当社グループは2023年4月、当社経営の基本方針として、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定いたしました。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値の創造)は継続しながら、気候変動対応をはじめとする社会課題の多様化、デジタル技術(IoT、AI、ロボット)等の先端技術の発展、それらによる将来の産業や社会生活の大きな変化に対応するべく、CSV経営と親和性の高いSDGsに同期する2030年を新たなグループビジョンのゴールとしました。
これまで私たちはリース事業を通して、環境に配慮した製品の導入、高度な3R処理による資源循環により循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してきました。一方で、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」は、資源効率の向上による環境負荷の低減のみならず、資源を循環利用し続ける世界、そこから発展し、新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会となることを想定しています。
この想定する社会において、当社グループはキャピタルソリューションの革新により、モノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービスを提供し、環境と成長の好循環を実現すると共に、多様化するお客様と社会の課題解決を通して、「次世代循環型社会」の実現を目指してまいります。
また、新たなグループビジョンに含まれる「Solution Company」の「Company」には、一般的な「会社」という意味に加え、「価値観を共有する集団(仲間)」という意味も含めています。社会課題解決に向けた付加価値の提供による収益力の向上と共に、このグループビジョンには価値観を共有する従業員が誇りに思える会社作り(エンゲージメントの向上)に向けた思いを込めたものとなっています。
なお、グループビジョンの策定に併せて、事業活動を通じた社会課題の解決とその活動を支える経営基盤に関し、当社グループのマテリアリティを以下のように再特定しております。
・ 脱炭素社会・循環型経済の推進
・ 社会・ICTインフラ整備の推進
・ 社会課題解決に向けた新たなサービスや事業の創出
・ 人的資本への投資
・ 企業価値向上を支えるコーポレートガバナンスの追求
グループビジョン2030「次世代循環型社会をリードするSolution Company」には以下に記載の3つの段階があり、その第一段階の実現を目指す計画として「中期計画2025」を策定しております。
第一段階 当社らしい循環型サービスを創出
第二段階 当社らしい循環型サービスを発展
第三段階 当社らしい循環型サービスの収益確立
① 「中期計画2025」策定の前提
新型コロナウイルスの影響が世界的に鎮静化するなか、グローバルなテーマとして改めてサステナビリティが議論されるようになりました。SDGsをはじめサステナビリティについてはこれまでもその必要性、重要性について多くが語られてきましたが、企業経営に直接的にアプローチするものではありませんでした。しかしながら、昨今の異常気象による世界的な経済損失の拡大が無視できない規模となってきたことから、企業経営者に直接サステナビリティ経営の推進を促す国際的なフレームワークが確立されました。その代表的なものがTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)であり、東証の市場再編に合わせプライム市場上場企業については2023年3月期以降、その枠組みに沿った取り組みの開示が義務化されることとなりました。
このような足元の環境変化を踏まえ、当社は、これまで掲げてきたCSV経営をさらに進化させるべく、新たなグループビジョンの策定とマテリアリティの特定を行いました。「次世代循環型社会」の実現に向けた第一段階として「中期計画2025」を策定いたしました。
② 「中期計画2025」の概要
グループビジョン実現に向けた最初のステップとなる「中期計画2025」では、2030年の目指す姿・持続的な成長実現に向けて変革に挑戦する3年間とし、CSV経営を実践し事業を通じてお客様と社会の課題を解決すると共に、次世代循環型社会の実現に向けて当社らしい循環型サービスを創出していきます。お客様、社会、株主、自社の観点から「中期計画2025」のねらいを以下のとおり定め、各戦略で施策を具体化しています。
お客様:サービスの提供によりお客様の経営課題を解決
社会 :事業を通じて社会の課題を解決
株主 :CSV経営の実践による企業価値向上
自社 :ビジョン実現のための事業戦略実行
「中期計画2025」は3つの事業戦略と、それを支える経営基盤強化戦略で構成しています。
事業戦略① サービス事業の拡大、新たな循環型サービスを創出
■ 再生可能エネルギー発電、ウェアハウジング、ITアセットマネジメント、観光の各事業におけるサ
ービス拡大
■ ICT製品のサブスクリプションサービスの推進や不動産の活性化促進等によるモノの循環利用に繋が
るサービス創出
■ PFI・PPP事業の拡大、地域金融の循環モデル構築支援、地域ベンダーが提供する自治体DXサービス
との連携強化による地域経済・社会の好循環に繋がるサービス創出
■ 企業のライフサイクルに応じたサービスやファンド投資事業、M&A等アドバイザリーの拡大による企
業成長の好循環に繋がるサービス創出
事業戦略② 注力事業への戦略的投資による成長加速
■ お客様・ベンダーとのシステム連携や企画機能強化を通したICT関連サービスの高付加価値化による
事業規模拡大
■ 国内外における金融プロダクトの領域拡大・高度化による高収益の獲得
事業戦略③ ベンダーファイナンスの強化および顧客基盤拡充
■ 新規ベンダー、パートナーの開拓や既存ベンダーとの連携強化による収益性向上および収益機会創
出
■ ベンダーファイナンス起点のお客様に対するダイレクト営業の強化をはじめとしたお客様の課題に
対するソリューション開発・提供による取引深耕
経営基盤強化戦略
■ 業務プロセスのデジタル化やデジタル情報の活用を踏まえた基盤整備等による業務の標準化、品
質・効率の向上および「三つの防衛線」機能の高度化
■ DX基盤となるコアシステムの立ち上げと安定稼働やワークスタイル変革を支えるIT環境の構築を
はじめとしたデジタル技術の活用促進・DX活動の推進
■ 経営戦略に連動した組織作り・人材マネジメント制度導入と挑戦・革新し続ける風土作り、カル
チャー変革
■ 自律的なコンプライアンス風土の実現と、コーポレートガバナンスの実効性向上に加え、経営管理
の高度化、事業変革するための経営戦略および計画立案・推進機能の強化等によるスタフ機能の強
化並びに営業サポート機能の向上
■ カーボンニュートラルの実現(2040年度(2041年3月期)までに連結ベースのScope1+2を実質ゼ
ロとする)に向けた諸施策の実行
上記「中期計画2025」について、事業セグメント別の経営方針を整理すると以下の通りとなります。
① リース事業
官公庁及び民間企業領域において、ベンダーファイナンスをはじめ高付加価値なリースおよびレンタルを提供すると共に、ベンダーソリューションの拡大による新規ベンダーやパートナーの開拓により高収益で良質なアセットを積み上げていきます。また、国内外においてベンダーとのリレーション強化を図り、サービス基盤の共同開発等を通じて共同サービスを確立することで新たな収益機会の獲得を目指します。
② ファイナンス事業
既存顧客を維持しつつ、お客様やベンダーの様々なファイナンスニーズを捉え、課題に対するソリューション開発・提供による取引を拡大し、顧客基盤拡充と収益性向上を図ります。また、国内外における金融プロダクトの領域拡大・高度化により収益性の高い戦略アセットの積み上げにより収益規模の拡大を目指します。
③ インベストメント事業
リサ・パートナーズはファンドビジネスやアドバイザリー機能を通して、地域金融機関との連携強化を更に進化・加速させると共に、海外案件にも取り組むことで持続的な成長を目指します。並行して、安定的なインカムゲインを得るための中長期保有資産を積み上げ、収益基盤の再構築を図ります。ベンチャー企業向けファンドビジネスは出口戦略を明確化し収益拡大を図ります。
④ その他の事業
これまでも取り組んできたヘルスケアウェアハウジング事業や再生可能エネルギー事業、PFI・PPP事業の強化拡大に加え、ICT製品のアセットマネジメントのノウハウを活用したサービスの拡充を図り、加えて新たな循環型サービスを創出してまいります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、公示地価上昇率や春闘賃上げ率がバブル期以来の伸びを記録したことなどを背景に、2024年3月のマイナス金利解除後、2度の利上げが決定されるなど、デフレからの脱却とインフレ経済への回帰が見られるようになりました。7月には日経平均株価が史上最高値を更新し、個人消費の復調やインバウンド需要の高まりから景況感も大幅に改善する兆しを見せていましたが、8月の株価暴落やその後の横ばい相場が示す通り、円安や国内の人手不足、海外景気の減速などから完全なデフレ脱却には至らず、2025年1月の利上げ以降、株式市場も弱気相場へと移行しました。また国内では10月の衆議院選挙において与党が過半数割れとなり、11月のアメリカ大統領選挙ではトランプ元大統領が当選するなど、国内外の政局や経済政策の先行きに不透明感が増す状況となっています。このような国内外の環境変化を踏まえ、今後の経済活動の見通しについては引き続き注視していく必要があると考えています。
当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2024年4月から2025年3月累計のリース取扱高は、前期比9.8%増の5兆847億円となっています。(出典:2025年5月29日付公表 公益社団法人リース事業協会「リース統計」)
