第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

   当事業年度、当社事業が立脚する市場においてはスマートフォンの普及に加え、フィンテックの伸展、シェアリングビジネス等の様々な新サービスが誕生するなど時代の大変革期を迎えております。このような情勢のもと、当社は平成28年8月新たなビジネスチャンスに積極果敢にチャレンジする「中期経営5か年計画(2016年7月-2021年6月)」を発表、重点施策を「電子マネー化時代への対応」「バスIT化プロジェクトの推進」「事業者サイドに立ったコンシューマ向けサービス支援」を強力に推進する活動をしてまいりました。

   初年度に当たる当事業年度の経営成績は、売上高10,260百万円(前事業年度比2.6%減)、営業利益1,099百万円(前事業年度比46.5%減)、経常利益は1,239百万円(前事業年度比38.3%減)、当期純利益は869百万円(前事業年度比35.6%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

   当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は15,348百万円(同2.6%増)となりました。

   当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

   当事業年度末において営業活動により獲得した資金は2,328百万円(同8.9%減)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益1,239百万円(同38.3%減)、収納代行預り金の増加1,815百万円(同122%増)であり、主な減少要因は、法人税等の支払額789百万円(同27.8%増)であります

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

   当事業年度末において投資活動により支出した資金は1,341百万円(同714.6%減)となりました。主な増加要因は、有価証券の償還による収入6,500百万円(同51.2%増)、主な減少要因は有価証券の取得による支出6,498百万円(同32.7%増)、定期預金の預入による支出1,000百万円(同9.1%減)、無形固定資産の取得による支出505百万円(同119.3%増)であります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

   当事業年度末において財務活動により支出した資金は596百万円(同46.2%減)となりました。主な減少要因は、配当金の支払い額743百万円(同55.9%増)であります。

 

2【受注及び販売の状況】

(1)受注状況

当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

15,329

26.1

13,700

27.1

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3.当社における受注の内容は、相手先からの受託開発であります。

 

(2)販売実績

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

前年同期比(%)

決済・認証事業(千円)

10,260,276

97.4

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

アマゾンジャパン(同)(注)2

3,525,399

33.5

3,278,305

32.0

ヤフー(株)

577,882

5.5

1,447,348

14.1

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(注)2.AMAZON.COM INT'L SALES,INC.に対する売上高3,033,117千円(前事業年度)、2,386千円(当事業年度)を含む。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

〔新中期経営5か年計画〕(2016年7月-2021年6月)

 当社は主として非対面決済及びその周辺を事業ドメインとし、その中で確立したノウハウと実績により業績を伸ばしてまいりました。非対面決済市場は今後も一定の伸長を見込んでおります。当新中期経営5か年計画期間中においては、フィンテックの急速な進展、実用化が見込まれ、またIoTの利活用など、大きな環境変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行うことで、最終年度には経常利益50億円を目標とした成長戦略を実行してまいります。

 

A.ウェルネットの“フィンテックサービス”「支払秘書」をリリースしました(2017年8月)

 今後拡大が確実視される電子マネー・キャッシュレス決済向けに2011年に構想し、その後要件定義・開発を進めてきた「支払秘書」をファーストクライアント:関西電力様として2017年8月3日にサービスインいたしました。

 スマートフォンアプリ「支払秘書」はサーバ管理型電子マネーで以下の機能があります。

 ①提携銀行から即時に電子マネーをチャージ(他の収納機関からもチャージ可能)

 ②「秘書」のリマインド機能により支払“うっかり忘れ”を防止、回収率向上を実現

 ③郵送による請求書の発行を「秘書」向けにすることによるコストダウン

 本サービスの普及については、関西電力様と協働し払込票で現金決済しているお客様中心に訴求活動を行うなど、積極的な販促活動を開始いたしました。今後は既に当社決済をご導入いただいている事業者様へのご提案(月間800万回に及ぶ決済時にコンシューマが利用する「(当社提供の)支払い方法案内画面」に新たな決済手段として表示)、提携銀行との協働による普及拡大をすると共に(特にコンシューマ向けの)積極的なプロモーションを行うことで、アプリの普及と決済量拡大を強力に推進、次世代ウェルネットを担うサービスに育ててまいります。

