第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況の分析

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、物価上昇や円安、人手不足に加え、米国新政権の通商政策や地政学リスクの高まりによる不確実性が影響し、不透明感の強い環境下で推移しました。こうした中、景気は全体として弱含みながらも、一部企業の堅調な業績に支えられ、底堅い動きを見せました。ただし、先行きについては、国際的な貿易環境の変動や為替動向により、慎重な見方が一層強まっています。

当社グループを取り巻く主な事業環境としては、人材教育ビジネスで主に関係する半導体分野が、AIやデータセンター向けの旺盛な需要を背景に全体として堅調に進展し、当社のプロダクツHR事業の成長を後押ししました。一方、不動産分野では、都市部を中心に不動産価格の高止まりが依然として続き、投資リスクの高まりから慎重な対応が求められる状況が続いています。

こうした不確実性の高い経済状況の中、当社グループは「複数事業のポートフォリオ」という強みを活かし、多角的な事業展開によるリスク分散を図りながら、慎重な事業展開を推し進めております。その結果、当中間期においては、セグメントごとに強弱はあるものの、主力の人材教育ビジネスが全体を牽引し、計画を上回り、前年同期比でも増収増益を達成いたしました。

以上の結果、売上高は131,785百万円(前年同期比18.9%増 / 計画比0.9%増)、営業利益は4,975百万円(前年同期比111.0%増 / 計画比40.4%増)、経常利益は4,824百万円(前年同期比102.6%増 / 計画比51.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は2,650百万円(前年同期比259.2%増 / 計画比70.3%増)となりました。

 

各セグメントの業績は次のとおりです。

 

(プロダクツHR事業)

プロダクツHR事業は、注力する半導体分野が堅調に推移したことなどにより、計画を上回り、前年同期比でも増収増益を達成いたしました。一方で、今後予想される米国関税政策の影響を警戒し、複数分野をカバーする当事業の強みを活かしてリスク分散を図りながら慎重に事業を展開しております。その中で、コスト管理の徹底に加え、自社運営の採用サイトの積極的な活用などにより採用効率が向上し、特に利益面で上振れを実現いたしました。

最も注力する人材育成に関しては、全国11か所目の研修施設となる「熊本テクニカルセンター」の稼働を4月に開始し、半導体関連人材の輩出を加速させました。さらに、熊本県の学校法人開新学園と産学連携協定を3月に締結し、開新高等学校および熊本工業専門学校と連携して、同センターも活用しながら半導体技術者の育成と地域活性化に貢献します。また、徳島県鳴門市とも連携協定を5月に締結し、鳴門市における製造業やIT関連企業の誘致、新たな雇用の創出、蓄電池関連産業をはじめとする人材育成を推進し、地域産業への貢献を目指します。

また、金属チタン製造業界大手の東邦チタニウム㈱の子会社であるトーホーテック㈱の発行済株式の65%を当社の連結子会社である㈱ワールドインテックが3月に取得しグループに迎え入れました。トーホーテック㈱はチタンを専門とする金属加工品事業を行う素材産業の製造メーカーです。当社グループの「受託(請負)」に注力する戦略や人材育成を通じて新たなシナジーを発揮するとともに、素材産業のさらなる拡充を図れると考えています。

加えて、㈱ワールドインテック、㈱SUBARU、日総工産㈱の3社による共同出資で、人材サービスを提供する新会社「㈱SUBARU nw Sight」(スバルニューサイト)を6月に設立いたしました。この新会社は、主に㈱SUBARUおよび同社の取引先への人材サービス提供を想定しており、多様な労働者が活躍できる場の創出や、教育・リスキリングによる自己価値向上の機会提供を通じて、製造業全体の変化する生産活動を支える人材スキームの構築を目指します。

以上の結果、売上高は58,395百万円(前年同期比9.9%増 / 計画比5.6%増)、セグメント利益は1,715百万円(前年同期比45.9%増 / 計画比70.6%増)となりました。

 

(サービスHR事業)

 サービスHR事業は、主力のロジスティクス部門が堅調に推移したことで、計画を上回り、前年同期比でも増収増益を達成いたしました。ロジスティクス部門では、eコマース向け分野において、請負倉庫での物量増加に対し、強みであるレイバーマネジメント力を活かして的確に対応したことで業績の向上に繋がりました。加えて、生産性の向上や「HRサポート」の安定稼働などにより、利益面での改善が実現いたしました。さらには、ヤマト・スタッフ・サプライ㈱での請負業務も順調に進展し、業績の底上げに寄与いたしました。

 また、昨年設置した福岡県小郡市の自社運営倉庫が順調に稼働していることから、本年度も9月に新たな自社運営倉庫の設置を計画し、さらなる成長に向けた基盤強化を着実に進めております。

 接客販売部門とツーリズム部門では、4月から開催されている大阪万博関連の取り組みが順調に推移し、業績の向上に寄与いたしました。

以上の結果、売上高は40,599百万円(前年同期比9.8%増 / 計画比5.1%増)、セグメント利益は684百万円(前年同期比25.5%増 / 計画比93.1%増)となりました。

