第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針・経営戦略等

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 経営方針

当社グループのビジネスは、(a)クラウドコンピューティング時代に技術革新をもたらす、情報基盤技術をインテグレーションする「情報基盤事業」、(b)最先端のアプリケーション・ソフトウェア技術と、蓄積されたベストプラクティスにより、顧客の抱える問題にソリューションを提供する「アプリケーション・サービス事業」の二つの事業モデルにより構成されています。

情報基盤(ネットワーク、セキュリティ、サーバ、ストレージ等)事業では、個別企業(エンタープライズ)向けのビジネスに加え、クラウドサービスを提供する事業者(通信キャリア、データセンター、大手システム・インテグレーター等)へのビジネス展開を加速させます。グループ企業と一体となって、保守、運用・監視を含むシステムのライフサイクル全てに跨るソリューションの提供を行います。

アプリケーション・サービス事業では、特定市場、特定業務向けのアプリケーション・パッケージの開発を加速し、パッケージ販売のみならず、クラウドサービス(SaaS)事業を積極的に推し進めます。インターネットサービス(含む金融)、医療、CRMの各分野で特徴ある製品とサービスの創出に努めます。また、組込み分野を中心にソフトウェアの品質(機能安全)を高めるための様々な技術とサービスも積極的に展開して行きます。

当社は2014年8月に創業30年の節目を迎えたことを機に、2015年5月22日に「次の30年に向けた土台固めと方向付け(成長遺伝子の確立)」を目的に中期経営計画「TMX 3.0」を発表しました。「TMX 3.0」では、従来のIT産業の労働集約的な請負型ビジネスからの脱却を標榜し、自らITサービスを創造し、ITサービスを提供する「次世代のITサービスクリエーター」、「次世代のITサービスプロバイダー」への変貌を実現することを基本方針としています。

目標とする経営指標としては、当社グループが経営の最重要課題の一つに掲げる「株主価値の向上」のための事業規模拡大が挙げられますが、収益力の強化及び収益の安定性向上も必要と考えております。収益力の指標として売上高営業利益率を、安定性向上の指標としてはストック比率を重視しており、当該指標の向上を目指しております(情報基盤事業におけるストック比率は適正範囲内で維持)。

 

② 経営戦略

当社グループの基本戦略については以下のとおりです。

a. 連結経営(グループ経営)の強化・拡大

グループ経営を通して、(a)インフラからアプリケーションまでの全てのソリューション・レイヤーをカバーしつつ、(b)要件定義から設計・開発・テスト、そして、保守、運用・監視までの全てのライフサイクルを網羅する「総合ベンダー」へと進化を図ります。ワンストップでこれらの機能を提供することにより、顧客とのグリップ力を強化することを目指します。レバレッジ成長戦略の一環として、M&Aも積極的に検討してまいります。

b. ストック型ビジネスの推進

保守、運用・監視、クラウドサービス(SaaS、HaaS等)、継続取引(キーアカウント創造)、キーアカウントへのクロスセル等、ストック型ビジネスの推進により、安定収益の拡大と持続的な成長を実現します。

c. 増収・増益基調の維持・拡大

技術革新が速く、ビジネスモデルの進化も速いIT業界において、変化への対応力を磨くと共に、時代を先取りする事業を推進し、継続してビジネス規模の拡大と収益力の向上を目指します。また、持続可能性を重視し、安定成長を実現するために、積極的に事業構造の変更にもチャレンジします。ITサービスは、ますます社会インフラ化し、IT設備を「保有」せず、「利用」する「クラウド」という大きな流れは加速度的に進展して行きます。従量課金方式や月額請求方式の利用料の徴収が基本となる「クラウド」サービスにおいては、売上と利益の認識が期間帰属する形で長期に亘り繰り延べ(経過処理)されることとなり、短期的には収益へのマイナス影響が発生しますが、短期的な痛みを伴っても、当社グループでは、中長期的な収益基盤の強化、安定成長の実現を推進します。

d. 専門性の追求

求められる技術的な専門性と対象業務領域の専門性をより深く追求して行きます。受動的に顧客要望に応えるのではなく、差別化できるソリューションを基にした業務改善提案を能動的に行います。対面市場(成長セクター)の見極めを行いつつ、業務ノウハウの蓄積と技術力の強化に努めます。

e. パートナー戦略

アプリケーション・サービス事業のビジネスは、直接取引を中心に、補完事業者とのパートナーシップによる水平分業による顧客獲得を図ります。情報基盤事業のビジネスは、チャネル活用(垂直統合)による間接取引を中心に顧客ベースの拡大を図ります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

① 収益の平準化

当社グループの収益構造は、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから、第2四半期末(9月末)及び通期決算期末(3月末)に役務の提供の完了及び売上計上が集中する傾向があります。現在、ストック型ビジネスの推進により、売上高が特定時期に偏重する季節性は薄れてきておりますが、顧客の決算が集中する3月の売上が他月と比較して依然多い状況が見られます。キャッシュ・フローを平準化し、また、技術者の業務集中及び不測の事態等により売上が翌期にずれる、いわゆる期ズレを防ぐためには、受注を平準化することが課題となります。対策として以下の4点が挙げられます。

a. 前決算期に受注を確定し、翌決算期に売上が計上されるような案件の受注を増加させる。
b. 特定顧客との安定的、長期的なビジネスを軸に年間を通してコンスタントに受注していく。
c. 継続的な保守サービス及びクラウドサービスの受注によりストック型ビジネスの比率を上げ、安定的な収益の計上を行う。

d. 積極的に新しいサービス(従量課金型クラウドサービス等)を立ち上げ、持続性、安定性のあるビジネスモデルを構築する。

 

② 人材の確保

当社グループでは、ITサービス産業において一般的な労働集約型ビジネスではない、より高付加価値なストック型ビジネスの拡大を目指しておりますが、更なる成長に向けては、優秀な人材の確保・育成は不可欠であります。ITが全産業分野に浸透して行く中、IT人材の獲得競争は、同業者間のみならず、異業種やベンチャー企業の間でも熾烈さを増しています。今後、事業を拡大していくためには、人材の確保が生命線となり、優秀な従業員を継続的に採用していく必要があります。新卒の定期採用においては、潜在能力の高い人材を、また中途採用においては、即戦力として活用できる経験者を幅広く採用します。
  

③ 生産性の向上(コスト削減・品質向上・納期遵守)

人的リソースの量的拡充だけに頼らず、新規事業の拡大と同時に採算性を向上するためにはPMO(Project Management Office)室を中心に、開発効率の向上(コスト削減)、サービス品質の向上、納期の順守のための努力を継続します。システムの開発にあたってはオフシェア開発(開発業務を海外に委託)、ニアショア(開発業務を国内の遠隔地に委託)への取り組みも推進します。

 

④ 市場環境(ニーズ)の変化への迅速な対応

オープンソースの普及、クラウド化の流れとともに、ソフトウェア開発の内製化が加速しています。ITは技術的専門性の高い企業だけが扱えるという時代は終焉を迎えようとしています。当社グループの対応としては以下の4点が挙げられます。

a. これまで展開してきた特定顧客向け受託開発のための技術リソースを「自社独自サービスの開発」、「自社付加価値を高める」方向へと戦略的にシフトします。

b.特定市場、特定業務をターゲットにしたベストプラクティスである自社独自クラウドサービスのビジネス展開を加速します。

c. ビッグデータ解析、BI(Business Intelligence)、AI(人工知能)等を利用し、クラウドサービスを通じて得られたデータの利活用を検討します。 

d. 製品販売とサービス展開における即効性のあるシェア拡大策、事業拡大策として、オープンイノベーションを意識し、ベンチャー企業を含む外部企業や大学、異業種、同業他社や当社グループの事業を補完しうる事業者に対する事業提携やM&Aについて積極的に検討を進めて行きます。
  