2025年度のわが国経済は、トランプ米政権が発動した高関税政策がグローバルな自由貿易にどの程度の影響を与えるかによって大きく変動する可能性が出てきました。世界各国で相互関税が実施された場合、世界的な貿易活動の減少やサプライチェーンの混乱が生じるとともに、輸入コストの増加によるインフレから消費者の負担が増加するなど、国内経済にも悪影響が出るものと想定されます。デフレ脱却に向けた金融政策の正常化も停滞を余儀なくされ、様々な不確定要因が金利のある世界での成長シナリオを阻害することになると思われます。
このような状況において、グローバルなテーマとして議論が重ねられてきたサステナビリティについて、当社グループはその重要性を不動のものであると考えています。有価証券報告書にも記載をしている通り、気候変動リスクについてはTCFD ( Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく取り組みを進めており、エンゲージメントの向上や人材の多様性確保などをはじめとした人的資本、人材の多様性に関する取り組みについても積極的に推進しています。
当社グループは、これまで掲げてきたCSV経営をさらに進化させるべく、2023年4月、SDGsのゴールでもある2030年に向けた新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を公表すると共に、「次世代循環型社会」の実現に向けた第一段階として「中期計画2025」を公表いたしました。グループビジョン実現に向けた最初のステップとなる「中期計画2025」では、2030年の目指す姿・持続的な成長実現に向けて変革に挑戦する3年間とし、CSV経営を実践し事業を通じてお客様と社会の課題を解決すると共に、次世代循環型社会の実現に向けて当社らしい循環型サービスを創出していきます。
当社はサステナビリティ課題を自社の経営課題として認識すると共に、社会及びお客様の課題であると考えています。自社における取り組みを進めると同時に、当社ならではのサービスを提供し、事業を通して社会及びお客様の課題解決を図るCSV経営を実践することで、着実な成長を実現していきます。
当社グループのサステナビリティに関する情報、また本報告書発行日以降の変更につきましては、当期中に発行する
①ガバナンス
当社は、当社グループにおけるサステナビリティの審議機関として、「サステナビリティ委員会」を設置しています。同委員会は代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役、関連部門の担当執行役員及び部門長で構成しています。
サステナビリティ委員会は、原則として年2回開催し、気候変動対応をはじめとするサステナビリティに関する方針及び計画の策定、並びにPDCAサイクルの運用状況について議論します。
委員会で議論された結果は経営会議で審議の上、都度取締役会へ報告されるとともに、重要事項については取締役会で決議を行い、適宜中期計画や事業戦略に反映します。推進体制図は以下のとおりです。

当事業年度は、サステナビリティ委員会を3回開催しました。主な議題は以下の通りです。
・全社非財務目標の進捗状況、マテリアリティ項目の確認
・気候変動対応に関する取り組み状況
・人的資本に関する取り組み状況
・人権に関する取り組み状況(人権デュー・ディリジェンス実施等)
・「NEC キャピタルソリューショングループサステナブル投融資方針」の制定について ※取締役会決議事項
②戦略
(2)以降の各取り組みをご参照ください。
当社は事業活動に影響を与えるリスクを「ERMリスク※1」と「その他のリスク」に区分しています。信用リスク・市場リスク・オペレーショナルリスク等業務に係るERMリスクは、リスクマネジメント委員会で管理します。その他のリスクは、当社グループ事業に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクとして経営会議で管理します。(代表的なリスクおよびその詳細については、
サステナビリティに関するリスクは、サステナビリティ委員会で統合的に管理します。代表的なリスクである気候変動リスクの管理については、(2) 気候変動について:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示 ③リスク管理 を参照ください。
当社は、「中期計画2025」において一部の非財務目標を公表しております。これらの非財務目標に積極的に取り組むことで、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現を目指していきます。なお、これら非財務目標のPDCAについては、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会にて報告・議論し、実効性の高い取り組みを進めてまいります。
当事業年度における進捗は下記の通りです。

当社は、2022年9月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明すると共に、TCFDコンソーシアムへ参画しました。気候変動に関連する事項については、TCFD提言に沿った情報開示を進めております。
当社は、グループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現に向け、「脱炭素社会・循環型経済の推進」等のマテリアリティを特定しています。当社の事業活動は、自社の環境負荷が製造業等に比べて少ないことから、事業を通じてお客様や社会の環境正価(成果)向上に注力するという考えのもと進めてまいりました。具体的には、「エコリース・エコファイナンスによる社会の低炭素化」「リースによる資源の循環」をコンセプトに、環境課題を解決して社会全体に対してプラスの影響を与えるエコビジネスに積極的に取り組んでいます。TCFD提言に沿って事業活動を実践することで、気候変動対応の取り組みを進化させてまいります。
取り組みの一つとして2022年からCDP(Carbon Disclosure Project)気候変動質問書に回答し、2023年・2024年連続でリーダーシップレベルとなる「スコアA-」と評価されました。
①ガバナンス
(1) サステナビリティ全般 ①ガバナンス に準じます。
②戦略
当社では、全社的観点から気候変動シナリオ分析を実施し、リスクと機会を特定し、事業戦略に反映しております。
□シナリオ分析の概要と対応策の検討
シナリオ分析は、現状を上回る気候変動対策が行われず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ」を参考に、2030年および2050年を時間軸に定性・定量の両面からリスクと機会の考察を行いました。いずれのシナリオにおいても一定のリスクは見込まれるものの、当社事業への影響は限定的であり、むしろ、ICTおよびリース需要の増加、気候変動対応に伴う新サービス、新規投資機会の拡大など、事業機会増大の可能性が高いとの結論に至りました。シナリオ別に整理したリスクと機会の概要は以下の通りです。

詳細の分析については、
https://www.necap.co.jp/csv/environment/pdf/scenario.pdf
事業機会増大の可能性が大きいとするシナリオ分析の結果を踏まえ、前事業年度では、事業機会を適切に捉えた事業戦略の策定に向け、各執行役員とディスカッションを実施しました。当事業年度はその結果について事業戦略への反映、社内KPIの設定などを実施しました。今後も引き続き、事業戦略への反映やKPIの見直しなどを進め、実効性の高い気候変動対策を進めるとともに、当社グループの事業の成長につなげてまいります。
③リスク管理
気候変動関連リスクについては、経営上の重要なリスクと考え、総合的リスク管理の観点から、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会で統合し管理します。具体的には、マクロトレンドや外部動向調査をもとに中長期を含む気候変動対応方針の策定・見直しを行う他、リスク対応を含む年間施策案の策定、その実行・モニタリング・評価・検証といったPDCAを行います。
なお、気候変動関連リスクによる重大な影響※2 が想定される場合は、速やかに対応方針を議論し、経営会議で審議の上、取締役会で決議し適宜事業計画に反映します。

※1 ERMリスク ERM(エンタープライズリスクマネジメント)における①信用リスク、②市場リスク、③オペレ
ーショナルリスク(事務リスク、システムリスク等)
※2 重大な影響 東京証券取引所の適時開示基準(利益に係る影響の見込額等)に準拠
※3 環境関連法に関するリスクはISO14001に基づく環境マネジメントシステムにおいて管理
なお、当事業年度においては、気候変動に関する与信関連費用についてのリスク分析を行いました。
□与信関連費用における気候変動リスクの分析
環境省が発表する銀行セクター向けTCFDシナリオ分析を参考に、物理リスクや移行リスクの発生による与信先の返済能力悪化のシナリオを作成し、当社の特性を加味したうえで、2024年3月期の与信残高をベースに与信関連費用の増加を試算しました。その結果、昨年同様、「物理リスク」による与信関連費用の増加が期間損益に与える影響は軽微であり、「移行リスク」に伴い追加発生する与信関連費用は認められませんでした。
(分析シナリオの概要)
今後も変化を続ける世界情勢に対し、社内関連部門および経営層と協議しながら随時リスクと機会を見直し、より実効性の高い対応策へと見直していきます。なお、当事業年度においてもリスク分析を行い、別途
④指標と目標
当社は、環境中長期目標として、2040年度の実質カーボンニュートラル実現を目指しています。また「中期計画2025」においては、「カーボンニュートラル実現に向けたCO2の削減」に加え、「ICTビジネス拡大に伴う循環利用の促進」、「気候変動対応の推進」等を非財務目標の一部として公表しています。
