第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「世界中にあらゆる『人が活きるカタチ』を創造することで、人々の幸せと社会の持続的発展を実現する」というパーパスの下、最重要資産である人的資本への投資を進め、その価値を高めることで、さらなる社会への貢献と高い成長を目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、人材教育ビジネス・不動産ビジネス・情報通信ビジネス・農業公園ビジネス等の複数事業に亘るポートフォリオにより、経済環境の変化に柔軟に対応できる強い経営基盤を構築し、時流を的確に捉えた経営を行うことで安定的な成長を実現してまいります。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2025年度の目標である売上高2,814億円、営業利益101億円の達成に向け努めてまいります。

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 日本社会は、急速に進行する少子高齢化と人口減少という、国家的な規模での課題に直面しています。これらの問題は、労働力の減少、社会保障費の増加、地域社会の衰退など、様々な形で社会全体に影響を与えています。さらに、気候変動による自然災害のリスクが増大するとともに一部においては街の老朽化などが進み、都市部においても災害対策が急務となっています。

 当社グループは、これらの社会課題に対し、各事業を通じて具体的な解決策を提供することを使命としています。人材教育ビジネスでは、日本のものづくり産業やサービス産業を支える人材の供給と育成に取り組むことで「働くカタチ」を創造し、不動産ビジネスでは、安全で持続可能な都市開発を推進することで「まちづくりのカタチ」を創造しています。情報通信ビジネスでは、ICT技術の普及とデジタルデバイドの解消を目指すことで「便利と安心安全のカタチ」、農業公園ビジネスでは未来を担う子供たちの育成の場の保存と提供、そして地域社会の活性化と環境保全を図ることで「未来のカタチ」を創造しています。総じて、当社グループは多くの社会課題に対し複数視点からのアプローチで真摯に向き合いながら、あらゆる『人が活きるカタチ』を創造することで人々の幸せと社会の持続的発展を実現していくことを使命としています。

 

 セグメントごとに認識している課題と今後の取り組みに関しては下記の通りです。

 

人材教育ビジネス

 労働市場の縮小が進む中、さらなる労働力の確保と労働者の多様化への対応が求められています。高齢者や外国人労働者の活用、女性のさらなる活躍推進など、労働市場の変化に対応した戦略が不可欠です。当社グループは、これらの課題に対して、幅広い分野をカバーする強みを活かし、様々な労働環境を提供しています。また、人材育成やリスキリングを通じて多様なニーズに応えるとともに、的確なレイバーマネジメントやデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入により、生産性を高め、より効率的な働き方を実現してまいります。これらの取り組みを通じて、変化する労働市場に柔軟に対応し、持続可能な労働環境の創出を目指してまいります。

 

不動産ビジネス

 当社グループの不動産事業は、単独でのマンション建替事業において、実績が限定的であることが課題となっています。将来的には、より大規模なプロジェクトを単独で推進する能力を強化することが求められます。そのためには、再開発プロジェクトの企画・運営能力を高めるとともに、資金調達やリスクマネジメントの手法を洗練させることが重要だと考えています。

 

情報通信ビジネス

 技術の進化に対応するためには、販売スタッフのスキル向上や新しい技術に関する知識の習得が不可欠です。当社は、これらに対応するため、従業員に対する継続的な研修や教育プログラムを実施し、最新の技術や市場動向に関する知識の強化を図っております。特に、高齢者や技術に不慣れな顧客層に対しては、使い方の説明やトラブルシューティングのサポートを充実させることで、デジタル社会における孤立を防ぎます。

 

農業公園ビジネス

 農業公園事業においては、農業分野のさらなる深化と進化が課題と捉えています。具体的には既に実現している循環型農業とともにスマート農業の導入を進めてまいります。また、地域の農産物の加工・販売拠点としての機能を強化し地域ブランドを構築していくことを目指していきます。さらには、広大な敷地と豊かな自然環境という特徴を活かし、園内の景観と周辺環境に配慮した再生可能エネルギーを導入してまいります。発電した電気は園内消費とともにエネルギーの地産地消を推進していくことで、環境問題や気候変動への対策も積極的に進めていく考えです。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティ共通

 <当社グループのパーパス>

  「世界中にあらゆる人が活きるカタチを創造することで人々の幸せと社会の持続的発展を実現する」

 <当社グループの企業理念>

  一.人として心の通った精神的な結びつきを持った企業を目指す。

  一.ビジネスを人材育成・教育の場として道徳的感覚を持った有為な人材を世に送り出す企業を目指す。

  一.自然環境を守り、地球資源を大切にし、常に社会貢献できる企業を目指す。

  一.シニア人材の経験を活かし、新しい雇用を創設できる企業を目指す。

  一.社員が働き甲斐のある企業を目指す。

 

当社グループのパーパスは2022年に制定したものですが、それから遡ること20年ほど前に現在の企業理念を制定しております。まだ、SDGsが国連総会で採択される前、サステナビリティという言葉が一般的になる前からサステナビリティの考え方は当社グループに根付いています。また、2023年にサステナビリティ基本方針を制定し、2024年12月には初めての統合報告書を発行するなど、ステークホルダーの皆さまに当社グループのサステナビリティの取り組みをご理解いただくことで、対話を推進してまいります。

 

サステナビリティ基本方針、統合報告書については、当社のホームページに記載しております。

https://world-hd.co.jp/app/wp-content/uploads/2023/08/4dc706e00fddd11d0804156b5c73fcbe.pdf

https://world-hd.co.jp/app/wp-content/uploads/2024/12/Integrated_Report_2024-1.pdf

 

(1)ガバナンス

 当社グループのサステナビリティに関する議論を集約し、意思決定の迅速化、取組みの充実を目的として、「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ委員会は、委員長を代表取締役会長兼社長、委員を社内及び社外役員として構成され、サステナビリティ基本方針の策定及び定期的な見直し、事業活動のリスク・機会の選定評価、サステナビリティに関する課題についての審議並びに当該事項に関する進捗状況の確認を行い、取締役会への付議・報告を行います。事務局は経営企画本部が担当し、原則、年に2回の開催としております。取締役会は、グループ全体のパーパス、中長期の経営戦略等の大きな方向性を示すとともに、サステナビリティ委員会からの報告を受け、サステナビリティ経営の監督と重要事項の審議及び意思決定を行います。特に重要性が高いと考えるサステナビリティ課題については分科会を設置し、全社横断的な推進を図っています。また、リスクの選定、評価に関する事項は、当社グループの経営上のリスクとも密接に関わることから、リスクマネジメント委員会と連携して対処しています。

 

