第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「エネルギーの黒子であろう」という企業理念のもとで、「人のための省エネ、人々のための再エネ」をベースコンセプトに、効率的なエネルギー利用と自然由来のエネルギー供給を通じて現代の課題に取り組んでおります。

省エネルギーの推進と国産再生可能エネルギーの利用により、温暖化ガスの発生量の低減、一次エネルギー純輸入量の削減、人間とそれ以外の自然環境との両立を継続することを目指してまいります。当社グループの推進する木質バイオマス発電は、森林資源や林業の活用、協力が不可欠であり、バイオマス利用の積極化を推進することで資源の有効利用、地域経済の活性化に取組んでおります。

 

(2)経営戦略等

近年の我が国は、地震や大雨による大規模自然災害が相次ぎ、地域経済に大きな打撃を与えるとともに気候変動による生活不安や環境に関する様々な問題意識を生ずる結果となりました。エネルギーに関しては、全国の原子力発電所が定期点検を契機に停止し、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料による火力発電への依存が高まりを見せる一方、再生可能エネルギーによる発電へのシフト期待が増加する状況が継続しています。火力発電所を運営すると燃料の輸入量が大幅に増加するとともに、老朽化した火力発電所のトラブルリスクを抱える事態に対し、長期的に安定的なエネルギー需給構造を確立するために、エネルギー政策の再構築が進められております。電力の需給構造については、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合に関する政策目標を同時達成する中で、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入を推進することが基本方針として示されております。こうした中、当社グループでは以下の項目を中期的な戦略としております。

「省エネルギー支援サービス事業」においては単なる機器の更新だけではなく、生産・業務システムとしてのエネルギー効率改善を支援してまいります。行政の求める省エネ基準を満たし助成制度を利活用することにより、国全体のエネルギーの節約に貢献するとともに顧客にとっては初期投資額の抑制を実現する提案をサービスの要点として展開してまいります。

「グリーンエナジー事業」においては、木質バイオマス関連分野への投資を拡大してまいります。木質バイオマスを利用した発電所の建設においては、第4号機となる栃木県壬生町におけるエフオン壬生発電所の建設、稼働を平成32年までに完了し、第5号機となる和歌山県新宮市におけるエフオン新宮発電所の開発を推進してまいります。また、発電所運営に関連して、燃料調達に係る周辺事業への領域拡大を指向してまいります。これは、未利用木材の調達に際し手入れや処分に困窮する山林立木の購入やその伐採、運送、チップ加工等の商流を再構築することで地域の発展、雇用の創出、山林の自然環境の維持、整備に資するものと考えております。

これらの活動を通じて、さらなる事業の発展と社会貢献を果たしていくことを中期の経営戦略としています。

なお、経営戦略の現状と見通しについては、平成29年8月18日に公表したエフオングループ改訂第4次中期経営計画に記載の通り、木質バイオマス関連分野への投資を拡大していくことを当面の戦略としています。既存の木質バイオマス発電所3基の高稼働を維持し健全な財務基盤を確保するとともに、安定的な燃料供給のためストックヤードやチップ加工センターの整備のほか、森林資源調査、森林経営といった分野にも取組んでまいります。栃木県壬生町におけるエフオン壬生発電所の建設、稼働については、計画を着実に推進し公表数値の実現に努力してまいります。また、和歌山県新宮市におけるエフオン新宮発電所の開発については、エフオン壬生発電所の建設の進行に歩調を合わせ過度な開発速度とならぬよう留意し、グリーンエナジー事業の事業基盤の拡充とともに着実に進めていく所存です。

当社グループは、環境に優しく国産の持続可能な資源によるエネルギー創出に資するべく、既存設備については発電所のさらなるオペレーティング技術の向上、適切な設備保守、最適燃料使用比率の追及をテーマに人材育成や地元の林業、木材関係者らとの協力体制の整備、強化を図ってまいります。さらなる新たな発電所の開発については、開発案件の立地調査、燃料調達ネットワークの構築等に精力的に取組み、継続的な開発着手を実現してまいります。これらにより安定的な電力の供給と地元関連産業の活性化を推進していくことが社会貢献につながり企業価値の向上に資するものと考えております。

