当連結会計年度におけるわが国経済は、消費増税後の反動減が一段落し、政府や日銀による金融・経済政策により円安、株高が進行したこと等により、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で個人消費は、物価の上昇に家計の所得が追い付いていない等の弱さが見られ、経済の好循環による確かな景気回復に期待が寄せられる状況が続いております。
当業界においては、電力価格の高止まりが続く中、省エネ商材の需要は一定程度あるものの、太陽光発電設備ではFITによる買取価格の見直しの影響や、供給過多による系統電力会社への接続保留という事態が出来し、企業の投資意欲が大幅に低下することとなりました。しかしながら今後の電力受給に係る事業環境は再生可能エネルギーにとって必ずしもマイナス向きではなく、2015年7月16日に資源エネルギー庁が長期エネルギー需給見通しを決定し、2030年時点を目標とした電源比率、いわゆる「エネルギーミックス」では、再生可能エネルギーの比率を22~24%とすることを公表しております。これは、2014年度時点での電気事業連合会が公表している電源別発電電力量構成比の地熱及び新エネルギーの比率3.2%と比較した時に、再生可能エネルギーの電源開発を積極的に推進していくことを示唆しているものと判断されます。バイオマス発電については、天候に左右されず安定して電力の供給が望めることでベースロード電源としての期待が高まっていることや、FIT制度導入後の事業採算性の高さから新規参入が相次いだことにより市場は急速に拡大しております。
当社グループの省エネルギー支援サービス事業においては、既存のオンサイト自家発電事業の一部のプロジェクトで燃料調達に関する契約内容の見直しや、契約の満期終了があったため前期と比較して売上高は大幅に減少したものの、営業利益面では一定の水準を確保することができました。一方、グリーンエナジー事業の木質バイオマス発電所においは、FITへの移行後2年が経過し安定的に収益を伸ばすとともに、大分県豊後大野市での新たな木質バイオマス発電所の開発も順調に進捗しております。さらに、今年3月には栃木県鹿沼市において新たな木質バイオマス発電事業に着手することを決定し、日本における木質バイオマス発電分野のパイオニアとして着実に事業の拡大、普及を図っております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高7,049百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益1,553百万円(前年同期比1.2%減)、経常利益1,447百万円(前年同期比4.5%増)、当期純利益966百万円(前年同期比39.0%減)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当連結会計年度では、FITにより拡大した太陽光発電設備の需要が一段落したことをはじめ、大型の省エネルギー設備の販売が伸び悩む結果となりました。オンサイト自家発電、業務系省エネの既存プロジェクトについては、一部のオンサイト自家発電プロジェクトにおいて燃料調達を顧客自らが行う形式へ契約内容を変更したことや、契約の満期終了により外部売上高は減収となりましたが、利益については一定の水準を確保継続する結果となりました。一方、連結子会社であるアールイー大分㈱にて進行中の新たな木質バイオマス発電所の建設を請け負い、内部売上高が計上されたことから、本事業セグメントは増収増益となりました。
この結果、当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では5,410百万円(前年同期比53.0%増)、営業利益207百万円(前年同期比23.4%増)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当連結会計年度では、日田及び白河ウッドパワーの木質バイオマス発電所2基は順調に稼働し90%超の高稼働率を維持いたしました。木質チップ燃料の供給を担当する㈱ファーストバイオスについても安定的に燃料を収集、供給することができ、外部販売も好調に推移いたしました。一方、燃料の収集では、未利用木材、一般木材の利用が増加したものの、使用した木質チップの含水比が高く燃費が低下したことや、これにより電力販売単価のバイオマス比率が悪化する結果となりました。また、本事業セグメントでは、将来の事業拡大を見据え人員の増強を図っており、人件費が増加したことに加え、メンテナンス費用引当金の積み増しを行ったことなどもあり事業収益については大きな改善とはなりませんでした。ソーラーフィールド日田太陽光発電所では、昨夏の天候不順の影響から前期に比べ売上高は低下したものの、FIT電力供給には一定の貢献をしております。これらのことから本事業セグメントは売上高は増収、利益はほぼ横ばいとなりました。