<サステナビリティ推進体制>

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<各組織の役割>

組織体

開催頻度

機能・役割

取締役会

毎月

サステナビリティ委員会の付議・報告事項に対する指示・監督、サステナビリティに関わる重要事項の審議・意思決定

サステナビリティ

委員会

原則

年2回

サステナビリティ全般の方針・施策の立案及び各施策の推進指揮・執行、サステナビリティ関連のリスク・機会の選定・評価

リスクマネジメント委員会

原則

年2回

サステナビリティ委員会と連携し、同委員会にて選定・評価されたリスクの対応策検討・実施

 

<2024年度サステナビリティに関する取締役会報告内容>

時期

議題

内容

2024年2月

(サステナビリティ委員会)

マテリアリティの特定内容、SDGsプロジェクトの取組み内容

2024年3月

統合報告書制作PJ

統合報告書の制作意義・目的、構成概要

2024年5月

資本コストを意識した経営

当社グループの事業ポートフォリオ分析

2024年7月

人的資本分科会開催

人的資本分科会開催内容について

2024年10月

サステナビリティに関する取組み

当社グループの社会的価値向上の取組みについて

2024年11月

分科会新設・活動報告

各分科会活動報告、DX・AI活用推進分科会新設

2024年12月

統合報告書制作PJ

統合報告書発行について(最終案報告)

 

(2)戦略

 当社グループはサステナビリティ基本方針に基づき、経営上のマテリアリティ(重要課題)を特定しており、「働く」カタチ(人材教育ビジネス)、「まちづくり」のカタチ(不動産ビジネス)、「便利と安心安全」のカタチ(情報通信ビジネス)、「未来」のカタチ(農業公園ビジネス)、及び「事業をつなぐ」カタチ(事業再生)を創造することで、グループとして「人が活きるカタチ」を実現し、社会の持続的な発展と企業価値向上を目指しております。

なお、後述する経営上のマテリアリティ(重要課題)はGRIスタンダードなどの国際ガイドライン、持続可能な開発目標(SDGs)などをベースとして総合的に分析・検証した上で定めています。マテリアリティの特定に当たっては、国際ガイドラインなどから抽出した27項目の重点課題候補をステークホルダーの期待、持続可能な社会実現への貢献及び事業との関連性の側面から評価、マッピングして特に重要度の高いものを特定し、取締役会で審議承認の上で各事業セグメントの特性に合わせた表現に落とし込んでおります。

 

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当社グループは、全社を挙げて「人が活きるカタチ」の創造を目指しております。中でも、「働く」カタチを創造する人材教育ビジネスは、グループ売上構成の約7割を占めるプロダクツHR事業とサービスHR事業が担っており、あらゆる人々に適材適所の「仕事」を提供するとともに、教育を通して人がもつ潜在能力を引き出し、人の可能性を開花させることで産業の発展に貢献しております。更なる「働く」カタチの創造に向けて、熊本県大津町に最先端の半導体製造装置を備えた実践的トレーニング施設「熊本テクニカルセンター」を新たに設置しました。既存の研修施設や多くの研修プログラムと併せ、半導体分野をはじめとする人材育成など社員への人材投資も一層強化することで収益機会の維持や将来的な競争力の確保を進めるとともに、より多くの方々が一層活躍できる場の創出に繋げてまいります。また「まちづくり」のカタチを創造する不動産ビジネスにおいては、当社子会社である㈱ミクニが開発を手掛けた、北九州市が推進する再開発促進事業「コクラ・クロサキリビテーション」の第一号案件となるBIZIA小倉が2024年12月にグランドオープンしました。本ビルは、100%再生可能エネルギーで賄うなど環境に配慮した設計が施されており、建物利用者の健康や快適性といったスマートウェルネスを重視することで都市型ワーケーション拠点として市内外のクリエイティブ人材の皆様に革新的な働く場を提供し、地域経済の活性化に貢献することを目指しております。

 また、「人の活きるカタチ」の創造に取り組まない(マテリアリティに取り組まない)ことは、人材の質低下による業界平均賃金の低下、業界の人手不足による市場縮小及びそれに伴う雇用減少、保有不動産価格のボラティリティ上昇、ITインフラ・機器不足の顕在化等のリスクを招くと考えており、マテリアリティに基づく機会獲得及びリスク回避をすることで持続可能な価値創造を目指しています。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティ委員会にて、特定したマテリアリティに取り組まないことで生じるリスク、及びマテリアリティの定期的な評価・見直しを行っております。また、評価したリスクは、リスクマネジメント委員会と共有し、当社グループ全体の総合的なリスクとして統合管理しております。今後は新設されたサステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会の連携を密に行うことで、リスクの定期的な評価・見直しを行ってまいります。

 

(4)指標及び目標

 目標につきましては、サステナビリティ委員会において、分析・検討を進めた後、開示を行ってまいります。

気候変動及び人的資本に関わる指標及び目標につきましては、「第一部[企業情報]第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組]2.気候変動(4)指標及び目標、3.人的資本・多様性(4)指標及び目標」をご参照ください。

 

2.気候変動

 当社グループでは、気候変動を含む環境課題を経営上のマテリアリティ(重要課題)の1つに掲げ、「サステナビリティ基本方針」のもと、気候変動や生物多様性をはじめとする環境問題に取り組み、持続可能な地球環境の実現を目指しております。気候変動に関する影響については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づいた分析を実施し開示を行っております。

 

(1)ガバナンス

 気候変動に関する取組みは、サステナビリティ委員会の傘下に設置した気候変動分科会が推進しており、分科会では、気候変動に関するリスクを定期的にモニタリングするとともに、企業経営に影響を及ぼすリスク・機会の特定と影響の評価を行います。分科会での検討・決定事項は、サステナビリティ委員会を通して、年1回以上取締役会に報告する体制を構築しています。

 気候変動を含むサステナビリティ推進体制については、「第一部[企業情報]第2[事業の状況]2[サステナビリティに関する考え方及び取組]1.サステナビリティ共通(1)ガバナンス」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループは、TCFD提言に基づき、気候変動が事業活動及び財務状況に与える影響を評価するために、気候変動に関連するリスクと機会を特定しシナリオ分析を行いました。検討のプロセスと採用したシナリオの概要は、以下の通りです。

 

<検討のプロセス>

 

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<採用シナリオの概要>

採用

シナリオ

想定事象

主な参考文献

1.5℃

シナリオ

気候変動政策を導入し、持続可能な発展が進むシナリオ。パリ協定と整合し、2050年頃にカーボンニュートラルを実現。2100年時点の気温上昇は1.5℃以下に抑えられると想定。