□環境中長期目標(2040年度の実質カーボンニュートラル実現)
当社は、環境中長期目標として、自社の事業活動に伴うCO2排出量(Scope1,2 提出会社+リサ・パートナーズ)を2025年度に2022年度見込み比20%削減し、2030年度には同50%削減、2040年には、海外子会社を含む連結ベースでのCO2排出量(Scope1,2)の「実質ゼロ」を目指しています。当事業年度における自社の事業活動に伴うScope1,2のCO2排出量は下記のとおりです。
(Scope1,2)
第三者検証の結果は、
Scope3排出量算定において、前事業年度は既存公表値の第三者検証とカテゴリ13の算出に取り組みました。
カテゴリ13について、前事業年度は情報通信機器の一部に限定して算出し、結果を売上高全体に拡大して推計しました。
当事業年度においては、拡大推計は行わず、2023年度稼働中の台数が100%把握可能であり、1台当たりのCO2排出量が情報通信機器よりも多い建設機械に限定して算出しました。また、算出した全てのカテゴリについて第三者検証を実施しました。
その結果、2024年3月期における当社グループのScope3排出量は620,181t-CO2(第三者検証済み)となりました。Scope3の精緻化につきましては検討課題として、引き続き取り組んでまいります。なお、当事業年度のScope3排出量は、別途
(Scope3)
(単位:t-CO2)
①人材戦略(人材育成の基本方針および職場環境整備方針)
a.人材育成の基本方針
当社グループの事業においては、人材こそが最大の資産であり、人材の価値を最大限に引き出すことで当社の中長期的な企業価値の向上を図ります。そのため、事業戦略に連動した人材・組織・カルチャー変革戦略を立案し、それに基づき多様な人材が持てる力を最大限に発揮し、働きがいを感じ、誇りに思える会社を目指していきます。
当社グループは2023年4月に新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定しました。このグループビジョンのもと、既存事業のみならず周辺領域への事業拡大や新たな事業、循環型のサービス創出に挑戦していきますが、そのためにはグループビジョン実現に向け、自ら変革するために挑戦・成長し続ける従業員のWell-beingの向上を図り、多様な人材に選ばれる会社を目指していきます。
b.職場環境整備方針
上記の人材育成の基本方針に基づき、多様な人材が持てる力を最大限に発揮し活躍できる社内環境整備を進めていきます。育児や介護を始めとした様々な事情を抱える従業員が時間や場所の制約にとらわれずに力を発揮できる仕組み、経験年数や年齢にかかわらず担っている役割(仕事)と会社業績への貢献を基準とした処遇の仕組み、自由闊達で挑戦を重んじ、自分らしく活躍できる組織文化の形成、などにより従業員が誇りに思える会社、即ちエンゲージメントが高い従業員で満たされる会社・組織を目指し、種々の施策に取り組んでいきます。
②具体的取組(人材戦略の実践、施策)
新たに策定したグループビジョン2030実現に向けてマテリアリティ(重要課題)を再特定しました。そのマテリアリティの一つが「人的資本への投資」で、「持続的成長を実現する人材・組織開発」「エンゲージメントの向上」「人材の多様性確保」「健康経営の実現」の各領域につき以下の取り組みを進めていきます。
a.持続的成長を実現する人材・組織開発
当社は、自らチャレンジすることで会社の変革・成長に貢献し続け、かつ、お客様満足の追求に力を発揮できる人材の育成に取り組み、従業員一人ひとりが高い専門性と自律的な行動、さらに市場環境の変化に対応できる能力を身につけることを目指しています。グループビジョン2030に基づき、事業戦略に合致した人材ポートフォリオを策定し、そのギャップを埋めるため人材・組織開発に計画的に取り組んでいきます。そのために必要な人材への投資には積極的に取り組んでまいります。
<組織カルチャーの変革に向けた人材マネジメント施策>
グループビジョン2030の実現に向け、自ら変革に挑戦し、成長し続ける従業員を創出するため、従業員に期待する行動基準の策定とそれに基づく行動評価の仕組みを導入するとともに、仕事起点とした人材マネジメントへ人事・報酬制度を変革しています。
人事制度においては、ビジョン実現に向けた行動基準を「顧客志向」「自ら進化」「挑戦」「スピード」「オープンコミュニケーション」の5つに定め、それぞれ期待行動の事例を示すとともに、行動基準に則った評価を行い本人にフィードバックすることにより、一人ひとりに気づきを与え、行動変革の意識を醸成することで、組織カルチャーの変革につなげていきます。
2024年10月には人事基幹制度を従来の能力等級制度からアサインされた役割に基づく役割等級制度に改め、年齢や経験年数にかかわらず最適な人材を任用し処遇する仕組み、運用へと変更しました。これにより、従業員のキャリア機会の拡大と、適所適材の人材配置による組織パフォーマンスの最大化を目指しています。この趣旨に鑑み、従来行ってきたいわゆる一般職・総合職の職掌区分の撤廃も行いました。個々人が担う役割期待の大きさで等級を決定する仕組みとし、各役割に期待する成果と役割任用に求められるスキル・経験要件については職場・職種・等級別に作成した役割定義書に記載し、全社へ公開・明示しています。このような取り組みにより、若手人材の抜擢が進むとともに、役割や成果により正当に評価される納得感のある仕組みへ改善を図っています。
報酬制度においては、労働市場と会社業績を反映したより透明性のある仕組みを目指し、市場水準を踏まえた昇給の実施や新卒初任給の改定、年収に占める月例給与比率の引き上げを実施することにより、働き甲斐を高める報酬への改定を進めています。これらの取り組みにより事業の成長を担う優秀な人材の獲得・定着、そして社員の挑戦・成長を後押ししています。
一方、挑戦・変革の組織カルチャーを現場で効果的に実践する上では、人事制度の改定だけでなく職場マネジメント力の向上が欠かせません。そのため2023年度から毎年マネジメントポジションを担う従業員を対象に、評価・育成のマネジメント研修を継続して実施しています。
<自律的なキャリア形成を促す人材育成制度の拡充>
従業員一人一人の成長が会社の成長につながる、との考えのもと、従業員一人ひとりが主体的に自身のキャリアについて考え、成長していけることができる環境づくりに取り組んでいます。
まず、従業員が自律的にキャリア形成を図ることを支援するため、2024年7月に国家資格キャリアコンサルタントの研修を修了した社内キャリア専門家による「キャリア相談窓口」を設置し、社内専門家から必要なときにアドバイスやコンサルティングを得ることができる体制を構築しました。これにより、従業員が今後の自己成長やキャリア開発の方向性について自ら考え、キャリア充実に向けた一歩を踏み出す後押しを進めています。また、”人は自分がやりたいと思う仕事に就いたときに一番力を発揮し、困難な状況でも最後までやり遂げることができる、”という人の可能性を信頼し、従来から実施していた自己申告制度に基づく会社による人事異動に加えて、2022年度には「人材公募制度」を導入し、従業員による主体的な人事異動を可能としました。人材公募の募集を重ねるごとに応募部門・ポジション数が増え、2024年度は29部門、52ポジションに拡大しています。
2024年度からは従業員が他部門の業務を短期間体験し、他部門の仕事内容・働く人・職場の魅力等を知ることができる「社内インターン制度」を実施し、当初の想定を超える全従業員の1割以上にあたる82名の応募があり、従業員からの成長機会創出の期待に応えることができました。参加した従業員からは今後のキャリア検討に役立つだけでなく、現在の仕事に関連する他部門の仕事を知ることで現業務のパフォーマンス向上にも有益であったとの声も届いています。
また、2024年度にはこれまで実施していた自己申告制度を改定し、「キャリアシート」という形でキャリアの棚卸を行うとともに前述の役割定義書に基づいて現在担っている役割・今後担いたい役割で会社から期待されていることを確認し、それと現在できていることのギャップをもとに自身の成長課題・キャリア開発目標を考える機会を設けました。このキャリアシートをもとに今後の能力・スキル開発とキャリアの方向性について自身で考え、上司と共有を図ることとしています。これにより、従業員が自身の現在・今後のキャリアに対して前向きに向き合い、成長・挑戦し続けられる企業文化の醸成を目指します。
人事異動の考え方についても、「自律的なキャリア形成」という考えのもと、2024年度から最大限本人のキャリア希望・キャリア志向を尊重して行うこととし、特に転勤にあたっては多様な個人の価値観や働き方、様々な家庭事情に配慮し、事前に本人の同意を得て行う運用へ変更しました。
このように、まだ着手したばかりではありますが、個人の成長が組織の可能性を拡げ、組織の成長が個人の活躍の場を拡げる、このサイクルを重ねることで個人と会社が共に成長し続ける循環を作っていきます。
自律的なキャリア形成を促す人材育成制度
<将来の執行役員候補者の計画的育成>
将来の経営を担う人材を計画的に育成する取り組みを2022年度から開始し2024年度で3年目となります。具体的には30歳前後から執行役員直前の層まで将来の執行役員候補者を毎年見直し、一人ひとりについて能力・スキル・経験の状況と今後の成長・育成課題を経営幹部で共有・議論し、研修派遣や業務アサインにつなげています。そして、これらの候補者の中からアサインする具体的なポジションに合わせて育成状況を確認のうえ、具体的に誰をそのポジションにアサインするかを議論・検討するという、次年度の具体的執行役員人事案を決定するプロセスが定着してきています。
なお、これら執行役員候補者の計画的育成のプロセスに加え、2025年度からは取締役候補者の後継計画の取り組みも指名・報酬委員会で開始することとしています。
b.エンゲージメントの向上