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、事業分野毎の収益性だけでなく、グループ全体での収益を最大化することが重要であると認識しております。これまで蓄積した省エネルギーや木質バイオマス発電所運営に関するノウハウを活用、展開することで、さらなる業績の拡大を目指してまいります。このため、連結での売上高及び営業利益率を重要な経営指標と考えております。

 

(4)経営環境

当連結会計年度の業績は、当社グループの木質バイオマス発電所が高稼働を維持し未利用木材の利用比率を向上させたことにより、当初想定の計画を上回る結果となりました。この状況を引き続き伸展させるべく、今後、さらなる国内木質チップの燃料利用の促進や森林環境保全に注力するとともに、エフオングループとして設備メンテナンス技術のほか顧客の使用するエネルギー総量自体を削減・低減する省エネルギー施策のさらなる普及になお一層まい進してまいる所存です。

平成31年6月期における各事業セグメントの事業環境及び活動予定は、次の通りです。

(省エネルギー支援サービス事業)

省エネルギー支援サービス事業の事業環境は、生産設備の老朽化対応として省エネルギーを推進した設備の導入、更新等の要望があり建設工事を含めた売上が見込まれるものの、既存オンサイト自家発電プロジェクトは当初導入より15年を経過し満期終了となる案件が増加してまいります。このため、外部顧客に対する売上高、営業利益は前年と比較して減少していくものと判断しています。一方、グループ内の発電所建設においては、建物のほか発電設備本体の建設に差掛り進行基準に基づく売上高を相当程度計上する見通しです。

これらを背景として、次期の見通しでは外部売上高は減収、内部売上高は増収、セグメント全体としては増収となるものの、利益については一定程度の水準を維持しつつも減益となる見込みです。

(グリーンエナジー事業)

グリーンエナジー事業では、未利用木材の利用率を向上することによって売上高の向上に努めるとともに、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施のほか、安定稼働を支える木質チップ燃料のさらなる供給先の開拓を推進し、原木の受入量を向上させてまいります。このほかチップ加工設備のフル稼働により安定的な未利用木材の拡充に努めてまいります。また、3基の木質バイオマス発電所の運営をもとにスケールメリットを活用し、各発電所で共通して利用できる部材を一定程度まとめて調達することや各発電所のメンテナンス情報を共有、蓄積化することでさらなるメンテナンス技術の研鑽を推進し、かつ、コストの圧縮を実現していく方針です。一方、森林資源の積極活用を目指し森林調査のほか伐採施業技術の習得に注力するため、施業技術者の確保、育成、及び原木資源の取得を実施してまいります。

次期については、電力販売単価の高い未利用木材が比較的順調に調達できているものの、設備、運営状況に大幅な変動がないものと考え前期と同等程度の業績を見込んでいます。

これらの活動を通じて平成31年6月期の業績については、連結売上高11,000百万円、連結営業利益3,100百万円、連結経常利益2,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円を見込んでおります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当連結会計年度においては、各木質バイオマス発電所が高稼働を維持し売上高を伸展させたことにより、当社グループの業績に大きく貢献する結果となりました。当社グループのグリーンエナジー事業では、さらに未利用木材利用率を向上させ、売上高の向上に努めるとともに、高稼働維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施のほか、安定稼働を支える木質チップ燃料のさらなる供給先の開拓を推進してまいります。燃料調達の間口を広げ原木での受入やチップ加工生産量の向上、発電所の運営に関してスケールメリットを活用したコストの低減を実践することのほか、森林資源の積極活用を推進するため専門的な人員の確保、教育が重要な経営課題であると考えております。

また、エフオン壬生の新たな木質バイオマス発電所建設について、計画の進捗に最大限注力してまいります。同発電所の稼働に必要な事業環境の構築、整備について、最も重要な課題と認識しております。
 

 

