境変化に的確に対応することで、もう一段高い企業価値創生に向けて積極的な投資をタイムリーに行ってまいります。特に今期からは従来のモノ・サービスを提供される事業者様との緊密な関係に加え、支払者側のコンシューマに直接タッチするためのスマホアプリを複数開始することもあり、それらサービスの認知、普及を目的としたプロモーション、人材の獲得および育成、システム能力向上、クラウド化など、業態変革のための投資は相当額に上り、また投資効果最大化のためには、時宜を得た素早い決断による果敢な投資が必要と考えます。また、M&Aについても当社の利益成長に貢献すると判断した場合には積極的に対応してまいります。
一方で、前年踏襲の年間予算も否定、基本ゼロベース予算とし、当社のリソース投入に個別に目を光らせることで会社の経費肥大化対策も行ってまいります。
さらに、取り扱うサービス・事業者の増加などにより曖昧になりがちな原価構成・収益構造を、サービス毎に可視化し分析できるようにして的確な判断を素早く行えるようにすることで、常に筋肉質の運用ができるようにいたします。
以上積極的な投資をタイムリーに行う方針により、2017年、2018年6月期の営業利益は10億~15億円程度となる見込みです。その果実としての経常利益目標を3年後の2019年6月期の30億円、5年後の2021年6月期50億円と設定いたします。なお、3年後30億円、5年後50億円の経常利益は明確な目標ですが、既述のとおり現在訪れている大きなビジネスチャンスを目の前にして、“フィンテックサービス”関連などに大規模かつ機動的な投資を行うことをはじめ積極的にリスクをとる経営方針を決定したことから、2017年、2018年の営業利益については、新たなプロジェクトの進捗により、変動する可能性があります。
一方、このような積極的にリスクをとってもう一段高い企業価値創生に挑んでいく経営方針による株主の皆様への配慮として、安心して長期投資をいただくために、今期からの3年間の配当性向を50%以上とし、一株当たりの配当が50円に満たない場合でも50円を配当いたします。この金額は対2016年6月期の(特別配当を除く)配当額37円※と比べて35%増となります。
※当社は2016年7月1日付で株式を二分割しております。
また、取組課題およびその進捗状況につきましては、株主の皆様、長期投資される機関投資家の皆様にはできる限り正確かつ丁寧に説明させていただくよう心掛けてまいります。
今後も当社はお取引先様、社員、株主の皆様に愛され、期待される企業を目指し、企業価値向上に努めてまい
ります。今後とも是非当社の積極果敢な挑戦にご期待ください。
(4) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また当社は、当社株式の大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、対象会社の株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が事業計画や代替案等を提示するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉等を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。特に、現在の当社には、当社の中核事業である収納代行事業を安全に遂行すべく、もともと健全な財務状況を確保していることに加え、多額の現金を保有しております。
したがって、当社としてはこのような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による当社株式の大量買付に対しては必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上する必要があると考えております。
② 前記①の基本方針に係る取り組みの具体的内容
ⅰ.財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、平成8年の実質的創業以来、「思い」を持った社員とともに自らの可能性を信じ続け“世の中にあったら便利なしくみ”を自らリスクを負って開発し、社会に対して“すぐに利用できる具体的な形=プラットホーム”として提供するという企業理念に基づき、収納代行事業者の草分けの新興企業として業績を伸ばしてきました。
そして、平成25年8月に公表した新たな「中期経営3か年計画」において、さらなる成長を目指しておりました。当社はITの本質を、価値生産者がエンドユーザーと直接結びつき、商品・サービスを、時間と場所の制約を超えて直接売買できるしくみと認識しております。当社は快適かつ先進的な決済プラットホームをコアとし、その周辺に事業領域を拡大することで継続的な利益成長を達成してまいりました。
具体的な重点施策を、次世代を担うビジネススキームの確立、カイゼン(機能拡充・システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上、いわば筋肉質の企業体質づくり)の2つとし、これらにリソースを集中投入してまいりました。
3年間、諸施策に積極的に取り組んだ結果、当初より掲げていた数値目標である最終年度における「営業利益20億円」、「ROE15%」を達成することができました。その結果、株式時価総額が3年間で大きく伸長するなど、企業価値を向上させることができました。
また、本年7月からの5年間を対象として新たな中期経営5か年計画を策定し、引き続き現状のビジネススキームの維持発展を継続するうえに、フィンテックの急速な進展、実用化が見込まれ、また、IoTの利活用が始まるなど、当社を取り巻く大きな環境変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行うことで、経常利益目標を3年後の2019年6月期30億円、5年後の2021年6月期50億円と設定し、もう一段高い企業価値創生に挑んでまいります。この中期経営5か年計画を推進していくことが、更なる企業価値の向上につながるものと考えます。
当社は、株主様、社員、お取引先様との健全かつこれら関係者にメリットを出せる関係構築を今後も基本方針とし、着実に企業価値向上に注力してまいります。
ⅱ.コーポレート・ガバナンスについて