人材育成の基本方針に則った「働きがいを感じ、誇りに思える会社」への変革の状況をモニタリングし、改善のPDCAサイクルを回すため、定期的に従業員エンゲージメントサーベイを実施しています。全社のエンゲージメントスコアおよびエンゲージメントスコア改善のポイントを全経営幹部で共有するとともに、本部・部別の結果を管掌執行役員および本部長・部長で共有し、全社および職場単位で改善に取組んでいます。また、従業員エンゲージメントスコアは常勤取締役報酬の業績評価に連動させる仕組みとしており、その改善に経営陣もコミットして取組をすすめています。
経営陣自らによる取り組みとして、2023年度からは全社員を対象とした取締役と従業員の直接対話の取り組みを開始しました。2024年度にはよりオープンな対話を目指し、1回の参加人数を10名の少人数へ絞り階層別に分ける工夫を行い、計74回の対話会を実施しました。この取り組みは2025年度にも継続して実施しています。このようなオープンコミュニケーションの場を通じて、経営層と従業員が一丸となってビジョン実現に向けて挑戦するカルチャーが着実に醸成されてきています。
今中期計画の最終年度である2025年度には、参加エンゲージメントサーベイにおいて日本国内参加企業の上位1/4レベルを目標に、引き続き改善活動に取り組むとともに、全社の取り組み、職場単位の取り組みに加え、各職場の中堅社員による部門横断のタスクフォースチームを立ち上げ、全社一丸でエンゲージメント向上に取り組みます。
従業員エンゲージメントスコア(提出会社)
※グローバル人事コンサルティング会社「Mercer社」サーベイによる。
スコア34%は日本国内参加企業の上位25パーセンタイルのスコアレベル。
c.人材の多様性確保
当社は、新たな事業領域への事業拡大を通じて様々な分野から専門性・経験を持つ人材を採用してきました。その結果、下表に示す通り、多様な人材から構成される組織となっていますが、多様な人材が真に活躍できる環境整備を制度面・組織風土面の両面から進めています。
具体的には、多様な働き方という観点でテレワークの仕組みを積極活用することに加え、勤務途中の中抜け(例:育児のための勤務中断)を可能とする柔軟な働き方が出来る制度を導入しています。2025年4月には、様々な育児課題を抱える従業員のニーズに対応するため、従来小学校3年生までとしていた育児短時間勤務制度の期間制限を撤廃し、子の年齢に関わらず制度適用できるよう制度を見直しました。また、介護等個別事情を抱える社員の継続就業を可能とする「遠隔地勤務制度」を導入し、多様な事情を抱える人材が働き続けられる環境の整備も図っています。
このような事情を抱えた人材が活躍し続けられるための環境整備に加え、これからは多様な価値観、多様な考え方の人材がそれぞれの力を最大限に発揮し活躍し続けられる会社・組織を目指していきます。それにより、多くの人材が活躍し続けられることと同時に、多様な価値観、多様な強みを活かして議論や意思決定の質を高め当社の継続的な成長につなげていきます。
従業員のダイバーシティの状況(提出会社)
<女性活躍>
女性管理職比率は以下に示すとおり改善してきているもののいまだ意思決定における多様性には課題があります。当社はこれを最優先の経営課題の一つとして、職場環境整備と人材の確保・計画的育成の両面から改善に取組み、ファーストステップとして2026年3月末時点で女性管理職比率10%達成を目標に取組んでいます。
具体的には、働き方改革やアンコンシャスバイアス低減も含めた職場環境整備を図ること、新卒採用女性比率を毎年50%、経験者採用での女性比率を2025年度までに30%以上にして女性管理職の候補者のパイプラインを拡充させること、女性管理職候補者層には個別育成計画を策定・実行するとともに外部研修への派遣などを通じて動機づけや必要な知識の習得を図る取組を進めることなどを着実に進め、目標達成に向けて取り組んでいます。
*2024年10月より一般職・総合職の職掌区分を撤廃
<シニア人材の活用>
定年後の雇用延長制度(定年再雇用制度)については、本人や上司との事前面談を通して蓄積したキャリアや適性、希望する業務、チャレンジ意欲を踏まえ配置を行い、成果に応じて処遇する制度の運用を進めてきました。2024年4月にはより一層活躍いただくことを期待し、2024年10月の一般社員の人事制度見直しに先んじて、雇用延長時に担う役割の大きさと成果をより反映させた処遇とすべく制度の見直しを行い、報酬水準の引き上げを実施しました。
<障がい者雇用>
障がいの有無にかかわらず活躍できる会社を目指し、働く環境を整備し、採用に積極的に取り組んでいます。
2021年7月からは「障がい者が安心して長く働ける環境の提供」「障がい者就業機会の創出による地域貢献」を目的として当社の農園を開設し、障がい者の雇用の促進につなげています。また、障がい者が働く職場の上司には「障害者職業生活相談員」の取得を後押しし、マネジメント力の向上と職場環境の整備を図っています。また、職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)が人事総務部内に常駐し、上司以外にもいつでも相談できる体制を整備しています。
障がい者雇用率(提出会社)
d.健康経営の実現
事業活動の源泉は生き生きと働く社員であり、全ての従業員の心身の健康と安全は最も大切なものと考えています。当社は健康経営の推進にあたって、社長を推進責任者として、当社、産業医・保健スタッフ、健康保険組合と連携を図り、三位一体で社員とその家族の健康維持・増進に取組んでいます。2025年3月には3年連続で「健康経営優良法人認定2025(大規模法人部門)」を受けました。
疾病の予防および早期発見等の観点から、法定の定期健康診断項目の受診に加え、年齢に応じ、健康保険組合と協働して「人間ドック」「がん検診」の受診推奨および費用補助を実施しています。2024年度から「人間ドック」「がん検診」の自己負担無料化および20歳以上の女性を対象に「子宮がん検診」の無料化を実施し、その受診率の促進を図っています。
メンタルヘルス研修を毎年実施し予防を強化するとともに、対象者には産業医とも連携してきめ細かなフォロー、支援も実施しています。また、健康リテラシー向上に向けセミナーも継続的に実施して、社員の健康維持、増進を進めています。
健康経営モニタリング指標と実績(提出会社)
NECキャピタルソリューショングループは「私たちは『Capital Solution』を通してより豊かな社会の実現に貢献します。」という企業理念のもと、人権の尊重を経営における重要課題の一つであると認識し、グループ全体で人権尊重の取り組みを実践することにより社会的責任を果たします。具体的な取り組み項目は以下のとおりです。
① 人権方針の制定
② 人権デュー・ディリジェンスの実施
③ 人権教育
④ 人権に関する相談・通報窓口(苦情処理メカニズム)の設置
詳細については、当社webサイト(https://www.necap.co.jp/csv/humanrights.html) をご参照ください。
当社グループは2023年4月、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定いたしました。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値の創造)は継続しながら、気候変動対応をはじめとする社会課題の多様化、先端技術の発展、将来の産業や社会生活の大きな変化に対応するべく、CSV経営と親和性の高いSDGsに同期する2030年を新たなグループビジョンのゴールとしました。
これまで私たちはリース事業を通して、環境に配慮した製品の導入、高度な3R処理による資源循環により循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してきました。一方で、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」は、資源効率の向上による環境負荷の低減のみならず、資源を循環利用し続ける世界、そこから発展し、新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会となることを想定しています。
この想定する社会において、当社グループはキャピタルソリューションの革新により、モノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービスを提供し、環境と成長の好循環を実現すると共に、多様化するお客様と社会の課題解決を通して、「次世代循環型社会」の実現を目指してまいります。
こうした取り組みの中、リスクマネジメント(管理)とリスクコントロール(制御)は事業展開を決定する重要な要素のひとつであると捉え、収益の源泉として管理すべきリスクと収益の源泉とはならない削減すべきリスクに分けて考えております。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
(1) 気候変動に係るリスク
地球規模の気候変動に係るリスクが、中長期的な将来のものではなく、今そこにある危機として認識されるようになってきました。昨今の異常気象がもたらすビジネス上の損失は、個別企業によっては事業継続上無視できないレベルに達しており、日々の経営判断においても気候変動に係るリスクを意識することが必要になってきたと認識しております。
こうした状況を踏まえ、当社はTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同すると共に、その枠組みに準拠したPDCA体制を構築し、気候変動に係るリスクへの対応を開始しております。
(2) 信用リスク
当社グループでは、リース事業やファイナンス事業等の与信を伴う各種事業を営んでおります。新規取引時は、顧客の信用状況のほか、リース取引についてはリース物件の将来中古価値等も勘案し、海外取引についてはカントリーリスクも含めて、厳格に審査を行っております。また、取引開始後は定期的に顧客の業況をチェックし、財務状況や市場動向の変化を把握できるように管理をするとともに、信用リスクの程度に応じて、担保・物件処分等による回収見込額及び貸倒実績率等を勘案した貸倒引当金の計上を行っております。