2 【事業等のリスク】

「事業等のリスク」には、当社グループの財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
 将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが入手可能な情報等に基づいて判断したものです。

 

①省エネルギー支援サービス事業について

ⅰ パフォーマンス契約であること
 省エネルギー支援サービス事業は、対象施設全体のエネルギー使用状況に関する調査、診断、コンサルティングから施工、維持管理、その後の効果の測定・検証の提供までを一貫して行い、実施した省エネルギー対策について、一定の省エネルギー効果を保証するものです。 
 ギャランティード・セイビングス契約は、ESCO事業者による省エネルギー方策の提案に基づき、顧客企業が省エネルギー設備の投資を実施し、資金調達も顧客企業が行うものです。ESCO事業者は、省エネルギー設備導入による効果を測定・検証します。
 シェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客企業に代わり省エネルギー設備の設備投資を行うものであり、省エネルギー設備導入により生じる顧客企業におけるコスト削減効果を、顧客とESCO事業者が分けあうものです。当社グループにおける契約形態は、シェアード・セイビングス契約が中心となっております。 

ギャランティード・セイビングス契約及びシェアード・セイビングス契約はいずれも、一定のエネルギー削減効果をESCO事業者が保証するパフォーマンス契約を包含しており、一定の省エネルギー効果が実現できない場合には、ESCO事業者は顧客企業に対してパフォーマンス契約に基づく省エネルギー保証値を補償するリスクを負っております。
 またシェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客に代わり省エネルギー設備の投資を行うため、顧客信用力に起因する設備投資に係る回収リスクを潜在的に内包しております。当社グループにおいては、小型案件の一部例外を除いて、金融機関との間で当該回収リスクは金融機関が負うノン・リコース型ファイナンス契約を組成することにより、顧客の倒産リスクを回避しております。

ⅱ 燃料価格の変動について
 省エネルギー支援サービス事業の一つのサービス・メニューとしてオンサイト発電サービスがあります。本サービスは、ESCO事業者が顧客に代わり自家発電設備への投資を行い、自家発電設備の運転・維持管理を代行し、顧客に電力等を供給するものです。 
 本サービス実施のためには、重油・LNG等の発電用燃料を当社グループが調達する必要があります。重油・LNG等の燃料価格は、世界的な原油需要や産油国の動向により変動しますが、燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ 設備の安定稼動について
 当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)等の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら、当社グループの想定外の理由に伴い、計画した稼動を行うことが出来ず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ⅳ 個別事業の中途清算等について
 省エネルギー支援サービス事業の契約形態のうちシェアード・セイビングス契約では設備所有を当社が担っており、顧客とのエネルギーサービス契約は契約終了時に更新又は設備の購入の選択権を顧客が有しております。当事業スキームでは、原則的に設備は法定耐用年数に相当する期間利用することを前提としておりますが、何らかの事情により事業を中止及び契約期間中又は終了時に清算することとなり、顧客が設備購入を選択した場合、購入額と設備の簿価又は設備に係る債務残高との差異、あるいはその他債務の負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②グリーンエナジー事業(再生可能エネルギーによる発電事業)について

当社グループの運営する発電所は、平成24年7月に施行されたFITに基づく発電事業を営んでおります。

この制度を背景として、現在、木質バイオマス発電所を大分県日田市及び豊後大野市、福島県白河市で操業しております。FITの電力買取条件については、調達価格等算定委員会にて調達買取価格等について検討がなされ年度ごとに見直しが行われます。同制度にて発電事業計画認定を受け決定された調達期間(日田発電所及び白河発電所は平成25年3月認定を起点として約14年、豊後大野発電所は平成28年7月送電開始を起点として20年、壬生発電所及び新宮発電所は送電開始を起点として20年)及び調達買取価格は調達期間中に変更されることはありませんが、新設発電所の調達買取価格は、同制度の適用決定時期により当初計画された事業計画の価格と乖離する可能性があります。その場合、当社グル―プの事業計画に影響を及ぼす可能性があります。また、政策の転換等により既存の発電所が同制度の適用を受けられなくなった場合、同じく当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

