第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は2013年10月に10年先を見据えた「自社のありたい姿(当社グループビジョン)」を明確に描き、そこに至るロードマップである経営計画を策定しました。これは、絶えず変化する事業環境の中で更に大きな成果をあげ、持続的に成長していくためには、目先の変化に対応するだけではなく、中長期的に目指す揺るぎない方向性を定め、全社員が心を一つにしてこれに向かって経営を進めていくことが重要であるとの結論に至ったからであります。

近年従来にも増して、企業が永続的に存在するためには、より豊かな社会の実現に貢献しうる社会的価値を創造することが求められるようになってきております。当社グループビジョンである「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」は、事業活動そのものが社会的価値を創造すると同時に、企業として求めるべき経済的価値を創出し、企業と社会双方に共通の価値を生み出すCSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)経営を目指すもので、当社経営の基本方針であります。この基本方針に基づき、CSV経営実現に向けた10年間のロードマップとして実現までを三段階に分割しております。第一段階である「中期計画2014」が終了し、前連結会計年度より、第二段階にあたる「中期計画2017」をスタートしております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、NECの販売金融会社として誕生した当社のDNAである「サービス」を軸に、「NECとの連携」「金融サービス」「ICT資産に関するサービス」をグループの強みであるコア領域と位置付けています。

2017年度からの3年間は、「中期計画2014」での取り組みを元に、「コア領域」の完成とビジョン実現に向けた「新事業」の立ち上げの期間と位置付け、「中期計画2017」を策定しております。
「中期計画2017」の概要は以下のとおりとなります。

 

① 事業戦略(コア領域の完成)

従来のリース・ファイナンス事業を強化拡大すると共に、様々な商材を組み合わせるアレンジ力の活用や社内外とのシナジー創出による顧客課題の解決提案など、強みを活かした当社らしい「サービス」の確立に取り組みます。

 

a. NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕

ビジネスのサービス化・クラウド化を背景に、既存のNECグループビジネスである官公庁及び民間企業領域において、ベンダーファイナンスをはじめ、高付加価値なリース、ファイナンスの提供を推進すると共に、PFI/PPP事業(注)の拡大を進めます。加えて、当社が取り組む新事業領域におけるNEC関連のビジネス機会創出を推進します。

 

b. 独自商流における顧客基盤の拡充

既存のNECの顧客基盤を深耕しながら、ベンダーファイナンスや提案型営業を通して、中堅・中小企業向け営業を本格化させ、当社独自の顧客基盤拡充と共に、収益性向上に取り組みます。

 

c. 高い利益成長の源泉を確保

海外におけるNECとの協働プロジェクトを推進すると共に、独自の事業ノウハウやパートナー構築力を高めることでグローバル事業を加速させます。また、専門性が高く成長が期待できる分野において、競争優位なサービスを推進すると共に、株式会社リサ・パートナーズの持つ地銀ネットワークを活かした金融法人営業を強化します。

 

② 事業戦略(新事業立ち上げ)

地域活性化や労働人口減少等の社会課題解決に対する事業への取り組みを推進します。

 

a. 新事業における新ビジネスモデルの確立、及び投融資に留まらない新事業の立ち上げ

「エネルギー」「農業」「ヘルスケア」「観光」の4領域を新事業と位置付け、NECグループのICT技術・ノウハウを活用しながら、当社ならではの新事業を立ち上げ、将来の収入源を確保します。

b. ICT/IoT、非ICT商材を対象とするレンタル事業の展開

既存のLCM(Life Cycle Management)サービスをNECグループの統合ソリューションとして組み入れ販路を拡大すると共に、IoTやビッグデータ活用に関連する機器やロボット商材等のレンタル事業に取り組みます。

 

③ 経営基盤強化戦略

事業戦略を支える経営基盤を強化するべく、以下の施策を行っていきます。

 

<経営、営業現場双方に対する強力なサポート体制の構築>

a. 営業企画機能の強化

提案型営業の効率的な実践や新事業を生み出す基盤づくりとして営業企画部門を立ち上げ、営業要員が効果的に活動できるように支援します。

b. 営業業務の支援体制強化(法務、審査、会計等)

営業企画機能と併せて、高度化する提案型営業をサポートするべく、法務や審査、会計面での支援体制を強化します。

c. 管理会計の高度化をはじめとした、適切な意思決定に資する経営管理機能の強化

管理会計の高度化を進め、データ活用等による経営数値のより詳細な情報提供をすることで、適切な意思決定のサポート体制の強化を行います。また重要な経営課題に関するモニタリングを強化します。

