文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギーの黒子であろう」という企業理念のもとで、「人のための省エネ、人々のための再エネ」をベースコンセプトに、効率的なエネルギー利用と自然由来のエネルギー供給を通じて現代の課題に取り組んでおります。
省エネルギーの推進と国産再生可能エネルギーの利用により、温暖化ガスの発生量の低減、一次エネルギー純輸入量の削減、人間とそれ以外の自然環境との両立を継続することを目指してまいります。当社グループの推進する木質バイオマス発電は、森林資源や林業の活用、協力が不可欠であり、バイオマス利用の積極化を推進することで資源の有効利用、地域経済の活性化に取組んでおります。
(2)経営戦略等
当社グループでは、国内産の木質チップを燃料として二酸化炭素の排出量の極めて少ない木質バイオマス発電による再生可能エネルギー電気の製造販売を主軸とした事業展開をしております。再生可能エネルギーは循環して繰返し再生産が可能なエネルギーであることから、発電所の立地する地域経済の活性化や山林保全に寄与するとともに、持続可能な循環型の社会の構築に貢献するものと考えております。
当社グループの木質バイオマス発電所は、現行、FIT制度に基づく電力販売を実施しておりますが、本制度は新設発電所で送電開始から20年間の販売方式を担保するもので、当該期間の安定的な燃料確保を進めることが重要な施策であると認識しています。我が国の国土は約70%が山林であると言われておりますが、一方でその山林、立木所有者がご高齢の域にあり、また、地域によっては伐採する事業に携わる方たちも同様に次世代の後継に苦慮していること、そのことから林産事業に携わる方々の経験、ノウハウ等が次世代に継承されず断絶の恐れのあること等が問題となっております。山林経営は、その運営上、かなりの長期間にわたり事業の継続、持続が必要であり、木材素材の販売に加え間伐材や低品位木材を燃料として活用できる点では当社グループの事業との関連性は極めて優位なものであると考えております。このため、当社グループでは山林経営に着手し山林事業の収益性の確保を機械化を中心に効率的に実現させてまいります。
また、発電所のFIT制度の適用期限後について、制度外での環境負荷の少ないクリーンな電気を直接顧客へと供給する方法として、電力小売事業を展開し本来の再生可能エネルギー電気の活用を促進、拡大していくことが必要と考えております。
こうした中、当社グループでは以下の活動を通じて、さらなる事業の発展と社会貢献を果たしていくことを中長期の経営戦略としています。
「省エネルギー支援サービス事業」においては単なる機器の更新だけではなく、生産・業務システムとしてのエネルギー効率改善を支援してまいります。行政の求める省エネ基準を満たし助成制度を利活用することにより、国全体のエネルギーの節約に貢献するとともに顧客にとっては初期投資額の抑制を実現する提案をサービスの要点として展開してまいります。
「グリーンエナジー事業」においては、山林経営を含め木質バイオマス関連分野への投資を拡大してまいります。次世代の担い手である若い人たちに林業という産業の魅力と意義を継承し、発電事業はもとより山林事業の収益性の確保を実現することで長期の事業基盤を整備してまいります。
「電力小売事業」においては、当社グループ発電所で発電した再生可能エネルギー電気を環境価値とともに顧客へ供給する活動を通じて、持続可能なエネルギーの利用を促進してまいります。
当社グループは、環境に優しく国産の持続可能な資源によるエネルギー創出に資するべく、既存設備については発電所のさらなるオペレーティング技術の向上、適切な設備保守、最適燃料使用比率の追及をテーマに人材育成や地元の林業、木材関係者らとの協力体制の整備、強化を図ってまいります。新たな発電所の開発については、開発案件の立地調査、燃料調達ネットワークの構築等に精力的に取組み、継続的な開発着手を遂行してまいります。二酸化炭素フリーで安定的な電力の供給と地元関連産業の活性化を推進していくことが社会貢献につながり企業価値の向上に資するものと考えております
(3)経営環境
2020年10月に表明された「2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、各行政機関が具体的な取組みに関する方針の策定に着手し、民間では再生可能エネルギー電気の利用に関心が集まりつつあります。顧客企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギー電気で賄うことを目指す国際的なイニシアティブを獲得する企業が増える等、様々な分野で関心の広がりを見せております。
このような環境の変化に対応するべく、当社グループでは、グループの木質バイオマス発電所の発電した電力を環境付加価値を付加して顧客へ提供する取組を開始いたしました。
また、木質バイオマス発電所の使用する燃料チップは、その元となる山林経営が健全に遂行されなければなりません。日本全国の山林資源は、後継者問題や伐採施業者の高齢化問題にさらされております。当社グループでは、山林資源の効率的な運用とこれらの問題克服に少しでも寄与すべく山林事業領域の拡充を加速させてまいります。
2022年6月期における各事業セグメントの事業環境及び活動予定は、次の通りです。
(省エネルギー支援サービス事業)
