国内におけるスマートフォンゲーム市場は、平成27年度の9,250億円から平成28年度は9,450億円(出典:株式会社矢野経済研究所)まで成長すると見込まれており、その拡大速度はこれまでと比べ緩やかになりましたが、安定的に推移しております。
一方で、新型ゲーム機やVR(バーチャルリアリティ)端末等、新しい技術やゲームの楽しみ方が提案され、新たな市場の創出も期待されております。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、主力ゲームである「パズドラ」の売上高が減少したことから、対前年比で減収となりましたが、このような状況の中、当社では「新規価値の創造」に向けた新作ゲームの開発及び配信、並びに既存ゲームのMAU(Monthly Active User:月に1回以上ゲームにログインしている利用者)の維持・拡大に注力してまいりました。
新作ゲームでは、グローバル配信を見据え開発したプレイステーション®4向けオンラインアクションゲーム「LET IT DIE(レット イット ダイ)」を平成28年12月3日より北米・欧州へ、平成29年2月2日には日本・アジアへ配信を開始し、全世界累計200万ダウンロードを突破いたしました。
また、平成28年11月17日からは、スマートフォン向けRPG「セブンス・リバース」を配信開始いたしました。
パートナーパブリッシング事業では、ゲームロフト社(本社:フランス)から日本国内におけるパブリッシング権を獲得したスマートフォン向けゲーム「ディズニー マジックキングダムズ」のAndroid™版を平成28年10月3日に、iOS版を10月11日にサービス開始し、150万ダウンロードを突破いたしました。
既存ゲームにおきましては、平成29年2月20日でサービス開始から5周年を迎えた「パズドラ」は、引き続き多くのユーザーの皆様にお楽しみ頂いております。本作では、5周年に向けた記念イベントを平成28年11月より実施するとともに、有名キャラクターとのコラボイベントやアップデートも継続的に実施しております。また、平成28年7月28日に発売いたしましたニンテンドー3DS™向け「パズドラクロス 神の章/龍の章」におきましては、アニメ、コミック、ホビー商品、イベントなど、大規模なクロスメディア展開を継続して実施しており、「パズドラ」ブランドのさらなる強化・拡大に努めております。
この結果、当連結会計年度における売上高は112,457百万円(前連結会計年度比27.1%減)、営業利益46,081百万円(前連結会計年度比36.4%減)、経常利益46,081百万円(前連結会計年度比36.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益27,911百万円(前連結会計年度比35.7%減)となりました。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載しておりません。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前連結会計年度に比べ48,348百万円減少し、当連結会計年度には33,044百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は33,610百万円(前連結会計年度は37,231百万円の収入)となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益43,856百万円及び法人税等の支払額19,659百万円が含まれるためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は4,331百万円(前連結会計年度は41,173百万円の収入)となりました。
これは主に、定期預金の預入及び払戻による支出(純額)1,368百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出2,545百万円が含まれるためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は77,421百万円(前連結会計年度は83,772百万円の支出)となりました。
これは主に自己株式の取得による支出73,000百万円、配当金の支払額4,303百万円が含まれるためであります。
当社グループ全体における生産及び受注実績の金額的重要性が乏しく、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから記載を省略しております。
当社グループでは一部個別の受託開発を行っておりますが、「(1)生産実績」に記載の理由から、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載しておりません。
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
連結売上高 |
112,457 |
△27.1 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
なお、Apple Inc.、Google Inc.は共にプラットフォーム提供会社であり、同社に対する販売実績は、当社
グループが提供するゲームサービスの利用者(一般ユーザー)に対する利用料等であります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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|
販売高 |
割合(%) |
販売高 |
割合(%) |
|
|
Apple Inc. |
79,762 |
51.7 |
60,785 |
54.1 |
|
Google Inc. |