この結果、当連結会計年度の本事業セグメントの業績は売上高で4,658百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益1,527百万円(前年同期比0.5%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は2,765百万円増加し、3,715百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、2,457百万円(前年同期2,509百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益1,065百万円、減価償却費1,096百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,804百万円(前年同期16百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,371百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、3,113百万円(前年同期1,807百万円の支出)となりました。これは長期借入金の返済による支出1,181百万円や割賦債務の支払額2,015百万円があった一方、長期借入による収入4,382百万円や、株式の発行による収入2,052百万円があったことによるものです。
省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。
セグメントの名称 | 発電実績(MWh) | 前年同期比(%) |
グリーンエナジー事業 | 166,495.38 | △0.2 |
合計 | 166,495.38 | △0.2 |
(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、㈱日田ウッドパワー、㈱白河ウッドパワー、ソレイユ日田㈱3箇所の発電所より送電された電力です。
省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注状況について記載すべき事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
省エネルギー支援サービス事業 | 2,390 | △30.7 |
グリーンエナジー事業 | 4,658 | 11.6 |
合計 | 7,049 | △7.5 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
日本テクノ株式会社 | 3,914 | 51.35 | 4,340 | 61.58 |
株式会社ブリヂストン | 950 | 12.47 | 331 | 4.70 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
我が国のエネルギーに関する環境は、電力小売完全自由化、発送電分離や原子力発電所の再稼働を見据え、省エネルギーのさらなる実践や化石燃料による発電、再生可能エネルギーによる発電の最適配分をどのように実現していくか極めて不透明な状況と言えます。再生可能エネルギーによる発電に関しては、2030年を目途に電源構成比率で22~24%程度とする長期エネルギー需給見通しが決定され、これに沿った様々な政策が展開されることと予想されます。一方で直近の事業環境では、太陽光発電のFIT買取価格が大幅に低下したことに加え、各電力会社の所有する系統線への送電源の接続に関し設備容量の不足から増加する設備費負担をいかに配分するかという新たな問題が浮上しております。
このような状況の下、当社グループの主要事業である省エネルギー、創エネルギー、とりわけ木質バイオマス発電事業は、天候に左右されず人がコントロールすることができる電源であり、かつ、荒廃した森林資源の再生やそれに関わる地域事業の創生、活性化に大きな期待を寄せられていると認識しています。当社グループは、これらの期待に応えるべく新たな木質バイオマス発電所の開発や燃料となる木質チップの製造、流通、販売に関する事業開発に積極的に取組み、この分野におけるパイオニア、エキスパートとしての地位を確立していくことに注力してまいります。
このため、新たな発電所建設や本事業の周辺分野に積極的な投資を実施し、事業基盤の長期的な安定を図るとともに、これらを推進する人材の確保、教育、訓練を重要な課題と位置づけ、木質バイオマス発電所運営ノウハウのさらなる研鑽に努めてまいります。なお、現在、鋭意推進中の大分県豊後大野市における木質バイオマス発電所の建設を確実に進捗させ、同発電所稼働に必要な事業環境の構築、整備を重要かつ最大の課題と認識しております。これらの課題に対処するため、人材の募集や教育、燃料調達ネットワークの広域化を積極的に推進してまいります。
「事業等のリスク」には、当社グループの財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが入手可能な情報等に基づいて判断したものです。
①省エネルギー支援サービス事業について
ⅰ パフォーマンス契約であること
省エネルギー支援サービス事業は、対象施設全体のエネルギー使用状況に関する調査、診断、コンサルティングから施工、維持管理、その後の効果の測定・検証の提供までを一貫して行い、実施した省エネルギー対策について、一定の省エネルギー効果を保証するものです。
ギャランティード・セイビングス契約は、ESCO事業者による省エネルギー方策の提案に基づき、顧客企業が省エネルギー設備の投資を実施し、資金調達も顧客企業が行うものです。ESCO事業者は、省エネルギー設備導入による効果を測定・検証します。
シェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客企業に代わり省エネルギー設備の設備投資を行うものであり、省エネルギー設備導入により生じる顧客企業におけるコスト削減効果を、顧客とESCO事業者が分けあうものです。当社グループにおける契約形態は、シェアード・セイビングス契約が中心となっております。
ギャランティード・セイビングス契約及びシェアード・セイビングス契約はいずれも、一定のエネルギー削減効果をESCO事業者が保証するパフォーマンス契約を包含しており、一定の省エネルギー効果が実現できない場合には、ESCO事業者は顧客企業に対してパフォーマンス契約に基づく省エネルギー保証値を補償するリスクを負っております。
またシェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客に代わり省エネルギー設備の投資を行うため、顧客信用力に起因する設備投資に係る回収リスクを潜在的に内包しております。当社グループにおいては、小型案件の一部例外を除いて、金融機関との間で当該回収リスクは金融機関が負うノン・リコース型ファイナンス契約を組成することにより、顧客の倒産リスクを回避しております。
ⅱ 燃料価格の変動について
省エネルギー支援サービス事業の一つのサービス・メニューとしてオンサイト発電サービスがあります。本サービスは、ESCO事業者が顧客に代わり自家発電設備への投資を行い、自家発電設備の運転・維持管理を代行し、顧客に電力等を供給するものです。
本サービス実施のためには、重油・LNG等の発電用燃料を当社グループが調達する必要があります。重油・LNG等の燃料価格は、世界的な原油需要や産油国の動向により変動しますが、燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 設備の安定稼動について
当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)等の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら、当社グループの想定外の理由に伴い、計画した稼動を行うことが出来ず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅳ 個別事業の中途清算等について
省エネルギー支援サービス事業の契約形態のうちシェアード・セイビングス契約では設備所有を当社が担っており、顧客とのエネルギーサービス契約は契約終了時に更新又は設備の購入の選択権を顧客が有しております。当事業スキームでは、原則的に設備は法定耐用年数に相当する期間利用することを前提としておりますが、何らかの事情により事業を中止及び契約期間中又は終了時に清算することとなり、顧客が設備購入を選択した場合、購入額と設備の簿価又は設備に係る債務残高との差異、あるいはその他債務の負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②グリーンエナジー事業(再生可能エネルギーによる発電事業)について
当社グループの運営する発電所は、平成24年7月に施行されたFITに基づく発電事業を営んでおります。
この制度を背景として、現在、木質バイオマス発電所を大分県日田市及び福島県白河市で、太陽光発電所を大分県日田市で操業しております。FITの電力買取条件については、調達価格等算定委員会にて調達買取価格等について検討がなされ年度ごとに見直しが行われます。同制度にて発電設備認定を受け決定された調達期間(既存木質バイオマス発電所は平成25年3月認定を起点として約14年、太陽光発電所は平成25年5月送電開始を起点として20年)及び調達買取価格は調達期間中に変更されることはありませんが、新設発電所の調達買取価格は、同制度の適用決定時期により当初計画された事業計画の価格と乖離する可能性があります。その場合、当社グル―プの事業計画に影響を及ぼす可能性があります。また、政策の転換等により既存の発電所が同制度の適用を受けられなくなった場合、同じく当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ 木質バイオマス燃料の確保について
木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料を確保することが重要です。当社グループが燃料として使用する木質バイオマス燃料は、伐採木材、製材所や木工加工メーカー等から排出される廃材、建築解体現場から排出される建築廃材等を粉砕加工したものです。当社グループは、木質バイオマス燃料製造会社(以下、「燃料製造会社」)から木質バイオマス燃料を購入いたしますが、自然災害等の不測の事態により燃料製造会社から木質バイオマス燃料の供給が中断する場合や燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 木質バイオマス燃料の品質の確保について
木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料量を確保することと共に、その品質の安定化が重要です。 当社グループは、調達する木質バイオマス燃料の品質に関し燃料製造会社と契約書や合意書を取り交わしておりますが、想定された規格に満たない品質の燃料、もしくは燃料に異物が混入した場合には、発電設備に損傷を与える可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 設備の安定稼動について