 

B.バスIT化プロジェクトを積極的に推進

 バスIT化プロジェクトの基幹を担う“バスもり!シリーズ”の開発・投入・普及拡大を推進します。2016年8月に投入したスマホアプリサービス“バスもり!コンシェルジュ”についてはFM番組「バスタルジア」の提供、ラッピングバス、各種パンフレット・リーフレットの配布などバス会社と一体となった積極的な販促によりダウンロード数5万件を超え、購入できる路線数も順調に増加しております。

 予約、購入、変更、キャンセル等の全てを手元のスマホだけでいつでもどこでも完結できる便利なアプリ“バスもり!コンシェルジュ”はこの一年で更なる進化を遂げました。具体的には2017年3月に提供開始した「スマホ定期」はJRバス関東、東北、北海道で導入され、全国の路線バス会社に積極的な営業展開を行っております。

 電子チケットの認証方法は、既に提供開始している車載用タブレット端末“バスもり!MONTA”に加え、利用者のスマホだけで完結できる“電子もぎり”機能を2017年11月に投入する予定です。

 より多くのコンシューマにこのアプリをダウンロード、ご利用いただく最終目標にむけて“高速バスはスマホで買える”バスもり!コンシェルジュのプロモーションを継続的且つ積極的に行ってまいります。

 

C.オープンイノベーション

 “IoT”“フィンテック”等の大きな波をとらえるため、様々な知見・技術を持つ大学・事業体・企業などとの連携強化でこのビジネスチャンスに的確に対応いたします。ブロックチェーン技術については北海道大学と、ビッグデータ活用、イールドマネジメントなど、IT利活用によるバス事業及び地方創生に資する共同研究を国立情報学研究所と行ってきた他、当社決済周辺プラットホームの開発・整備を行う企業との連携等を柔軟な形で行うことができるよう、コーポレートベンチャーキャピタルの設立準備も完了いたしました。

 

D.システム安定運用

 過去の障害の反省から、札幌事業所の体制整備を行ってまいりました。具体的にはNTTアドバンステクノロジ株式会社の支援を得て、札幌事業所の開発スタイルの統一化を図りました。

 札幌事業所における体制面においても執行役員を3名に増強、社員の積極的な採用など行ってまいりました。

 インフラ面においては従来型の構築手法では激しく変動するトラフィックに対して最適化しきれないとの判断のもと、今後3年計画で柔軟なスケールアップ・分散処理ができるクラウド利用を検討します。これにより安定稼働と最適なコストパフォーマンスの両立を目指します。

 

E.ガバナンス

 当社は会社の存在意義と社員の行動指針を“ウェルネットアレテー”として定め、実効性あるガバナンスを目指しております。商材が変われども当社の根幹をなす行動哲学として社員へ浸透させてまいります。

(ウェルネットアレテー)

 “あったら便利なしくみ”を作り続けることで社会に貢献します

 その「しくみ」を広く世の中に提案・普及させます

 そこから得た「利益」を社員、株主、次への投資として配分します

(ウェルネット社員アレテー)

 既成概念にとらわれず発想します

 まず自分の頭で考え、全体最適な提案をします

 議論はオープンに行い「決めるべき人」が決め、組織として実行します

 「誰が」「何を」「いつまでに」を常に明確にします

 実行結果を検証し、更に改善、を繰り返します

 報告は正直、正確、迅速に行います

 提供役務と対価を文書化して合意後に取引を行います

 清廉を旨とし、接待、贈り物を受けません

 

F.地域貢献活動/福利厚生の充実

 北海道の高等専門学校に通う経済面で苦労する学生向けに1億円の“ウェルネット奨学金”を設立し、多くの苦学生を支援してまいりました。これら学生からの感謝の手紙により逆に当社が励まされてもおり、素晴らしい関係を築けております。2017年6月期には更に6千万円基金を積み増し、今後も地域社会への貢献を継続してまいります。