 

<コンプライアンス体制のさらなる強化、業務品質・効率の向上、及び事業戦略の実行に伴う各種リスク管理レベルの向上>

 新事業への取り組みや、事業の多角化等により、一層高度な管理体制が求められることから、コンプライアンス、業務品質・効率の向上、各種リスク管理について、更なる強化を図っていきます。

 

<従業員満足度向上に向けた人事諸制度の改革>

a. 労働生産性の向上につなげるべく、ワークライフバランスや女性活躍といったダイバーシティ等の観点から働き方変革に取り組みます。

b. 社員の育成体系の整備や評価制度等の見直しを行い、社員ひとりひとりのやりがいの向上を図ると共に能力を最大限に引き出していきます。

 

(注)PFI(Private Finance Initiative):公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に、民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことにより効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図る手法。

(注)PPP(Public Private Partnership):公民が連携して公共サービスの提供を行うスキームを幅広くとらえた概念。PFIは、PPPの代表的な手法の一つ。

 

(3) 経営環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業業績や堅調な海外景気を背景に、第3四半期において戦後最長の景気拡大期間を更新すると認識されるなど、緩やかな景気回復が続いております。

一方、年明け以降は、米中貿易摩擦の影響を受けた中国経済減速の鮮明化、英国のEU離脱問題に揺れる欧州経済の停滞、更には米国の金融政策正常化の急激な後退など、国内景気に大きな影響を及ぼす可能性のある不確定要素が相次ぎ、今後の動向を注視する必要があると考えております。

当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2018年4月から2019年3月累計のリース取扱高は、前期比2.8%増の5兆129億円となっております。(出典:公益社団法人リース事業協会「リース統計」)

 

(4) 会社の対処すべき課題

2007年の税制改正、2008年のリース会計基準変更によって減少が続いたリース取扱高は、2010年を底に下げ止まり、2013年度以降はおよそ5兆円前後で推移しております。税制やリース会計変更に伴い従来のリースメリットが縮小したことなどから、リース業界規模そのものは最盛期から半減している状況に大きな変化はなく、今後についても制度インフラの役割を担った以前の規模に戻ることは想定しにくいと考えております。また、日銀のマイナス金利導入など、異次元の金融緩和が継続する中、当社が事業展開するリース・企業金融市場への参入プレイヤーが増加、競争が一段と激化し、取扱高、収益性の両面での影響が懸念されます。

これらの外部環境を踏まえ、当社グループとしては、従来からのNECグループにおける販売金融機能を核としつつも、NECグループが得意とする社会インフラ、エネルギー等の領域における投融資、プロジェクトファイナンスの組成、また、ICTアセット周辺に発生する様々なビジネス機会の開拓等を通して、継続的な成長を確保していく所存です。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは、2013年10月に掲げた「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」というグループビジョンの実現に向け、「コア領域の完成」のための事業戦略と「新事業立ち上げ」のための戦略を実行していきます。こうした取り組みの中、リスクマネジメント(管理)とリスクコントロール(制御)は事業展開を決定する重要な要素のひとつであると捉え、収益の源泉として管理すべきリスクと収益の源泉とはならない削減すべきリスクに分けて考えております。

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、以下の記載は、当社グループの事業展開に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 

① 信用リスク

当社グループでは、賃貸・割賦事業やファイナンス事業等の与信を伴う各種事業を営んでおります。新規取引時は、顧客の信用状況のほか、リース取引についてはリース物件の将来中古価値等も勘案し、海外取引についてはカントリーリスクも含めて、厳格に審査を行っております。また、取引開始後は定期的に顧客の業況をチェックし、財務状況や市場動向の変化を把握できるように管理をするとともに、信用リスクの程度に応じて、担保・物件処分等による回収見込額及び貸倒実績率等を勘案した貸倒引当金の計上を行っております。

さらに、既存顧客ごとの信用状況や業界毎の市場動向を定期的に検証し、特定の企業や業種に与信残高が集中しないように、ポートフォリオ管理を行っております。

しかしながら、賃貸・割賦事業やファイナンス事業は回収期間が中長期にわたることから、景気変動やその他の事由により延滞・倒産等不測の事態を蒙り、リース物件や担保資産の売却等で債権保全・回収の極大化に努めるも、貸倒損失又は貸倒引当金繰入の負担が増加して当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 金利変動リスク