⑤ 海外市場の開拓

国内情報サービス産業においては、クラウドサービスが普及し、IT投資に分野毎の濃淡が出始めている中、よりグローバルな視点で当社事業を拡大する必要があります。成長を続けるアジア新興国を中心とした海外市場に対して自社開発の製品やサービスの輸出事業を展開していきます。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。また、必ずしも事業上のリスクに該当しないものについても、投資判断上重要と考えられる事項について積極的に開示しております。但し、当社グループの事業リスクを必ずしも全て網羅するものではないことをご留意ください。
 

(1) 海外ベンダーとの取引について

当社グループの取扱い製品には、Palo Alto Networks, Inc.(米国)をはじめ、海外のネットワーク機器メーカやソフト開発ベンダー等の製品が当連結会計年度において仕入金額の5割程度含まれております。更に、新規性の高い技術を扱うという当社グループの事業戦略上、当社グループの仕入先には小規模な海外ベンチャー企業も含まれております。こうした仕入先が買収された場合、日本法人を設立して販売網の見直しを行う場合、或いは倒産した場合等には、当社グループが従来同様の販売代理権を継続できる保証はなく、場合によっては製品の調達が困難となる可能性もあります。当社グループでは、仕入先との関係強化に日頃から努めておりますが、万が一当社グループの主力製品の仕入に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があります。
 

(2) 取扱い製品の競争力について

当社グループの取扱い製品は、現時点において、各製品分野でデファクト・スタンダード(実質的な業界標準)となった競争力の高い製品が中心であると認識しており、また、ソリューションやインテグレーション等の付加価値の高いビジネスを増やすことで仕入先の競争力低下による影響を受けにくい事業構造への改善を進めております。しかしながら、IT業界の技術革新は著しく、競争も激化しているため、当社グループもしくは仕入先による技術革新への対応や価格低下への対応が遅れた場合、当社グループの事業の競争力が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
 

(3) 当社グループの競争力について

当社グループは、最先端製品の調達、コールセンターや医療等特定業務分野におけるパッケージソフトの開発やクラウドサービスの提供等により、各事業において競合他社との差別化と付加価値の確保に努めております。しかしながら、当社グループが先行する分野への大手企業の参入、新興企業の台頭等により当社グループの競争力が低下する可能性があります。また景気の低迷等によって企業のIT投資が抑制されるような環境下においては、他社との価格競争の激化により売上高及び利益が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
 

(4) システム障害の可能性について

当社グループが提供するシステムやクラウドサービスは、顧客業務において重要な役割を担っています。これらのシステムやクラウドサービスにおいて、不具合やオペレーションミス等により重大な障害が発生した場合、発生した損害の補償を求められることや、当社グループ全体の信用力やブランドイメージにも悪影響が及ぶことが考えられ、当社グループ全体の事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
 

(5) 為替変動による影響について

当社グループの取扱い製品のうち、海外から仕入れた製品の大部分は米ドル建で契約しております。当社グループは為替変動によるリスクをヘッジする目的で先物為替予約を行っており、また状況に応じて販売先に対する価格交渉を行っておりますが、必ずしもすべてのリスクをヘッジできるものではなく、為替相場の急激な変動があった場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
 

(6) 在庫について

当社グループでは、取扱い製品の一部を在庫として保有しておりますが、新技術の出現、競合品の台頭等によって在庫が陳腐化する可能性があります。こうした要因により評価損の計上や廃棄処分を余儀なくされた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
 

(7) 受託開発案件の採算について

当社グループがアプリケーション・サービス事業で行う受託開発は、プロジェクトの見積りの誤り、作業進捗の遅れ、瑕疵担保責任の履行等により、自社での超過経費の負担が発生し、プロジェクトの採算が悪化する可能性があるほか、検収遅延により売上計上や代金回収の遅れが発生する可能性があります。

 

(8) M&A、資本・業務提携について

当社グループは、シェア拡大及び事業規模拡大策として、同業他社や当社グループの事業を補完しうる他社等に対するM&Aや資本・業務提携の実施を経営の重要課題と位置付けております。
 M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューディリジェンスを行い、各種リスクの低減に努めておりますが、デューディリジェンスの実行後、これらの調査で確認・想定されなかった事象が判明あるいは発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、M&A等が当社の予測通り円滑に進捗するとは限らず、M&A等の結果、仮に実施に至ったとしても、当社が想定した事業上のシナジーや事業の効率化等の効果が生じる保証はなく、また当社グループの収益構造が変化する等のディスシナジーが生じる可能性もあります。
 また、当社グループは、M&Aや資本・業務提携等により関係会社、取引先等の株式を保有しております。そのうち市場性のある株式については、株価が著しく下落した場合に減損処理を行う必要があります。市場性のない株式については、当該株式の発行会社の財政状態が著しく悪化した場合に減損処理を行う必要があります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 法的規制について

当社では、2015年9月30日施行の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正」(第2条、第2章第2節関係)に基づき、2017年11月1日付で労働者派遣事業の許可を取得しております。クロス・ヘッド株式会社ならびに沖縄クロス・ヘッド株式会社においては、エンジニアの派遣事業を行っており、2015年改正派遣法附則3条1項に基づく労働者派遣事業許可を取得しております。

アプリケーション・サービス事業の医療分野では、2005年4月に施行された改正薬事法において、当社が開発・販売する医用画像システムの一部の製品が「管理医療機器」と指定されました。これに伴い、薬事法における製造業、製造販売業、販売賃貸業の許可を取得しております。更に、その薬事法を元に2014年11月に改定された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」への対応も行っております。また、診療報酬の改訂によって当該分野の業績に影響が及ぶ可能性があります。

CRM分野、インターネットサービス分野、医療分野においては、電気通信事業法施行規則第9条第1項に基づく電気通信事業の届出を行っており、同届出に基づくサービスの提供を行っております。株式会社カサレアルにおいても、2015年9月30日時点で労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の規定に基づく特定労働者派遣事業の届出を行っており、2015年改正派遣法附則6条1項に基づき、「その事業の労働者が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業」を行っております。

当社グループでは、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、関連法令の制定・変更及び行政対応等の動向によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(10) 検収時期による業績の変動について

当社グループでは、ストック型ビジネスの推進により、売上高が特定時期に偏重する季節性は薄れてきておりますが、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから第2四半期末(9月末)及び通期決算期末(3月末)に役務提供の完了及び売上計上が一部で集中する傾向があります。特に顧客の決算期末が集中する3月にはその状況が顕著に表れる傾向があります。このため、技術者の業務集中又は不測の事態等により役務提供の完了及び売上計上が第2四半期末又は決算期末を超えて遅延した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(11) 人材の確保

当社グループでは、ITサービス産業において一般的な労働集約型ビジネスではない、より高付加価値なストック型ビジネスの拡大を目指しておりますが、更なる成長に向けては、優秀な人材の確保・育成は不可欠であります。当社グループでは、新卒の定期採用においては、潜在能力の高い人材を、また中途採用においては、即戦力として活用できる経験者を幅広く採用しております。