木質バイオマス発電所の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら当社グループの想定外の事態が発生し設備が損傷した場合、計画した発電を行うことが出来ず当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅳ FITの木質バイオマス発電事業の売上総利益率について
FITの木質バイオマス発電では、未利用木材、一般木材、リサイクル木材の混合割合により電力販売単価が変動します。電力販売単価の計算は、これらの木質チップの熱価量、水分量、購入量等により定められた方法によりバイオマス比率を計算し、電力量の加重平均により求めます。これらの要素は燃料が自然由来のものであるため常に変動することから、ある特定の期間の売上総利益率が変動する可能性があります。
③自然災害及び不測の事故等について
当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)及び木質バイオマス発電所、太陽光発電所、さらには推進中の新設木質バイオマス発電所について、自然災害、人為的なミス、テロ、燃料供給の中断又はその他の不測の事態により、事業運営や事業計画に支障を来たし、ひいては顧客企業、周辺地域に悪影響を及ぼす可能性があります。
④国のエネルギー政策の転換又は国際社会情勢の変化について
現在、我が国はエネルギー政策基本法に基づき省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入を進めております。また国際社会においては、気候変動に関する国際連合枠組条約に基づき温室効果ガスの削減が取り組まれております。同条約の京都議定書は、これをロシアが正式に批准したことにより、平成17年2月16日に発効し、国際社会における温暖化ガス削減に向けた実効性のある取組みが確立されることになりました。
我が国のエネルギー政策は、施行されたFITにより今後様々な分野で変革が進行すると予想されます。これらの基本方針や施策の変更により、当社グループの事業運営や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制について
当社グループの事業の一部は、「電気事業法」による規制を受けており、本法規を遵守する義務があります。また、経済産業省資源エネルギー庁が実施する新エネルギー事業者支援対象補助金や独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するエネルギー使用合理化事業者支援事業補助金等の交付を受けております。したがって、国の補助金の適正運用を定めた「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の適用を受けます。
当社グループが保有するオンサイト発電設備においては、廃油(エンジンオイル)の処理が必要であり、当社グループは排出者として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を遵守する義務があります。当社グループがこれら法律及び規制を遵守できなかった場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社の役員、従業員及び子会社従業員に対するインセンティブを目的としてストックオプション制度を導入しております。会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づく新株予約権を当社の役員、従業員及び子会社従業員に対して付与しております。
現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
⑦特定販売先への高依存度について
当社グループのグリーンエナジー事業における発電所は、いずれもFITの認定発電所であり同制度により一般電力会社による電力買取が義務付けられているため、当社グループが発電した電力は電力会社への販売が確保されておりますが、電力供給手続きや取引条件等で比較的有利な条件を提示した日本テクノ株式会社に木質バイオマス発電所の電力を全量販売しております。このため、当社グループの平成27年6月期連結会計年度における同社への売上高は、当社グループ連結売上高の61.58%を占めております。同社との契約は1年毎に見直しており、当社グループは安定的な電力販売を行う方針でありますが、同社との電力販売契約において販売条件の変更又は解約等が発生した場合や、他の電気事業者と同様の条件で電力販売契約が締結できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、同社は平成27年6月30日現在、当社の発行済株式総数の33.78%を所有しております。このことから同社による当社株主総会での議決権行使が、当社の事業運営等のガバナンスに影響を与える可能性があります。しかしながら、今後の新たな省エネルギー及び再生可能エネルギーに関するビジネス展開を拡充していく点で、同社との協調関係を構築することは当社の企業価値向上に資するものであり、株主の皆様の利益向上にもつながるものと考えております。なお、当社の事業活動において、同社からの制約は無く、事業運営上の独立性は確保されていると認識しております。