一般的にリース会社は、賃貸・割賦事業やファイナンス事業等の成約に伴い、対象物件の購入資金や貸付資金のため、必要資金の多くを金融機関等から調達しております。このため、当社においても長・短借入金等を中心とする有利子負債比率が高くなっております。営業資産・負債の総合管理(ALM)を徹底しておりますが、市場金利が急激に上昇した場合は、調達コストの増加につながり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 為替変動リスク

当社グループでは、外貨建の案件を一部取り扱っております。外貨建営業資産とバランスさせた外貨建調達を行うことを基本方針としておりますが、急激な為替相場の変動により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 残価変動リスク

当社グループでは、中古価値が見込めるリース物件を対象にリース満了時の残存価値(以下、「残価」という。)を設定したオペレーティング・リースを展開しております。この取引では、リース満了時に返還された物件を、当初設定した残価を上回る価格で売却することにより利益を得る可能性を有する半面、売却価格が残価を下回る場合には損失が発生するリスクを有しております。この残価リスクについては、定期的にモニタリングを実施しリスク量の計測を行うと共に、物件の種類や満了時期を分散させるよう努めておりますが、予想を上回る市場環境の変化や技術革新等によって、当該物件の処分価格が残価を下回った場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 株価及び有価証券価格変動リスク

当社グループでは、上場・非上場の株式及び債券を保有しております。これらの資産の価格は変動するものであり、その価値は将来著しく下落する可能性があります。価格が著しく下落した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 不動産価格変動リスク

当社グループでは、販売用不動産を保有しております。販売用不動産は、不動産時価が下落した場合、評価損が発生し、また売却時に売却損が発生する可能性があります。不動産担保ローンや建物リース、また不動産からのキャッシュ・フローを返済原資とするノンリコースローンにおいては、取引の対象となる不動産の価値が目減りし、当該取引の債権の与信が悪化する可能性があります。当社グループでは、不動産関連与信の集中状況を確認しながら取引審査を厳格に行うと共に、その後の与信管理にも万全を期し、担保として設定されている不動産の再評価に注力し、健全な債権内容の維持に努めておりますが、不動産価格の変動が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 投資先リスクについて

当社グループでは、ファンド事業等を通して国内外の企業に対する投資を行なっております。これら投資先の経営状況の悪化、株式・債券市場の市況の悪化、海外投資における国・地域固有の政治・経済・社会情勢の変動によるカントリーリスクの顕在化等による事業環境の変化が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 流動性リスク

当社グループは金融情勢の変動に対して柔軟に対処していくため、特定の資金調達先や調達方法に依存しないよう留意しております。直接調達においては、社債、コマーシャル・ペーパーの発行等調達方法の多様化を図りつつ安定調達に注力し、間接調達においては、主要金融機関との良好な関係を維持しつつ幅広く多くの金融機関と取引を行っております。

直接調達については格付機関より短期債及び長期債の格付けを取得しておりますが、今後の業績の変動等により当社グループの格付けが見直された場合や、市場の混乱等により、市場において資金調達が困難となり、通常よりも著しく不利な金利水準での資金調達を余儀なくされる場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ NECグループとの関係

当社グループは、日本電気株式会社(以下「NEC」といい、2019年3月31日現在、当社株式のうち37.66%を直接保有する大株主)の持分法適用関連会社としてNECグループに属しており、NECグループ国内唯一の金融サービス会社として、官公庁や大企業、中小企業等の幅広い顧客層に対して、賃貸・割賦事業を中心とした各種ファイナンスサービスを提供することを主たる事業としております。

当社グループにおけるNEC製品・サービスの取扱比率の高さから、NECの業績動向が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 設備投資の動向及びリース業界における競合

当社グループが基軸として事業展開している賃貸・割賦事業は、顧客が設備投資を行う際の資金調達手段の一つとなっております。従いまして、経済環境の急激な変化や顧客の経営状況の悪化等で設備投資需要が大幅に減少した場合、当社の賃貸・割賦事業の取扱高が減少し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、リース業界では依然として多くのリース業を営む会社が存在しており、異次元の金融緩和による料率競争も激しさを増し、厳しい競合状態にあります。こうした市場環境の下で、当社グループは中長期的な経営戦略に基づき、メーカー系リース会社としての特色を生かしつつ収益体質を一層強化し競合に対処する方針でありますが、その成否によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 自然災害によるリスク

当社グループは、地震等の自然災害、感染症の流行等に対し、費用対効果を検討の上、事業活動への影響を最小化するための対策を実施しておりますが、想定外の事象が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 制度変更リスク