ITが全産業分野に浸透して行く中、IT人材の獲得競争は、同業者間のみならず、異業種やベンチャー企業の間でも熾烈になってきております。今後、当社グループが事業拡大に必要な人材を十分に確保・育成できない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

   

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における世界経済は、全体としては穏やかな成長を続けているものの、北朝鮮や中東地域を挟んでの地政学的緊張が続いており、依然として不安定な状況が続いています。米国経済は、堅調な株価に支えられ、緩やかな景気拡大が続いています。一方、トランプ大統領の経済・外交政策が、今後の米国経済、世界経済の波乱要因になるという懸念も拭えません。法人税大幅引き下げを含む米国の税制改革に対する期待は大きいものの、FRBによる段階的な利上げに対する警戒感も強く、期待と不安が交錯する状況が続いています。また、中国が政府主導で推し進めている「一帯一路」構想、英国のEU離脱交渉も今後の世界経済における懸念材料となっています。

国内経済は、政府主導の金融政策、財政出動の継続、消費増税の先送り等により下支えされています。一方、現政権の政治スキャンダルにより長引く国会の混乱は、現経済政策の継続性に影響を与えかねません。また、大手製造業において各種の品質問題が発生し、国際的な競争にさらされている日本の製造業の品質の在り方が改めて問われています。デフレ経済から抜け出せない流通・小売等の国内産業は厳しい状況に置かれており、マイナス金利政策の副作用やフィンテックの台頭により、金融機関の経営環境も厳しさが増しています。

当連結累計期間における企業の設備投資は、堅調な業績を背景に、比較的前向きな姿勢を維持しています。一方で、為替水準の見通しが不透明な中、業績が好調な当連結累計期間内に投資を実行しようとする、決算期末での駆け込み需要も見られました。AIやIoT等に対する積極的な研究開発投資が行われているものの、それ以外の分野では設備投資の優先度が下げられる傾向もあり、設備投資については、分野毎の濃淡が出始めています。インターネットを中心にした破壊的イノベーションが既存市場の構造を変えつつあり、異業種間競争も激化しつつあります。また、日本経済における自律的・持続的成長を軌道に乗せるためには、経済政策の三本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略が重要となりますが、その道筋はまだ不透明であり、デフレ経済からの脱却には至っておりません。

世界各地でランサムウェアに感染する被害が報告されたこと等を背景に、官・民におけるサイバー攻撃に対する防衛力強化が牽引する形で、情報セキュリティ関連需要は旺盛です。また、大手IT企業によるデータの独占や情報漏洩問題を背景に、データやプライバシーの保護についての規制強化も議論されています。リーマン・ショックが引き起こした景気後退が、企業におけるコストダウン圧力を高めたことに加え、東日本大震災が企業による設備の「所有」のリスクを顕在化させました。これにより企業のIT投資の方向性は、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化し、IT資産のオフバランス化の進行、クラウドサービスの利用拡大が続いています。

当連結会計年度は、2015年5月22日に「次の30年に向けた土台固めと方向付け(成長遺伝子の確立)」を目的に掲げた中期経営計画「TMX 3.0」の最終年度に当たります。「TMX 3.0」では、従来のIT産業の労働集約的な請負型ビジネスからの脱却を標榜し、自らITサービスを創造し、提供する「次世代のITサービスクリエーター」、「次世代のITサービスプロバイダー」への変貌を実現することを基本方針としていました。

 

「TMX 3.0」における中核的事業戦略

■クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進

・クラウド事業による収益貢献(医療クラウドの黒字化実現)

・クラウド事業のプラットフォーム化(多角化)

・海外(アジア)でのクラウド事業の確立

・クラウド運用の高品質化(運用技術の飛躍的向上)

・各種仮想化技術の戦略的応用(クラウド・ファースト※8の実践)

・クラウドに集約される情報のビッグデータ解析(データの二次利用)

 

■セキュリティ&セイフティの追求

・サイバーセキュリティ対策の高度化対応とワンストップ・サービス化

・設計、構築、保守、運用・監視サービス、自動化のバリューチェーンの実現

・IoT(Internet of Things)時代の組込みソフトウェアの機能安全実現

・安全で安心なインターネット社会の実現に貢献

 (情報セキュリティ技術とソフトウェア品質保証分野における専門家集団としての「知」の結集)

 

当社グループでは「TMX 3.0」の事業戦略に従い、以下の取り組みを行いました。

 

① 事業を加速度的に推進するため、事業運営体制の見直し及び新しい取り組みを実施しました。第1四半期連結会計期間に、当社グループの事業セグメント別経営管理体制強化のため、各事業セグメントに含まれる事業を統括する事業部門(情報基盤事業部門及びアプリケーション・サービス事業部門)を新設しました。当第4四半期連結会計期間においては、医療分野では、同事業を承継する子会社として、株式会社NOBORIを新たに設立し、当社と三井物産株式会社との間において株式会社NOBORIが行う第三者割当増資を三井物産株式会社が引き受けることに関する出資契約、及び株式会社NOBORIの運営等に関する株主間契約を締結しました。

② 積極的に新しいビジネスの立ち上げを行い、IT需要の変化を先取りする取り組みを行いました。

◇情報基盤事業

第1四半期連結会計期間

・メール添付ファイル自動無害化ソリューション「Votiro Auto Mail Link with matriXgate」の販売を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、米国Palo Alto Networks, Inc.のAmazon Web Services(AWS)上で動作する

仮想化バージョン「VM-Series」の販売及び構築サービスの提供を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、フィンランドのF-Secure Corporationのセキュリティの脆弱性診断ソフトウェア「RADAR」を利用した「クロス・ヘッド脆弱性診断サービス」の提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、JBサービス株式会社と協業し、データセンター機器の状態を遠隔監視する「OCH POWER」の提供を開始

第2四半期連結会計期間

・クロス・ヘッド株式会社が、学校法人高宮学園代々木ゼミナールが運営する代ゼミライセンススクールにて「ITパスポート試験対策講座」の提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、日本インターネットエクスチェンジ株式会社と連携し、沖縄県内においてIXポートサービスを提供するJPIX沖縄を開始

・米国Menlo Security社のWeb分離・無害化プラットフォーム製品「Menlo Security Isolation Platform」のオンプレミス版の提供を開始

・セキュリティ運用監視サービス「∴ TRINITY <トリニティ> 」において、米国Palo Alto Networks, Inc.がAmazon Web Services(AWS)環境向けに提供している仮想化次世代ファイアウォール「VM-Series on AWS」のセキュリティ運用監視サービスを開始

・米国Palo Alto Networks, Inc.が提供する次世代ファイアウォールと、当社のクラウドサービス「テクマクラウド」を連携させた新サービスとして、マイクロソフト社のメール等のクラウド版グループウェアサービスOffice 365 通信の自動制御サービスの提供を開始

第3四半期連結会計期間

・クロス・ヘッド株式会社が、内部不正による情報漏洩の抑止に有効なセキュリティソリューション「Ekran System」の提供を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、株式会社イーセクターと連携し、ソフトウェアロボットによる業務代行ソリューション「ROBOWARE」の取扱いを開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、自社の「nas2cloud Plus(ナスツークラウドプラス)」と、日本ヒューレット・パッカード株式会社が提供する「HPE ProLiant」を組み合わせた中堅・中小企業向けのバックアップソリューションの提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、株式会社アシストと協業し、情報漏洩対策サービス「ダブルブラウザ・ソリューション」の提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、横河レンタ・リース株式会社と共同で、働き方改革ソリューションサービスの提供を開始