省エネルギー支援サービス事業の事業環境は、既存オンサイト自家発電プロジェクトの満期終了に伴いエネルギーサービス関連の売上高は減少するものと見込んでおります。このため新規案件先として、生産設備の老朽化対応としての省エネルギーを推進した設備の導入、更新等の要望に応える建設工事を含めた売上獲得に注力してまいります。一方、グループ内の発電所建設においては、現在、建設中の新宮発電所の工事を着実に進めてまいります。
これらを背景として、次期の見通しでは外部売上高、内部売上高はともに減収、セグメント全体としての利益については一定程度の水準を維持する見込みです。
(グリーンエナジー事業)
グリーンエナジー事業では、木質チップ燃料使用量全体の低減を継続して推進しノウハウの蓄積に努めるとともに未利用木材の利用率を向上させてまいります。発電所運営については、高稼働率の維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施のほか、チップ加工設備を有するエフオン豊後大野、エフオン壬生発電所、加えて稼働までにはまだ一定の期間がありますがエフオン新宮発電所地域での原木の受入量を向上させてまいります。既存発電所木質バイオマス発電所4基の運営をもとにスケールメリットを活用し、共通して利用できる部材を一定程度まとめて調達することやメンテナンス情報を共有、蓄積化することでさらなるメンテナンス技術の研鑽を推進し、かつ、コストの圧縮を実現していく方針です。さらに森林資源の積極活用を目指し自ら調達した森林や伐採権を活用し伐採施業技術の習得に注力するほか、施業技術者の確保、育成、原木販売手法の確立及び原木資源のさらなる取得を実施してまいります。
次期については、これら施策を通じて引続き安定的な木質バイオマス発電所の稼働を推進してまいります。また、当社グループの発電したFIT電力に紐づく再生可能エネルギー電気の顧客への供給を加速してまいります。
これらの活動を通じて2022年6月期の業績については、連結売上高16,000百万円、連結営業利益3,100百万円、連結経常利益2,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円を見込んでおります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大が再発し当社グループにおいては発電所運営に支障のないよう人の移動制限や本社機能については在宅勤務等の施策を前年に引続き実施しております。各施設での感染防止策はもとより、罹患者が発生した場合に備え各発電所を相互に扶助する緊急対応策を策定しております。これらの経験を踏まえ、感染症リスクに対応する体制の維持は、最も重要な課題であると考えます。
当社グループの主力事業であるグリーンエナジー事業では、未利用木材利用率をさらに向上させ併せて燃費の向上に努めるとともに、高稼働率維持を目標としてきめ細やかな点検、保全の実施を継続し、安定稼働を実現してまいります。また、山林事業では、新たな施業地の獲得や人員の確保、教育に注力するとともに、各発電所に付帯するチップ加工センターの生産量の向上のほか、発電所の運営に連携して原木貯蔵時の含有水分量の低減に挑戦してまいります。このため、これらを担う専門的な人員の確保、教育、リモートでの業務の実践を継続することが重要な経営課題であると考えております。
エフオン新宮で建設中の新たな木質バイオマス発電所は、同発電所の稼働に必要な事業環境の構築、整備について、最も重要な課題と認識しております。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、事業分野毎の収益性だけでなく、グループ全体での収益を最大化することが重要であると認識しております。これまで蓄積した省エネルギーや木質バイオマス発電所運営に関するノウハウを活用、展開することで、さらなる業績の拡大を目指してまいります。このため、連結での売上高及び営業利益率を重要な経営指標と考えております。
「事業等のリスク」には、当社グループの財政状態、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが入手可能な情報等に基づいて判断したものです。
① 省エネルギー支援サービス事業について
ⅰ パフォーマンス契約であること
省エネルギー支援サービス事業は、対象施設全体のエネルギー使用状況に関する調査、診断、コンサルティングから施工、維持管理、その後の効果の測定・検証の提供までを一貫して行い、実施した省エネルギー対策について、一定の省エネルギー効果を保証するものです。
ギャランティード・セイビングス契約は、ESCO事業者による省エネルギー方策の提案に基づき、顧客企業が省エネルギー設備の投資を実施し、資金調達も顧客企業が行うものです。ESCO事業者は、省エネルギー設備導入による効果を測定・検証します。
シェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客企業に代わり省エネルギー設備の設備投資を行うものであり、省エネルギー設備導入により生じる顧客企業におけるコスト削減効果を、顧客とESCO事業者が分けあうものです。当社グループにおける契約形態は、シェアード・セイビングス契約が中心となっております。
ギャランティード・セイビングス契約及びシェアード・セイビングス契約はいずれも、一定のエネルギー削減効果をESCO事業者が保証するパフォーマンス契約を包含しており、一定の省エネルギー効果が実現できない場合には、ESCO事業者は顧客企業に対してパフォーマンス契約に基づく省エネルギー保証値を補償するリスクを負っております。
