当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の各種経済対策や日銀による金融緩和などを背景に、企業収益や雇用・所得環境に持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復傾向が持続しております。しかしながら、英国のEU離脱問題、米国経済政策の動向など、海外経済への懸念から先行きは不透明な状況が続いております。
当業界においては、2017年4月に施行された改正FIT法により、設備認定から事業計画認定へと認定制度の変更や、買い取り価格の見直しが行われました。太陽光を中心に一部発電の買い取り価格が引き下げられることとなり、今後は太陽光発電偏重の是正が進むものと考えられます。一方、木質バイオマス発電においては、森林の再整備や地球温暖対策の一手法として、次期再生可能エネルギーの軸と捉えていることから、新たな成長戦略の一環として参入する企業が増加してきております。
このような状況のもと、当社グループの発電事業においては、既存発電所の約1.5倍の規模である大分県豊後大野市の木質バイオマス発電所が稼動から約10ヶ月が経過しておりますが、順調に高稼働率を維持しており、売上高、営業利益ともに大きく寄与することとなりました。また、栃木県壬生町での新たなバイオマス発電所計画についても、事業用地の取得や、建設資金の調達契約を締結し、順調に計画を推進中であります。グループ全体では、昨年4月に発足したエフオンブランドへの統一を進め、10月に当社商号を「株式会社エフオン」に変更し、新社名の下、グループ内の結束を強固なものとしております。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高9,920百万円(前年同期比61.3%増)、営業利益2,572百万円(前年同期比97.8%増)、経常利益2,305百万円(前年同期比96.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,004百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当連結会計年度においての外部売上高については、省エネルギー関連の物販や業務系売上高の減少がありましたが、オンサイト自家発電事業の一部顧客において契約満了による設備買い取りに関する売上があり、全体として若干の増収となりました。一方、事業セグメント全体では、連結子会社であるエフオン豊後大野の木質バイオマス発電所の建設が終了したことから、内部売上高が前期と比較し大幅に減少したことで減収となりました。営業利益につきましては、前年とほぼ同水準の結果となりました。
この結果、当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では2,610百万円(前年同期比64.0%減)、営業利益79百万円(前年同期比1.8%減)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当連結会計年度においては、既存の発電所の約1.5倍の規模であるエフオン豊後大野の木質バイオマス発電所が稼動から約10ヶ月が経過し、順調に高稼働率を維持しております。既存のエフオン白河、エフオン日田の発電所においても11月の定期整備による停止期間を除き、大きなトラブルもなく順調に高稼働率を維持したことにより、売上高は前年と比較して大幅に増収となりました。また、営業利益についても、売上高の増加や、原材料の燃料仕入について安定的な価格で調達できていることにより、大幅な増益となりました。
この結果、当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高で8,452百万円(前年同期比77.5%増)、営業利益2,713百万円(前年同期比91.1%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は480百万円増加し、2,214百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、4,508百万円(前年同期1,977百万円の収入)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が大幅に向上したことに加え、非資金項目である減価償却費が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,383百万円(前年同期4,934百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出3,439百万円や、差入保証金の差入れによる支出102百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、645百万円(前年同期976百万円の収入)となりました。これは、主に長期借入金による収入が減少したこと、割賦債務の返済による支出やリース債務の返済による支出などがあったことによるものです。
省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
発電実績(MWh) |
前年同期比(%) |
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グリーンエナジー事業 |
286,162.99 |
169.0 |
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合計 |
286,162.99 |
169.0 |
(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、㈱エフオン日田、㈱エフオン白河、㈱エフオン豊後大野3箇所の発電所より送電された電力です。
省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注状況について記載すべき事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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省エネルギー支援サービス事業 |
