株式会社東京商工リサーチが当社を被告として東京地方裁判所に訴訟を提起した件につきまして、2024年9月2日(判決正本送達日:2024年9月4日)に第一審判決を受けました。当社は、当該判決の一部を不服として東京高等裁判所に控訴しておりますが、当中間連結会計期間において、将来発生する可能性のある損失見込額1,254,456千円を訴訟損失引当金として流動負債に、訴訟損失引当金繰入額として特別損失(訴訟関連損失)にそれぞれ計上いたしました。なお、上記の特別損失を計上いたしましても、当社の財務状況や事業活動に支障をきたすものではございません。また、一審判決の結果は、当社の独自データサービス及び当社サービスに何ら影響はございません。
上記の第一審判決について、当社は、株式会社東京商工リサーチから2024年9月17日付(訴状送達日:2024年10月29日)で東京高等裁判所に附帯控訴の提起を受けました。賠償金として令和6(2024)年6月18日から口頭弁論終結の日まで1日152万6,373円の支払い及び当社が第一審、二審の訴訟費用を負担することを求めるものでありますが、上記に記載のとおり、当社は東京高等裁判所に控訴しており、当社の正当性を主張してまいります。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、インバウンド需要の回復や国内経済活動の正常化が進み景気は緩やかな回復を続けているものの、為替変動の影響、物価の上昇や人手不足、不安定な国際情勢等により、先行きは依然として不透明な状況で推移しており、今後も引き続き、お客様のサービス選別が厳しくなることが考えられます。
こうした状況の下、当社グループは、事業を取り巻く厳しい環境を踏まえ2021年度にスタートした長期ビジョン「RismonG-30」、その達成に向けたマイルストーンである「第8次中期経営計画(2024~2025年度)」の基本方針に沿い、以下のような取り組みを実施いたしました。
・「リスクモンスター財務診断シート」申込受付開始(4月)
・J-MOTTOスケジュール機能と「Zoom」の予定連携機能を提供開始(4月)
・「J-MOTTOサービス」がIT導入補助金2024に認定(4月)
・取締役等に対する株価コミットメント型募集新株予約権(有償ストック・オプション)、従業員に対する新株予約権(無償ストック・オプション)の発行決議(5月)
・与信判断ツールである「e-与信ナビ」に「商業登記PDF」の機能や情報等を追加し、提供データを拡充させたうえで、新価格体系によるサービス提供を開始(6月)
・「決算書分析システム」がIT導入補助金2024に認定(6月)
・「リスモン・グリーンプロジェクト」植樹2,000本に到達(6月)
・J-MOTTOが気象庁の緊急地震速報情報と連携した「安否確認メール自動配信」機能を提供開始(6月)
・中国において「中国日系企業攻めモン」提供開始(6月)
・13期連続の増配となる1株当たり15円の配当を実施(6月)
・無料アプリ「Riskmonster for Salesforce(ベータ版)」提供開始(7月)
・格付ロジックをバージョンアップし、倒産リスクを判別するRM格付を新たに30万社以上に付与(7月)
・「反社チェック定期サービス」提供開始(8月)
・「Rismon企業データ for Salesforce」を発表(9月)
・「決算書AI-OCR」技術が特許取得(9月)
・当中間連結会計期間に発表したリスモン調べ
「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査結果(4月)
「就職したい企業・業種ランキング」調査結果(5月)
「中国半導体事業 2024年業界速報」(5月)
「この企業に勤める人と結婚したいランキング」調査結果(6月)
「動産・債権譲渡登記設定企業に関する倒産分析(2024年版)」(7月)
「格付ロジック改定によるRM格付変動の影響」調査結果(7月)
「手形等の決済期限短縮に関する影響アンケート」調査結果(7月)
「世界に誇れる日本企業」調査結果(8月)
「中国斜陽産業ランキング」調査結果(8月)
「上場企業ケッサンピック」調査結果(9月)
・当中間連結会計期間に発表したリスモン業界レポート
「広告業」(4月)
「繊維・衣服等卸売業」(4月)
「洗濯・理容・美容・浴場業」(5月)
「宿泊業」(5月)
「飲食料品卸売業」(6月)
「廃棄物処理業」(6月)
「自動車整備業」(7月)
「娯楽業」(7月)
「職業紹介・労働者派遣業」(8月)
「飲食店」(8月)
「食料品製造業」(9月)
「飲食料品小売業」(9月)
<連結業績について>
当中間連結会計期間の業績は、次のとおりであります。
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前中間連結会計期間 (自 2023月年4月1日 至 2023月年9月30日) |
|
当中間連結会計期間 (自 2024月年4月1日 至 2024月年9月30日) |
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前年 同期比(%) |
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対売上比 (%) |
対売上比 (%) |
||||
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売上高(千円) |
1,811,162 |
100.0 |
1,852,141 |
100.0 |
102.3 |