当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準に基づき、リース取引等の各種事業を行っております。現行の制度や基準が将来大幅に変更された場合には、商品・サービスのメリット喪失や、規制対応へのコスト増加等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 重要情報漏えいリスク

当社グループは、業務に関連して多数の機密情報や個人情報を保有しています。情報セキュリティ教育や、アクセス制御等の情報セキュリティ管理体制の整備を通じ、人的・物理的・技術的対策を講じていますが、これら対策にかかわらず、機密情報の漏えいが生じた場合には、罰則・損害賠償による損失、業務停止処分、信用の低下、風評の悪化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ システムリスク

当社グループでは、様々な情報システムを使用し業務を行っております。従業員の不適正な事務・事故・不正等、自然災害、システム障害等により情報漏えいや業務が中断するリスク等が想定されます。こうしたリスクへの対処として、これまでに、情報システム機器のコンピュータ専用ビルへの移転、高速専用回線用バックアップ回線装備、外部不正アクセス防止強化、システム障害に即座に対応するための専門要員配置等を行って情報システム管理の整備・強化を図り、また、今後とも一層の整備・強化に努めてまいりますが、情報システムに重大な障害が発生した場合には、営業関係業務を中心に支障をきたすとともに当社グループへの信頼が損なわれ、当社グループの業績等に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑮ 人材の育成・確保に関するリスク

当社グループでは、事業展開上必要なノウハウの承継や新たな事業への取り組みの鍵は従業員であり、従業員の能力こそが会社にとっての大きな財産であると考え、採用活動の強化、計画的な教育・研修活動の強化に努めております。しかしながら、事業を展開する上で必要な人材を育成または雇用できない場合や、雇用している人材が退職した場合等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑯ 内部統制の構築等に係るリスク

当社グループでは、財務報告にかかる内部統制の有効性確保・評価に努めておりますが、内部統制が有効に機能しなかった場合または想定外の問題が発生した場合等の要因により、当社の内部統制部門または当社の会計監査人が当社の財務報告にかかる内部統制について重大な欠陥を指摘し、財務報告にかかる内部統制が有効でないと報告する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社の財務報告に関する投資家の信頼低下等に基づく、当社株価の下落等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑰ コンプライアンスリスク

当社グループは、業務を行うに際して、会社法、貸金業法、金融商品取引法、個人情報保護法、独占禁止法等の法令等の適用及び規制当局の監督を受けております。また、海外においては現地の法令等の適用や規制当局の監督を受けております。

当社グループでは、「NECキャピタルソリューショングループ行動規範」を定め、コンプライアンス教育や内部通報制度を通じて、法令等のみならず広く社会ルールの遵守徹底に努めておりますが、これらについて違反が生じた場合には、罰則・契約解除・損害賠償による損失や、業務停止処分、登録・届出資格抹消、信用の低下、風評の悪化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 

①経営成績の状況

当社賃貸・割賦事業では、主要顧客である官公庁・自治体等との良好な取引関係を活かして取引規模の拡大に努めると共に、民需営業においては顧客基盤の拡充や小口リースをはじめとしたベンダーファイナンスプログラムへの取り組み等による民需掘り起こしを行った結果、当連結会計年度における成約高及び契約実行高は共に前期を上回る実績となりました。これら営業活動の展開により、売上高は前期比増加となったものの、貸倒引当金戻入額の減少等により、営業利益は減益となりました。

ファイナンス事業においては、幅広い顧客に対するファイナンス案件の取り組みや、海外案件の取り組み強化を行ったものの、個別ファクタリングの減少により、成約高、契約実行高共に、前期比ほぼ横ばいとなりました。なお、営業利益については、配当収益や金利収入等の計上や貸倒引当金戻入により増益となりました。

リサ事業においては、当期において配当収入や販売用不動産売却益を計上したものの、前期に大型の営業投資有価証券売却益を計上したことから営業利益は減益となっております。

その他の事業においては、太陽光を中心とした再生可能エネルギーの収益化を図ると共に、ICT資産に関する各種運用サービスメニューの拡充やPFI/PPP事業の取り組み強化等を行いました。しかしながら、営業投資有価証券の減損を計上したことから営業損失となりました。

以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,041億31百万円前期比11.8%減)、営業利益89億29百万円同29.5%減)、経常利益89億円同33.9%減)となったものの、法人税等や非支配株主に帰属する当期純利益の減少に伴い、親会社株主に帰属する当期純利益は63億91百万円同6.4%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

a. 賃貸・割賦事業

賃貸・割賦事業の売上高は、前期比1.7%増1,668億47百万円となったものの、営業利益は貸倒引当金戻入額の減少等により、前期比4億9百万円減少40億87百万円となりました。