世界各国でカーボンプライシングの導入が進み、世界的に炭素税が上昇。2030年時点で140USD/t-CO2、2050年時点で250USD/t-CO2を想定。

消費者の行動様式や嗜好が環境配慮型へ移行し、環境配慮型住宅(ZEB、ZEH等)が大きく普及する可能性がある。

IEA World Energy Outlook2023(NZE2050)

 

IPCC第6次評価報告書(SSP1-1.9)

4.0℃

シナリオ

気候変動政策を導入せず、自然災害が激甚化するシナリオ。2100年時点の気温上昇は4.4℃を想定。

世界各国でカーボンプライシングの導入は進まず現状程度で推移。

温暖化が進行し、異常気象(台風・洪水等)が増加。異常気象の激甚化により、当社営業拠点・人材派遣先拠点の罹災や、調達に係るサプライチェーンの寸断が頻発する可能性がある。

IEA World Energy Outlook2023(Pre-Paris/STEPS)

 

IPCC第6次評価報告書(SSP5-8.5)

 

 

気候関連のリスクと機会が当社グループの事業、戦略、財務計画に及ぼす影響についてシナリオ分析で特定した内容は以下一覧の通りです。

 

<シナリオ分析の前提条件>

対象事業セクター

時間軸

財務影響度

以下国内の全事業

 

・人材教育ビジネス

・不動産ビジネス

・情報通信ビジネス

・農業公園ビジネス

 

短期:単年~2年

中期:~2030年

長期:~2050年

大:事業/財務計画に与える影響が甚大である

中:事業/財務計画に一定程度の影響がある

小:事業/財務計画に与える影響は限定的である

 

<リスクと機会の一覧>

※対象事業セクター 人:人材教育/不:不動産/情:情報通信/農:農業公園/全:左記全事業

 

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シナリオ分析の結果、1.5℃シナリオにおいては、移行リスクとして気候変動対応の遅れによる取引減少等のリスクが、4.0℃シナリオにおいては、物理的リスクとして顧客企業の罹災による売上減少リスクや、気温上昇による労働生産性の低下等のリスクが一定程度想定されましたが、人材教育ビジネスという当社グループ主業の事業特性上、気候変動に起因する直接的な財務リスクやオペレーションへの影響は現時点では限定的であることが確認されました。

 今後も継続的にシナリオ分析を実施し対応策を講ずることで、気候変動に対するレジリエンス(強靭性)を向上し、持続可能な成長と企業価値向上に努めてまいります。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティ委員会傘下の気候変動分科会において事業活動に影響を与える気候変動に係るリスクを特定し、当該リスクを発生確率と影響度によって評価しています。気候変動分科会にて特定したリスクについては、サステナビリティ委員会を通じて取締役会へ報告され、適切な管理・監督が行われるとともに、リスクマネジメント委員会と共有し、当社グループ全体の総合的なリスクとして統合管理してまいります。

 

(4)指標及び目標

 (a)指標

 当社グループは気候関連のリスクと機会の評価指標としてGHG排出量を使用しており、事業活動に伴うGHG排出量(Scope1・2)を算定しております。

※算定範囲は当社及び国内連結子会社。算定にあたっては、GHG排出量算定・削減支援クラウドサービスを利用しております。

 

<Scope1・2排出量実績(単位:t-CO2)>

項目

2023年度

2024年度

Scope1

3,353

3,383

Scope2

5,069

6,170

合計

8,422

9,553

  ※Scope2はマーケット基準の数値を使用。

 

 (b)目標

 当社グループは、気候関連のリスクと機会をマネジメントするための目標として、日本政府の定めるGHG排出削減目標との整合性を踏まえ、GHG排出量を2040年度△65%削減(2023年度対比)、2050年度カーボンニュートラルの達成を目標に掲げております。

 

<削減目標・削減に向けた取組み>

 

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Scope1・2の主な削減策

各施設における省エネ機器の導入検討、省エネ活動の徹底。

再生可能エネルギー(太陽光発電等)の導入。

営業車両の次世代自動車(EVやFCV等)への切替え推進。

 

3.人的資本・多様性

(1)ガバナンス

 当社グループでは、2023年に策定した「サステナビリティ基本方針」「人権方針」の下、人材育成や人権の尊重、ダイバーシティの推進といった人的資本に関わる取組みを重要な経営課題と認識しております。サステナビリティ委員会を設置すると同時にその傘下に人的資本分科会を設置し、活動を開始いたしました。分科会では、人的資本に係る計画・方針の策定、指標のモニタリング、各事業会社の人材戦略・施策の情報共有、課題解決に向けた取り組みについての協議を行っています。サステナビリティ委員会は、優れた施策の全社横断的な展開を推進するとともに、検討・決定事項につきましては年1回以上取締役会に報告する体制を構築しております。取締役会は、グループ全体のパーパス、中長期の経営戦略等の大きな方向性を示すとともに、サステナビリティ委員会からの報告を受け、人的資本に係る施策の進捗状況の監督と重要事項の審議及び意思決定を行います。

 

人権方針については、当社のホームページに記載しております。

https://world-hd.co.jp/app/wp-content/uploads/2023/08/6c3c18b71f304e6010f358ef90eaac76.pdf

 

(2)戦略

 当社グループは、社員におけるさまざまな「人が活きるカタチ」の創造に努める中で、人的資本経営の強化に努めております。人材教育、不動産、情報通信、農業公園の4つの事業セグメントにおける当社グループの社員数は、現在5万人を超えております。多彩でユニークな企業集団としての多様性を活かし、5万人超の能力を最大限活用すると同時にウェルビーイングを実現させていくためには、社内における適切な“流動性”の確保と優秀な人材の“維持”が重要であるとの認識の下、人材育成方針と環境整備方針を策定しております。さらに、当社は、顧客からの人材ニーズや労働者の就労ニーズの変化を見据えて、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる企業を目指すべく、“ダイバーシティ”経営を推進しております。

 

<人材育成方針>

 当社グループは、ジェンダー・国籍・年齢・キャリアを問わず、多様な人材を分け隔てなく採用・評価・育成し、グループ内での“流動性”を確保することで、市場価値の高い人材の確保・維持と最適な人材ポートフォリオの構築を実現し、当社の競争力を高めるとともに中長期的な企業価値の向上に繋げてまいります。

 

 “流動性“に関しては、当社グループは、部門やグループ内事業会社の垣根を越えて人材を“流動“させることで、人的資本の有効活用と個人の成長・能力向上を促し、グループ全体の企業価値向上に繋がると考えています。このことから、各事業会社での新卒及び中途採用を通して多様な人材をグループに迎え入れながら、社内公募制度の活用を推進し、現場部門から管理部門への異動やグループ内の他事業会社への移籍等ジョブローテーションの積極化に取り組んでいます。