 また、社員への福利厚生充実の一環として2017年4月に札幌事業所内に企業内保育園「ウェルネットもりの保育園」を開設いたしました。札幌事業所に勤務する社員が安心して仕事ができる環境を整備すると共に、優秀な人材獲得効果も期待しております。

G.経営形態の変更

 大きなビジネスチャンス拡大に積極果敢にチャレンジする経営方針において、その意思決定の透明性を高める必要があると考え、またコーポレートガバナンスコードを意識し、当社は2017年9月の株主総会の承認を前提として「監査等委員会設置会社」に移行することといたしました。

 取締役会の構成メンバーは社内取締役2名に対し社外取締役3名とし、過半数を社外取締役が占める構成といたします。また積極的な女性登用の姿勢を内外に示す狙いも含め、社内取締役の1名は女性を選出しております。一方で執行役員も増強し目的達成に向けての体制を強化いたしました。

 

H.収益予想と株主還元(2017年7月から4年間)(2017年7月-2021年6月)

 もう一段高い企業価値創生に向けて積極的な経営方針に転換いたします。従来のモノ・サービスを提供する事業者様との緊密な関係に加え、支払者側のコンシューマに直接タッチするスマホアプリを複数投入、それらサービスの認知、普及を目的としたプロモーション、人材獲得及び育成、システムパフォーマンス向上など、業態変革のための投資は相当額に上り、また投資効果最大化のために時宜を得た素早い決断による果敢な投資を行ってまいります。また、M&Aについても当社の利益成長に貢献すると判断した場合には積極的に対応してまいります。

 一方で取り扱うサービス・事業者の増加などにより曖昧になりがちな収益構造の可視化を推進してまいります。

 既述のとおり現在訪れている大きなビジネスチャンスを目の前にして“フィンテックサービス”関連などに大規模かつ機動的な投資を行うことをはじめ積極的にリスクをとる経営方針を決定したことから、2018年6月期期初業績予想については開示いたしません。

 一方、株主様への配慮として、安心して長期投資をいただくために、今期からの4年間の配当性向を50%以上とし、一株当たりの配当が50円に満たない場合でも50円を配当いたします。この金額は前中期経営3か年計画最終年度である2016年6月期の(特別配当を除く)配当額37円※と比べて35%増となります。

 ※当社は平成28年7月1日付で株式を1株につき2株の株式分割を行っております。

 

また、取組課題及びその進捗状況につきましては、株主の皆様、長期投資される機関投資家の皆様にはできる限り正確かつ丁寧に説明させていただくよう心掛けてまいります。

今後も当社はお取引先様、社員、株主の皆様に愛され、期待される企業を目指し、企業価値向上に努めてまいります。今後とも是非当社の積極果敢な挑戦にご期待ください。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した1.経営成績、3.経営方針、4.個別財務諸表に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成29年9月28日)現在において当社が判断したものであり、現時点では予測できない下記以外の事象の発生により、当社の経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

① 収納代行預り金について

 当社にてサービスを提供するマルチペイメントサービスでは、当社が事業者に代わり収納した代金を、分別管理された当社名義の預貯金口座に一時保管した後、所定の期日に事業者に送金する仕組みとなっております。収納代行により当社が一時保管する代金につきましては、貸借対照表上「現金及び預金」(資産)及び「収納代行預り金」(負債)として両建計上しております。

 なお、当該収納代行代金につきましては、事業者財産保護のために金融機関の決済性預貯金口座において当社自身の決済用資金と分別管理し、また貸倒リスク軽減のために契約に基づき事業者に送金する際に手数料(当社売上)を相殺するスキームを採用しておりますが、ペイオフ等に関する金融行政の方針が変更され、当該口座が預金保護の対象とならなくなった場合、収納代行代金の保管方法の変更や、当社売掛金の回収方法変更等により当社の事業運営や業績に影響が生じる可能性があります。