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営業利益(千円) |
150,914 |
8.3 |
118,597 |
6.4 |
78.6 |
|
経常利益(千円) |
142,335 |
7.9 |
122,851 |
6.6 |
86.3 |
|
親会社株主に帰属する中間純損益(△は損失)(千円) |
79,723 |
4.4 |
△1,190,532 |
△64.3 |
- |
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前中間連結会計期間末 |
当中間連結会計期間末 |
増減数 |
|
会員数合計(注) |
13,851 |
14,256 |
405 |
(注)会員数は登録されているID数
なお、上記においては当社グループの各サービスに重複登録している会員が一部おります。
(売上高)
法人会員向けビジネスがほぼ前期並み、その他ビジネスが堅調であったため、連結の売上高は1,852,141千円(前年同期比102.3%)となりました。
(利益)
主に与信管理サービス事業において既存会員のサービス利用が低調に推移していること、サービスシステム増強及びデータベースの充実を図るため企業情報取得の強化を継続しており、それに係る原価が増加していること等から営業利益は118,597千円(前年同期比78.6%)、経常利益は122,851千円(前年同期比86.3%)となりました。また、株式会社東京商工リサーチが当社を被告として東京地方裁判所に訴訟を提起した件につきまして、
2024年9月2日(判決正本送達日:2024年9月4日)に第一審判決を受けました。当社は、当該判決の一部を不服として東京高等裁判所に控訴しておりますが、当中間連結会計期間において、将来発生する可能性のある損失見込額等を特別損失(訴訟関連損失)として計上したことにより、親会社株主に帰属する中間純損失となりました。引き続き当社の主張が認められるよう当社の正当性を主張してまいります。
(会員数合計)
会員数は14,256会員と増加しました。
<セグメント別の業績について>
セグメント別の売上高につきましては、セグメント間取引消去前の売上高で記載しております。
当社グループのセグメントを、1.法人会員向けビジネスと2.その他ビジネスに分類した場合の業績は、以下のとおりであります。
1.法人会員向けビジネス
法人会員向けビジネスに含まれるセグメントは、ア)与信管理サービス事業、イ)ビジネスポータルサイト事業及び ウ)教育関連事業であります。
法人会員向けビジネスの業績は、次のとおりであります。
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前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
法人会員向けビジネス売上高合計(千円) |
1,402,600 |
1,390,074 |
99.1 |
|
法人会員向けビジネス利益合計(千円) |
279,554 |
235,994 |
84.4 |
|
会員数 |
前中間 連結会計期間末 |
当中間 連結会計期間末 |
増減数 |
|
法人会員向けビジネス会員数合計 |
13,399 |
13,769 |
370 |
法人会員向けビジネスの各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
ア)与信管理サービス事業について
与信管理サービスの業績は、次のとおりであります。
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サービス分野別 |
前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
|
|
ASP・クラウドサービス(千円) |
784,893 |
780,297 |
99.4 |
|
|
コンサルティングサービス売上高合計(千円) |
202,703 |
199,850 |
98.6 |
|
売上高合計(千円) |
987,597 |
980,148 |
99.2 |
|
|
セグメント利益(千円) |
143,204 |
119,251 |
83.3 |
|
|
会員数 |
前中間 連結会計期間末 |
当中間 連結会計期間末 |
増減数 |
|
与信管理サービス(注) |
7,315 |
7,744 |
429 |
(注)サービス相互提携を行う会員を含む
当中間連結会計期間の与信管理サービス事業の売上高の合計は980,148千円(前年同期比99.2%)、セグメント利益は119,251千円(前年同期比83.3%)となりました。
新規の会員数は増加しており、また、6月より、与信判断ツールである「e-与信ナビ」を新価格体系で提供を開始、順次「商業登記PDF」の機能や情報等を追加、提供データを拡充させて提供し、料金改定後のe-与信ナビの利用状況は予定どおり推移しているものの、既存会員のサービス利用が低調に推移しました。
セグメント利益は、売上高が減少したこと、独自データベースの充実を図るため企業情報取得の強化を継続しており、それに係る原価が増加していること、また、サービスシステム増強費用が増加したため前年同期を下回りました。
イ)ビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)について
ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)の業績は、次のとおりであります。