 

b. ファイナンス事業

ファイナンス事業の売上高は、配当収益や金利収入等により前期比8.4%増66億44百万円となり、営業利益は貸倒引当金戻入額の計上等により、前期比1億88百万円増加33億21百万円となりました。

 

c. リサ事業

リサ事業の売上高は、当期に配当収入や販売用不動産の売却があったものの、前期にファンドによる大型の営業投資有価証券の売却があったことから前期比19.4%減140億51百万円となり、営業利益は前期比29億84百万円減少36億34百万円となりました。

 

d. その他の事業

その他の事業の売上高は、前期に大型のヘルスケア関連不動産の売却があったことから、前期比62.1%減166億49百万円となり、営業損益は営業投資有価証券の減損処理等により、前期比4億92百万円悪化3億54百万円の損失となりました。

 

②財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて108億11百万円減少し、8,956億83百万円となりました。主な要因としては、リース債権及びリース投資資産が90億6百万円増加したものの、現金及び預金が139億95百万円、営業貸付金が70億33百万円減少したことによります。

負債は、前連結会計年度末に比べて58億21百万円減少し、7,896億84百万円となりました。主な要因としては、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が156億90百万円増加したものの、コマーシャル・ペーパーが150億円、債権流動化に伴う支払債務(債権流動化に伴う長期支払債務を含む)が59億20百万円減少したことによります。

純資産は、前連結会計年度末に比べて49億90百万円減少し、1,059億99百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益等により52億49百万円増加したものの、非支配株主持分が93億92百万円減少したことによります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。

当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。

また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。

なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。

 

資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、206億86百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果によって得られた資金は56億61百万円前期は315億96百万円の支出)となりました。これは税金等調整前当期純利益89億86百万円を計上していることに加え、主に賃貸資産の取得による支出130億73百万円並びにリース債権及びリース投資資産の増加額90億6百万円があったものの、減価償却費101億22百万円及び営業貸付金の減少額70億33百万円があったことによります。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は97百万円前期は129億22百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入134億43百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出127億77百万円があったことによります。
 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果によって使用した資金は199億99百万円前期は361億96百万円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入1,346億64百万円及び社債の発行による収入300億円があったものの、長期借入金の返済による支出1,194億19百万円、社債の償還による支出300億円、非支配株主への配当金の支払額150億27百万円及びコマーシャル・ペーパーの減少額150億円があったことによります。
 

(2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況

「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日  大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。

 

①貸付金の種別残高内訳

2019年3月31日現在

貸付種別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

平均約定金利
(%)

消費者向

 

 

 

 

 

無担保(住宅向を除く)

有担保(住宅向を除く)

住宅向

事業者向

 

 

 

 

 

5,032

100.00

226,494

100.00

2.63

合計

5,032

100.00

226,494

100.00

2.63

 

 

②資金調達内訳

2019年3月31日現在

借入先等

残高(百万円)

平均調達金利(%)

金融機関等からの借入

455,054

0.72

その他

270,758

0.18

 

社債・CP

258,000

0.15

合計

725,812

0.52

自己資本

88,779

 

資本金・出資額

3,776

 

 

 

③業種別貸付金残高内訳

2019年3月31日現在

業種別

先数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

農業、林業、漁業、鉱業

2

0.47

1,708

0.75

建設業

13

3.05

4,162

1.84

製造業

94

22.07

66,268

29.26

電気、ガス、熱供給、水道業

26

6.10

18,085

7.98

情報通信業

24

5.63

12,084

5.33

運輸業

21

4.93

9,828

4.34

卸売・小売業

49

11.50

7,991

3.53

金融・保険業

25

5.87

21,146

9.34

不動産業

53

12.44

40,759

18.00

飲食店、宿泊業

14

3.29

4,490

1.98

医療、福祉

3

0.70

1,739

0.77

教育、学習支援業

5

1.17

1,279

0.56

サービス業

96

22.54

36,394

16.07

個人

その他

1

0.24

555

0.25

合計

426

100.00

226,494

100.00

 

 

④担保別貸付金残高内訳

2019年3月31日現在

受入担保の種類

残高(百万円)

構成割合(%)

有価証券

 

64

0.03

 

うち株式

64

0.03

債権

 

13,745

6.07

 

うち預金

商品

 