 

② コンビニ業界のインフラへの依存について

 マルチペイメントサービスのうちコンビニ決済におきましては、コンビニのKIOSK端末などが導入されていることが前提条件となります。コンビニ各社が同時期に端末自体の変更などのサービス提供方法の変更を行った場合、これに対応するコストが当社側に発生するなど、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

③ システムトラブル及び事務リスクについて

当社においてシステムの停止は重大な問題となるため、当社はサーバ設備及び通信回線の冗長化などによるシステム停止への対応や保守要員の24時間常駐化などの対策を講じております。

しかしながら、このような体制による管理にもかかわらず、自然災害や事故など不測の事態が起こった場合、予測できない外部からの侵入による不正行為が生じた場合、また当社従業員の過誤操作が生じた場合、当社のシステムの機能低下、誤作動、故障などの事態を招く可能性などによって、当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、当社の業務は収納金等の金銭を扱う重要な業務であることから、事務リスクを回避するよう、その管理は厳格に行われております。

しかしながら、このような厳格な管理体制にもかかわらず、当社役員や従業員の過誤等が生じた場合、当社の信頼を損なうことなどによって、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 外部環境について

a.決済サービス市場における競争激化

競争激化への対応としての差別化戦略が予定通りの成果を挙げることができないなどの場合、価格競争に巻き込まれる可能性があります。

 

b.新規事業の創出・育成に係る投資について

「支払秘書」などの新規事業に積極的に設備投資、研究開発投資及び販売促進活動を継続しておりますが、当社の計画通りに進捗せず十分な投資効果が得られないときは、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.特定取引先への依存について

当社は上記の各外部環境に関するリスク認識のもと、新規サービス・新規事業の創出、新規取引先の拡充に努めてきておりますが、利用取引先の上位3社にて売上高全体の過半を占める状況になってきております。したがって主要取引先の販売動向、または何らかの理由により主要取引先の売上高が減少した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d.知的財産権について

当社の事業分野における知的財産権の状況を、適時、完全に把握することは困難であるため、当社が第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償請求または差し止め請求を受ける可能性があります。

 

e.パラダイムシフトについて

例えば決済市場におけるイノベーション等により、全く新規の決済スキーム等が出現した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報の管理について

当社は各種業務を行うに際し、顧客の個人情報を保有することがあり、今後もサービス拡大に伴い当社が取り扱う個人情報は増加することが予想されます。当社はこれら個人情報の取り扱いについてはプライバシーマーク及び情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を取得し、これに準じて社内管理体制を整備し、情報管理への意識を高めております。

これらの対策により個人情報が漏洩する可能性は極めて低いと考えておりますが、今後何らかの原因により情報の外部流出が発生した場合には、損害賠償請求を受け、社会的信用が失墜することなどにより、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

仕入先との契約

提携先

契約年月日

提携内容

備考

(株)ファミリーマート

(注)1

平成10年6月11日

料金収納業務の委託等に関する契約

業務委託契約

(株)セブン-イレブン・ジャパン

平成10年6月30日

料金収納業務の委託等に関する契約

業務委託契約

(株)ローソン

平成10年8月1日

料金収納業務の委託等に関する契約

業務委託契約

(株)みずほ銀行

平成15年1月10日

収納事務に関する委託契約

業務委託契約

(株)三井住友銀行

平成20年7月31日

送金受付サービスに関する契約

業務提携契約

(注)1.(株)ファミリーマートとの契約は一部、平成16年3月1日付で(株)ファミマ・ドット・コムに継承されております。

2.上記の契約の契約期間に関しましては、全て一定年数経過以降、双方とも解約または変更の意思表示がない場合は、1年間の自動更新となっております。

 

6【研究開発活動】

当社は、将来に向けて成長スピードを維持していくため、「次世代を担うビジネススキームの確立」と「カイゼン(機能拡充・システムの安定運用・コストパフォーマンスの向上、いわば筋肉質の企業体質づくり)」を行っていくことが必要と考えております。