⑧有利子負債依存度について
当社グループは、運転資金、設備投資資金について金融機関及びリース会社から調達しております。このため総資産に占める有利子負債(借入金、リース債務、長期未払金)の割合が平成27年6月30日現在で56.6%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨シンジケートローンについて
当社の子会社は、発電所建設資金の調達を行うためシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触し、当該債務の一括返済を求められた場合、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
⑩建設予定の発電所について
当社グループでは、大分県豊後大野市において、大分第2木質バイオマス発電所(仮称)の建設を計画しております。当該建設計画は、既に土地売買契約を締結し、FITの設備認定を取得しており、順次進行しておりますが、予期せぬ事象の発生等により、建設計画が大幅に変更された場合又は当該発電所の完工が遅れた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
シンジケートローン契約について
当社子会社であるアールイー大分株式会社は、大分第2木質バイオマス発電所(仮称)の建設及び事業推進にかかる資金調達のため、平成26年6月30日付で株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして、取引金融機関5行による総額63億円のコミットメント型シンジケートローン契約を締結しております(平成27年6月30日現在借入実行残高38億円)。当該契約の概要は次のとおりです。
(1)借入人 | アールイー大分株式会社 |
(2)保証人 | 株式会社ファーストエスコ(当社) |
(3)借入先 | 株式会社三井住友銀行 |
(4)借入極度額 | 63億円 |
(5)契約日 | 平成26年6月30日 |
(6)コミットメント期間 | 平成26年7月1日~平成28年8月31日 |
(7)タームローン期間 | 平成28年9月1日~平成43年6月30日 |
(8)財務制限条項 | ・借入人は平成28年6月期以降の各決算期(本決算及び第2四半期決算、以下各項において同じ)末日における決算報告書等の数値に関し、以下のすべての事項を遵守すること。 ①単体貸借対照表の純資産をマイナスにしなこと。 ②次の計算により算出される数値を3期連続(初回を平成29年6月期、平成30年6月期第2四半期、平成30年6月期の3期とする)で1.0未満としないこと。 (計算式) (経常利益+受取利息+受取配当金+減価償却費)÷(本契約元本弁済金+本契約に基づく支払利息) ・保証人ファーストエスコは、平成26年6月期以降の各決算期(本決算のみ)末日における有価証券報告書等の数値に関し連結貸借対照表の純資産合計金額を14億6,300万円以上に維持すること。 |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、繰延税金資産の計上について回収可能性を検討し、妥当と判断される額を流動資産及び法人税等調整額に計上しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績
(売上高及び売上原価)
省エネルギー支援サービス事業においては既存のオンサイト自家発電事業の一部のプロジェクトで燃料調達に関する契約内容の見直しや、契約の満期終了があったことにより売上高は大幅に減少となりました。一方グリーンエナジー事業においてはFITへの移行後2年が経過し、発電所では安定的に売上を伸ばすとともに、燃料の外部販売も好調に推移いたしました。この結果、当連結会計年度における売上高は、7,049百万円(前年同期比7.5%減)となりました。
売上原価については、グリーンエナジー事業において燃料仕入高の増加があったものの、省エネルギー支援サービス事業において一部のプロジェクトで燃料調達に関する契約内容の見直しや、契約の満期終了があったことにより仕入高が減少し、売上総利益は2,051百万円(前年同期比0.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は498百万円(前年同期比2.8%増)と前年とほぼ同水準となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は16百万円(前年同期比88.6%減)、営業外費用は123百万円(前年同期比63.3%減)となりました。営業外収益減少の主な要因は、前期ソレイユ日田㈱において割賦解約益の計上があったことによるものです。営業外費用減少の主な要因は、前期アールイー大分㈱において資金調達を行った際、アレンジメントフィー及び関連費用の計上があったことよるものです。
(特別利益及び特別損失)