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サービス分野別 |
前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
|
|
ASP・クラウドサービス(千円) |
285,449 |
282,204 |
98.9 |
|
|
その他(千円) |
17,083 |
16,312 |
95.5 |
|
売上高合計(千円) |
302,532 |
298,517 |
98.7 |
|
|
セグメント利益(千円) |
113,640 |
100,079 |
88.1 |
|
|
会員数 |
前中間 連結会計期間末 |
当中間 連結会計期間末 |
増減数 |
|
ビジネスポータルサイト (グループウェアサービス等)(注) |
3,096 (147,332) |
3,059 (146,250) |
△37 (△1,082) |
(注)( )は外数でユーザー数
当中間連結会計期間のビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)の売上高の合計は、298,517千円(前年同期比98.7%)、セグメント利益は100,079千円(前年同期比88.1%)となりました。
会員数とユーザー数の減少に伴い利用料が減少したこと等から、売上高は前年同期を下回りました。
セグメント利益は、サービス増強費用の増加、人員増強による費用の増加及び売上高の減少のため、前年同期を下回りました。
ウ)教育関連事業について
教育関連の業績は、次のとおりであります。
|
サービス分野別 |
前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
教育関連売上高合計(千円) |
112,471 |
111,409 |
99.1 |
|
セグメント利益(千円) |
22,708 |
16,663 |
73.4 |
|
会員数 |
前中間 連結会計期間末 |
当中間 連結会計期間末 |
増減数 |
|
教育関連 |
2,988 |
2,966 |
△22 |
当中間連結会計期間の教育関連事業の売上高は111,409千円(前年同期比99.1%)、セグメント利益は16,663千円(前年同期比73.4%)となりました。
売上高はほぼ前期並みだったものの、人件費の増加、コンテンツの充実化に伴う原価の増加に伴いセグメント利益は前年同期を下回りました。
2.その他ビジネス
その他ビジネスに含まれるセグメントは、エ)BPOサービス事業及び オ)その他サービスであります。
その他ビジネスの業績は、次のとおりであります。なお、中国における与信管理及びグループウェアサービス等の会員数は、487会員となりました。
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|
前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
その他ビジネス売上高合計(千円) |
636,968 |
663,745 |
104.2 |
|
その他ビジネス利益合計(千円) |
4,070 |
6,197 |
152.3 |
その他ビジネスの各セグメントの業績は、以下のとおりであります。
エ)BPOサービス事業について
BPOサービスの業績は、次のとおりであります。
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サービス分野別 |
前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
BPOサービス売上高合計(千円) |
461,161 |
471,717 |
102.3 |
|
セグメント損益(△は損失)(千円) |
△1,596 |
824 |
- |
当中間連結会計期間のBPOサービス事業の売上高は471,717千円(前年同期比102.3%)、セグメント利益は824千円(前年同期はセグメント損失1,596千円)となりました。
新規のスポット案件があったこと等から、前年同期を上回りました。
オ)その他サービスについて
その他サービスの業績は、次のとおりであります。
|
サービス分野別 |
前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
その他サービス売上高合計(千円) |
175,807 |
192,027 |
109.2 |
|
セグメント利益(千円) |
5,666 |
5,373 |
94.8 |
当中間連結会計期間のその他サービスの売上高は192,027千円(前年同期比109.2%)、セグメント利益は5,373千円(前年同期比94.8%)となりました。
グループの海外展開(中国)を事業とする利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(リスクモンスターチャイナ)は、中国における信用調査レポート及びグループのコスト削減を担うオフショア開発が順調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
セグメント利益は、円安の影響も受け、売上増加による仕入原価が増加したこと、また、サービス提供拡充のための原価等が増加したことにより、前年同期を下回りました。
(2)財政状態の状況
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|
前連結会計年度 |
当中間 連結会計期間 |
増減額 |
|
|
|
流動資産(千円) |
2,295,893 |