 

 また、組織横断的に活躍する人材を創出すべく、当社グループは、4つの事業セグメントごとの多様な人材に対して、グループ共通に求められる能力を特定し、体系立てた教育体制を構築しています。グループ共通の教育体制では、階層別(新卒、中堅、管理職)にテーマの異なる年数回の研修や、中途採用者、現場社員へのグループマインド研修を行っているほか、約600のコンテンツからなるe-ラーニング受講が可能となっています。加えて、資格取得支援として費用補助を行うことで、従業員の可能性を広げることにも注力しております。また、経営トップによる定期的なメッセージ発信、集合研修時の経営陣による講話や新卒出身管理職の体験談を通して、パーパス・企業理念の浸透、エンゲージメント向上を図っております。

 事業セグメントごとの教育体制については、その事業に求められる専門性や創造性、知識・スキルの習得に特化した体制の構築に努めています。例えば、プロダクツHRにおけるモノづくり領域の川上である“研究開発”を担う人材が多数在籍している当社の強みをさらに強化し、業界におけるブランドを確立するため、研究開発職に対するスキルアップを目的にした研修や機会の提供に注力しています。

 

―ワールドホールディングス研修体系(グループ共通)―

研修種類

対象

目的

オンライン次世代リーダー研修

管理職以上

次世代リーダーの育成

会長講話会

4~10年目

創業者マインド理解促進

グループ企業理解促進

未来創造

”絆”の醸成

フォローアップ研修

1~3年目

キャリアデザインサポート

※現状の自分とありたい姿を明確にし、キャリアプランの作成を促す

全社員

置換力の醸成

※目的意識を持って、日常の情報を自らの環境に置き換えて適用する力

人生100年時代の社会人基礎力の醸成

・チームで働く力

・前に踏み出す力

・考え抜く力

WHDマインド研修

キャリア入社及び現場社員

企業理解促進

エンゲージメント向上

WHDマインド研修マインドフォローアップ研修

パフォーマンスレビュー

導入研修

新入社員

学生から社会人へのマインドチェンジ

・企業理解促進

・ビジネスマナー習得

・コンプライアンス意識の醸成

・社会人の心構え

・報連相の習得

・チームワーク精神の醸成

 

<社内環境整備方針>

 当社グループは、様々なスキル・バックグラウンドを有する優秀な人材の“維持”を目的に、場所や時間の制約を受けず、安心してそれぞれの特性を生かし、自律的に個人の能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組んでいます。

 

■働き方・キャリアの多様性推進

 当社グループでは、社員がライフステージに合わせた働き方の選択ができるよう、フレックスタイム制度、リモートワーク、育休取得の推奨、リフレッシュ休暇など、柔軟な働き方を可能とする各種制度を導入しています。また、一部の事業会社では、子どもが小学3年生になるまで時短勤務、在宅勤務が選択できる制度を導入しています。当社グループは、隠れた労働力を掘り起こす取組みを組織横断的に推進しており、子育てや介護等で働き方に制約がある人材や副業ニーズのあるシニア人材など様々なライフステージでの「人が活きるカタチ」に注力しております。

 

■健康経営

 当社グループは、人材の健康保持・推進への投資は、従業員の活力向上や生産性の向上に繋がるという考えから、健康管理を経営的な視点で捉えて取組みを行っています。

 グループ共通の健康管理としては、メンタルヘルスの領域に取り組んでおり、従業員のストレスチェックを実施しています。従業員がメンタル疾患にならないよう、研修を通したセルフケア教育や第三者機関による匿名性を担保した相談窓口の設置、ストレスチェックによる高ストレス者の特定及び医師による面接指導等のフォローを行うことで、未然の防止に努めております。今後は、グループ全体の従業員に対するストレス管理の強化を目指し、グループにおけるストレスチェックツールの統一化を積極的に推進してまいります。

 その他の健康管理に関しては、特に重要性の高い健康リスクを事業セグメントごとに特定し、子会社ごとに管理及び取組の推進を行っております。例えば、当社子会社である九州地理情報㈱は生活習慣病,癌予防検診の促進、健康診断後の保健指導の実施、産業医との個別相談の実施、毎日ストレッチ体操の実施などの取組みを行っており『健康経営優良法人2024』として認定されております。一部の事業会社では定期的な歯科検診受診、禁煙支援として禁煙手当の支給やニコチンパッチの配布を行っております。また、ライフイベントに合わせた特別休日の設定・取得を可能にするなど、心身ともに健康でいられるための施策を実施しております。

 

■コンプライアンス違反・ハラスメント等への対策

 当社グループは、コンプライアンス違反や法令違反、ハラスメント、人権侵害等、職場環境を悪化させる要因に対して、毅然とした対応を行い、各種社内基準・規程の策定や社内研修の実施、社内通報制度の周知を徹底している他、発生及び再発生の防止に努めています。

 コンプライアンスに関しては、コンプライアンス委員会を設置し、企業行動基準やコンプライアンス規程及び関連資料等をとりまとめた「コンプライアンス・マニュアル」の整備や社内研修を実施するなどして、役職員への周知とコンプライアンス意識の向上を推進しています。

 また、ハラスメントや差別を含む人権侵害に関しては、「サステナビリティ方針」や「人権方針」を通して、性別・年齢・国籍・人種・思想・信条・宗教・障がい・性自認・性的指向などによるあらゆる差別とハラスメントを容認せず、サプライチェーンを含むグループに関わるすべての人々に対する人権を尊重する旨を、社内外に対して公開しております。加えて、グループ全体の社内方針として「ハラスメント防止基本方針」を策定しており、パワー/セクシャルハラスメントや妊娠/出産/育児/介護休業に関するハラスメントに該当する具体的な行動の例示や相談窓口の存在、ハラスメントに対する相談や事実関係の確認に協力することで生じる不利益はない旨等を明示しています。

 

「サステナビリティ方針」及び「人権方針」の詳細は、当社のホームページをご参照ください。

 https://world-hd.co.jp/corporate/philosophy

 

<ダイバーシティ経営の推進>

 当社グループは、顧客からの人材ニーズや労働者の就労ニーズの変化を見据え、4つの事業セグメントすべてにおいて様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍する姿を目指し、ジェンダー、キャリア、年齢、国籍における“ダイバーシティ”を重視しております。

・ジェンダー

  当社グループは、「サステナビリティ方針」や「人権方針」、「ハラスメント防止基本方針」を通して、従業員のジェンダーに関するグループ共通の認識を明示しています。加えて、各部署や事業特性等を踏まえて、会社・事業毎にジェンダーの多様性に関する規定を設け対応しております。