300

0.13

不動産

 

45,503

20.09

財団

 

505

0.22

その他

 

16,756

7.40

76,875

33.94

保証

 

2,198

0.97

無担保

 

147,421

65.09

合計

226,494

100.00

 

 

⑤期間別貸付金残高内訳

2019年3月31日現在

期間別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

1年以下

3,842

76.35

76,610

33.82

1年超  5年以下

807

16.04

92,659

40.91

5年超  10年以下

321

6.38

34,859

15.39

10年超  15年以下

31

0.61

10,092

4.46

15年超  20年以下

30

0.60

11,393

5.03

20年超  25年以下

1

0.02

879

0.39

25年超

合計

5,032

100.00

226,494

100.00

一件当たり平均期間

18.09月

 

 

 

(3) 営業取引の状況

①契約実行高

当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社の取引が大半を占めているため、提出会社の状況について記載しております。

セグメントの名称

前事業年度

(自  2017年4月1日

  至  2018年3月31日)

当事業年度

(自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

契約実行高
(百万円)

前期比(%)

契約実行高
(百万円)

前期比(%)

賃貸・割賦事業

ファイナンス・リース

155,218

16.6

157,975

1.8

オペレーティング・リース

10,401

95.3

13,592

30.7

割賦

5,516

39.0

10,602

92.2

賃貸・割賦事業計

171,137

20.2

182,170

6.4

ファイナンス事業

463,015

25.8

456,832

△1.3

その他の事業

7,990

75.0

5,805

△27.3

合計

642,143

24.7

644,808

0.4

 

(注)賃貸・割賦事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。

 

②営業資産残高

当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

期末残高
(百万円)

構成比
(%)

期末残高
(百万円)

構成比
(%)

賃貸・割賦事業

492,391

59.9

507,839

61.4

ファイナンス事業

260,733

31.7

254,015

30.7

リサ事業

66,769

8.1

62,070

7.5

その他の事業

2,059

0.3

2,908

0.4

合計

821,954

100.0

826,834

100.0

 

(注)当連結会計年度におけるリサ事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が10,420百万円、買取債権が12,873百万円、営業投資有価証券が16,284百万円、販売用不動産が2,939百万円、賃貸資産が251百万円、投資有価証券が19,300百万円となっております。

 

 

③営業実績

連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 前連結会計年度(自  2017年4月1日  至  2018年3月31日)

セグメントの名称

売上高
(百万円)

売上原価
(百万円)

差引利益
(百万円)

資金原価
(百万円)

売上総利益
(百万円)

賃貸・割賦事業

164,011

150,364

13,646

2,886

10,760

ファイナンス事業

6,127

25

6,102

1,175

4,926

リサ事業

17,442

6,189

11,253

372

10,880

その他の事業

43,898

41,307

2,590

131

2,459

調整

△48

△11

△36

32

△68

合計

231,432

197,875

33,556

4,598

28,957

 

 

 当連結会計年度(自  2018年4月1日  至  2019年3月31日)

セグメントの名称

売上高
(百万円)

売上原価
(百万円)

差引利益
(百万円)

資金原価
(百万円)

売上総利益
(百万円)

賃貸・割賦事業

166,847

152,942

13,904

3,141

10,763

ファイナンス事業

6,644

465

6,178

1,285

4,893

リサ事業

14,051

5,408

8,643

399

8,244

その他の事業

16,649

14,838

1,811

74

1,736

調整

△62

△14

△47

△47

合計

204,131

173,640

30,490

4,901

25,588

 

(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。

2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。

①賃貸・割賦事業……情報・事務用機器、産業・土木・建設機械等の賃貸(リース・レンタル)及び

割賦販売業務等

②ファイナンス事業…金銭の貸付業務、ファクタリング業務及び営業目的の収益を得るために所有する

有価証券の投資業務等

③リサ事業……………株式会社リサ・パートナーズが行っている企業投資、債権投資、不動産、

ファイナンス及びアドバイザリー業務

④その他の事業………物品売買、賃貸取引の満了・中途解約に伴う物件売却、手数料取引、

ベンチャー企業向け投資、ヘルスケア関連及び太陽光発電売電業務等

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5  経理の状況  1 連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は売上高2,041億31百万円(前期比11.8%減)、営業利益89億29百万円(前期比29.5%減)、経常利益89億円(前期比33.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益63億91百万円(前期比6.4%増)となりました。売上高、営業利益、経常利益に関しては、前期のヘルスケア関連施設の売却やリサのファンド事業における大型のEXIT(売却)収益計上、当期における為替評価損の発生及び与信関連費用の戻入益減少等により前期比減収減益となりました。しかしながら、この実績は期首の予想を上回るものであると共に、為替評価損益や与信関連費用の影響を除いた実力値ベースでは、前期水準を確保できたと考えております。
 なお、親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、非支配株主に帰属する当期純利益や法人税の減少により、前期に続き上場来最高益を更新することができました。これにより、当初「中期計画2017」で設定した3ヶ年累計目標値については、2年で達成することができました。