1,468 |
105.9 |
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グリーンエナジー事業 |
8,452 |
177.5 |
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合計 |
9,920 |
161.3 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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日本テクノ株式会社 |
4,512 |
73.38 |
8,225 |
82.91 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギーの黒子であろう」という企業理念のもとで、「人のための省エネ、人々のための再エネ」をベースコンセプトに、効率的なエネルギー利用と自然由来のエネルギー供給を通じて現代の課題に取り組んでおります。
省エネルギーの推進と国産再生可能エネルギーの利用により、温暖化ガスの発生量の低減、一次エネルギー純輸入量の削減、人間とそれ以外の自然環境との両立を継続することを目指してまいります。当社グループの推進する木質バイオマス発電は、森林資源や林業の活用、協力が不可欠であり、バイオマス利用の積極化を推進することで資源の有効利用、地域経済の活性化に取組んでおります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、事業分野毎の収益性だけでなく、グループ全体での収益を最大化することが重要であると認識しております。これまで蓄積した省エネルギーや木質バイオマス発電所運営に関するノウハウを活用、展開することで、さらなる業績の拡大を目指してまいります。このため、連結での売上高及び営業利益率を重要な経営指標と考えております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
近年の我が国は、地震や大雨による大規模自然災害が相次ぎ、地域経済に大きな打撃を与えるとともに気候変動による生活不安や環境に関する様々な問題意識を生ずる結果となりました。エネルギーに関しては、全国の原子力発電所が定期点検を契機に停止し、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料による火力発電への依存が高まりを見せる一方、再生可能エネルギーによる発電へのシフト期待が増加する状況が継続しています。火力発電所を運営する燃料の輸入量が大幅に増加するとともに、老朽化した火力発電所のトラブルリスクを抱える事態に対し、長期的に安定的なエネルギー需給構造を確立するために、エネルギー政策の再構築が進められております。電力の需給構造については、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で、徹底した省エネルギー(節電)の推進、再生可能エネルギーの最大限の導入を推進することが基本方針として示されております。こうした中、当社グループでは平成29年8月に公表した第4次中期経営計画の改定を基に、以下の項目を中期的な戦略としております。
「省エネルギー支援サービス事業」においては単なる機器の更新だけではなく、生産・業務システムとしてのエネルギー効率改善を支援してまいります。行政の求める省エネ基準を満たし助成制度を利活用することにより、国全体のエネルギーの節約に貢献するとともに顧客にとっては初期投資額の抑制を実現する提案をサービスの要点として展開してまいります。
「グリーンエナジー事業」においては、木質バイオマス関連分野への投資を拡大してまいります。木質バイオマスを利用した発電所の建設においては、第4号機となる栃木県壬生町における㈱エフオン壬生発電所の建設を2020年までに完了し、その後も引き続き発電設備の開発を推進してまいります。また、発電所運営に関連して、燃料調達に係る周辺事業への領域拡大を指向してまいります。未利用木材の調達を通して山林や林業の活性化を促し、地域の発展、雇用の創出、山林の自然環境の維持、整備に資するものと考えております。
これらの活動を通じて、さらなる事業の発展と社会貢献を果たしていくことを中期の経営戦略としています。
(4)会社の経営環境並びに事業場及び財務上の対処すべき課題
当連結会計年度において竣工した豊後大野発電所の稼働は、大きなトラブルもなく順調に推移し売上高、利益ともに当社グループの業績に大きく貢献する結果となりました。当社グループのグリーンエナジー事業では、既存の日田発電所、白河発電所も含め、未利用木材利用率を向上させ、さらなる売上高の向上に努めるとともに、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施のほか、安定稼働を支える木質チップ燃料のさらなる供給先の開拓を推進してまいります。燃料調達の間口を広げ原木での受入やチップ加工生産量の向上、発電所の運営に関してスケールメリットを活用したコストの低減を実践するため、専門的な人員の確保、教育が重要な経営課題であると考えます。
また、新たな木質バイオマス発電所として建設に着手しました栃木県壬生町の案件について、計画の進捗に最大限注力してまいります。同発電所の建設とそれに伴う整備が最も重要な課題と認識しております。
「事業等のリスク」には、当社グループの財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが入手可能な情報等に基づいて判断したものです。
①省エネルギー支援サービス事業について
ⅰ パフォーマンス契約であること
省エネルギー支援サービス事業は、対象施設全体のエネルギー使用状況に関する調査、診断、コンサルティングから施工、維持管理、その後の効果の測定・検証の提供までを一貫して行い、実施した省エネルギー対策について、一定の省エネルギー効果を保証するものです。
ギャランティード・セイビングス契約は、ESCO事業者による省エネルギー方策の提案に基づき、顧客企業が省エネルギー設備の投資を実施し、資金調達も顧客企業が行うものです。ESCO事業者は、省エネルギー設備導入による効果を測定・検証します。
シェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客企業に代わり省エネルギー設備の設備投資を行うものであり、省エネルギー設備導入により生じる顧客企業におけるコスト削減効果を、顧客とESCO事業者が分けあうものです。当社グループにおける契約形態は、シェアード・セイビングス契約が中心となっております。
ギャランティード・セイビングス契約及びシェアード・セイビングス契約はいずれも、一定のエネルギー削減効果をESCO事業者が保証するパフォーマンス契約を包含しており、一定の省エネルギー効果が実現できない場合には、ESCO事業者は顧客企業に対してパフォーマンス契約に基づく省エネルギー保証値を補償するリスクを負っております。
またシェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客に代わり省エネルギー設備の投資を行うため、顧客信用力に起因する設備投資に係る回収リスクを潜在的に内包しております。当社グループにおいては、小型案件の一部例外を除いて、金融機関との間で当該回収リスクは金融機関が負うノン・リコース型ファイナンス契約を組成することにより、顧客の倒産リスクを回避しております。
ⅱ 燃料価格の変動について
省エネルギー支援サービス事業の一つのサービス・メニューとしてオンサイト発電サービスがあります。本サービスは、ESCO事業者が顧客に代わり自家発電設備への投資を行い、自家発電設備の運転・維持管理を代行し、顧客に電力等を供給するものです。
本サービス実施のためには、重油・LNG等の発電用燃料を当社グループが調達する必要があります。重油・LNG等の燃料価格は、世界的な原油需要や産油国の動向により変動しますが、燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 設備の安定稼動について
当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)等の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら、当社グループの想定外の理由に伴い、計画した稼動を行うことが出来ず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅳ 個別事業の中途清算等について
省エネルギー支援サービス事業の契約形態のうちシェアード・セイビングス契約では設備所有を当社が担っており、顧客とのエネルギーサービス契約は契約終了時に更新又は設備の購入の選択権を顧客が有しております。当事業スキームでは、原則的に設備は法定耐用年数に相当する期間利用することを前提としておりますが、何らかの事情により事業を中止及び契約期間中又は終了時に清算することとなり、顧客が設備購入を選択した場合、購入額と設備の簿価又は設備に係る債務残高との差異、あるいはその他債務の負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②グリーンエナジー事業(再生可能エネルギーによる発電事業)について
当社グループの運営する発電所は、平成24年7月に施行されたFITに基づく発電事業を営んでおります。
この制度を背景として、現在、木質バイオマス発電所を大分県日田市及び豊後大野市、福島県白河市で操業しております。FITの電力買取条件については、調達価格等算定委員会にて調達買取価格等について検討がなされ年度ごとに見直しが行われます。同制度にて発電設備認定を受け決定された調達期間(日田発電所、白河発電所は平成25年3月認定を起点として約14年、豊後大野発電所は平成28年7月送電開始を起点として20年)及び調達買取価格は調達期間中に変更されることはありませんが、新設発電所の調達買取価格は、同制度の適用決定時期により当初計画された事業計画の価格と乖離する可能性があります。その場合、当社グル―プの事業計画に影響を及ぼす可能性があります。また、政策の転換等により既存の発電所が同制度の適用を受けられなくなった場合、同じく当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ 木質バイオマス燃料の確保について
木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料を確保することが重要です。当社グループが燃料として使用する木質バイオマス燃料は、伐採木材、製材所や木工加工メーカー等から排出される廃材、建築解体現場から排出される建築廃材等を粉砕加工したものです。当社グループは、木質バイオマス燃料製造会社(以下、「燃料製造会社」)から木質バイオマス燃料を購入いたしますが、自然災害等の不測の事態により燃料製造会社から木質バイオマス燃料の供給が中断する場合や燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 木質バイオマス燃料の品質の確保について
木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料量を確保することと共に、その品質の安定化が重要です。 当社グループは、調達する木質バイオマス燃料の品質に関し燃料製造会社と契約書や合意書を取り交わしておりますが、想定された規格に満たない品質の燃料、もしくは燃料に異物が混入した場合には、発電設備に損傷を与える可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 設備の安定稼動について
木質バイオマス発電所の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら当社グループの想定外の事態が発生し設備が損傷した場合、計画した発電を行うことが出来ず当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅳ FITの木質バイオマス発電事業の売上総利益率について
FITの木質バイオマス発電では、未利用木材、一般木材、リサイクル木材の混合割合により電力販売単価が変動します。電力販売単価の計算は、これらの木質チップの熱価量、水分量、購入量等により定められた方法によりバイオマス比率を計算し、電力量の加重平均により求めます。これらの要素は燃料が自然由来のものであるため常に変動することから、ある特定の期間の売上総利益率が変動する可能性があります。