ⅰ 木質バイオマス燃料の確保について
 木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料を確保することが重要です。当社グループが燃料として使用する木質バイオマス燃料は、伐採木材、製材所や木工加工メーカー等から排出される廃材、建築解体現場から排出される建築廃材等を粉砕加工したものです。当社グループは、木質バイオマス燃料製造会社(以下、「燃料製造会社」)から木質バイオマス燃料を購入いたしますが、自然災害等の不測の事態により燃料製造会社から木質バイオマス燃料の供給が中断する場合や燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ 木質バイオマス燃料の品質の確保について
 木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料量を確保することと共に、その品質の安定化が重要です。 当社グループは、調達する木質バイオマス燃料の品質に関し燃料製造会社と契約書や合意書を取り交わしておりますが、想定された規格に満たない品質の燃料、もしくは燃料に異物が混入した場合には、発電設備に損傷を与える可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ 設備の安定稼動について
 木質バイオマス発電所の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら当社グループの想定外の事態が発生し設備が損傷した場合、計画した発電を行うことが出来ず当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ⅳ FITの木質バイオマス発電事業の売上総利益率について
 FITの木質バイオマス発電では、未利用木材、一般木材、リサイクル木材の混合割合により電力販売単価が変動します。電力販売単価の計算は、これらの木質チップの熱価量、水分量、購入量等により定められた方法によりバイオマス比率を計算し、電力量の加重平均により求めます。これらの要素は燃料が自然由来のものであるため常に変動することから、ある特定の期間の売上総利益率が変動する可能性があります。

 

③自然災害及び不測の事故等について

当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)及び木質バイオマス発電所、さらには推進中の新設木質バイオマス発電所について、自然災害、人為的なミス、テロ、燃料供給の中断又はその他の不測の事態により、事業運営や事業計画に支障を来たし、ひいては顧客企業、周辺地域に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④国のエネルギー政策の転換又は国際社会情勢の変化について

現在、我が国はエネルギー政策基本法に基づき省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入を進めております。また国際社会においては、気候変動に関する国際連合枠組条約に基づき温室効果ガスの削減が取り組まれております。同条約の京都議定書は、これをロシアが正式に批准したことにより、平成17年2月16日に発効し、国際社会における温暖化ガス削減に向けた実効性のある取組みが確立されることになりました。

我が国のエネルギー政策は、FITや省エネ法の改正、電力システム改革等により今後様々な分野で変革が進行すると予想されます。これらの基本方針や施策の変更により、当社グループの事業運営や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤法的規制について

当社グループの事業の一部は、「電気事業法」による規制を受けており、本法規を遵守する義務があります。また、経済産業省資源エネルギー庁が実施する新エネルギー事業者支援対象補助金や独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するエネルギー使用合理化事業者支援事業補助金等の交付を受けております。したがって、国の補助金の適正運用を定めた「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の適用を受けます。
 当社グループが保有するオンサイト発電設備においては、廃油(エンジンオイル)の処理が必要であり、当社グループは排出者として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を遵守する義務があります。当社グループがこれら法律及び規制を遵守できなかった場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、当社の役員、従業員及び子会社従業員に対するインセンティブを目的としてストックオプション制度を導入しております。会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づく新株予約権を当社の役員、従業員及び子会社従業員に対して付与しております。
 現在付与している新株予約権に加えて、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。

 