来期については、主力の賃貸・割賦事業において営業資産残高の継続的な増加による収益力の回復が見られること、ファイナンス事業において提案型営業による国内市場の拡大や海外向けビジネスを伸長していくこと、加えてリサ事業において安定的に収益を創出していること等、それぞれの事業が収益力を伸ばし業績に貢献することにより、増収増益の計画を立てております。

 

「中期計画2017」の2年目、という観点から当連結会計年度を振り返ると、CSV経営実現に向けた歩みを着実に進めることができたと認識しております。「中期計画2017」の2年目は、グループビジョン実現に向けた10年間の、ちょうど、中間地点に位置しており、その実現に向けた各種取り組みの進捗を確認する良いタイミングだと考えております。

「中期計画2017」では「コア領域の完成」と「ビジョン実現に向けた新事業の立ち上げ」を目標に掲げています。「コア領域の完成」においては、大きく3つの観点から取り組みを進めております。第一は「NECとの戦略的なパートナーシップの確立と深耕」です。官公庁や民間大企業のお客様向けに、NECとの連携強化により着実に取扱高を増加させております。また、NEC商材を活用した新たなレンタルサービスの試行開始など、今後を見据えた取り組みにも着手しております。第二は「独自商流における顧客基盤の拡充」です。外資系ICTベンダーとの連携強化によるベンダーファイナンスビジネスの拡大や、大口販社との取り組み強化による小口リースの取り扱い高伸長など、目に見えるかたちでの成果もあがってきました。第三は「高い利益成長の源泉を確保」です。2017年度、2018年度と当社連結経営成績に大きな貢献をした株式会社リサ・パートナーズの収益性向上に加え、PFI事業において代表企業として初参画できたこと、価値共創ベンチャー2号有限責任事業組合の立上げなど、足元の高い利益成長の源泉を確保しつつ、将来の利益成長の源泉確保に向けても着実に取り組みを遂行しております。

第二の目標である「ビジョン実現に向けた新事業の立ち上げ」においては、当社の取り組むべき社会課題として「エネルギー」「農業」「ヘルスケア」「観光」の4領域を新事業領域と捉え、「中期計画2017」の期間に当社の強みと結び付けてビジネスを立ち上げ、次の「中期計画2020」で収益化するというロードマップを描いています。当連結会計年度における取り組みとして、エネルギー領域では、太陽光に加え、水力発電分野への取り組みを開始しております。農業領域では、米の生産、加工、販売を主事業としている株式会社みらい共創ファーム秋田において、秋田の気候風土に沿った、米と畑作の複合農業への試行を開始しました。ヘルスケア領域ではヘルスケア施設のリート向けウェアハウジング事業の取組み、観光領域では、阿寒湖や白馬岩岳などにおいて、各地域の観光資源活性化を通した事業創出、街づくりに取り組んでおります。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、日銀の異次元金融緩和政策が挙げられます。この影響により、銀行をはじめとする金融機関の競合が激化し、国内のリース市場にも影響を与えていると考えておりますが、当連結会計年度については、Windows10の入替特需や、労働力不足を補う設備投資需要などを背景に業界全体のリース取扱高は前期比2.8%増となり、5兆円の大台を回復しました。こうした事業環境のもと、当社グループにおいては、官公庁領域での長年のノウハウの蓄積による強固な営業力や、顧客の課題解決を金融面からサポートする「提案型営業」の展開により、業界全体の水準を上回ることができました。

     

当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー共に、問題ない状態と考えております。外貨金利の上昇により、調達コストは若干上昇しておりますが、こちらについても想定内の上昇にとどまっており、経営成績に大きな影響を及ぼすものではないと考えております。
 なお、当連結会計年度においては、特筆すべきほどの大規模な資本的支出はありません。
 

b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 

賃貸・割賦事業

契約実行高は2期連続前期比増となり、営業資産残高が2010年3月末以来9年ぶりに5,000億円の大台を回復したことなどから、賃貸・割賦事業の売上高は前期比1.7%増、売上総利益は前期比下げ止まることができました。営業利益については前期に与信関連戻入益の計上があったことから前期比減となりましたが、この影響を除きますと前期比増の水準にあると考えております。売上総利益の底打ち、反転をより確実なものとしていくため、従来の情報通信機器のリースに加え、航空機や建物などのリース、付帯サービス収益や再リース収益が期待できるリース契約などに継続して取り組むことで、収益力の向上を図っていく予定です。