さらに、既存顧客ごとの信用状況や業界毎の市場動向を定期的に検証し、特定の企業や業種に与信残高が集中しないように、ポートフォリオ管理を行っております。
しかしながら、リース事業やファイナンス事業は回収期間が中長期にわたることから、景気変動やその他の事由により延滞・倒産等不測の事態を蒙り、貸倒損失又は貸倒引当金繰入の負担が増加して当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性はありますが、その場合においてもリース物件や担保資産の売却等で債権保全・回収の極大化に努めております。
(3) 流動性リスク
当社グループは金融情勢の変動に対して柔軟に対処していくため、特定の資金調達先や調達方法に依存しないよう留意しております。直接調達においては、社債、コマーシャル・ペーパーの発行等調達方法の多様化を図りつつ安定調達に注力し、間接調達においては、主要金融機関との良好な関係を維持しつつ幅広く多くの金融機関と取引を行っております。
直接調達については格付機関より短期債及び長期債の格付けを取得しておりますが、今後の業績の変動等により当社グループの格付けが見直された場合や、市場の混乱等により、市場において資金調達が困難となり、通常よりも著しく不利な金利水準での資金調達を余儀なくされる場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は1,102億98百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は2,765億63百万円となっております。
(4) 金利変動リスク
一般的にリース会社は、リース事業やファイナンス事業等の成約に伴い、対象物件の購入資金や貸付資金のため、必要資金の多くを金融機関等から調達しております。このため、当社においても長・短借入金等を中心とする有利子負債比率が高くなっております。2024年3月の日銀金融政策決定会合においてマイナス金利の解除及びイールドカーブコントロール政策の撤廃が決定され、以降、長短金利は上昇傾向にあります。市場金利が急激に上昇した場合は、調達コストの増加につながり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、営業資産・負債の総合管理(ALM)を実施することにより金利変動リスクの低減に努めております。
(5) 為替変動リスク
当社グループでは、外貨建の案件を一部取り扱っており、為替相場の急激な変動により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、基本方針である外貨建営業資産とバランスさせた外貨建調達を実行することで為替変動リスクの低減に努めております。
(6) 残価変動リスク
当社グループでは、中古価値が見込めるリース物件を対象にリース満了時の残存価値(以下、「残価」という。)を設定したオペレーティング・リースを展開しております。この取引では、リース満了時に返還された物件を、当初設定した残価を上回る価格で売却することにより利益を得る可能性を有する半面、売却価格が残価を下回る場合には損失が発生するリスクを有しております。
そのため予想を上回る市場環境の変化や技術革新等によって、当該物件の処分価格が残価を下回った場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、定期的なモニタリングの実施とリスク量の計測を行うと共に、物件の種類や満了時期を分散させることで残価変動リスクの低減に努めております。
(7) 株価及び有価証券価格変動リスク
当社グループでは、上場・非上場の株式及び債券を保有しております。これらの資産の価格は変動するものであり、その価値は将来著しく下落する可能性があります。価格が著しく下落した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらの変動リスクの対処としては、当社グループが許容する範囲内に当該リスク量を収めるべくリスク管理を行っており、当社グループのリスクの管理低減に努めております。
(8) 不動産価格変動リスク
当社グループでは、販売用不動産を保有しております。販売用不動産は、不動産時価が下落した場合、評価損が発生し、また売却時に売却損が発生する可能性があります。不動産担保ローンや建物リース、また不動産からのキャッシュ・フローを返済原資とするノンリコースローンにおいては、取引の対象となる不動産の価値が目減りし、当該取引の債権の与信が悪化する可能性があります。不動産価格の変動が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは、不動産関連与信の集中状況を確認しながら取引審査を厳格に行うと共に、その後の与信管理にも万全を期し、担保として設定されている不動産の再評価に注力し、健全な債権内容の維持に努めております。
(9) 海外投資のリスク
当社グループでは、海外の企業に対する投融資を行なっております。これら投資先の経営状況の悪化、株式・債券市場の市況の悪化及び海外投資における国・地域固有の政治・経済・社会情勢の変動によるカントリーリスクの顕在化等による事業環境の変化が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクの対処として、海外営業取引に関するカントリーリスクの管理制度を定めており、特定の国へのリスクへの集中や過大なリスクの管理低減に努めております。
(10) SBI新生銀行グループとの関係
当社グループは、2024年10月2日、株式会社SBI新生銀行の持分法適用関連会社となり、当社グループはSBI新生銀行グループに属する総合金融サービス会社として、以下の3つの観点からシナジーを生み出していく予定です。
① リース事業におけるシナジーの期待:
当社グループと昭和リースが相互の強みを補完することで、リース事業における新たな事業機会を創出
すること
② 中期計画2025における注力事業におけるシナジーの期待:
NECキャピタルソリュ―ションとSBI新生銀行がストラクチャードファイナンス分野での連携によ
る投融資事業のさらなる強化を図ること
③ 地域貢献、地方創生におけるシナジーの期待:
SBI新生銀行と昭和リースが介在し、NECキャピタルソリューションと地域金融機関及びリース子
会社が不動産リース、ヘルスケアアセット、再生可能エネルギー等の分野におけるお客さまの多様なニー
ズに対応すること
これらのシナジーの期待について、その各種施策の進捗状況によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) NECグループとの関係
当社グループは、2024年10月2日の資本異動により日本電気株式会社(以下「NEC」という)の持分法適用関連会社ではなくなりました。筆頭株主の異動はあるものの、当連結会計年度末現在において、NECは引き続き当社株式を17.61%保有する第二位の大株主として関係を維持しており、当社グループは引き続きNECグループ向けに金融サービスを提供する重要なパートナーとして、一層の事業連携を推進していきます。なお、当社グループにおけるNEC製品・サービスの取扱比率の高さから、NECの業績動向が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 設備投資の動向及びリース業界における競合
当社グループが基軸として事業展開しているリース事業は、顧客が設備投資を行う際の資金調達手段の一つとなっております。従いまして、経済環境の急激な変化や顧客の経営状況の悪化等で設備投資需要が大幅に減少した場合、当社のリース事業の取扱高が減少し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、リース業界では依然として多くのリース業を営む会社が存在しており、金融緩和による料率競争も激しく、厳しい競合状態にあります。こうした市場環境の下で、当社グループは中長期的な経営戦略に基づき、特色を生かしつつ収益体質を一層強化し競合に対処する方針であります。
(13) 自然災害によるリスク
当社グループは、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある地震及び台風等の自然災害や感染症の流行等に対し、費用対効果を検討の上、事業活動への影響を最小化するための対策を実施しております。
(14) 制度変更リスク
当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準に基づき、リース取引等の各種事業を行っております。現行の制度や基準が将来大幅に変更された場合には、商品・サービスのメリット喪失や、規制対応へのコスト増加等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対し、当社は既存の顧客基盤を深耕すると共に新規顧客の開拓を行いながら、顧客の経営資源に関わるさまざまな課題に対して解決策を提供することで、収益性向上とリスクの低減に取り組んでまいります。
(15) 重要情報漏えいリスク
当社グループは、業務に関連して多数の機密情報や個人情報を保有しており、機密情報の漏えいが生じた場合には、罰則・損害賠償による損失、業務停止処分、信用の低下及び風評の悪化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクへの対処として、当社グループでは情報セキュリティ教育やアクセス制御等の情報セキュリティ管理体制の整備を通じ、人的・物理的・技術的対策を講じております。
(16) システムリスク
当社グループでは、様々な情報システムを使用し業務を行っております。従業員の不適正な事務・事故・不正等、自然災害及びシステム障害等により情報漏えいや業務が中断するリスク等が想定されます。