・セキュリティ運用監視サービス「∴ TRINITY <トリニティ> 」において、マカフィー株式会社が提供するセキュリティ脅威の可視化を行う統合ログ管理ソリューション「McAfee Security Information and Event Management」の導入から運用までをワンストップで実現する「TRINITY セキュリティ監視サービス for McAfee SIEM」の提供を開始

・無害化システムが標準搭載された、教育委員会向けファイル受け渡しシステム「Votiro Auto SFT Plus」の提供を開始

・セキュリティ運用監視サービス「∴TRINITY <トリニティ> 」において、米国Palo Alto Networks, Inc.が提供する次世代エンドポイント※9セキュリティ「Traps」を対象としたセキュリティ運用監視サービス「TRINITY セキュリティ運用監視サービス for Traps」の提供を開始

・デジタルアーツ株式会社が提供するメールセキュリティ製品「m-FILTER」と当社の無害化ソリューションを組み合わせた「Votiro AutoSFT Plus for m-FILTER」の提供を開始

当第4四半期連結会計期間

 ・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、日本オラクル株式会社が販売するオラクルデータベース専用のディザ

スタリカバリー(災害復旧)サービス「OCH POWER BCP パッケージ」の提供を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を活用した、コンタクトセンターサービス「Managed Connect Service」の販売を開始

◇アプリケーション・サービス事業

第1四半期連結会計期間

・CRM分野:LINE株式会社とカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」の販売パートナー契約を締結

・ソフトウェア品質保証分野:株式会社アジャイルウェアとパートナー契約を締結し、プロジェクト管理を「見える化」する「Lychee Redmine」の販売を開始

・ソフトウェア品質保証分野:API※10開発を効率化する米国Parasoft Corporationの「ParasoftSOAtest/
Virtualize」の販売を開始

第2四半期連結会計期間

・CRM分野:株式会社インターコムが開発・提供するFAXシステム「まいと~く Center Hybrid」と、当社のコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp」を連携させたソリューションの提供を開始

・CRM分野:FAQナレッジシステムの新バージョン「FastAnswer2」の販売を開始

第3四半期連結会計期間

・医療分野:メディカル・データ・ビジョン株式会社と業務提携し、医療情報クラウド「NOBORI」と診療情報の一部を患者自身が管理・閲覧可能なWEBサービス「カルテコ」の連携を開始

・CRM分野:製薬企業向け学術文献検索システム「FastAnswer Pe」の販売を開始

・CRM分野:地方自治体向けの市民の声・広聴システム「FastHelp Ce」の販売を開始

・ソフトウェア品質保証分野:米国Parasoft Corporation が提供する、組込みソフトウェア開発支援テストツール「C++test 10.3.2」及び、連携可能な「Parasoft DTP 5.3.2」の販売を開始

・インターネットサービス分野:KDDIコマースフォワード株式会社が運営するネットショッピングモール「Wowma!」において商品登録の業務負荷を軽減する「楽楽データコンバーター for Wowma!」の提供を開始

当第4四半期連結会計期間

・ソフトウェア品質保証分野:イスラエルWhiteSource Software Ltd.のOSS(オープン ソース ソフトウェア)に対するセキュリティ&コンプライアンス管理ソリューション「WhiteSource」の販売を開始

・CRM分野:LINE株式会社が各種法人向けサービスの販売・開発のパートナーを認定する「LINE Biz-Solutions Partner Program」の「LINE Biz Account」部門にて、LINEのAPI関連サービスと連携し、サービスを提供することができる「Technology Partner」に当社を認定

・医療分野:株式会社medパスと協業し、医療従事者向け共通IDサービス「medパス」と認証連携を

行った医療事業者向け大容量データ無料転送サービス「NOBORI-EX」の提供を開始

③ 保守、運用・監視サービスの受注に加えて、CRM分野や医療分野、インターネットサービス分野におけるクラウドサービス(SaaS)や、合同会社医知悟のサービスを拡販する等、ストック型※11収益の拡大に向けた取り組みを加速しました。

④ クラウドサービス(SaaS)、仮想化ソリューション等、コスト削減につながるIT投資の提案を強化し、

 クラウドサービス事業者向けのインテグレーションを推進しました。

 ⑤ クロス・ヘッド株式会社、沖縄クロス・ヘッド株式会社、合同会社医知悟、並びに株式会社カサレアルとの

   相乗効果を最大化し、グループとして総合力を発揮するための取り組みを継続しました。特に、保守、運用

     ・監視サービスや受託開発等、従来グループ外に発注していた機能をグループ内に取り込むことにより、グ

     ループ内での自活の取り組みを推進しました。

⑥ スマートフォン等新しいタイプの情報端末を活用したアプリケーションの受託開発、オープンソース系のプログラミング技術に関する教育事業等に取り組みました。

⑦ 成長を続けるアジア新興国を中心とした海外市場で、クラウドサービス等の事業展開を行うための取り組みを推進しました。CRM分野では、ASEAN諸国に向けて、コンタクトセンターCRMシステム「Fastシリーズ」の販売活動を強化するため、タイ・バンコクに駐在員事務所の設立を決定しました。

⑧ 第2四半期連結会計期間において新ERP(基幹システム)が稼働しました。事業部門と管理部門がより統合化されたデータを共有することにより、部門間のスムーズな業務フロー、迅速な意思決定、内部統制の強化を実現しました。

⑨ 働く時間と場所の自由度を高め、社員ひとりひとりの能力を最大限高める働き方を実現することを目的として、全社員を対象とした「在宅勤務制度」を導入しました。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は、過去最高の235億12百万円と前期比15億15百万円(6.9%)の増加売上総利益は80億86百万円と前期比5億44百万円(7.2%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費等の増加のため、61億84百万円と前期比2億85百万円(4.8%)の増加となりました。この結果、営業利益は過去最高の19億2百万円と前期比2億59百万円(15.8%)の増加となり、経常利益は20億54百万円と前期比4億28百万円(26.3%)の増加となりました。

また、特別損失として当第4四半期連結会計期間において関係会社出資金評価損44百万円及び投資有価証券評価損28百万円を計上しました。

以上により、税金等調整前当期純利益は19億65百万円と前期比4億16百万円(26.9%)の増加親会社株主に帰属する当期純利益は13億8百万円と前期比2億89百万円(28.4%)の増加となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① 情報基盤事業

負荷分散装置の販売は、マイクロソフト社が提供するOffice 365向けの自社開発の連携ソリューションによる新たな企業向け需要の開拓により好調に推移しました。また、ランサムウェア等の標的型攻撃に代表されるサイバー攻撃の脅威が継続していることから主力の次世代ファイアウォール※12や、不正侵入防御アプライアンス、アンチウィルス製品、Webアプリケーション脆弱性検査ツールの販売は官需・民需を含め堅調に推移しました。セキュリティに関連する運用・監視サービスの売上も増加しました。前連結会計期間に販売開始したネットワーク端末脅威対策プラットフォームでは金融機関向けの大型案件を受注しました。フォレンジック※13製品やGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)統合管理製品の受注も堅調ですが、個人認証のためのワンタイムパスワード製品は、在宅勤務需要の一巡から販売が頭打ち傾向となりました。次世代型メールセキュリティ製品、AIを活用した次世代アンチウィルス製品等の新しい分野のセキュリティ対策製品の引き合いも好調です。官公庁、地方自治体、文教、民間の各セクターにおいてセキュリティ関連需要は旺盛です。クラスターストレージは放送局及びメディア・エンタテイメント業界向けの売上が好調です。