⑦特定販売先への高依存度について

当社グループのグリーンエナジー事業における発電所は、いずれもFITの認定発電所であり同制度により一般電力会社による電力買取が義務付けられているため、当社グループが発電した電力は電力会社への販売が確保されておりますが、電力供給手続きや取引条件等で比較的有利な条件を提示した日本テクノ株式会社に木質バイオマス発電所の電力を全量販売しております。このため、当社グループの平成30年6月期連結会計年度における同社への売上高9,538百万円は、当社グループ連結売上高の86.40%を占めております。同社との契約は1年毎に見直しており、当社グループは安定的な電力販売を行う方針でありますが、同社との電力販売契約において販売条件の変更又は解約等が発生した場合や、他の電気事業者と同様の条件で電力販売契約が締結できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、同社は平成30年6月30日現在、当社の発行済株式総数の32.63%を所有しております。このことから同社による当社株主総会での議決権行使が、当社の事業運営等のガバナンスに影響を与える可能性があります。しかしながら、今後の新たな省エネルギー及び再生可能エネルギーに関するビジネス展開を拡充していく点で、同社との協調関係を構築することは当社の企業価値向上に資するものであり、株主の皆様の利益向上にもつながるものと考えております。なお、当社の事業活動において、同社からの制約は無く、事業運営上の独立性は確保されていると認識しております。

 

⑧有利子負債依存度について

当社グループは、運転資金、設備投資資金について金融機関及びリース会社から調達しております。このため総資産に占める有利子負債(借入金、社債、リース債務、長期未払金)の割合が平成30年6月30日現在で51.05%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨シンジケートローンについて

当社の子会社は、発電所建設資金の調達を行うためシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触し、当該債務の一括返済を求められた場合、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  (1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社クループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

当連結会計年度におけるわが国経済は、上半期において企業収益が好調に推移し株価が上昇したことによる景況感の好転が見られたものの、年明け以降、米国の保護主義政策による世界経済の緊張感の高まりを受け依然として先行きに不透明感が残る状況で推移いたしました。

当業界においては、電力の販売事業部門で系統地域の枠組みを超えた供給や電気とガスを合わせた販売メニューの開発等により新電力事業者との競争が激しさを増しているほか、系統線の空き容量をより効率的に運用するための議論が進められております。また、発電事業部門では、2018年度以降の太陽光発電のFIT買取価格が一段と低下し、バイオマス発電においても10,000kW以上の一般木質等及びバイオマス液体燃料のカテゴリーに入札制度の導入が決定され、新規参入事業者の開発計画の策定に影響が出てきております。和歌山県新宮市に新設予定の当社グループ発電所に関しては、既に2017年度価格での事業計画認定を取得しているため価格改定の影響はないものの、今後の開発計画の策定に関して留意が必要と考えております。

このような状況のもと、当社グループの発電事業においては、既存発電所であるエフオン白河、エフオン日田が高稼働を維持したことに加え、その約1.5倍の規模であるエフオン豊後大野についても年間を通じて順調に稼動したことにより、前連結会計年度に比べ売上高、営業利益ともに大きく進展する結果となりました。栃木県壬生町での新たなバイオマス発電所開発については、昨年11月に着工しタービン棟基礎及び鉄骨組立が進行中であり、順調に建設を推進中であります。

当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高11,040百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益3,074百万円(前年同期比19.6%増)、経常利益2,884百万円(前年同期比25.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,366百万円(前年同期比18.1%増)となりました。

 

省エネルギー支援サービス事業

当連結会計年度においての外部売上高については、外部売上高について第1四半期に既存のオンサイト自家発電事業の一部プロジェクトで期間満了による設備の買取売上があったものの、稼働プロジェクトの総計は減少していることにより減収となりました。一方、内部売上高については、連結子会社のエフオン壬生での新規発電所建設の工事進行基準売上や、既存発電所の場内整備工事に関する売上が計上され、前年同期に計上されたエフオン豊後大野新規発電所建設に係る売上を上回り、事業セグメント全体では増収となりました。

当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では3,580百万円(前年同期比37.2%増)、営業利益98百万円(前年同期比24.3%増)となりました。

 

グリーンエナジー事業

当連結会計年度においては、第2四半期にエフオン白河、エフオン日田発電所が2年に一度の法定点検を実施し、また、エフオン豊後大野については第4四半期に、それぞれ約2週間にわたり定期メンテナンスを実施いたしました。その他の期間については、各発電所ともに前年同期に比べ未利用木材の利用比率が向上し、トラブルも無く順調に稼動したことから、売上高、営業利益ともに大幅な増収増益となりました。

当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高で9,736百万円(前年同期比15.2%増)、営業利益3,175百万円(前年同期比17.0%増)となりました。