・新卒及び中途採用人材

  当社グループはこれまで、事業規模の拡大に伴い、即戦力となりうる中途採用に注力してきました。そのため現状は新卒入社の従業員及び管理職の割合が少ない構成となっております。今後も当社グループの事業分野や人材ポートフォリオを踏まえ、中途採用者の採用・管理職への登用にも注力してまいりますが、グループ内で新卒採用を強化する会社を選定するなど、新卒・中途採用にメリハリをつけて採用活動を実施します。当該方針に基づき人材を採用・登用することにより新卒入社の従業員及び管理職の割合をこれまで以上としたいと考えています。

・シニア人材

  シニア人材の豊富な社会経験は大きな強みであると認識しており、グループ各社ではシニアが活躍できる職場の拡大に努めております。また、2023年にグループインしたヤマト・スタッフ・サプライ㈱はヤマトグループの経験豊富なOB/OGが約11,000名在籍しております。

・外国人人材

  当社グループでは、労働人口減少に対応すべく外国人労働者の採用と重要ポジションへの登用の強化を計画しており、それに伴い外国人材のマネジメント層についても増員する必要があると考えていることから、外国人管理職を増員させていく方針です。

  また、人材教育ビジネスにおける外国人技能実習生やエンジニア等が自国に帰国した際のキャリアパス実現のサポートや企業のグローバル戦略に対応する事を視野に入れ、新規採用の他、海外事業会社からの人材受入れ等を行い中核人材としての育成を進めていく方針です。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ委員会傘下の人的資本分科会において人的資本に係るリスクを特定し、事業活動に与える影響の把握に努めております。人的資本分科会にて認識したリスクについてはリスクマネジメント委員会と共有し、当社グループ全体の総合的なリスクとして統合管理しております。

 

(4)指標及び目標

分類

項目

2022

年度

(実績)

2023

年度

(実績)

2024

年度

(実績)

2025

年度

(計画)

2026

年度

(目標)

研修

研修受講者数)(注)1

17,935

19,863

19,662

22,192

うち、研究開発職

738

1,100

1,069

1,165

エンゲージメント

従業員エンゲージメント(注)2

62.4%

64.1%

65.3%

67.5%

71.0%

採用

重要なポジションの充足率

(注)3

52%

50%

54%

60%

(注)1.人材教育ビジネス主要関係会社の合計(㈱ワールドインテック、㈱ワールドスタッフィング、㈱ディンプル)

2.国内主要連結子会社25社の平均値。グループで同じ設問による調査を実施し、回答結果より各社平均値を算出

3.当社及び連結子会社の部長職以上における専任者の比率

 

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)戦略リスク

① 人材教育ビジネスに関するリスク

(顧客企業の人材需要の減少・変化)

 人材教育ビジネスにおいては、市況変動及び地政学的リスク等の海外情勢の変化に伴い、顧客企業における生産計画の低減等があった場合、人材需要が減少し業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 また、ICT、デジタル技術やロボット導入等が一層進展していく中、多くの業界において産業構造の転換が起きており、それによる人材需要の変化に対応できない場合、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

(人材確保・人材育成についてのリスク)

 そうした状況で、少子高齢化に伴う社会的な人手不足等がさらに進んだ場合は、人材確保が円滑に進まなくなることも想定され売上機会の損失や原価率の上昇等、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

(法令等の制定・改正)

 加えて、当事業は、労働基準法、労働者派遣法及びその他関係法令等による法的規制を受けておりますが、社会環境の変化に伴い法令等の制定・改正による規制強化が実施され、事業運営に制限が加わった場合は、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当社グループとしては、研究開発・設計開発・製造・リペア等の「ものづくり領域」を担うプロダクツHR事業と、ロジスティクス・ツーリズム・接客販売等の「サービス領域」を担うサービスHR事業により、幅広い領域にて事業を展開することで、あらゆる市況の変化に柔軟に対応してまいります。また、社員のキャリア形成の幅を広く持つ強みを活かし、人材企業としての魅力をさらに高め“選ばれる”会社となることで優秀な人材確保に繋げ、さらなる成長を図ってまいります。

 

② 不動産ビジネスに関するリスク

(市況変動)

 不動産ビジネスにおいては、景気動向の影響を受けやすいため、大きな市況変動が起こった場合は、業績に様々な影響を及ぼす可能性もあります。具体的には、物件価格下落による販売用不動産の評価損、原材料価格や人件費上昇による建築コストの高騰、競争激化や景気過熱による用地取得コストの上昇、顧客都合による引渡し時期のズレ、金利上昇による消費者購買意欲の低減等の影響が想定されます。

(法令等の制定・改正)

 また、当事業は、宅地建物取引業法、国土利用計画法、建築基準法、都市計画法、宅地造成及び特定盛土等規制法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、土壌汚染対策法等の法的規制を受けております。これら法令等の制定・改正により規制強化が実施され、事業運営に制限が加わった場合は、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当社グループとしては、デベロップメント関連だけでなくリノベーション関連、不動産アセットマネジメント等の幅広い領域での事業展開を行うことで景気変動に柔軟に対応していくとともに、慎重なリスクマネジメントによる“無理をしない”慎重な事業展開でリスクを最小限に抑え、景気動向を的確に見極めていくことで安定成長を図ってまいります。

 

③ 情報通信ビジネスに関するリスク

 情報通信ビジネスにおいては、主たる事業が携帯電話販売代理店事業という特性上、総務省による各携帯電話キャリアへの料金規制等の影響を大きく受ける可能性もあります。加えて、販売代理店の競争激化、業界全体での店舗の統廃合等が続いており、競争優位性が確保できない場合は、業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 また、当事業は、電気通信事業法、独占禁止法、景品表示法、携帯電話不正利用防止法等の法的規制を受けており、法改正等により業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当社グループとしては、人材育成と店舗改良等によりホスピタリティの高い優良店舗網の構築を進め、他社との差異化を図ることで競争優位性を確立し、残存者メリット享受に向け事業展開してまいります。

 

④ 農業公園ビジネスに関するリスク

 主たる事業が屋外施設の農業公園運営という特性上、気候変動の影響を大きく受ける可能性もあります。加えて、施設で使用する資源・エネルギー価格の高騰により業績に影響を受ける可能性があります。また、当事業は、食品衛生法、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律、酒税法、動物の愛護及び管理に関する法律等の法的規制を受けており、法改正等があった場合、業績への影響を受ける可能性もあります。

 