当社は、事業規模の拡大及び事業内容の複雑化を踏まえ、平成21年度以降、実質的創業メンバーに加えて、業務執行体制強化のために取締役員数を増員し、さらに独立役員となる社外取締役及び社外監査役を経営陣に迎えて、コーポレート・ガバナンスの確立と強化を図ってまいりました。各独立役員は、当社取締役会において忌憚のない意見を述べ、経営者に対する牽制、監督機能を十分に果しております。加えて、当社は会社としての存在意義と社員の行動指針を“ウェルネットアレテー※”として定め、実効性のあるガバナンスを実現しております。
(※アレテーとはギリシャ語で「徳」、「優れたもの」、「卓越したもの」を意味します。)
(ウェルネットアレテー)
・“あったら便利なしくみ”を作り続けることで社会に貢献します。
・その「しくみ」を広く世の中に提案・普及させます。
・そこから得た「利益」を社員、株主、次への投資として配分します。
(ウェルネット社員アレテー)
・既成概念にとらわれず発想します。
・まず自分の頭で考え、全体最適な提案をします。
・議論はオープンに行い「決めるべき人」が決め、組織として実行します。
・「誰が」「何を」「いつまでに」を常に明確にします。
・実行結果を検証し、さらに改善、を繰り返します。
・報告は正直、正確、迅速に行います。
・提供役務と対価を文書化して合意後に取引を行います。
・清廉を旨とし、接待、贈り物を受けません。
ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財産及び事業の方針の決定が支配されることを防止する
ための取り組み
当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、基本方針に基づき、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大量買付等がなされることを防止するためのものです。当社取締役会は、当社株式の大量買付が行われた際に、当該大量買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に事業計画や代替案等を提示するために必要な時間及び情報を確保するとともに、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことなどを可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大量買付を抑止するための枠組みが必要不可欠であると判断しております。本プランは基本方針に照らして、不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの一環であります。
当社は、平成22年5月24日開催の取締役会において、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号に規定されるものをいい、以下「基本方針」といいます。)を決定するとともに、この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの一つとして、本プランを導入し、平成22年9月25日開催の第28回定時株主総会において株主の皆様の承認を得ております。また、平成25年9月26日開催の第31回定時株主総会において、本プランの更新について承認を得ております。本プランは、株主の皆様のご意思に従い、株主総会または取締役会の決議に基づいて廃止できるように設計されており、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。
本プランは、当社の株券等に対する買付等(注)が行われる場合に、買付等を行う者(以下「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、株主の皆様に取締役会の事業計画や代替案等を提示したり、買付者等との協議・交渉等を行ったりするための手続きを定めております。なお、買付者等には、本プランに係る手続きを遵守していただき、本プランに係る手続きの開始後、当社取締役会において新株予約権の無償割当ての実施もしくは不実施に関する決議がなされるまでの間または株主総会において新株予約権の無償割当ての実施もしくは不実施に関する決議がなされるまでの間、買付等を進めてはならないものとしております。
買付者等が本プランにおいて定められた手続きに従うことなく買付等を行うなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合は、当社は当該買付者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権をその時点のすべての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
(注)対象となる買付等とは、以下の①または②に掲げるものをいいます。
①当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付等
②当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
③ 上記の取り組みの次に掲げる要件への該当性に関する当社の取締役会の判断及びその判断に係る理由
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に事業計画・代替案等を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行ったりすることを可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものであります。
また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランを廃止する旨の決議がなされた場合、株主総会で選任された取締役により構成される取締役会において、本プランを廃止する旨の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、その意味で、本プランの導入及び廃止は、当社株主の皆様の意思に基づくこととなっております。