情報システムに重大な障害が発生した場合には、営業関係業務を中心に支障をきたすとともに当社グループへの信頼が損なわれ、当社グループの業績等に影響が及ぶ可能性がありますが、こうしたリスクへの対処として、これまでに情報システム機器のコンピュータ専用ビルへの移転、高速専用回線用バックアップ回線装備、外部不正アクセス防止強化及びシステム障害に即座に対応するための専門要員配置等を行っており、今後とも一層の情報システム管理の整備・強化に努めてまいります。
(17) 人材の育成・確保に関するリスク
当社グループの事業を展開する上で必要な人材を育成または雇用できない場合や雇用している人材が退職した場合等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、事業展開上必要なノウハウの承継や新たな事業への取り組みの鍵は従業員であり、従業員の能力こそが会社にとっての大きな財産であると考え、採用活動の強化や計画的な教育・研修活動の強化に努めております。
(18) 内部統制の構築等に係るリスク
当社グループにおいて、財務報告にかかる内部統制が有効に機能しなかった場合、或いは想定外の問題が発生した場合等の要因により、当社の内部統制部門または当社の会計監査人が当社の財務報告にかかる内部統制について重大な欠陥を指摘し、財務報告にかかる内部統制が有効でないと報告する可能性があります。
このような事態が発生した場合、当社の財務報告に関する投資家の信頼低下等に基づく、当社株価の下落等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは、財務報告にかかる内部統制を構築し内部統制の有効性の確保と評価に努めております。
(19) コンプライアンスリスク
当社グループは、業務を行うに際して、会社法、貸金業法、金融商品取引法、宅地建物取引業法、個人情報保護法及び独占禁止法等の法令等の適用及び規制当局の監督を受けております。また、海外においては現地の法令等の適用や規制当局の監督を受けております。
これらについて違反が生じた場合には、罰則・契約解除・損害賠償による損失や、業務停止処分、登録・届出資格抹消、信用の低下、風評の悪化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「NECキャピタルソリューショングループ行動規範」を定め、コンプライアンス教育や内部通報制度を通じて、法令等のみならず広く社会ルールの遵守徹底に努めております。
(20) 人権リスク
当社グループは、人権の尊重を経営における重要課題の一つであると認識し、「NECキャピタルソリューショングループ人権方針」を定め、グループ全体で人権尊重の取り組みを実践することにより社会的責任を果たします。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、事業活動やサプライチェーンを通じた人権リスクを評価・特定し、人権リスクの防止・軽減に継続して努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、公示地価上昇率や春闘賃上げ率がバブル期以来の伸びを記録したことなどを背景に、2024年3月のマイナス金利解除後、2度の利上げが決定されるなど、デフレからの脱却とインフレ経済への回帰が見られるようになりました。7月には日経平均株価が史上最高値を更新し、個人消費の復調やインバウンド需要の高まりから景況感も大幅に改善する兆しを見せていましたが、8月の株価暴落やその後の横ばい相場が示す通り、円安や国内の人手不足、海外景気の減速などから完全なデフレ脱却には至らず、2025年1月の利上げ以降、株式市場も弱気相場へと移行しました。また国内では10月の衆議院選挙において与党が過半数割れとなり、11月のアメリカ大統領選挙ではトランプ元大統領が当選するなど、国内外の政局や経済政策の先行きに不透明感が増す状況となっています。このような国内外の環境変化を踏まえ、今後の経済活動の見通しについては引き続き注視していく必要があると考えています。
当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2024年4月から2025年3月累計のリース取扱高は、前期比9.8%増の5兆847億円となっています。(出典:2025年5月29日付公表 公益社団法人リース事業協会「リース統計」)
このような状況下において、当社リース事業の契約実行高は前期比23.3%増、成約高は同2.2%減となりました。契約実行高が伸長しているのは、官公庁を中心に案件計上が順調に推移した結果であります。また、成約高は前期比微減となっていますが、これは前期に官公庁の大型案件の計上があったことによるものであり、その影響を除くと実質前期比増加の内容となっています。
ファイナンス事業においては、企業融資の減少はあるもののファクタリングの伸長により、契約実行高、成約高共に前期並みの結果となりました。
インベストメント事業においては、売上高は不動産売却やファイナンス収益の増加により前期を上回りましたが、前期に与信コストの戻入益を計上していた反動から営業利益については前期を下回りました。
その他の事業においては、太陽光売電収益や手数料収益等が好調に推移したものの、前期にヘルスケア施設の売却収益を計上したことにより、売上高は前期比減、販管費の増加に伴い営業利益についても前期を下回る結果となりました。
経営成績については、売上高はリース事業が前期を上回ったものの、前期に大型の売却案件計上を行ったファイナンスを中心に前期比減となりました。第4四半期に見込んでいた大型売却案件の計上時期が翌期になったことに加え、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価の増加に伴い、売上総利益は前期比減となりました。またシステム関連費用の増加等により営業利益は前期比減、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期を下回る結果となりました。
以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,548億79百万円(前期比0.4%減)、営業利益77億82百万円(同33.5%減)、経常利益94億37百万円(同20.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益66億11百万円(同6.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
売上高は、前期比0.3%増の2,291億95百万円となったものの、営業利益は前期に大型の賃貸資産の売却があったことに加え、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価や販売費及び一般管理費の増加等により、前期比10億97百万円減少の43億66百万円となりました。
売上高は、配当収益の減少等により前期比16.5%減の76億3百万円となり、営業利益は貸倒引当金繰入額の減少があったものの、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価の増加等により前期比4億36百万円減少の28億84百万円となりました。
売上高は、前期に大型の営業投資有価証券の売却があったものの、販売用不動産の売却収入、賃貸不動産の賃貸収入及び営業貸付金の金利収入等の増加があったことから、前期比0.8%増の138億18百万円となりましたが、営業利益は貸倒引当金繰入額の増加等により、前期比18億79百万円減少の21億94百万円となりました。
売上高は、不動産の賃貸収入や太陽光売電売上が増加しているものの、前期に販売用不動産の売却があったこと等から、前期比6.7%減の43億78百万円となり、営業利益は販売費及び一般管理費の増加等により、前期比1億3百万円減少の5億23百万円となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,074億34百万円増加し、1兆2,247億97百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金が564億53百万円、リース債権及びリース投資資産が226億35百万円、販売用不動産が170億35百万円、有形固定資産の賃貸資産が147億90百万円増加したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べて1,018億39百万円増加し、1兆824億12百万円となりました。主な要因としては、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が508億53百万円、短期借入金が481億54百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて55億95百万円増加し、1,423億85百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により35億96百万円、繰延ヘッジ損益が17億65百万円増加したことによります。
当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。
当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。
また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。
なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。