 当社グループとしては、安心・安全な施設運営を最優先に事業展開することで、お客様が安心してご利用いただける憩いの場としての社会的役割を果たし、新たな指定管理施設案件の獲得による地域分散と再生可能エネルギー設備の拡充によるコスト効率化などにより、安定運営に努めてまいります。

 

⑤ M&A、資本提携等に関するリスク

 当社グループでは、新規事業開拓のためのM&A、資本提携や企業再生を実施することがありますが、М&A等の実施後の事業・経営の統合プロセス及び事業推進が想定通りに進捗しない場合に、投下資本の回収が困難になる可能性、のれんの減損リスクが発生する可能性もあります。

 

 当社グループとしては、専任組織を設置し、十分な経験を積んだ担当者が案件の調査、交渉、買収後の事業計画策定等を行い、買収後も、定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、業績向上を目指した経営を行っております。

 

⑥ 多様な人材の確保・育成に関するリスク

 上記「人材教育ビジネスに関するリスク」に記載のほか、当社グループにおいて事業環境の変化や新たな社会的課題等に対応するための多様な人材の確保や育成に困難を来した場合には、当社グループの競争優位性が確保できず、事業や業績に影響を受ける可能性もあります。

 

 当社グループとしては、人的資本への投資として、専門性や創造性などを有する人材の育成を目的とした様々な研修や、他の事業会社へのジョブローテーションなどを積極的に行い、従業員の成長、能力向上を図っております。また社員のキャリア形成の幅を広く持つ強みを活かし、グループとしての魅力をさらに高め優秀な人材確保に繋げてまいります。

 

⑦ ファイナンスに関するリスクについて

 当社グループは、販売用不動産の主な用地取得資金を主に金融機関からの借入により調達していることから、今後の金融環境の変化、経済情勢・市中金利動向により、金利や手数料等が著しく上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。このような事態に備えて当社グループでは、主要取引金融機関2行と総額30,000百万円、期間3年間のコミットメントライン契約を締結しており、予め定めた条件下での安定的且つ機動的な資金調達ができる体制を確保しております。

 

 また、当社グループのコミットメントライン契約及びシンジケートローン契約には、一定の財務制限条項が付されており、条項に抵触した場合は、事業継続に必要な資金の調達が行えないことが想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。当社グループでは、取引金融機関への定期的な財政状態及び経営成績の開示をはじめ、事業計画及び資金計画の報告を行うことで、安定的な関係性の構築に努め、資金調達の安定化を図っております。

 

(2)業務リスク

① 自然災害リスクについて

 大規模な地震、暴風雨、洪水その他の天災地変等により、当社グループ及び取引先等が事業を通常通り行うことが困難となり、収益を逸失するリスク及び収益機会が先送りされるリスクが発生する場合があります。各セグメントにおける営業機会の逸失の他、人材教育ビジネスにおいては顧客企業の生産計画低減によるオーダーの減少等、不動産ビジネスにおいては工期の延長による計上時期のズレや保有不動産の毀損又は滅失等、情報通信ビジネスにおいては在庫の毀損又は滅失、及び店舗の毀損又は滅失等による運営継続難等、農業公園ビジネスにおいては施設の毀損による運営継続難、及び特に屋外施設であることから天候不良による入園者数減等が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当社グループでは、様々な災害の発生を重要な社会課題と認識し、災害対策マニュアル、復旧対策マニュアル等を策定し、有事に備えて事業継続のための体制を整備しております。

 

② 地政学的リスク・カントリーリスクについて

 当社グループは、事業活動拠点を国外にも展開しておりますが、国外の国・地域にて、政治的、軍事的、社会的な緊張が高まり、政治活動の混乱や経済活動の悪化、治安の不安定化やテロ、戦争の勃発及び予期せぬ疫病等が発生した場合は、当該地域で展開する当社グループの事業活動に直接支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性もあります。加えて、サプライチェーンの混乱等による燃料・原材料価格の高騰やその他事業環境の変化が生じることにより、当社グループの顧客企業の生産等の事業に影響があった場合には、当社グループの事業に対して影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当社グループでは、災害対策マニュアル、復旧対策マニュアル等を策定し、また有事のシナリオを想定した事業継続計画を予め検討するなど、有事に備えて事業継続のための体制を整備しております。

 

③ 法務・コンプライアンスリスクについて

 当社グループの社員や事業活動において、上記各事業に関するリスクに記載する法令等に抵触する事態が発生した場合には、行政処分や訴訟等も想定され、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下に加え、業績と財務状況等に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当該リスクについては当社のグループ法務部を主管部署とし、コンプライアンスを実現するための活動計画の策定・推進など、グループ各社においてコンプライアンス体制を構築し、コンプライアンス経営の徹底に努めております。

 

④ 情報セキュリティ、サイバーセキュリティリスクについて

 当社グループは、顧客企業の生産計画や新製品の開発に関わる情報、あるいは個人情報を知りうる立場にあり、不測の事由により情報の漏洩が発生した場合は、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性もあります。加えて、高度化・巧妙化するサイバー攻撃により、個人情報の流出、データ改ざん及びシステムの停止等が発生した場合は、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

 当該リスクについては、プライバシーマークの取得や、社員へのセキュリティ教育の実施に加え、情報監視室を設置し組織的に監視体制の強化を図り、情報の漏洩及びサイバー攻撃を未然に防ぐよう努めております。

 

⑤ 感染症リスクについて

 世界的に拡大した新型コロナウイルス等の感染症は、現状では落ち着きを見せておりますが、新たな感染症発生の可能性も含め未だ当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性もあります。感染症の拡大により、人と人との接触が制約を受けるという特性上、営業活動や採用活動への影響、消費者購買意欲の低下による販売数の減少、顧客企業の生産計画の低減による取引の縮小や終了等、様々な影響が考えられます。

 

 当社グループとしては、引き続き、まずは社員の安全確保・雇用維持を最優先に対策を実施し感染拡大防止に努めてまいります。

 また、一方では、コロナ禍で変化したニーズや新たに生まれたニーズ等様々な変化が起こっております。これらの変化を好機と捉え、従前から戦略的に構築してきた複数領域に亘る事業ポートフォリオを持つ強みを活かし、リスク分散と戦略的な注力領域への資本投下を進めることで、さらなる事業成長に繋げてまいります。

 

⑥ 気候変動リスク

 気候変動にかかる物理的リスクとして、気候変動に起因する自然災害により当社グループの拠点及び保有する不動産、並びに顧客企業が被災し稼働停止等に至った場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに業績に影響を及ぼす可能性もあります。また移行リスクとして、脱炭素への取組強化に関する規制強化や社会的な要求が高まることにより、当社グループ及び顧客企業の事業においてその対応に要するコスト負担が上昇し、さらには産業構造の転換に至る場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性もあります。