またシェアード・セイビングス契約は、ESCO事業者が顧客に代わり省エネルギー設備の投資を行うため、顧客信用力に起因する設備投資に係る回収リスクを潜在的に内包しております。当社グループにおいては、小型案件の一部例外を除いて、金融機関との間で当該回収リスクは金融機関が負うノン・リコース型ファイナンス契約を組成することにより、顧客の倒産リスクを回避しております。
ⅱ 燃料価格の変動について
省エネルギー支援サービス事業の一つのサービス・メニューとしてオンサイト発電サービスがあります。本サービスは、ESCO事業者が顧客に代わり自家発電設備への投資を行い、自家発電設備の運転・維持管理を代行し、顧客に電力等を供給するものです。
本サービス実施のためには、重油・LNG等の発電用燃料を当社グループが調達する必要があります。重油・LNG等の燃料価格は、世界的な原油需要や産油国の動向により変動しますが、燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 設備の安定稼動について
当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)等の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら、当社グループの想定外の理由に伴い、計画した稼動を行うことができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅳ 個別事業の中途清算等について
省エネルギー支援サービス事業の契約形態のうちシェアード・セイビングス契約では設備所有を当社が担っており、顧客とのエネルギーサービス契約は契約終了時に更新又は設備の購入の選択権を顧客が有しております。当事業スキームでは、原則的に設備は法定耐用年数に相当する期間利用することを前提としておりますが、何らかの事情により事業を中止及び契約期間中又は終了時に清算することとなり、顧客が設備購入を選択した場合、購入額と設備の簿価又は設備に係る債務残高との差異、あるいはその他債務の負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② グリーンエナジー事業(再生可能エネルギーによる発電事業)について
当社グループの運営する発電所は、2012年7月に施行されたFITに基づく発電事業を営んでおります。
この制度を背景として、現在、木質バイオマス発電所を大分県日田市及び豊後大野市、福島県白河市、栃木県壬生町で操業しております。FITの電力買取条件については、調達価格等算定委員会にて調達買取価格等について検討がなされ年度ごとに見直しが行われます。同制度にて発電設備認定を受け決定された調達期間(日田発電所、白河発電所は2013年3月認定を起点として約14年、豊後大野発電所は2016年7月送電開始を起点として20年、壬生発電所は2016年度FIT認定、送電開始を起点として20年、新宮発電所は2018年度FIT認定、送電開始を起点として20年)及び調達買取価格は調達期間中に変更されることはありませんが、新設発電所の調達買取価格は、同制度の適用決定時期により当初計画された事業計画の価格と乖離する可能性があります。その場合、当社グループの事業計画に影響を及ぼす可能性があります。また、政策の転換等により既存の発電所が同制度の適用を受けられなくなった場合、同じく当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ 木質バイオマス燃料の確保について
木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料を確保することが重要です。当社グループが燃料として使用する木質バイオマス燃料は、伐採木材、製材所や木工加工メーカー等から排出される廃材、建築解体現場から排出される建築廃材等を粉砕加工したものです。当社グループは、木質バイオマス燃料製造会社(以下、「燃料製造会社」)から木質バイオマス燃料を購入いたしますが、自然災害等の不測の事態により燃料製造会社から木質バイオマス燃料の供給が中断する場合や燃料価格の高止まり又は著しい高騰等の事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 木質バイオマス燃料の品質の確保について
木質バイオマス発電所の運営においては、安定的な燃料量を確保することと共に、その品質の安定化が重要です。当社グループは、調達する木質バイオマス燃料の品質に関し燃料製造会社と契約書や合意書を取り交わしておりますが、想定された規格に満たない品質の燃料、もしくは燃料に異物が混入した場合には、発電設備に損傷を与える可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 設備の安定稼動について
木質バイオマス発電所の運営においては、設備が安定稼動するようにメーカー及びメンテナンス会社と十二分に協議を重ね、保守・点検を実施し、運営を行っております。しかしながら当社グループの想定外の事態が発生し設備が損傷した場合、計画した発電を行うことができず当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