本プランは、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために、本プランの発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会を設置いたします。実際に当社に対して買付等がなされた場合には、独立委員会が、独立委員会規則に従い、当該買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するか否かなどの実質的な判断を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重して会社法上の機関としての決議を行うことといたします。
当社取締役会による恣意的判断を排するために、当社経営陣から独立した、企業経営等に関する専門知識を有する者のみから構成される独立委員会の判断を経ることとなっております。また、株主及び投資家の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保しており株主共同の利益確保に必要かつ相当な範囲内の対抗措置であると考えます。
当社は、以上の理由から、基本方針に照らして不適切な者による支配を防止する取り組みは、当社の株主共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ご参考)
本プランは、有効期限が平成28年9月28日開催の第34回定時株主総会終結の時までとなっております。当社は平成28年8月18日開催の取締役会において、有効期間の満了をもって本プランを更新しないことを決議致しました。
有価証券報告書に記載した1.経営成績、3.経営方針、4.個別財務諸表に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成28年9月29日)現在において当社が判断したものであり、現時点では予測できない下記以外の事象の発生により、当社の経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
① 収納代行預り金について
当社にてサービスを提供するマルチペイメントサービスでは、当社が事業者に代わり収納した代金を、分別管理された当社名義の預貯金口座に一時保管した後、所定の期日に事業者に送金する仕組みとなっております。収納代行により当社が一時保管する代金につきましては、貸借対照表上「現金及び預金」(資産)及び「収納代行預り金」(負債)として両建計上しております。
なお、当該収納代行代金につきましては、事業者財産保護のために金融機関の決済性預貯金口座において当社自身の決済用資金と分別管理し、また貸倒リスク軽減のために契約に基づき事業者に送金する際に手数料(当社売上)を相殺するスキームを採用しておりますが、ペイオフ等に関する金融行政の方針が変更され、当該口座が預金保護の対象とならなくなった場合、収納代行代金の保管方法の変更や、当社売掛金の回収方法変更等により当社の事業運営や業績に影響が生じる可能性があります。
② コンビニ業界のインフラへの依存について
マルチペイメントサービスのうちコンビニ決済におきましては、コンビニのKIOSK端末や本システムに対応できるPOSレジが導入されていることが前提条件となります。今後KIOSK端末を導入しているコンビニ各社が、同時期に端末自体の変更などのサービス提供方法の変更を行った場合、これに対応するコストが当社側に発生するなど、当社の業績に影響を与える可能性があります。
③ システムトラブル及び事務リスクについて
当社においてシステムの停止は重大な問題となるため、当社はサーバー設備及び通信回線の二重化並びに非常用電源の確保などによるシステム停止への対応や保守要員の24時間常駐化など、様々な対策を講じております。
しかしながら、このような体制による管理にもかかわらず、自然災害や事故など不測の事態が起こった場合、予測できない外部からの侵入による不正行為が生じた場合、また当社従業員の過誤操作が生じた場合、当社のシステムの機能低下、誤作動、故障などの事態を招く可能性などによって、当社の業績に影響を与える可能性があります。
また、当社の業務は収納金等の金銭を扱う重要な業務であることから、事務リスクを回避するよう、その管理は厳格に行われております。
しかしながら、このような厳格な管理体制にもかかわらず、当社役員や従業員の過誤等が生じた場合、当社の信頼を損なうことなどによって、当社の業績に影響を与える可能性があります。
④ 外部環境について
a.競合他社との競争激化について
EC決済サービス市場においては、今後の成長期待を背景として、競争が激しくなっております。一般的に競争の激化は収益に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は付加価値向上による優位性確保に努めておりますが、こうした当社の差別化戦略が予定通りの成果を挙げることができない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
b.新決済サービスの対応について
決済サービスにおきましては、顧客ニーズにマッチした新商品や新サービスをスピーディーに開発し提供していくことで、当社の優位性を維持していく所存であります。しかし、まったく新しい決済サービスが出現したり、新サービスの開発・提供において遅れをとったりした場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.電子商取引市場について
当社のマルチペイメントサービスは、ECビジネスにおける消費者の利便性を高める決済手段として重要な役割を果たしております。昨今EC市場は拡大を続けており、中でもインターネットを介した電子商取引市場は拡大するものと当社では予想しております。しかしながら当該市場は歴史が浅く、今後利用に関する法的規則の強化等予測のつかない事態が発生した場合、当社システムを利用するユーザーの減少に繋がり、当社の業績に何らかの影響を与える可能性があります。
d.新規事業の創出・育成に係る投資について
当社が事業収益の成長スピードを維持していくためには、新規事業を創出・育成し新たな収益基盤を確立する必要があります。そのために積極的に設備投資、研究開発投資及び販売促進活動を行うことを計画しておりますが、このサービスが当社の計画通りに進捗せず十分な投資効果が得られないときは、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
e.特定取引先への依存について