1,735,880 |
△560,012 |
|
|
固定資産(千円) |
4,490,111 |
5,756,860 |
1,266,748 |
|
資産合計(千円) |
6,786,005 |
7,492,740 |
706,735 |
|
|
|
流動負債(千円) |
433,092 |
2,069,800 |
1,636,708 |
|
|
固定負債(千円) |
330,600 |
427,316 |
96,715 |
|
負債合計(千円) |
763,693 |
2,497,116 |
1,733,423 |
|
|
純資産(千円) |
6,022,311 |
4,995,623 |
△1,026,688 |
|
|
負債純資産合計(千円) |
6,786,005 |
7,492,740 |
706,735 |
|
当中間連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末と比べ560,012千円減少し、1,735,880千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得、供託金の預入による支払い、税金や配当金の支払い等により現金及び預金が減少したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末と比べ1,266,748千円増加し、5,756,860千円となりました。これは主に、サービスシステム及び独自データベースの増強、投資有価証券の時価評価、供託金の預入等によるものです。その結果、資産合計は前連結会計年度末と比べ706,735千円増加し、7,492,740千円となりました。
流動負債は前連結会計年度末と比べ1,636,708千円増加し2,069,800千円となりました。これは主に、短期借入金及び訴訟損失引当金の計上等によるものです。固定負債は96,715千円増加し427,316千円となりました。これは主に、その他固定負債(繰延税金負債)の増加等によるものであります。その結果、負債合計は前連結会計年度末と比べ1,733,423千円増加し、2,497,116千円となりました。
純資産は、訴訟関連損失の計上等により前連結会計年度末と比べ1,026,688千円減少し、4,995,623千円となりました。また、自己資本比率は65.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
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前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 (%) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
360,715 |
△268,463 |
- |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
△508,511 |
△656,092 |
- |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(千円) |
△143,912 |
209,151 |
- |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少)(千円) |
△291,632 |
△716,912 |
- |
|
現金及び現金同等物の中間期末残高(千円) |
1,611,782 |
1,005,850 |
62.4 |
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ716,912千円減少し、1,005,850千円(前年同期比62.4%)となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、268,463千円(前年同期は360,715千円の増加)となりました。増加要因として主に、減価償却費が370,848千円、訴訟損失引当金の増加額が1,254,456千円であったこと、減少要因として主に税金等調整前中間純損失が1,135,394千円、供託金の預入による支出が740,000千円であったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、656,092千円(前年同期は508,511千円の減少)となりました。減少要因として、無形固定資産の取得による支出が447,232千円、定期預金の預入による支出が100,000千円、投資有価証券の取得による支出が99,804千円であったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、209,151千円(前年同期は143,912千円の減少)となりました。増加要因として短期借入金の純増加額が350,100千円であったこと、減少要因として、配当金の支払額が110,370千円、長期借入金の返済による支払額が30,160千円であったこと等によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載につきまして、当中間連結会計期間において、新たに、株式会社東京商工リサーチとの訴訟に関し、東京地方裁判所からの第一審判決額等将来発生する可能性のある損失見込額を訴訟損失引当金として計上しております。判決結果によって訴訟損失引当金の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。