ⅳ FITの木質バイオマス発電事業の売上総利益率について
FITの木質バイオマス発電では、未利用木材、一般木材、リサイクル木材の混合割合により電力販売単価が変動します。電力販売単価の計算は、これらの木質チップの熱価量、水分量、購入量等により定められた方法によりバイオマス比率を計算し、電力量の加重平均により求めます。これらの要素は燃料が自然由来のものであるため常に変動することから、ある特定の期間の売上総利益率が変動する可能性があります。
③ 電力小売事業
電力小売事業は、「電気事業法」に基づく事業であり、同法やその他電力小売事業に関連する法条例の改正により電力の販売や購入に関する制度が改定され事業基盤の構造に重大な変化が生じた場合、また、電力取引の元となる一般社団法人日本卸電力取引所の取引価格が大きく変動した場合のほか、一般送配電事業者との送受電取引において結果として計画値と大幅に異なる電力量の取引が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害及び不測の事故等について
当社グループが保有するオンサイト発電設備(自家発電代行サービス用設備)及び木質バイオマス発電所、さらには推進中の新設木質バイオマス発電所について、自然災害、人為的なミス、テロ、燃料供給の中断又はその他の不測の事態により、事業運営や事業計画に支障を来たし、ひいては顧客企業、周辺地域に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 国のエネルギー政策の転換又は国際社会情勢の変化について
現在、我が国はエネルギー政策基本法に基づき省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入を進めております。また国際社会においては、気候変動に関する国際連合枠組条約に基づき温室効果ガスの削減が取り組まれております。同条約の京都議定書は、これをロシアが正式に批准したことにより、2005年2月16日に発効し、国際社会における温暖化ガス削減に向けた実効性のある取組みが確立されることになりました。また、2015年12月には第21回気候変動枠組条約締約国会議がパリで開催され、新たに温室効果ガス排出量削減の目標値が定められるとともに、その目標を達成するための国内対策の義務を負うこととなりました。
我が国のエネルギー政策は、FITや省エネ法の改正、電力システム改革等により今後様々な分野で変革が進行すると予想されます。これらの基本方針や施策の変更により、当社グループの事業運営や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法的規制について
当社グループの事業の一部は、「電気事業法」による規制を受けており、本法規を遵守する義務があります。また、経済産業省資源エネルギー庁が実施する新エネルギー事業者支援対象補助金や独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施するエネルギー使用合理化事業者支援事業補助金等の交付を受けております。したがって、国の補助金の適正運用を定めた「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の適用を受けます。
当社グループが保有するオンサイト発電設備においては、廃油(エンジンオイル)の処理が必要であり、当社グループは排出者として「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」を遵守する義務があります。当社グループがこれら法律及び規制を遵守できなかった場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、当社の役員、従業員及び子会社従業員に対するインセンティブを目的としてストックオプション制度を導入しております。会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づく新株予約権を当社の役員、従業員及び子会社従業員に対して付与しております。
今後付与される新株予約権の行使が行われた場合、保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
⑧ 大株主の状況について
当社の筆頭株主である日本テクノ㈱は2021年6月30日現在、当社の発行済株式総数の32.58%を所有しております。このことから同社による当社株主総会での議決権行使が、当社の事業運営等のガバナンスに影響を与える可能性があります。しかしながら、今後の新たな省エネルギー及び再生可能エネルギーに関するビジネス展開を拡充していく点で、同社との協調関係を構築することは当社の企業価値向上に資するものであり、株主の皆様の利益向上にもつながるものと考えております。なお、当社の事業活動において、同社からの制約は無く、事業運営上の独立性は確保されていると認識しております。
⑨ 有利子負債依存度について
当社グループは、運転資金、設備投資資金について金融機関及びリース会社から調達しております。このため総資産に占める有利子負債(借入金、社債、リース債務、長期未払金)の割合が2021年6月30日現在で55.9%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ シンジケートローンについて