 

 

(財政状態)

資産

当連結会計年度末における資産合計は、エフオン豊後大野発電所が年間を通じて稼働したこと、エフオン壬生の建設資金の調達や工事の進捗により、現預金の増加、有形固定資産の取得による増加などがあり前連結会計年度より5,754百万円増加し、28,168百万円となりました。

負債

当連結会計年度末における負債合計については、省エネルギー支援サヘビス事業のオンサイト自家発電プロジェクトの通常の支払や契約満期に係る残価一括支払による長期未払金の減少があったものの、エフオン壬生の建設資金のほか、その他の運転資金の調達による長期借入金の増加により、前連結会計年度より3,288百万円増加し16,265百万円となりました。

純資産

当連結会計年度末における純資産合計は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度より2,466百万円増加し11,902百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1,469百万円増加し、3,684百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は、3,769百万円(前年同期4,508百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益2,884百万円、減価償却費1,297百万円などによるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動により使用した資金は、5,492百万円(前年同期3,383百万円の支出)となりました。これは主にエフオン壬生発電所建設に係る有形固定資産の取得よる支出4,845百万円や長期貸付けによる支出770百万円などがあったことによるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動により得られた資金は、3,192百万円(前年同期645百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,293百万円や割賦債務の支払額559百万円などがあった一方、長期借入れによる収入5,500百万円などがあったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

生産実績

省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。

セグメントの名称

発電実績(MWh)

前年同期比(%)

グリーンエナジー事業

304,477.63

106.4

合計

304,477.63

106.4

 

(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、㈱エフオン日田、㈱エフオン白河、㈱エフオン豊後大野3箇所の発電所より送電された電力です。

 

受注実績

省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注状況について記載すべき事項はありません。

 

 

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

省エネルギー支援サービス事業       

1,303

88.8

グリーンエナジー事業           

9,736

115.2

合計

11,040

111.3

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

日本テクノ株式会社

8,225

82.91

9,538

86.40

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、繰延税金資産の計上について回収可能性を検討し、妥当と判断される額を流動資産、固定資産及び法人税等調整額に計上しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績等)

当連結会計年度の省エネルギー支援サービス事業においては、既存のオンサイト発電事業、業務系省エネプロジェクトの一部のサイトが契約満期を迎え終了することで売上高全体の規模が縮小しております。一方、顧客のニーズは、従来のエスコスキームから設備の改善、更新等の施工工事請負へと変化してきております。顧客の求める利用エネルギーの効率化のほか、施工工事全体のコスト低減、工事品質の管理といった分野において、当社グループがこれまで培ったノウハウを十分に発揮し信頼を獲得できるよう万全の体制で臨んでおります。このため、本事業セグメントの外部売上高は、前連結会計年度と比較して減少いたしましたが、営業利益段階では増収となりました。また、現時点ではエフオン壬生発電所の建設を当部門が担っており内部売上高において一定の成果を上げております。

グリーンエナジー事業においては、前連結会計年度に稼働を開始したエフオン豊後大野発電所が通年で稼働し、既存のエフオン日田、エフオン白河発電所とともに高稼働を維持することができました。各発電所では、未利用木材チップの利用率を向上させる取組を継続しており、一般木材、リサイクル木材との配合割合の最適化に努めております。この結果、前連結会計年度に比べ平均売電単価がいずれも向上し過去最高収益を更新しております。また、木質チップ燃料の安定的な調達確保の一環として森林資源調査や山林事業への取組を積極的に推進し、森林資源の持続的な利活用や地域経済の活性化に貢献できるよう人員の確保、教育等の社内整備を行っております。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりの結果となりました。

 