 

当社グループとしては、サステナビリティにかかる対応のなかで気候変動リスクへの対応を重要な経営課題と位置づけ、脱炭素社会実現に向けたグループとしての対応の検討を進めてまいります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的なインフレと金融引き締め政策の影響を受け、景気停滞感が意識される一年となりました。さらに、年初には能登半島地震や自動車業界の稼働停止の影響も重なり、厳しい状況下でのスタートとなりました。その後、個人消費は緩やかに回復する動きが見られたものの、物価上昇による実質所得の減少や企業の設備投資に対する慎重な姿勢が景気回復の足かせとなり、依然として先行きの不透明な状況が続きました。

当社を取り巻く主な事業環境としては、半導体業界において生成AIの普及やデータセンター投資の活発化を背景に、高性能半導体関連の人材需要が年度後半にかけて拡大しました。一方で、一部の汎用半導体は供給過多となり、製品ごとの需要動向にばらつきが見られ、業界全体の回復は当初の想定よりも遅れる結果となりました。不動産業界においては、不動産価格の高止まりが続き、慎重な事業展開が求められる状況です。

こうした厳しい事業環境下において、当社グループは「複数事業のポートフォリオ」という強みを活かし、多角的な事業展開によるリスク分散効果を発揮しました。その結果、業績への影響を限定的に抑えつつ増収を確保しましたが、当初計画は下回り、増収減益という結果となりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における総資産は174,370百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,165百万円の増加となりました。負債につきましては、負債合計が126,914百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,635百万円の増加となりました。純資産につきましては、純資産合計が47,456百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,530百万円の増加となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は242,226百万円(前期比13.3%増 / 計画比3.9%減)、営業利益は8,593百万円(前期比17.1%減 / 計画比4.6%減)、経常利益は8,551百万円(前期比16.6%減 / 計画比0.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,981百万円(前期比19.7%減 / 計画比5.1%増)となりました。

 セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。

 プロダクツHR事業は、売上高は110,347百万円(前期比9.0%増 / 計画比1.6%減)、セグメント利益は3,308百万円(前期比10.1%減 / 計画比22.1%減)となりました。

 サービスHR事業は、売上高は78,853百万円(前期比38.0%増 / 計画比0.8%減)、セグメント利益は1,695百万円(前期比42.1%増 / 計画比15.9%増)となりました。

 不動産事業は、売上高は38,863百万円(前期比9.4%減 / 計画比18.4%減)、セグメント利益は3,001百万円(前期比34.6%減 / 計画比4.0%増)となりました。

 情報通信事業は、売上高は8,703百万円(前期比12.9%増 / 計画比9.1%増)、セグメント利益は101百万円(前期はセグメント利益4百万円 / 計画比24.7%増)となりました。

 農業公園事業は、売上高は5,457百万円(前期比15.6%増 / 計画比12.3%増)、セグメント利益は169百万円(前期比66.5%増 / 計画比5.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は42,545百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,696百万円の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは1,444百万円の支出となりました。主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益8,956百万円、前受金の増加額1,145百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、売上債権の増加額1,387百万円、販売用不動産の増加額7,310百万円、法人税等の支払額3,976百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは2,970百万円の支出となりました。主なプラス要因は、貸付金の回収による収入201百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、有形固定資産の取得による支出2,049百万円、貸付による支出411百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは5,995百万円の収入となりました。主なプラス要因は、短期借入金の純増減額12,426百万円、長期借入れによる収入7,621百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出12,943百万円、配当金の支払額1,862百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は、当社グループ全体の事業活動において重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

前年同期比(%)

プロダクツHR事業(百万円)

110,347

9.0

サービスHR事業(百万円)

78,853

38.0

不動産事業(百万円)

38,863

△9.4

情報通信事業(百万円)

8,703

12.9

農業公園事業(百万円)

5,457

15.6

合計(百万円)

242,226

13.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

当連結会計年度

(自  2024年1月1日

至  2024年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

アマゾンジャパン(同)

28,676

13.4

29,599

12.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は174,370百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,165百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加額1,890百万円、受取手形及び売掛金の増加額1,414百万円、販売用不動産の増加額8,971百万円、仕掛販売用不動産の減少額1,660百万円、のれんの減少額1,084百万円等によるものであります。

 

(負債)

負債につきましては、負債合計が126,914百万円となり、前連結会計年度末と比較して10,635百万円の増加となりました。これは主に短期借入金の増加額5,150百万円、前受金の増加額1,145百万円、長期借入金の増加額1,964百万円等によるものであります。

 

(純資産)

純資産につきましては、純資産合計が47,456百万円となり、前連結会計年度末と比較して4,530百万円の増加となりました。これは主に資本金の増加額573百万円、資本剰余金の増加額573百万円、利益剰余金の増加額3,122百万円等によるものであります。

 

 b.経営成績の分析

(売上高)

基幹事業「人材・教育ビジネス」が主に関わる人材事業では、厳しい事業環境の中、複数業種へ展開している強みを活かし人員シフト等を的確に行ったことで、計画比は下回ったものの増収で着地することができ、売上高189,201百万円(前期比19.4%増 / 計画比1.3%減)となりました。不動産事業は、高収益物件を前期に前倒しで引渡したこと、及び当期に計上予定していたBIZIA小倉の引渡しが来期に期ずれしたことから、売上高38,863百万円(前期比9.4%減 / 計画比18.4%減)となりました。情報通信事業は、これまで行ってきた店舗のスクラップ&ビルドが奏功し収益改善が図れた結果、売上高8,703百万円(前期比12.9%増 / 計画比9.1%増)となりました。農業公園事業は、年間を通して天候に恵まれたことに加え、園内美化やコンテンツの充実化が奏功し、来園者数増と顧客単価上昇に繋がったことで、売上高5,457百万円(前期比15.6%増 / 計画比12.3%増)となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は203,438百万円(前期比15.5%増)となり、販売費及び一般管理費は30,194百万円(前期比10.8%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は4,981百万円(前期比19.7%減)となりました。

 

 c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(プロダクツHR事業)

プロダクツHR事業は、年初の能登半島地震や自動車業界における稼働停止の影響に加え、半導体業界の停滞が当初想定以上に長期化したため、第3四半期まで厳しい事業環境が続きました。しかしながら、複数分野をカバーする当事業の強みを活かし、各種業界への人員シフトを的確に進め、変化への迅速な対応を徹底することで、業績への影響を最小限に抑えるよう努めました。結果として、利益面では前期比・計画比ともに下回ったものの、増収を確保して着地いたしました。