当社の子会社は、発電所建設資金の調達を行うためシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項が付されており、これらの条項に抵触し、当該債務の一括返済を求められた場合、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
⑪ 感染症の拡大について
現段階で治療法の確立していない感染症等に当社グループの役員、従業員及び子会社従業員が罹患した場合、さらなる感染症拡大防止措置として罹患者と接触のあった者の隔離のため、事業運営に支障を来たし当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、そのような感染症等が当社グループの事業所地域に広範囲に広がった場合、当社グループの各事業所が必要とする部材、燃料等の物流が停滞する、ないし行政の命令、要請等による業務の制限等により事業運営に支障を来たし当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ その他の偶発的なリスクについて
当社グループは、得意先の信用不安等のリスクに備えていますが、その他の要因も含め偶発的な事象に起因する取引先の事業環境等の変化により、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、度重なる緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を発出し、ワクチン接種を迅速に進める等の対策を行っておりましたが、依然として感染拡大に歯止めがかからず飲食やイベント、旅行業界等は多大な影響を受けている状況が続いております。
当業界においては、電気事業法等の一部を改正する法律(エネルギー供給強靭化法)が2020年6月に成立し強靭かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るため、また、自然災害による停電等に迅速に対応できるよう主要送電線の整備を進めることとなったほか、「2050年カーボンニュートラル」の実現にむけ、各行政機関が具体的な取組みに関する方針の策定に着手し、民間では再生可能エネルギー電気の利用に関心が集まりつつあります。一方、卸電力市場では年末から取引単価が高騰し市場電力を利用する新電力事業者の業績に多大な影響が生ずる事態となりました。
このような状況のもと、当社グループの発電事業においては、第2四半期にエフオン白河、エフオン日田発電所が第3四半期にエフオン壬生、第4四半期にエフオン豊後大野がそれぞれ年次点検を実施し約2週間の計画停止を行っております。このほか、エフオン壬生で第1四半期に1週間弱、第4四半期に4日程度の計画外停止が発生いたしましたが、当連結会計年度の業績全体に対する影響は少なく各発電所ともに想定した稼働を維持することができました。壬生発電所が通年の送電となったことで対前年比較では大幅な増収の結果となりました。一方、当連結会計年度では既存発電所の販売先変更によるプレミアム廃止に伴い収益に関して前年を下回る結果となりました。新宮発電所は、現在、タービン建屋、復水器、燃料倉庫等の主要な設備が建ち上がり配管や補器類の組付けに進んでおります。稼働に向けた人員の教育を既存発電所において分散して実施し、このため、経費が先行して発生しております。また、各発電所では新型コロナウイルス感染防止に最大限の注意を払い、各発電所の安定的な稼働を推進するため必要な情報の共有や燃料品質の向上に関する新たな取組み、所内電力の低減を含め、さらなるノウハウの研鑽に継続して注力しております。新宮発電所で将来使用する燃料について、和歌山県産材を中心に原木の状態での確保を実施し、新たな仕入先の拡充に順次取組んでいるほか、山林事業との協業を進める上で必要となる林地の取得を鋭意推進中であります。
省エネルギー支援サービス事業では、オンサイト自家発電プロジェクトが当初設置より相当の期間が経過し満期終了となるものが近年増加しております。満期終了を迎え対前年比較ではプロジェクト自体の売上高は減少しておりますが、設備関連の売上を計上したことで外部顧客に対する売上高は前年同様の水準となりました。
また、当社グループではグループ内の木質バイオマス発電所で発電した電力に環境付加価値を付加して顧客へ販売する事業を開始いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高13,144百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益2,584百万円(前年同期比11.7%減)、経常利益2,397百万円(前年同期比15.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,673百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
(省エネルギー支援サービス事業)
当連結会計年度において、第1四半期に計上した省エネルギー設備の改修、整備に関する売上に加え、既存プロジェクトの売上も堅調に推移いたしました。新規案件については、新型コロナウイルス感染拡大防止措置により顧客との細部調整に時間を要することとなり、次年度へ継続して推進することとなりました。グループ内発電所建設に係るセグメント間の内部売上高については、連結子会社のエフオン新宮での工事進行基準売上を計上しております。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高では7,975百万円(前年同期比38.6%増)、営業利益52百万円(前年同期比224.3%増)となりました。