(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

省エネルギー支援サービス事業における事業環境は、平成26年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」及び平成27年7月に策定された「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の実現に向けた政策の実行を背景に、事業者単位で自発的な省エネへの取組を推進するため、従来からある産業トップランナー制度やエネルギー使用合理化等事業者支援補助金に加え、事業者クラス分け評価制度や省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金の導入といった施策が実施されております。産業トップランナー制度や事業者クラス分け評価制度では、省エネルギー施策を実施すべき産業及び事業者に規制によって推進を図り、さらなる規制領域を拡大する方向で進むと考えられます。また、支援する補助金では、今までの設備投資の取得額であるストックに対する補助から、設備資金借入に係る利息であるフローに対する支援へと視点を変えることで、省エネ実施事業者へのインセンティブ強化を図る目的で推進されております。こうした政策の変化を捉え、様々な業種、産業の顧客ニーズへの省エネルギー支援サービスの拡充を図っていくことが、当社グループの使命であり、これらの政策の実施は経営成績に直結する重要な要因となると考えます。

グリーンエナジー事業においては、100%国産の自然由来の木質チップや建築・土木の木質廃資材のリサイクル燃料を基に発電した電気を販売しクリーンで安心な国産電気エネルギー供給の一翼を担っております。電力小売全面自由化により色々な事業者が電気の小売市場に参入することで、競争が活性化し多様な料金メニュー・サービスの開拓や再生可能エネルギーを中心とした電気の供給等、消費者の期待するニーズに合わせた電力供給の仕組みが整備されることで、新たな付加価値創造に繋がっていくものと考えます。一方で電力システム改革における発電部門の電力事業者に対する事業環境の変化は、現状では特筆すべき事項はないものの、エネルギー需給構造の変革の中で、今後、種々の課題対応や施策が実施され各種法条例に基づく補助金や規制緩和又は業界の商流変更等の事象が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となり得ると考えております。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資本の財源及び資本の流動性については、現在建設中のエフオン壬生発電所の設備投資はもとよりエフオン新宮発電所のほか新たな木質バイオマス発電所の開発や山林事業への投資に充てるため一定程度の内部留保を確保しつつ金融機関からの借入金により必要な資金調達を行ってまいります。当連結会計年度においては、エフオン壬生発電所建設資金に係る利子補給貸付契約により3,000百万円、エフオン豊後大野発電所追加設備資金に係るンジケート・ローン契約により1,500百万円の融資実行を受け手元資金を減少させることなく工事を進捗させるとともに、将来の資金需要に備えております。なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、14,380百万円、現金及び現金同等物の残高は、3,684百万円となっております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

シンジケートローン契約について

当社子会社である株式会社エフオン豊後大野は、豊後大野発電所の建設及び事業推進にかかる資金調達のため、平成26年6月30日付で株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして、取引金融機関5行による総額63億円のコミットメント型シンジケートローン契約を締結しております。今般、平成30年3月30日付で追加設備工事代金の支払いのため、次の概要による追加融資契約を締結をしております。

(1)借入人 

株式会社エフオン豊後大野

(2)保証人

株式会社エフオン(当社)
株式会社エフバイオス(発電所運営、燃料供給会社)

(3)借入先

株式会社三井住友銀行
株式会社三菱UFJ銀行
株式会社みずほ銀行
株式会社横浜銀行
株式会社りそな銀行

(4)借入額

15億円

(5)契約日

平成30年3月30日

(6)借入実行日

平成30年4月27日

(7)タームローン期間

平成30年4月27日~平成46年12月29日

(8)財務制限条項

・借入人は平成28年6月期以降の各決算期(本決算及び第2四半期決算、以下各項において同じ。)末日における決算報告書等の数値に関し、以下の全ての事項を遵守すること。

 ①単体貸借対照表の純資産をマイナスにしなこと。

②次の計算式により算出される数値を3期連続(初回を平成29年6月期、平成30年6月期第2四半期、平成30年6月期の3期とする)で1.0未満としないこと。

 (計算式)

(経常利益+受取利息+受取配当金+減価償却費)÷(本契約元本弁済金+本契約に基づく支払利息)

・保証人の株式会社エフオンは、平成26年6月期以降の各決算期(本決算のみ)末日における有価証券報告書等の数値に関し、連結貸借対照表の純資産合計金額を14億6,300万円以上に維持すること。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。