当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
① 経営成績に関する分析
当第3四半期累計期間(2020年7月1日から2021年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症再拡大への懸念から、2021年1月には再度緊急事態宣言が発出されるなど、社会・経済活動は大きく制限を受けました。政府によるワクチン接種本格化への期待もあるものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期の目途は未だ見えず、企業収益の悪化や個人消費の減退など厳しい状態が続くことから経済活動の回復に向けた動きは非常に鈍く、景気の先行きについては極めて不透明な状況が継続しております。
当社が事業ドメインとする非対面決済市場においても、インバウンドや日本国内での旅行需要が激減するなか、特に、多くの企業の年度末月であり卒業シーズンでもある3月における航空、バス、鉄道などの交通関連事業への影響は甚大でした。経費削減等のコスト削減、新規サービス開発などに取り組んできたものの、業績は厳しい状況にあります。
一方で、多種多様な業態においてこれまでになかった新しい生活様式の構築に向けた新たな取り組みも増えており、生活者個々人の意識改革とともに生活や消費行動を変容させております。その中では非対面によるサービスの提供や商品の購入プロセスが以前と比べ格段に増しており、その一環としてITを中心とした事業会社が果たすべき社会的役割が増してきております。このような大きなパラダイムシフトのなか、当社は「ペーパーレス化」「電子化」をキーワードに、重点施策「電子マネー化時代への対応」「バスIT化プロジェクトの推進」「事業者サイドに立ったコンシューマ向けサービス支援」を推進する活動を継続してまいりました。
当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高6,724百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益510百万円(前年同期比27.0%減)、経常利益542百万円(前年同期比23.2%減)、当第3四半期純利益375百万円(前年同期比23.4%減)となりました。
② 当社を取り巻く環境変化と対応戦略
当社が事業ドメインとする非対面決済市場については今後も一定の伸長を見込んでおり、ペーパーレス化及び決済において、コンテンツプラットフォームとの連携を強化しており、自社開発プラットフォーム及びコンテンツプロバイダーなどクラウドサービスとの連携を推進しております。また、生活密着フィンテック推進戦略において、固定費の変動費化ニーズに応えるパートナー企業として各地域で取り組みを行っています。
A.ウェルネットの“スマホ決済”「支払秘書」の現況
今後拡大が予想されるキャッシュレス社会に対応できるスマホ決済サービス「支払秘書」は、2021年3月に国内最大手ECサイトAmazon.co.jpに導入され、さらに利便性の高い「ノンストップ決済」実現に向けて共同開発に取り組んでいます。また、インフラ関連では関西電力を皮切りに九州電力、北海道電力、東北電力、四国電力、北陸電力、中部電力、中国電力に導入されています。中部電力では、電力業界としては日本初となるSMS(ショートメッセージサービス)による電気料金の電子請求を2020年4月から導入され、今後もペーパーレス化は加速するものと考えております。また、全国的に公金の支払いでも「支払秘書」の導入が進んでおり、当社が目指す生活に密着したフィンテックサービスが始まっています。
一方、提携銀行は三井住友銀行、ゆうちょ銀行など37行となりましたが、一連の不正使用事件発生後、一部銀行との接続を中断、2020年10月時点で最も高度な本人認証とされるeKYCを実装するなどの施策を実行して再開作業を進めています。今後も継続的にセキュリティ投資は必要と考えております。
※提携済銀行数 37行 継続利用可能銀行数 6行 一時停止中銀行数31行(2021年4月30日現在)
B.バスIT化プロジェクトを積極推進
2016年8月に開始したスマホアプリ“バスもり!”の取扱路線は、スマホチケット、スマホ回数券、スマホ定期券、スマホフリーパスなど取扱券種を拡大して取り扱い路線は330を超えました。コロナ禍による需要激減を受けているものの、生活路線としての利用が多いスマホ定期券や回数券においては一定の需要は取り込めております。この環境下、当社はバス業界向けクラウドサービス「ALTAIR(アルタイル)」の開発、提供を推進しており、2020年11月より予約制高速バスと草津温泉の入浴券を併せたMaaS事業「草津WEB周遊券」の開始や2020年1月から函館市の市電、バス、鉄道の相互乗り入れが可能なMaaS「DohNa!!(ドーナ!!)」などでご利用いただいております。
窓口を介さない非接触サービスである「バスもり!」「ALTAIR(アルタイル)」は、新型コロナウイルス感染症への対策としても期待されており、西日本鉄道と西鉄バス北九州でのスマホフリー券や名鉄バスでのスマホ回数券、西日本ジェイアールバスでのスマホ定期券などサービスが拡大しています。今後も交通業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する「トータルクラウドサービス」として展開してまいります。