 

ファイナンス事業

契約実行高については、ファクタリングの減少はあったものの、企業融資が堅調に推移したことから、ほぼ前期並みの水準を維持しました。営業利益については、与信関連戻入益の増加により前期比6.0%増となりました。営業資産残高については前期比2.6%減となっておりますが、これは短期のファクタリングが減少した結果であり、経営成績への影響は軽微なものとなっております。

 

リサ事業

前期にファンド事業における大型のEXIT(売却)収益計上があったことから、売上高、営業利益ともに前期比減となっておりますが、期初の計画値に対しては想定を上回る進捗となりました。また、当社グループが株式会社リサ・パートナーズを連結対象としてから当連結会計年度で8年が経過しました。リスク管理を強化しつつ資産の入れ替えを進めた結果、足元の実績が示すとおり、毎期安定的な収益を確保できるようになりました。

 

その他の事業

前期にへルスケア関連施設の売却があったことにより、売上高は前期比大幅減となりました。加えて営業投資有価証券の減損処理などを行ったことから、前期比減益となり、営業損失となりました。今回の減損処理は投資ビジネスにおけるリスク許容範囲内のものであり、引き続き案件選別を行いつつ投資ビジネスに取り組んでいく予定です。

 

 

c. 目標とする経営指標の達成状況等

経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2017」において、連結ROAを公表しております。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3ヶ年における収益性の向上を測るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAは1.0%であり、これは「中期計画2017」において最終年度に達成する目標とした1.0%を、昨年に続き、維持する水準となりました。現状取り組みを進めている各種施策の着実な遂行を通して、「中期計画2017」に掲げた目標を継続して達成すると共に、更に高いベンチマークを設定できるよう努力していく所存であります。

 

d. 今後の見通し

2019年度のわが国経済は、国内外の不確定要因によって、先行き不透明な状況になりつつあると考えられます。国外においては、中国経済の減速鮮明化や、米国の金融政策正常化の急激な後退に伴うマーケットの混乱、国内では深刻な人手不足などが成長抑制要因として懸念される状況となっております。
 また、リース事業を取り巻く環境として、リースに関する国際的な会計基準の変更に伴い、日本基準においても今後その動向を注視する必要があると考えております。

このような事業環境において、当社グループは、NECグループの金融サービス事業会社として成長し、また「地域の活性化による日本の発展」に寄与するべく、各種ソリューションを通して、企業と社会双方に共通の価値を生み出すCSV経営(Creating Shared Value=共通価値の創造)を推進していく所存です。その基本方針として策定したのが、グループビジョン「お客様と共に、社会価値向上を目指して、グローバルに挑戦するサービス・カンパニー」であります

上記の環境、方針のもと、次期は中期計画2017の最終年度として「コア領域の完成と新事業立上げ」を目指していきます。賃貸・割賦事業の契約実行高を伸長させると共に、PFIやICTをはじめとした当社ならではの独自サービスの提供や、グローバル事業の拡大、更にはエネルギー関連や多様なアセットへの取り組みによる事業機会の拡大を図ってまいります。

こうした取り組みを踏まえ、2020年3月期の通期連結売上高予想は、当期比2.9%増の2,100億円を見込んでおります。

また、2020年3月期の通期連結の利益予想は、賃貸・割賦事業をはじめとした各セグメントの成長を維持することで、経常利益は当期比12.3%増の100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比1.7%増の65億円を予想しております。これらの利益水準は中計2017策定当初の水準を大幅に上回るものであり、本予測が実現した場合、3ヶ年の利益計画全体も当初想定を大幅に上回る水準に達するものと認識しております。

なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

締結年月

契約の名称

相手先

契約の概要

期間

2003年3月

「NEC」標章
等使用許諾契約

日本電気株式会社

「NEC」表示及び標章の使用許諾の対価として日本電気株式会社に使用料を支払うものです。

当初契約

2003年4月1日~

2004年3月31日

現行契約

2008年11月30日~

2009年12月31日

以降1年毎の自動更新

 

 

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。