(グリーンエナジー事業)
当連結会計年度におけるグリーンエナジー事業は、壬生発電所で計画外停止が発生したものの同発電所の業績が通年で寄与し大幅な増収となりました。各発電所は所定の定期点検を実施し、一部、所内電力の省エネルギー化に取組み順調に稼働いたしました。前年との比較では、既存発電所の販売先変更によるプレミアム廃止に伴い売電単価が相当程度低下したことや、新規発電所の要員確保、山林事業の大型設備導入に伴う減価償却費の増加等で費用が増加し収益面では前年を下回る結果となりました。
当連結会計年度の本事業セグメントの業績は、売上高で12,642百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益2,670百万円(前年同期比9.9%減)となりました。
(財政状態)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、現預金の増加、原材料在庫及びエフオン新宮発電所に係る固定資産の増加により、前連結会計年度より5,756百万円増加し、45,603百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、主に発電所建設工事や運転資金に係る借入金の増加により、前連結会計年度より4,266百万円増加し28,678百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度より1,490百万円増加し16,924百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ999百万円増加し、4,931百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、4,079百万円(前年同期2,829百万円の収入)となりました。前連結会計年度に比べ増加した要因は、税金等調整前当期純利益は順調に推移したほか、非資金項目である減価償却費の増加に加え発電所建設工事代金に関する還付消費税を受領したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6,120百万円(前年同期7,702百万円の支出)となりました。これは主にエフオン新宮発電所建設に係る有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、3,040百万円(前年同期4,571百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金による収入が増加したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
省エネルギー支援サービス事業では、サービスの提供にあたり製品の生産は行っておりませんので、生産実績について記載すべき事項はありません。グリーンエナジー事業における生産は、それぞれの事業における発電所の発電であり、その実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
発電実績(MWh) |
前年同期比(%) |
|
グリーンエナジー事業 |
443,414.65 |
115.0 |
|
合計 |
443,414.65 |
115.0 |
(注) グリーンエナジー事業の発電実績は、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野、エフオン壬生の4箇所の発電所より送電された電力です。
(受注実績)
省エネルギー支援サービス事業においては、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。また、グリーンエナジー事業においても、顧客の需要に応じてサービスを提供いたします。いずれも、受注販売の方式を採用しておりませんので、受注実績について記載すべき事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
省エネルギー支援サービス事業 |
482 |
101.2 |
|
グリーンエナジー事業 |
12,570 |
107.1 |
|
その他 |
91 |
- |
|
合計 |
13,144 |
107.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売高に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日本テクノ株式会社 |
9,985 |
81.7 |
3,314 |
25.22 |
|
九州電力送配電株式会社 |
1,454 |
11.9 |
6,378 |
48.52 |
|
東北電力ネットワーク株式会社 |
- |
- |
1,718 |
13.07 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績等)