第4四半期からは、半導体業界の回復に加え、製造装置・工作機械・自動車関連等の受注が増加したことにより、業績は順調に推移しております。また、次年度に向け、採用投資と人材育成投資を進め、さらなる成長への準備を推し進めました。特に半導体人材の育成には予てより注力しており、新設した「熊本テクニカルセンター」を含む全国11か所の研修拠点や多くの研修プログラムを活用し、今後さらに一段と半導体関連の人材育成を加速させていく計画です。

以上の結果、売上高110,347百万円(前期比9.0%増 / 計画比1.6%減)、セグメント利益は3,308百万円(前期比10.1%減 / 計画比22.1%減)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して2,228百万円増加の40,221百万円となりました。

 

 

(サービスHR事業)

サービスHR事業は、主力のロジスティクス部門において物量の減少により売上高が計画を若干下回ったものの、物流倉庫の一括請負(3PL)における生産性向上や、昨年グループに加わったヤマト・スタッフ・サプライ㈱の業績寄与、さらには接客販売部門が季節性を確実に捉えて商機に繋げたことなどにより、大幅な増収増益を達成いたしました。

また、ロジスティクス部門で培ったレイバーマネジメントのノウハウを活かした新たなビジネス「HRサポート」も安定して推移し、利益の底上げに寄与いたしました。さらに、福岡県小郡市に設置した自社運営倉庫も想定以上に順調で、業績の底上げに貢献しました。この成功モデルを基に、次年度に向け、ノウハウの横展開や新たな自社運営倉庫の設置・運用の準備を進めております。

以上の結果、売上高は78,853百万円(前期比38.0%増 / 計画比0.8%減)、セグメント利益は1,695百万円(前期比42.1%増 / 計画比15.9%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して106百万円減少の20,472百万円となりました。

 

(不動産事業)

不動産事業は、依然として不動産価格の高止まりが続く中、仕入・販売ともに最適なタイミングを見極めながら慎重な事業展開を進めております。前期に引渡しを前倒しした物件等もあったため、当期は販売物件が少なく減収減益となったものの、緻密なマーケティングに基づく物件ごとの利益率向上に加え、仕掛物件の賃貸を戦略的に継続することで得た賃貸収益等により、利益面は計画を上回り着地いたしました。引き続き不動産事業においても、フロー収益に加えストック収益の積み増しを図り、安定的な成長を目指してまいります。

本年度のマンション物件としては、東京都の「レジデンシャル王子神谷」、野村不動産㈱とのJV案件となる宮城県の「あすとレジデンシャル ザ・タワー」、大阪府の「レジデンシャル御堂筋あびこ」等の引渡しを着実に進めました。一方、予定しておりましたオフィスビル物件である、福岡県北九州市の「BIZIA小倉」は次年度への計上となりました。

以上の結果、売上高は38,863百万円(前期比9.4%減 / 計画比18.4%減)、セグメント利益3,001百万円(前期比34.6%減 / 計画比4.0%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して12,603百万円増加の98,002百万円となりました。

 

(情報通信事業)

情報通信事業は、携帯電話販売代理店業界が大きな変革期にある中、モバイルショップ運営において、これまで取り組んできたスクラップ&ビルドの成果としての各店舗の収益改善、および販促強化による販売台数増加などにより増収増益となり、計画も上振れて着地いたしました。

当セグメントが従前より強みを持つ法人向けソリューション部門を活かし、モバイルショップ内の法人営業チームを強化することで、引き続き個人・法人を含めた地域の課題解決拠点としてのプレゼンス向上と再成長を図ってまいります。

以上の結果、売上高は8,703百万円(前期比12.9%増 / 計画比9.1%増)、セグメント利益は101百万円(前年同期はセグメント利益4百万円/ 計画比24.7%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して263百万円増加の3,379百万円となりました。

 

(農業公園事業)

農業公園事業は、地域差や季節差はあるものの、年間を通して概ね天候に恵まれたことに加え、既存施設の大型修繕・園内美化、および各種コンテンツの充実化などを進めた結果、来園者数の増加と顧客単価の上昇に繋がり、さらには指定管理案件の増加も寄与したことで増収増益となり、計画も上振れて着地いたしました。

本年度は、新たな指定管理等案件として「さいたま市都市公園グループ8・10」「兵庫県立淡路文化会館」「神戸ウォーターフロントエリア(メリケンパーク~ハーバーランド広場)」「りんりんポート土浦」を確実にスタートさせました。また、次年度に向けた新たな施設開発の準備も着実に進捗いたしました。

以上の結果、売上高は5,457百万円(前期比15.6%増 / 計画比12.3%増)、セグメント利益は169百万円(前期比66.5%増 / 計画比5.4%増)となりました。また、セグメント資産は前連結会計年度末と比較して308百万円増加の3,420百万円となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 1)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 2)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループにおける資金需要は、主として不動産事業における事業用地購入資金、建物建築資金及びM&A資金であります。これらの必要資金は主に金融機関からの借入金により調達しております。また、主要取引金融機関2行とそれぞれ借入極度額15,000百万円、期間3年のコミットメントライン契約を当連結会計年度中に締結しており、機動的かつ安定的な資金調達に備えております。

 当連結会計年度末の短期借入金の残高51,034百万円のうち不動産関連資金が47,193百万円、長期借入金の残高34,858百万円のうち不動産関連資金が18,727百万円、子会社株式取得資金が9,415百万円となっております。

 今後も不動産関連資金及び子会社株式取得資金の調達が見込まれる中、金融市場の動向を的確に把握するとともに低利かつ有利な資金の調達を図ってまいります。

 

③重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっての会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」及び、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

① 情報通信事業における一次代理店との契約については、以下のとおりであります。

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約締結日

契約期間

契約内容

㈱ワールドスタイル

㈱ジェイ・コミュニケーション

東京都豊島区西池袋一丁目4番10号

2017年

12月27日

1年毎の自動更新

代理店基本契約書

㈱ネットワークソリューション

テレコムサービス㈱

東京都豊島区西池袋一丁目4番10号

2005年

12月29日

1年毎の自動更新

代理店基本契約書

 

② 金融機関とのコミットメントライン契約については、以下のとおりであります。

契約会社名

相手先の名称

借入極度額

契約締結日

契約期間

契約形態

㈱ワールドホールディングス

㈱福岡銀行

15,000百万円

2023年

9月29日

2023年9月29日

~2026年9月30日

相対型

㈱ワールドホールディングス

㈱西日本シティ銀行

15,000百万円

2023年

12月29日

2023年12月29日

~2026年12月30日

相対型

 

6【研究開発活動】

 記載すべき事項はありません。