資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は1,102億98百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は2,765億63百万円となっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、1,100億97百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は340億5百万円(前期は213億44百万円の支出)となりました。これは主に減価償却費302億53百万円の計上があったものの、賃貸資産の取得による支出377億45百万円並びにリース債権及びリース投資資産の増加額226億35百万円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は150億10百万円(前期は83億13百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入192億5百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出309億87百万円及び社用資産の取得による支出32億16百万円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は1,056億41百万円(前期は493億43百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,786億45百万円があったものの、長期借入れによる収入2,297億50百万円及び短期借入金の増加額512億99百万円があったことによります。
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。
①貸付金の種別残高内訳
2025年3月31日現在
②資金調達内訳
2025年3月31日現在
③業種別貸付金残高内訳
2025年3月31日現在
④担保別貸付金残高内訳
2025年3月31日現在
⑤期間別貸付金残高内訳
2025年3月31日現在
①契約実行高
当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社と同子会社であるNCSアールイーキャピタル株式会社の取引が大半を占めているため、両社の状況について合算して記載しております。
(注)リース事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。
②営業資産残高
当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度におけるインベストメント事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が30,012百万円、買取
債権が10,709百万円、営業投資有価証券が26,556百万円、販売用不動産が15,748百万円、賃貸資産が
28,537百万円、投資有価証券が40,474百万円となっております。
③営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。
2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。
①リース事業
情報通信機器、事務用機器及びその他各種設備機器等のリース・レンタル・割賦販売
リースに関連する物品売買、満了・中途解約に伴う物件売却及びリース機器の保守サービス等
②ファイナンス事業
金銭の貸付、ファクタリング及び配当収益の収受を目的とする有価証券投資等
③インベストメント事業
有価証券の売却益の収受を目的とするベンチャー企業向け投資等
株式会社リサ・パートナーズが行っているアセット、不動産及びアドバイザリーの各ビジネス
④その他の事業
賃貸レジデンス・ヘルスケアウェアハウジング事業、再生可能エネルギー発電・売電事業、PFI・PPP事業、観光事業及びその他各種サービス等
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。
当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。
貸倒引当金
当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。
当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。
当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおり、営業債権の貸倒損失に備えるため、顧客の信用リスクの度合いに応じて債務者区分を決定し、債務者区分に基づき債権を一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等に分類しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により計上しております。貸倒懸念債権のうち、今後の債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積ることができ、与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、キャッシュ・フロー見積法により計上しております。上記以外の貸倒懸念債権及び破産更生債権等については、保全による回収見込額に加え債務者の財政状態及び経営成績を考慮して個別に回収可能性を検討することにより、回収不能見込額を計上しております。
債務者区分の判定は、予め定めている債務者区分別引当基準に基づき、延滞情報を含む返済状況及び顧客の財務指標等の定量的要因並びに将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を勘案して行っております。
当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化や顧客の経営成績・財政状態の悪化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を被り、翌連結会計年度に追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高2,548億79百万円(前期比0.4%減)、営業利益77億82百万円(同33.5%減)、経常利益94億37百万円(同20.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益66億11百万円(同6.0%減)となりました。売上高はリース事業が前期を上回ったものの、前期に大型の売却案件計上を行ったファイナンスを中心に前期比減となりました。第4四半期に見込んでいた大型売却案件の計上時期が翌期になったことに加え、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価の増加に伴い、売上総利益は前期比減となりました。またシステム関連費用の増加等により営業利益は前期比減、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期を下回る結果となりました。
当連結会計年度における「中期計画2025」の3つの事業戦略、経営基盤強化戦略、並びに非財務目標の進捗は以下の通りです。
事業戦略① サービス事業の拡大、新たな循環型サービスを創出
非金融サービス領域はパートナーとの連携強化等により着実に拡大しています。当社のアセットソリューション事業は、主にヘルスケア施設関連の不動産投資を行ってきましたが、投資対象をレジデンス分野にも拡大し、マンションディベロッパーと共同した新規物件の開発等の取り組みを進めています。具体的には賃貸レジデンスシリーズ「CLARITIA/クラリティア」の開発に取り組み、すでに複数の物件が竣工しています。太陽光発電事業においては、パートナー拡大により、電源開発及びセカンダリー案件取得機会が増加、アドバイザリーやPFI等フィービジネスにおいては収益向上策を展開しました。加えて、ICT領域におけるサブスクリプションモデルや付加機能の拡充に向けて、新たな循環型サービス「メーカー保証付き再生PC」の提供を開始しました。なお、本取り組みは「21世紀金融行動原則運営委員長賞」を受賞しております。
事業戦略② 注力事業への戦略的投資による成長加速
ICT関連サービス事業は着実に伸長、PC-LCMサービス顧客を拡大するとともに、IT資産管理など付加価値の提供が進みました。更に、Windows11の更新需要を着実に取り込み、大型案件の受注拡大により営業成績は伸長しております。金融プロダクトの領域拡大、LBOファイナンスやエクイティ等共同投資の取り組みを推進し、キャピタルゲインの実現を伴いながら、収益性向上に向けた資産の入れ替えを継続しております。また、リサ・パートナーズにおける収益安定化と持続的な成長投資に向けて大型のインカムゲインアセットの取得が計画通り進捗したことも成果と考えています。
事業戦略③ ベンダーファイナンスの強化および顧客基盤拡充
リース事業の契約実行高が前期比20%以上の伸長となるなど、ベンダーファイナンスの強みを活かし官公庁自治体の大口案件を複数獲得しました。ベンダーと連携したクラウドサービス等の月額提供モデルの取り組み、ベンダー支援強化に加え、お客様の課題解決に向けた様々なサービス提供のため体制見直しを実施、人材育成、社内協業体制を強化しました。GIGAスクール構想の第二期への対応についても着実に取り組みを開始し、すでに複数の案件を獲得しております。
経営基盤強化戦略及び非財務目標の進捗
経営基盤強化戦略としては、グループビジョン・中期計画浸透に向けた対話会を全社で継続実施すると共に、働き方、カルチャー変革に向けた各種制度の見直しを行い、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを進めております。前期に続きCDP気候変動レポートにおける「A-」スコアを維持するなど、気候変動対応についても取り組みを継続強化しております。なお、2024年5月にはDX人材の育成強化を目的とする全社的な教育プログラムを開始し、DXを強力に推進することによる業務の効率化や収益性の向上に加え、グループビジョン実現につながる新たなビジネスを創出する基盤の構築を進めております。また、大株主の異動に伴うシステムインフラ、制度変更等についても遅滞なく対応をしております。