クロス・ヘッド株式会社では、保守、運用・監視サービスの引き合いは堅調です。しかし、当連結会計期間から取り組んでいるSES※14事業の構造改革に伴い、第1四半期連結会計期間に技術者の一時的な稼働率低下が発生しました。第2四半期連結会計期間以降の稼働率は改善したものの、一部製品販売の不調も重なり、損益面では計画値を達成できませんでした。

沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品や独自の付加価値サービスの販売は好調でした。当第4四半期連結会計期間において、地方自治体向けの大型案件の受注に成功し、売上高及び損益面で計画値を上回りました。

以上により、同事業の売上高は過去最高の158億39百万円と前期比10億88百万円(7.4%)の増加営業利益は15億53百万円と前期比1億84百万円(13.5%)の増加となりました。

 

② アプリケーション・サービス事業

医療分野では、医療情報クラウドサービス「NOBORI」の好調な引合いは継続しています。当第4四半期連結会計期間で大型案件を受注する等、累積契約施設数の増加に伴い、売上高及び損益面で計画値を上回りました。合同会社医知悟は、遠隔読影の需要の高まりにより、従来の病院向けサービス提供に加えて、健診施設等の顧客の取り込みや病理分野への事業拡大が進んだため、契約施設数、読影依頼件数、従量課金金額は順調に増加しました。

CRM分野では、大手システム・インテグレーターとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い堅調な引合いが継続しています。一方、第2四半期連結累計期間までに発生した特定顧客向け大型案件の不採算の影響により、損益面では計画値を下回りました。

ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェア等を開発する製造業で組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性はますます高まっており、ソフトウェアテストツールの受注は好調に推移し、損益面で計画値を上回りました。大手自動車メーカ向けの車載ソフトウェアに関連するプロジェクトへも参画し、今後、関連業界への横展開が期待されます。

インターネットサービス分野では、金融機関向けのシステム開発は堅調です。しかし、第2四半期連結累計期間に発生した既存顧客向け大型案件の一部不採算や受注遅れの発生等により、損益面では計画値を下回りました。また、新規クラウドサービスの顧客獲得も計画値を下回りました。株式会社カサレアルでは、教育事業において、新しい教育プログラムの開発、パートナーの発掘等が奏効し、企業向けの新入社員研修や定期開催の技術研修等の受注が増加しました。

以上により、同事業の売上高は過去最高の76億72百万円と前期比4億27百万円(5.9%)の増加営業利益は3億49百万円と前期比74百万円(27.1%)の増加となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、60億97百万円と前期比6億38百万円(11.7%)の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローについては、前払保守料の増減額の増加等により、収入は14億32百万円と前期比1億96百万円(12.1%)の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローについては、投資事業組合からの分配による収入により、支出は1億71百万円と前期比2億83百万円(62.4%)の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローについては、短期借入金の返済による支出の増加により、支出が6億21百万円と前期比2億6百万円(50.0%)の増加となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比

(%)

情報基盤事業

6,137,108

+10.7

アプリケーション・サービス事業

3,270,449

△0.7

全社(共通)

156,063

+45.3

合計

9,563,621

+6.9

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比

(%)

情報基盤事業

5,109,196

△0.0

アプリケーション・サービス事業

965,103

+22.8

合計

6,074,299

+3.0

 

(注) 1 上記の金額は、実際仕入額であり消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(3) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

情報基盤事業

16,905,802

+11.2

7,567,838

+19.8

アプリケーション・サービス事業

8,009,700

△1.3

6,359,602

+3.6

合計

24,915,502

+6.9

13,927,441

+11.8

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比

(%)

情報基盤事業

15,839,367

+7.4

アプリケーション・サービス事業

7,672,659

+5.9

合計

23,512,027

+6.9

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 売上割合が10%以上の取引先はありません。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

 ①  貸倒引当金

当社グループでは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が必要となる可能性があります。

 ②  たな卸資産

当社グループでは、たな卸資産については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により計上しておりますが、市場環境が予想よりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。

 ③ 投資有価証券の減損

当社グループでは、販売権の確保のため、並びに長期的な関係維持のため、特定の取引先に対する投資を行っております。上場株式については市場の時価に基づき、また非上場株式については発行会社の資産状況、経営状況等を勘案し、必要と認められた場合には減損処理を行っております。

 ④ 無形固定資産

当社グループでは、無形固定資産のうち、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量もしくは見込販売収益に基づき減価償却を行っております。また、市場販売目的のソフトウェアのうち、販売の見通しが立たないものにつきましては、除却処理を行っております。

 

 

(2)経営成績の分析

情報基盤事業の売上高は158億39百万円と前期比10億88百万円(7.4%)の増加となり過去最高の売上高となりました。営業利益は15億53百万円と前期比1億84百万円(13.5%)の増加となりました。

負荷分散装置の販売は、マイクロソフト社が提供するOffice 365向けの自社開発の連携ソリューションによる新たな企業向け需要の開拓により好調に推移しました。また、ランサムウェア等の標的型攻撃に代表されるサイバー攻撃の脅威が継続していることから主力の次世代ファイアウォールや、不正侵入防御アプライアンス、アンチウィルス製品、Webアプリケーション脆弱性検査ツールの販売は官需・民需を含め堅調に推移しました。セキュリティに関連する運用・監視サービスの売上も増加しました。前連結会計期間に販売開始したネットワーク端末脅威対策プラットフォームでは金融機関向けの大型案件を受注しました。フォレンジック製品やGRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)統合管理製品の受注も堅調ですが、個人認証のためのワンタイムパスワード製品は、在宅勤務需要の一巡から販売が頭打ち傾向となりました。次世代型メールセキュリティ製品、AIを活用した次世代アンチウィルス製品等の新しい分野のセキュリティ対策製品の引き合いも好調です。官公庁、地方自治体、文教、民間の各セクターにおいてセキュリティ関連需要は旺盛です。クラスターストレージは放送局及びメディア・エンタテイメント業界向けの売上が好調です。

クロス・ヘッド株式会社では、保守、運用・監視サービスの引き合いは堅調です。しかし、当連結会計期間から取り組んでいるSES事業の構造改革に伴い、第1四半期連結会計期間に技術者の一時的な稼働率低下が発生しました。第2四半期連結会計期間以降の稼働率は改善したものの、一部製品販売の不調も重なり、損益面では計画値を達成できませんでした。

沖縄クロス・ヘッド株式会社では、セキュリティ関連製品や独自の付加価値サービスの販売は好調でした。当第4四半期連結会計期間において、地方自治体向けの大型案件の受注に成功し、売上高及び損益面で計画値を上回りました。

 

アプリケーション・サービス事業の売上高は76億72百万円と前期比4億27百万円(5.9%)の増加となり過去最高の売上高となりました。営業利益は3億49百万円と前期比74百万円(27.1%)の増加となりました。

医療分野では、医療情報クラウドサービス「NOBORI」の好調な引合いは継続しています。当第4四半期連結会計期間で大型案件を受注する等、累積契約施設数の増加に伴い、売上高及び損益面で計画値を上回りました。合同会社医知悟は、遠隔読影の需要の高まりにより、従来の病院向けサービス提供に加えて、健診施設等の顧客の取り込みや病理分野への事業拡大が進んだため、契約施設数、読影依頼件数、従量課金金額は順調に増加しました。

CRM分野では、大手システム・インテグレーターとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い堅調な引合いが継続しています。一方、第2四半期連結累計期間までに発生した特定顧客向け大型案件の不採算の影響により、損益面では計画値を下回りました。