③自然災害及び不測の事故等について
当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)及び木質バイオマス発電所、さらには推進中の新設木質バイオマス発電所について、自然災害、人為的なミス、テロ、燃料供給の中断又はその他の不測の事態により、事業運営や事業計画に支障を来たし、ひいては顧客企業、周辺地域に悪影響を及ぼす可能性があります。
④国のエネルギー政策の転換又は国際社会情勢の変化について
現在、我が国はエネルギー政策基本法に基づき省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入を進めております。また国際社会においては、気候変動に関する国際連合枠組条約に基づき温室効果ガスの削減が取り組まれております。同条約の京都議定書は、これをロシアが正式に批准したことにより、平成17年2月16日に発効し、国際社会における温暖化ガス削減に向けた実効性のある取組みが確立されることになりました。
我が国のエネルギー政策は、施行されたFITにより今後様々な分野で変革が進行すると予想されます。これらの基本方針や施策の変更により、当社グループの事業運営や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤法的規制について
当社グループの事業の一部は、「電気事業法」による規制を受けており、本法規を遵守する義務があります。また、経済産業省資源エネルギー庁が実施する新エネルギー事業者支援対象補助金や独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するエネルギー使用合理化事業者支援事業補助金等の交付を受けております。したがって、国の補助金の適正運用を定めた「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の適用を受けます。
当社グループが保有するオンサイト発電設備においては、廃油(エンジンオイル)の処理が必要であり、当社グループは排出者として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を遵守する義務があります。当社グループがこれら法律及び規制を遵守できなかった場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社の役員、従業員及び子会社従業員に対するインセンティブを目的としてストックオプション制度を導入しております。会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づく新株予約権を当社の役員、従業員及び子会社従業員に対して付与しております。
現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
⑦特定販売先への高依存度について
当社グループのグリーンエナジー事業における発電所は、いずれもFITの認定発電所であり同制度により一般電力会社による電力買取が義務付けられているため、当社グループが発電した電力は電力会社への販売が確保されておりますが、電力供給手続きや取引条件等で比較的有利な条件を提示した日本テクノ株式会社に木質バイオマス発電所の電力を全量販売しております。このため、当社グループの平成29年6月期連結会計年度における同社への売上高8,225百万円は、当社グループ連結売上高の82.91%を占めております。同社との契約は1年毎に見直しており、当社グループは安定的な電力販売を行う方針でありますが、同社との電力販売契約において販売条件の変更又は解約等が発生した場合や、他の電気事業者と同様の条件で電力販売契約が締結できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、同社は平成29年6月30日現在、当社の発行済株式総数の33.08%を所有しております。このことから同社による当社株主総会での議決権行使が、当社の事業運営等のガバナンスに影響を与える可能性があります。しかしながら、今後の新たな省エネルギー及び再生可能エネルギーに関するビジネス展開を拡充していく点で、同社との協調関係を構築することは当社の企業価値向上に資するものであり、株主の皆様の利益向上にもつながるものと考えております。なお、当社の事業活動において、同社からの制約は無く、事業運営上の独立性は確保されていると認識しております。
⑧有利子負債依存度について
当社グループは、運転資金、設備投資資金について金融機関及びリース会社から調達しております。このため総資産に占める有利子負債(借入金、社債、リース債務、長期未払金)の割合が平成29年6月30日現在で48.8%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨シンジケートローンについて
当社の子会社は、発電所建設資金の調達を行うためシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触し、当該債務の一括返済を求められた場合、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)極度貸付契約について
当社の連結子会社である株式会社エフオン壬生は、壬生発電所の建設及び事業推進にかかる資金調達のため、平成29年3月31日付で株式会社三菱東京UFJ銀行をアレンジャーとして、取引金融機関5行による総額80億円の極度貸付契約を締結しております。当該契約の概要は次のとおりです。
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(1)借入人 |
株式会社エフオン壬生 |
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(2)保証人 |
株式会社エフオン(当社) |
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(3)借入先 |
株式会社三菱東京UFJ銀行 株式会社三井住友銀行 株式会社みずほ銀行 株式会社横浜銀行 株式会社りそな銀行 |