当事業年度においては、データセンターのコスト削減とベストパフォーマンスの実現に取組んだほか、バスチケットの革新的直売モデルの研究開発、コンシューマーを意識した新たなサービスモデルの研究開発、決済の周辺事業領域への機能拡充に取組みました。

その結果、当事業年度における研究開発費は、17,067千円となりました。なお、当社は決済・認証事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び収益・費用の計上に関連して、種々の見積りを行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社は、重要な会計方針の適用において以下のとおり見積りを行っております。

 

① 繰延税金資産

 繰延税金資産については、将来の課税所得等を検討し、全額が回収可能と判断し資産計上しております。しかしながら、将来の課税所得等を検討し、繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加計上する可能性があります。また、法人税率が引き下げられた場合、貸借対照表に計上する繰延税金資産の計上額を減額する可能性があります。

 

② ソフトウエアの減損

 ソフトウエアについては、将来の収益獲得または費用削減が確実であると認められたものを資産計上しております。しかしながら、計画の変更、使用状況の見直し等により収益獲得または費用削減効果が損なわれた場合には、資産の減損が必要となる可能性があります。

 

③  投資の減損

 投資価値の下落が著しく、かつ回復可能性がないと判断した場合に投資の減損を計上しております。時価のある有価証券については、時価が取得価額に比べて50%以上下落している場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性があると総合的に判断した場合を除いて減損処理を行っております。将来の市況悪化等により現在の帳簿価額に反映されていない損失または投資簿価の回収不能が発生した場合、投資の減損が必要となる可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

 当事業年度の経営成績は、売上高10,260百万円(前事業年度比2.6%減)、営業利益1,099百万円(前事業年度比46.5%減)、経常利益は1,239百万円(前事業年度比38.3%減)、当期純利益は869百万円(前事業年度比35.6%減)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

 資産、負債及び純資産の状況

 (資産)

当事業年度末の流動資産につきましては、20,753百万円となりました。主な内訳は現金及び預金15,848百万円、有価証券2,999百万円、売掛金457百万円であります。現金及び預金には、回収代行業務に係る収納代行預り金が11,381百万円含まれておりますが、これは翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり一時的に当社が保管するものであります。また、固定資産は1,704百万円となりました。主な内訳は、ソフトウェア828百万円、投資有価証券206百万円であります。以上の結果、資産合計は22,457百万円となりました。

 

 (負債)

当事業年度末の流動負債につきましては、13,513百万円となりました。主な内訳は収納代行預り金11,381百万円、預り金760百万円であります。また、固定負債は164百万円となりました。以上の結果、負債合計は13,677百万円となりました。

 

 (純資産)

当事業年度末の純資産につきましては、8,780百万円となりました。主な内訳は株主資本8,698百万円であります。

 

(4) 資金の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

   キャッシュフローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に

  記載しております。

 

② 資金需要

 当事業年度における当社の主な資金需要は、サーバ設備等やソフトウエアの取得による設備投資などであります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社におきましては、コンビニ業界のインフラへの依存、システムトラブル及び事務リスク、競合他社との競争激化、新サービスへの対応、新規事業への投資、知的財産権、個人情報の管理などが経営成績に重要な影響を与える要因と認識しております。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

 昨年7月からの5年間を対象として新たな中期経営5か年計画を策定し、引き続き現状のビジネススキームの維持発展を継続するうえに、フィンテックの急速な進展、実用化が見込まれ、また、IoTの利活用が始まるなど、当社を取り巻く大きな環境変化を新たなビジネスチャンスに変えるための投資を積極的に行うことで、経常利益目標を2年後の2019年6月期30億円、4年後の2021年6月期50億円と設定し、もう一段高い企業価値創生に挑んでまいります。この中期経営5か年計画を推進していくことが、更なる企業価値の向上につながるものと考えます。