ソフトウェア品質保証分野では、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェア等を開発する製造業で組込みソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性はますます高まっており、ソフトウェアテストツールの受注は好調に推移し、損益面で計画値を上回りました。大手自動車メーカ向けの車載ソフトウェアに関連するプロジェクトへも参画し、今後、関連業界への横展開が期待されます。

インターネットサービス分野では、金融機関向けのシステム開発は堅調です。しかし、第2四半期連結累計期間に発生した既存顧客向け大型案件の一部不採算や受注遅れの発生等により、損益面では計画値を下回りました。また、新規クラウドサービスの顧客獲得も計画値を下回りました。株式会社カサレアルでは、教育事業において、新しい教育プログラムの開発、パートナーの発掘等が奏効し、企業向けの新入社員研修や定期開催の技術研修等の受注が増加しました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は、235億12百万円と前期比15億15百万円(6.9%)の増加売上総利益は80億86百万円と前期比5億44百万円(7.2%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加のため、61億84百万円と前期比2億85百万円(4.8%)の増加となりました。この結果、営業利益は過去最高の19億2百万円と前期比2億59百万円(15.8%)の増加となり、経常利益は20億54百万円と前期比4億28百万円(26.3%)の増加となりました。

また、特別損失として第4四半期連結会計期間において関係会社出資金評価損44百万円及び投資有価証券評価損28百万円を計上しました。

以上により、税金等調整前当期純利益は19億65百万円と前期比4億16百万円(26.9%)の増加親会社株主に帰属する当期純利益は13億8百万円と前期比2億89百万円(28.4%)の増加となりました。

 

(3)財政状態の分析

当連結会計年度末の流動資産の残高は、前期比15億56百万円(11.7%)増加し148億99百万円となりました。現金及び預金が6億38百万円増加したことが主な要因であります。固定資産の残高は、37億26百万円と前期比2億10百万円(5.3%)の減少となりました。のれんが1億3百万円減少したことが主な要因であります。以上により、総資産は186億26百万円と前期比13億45百万円(7.8%)の増加となりました。
 流動負債の残高は、前期比6億3百万円(6.8%)増加し94億89百万円となりました。前受保守料が5億15百万円増加したことが主な要因であります。固定負債の残高は、前期比3億77百万円(10.7%)減少し31億63百万円となりました。長期借入金が3億円減少したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、126億53百万円と前期比2億26百万円(1.8%)の増加となりました。
 純資産の残高は、59億73百万円と前期比11億19百万円(23.1%)の増加となりました。これにより自己資本比率は31.7%となりました。

 

(4)戦略的現状と見通し

国内経済については、比較的堅調な状況が続くと予想されますが、米国との貿易摩擦や、見通しづらい為替水準、産業構造の劇的な変化、地政学的なリスク等、世界経済は様々なリスクを内包しています。

そのような状況下、2015年5月22日に策定した中期経営計画「TMX 3.0」は、当連結会計年度をもって終了し、当社は、激変する事業環境の中、新たに策定した中期経営計画「GO BEYOND 3.0」に基づき更なる事業構造改革の遂行と成長戦略の実行を目指します。

「TMX 3.0」においては、企業のITシステム投資の方向性が、設備の「所有」(オンプレミス型)からサービスの「利用」(クラウド型)へと加速度的に変化して行く中、当社グループは、「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」を行ってまいりました。また、身の回りの様々なデバイスが組込みソフトウェアにより電子的に制御される時代が到来しています。それらのデバイスはインターネットで相互接続される(IoT)ため、サイバー攻撃による情報漏洩等のセキュリティの脅威は、国家機関、企業のみならず、個人のレベルまで及んできております。当社グループは、「TMX 3.0」の二つ目の戦略である「セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求」により、より安全で安心な社会の創造に貢献してまいりました。当社グループは、この二つの軸となる戦略的枠組みを今後も堅持しながらも、資本提携による事業の加速、より一層のサービス化の推進、AI等データの利活用に基づく新規ビジネス、コンシューマをターゲットとしたB2Cビジネスへの挑戦等、新たな事業展開局面に突入します。 
 ① 企業信用力の向上・体制強化・拠点展開

当社は、2013年2月に東京証券取引所市場第一部銘柄への指定を果たし、引き続き企業信用力の向上と、内部統制システムの充実に努めました。

派遣従業員等を含め当社グループ全体では、1,000名超の体制となっております。更に、2016年11月には、業容拡大及び人員増加への対応として、大阪支店を西日本支店と改称して移転しました。また、ASEAN諸国に向けて、CRM分野のビジネス強化のため、タイ・バンコクに駐在員事務所の設立を決定しました。

 ② 投資の実行・新製品の立ち上げ・事業提携の拡大

新製品の立ち上げの取り組みとしては、次のとおりであります。

◇情報基盤事業
第1四半期連結会計期間

・メール添付ファイル自動無害化ソリューション「Votiro Auto Mail Link with matriXgate」の販売を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、米国Palo Alto Networks, Inc.のAmazon Web Services(AWS)上で動作する

仮想化バージョン「VM-Series」の販売及び構築サービスの提供を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、フィンランドのF-Secure Corporationのセキュリティの脆弱性診断ソフトウェア「RADAR」を利用した「クロス・ヘッド脆弱性診断サービス」の提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、JBサービス株式会社と協業し、データセンター機器の状態を遠隔監視する「OCH POWER」の提供を開始

第2四半期連結会計期間

・クロス・ヘッド株式会社が、学校法人高宮学園代々木ゼミナールが運営する代ゼミライセンススクールにて「ITパスポート試験対策講座」の提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、日本インターネットエクスチェンジ株式会社と連携し、沖縄県内においてIXポートサービスを提供するJPIX沖縄を開始

・米国Menlo Security社のWeb分離・無害化プラットフォーム製品「Menlo Security Isolation Platform」のオンプレミス版の提供を開始

・セキュリティ運用監視サービス「∴ TRINITY <トリニティ> 」において、米国Palo Alto Networks, Inc.がAmazon Web Services(AWS)環境向けに提供している仮想化次世代ファイアウォール「VM-Series on AWS」のセキュリティ運用監視サービスを開始

・米国Palo Alto Networks, Inc.が提供する次世代ファイアウォールと、当社のクラウドサービス「テクマクラウド」を連携させた新サービスとして、マイクロソフト社のメール等のクラウド版グループウェアサービスOffice 365 通信の自動制御サービスの提供を開始

第3四半期連結会計期間

・クロス・ヘッド株式会社が、内部不正による情報漏洩の抑止に有効なセキュリティソリューション「Ekran System」の提供を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、株式会社イーセクターと連携し、ソフトウェアロボットによる業務代行ソリューション「ROBOWARE」の取扱いを開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、自社の「nas2cloud Plus(ナスツークラウドプラス)」と、日本ヒューレット・パッカード株式会社が提供する「HPE ProLiant」を組み合わせた中堅・中小企業向けのバックアップソリューションの提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、株式会社アシストと協業し、情報漏洩対策サービス「ダブルブラウザ・ソリューション」の提供を開始

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、横河レンタ・リース株式会社と共同で、働き方改革ソリューションサービスの提供を開始

・セキュリティ運用監視サービス「∴ TRINITY <トリニティ> 」において、マカフィー株式会社が提供するセキュリティ脅威の可視化を行う統合ログ管理ソリューション「McAfee Security Information and Event Management」の導入から運用までをワンストップで実現する「TRINITY セキュリティ監視サービス for McAfee SIEM」の提供を開始