当連結会計年度は特別利益の計上はありませんでした。特別損失は381百万円(前年同期342百万円)で、主な内容は、省エネルギー支援サービスのオンサイト自家発電の一部プロジェクト解約による店舗閉鎖損失です。
(3) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、一部オンサイト自家発電プロジェクトの契約満期による資産の譲渡や除却など減少要因もありましたが、増資による資金調達を行ったことによる現金及び預金の増加や、大分第2バイオマス発電所建設のための固定資産取得により大幅に増加いたしました。その結果、前連結会計年度より5,531百万円増加し18,241百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計についても、一部オンサイト自家発電プロジェクトの契約満期による長期未払金や契約損失引当金の減少がありましたが、大分第2バイオマス発電所の設備投資による未払金の増加や、長期借入金などの増加があり前連結会計年度より2,316百万円増加し12,713百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、増資による資本金、資本剰余金の増加や当期純利益の計上による利益剰余金の増加があり、前連結会計年度より3,215百万円増加し5,527百万円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
平成26年4月に新たなエネルギー基本計画が閣議決定され、原子力発電所の位置づけや再稼働への道筋、再生可能エネルギーの導入加速、石炭火力発電の再評価からその他の一次エネルギーの事業基盤の再構築等、エネルギー需給に関する長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策が示されました。
このエネルギー基本計画の前段では、国産エネルギーの脆弱性や需給構造の変化、資源価格の不安定さのほか、温暖化ガス排出量や電気料金負担の増加等、様々な課題が提起され、今後、エネルギー需給構造の改革を大胆に進めていくことが不可避と結論しています。今後、種々の課題対応や需給構造改革に関する施策が実施された場合、各種法条例に基づく補助金や規制又は業界の再編等の事象が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となり得ると考えております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループではグリーンエナジー事業において、木質バイオマス発電及びその周辺事業を主要な事業としておりますが、平成24年7月に施行されたFITの影響を受け、木質バイオマス発電事業についても様々な業種からの新規参入が顕著となってまいりました。これは、全国各地の森林再生を目的として主に県の森林振興部署と地元の林業、木材関係者らが積極的に森林資源のユーザーとなる木質バイオマス発電事業者を誘致する動きを展開したこと、また、再生可能エネルギーの中で天候に左右されず安定的に電力を供給することが可能な電源であること、持続可能な自然由来のエネルギーへの期待が高まったこと等によるものと考えられます。
このような状況の中、これまで培った木質バイオマス発電に関する運営ノウハウを最大限活用しこの分野における未利用木材の利用促進、発電所の開発、電力の供給に尽力してまいる所存です。現在、大分県豊後大野市において新たな木質バイオマス発電所の建設を推進中でありますが、この建設を確実に進捗させるとともに早期の設備稼働を実現し、安定的な電力の供給と地元関連産業の活性化を推進していくことが社会貢献につながり企業価値の向上に資するものと考えております。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ2,765百万円増加し3,715百万円となりました。当連結会計年度における状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
省エネルギー支援サービス事業では、今後、東京オリンピックの開催に向け進むであろう産業界の既存設備の更新や社会インフラ整備を機に、政府の目指すエネルギーミックスの最適化を視野に入れ、総合エネルギーマネジメントのエキスパートとしてエネルギー施策を支援してまいります。
グリーンエナジー事業において木質バイオマス発電事業の分野は、発電量を人がコントロールできる電源、また、バイオガスやバイオディーゼルと比較して既知の技術をすぐに利用できる電源として、化石燃料電源に替えて二酸化炭素の排出量を低減させる必要から近々に一定の発展を遂げる分野であると考えられます。木質バイオマス発電事業を拡大発展させるには、森林系未利用チップの分野で今まで活用されていなかった森林系未利用チップの生産に欠かせない林業、運搬、加工といった地場のサプライ環境が整うことが必要であり、これら二つの事業分野はともに拡大発展していくものと判断されます。当社グループでは、すでに一定程度環境の整備が整っている大分県日田市、福島県白河市を足掛かりとして、今回のアールイー大分㈱の木質バイオマス発電所の開発を通じ、ユーザーとして未利用木材の利用促進に参画し森林再生や周辺産業の発展に貢献してまいる所存です。
これらの活動を通じて、さらなる事業領域の拡大と収益基盤の安定的な発展を目指してまいります。