 

(不動産事業)

不動産事業は、依然として不動産価格の高止まりが続く中、仕入および販売において最適なタイミングを見極めながら、慎重な事業展開を進めております。そのような状況の中、福岡県北九州市の「BIZIA小倉」等の一部物件の引渡しを先送りしたため、当中間期では売上高が計画比を下回る結果となっておりますが、年度計画に変更はございません。

また、一方で、緻密なマーケティングに基づく物件ごとの販売価格設定や、想定していたコストの抑制が実現できたことに伴う利益改善効果により、特に利益面では上振れて推移をしており、前年同期比では大幅な増収増益で着地いたしました。

引き続き、当不動産事業においても、フロー収益に加え、開発物件の賃貸を戦略的に継続することや賃貸管理・建物管理事業等によるストック収益の積み増しを図り、安定的な成長を目指してまいります。

以上の結果、売上高は24,803百万円(前年同期比81.9%増 / 計画比15.0%減)、セグメント利益は2,089百万円(前年同期比578.4%増 / 計画比22.3%増)となりました。

 

(情報通信事業)

情報通信事業は、主力のモバイルショップ運営において、これまで取り組んできたスクラップ&ビルドの成果としての各店舗の収益改善、および販促強化による販売台数増加などにより計画を上振れて推移し、前年同期比でも増収増益で着地いたしました。加えて、法人向けソリューション部門の中小企業向けエネルギーコンサルティングやコールセンター部門が堅調に推移し、利益面の底上げに寄与いたしました。

引き続き、モバイルショップ運営と強みである法人ソリューション部門のシナジーを図りながら、個人・法人を含めた地域の課題解決拠点としてのプレゼンス向上と再成長を図ってまいります。

以上の結果、売上高は5,115百万円(前年同期比17.5%増 / 計画比10.6%増)、セグメント利益は197百万円(前年同期比102.6%増 / 計画比83.8%増)となりました。

 

(農業公園事業)

農業公園事業は、2月の大雪や、最繁忙期である4~5月が悪天候に見舞われたことで、各公園施設への入園者数が落ち込み苦戦を強いられたことに加え、原価上昇等も相俟って、計画を下回り前年同期比で減益となりました。

一方、既存施設の大型修繕や園内美化、各種コンテンツの充実化を進めた結果、着実に顧客単価の上昇につながっており、引き続き、夏季の繁忙期に向けたコンテンツ強化等を推し進めております。

4月には新たに「赤磐市吉井竜天オートキャンプ場・赤磐市竜天天文台公園」の指定管理運営を開始し、加えて、2020年のコロナ禍で閉園していた直営施設「信州塩尻農業公園 チロルの森」を再開いたしました。チロルの森では、ぶどう園、ワイナリー、大規模ソーラーシェアリングなども予定しており、収益寄与に加え、引き続き、地域活性化への貢献に取り組んでまいります。

以上の結果、売上高は2,871百万円(前年同期比5.4%増 / 計画比1.1%減)、セグメント利益は61百万円(前年同期比63.9%減 / 計画比59.6%減)となりました。

 

引き続き、「世界中にあらゆる『人が活きるカタチ』を創造することで、人々の幸せと社会の持続的発展を実現する」という当社グループのパーパスの下、最重要資産である人的資本への投資を進め、その価値を高めることで、さらなる社会への貢献と高い成長を目指してまいります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は35,691百万円となり、前連結会計年度末と比較して6,853百万円の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは9,477百万円の収入となりました。主なプラス要因は、税金等調整前中間純利益4,895百万円、販売用不動産の減少額6,273百万円、未払消費税等の増加額424百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、仕入債務の減少額943百万円、前受金の減少額837百万円、法人税等の支払額2,531百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは8,697百万円の支出となりました。主なマイナス要因は、有形固定資産の取得による支出5,578百万円、投資有価証券の取得による支出1,648百万円、新規連結子会社の取得による支出916百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは7,708百万円の支出となりました。主なプラス要因は、長期借入れによる収入3,359百万円等によるものであり、主なマイナス要因は、短期借入金の純減少額1,945百万円、長期借入金の返済による支出7,428百万円、配当金の支払額1,506百万円等によるものであります。

 

(3)財政状態の状況の分析

(資産)

 当中間連結会計期間末における総資産は168,801百万円となり、前連結会計年度末と比較して5,569百万円の減少となりました。これは主に現金及び預金の減少額7,014百万円、仕掛販売用不動産の減少額7,665百万円、有形固定資産の増加額6,970百万円、投資有価証券の増加額1,918百万円等によるものであります。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債合計は119,510百万円となり、前連結会計年度末と比較して7,403百万円の減少となりました。これは主に不動産事業未払金の減少額711百万円、短期借入金の減少額2,610百万円、前受金の減少額829百万円、長期借入金の減少額1,802百万円等によるものであります。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産合計は49,290百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,834百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加額949百万円、その他有価証券評価差額金の増加額306百万円、非支配株主持分の増加額511百万円等によるものであります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。