当社は上記の各外部環境に関するリスク認識のもと、新規サービス・新規事業の創出、新規取引先の拡充に努めてきておりますが、利用取引先の上位3社にて売上高全体の過半を占める状況になってきております。したがって主要取引先の販売動向、または何らかの理由により主要取引先の売上高が減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
f.知的財産権について
当社の事業分野における知的財産権の状況を、適時、完全に把握することは困難であるため、当社が第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償請求または差し止め請求を受ける可能性があります。
⑤ 個人情報の管理について
当社は各種業務を行うに際し、顧客の個人情報を保有することがあります。また、今後も業務拡大に伴い当社が取り扱う個人情報は増加することが予想されます。当社はこれら個人情報の取り扱いについてはプライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を取得し、これに準じて社内管理体制を整備し、情報管理への意識を高めております。
これらの対策により個人情報が漏洩する可能性は極めて低いと考えておりますが、今後何らかの原因により情報の外部流出が発生した場合には、損害賠償請求を受け、社会的信用が失墜することなどにより、当社の業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 過年度業績の推移について
a.企業再編による経営成績開示の非連続性
当社は、平成21年6月に株式交換により株式会社一髙たかはしを完全子会社化しましたが、期末日をみなし取得日としたことから、平成21年6月期は連結損益計算書を作成しておりません。平成22年6月期より、連結損益計算書を作成しておりますが、平成22年6月末日をもって、株式会社一髙たかはしの全株式を譲渡しております。また平成23年7月に株式公開買付けにより、株式会社ナノ・メディアを子会社化し、平成24年6月期より連結損益計算書を作成しておりますが、平成25年6月期中において連結子会社ではなくなりましたので、平成25年6月期からは連結損益計算書を作成しておりません。
このとおり、平成22年6月期及び平成24年6月期が、連結での損益表示であることから、経営成績開示の非連続性という特殊要因があります。
b.売上高の純額表示への変更による経営成績開示の非連続性
当社は、平成23年6月期より、オンラインビジネスサービスにおけるPINオンライン販売サービス(注1)及び電子認証サービスにおける95bus.comサービス(注2)の売上高を総額表示から純額表示に変更しております。また、平成24年6月期より、収納代行契約に基づくPINオンライン販売サービスならびに各種申込サービスにつきましても売上高を総額表示から純額表示に変更しております。これらはともに売上高から仕入高を相殺のうえ、純額表示する会計処理方法の変更であり、売上総利益段階では影響がありませんが、売上高が減少します。なお、上記の2つの非連続性の影響を除いた形で過年度の業績推移を比較するため、当社単体の数値を純額表示にした場合の売上高及び売上総利益の推移を示すと、以下のとおりであります。
(ご参考)過去5年間の単体売上高、売上原価を純額表示した場合の数値(単位:百万円)
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平成24年 6月期実績 |
平成25年 6月期実績 |
平成26年 6月期実績 |
平成27年 6月期実績 |
平成28年 6月期実績 |
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売上高 |
6,254 |
6,866 |
7,600 |
8,888 |
10,529 |
|
売上原価 |
4,070 |
4,505 |
5,068 |
6,200 |
7,483 |
|
売上総利益 |
2,184 |
2,361 |
2,532 |
2,688 |
3,045 |
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(相殺分) |
(41,396) |
(34,751) |
(24,297) |
(17,855) |
(15,596) |
注1 PINオンライン販売サービスは、コンビニの店舗に設置されているPOSレジ・KIOSK端末と当社サーバー間の双方向通信システムを利用し、携帯電話・国際電話・電子マネーなどのプリペイドカードをオンラインで販売するサービスであります。
注2 95bus.comサービスは、空港バスのチケット予約、決済、発券、乗車のための認証をワンストップでご利用いただけるサービスであります。
仕入先との契約
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提携先 |
契約年月日 |
提携内容 |
備考 |
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(株)サークルKサンクス |
平成10年6月1日 |
料金収納業務の委託等に関する契約 |
業務委託契約 |
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(株)ファミリーマート (注1) |
平成10年6月11日 |
料金収納業務の委託等に関する契約 |
業務委託契約 |
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(株)セブン-イレブン・ジャパン |
平成10年6月30日 |
料金収納業務の委託等に関する契約 |
業務委託契約 |
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(株)ローソン |
平成10年8月1日 |
料金収納業務の委託等に関する契約 |
業務委託契約 |
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(株)みずほ銀行 |
平成15年1月10日 |
収納事務に関する委託契約 |
業務委託契約 |
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(株)三井住友銀行 |
平成20年7月31日 |
送金受付サービスに関する契約 |
業務提携契約 |