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(4)借入極度額 |
80億円(下記(2)の契約締結により50億へ減額) |
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(5)契約日 |
平成29年3月31日 |
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(6)コミットメント期間 |
平成29年8月1日~全貸付人の貸付義務が終了する日(期限:平成31年12月31日) |
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(7)タームローン期間 |
平成32年3月10日~平成51年12月12日 |
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(8)財務制限条項 |
・借入人は、2021年6月以降に終了する借入人の各年度の決算期及び中間期の末日における借入人の単体の貸借対照表における純資産の部の金額をマイナスの値にしないことを確約する。 ・借入人は、2021年6月以降に終了する借入人の各年度の各本・中間決算期において、以下の計算式で算出される数値をそれぞれ3半期連続(各本・中間決算期毎に1半期として計算する。)で1.0未満としないこと。 (計算式) (経常利益+受取利息+受取配当金+減価償却費)÷{本契約の元本弁済金額+本契約に基づく支払利息} |
(2)利子補給貸付契約について
当社子会社である株式会社エフオン壬生は、環境省による平成29年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の交付を受領することを条件とし、平成29年9月6日付で株式会社三菱東京UFJ銀行をアレンジャーとして、30億円を利子補給貸付契約を新たに締結いたしました。なお、本契約の締結により、上記(1)記載の平成29年3月31日契約極度貸付契約80億円は、50億円へ減額されます。当該契約の概要は次のとおりです。
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(1)借入人 |
株式会社エフオン壬生 |
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(2)保証人 |
株式会社エフオン(当社) |
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(3)借入先 |
株式会社三菱東京UFJ銀行 |
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(4)利子補給契約額 |
30億円 |
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(5)契約日 |
平成29年9月6日 |
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(6)タームローン期間 |
平成32年3月10日~平成51年12月12日 |
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(7)財務制限条項 |
・借入人は、2021年6月以降に終了する借入人の各年度の決算期及び中間期の末日における借入人の単体の貸借対照表における純資産の部の金額をマイナスの値にしないことを確約する。 ・借入人は、2021年6月以降に終了する借入人の各年度の各本・中間決算期において、以下の計算式で算出される数値をそれぞれ3半期連続(各本・中間決算期毎に1半期として計算する。)で1.0未満としないこと。 (計算式) (経常利益+受取利息+受取配当金+減価償却費)÷{本契約の元本弁済金額+本契約に基づく支払利息} |
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、繰延税金資産の計上について回収可能性を検討し、妥当と判断される額を流動資産、固定資産及び法人税等調整額に計上しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績
(売上高及び売上原価)
当連結会計年度においての外部売上高は、省エネルギー支援サービス事業では、既存の省エネルギープロジェクト関連や物販売上高が減少した一方、オンサイト自家発電事業の一部顧客において契約満了による設備買い取りに関する売上があり全体として若干の増収となりました。グリーンエナジー事業においては、連結子会社であるエフオン豊後大野の木質バイオマス発電所が稼働を開始し、既存のエフオン日田、エフオン白河と合わせ3基体制となったことから前連結会計年度と比べ大幅に増加する結果となりました。
これより、当連結会計年度における売上高は、9,920百万円(前年同期比61.3%増)となりました。
売上原価については、前連結会計年度と比較してグリーンエナジー事業における新規発電所であるエフオン豊後大野の燃料仕入高や減価償却費の増加がありました。この結果、売上総利益は3,182百万円(前年同期比79.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は人件費や地代家賃の増加があり、610百万円(前年同期比29.3%増)前年となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は、省エネルギー事業の割賦解約保険料の精算や㈱エフオン豊後大野において助成金の受取などがあり、111百万円(前年同期比527.7%増)、営業外費用は㈱エフオン壬生においてシンジケートローンの組成手数料などがあり、378百万円(前年同期比159.9%増)となりました。
(特別利益及び特別損失)
当連結会計年度は特別利益の計上はありませんでした。特別損失は26百万円(前年同期25百万円)で、主な内容は、本社移転費用が計上されたことによるものです。