・無害化システムが標準搭載された、教育委員会向けファイル受け渡しシステム「Votiro Auto SFT Plus」の提供を開始

・セキュリティ運用監視サービス「∴TRINITY <トリニティ> 」において、米国Palo Alto Networks, Inc.が提供する次世代エンドポイントセキュリティ「Traps」を対象としたセキュリティ運用監視サービス「TRINITY セキュリティ運用監視サービス for Traps」の提供を開始

・デジタルアーツ株式会社が提供するメールセキュリティ製品「m-FILTER」と当社の無害化ソリューションを組み合わせた「Votiro AutoSFT Plus for m-FILTER」の提供を開始

当第4四半期連結会計期間

・沖縄クロス・ヘッド株式会社が、日本オラクル株式会社が販売するオラクルデータベース専用のディザ
スタリカバリー(災害復旧)サービス「OCH POWER BCP パッケージ」の提供を開始

・クロス・ヘッド株式会社が、Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」を活用した、コンタクトセンターサービス「Managed Connect Service」の販売を開始

◇アプリケーション・サービス事業
第1四半期連結会計期間

・CRM分野:LINE株式会社とカスタマーサポートサービス「LINE カスタマーコネクト」の販売パートナー契約を締結

・ソフトウェア品質保証分野:株式会社アジャイルウェアとパートナー契約を締結し、プロジェクト管理を「見える化」する「Lychee Redmine」の販売を開始

・ソフトウェア品質保証分野:API開発を効率化する米国Parasoft Corporationの「ParasoftSOAtest/
Virtualize」の販売を開始

第2四半期連結会計期間

・CRM分野:株式会社インターコムが開発・提供するFAXシステム「まいと~く Center Hybrid」と、当社のコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp」を連携させたソリューションの提供を開始

・CRM分野:FAQナレッジシステムの新バージョン「FastAnswer2」の販売を開始

第3四半期連結会計期間

・医療分野:メディカル・データ・ビジョン株式会社と業務提携し、医療情報クラウド「NOBORI」と診療情報の一部を患者自身が管理・閲覧可能なWEBサービス「カルテコ」の連携を開始

・CRM分野:製薬企業向け学術文献検索システム「FastAnswer Pe」の販売を開始

・CRM分野:地方自治体向けの市民の声・広聴システム「FastHelp Ce」の販売を開始

・ソフトウェア品質保証分野:米国Parasoft Corporation が提供する、組込みソフトウェア開発支援テストツール「C++test 10.3.2」及び、連携可能な「Parasoft DTP 5.3.2」の販売を開始

・インターネットサービス分野:KDDIコマースフォワード株式会社が運営するネットショッピングモール「Wowma!」において商品登録の業務負荷を軽減する「楽楽データコンバーター for Wowma!」の提供を開始

当第4四半期連結会計期間

・ソフトウェア品質保証分野:イスラエルWhiteSource Software Ltd.のOSS(オープン ソース ソフトウェア)に対するセキュリティ&コンプライアンス管理ソリューション「WhiteSource」の販売を開始

・CRM分野:LINE株式会社が各種法人向けサービスの販売・開発のパートナーを認定する「LINE Biz-Solutions Partner Program」の「LINE Biz Account」部門にて、LINEのAPI関連サービスと連携し、サービスを提供することができる「Technology Partner」に当社を認定

・医療分野:株式会社medパスと協業し、医療従事者向け共通IDサービス「medパス」と認証連携を

行った医療事業者向け大容量データ無料転送サービス「NOBORI-EX」の提供を開始

 

今後も、自社開発パッケージへの投資、新製品の立ち上げ、事業提携の拡大、そして、新しいサービス事業の立ち上げのために投資を実行してまいります。

 

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 ① キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 ② 資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、取扱い製品であるネットワーク関連機器の保守用機材の購入等の設備投資資金及び販売用ソフトウェアの開発費等であります。

 ③ 資金の源泉

当連結会計年度末において60億97百万円の現金及び現金同等物の残高があり、当面の資金需要に充当し得る十分な資金を保有しております。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループが成長を続けていくためには多くの課題が残されていると考えております。具体的には、①業界動向や顧客ニーズ等の「外部環境変化への対応力強化」と、②人材面や業務プロセスの効率化等の「内部の課題解決」の二つに大別されます。

 

 ① 外部環境変化への対応力強化

・ 持続的な成長シナリオの構築

現在、当社グループの事業セグメントにおいては、ニッチ市場ながらも競争力の高い製品やサービスを展開しておりますが、今後も持続的に成長するためには、市場ニーズに対応した新しい製品やサービスを切れ目なく立ち上げていく必要があります。

・ ビジネスモデルの多様化

企業のITシステム投資の方向性が、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化しております。IT資産においてもオフバランス化が進み、「持たざる経営」がITの分野にも浸透しつつあります。
 これまで、企業はITシステム(ハードウェア、ソフトウェア、開発)を資産として購入・運用してきましたが、ITシステムを資産として保有せず、外部事業者のサービスをインターネット越しに活用するクラウドサービスの利用が広がっております。これにより、企業側はITシステムの初期投資や運用・保守等の負担を低減することができます。当社グループでは、アプリケーション・サービス事業において、自社開発ソフトウェア・パッケージの販売、保守を行ってまいりましたが、これらソフトウェアの機能をインターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス事業に参入しております。売り切り販売中心のフロー事業に加え、継続的に収入が得られるサービス事業によるビジネスのストック化を更に推進します。クラウド時代の顧客企業ニーズの変化に積極的に対応し、ストック型ビジネスを中心戦略とした「持たざる経営」を支えるサービス・プロバイダー、サービス・クリエーターとしての地位の確立を進めてまいります。

・ サービスのフルライン化

上述のとおり、IT業界ではクラウドという新しいビジネスモデルへの対応が必要となる一方で、従来どおりITシステムの自社所有を希望する企業があります。このため、当社グループは、システム導入以降に必要となる保守・運用サービスについても積極的に拡充し、システムのライフサイクル全てをカバーするフルラインのサービス提案を行ってまいります。また、グループ経営を一層強化することにより、システムのフルアウトソーシングの請負にも注力し、継続的な取引機会の確保に努めてまいります。24時間対応のオンサイト保守やリモート監視業務については、外部委託からクロス・ヘッド株式会社への委託へ切り替え、グループ内での機能の自活、内製化を進めております。また、株式会社カサレアルの完全子会社化によりソフトウェアの開発要員を拡充しておりますので、開発業務についても同社技術力を活用した効率化を進めます。以上の取り組みにより、グループの総合力を発揮すると共に、サービスのフルライン化を進めます。

・ 業界構造

一般的に、ソフトウェア開発会社は人的資源中心のビジネスであり、大規模な初期投資を必要としないことから、少人数の企業から大手のシステム・インテグレーターまで多数の企業が存在します。業界全体が多重の下請け構造になっているため、下請け構造の下層に位置する企業は、規模の大小にかかわらず苦しい経営を強いられております。このため、生き残りを図るためには、付加価値の高いサービスを提供し、顧客企業への直販、直接契約を志向することが重要であり、フルラインでのサービス提供と総合力の発揮、一定規模の開発体制が求められます。当社グループは、今後もM&Aの活用を経営の選択肢に取り入れ、スピード感を持って付加価値の向上、総合力の発揮、規模の拡大を目指してまいります。

 