(注)1.(株)ファミリーマートとの契約は一部、平成16年3月1日付で(株)ファミマ・ドット・コムに継承されております。
2.上記の契約の契約期間に関しましては、全て一定年数経過以降、双方とも解約または変更の意思表示がない場合は、1年間の自動更新となっております。
3.(株)サークルKサンクスとの契約は、平成28年9月1日付で(株)ファミリーマートに継承されております。
当社は、将来に向けて成長スピードを維持していくため、「次世代を担うビジネススキームの確立」と「カイゼン(機能拡充・システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上、いわば筋肉質の企業体質づくり)」を行っていくことが必要と考えております。
当事業年度においては、データセンターのコスト削減とベストパフォーマンスの実現に取組んだほか、バスチケットの革新的直売モデルの研究開発、コンシューマーを意識した新たなサービスモデルの研究開発、決済の周辺事業領域への機能拡充に取組みました。
その結果、当事業年度における研究開発費は、32,316千円となりました。なお、当社は決済・認証事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び収益・費用の計上に関連して、種々の見積りを行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用において以下のとおり見積りを行っております。
① 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、全額が回収可能と判断し資産計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加計上する可能性があります。また、法人税率が引き下げられた場合、貸借対照表に計上する繰延税金資産の計上額を減額する可能性があります。
② ソフトウエアの減損
ソフトウエアについては、将来の収益獲得または費用削減が確実であると認められたものを資産計上しております。しかしながら、計画の変更、使用状況の見直し等により収益獲得または費用削減効果が損なわれた場合には、資産の減損が必要となる可能性があります。
③ 投資の減損
投資価値の下落が著しく、かつ回復可能性がないと判断した場合に投資の減損を計上しております。時価のある有価証券については、時価が取得価額に比べて50%以上下落している場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性があると総合的に判断した場合を除いて減損処理を行っております。将来の市況悪化等により現在の帳簿価額に反映されていない損失または投資簿価の回収不能が発生した場合、投資の減損が必要となる可能性があります。
(2) 経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、売上高10,529百万円(前事業年度比18.5%増)、営業利益2,054百万円(前事業年度比25.5%増)、経常利益は2,007百万円(前事業年度比32.1%増)、当期純利益は1,350百万円(前事業年度比44.0%増)となりました。
(3) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当事業年度末の流動資産につきましては、19,416百万円となりました。主な内訳は現金及び預金14,458百万円、有価証券2,999百万円、営業未収入金529百万円(PINオンライン販売サービスにおけるPINの券面額に関する債権)であります。現金及び預金には、回収代行業務に係る収納代行預り金が9,566百万円含まれておりますが、これは翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり一時的に当社が保管するものであります。また、固定資産は1,688百万円となりました。主な内訳は、建物125百万円、ソフトウェア530百万円、投資有価証券507百万円であります。以上の結果、資産合計は21,104百万円となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債につきましては、12,398百万円となりました。主な内訳は営業未払金1,043百万円(PINオンライン販売サービスにおけるPINの券面額に関する債務)と収納代行預り金9,566百万円であります。また、固定負債は221百万円となりました。以上の結果、負債合計は12,619百万円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産につきましては、8,485百万円となりました。主な内訳は株主資本8,446百万円であります。
(4) 資金の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物は、14,958百万円となりました。主な増加要因は税引前当期純利益
2,007百万円、有価証券の償還による収入4,300百万円であり、主な減少要因は、有価証券の取得による支出4,897百
万円であります。
② 資金需要
当事業年度における当社の主な資金需要は、サーバ設備等やソフトウエアの取得による設備投資などであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社におきましては、コンビニ業界のインフラへの依存、システムトラブル及び事務リスク、競合他社との競争激化、新サービスへの対応、新規事業への投資、知的財産権、個人情報の管理などが経営成績に重要な影響を与える要因と認識しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
本年7月からの5年間を対象として新たな中期経営5か年計画を策定し、引き続き現状のビジネススキームの維持発展を継続するうえに、フィンテックの急速な進展、実用化が見込まれ、また、IoTの利活用が始まるなど、当社を取り巻く大きな環境変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行うことで、経常利益目標を3年後の2019年6月期30億円、5年後の2021年6月期50億円と設定し、もう一段高い企業価値創生に挑んでまいります。この中期経営5か年計画を推進していくことが、更なる企業価値の向上につながるものと考えます。