「中期計画2025」においては、財務目標と共に非財務目標も公表いたしました。環境・社会課題と人的資本の観点から7項目を抜粋して対外的にも目標をコミットすると共に、これら7項目は常勤取締役の成果目標としてKPIに採用しています。一部進捗の遅れがある目標はあるものの、当期の進捗はおおむね順調に推移しています。進捗の遅れがある項目については、「中期計画2025」の最終年度である2026年3月期に計画を達成できるよう、体制強化や適切な施策を実行して参ります。
当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フローは共に、問題ない状態と考えております。外貨調達に関しては米国政策金利が段階的な利下げ局面にある中でトランプ政権の施策により米国市場の長期金利は上昇する場面もあり、今後の動向を注視する必要があると考えておりますが、当社の外貨建営業資産については、原則固定金利営業資産に対して固定金利調達を行うことにより金利変動リスクをヘッジしております。円貨調達に関しては、会計年度を通じて安定した調達を行うことができましたが、2024年3月の日銀金融政策決定会合におけるマイナス金利解除以降、日銀は段階的な利上げを実施しており、今後の動向に注視が必要と考えております。市場金利も上昇傾向にありますが、金利リスクについては高いヘッジ比率を維持しており、問題ないものと考えております。
なお、当連結会計年度においては、特筆すべき資本的支出はありません。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
リース事業
リース事業の営業状況におきましては、リース業界全体の国内リース取扱高は、前期比9.8%増の5兆847億円(2025年5月29日付公表)となっています。このような状況下において、当社リース事業の契約実行高は前期比23.3%増、成約高は同2.2%減となりました。契約実行高が伸長しているのは、官公庁を中心に案件計上が順調に推移した結果であります。また、成約高は前期比微減となっていますが、これは前期に官公庁の大型案件の計上があったことによるものであり、その影響を除くと実質前期比増加の内容となり、足下の営業活動については順調に進捗していると考えています。なお当連結会計年度のセグメント損益については、売上高は、前期並みを確保したものの、営業利益は前期に大型の賃貸資産の売却があったことに加え、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価や販売費及び一般管理費の増加等により前期比減少となりました。営業利益においては前期比マイナスとなりましたが、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価の増加や前期に計上した大型の売却案件の利益を除いた基礎収益は着実に改善しており、収益力の向上が実現できていると考えています。なお、今後の見通しについては、ベンダーファイナンスの強化を含む付加価値の向上により、持続的な成長を描けるものと考えています。
ファイナンス事業
ファイナンス事業においては、企業融資の減少はあるもののファクタリングの伸長により、契約実行高、成約高 共に前期並みの結果となりました。なお当連結会計年度のセグメント損益については、第4四半期に見込んでいた大型売却案件の計上時期が翌期になったことや、主要株主の異動に伴う一時的な資金原価の増加等により売上総利益は前期比減少となりましたが、これは一過性の要因によるものと考えております。今後の見通しについては、計上時期が翌期にずれた案件の確実なクロージングに加え、資産の入れ替えを行いながらキャピタルゲインを獲得していくことにより、持続的な成長を描けるものと考えています。
インベストメント事業
インベストメント事業においては、売上高は不動産売却やファイナンス収益の増加により前期を上回りましたが、前期に与信コストの戻入益を計上していた反動から営業利益については前期を下回りました。しかしながら、営業外損益に計上されている収益や非支配株主に帰属する当期損益を勘案すると、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を上回る水準を確保しております。なお、今後の見通しについては、2025年度はリサ・パートナーズ、ベンチャーファンドビジネス双方において、既に投資した案件のバリューアップ及び回収最大化を目指すと共に、リサ・パートナーズについては更にインカムゲインの獲得など多様な収益の組み合わせにより、利益の拡大を図っていく予定です。
その他の事業
その他の事業においては、太陽光売電収益や手数料収益等が好調に推移したものの、前期にヘルスケア施設の売却収益を計上したことにより、売上高は前期比減、販管費の増加に伴い営業利益についても前期を下回る結果となりました。再生可能エネルギー、ヘルスケア領域については、引き続き安定的な収益確保が可能と考えており、SBI新生銀行グループとの協業による取り組み機会の拡大も図れるものと考えています。なお、ファイナンス事業と同様に、資産の入れ替えを行いながらキャピタルゲインを獲得していくスキルノウハウが蓄積されてきたことは成果と考えています。
c. 目標とする経営指標の達成状況等
経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2025」において、連結ROA(連結当期純利益÷連結営業資産残高平残)を公表いたしました。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3か年における収益性の向上を図るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAの実績は0.65%と目標未達となっておりますが、これは主に、主要株主の異動に伴う一時的な費用増や大型売却案件の計上時期の期ずれなど一過性の要因によるものであり、「中期計画2025」で掲げた諸施策の継続的な遂行により、最終年度の目標達成を目指してまいります。
d. 気候変動への対応について
事業等のリスクにおいても記載した通り、地球規模の気候変動に係るリスクが、中長期的な将来のものではなく、今そこにある危機として認識されるようになってきました。昨今の異常気象がもたらすビジネス上の損失は、個別企業によっては事業継続上無視できないレベルに達しており、日々の経営判断においても気候変動に係るリスクを意識することが必要になってきたと認識しております。
工場等の製造設備を持たない当社にとって、気候変動への対応は自社の環境負荷軽減活動以上に、事業活動を通した環境負荷軽減活動が重要になってくると考えております。当社はこれまでも「リースは循環型産業である」という考え方のもと、各種取り組みを進めてまいりましたが、こうした状況を踏まえTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同すると共に、その枠組みに準拠したPDCA体制を構築し、気候変動に係るリスクへの対応を推進しております。
2025年度のわが国経済は、トランプ米政権が発動した高関税政策がグローバルな自由貿易にどの程度の影響を与えるかによって大きく変動する可能性が出てきました。世界各国で相互関税が実施された場合、世界的な貿易活動の減少やサプライチェーンの混乱が生じるとともに、輸入コストの増加によるインフレから消費者の負担が増加するなど、国内経済にも悪影響が出るものと想定されます。デフレ脱却に向けた金融政策の正常化も停滞を余儀なくされ、様々な不確定要因が金利のある世界での成長シナリオを阻害することになると思われます。
このような状況において、グローバルなテーマとして議論が重ねられてきたサステナビリティについて、当社グループはその重要性を不動のものであると考えています。有価証券報告書にも記載をしている通り、気候変動リスクについてはTCFD ( Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく取り組みを進めており、エンゲージメントの向上や人材の多様性確保などをはじめとした人的資本、人材の多様性に関する取り組みについても積極的に推進しています。
当社グループは、これまで掲げてきたCSV経営をさらに進化させるべく、2023年4月、SDGsのゴールでもある2030年に向けた新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を公表すると共に、「次世代循環型社会」の実現に向けた第一段階として「中期計画2025」を公表いたしました。グループビジョン実現に向けた最初のステップとなる「中期計画2025」では、2030年の目指す姿・持続的な成長実現に向けて変革に挑戦する3年間とし、CSV経営を実践し事業を通じてお客様と社会の課題を解決すると共に、次世代循環型社会の実現に向けて当社らしい循環型サービスを創出していきます。
上記方針のもと、2026年3月期の通期連結業績予想は、リース事業、ファイナンス事業の持続的な成長とインベストメント事業の収益拡大を図るとともに、SBI新生銀行グループとの事業シナジーを創出することにより、売上高は当期比15.7%増の2,950億円、営業利益は当期比99.2%増の155億円、経常利益は当期比69.5%増の160億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比51.2%増の100億円といたしました。
なお、配当予想につきましては、国内外の事業環境の不安定化への対応として内部留保の蓄積を図りながら、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策を維持し、当期と同様の1株当たり年間150円の配当(うち中間配当75円)を実施する予想とさせていただきました。
なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
該当事項はありません。