(3) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、エフオン豊後大野発電所の稼動により、現預金や売掛金の増加、有形固定資産の取得による増加などがあり、前連結会計年度より540百万円増加し22,414百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計については、買掛金や短期借入金の増加などがありましたが、発電所建設工事に係る流動負債の減少や、省エネ支援サービス事業のオンサイト自家発電プロジェクトの契約満期終了による一括支払いにより長期未払金の減少などがあり、前連結会計年度より1,501百万円減少し12,977百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加があり、前連結会計年度より2,041百万円増加し9,436百万円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
省エネルギー支援サービス事業における事業環境は今まさに見直しについての議論が行われていますが、平成26年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」及び平成27年7月に策定された「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の実現に向けた政策の実行を背景に、事業者単位で自発的な省エネへの取組を推進するため、従来からある産業トップランナー制度やエネルギー使用合理化等事業者支援補助金に加え、事業者クラス分け評価制度や省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金の導入といった施策が実施されております。産業トップランナー制度や事業者クラス分け評価制度では、省エネルギー施策を実施すべき産業及び事業者に規制によって推進を図り、さらなる規制領域を拡大する方向で進むと考えられます。また、支援する補助金では、今までの設備投資の取得額であるストックに対する補助から、設備資金借入に係る利息であるフローに対する支援へと視点を変えることで、省エネ実施事業者へのインセンティブ強化を図る目的で推進されております。こうした政策の変化を捉え、様々な業種、産業の顧客ニーズへの省エネルギー支援サービスの拡充を図っていくことが、当社グループの使命であり、これらの政策の実施は経営成績に直結する重要な要因となると考えます。
グリーンエナジー事業においては、100%国産の自然由来の木質チップや建築・土木の木質材のリサイクル燃料を基に発電した電気を卸売しクリーンで安心な国産電気エネルギー供給の一翼を担っております。電力システム改革における発電部門の電力事業者に対する事業環境の変化や、エネルギー需給構造の変革の中で、今後、種々の課題対応や施策が実施され各種法条例に基づく補助金や規制緩和又は業界の商流変更等の事象が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となり得ると考えております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
平成29年8月18日に公表したエフオングループ改定第4次中期経営計画に記載の通り、木質バイオマス関連分野への投資を拡大していくことを当面の戦略としています。既存の木質バイオマス発電所3基の稼働を高い水準で継続し健全な財務基盤を維持するとともに、安定的な燃料供給のためストックヤードやチップ加工センターの整備のほか、森林資源調査、森林経営といった分野にも取組んでまいります。また、栃木県壬生町における新たな4号機の建設を着実に推進し事業計画の実現に努力してまいります。
当社グループは、環境に優しく国産の持続可能な資源によるエネルギー供給に資するべく、既存設備については発電所のさらなるオペレーティング技術の向上、適切な設備保守、最適燃料使用比率の追及をテーマに人材育成や地元の林業、木材関係者らとの協力体制の整備、強化を図ってまいります。また、新たな発電所の開発については、開発案件の立地調査、燃料調達ネットワークの構築等に精力的に取組み、継続的な開発着手を実現してまいります。これらにより安定的な電力の供給と地元関連産業の活性化を推進していくことが社会貢献につながり企業価値の向上に資するものと考えております。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ480百万円増加し2,214百万円となりました。当連結会計年度における状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
省エネルギー支援サービス事業では、既存のオンサイト自家発電プロジェクト、業務系省エネプロジェクトが、当初の設置・サービス開始から相当程度の期間が経過しエスコ事業としての役割を終え、顧客の意向により契約満期終了となる案件が増加すると想定しております。生産機器や業務機器は、10年前と比較して、機器そのものの定格効率や中間負荷時の効率は格段に向上しています。従って、機器の更新自体がエネルギー効率の改善に直結するほか、顧客の設備仕様に合った機器配置や動線、手順の改善を合わせたシステム全体としての効率改善を支援すること、加えて行政の求める省エネ基準を満たし助成制度を利活用することで顧客ニーズの実現に貢献したいと考えております。今後、東京オリンピックの開催に向け進むであろう産業界の既存設備の更新や社会インフラ整備を機に、政府の目指すエネルギーミックスの最適化を視野に入れ、総合エネルギーマネジメントのエキスパートとしてエネルギー施策を支援してまいります。
グリーンエナジー事業における木質バイオマス発電事業分野は、再生可能エネルギーの中でも安定的な電源であると同時に、化石燃料電源に替わる二酸化炭素の排出量を低減させることができる電源であることから今後さらに発展を遂げる分野であると考えられます。この木質バイオマス発電事業を通して森林系木材の利用拡大をすることで、森林整備の促進や林業振興に寄与することが可能であると考えております。林業的には、発電用燃料の搬出だけを目的にした施業では経営的に成り立ちません。山林事業者にとってはあくまでも建築用材等の需要が主な収益源となるため、林業全体の発展を実現するための高効率な欧州型林業への取り組みを試行してまいります。
こうした活動を通じて、さらなる事業領域の拡大と収益基盤の安定的な発展を目指してまいります。