 ② 内部の課題解決

・ 人材の採用と育成

当社グループは、これまで即戦力の中途入社社員の採用により事業の拡大を図ってまいりましたが、中堅社員層の比率が相対的に高くなっているため、将来的なコストアップを防ぐためにも、今後は、若手社員の拡充に軸足を移し、新卒や第二新卒の採用活動に力を入れていく必要があります。
 また、一般的な労働集約型ビジネスではない、高付加価値なストック型ビジネスの拡大や、新規事業の創発等の事業戦略の実現に向け、今後のIT の技術革新や業界を取り巻く環境変化にキャッチアップし、新たな価値を創造できる人材育成計画の策定及び実現を進めてまいります。

・ 品質カイゼン活動

ITシステムは、社会インフラ化しており、また、企業経営にとっても経営戦略を具現化するためのツールとして、ITシステムの果たす役割は一層重要性を増しております。ITシステムを構成するハードウェアの性能は日進月歩で向上しておりますが、人的資源に依存するソフトウェアの開発においては、依然として属人的な要素が少なくありません。開発プロセスの標準化や科学的手法によるテストの合理化、既存ソフトウェア部品の有効活用等、さまざまな努力を重ね、ソフトウェア品質、サービス品質の向上に努めなければなりません。高品質な製品・サービスの提供は勿論のこと、企業業績の安定化のためにも、品質カイゼン活動を積極的に推進してまいります。

・ 社内ITシステムの充実

業務プロセスを効率化、合理化していくため、また、事業上の迅速な意思決定を促進するためにはITシステムの積極的な活用が不可欠であると認識しております。加えて、上場企業として求められる内部統制を着実に実行していくためにも、ITによる業務統制は重要な役割を担っていると考えております。当社グループは、社内ITシステムの継続的な開発を通じて、業務プロセスの効率化、企業活動の可視化を図ってまいります。

 

 

(用語解説)

 

※8

クラウド・ファースト

コンピュータシステムの導入検討する際に、最初にクラウドシステムを検討すること。

※9

エンドポイント

ネットワークの末端に接続されているパソコンやサーバを指す。

※10

API

外部システムと連携するためのソフトウェア仕様。Application Programming

Interfaceの略。

※11 

ストック型

保守、運用・監視やクラウドサービス(SaaS)等、ユーザに定期的に契約を更新してもらうことにより、中長期に亘って継続的に収益を得るビジネスモデル。

※12

次世代ファイアウォール

従来のファイアウォールでは防ぐことができないセキュリティ脅威に対応した製品。

例えば、通常のインターネット利用に紛れて内部に侵入し、情報漏えいを引き起こす

最近のサイバー攻撃や、流れるデータに対するきめ細かい制御が必要なファイル共有

ソフトウェア等による情報漏えいを防ぐ。

※13

フォレンジック

不正アクセスや情報漏洩等のセキュリティ事象が発生した際に、原因究明のため、その痕跡や記録等を収集分析すること。

※14

SES

技術者が常駐するサービス形態をとり、ソフトウェアやシステムの開発等、特定の業務に対して技術やサービスを提供すること。System Engineering Serviceの略。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

  販売代理店契約

相手先名

国名

契約内容

契約期間

FinancialCAD Corporation

カナダ

金融・デリバティブ関数ライブラリの販売総代理店

自 1996年8月1日

至 1999年1月31日

以降1年毎の自動更新

EMCジャパン株式会社

日本

セキュリティ製品の販売代理店

自 1998年7月1日
至 1999年6月30日
以後1年毎の自動更新

F5 Networks, Inc.

米国

インターネットトラフィック管理製品の販売代理店

自 2000年4月1日
至 2002年3月31日
以後1年毎の自動更新

Parasoft Corporation

米国

自動エラー検出ツール及び
自動テストツール等の販売総代理店

自 2000年6月1日
至 2001年5月31日
以後1年毎の自動更新

日本アイ・ビー・エム株式会社

日本

Webサイト脆弱性監査ツールの販売代理店

自 2001年5月31日

至 2003年5月30日

以降1年毎の自動更新

マカフィー株式会社

日本

ウイルス対策ゲートウェイ製品及び不正侵入防御アプライアンス製品の販売代理店

自 2002年12月1日
至 2003年11月30日
以後1年毎の自動更新

EMCジャパン株式会社

日本

ストレージ製品の販売代理店

自 2004年11月1日
至 2006年10月31日
以後1年毎の自動更新

Lattix US, Inc.

米国

アーキテクチャ分析ツールの販売代理店

自 2007年6月15日

至 2010年6月14日

以降1年毎の自動更新

Scientific Toolworks Inc.

米国

ソースコード解析ツールの販売総代理店

自 2008年3月10日

至 2011年3月9日

以降1年毎の自動更新

Palo Alto Networks, Inc.

米国

次世代ファイアウォール製品の

販売代理店

自 2009年12月28日
至 2011年12月27日
以後1年毎の自動更新

Ranorex GmbH.

オーストリア

UIテスト自動化ツールの販売総代理店

自 2015年8月12日
至 2018年1月22日
以後1年毎の自動更新

Tanium Inc.

米国

セキュリティ脅威可視化及び対応製品の販売代理店

自 2016年4月26日
至 2018年4月25日
以後1年毎の自動更新

Proofpoint Inc.

米国

次世代型メールセキュリティソリューション製品の販売代理店

自 2016年4月4日
至 2018年4月3日
以後1年毎の自動更新

Cylance Inc.

米国

AI(人工知能)を活用した次世代アンチウイルスソフトウェアの販売代理店

自 2017年3月3日
至 2019年3月2日
以後1年毎の自動更新

 

 

 

5 【研究開発活動】

(1) 研究開発活動に関する基本方針

常に最先端の技術動向を注視すると共に、多様化・高度化する顧客ニーズを把握し、顧客企業における事実上の諸問題を迅速に解決しうる最適なソリューションのあるべき方向性を調査・研究しております。基本的には、顧客ニーズに近いアプリケーション分野では、日本独自の顧客ニーズを反映するために当社独自技術の開発・製品化を行なうことを基本方針とし、基盤(ネットワーク・インフラ、セキュリティ)技術、プラットフォーム技術、ミドルウェア※15技術は、北米を中心とした先端テクノロジー開発企業の技術・製品を発掘し有効活用します。

 

(2) 当連結会計年度における研究開発活動

企業活動においてIT技術が経営に与えるインパクトは益々大きくなっており、企業活動の変革を実現するためのシステム化ニーズに応えられる技術の発掘・研究・商品化・応用を、当社グループの研究開発活動のテーマとしております。具体的には、ソフトウェア開発技術、仮想化技術、セキュリティ技術、クラウド関連技術、運用・監視技術、ソーシャル・メディア関連技術、ビッグ・データ分析技術、ソフトウェア品質向上関連技術、IoT関連技術、AI関連技術及びAIと当社製品との連携に関して、金融工学理論、画像圧縮技術、アジア新興国の市場調査などの調査・研究・開発を行い、技術力の向上と共に、具体的なビジネス戦略への展開を目指しております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、28,266千円であります。なお、当社グループにおきましては、研究開発活動を特定の部門において行ってはいないためセグメントごとの研究開発費の内訳は記載しておりません。

 

 

(用語解説)

 

※15

ミドルウェア

オラクルなどの商用データベース管理ソフトウェアに代表されるソフトウェアのこと。コンピュータの基本的な制御を行うオペレーションシステム(OS)と、各業務処理を行うアプリケーション・ソフトウェアの中間に入るソフトウェアのこと。