当連結会計年度の省エネルギー支援サービス事業においては、既存のオンサイト自家発電事業プロジェクトのほぼすべてが事業開始から15年が経過し満期終了いたしました。一部のオンサイト自家発電プロジェクトでは導入した設備のメンテナンスを請負う契約が継続しておりますが、本事業セグメントの既存プロジェクトについては業務系エスコ事業を含め契約満期を機に終了となり売上高全体の規模が縮小しております。当セグメントにおける顧客のニーズは、温暖化ガスの排出量削減の機運を反映し設備の改善、更新等の施工工事請負へと変化してきております。顧客の求める利用エネルギーの効率化のほか、施工工事全体のコスト低減、工事品質の管理といった分野において、当社グループがこれまで培ったノウハウを十分に発揮し信頼を獲得できるよう万全の体制で臨んでおります。このほか、エフオン新宮発電所の建設及び発電所設備改善等の施工については、当部門が担っており内部売上高において一定の成果を上げております。
グリーンエナジー事業においては、エフオン日田、エフオン白河、エフオン豊後大野、エフオン壬生発電所が、いずれも高稼働を維持することができました。各発電所では、燃料消費量を低減する取組や所内電力消費量を抑制する取組を実施し一定の効果が認められたものの、エフオン新宮発電所や山林事業の要員の獲得及び教育、山林施業用の大型設備の導入等により経費が増加し、結果として、本セグメント全体としての業績は対前連結会計年度増収減益となりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりの結果となりました。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
省エネルギー支援サービス事業における事業環境は、2014年6月に閣議決定された「エネルギー基本計画」及び2015年7月に策定された「長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)」の実現に向け、徹底した省エネを実現するべく推進されております。2018年12月に改正省エネ法が施行され、産業・業務部門の大規模投資、運輸部門では小口貨物輸送の効率化を課題として、連携省エネルギー計画の認定制度、認定管理統括事業者の認定制度創設のほか、省エネ再エネ高度化投資促進税制、産業トップランナー制度の対象業種の拡大等の対策が打ち出されております。このような背景のもと、エネルギー使用者への直接規制に関連して省エネ設備の導入を促すため、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金、電力需要の低減に資する設備投資支援事業費補助金、貨物輸送事業者と荷主の連携等による運輸部門省エネルギー化推進事業費補助金等の支援策も強化されつつあります。
国の省エネルギーに対する施策は、省エネルギーを実施すべき産業及び事業者を規制、さらに規制領域を拡大するとともに、エネルギー利用の改善には支援する補助金で報いる方向へと進んでおります。こうした政策をタイムリーに活用し、様々な業種、産業の顧客ニーズへの省エネルギー支援サービスの拡充を図っていくことが、当社グループの使命であり、これらの政策の実施は経営成績に直結する重要な要因となると考えます。
グリーンエナジー事業においては、100%国産の自然由来の木質チップや建築・土木の木質廃資材のリサイクル燃料を基に発電した電気を販売しクリーンで安心な国産電気エネルギー供給の一翼を担っております。電力小売全面自由化により色々な事業者が電気の小売市場に参入することで、競争が活性化し多様な料金メニュー・サービスの開拓や再生可能エネルギーを中心とした電気の供給等、消費者の期待するニーズに合わせた電力供給の仕組みが整備されることで、新たな付加価値創造に繋がっていくものと考えます。一方で電力システム改革における発電部門の電力事業者に対する事業環境の変化は、2020年4月に一般電気事業者の発送電分離が施行され、エネルギー需給構造の変革の中で、今後、種々の課題対応や施策が実施され各種法条例に基づく補助金や規制緩和又は業界の商流変更等の事象が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となり得ると考えております。
近年、FIT制度については太陽光発電や一部のバイオマス発電に係る規制強化のほか、再生可能エネルギー利用の将来にわたる着実性を担保するため様々な改革が進められておりますが、当社グループにおいては、新たな木質バイオマス発電所の開発に際し当社グループの優位性を十分発揮できるよう制度の変化に留意し、FIT制度を超えた価値創造に取り組んでまいる所存です。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、前連結会計年度に稼働したエフオン壬生建設に係る消費税の還付により営業キャッシュ・フローが増加したほか、投資活動によるキャッシュ・フローではエフオン新宮発電所の建設に係る支出も減少したことから、財務活動によるキャッシュ・フローの長期借入れによる収入が前連結会計年度に比べ減少しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、エフオン新宮発電所の建設が終盤を迎えシンジケートローンによる建設資金の調達と工事進捗の度合いに合わせた施工業者への支出の出入をバランスさせ事業遂行上必要な資金の確保維持を継続する予定です。
③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。