C.ウェルネットの“主力商材”「マルチペイメントサービス」の現況
経済産業省の「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」によれば、日本の消費者向け電子商取引市場(B to C)の市場規模は2019年で19.4兆円と、前年に比べて7.65%の増加となっており、非対面決済において「マルチペイメントサービス」は引き続き伸長するポテンシャルがあると見込んでおります。当社は、30年以上にわたり様々な事業者に決済サービスを採用いただいておりますが、今後も決済においてトータルソリューションを提供できる企業として、事業者のニーズに応えてまいります。
D.地域貢献活動・SDGs
地域社会への貢献として、北海道の工業高等専門学校に通う経済面で苦労する学生向けに設立した“ウェルネット奨学金”により多くの学生を支援しております。支援を受けた学生から多数の感謝のお手紙をいただき、従業員のモチベーション向上にもつながっております。新型コロナウイルス感染症により2020年度は全国の多くの学生が影響を受けましたが、この間北海道の4高専においては経済的な困窮を理由に退学した学生は0人でありました。創業の地北海道への恩返しとしても、この活動は今後も継続してまいります。
また、札幌市は改正建築物省エネ法に基づき良好な生活環境が確保された持続可能な都市の実現を目指すとしており、環境に配慮した建築物の普及・促進を図ることを目的として、札幌市建築物環境配慮制度(CASBEE札幌)を定めました。当社は2021年6月竣工予定の札幌新事業所において既にCASBEE札幌のAランクを取得しております。
さらに、札幌新事業所の竣工に伴い従業員の健康・働く環境に配慮したオフィス設計により、「WELL認証」のプラチナランク取得を目指します。「WELL認証」は2014年に米国で始まったビルやオフィスなどの空間を「人間の健康」の視点で評価・認証する取り組みで、2020年10月現在、日本では7社(内プラチナランク2社)しか認証を取得していない先進的な試みです。この取り組みは、当社の最大の資産である従業員への投資であり、ひいては生産性向上、働き方改革など企業価値の向上に繋がると考えております。
E.収益予想と株主還元
2021年6月期の配当性向は50%以上とする予定でありますが、業績予想の合理的な予測ができないため、配当金額は現時点では未定であります。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債、及び純資産の状況
当第3四半期会計期間末における総資産は20,193百万円となりました。流動資産は13,859百万円であり、主な内訳は現金及び預金10,441百万円であります。現金及び預金には、回収代行業務に係る収納代行預り金が7,702百万円含まれておりますが、これは翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり一時的に当社が保管するものであります。固定資産は6,334百万円であり、内訳は有形固定資産3,588百万円、無形固定資産773百万円、投資その他の資産1,972百万円であります。
一方、負債合計は13,036百万円となりました。主な内訳は収納代行預り金7,702百万円、短期借入金1,480百万円であります。
純資産合計は7,156百万円となりました。主な内訳は株主資本7,079百万円であります。
(参考)現金及び預金の純額(回収代行業務に関する預り金を相殺した、正味の現預金残高)
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前事業年度 (2020年6月30日) |
当第3四半期末 (2021年3月31日) |
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(A)現金及び預金(百万円) |
8,689 |
10,441 |
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(B)収納代行預り金(百万円) |
6,339 |
7,702 |
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(A)-(B)現金及び預金純額(百万円) |
2,349 |
2,739 |
(3)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発費の総額は、14百万円であります。
(4)業績予想などの将来予測情報に関する説明
2021年6月期の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の第4波が懸念される現状において、経済活動への影響の予測がより困難な状況となったため、収益予測は、今後合理的に見積ることが可能となった時点で速やかに開示することといたします。
当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。