64,371 |
41.7 |
40,110 |
35.7 |
なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
近年、パソコンに代わりスマートフォンが世界規模で普及拡大を続け、さらに様々な端末が続々とインターネット接続されるなど、オンライン化が加速度的に進んでおります。また、身近な端末がゲーム機として利用され、従来ゲームに参加していなかった非ユーザー層がゲームに参加するなど、世界的にユーザー層の広がりが見込まれます。このような状況の中、当社グループは常に変化し続けるゲーム産業の経営環境を早期かつ的確に把握し、対処すべき重要課題を定め、それに適合した経営戦略を推進しております。
具体的な重要課題に対する取り組みは以下のとおりであります。
①既存価値の最大化
当社グループでは、サービス開始から14周年を迎えた「ラグナロクオンライン」や、平成29年2月に5周年を迎えたスマートフォン向け「パズドラ」をはじめ、ゲームブランドとして確立したコンテンツ資産を、多角的に利用することを経営方針の一つとしております。
「パズドラ」においても、長期的展開を主眼にゲームのブランド力向上を目指し、ニンテンドー3DS™シリーズ向け「パズドラクロス 神の章/龍の章」、キャラクターグッズ、コミック、イベントの開催等、多方面へ作品を展開し、ユーザーの皆様に様々な形でお楽しみ頂いております。これら様々な展開の下、ユーザー様の年齢層にあったゲームの楽しみを提供することにより「ロイヤルカスタマー(生涯顧客)」を育成し、ゲームブランドとしての長期的な発展を目指してまいります。
②新規価値創造への挑戦
様々な端末のオンライン化により、オンラインゲーム市場は、今後も新規参入企業の増加や統合が予想され、競争環境はさらに厳しくなるものと想定されます。また、今後も技術の急速な進化が予想され、新たなゲーム機となり得る端末の登場により、将来的にはまた新たな市場が形成されることが予測されます。このような中、当社グループは、オンラインゲームで培った開発・運営ノウハウや経験、スマートフォン・家庭用ゲームでも評価の高い企画・開発力を最大限に活かし、「直感的」「革新的」「魅力的」「継続的」「演出的」という開発5原則を元に、様々なプラットフォームに向け新しい価値をお客様に提供してまいります。
③グローバル市場における成長
スマートフォン市場が世界規模で拡大を続ける中、今後もスマートフォンゲームを含めた広義のオンラインゲーム市場はさらに拡大していくことが予想されます。
当社グループでは、スマートフォンゲームをはじめPCオンラインゲーム、家庭用ゲームについてもグローバル展開を図っております。スマートフォンゲームやPCオンラインゲームは、配信開始後も、様々なイベントやキャンペーンの実施など継続的なコンテンツの運営体制が必要となるため、グローバル展開に合わせた運営体制を構築の上、質の高いゲームを提供することで、世界中のお客様がロイヤルカスタマー(生涯顧客)となることによる、さらなる収益性向上を目指してまいります。
④コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、企業価値の最大化を重要な経営課題の一つと認識しており、ステークホルダーと良好な関係を築き、長期安定的な成長を遂げていくことが重要であると考えております。その実現のため、機動的かつ健全、公正な経営に取り組み、コーポレート・ガバナンスを強化してまいります。
⑤消費者の安全性の確保
当社グループが事業を展開するオンラインゲーム業界は、日本並びに世界においても新しい産業であり、未整備の課題や問題も内在しております。また、スマートフォンは幅広い年齢層のユーザーが保有していることから、青少年を含む利用者の皆様が安全な環境で安心してオンラインゲームを利用できる環境をご提供することが必要となっております。当社は、一般社団法人日本オンラインゲーム協会に加盟し、消費者が不利益を被ることがないよう、業界各社と広く情報交換を行い、未整備課題への対処等を通じて、経済社会の発展に貢献してまいります。
⑥開発を含む組織体制の強化
ゲーム市場は、市場変化や技術革新が目まぐるしく進化を続けております。当社グループでは、継続的な成長を目指し、機動的な事業の運営、経営効率の向上を図るとともに、収益基盤の強化に向けた組織体制の強化を進めております。当社グループの収益源となるゲーム開発にあたっては、アメーバ開発体制による柔軟な組織を形成し、必要に応じた人員配置を行い機動的な開発体制を構築しております。
当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性がある主な事項を以下のとおり記載しております。また、当社グループでは、コントロールできない外部要因や、事業上のリスクとして具体化する可能性は必ずしも高くないと見られる事項を含め、投資家の投資判断上重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、以下のとおり開示しております。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生時の対応に努力する方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断及び当社の株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本資料中の本項以外の記載も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載は、当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅するものではありません。
本項においては、将来に関する事項が一部含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)当社グループの事業に関するリスクについて
a. 特定のゲームへの依存について
イ. 売上高の依存
当社グループの売上高実績に占める「パズドラ」関連の売上高の割合は、平成24年より急拡大してまいりました。現在では、スマートフォン向け、ニンテンドー3DS™向け、その他キャラクターグッズ等の展開を含め、幅広いユーザーへ展開しており、その売上高比率は、平成27年12月期88.6%、平成28年12月期84.3%であり、売上高について本ゲームに依存しております。それ故、他社ゲームの台頭等の要因により「パズドラ」の競争力が低下した場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
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平成27年12月期 |
平成28年12月期 |
||
|
金額 |
比率 |
金額 |
比率 |
|
|
「パズドラ」関連売上高 |
136,779 |
88.6 |
94,837 |
84.3 |
|
売上高 |
154,329 |
100.0 |
112,457 |
100.0 |
ロ.MAU(Monthly Active User)数の維持・拡大
当社グループは、「パズドラ」等のゲームにおいて、MAUを維持・拡大させることが、長期的なゲームブランドを構築し、ひいては収益に貢献するものであると捉え、Key Performance Indicator(重要業績評価指標)として管理しております。そこで、当社グループでは、MAUの維持・拡大のため、ゲーム内イベントやキャンペーン等、各種施策の立案を行っておりますが、当社グループが立案した各種施策がユーザーに評価されない等により、MAUが維持できず減少した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
b.開発資金の負担について
当社グループでは、自社のオリジナルゲームの開発において、サービス開始まで長期に亘り多額の開発資金を要する場合があります。
また、サービスを開始し投資回収を終えるまでの期間が、長期に亘る傾向にあるため、多額の開発資金の負担に耐えうる財務基盤が必要となります。
さらに、今後、技術の進歩により、各メーカーのスマートフォン端末並びに新型ゲーム機等は一段と高性能化が進むと予測され、開発資金の増加により、当社グループの経営成績や今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
c.新規ゲーム等の開発・販売について
当社グループでは、事業拡大の戦略について、自社オリジナルのキラーコンテンツの確保が重要と考えております。
当社グループでは、新規ゲームの開発において、当社の定める開発5原則に基づき、「面白さ」の追求に努めておりますが、その開発には多大な時間と開発資金を要するものがある一方で、ユーザーの嗜好の変化により、新規ゲームが必ずしも受け入れられる保証はなく、そのような場合には新規ゲームの開発を延期又は中止する可能性があり、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
d.グローバル展開について
当社グループは、中長期的な成長を続けるため、スマートフォンゲーム、PCオンラインゲームやコンシューマゲームについて、自社による展開又はパートナーとの連携により、グローバル展開を推進しております。
しかし、グローバル展開においては、各国における社会情勢、政治・経済、文化・宗教、現地の法令・制度や規制等の様々なカントリーリスクが内在しており、このようなリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
e.為替リスクについて
当社は、韓国GRAVITY Co.,Ltd.、米国GungHo Online Entertainment America,Inc.及びシンガポールGungHo Online Entertainment Asia Pacific Pte.Ltd.等の在外連結子会社を有しております。
連結財務諸表の作成にあたり、在外連結子会社の財務諸表について、円換算を行っていることから、為替相場が大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは、ゲームの提供において、売上代金の回収、手数料の支払いにおいて、外貨建ての取引が発生しております。
以上のことから、為替相場が大幅に変動した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
f.経営戦略が奏功しないリスクについて
当社グループが事業を展開するゲーム業界は、総じてゲームのライフサイクルが短い傾向にあります。当社では、既にあるゲームの価値を高め、長期的に愛されるブランドに成長させる「既存価値の最大化」を重要な経営戦略として掲げ、核となるゲームを強化するとともに、ゲームファン並びに潜在的なゲームファンにも楽しんで頂けるよう、グッズ・漫画等の販売、「ガンホーフェスティバル」等のリアルイベントの実施等、多面的な展開を図っております。しかしながら、当社の経営戦略が想定どおりに奏功しない場合は、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
g.ゲームにおける表現の健全性確保について
当社グループでは、ゲームにおける表現の健全性確保については、ゲームの開発・配信の過程において、その表現につき一定の基準を設定しサービスを展開しております。この基準は、青少年に対して著しく暴力的ないしは性的な感情を刺激する描写・表現をゲーム内に使用しないこと等を基本としておりますが、今後、法的規制の強化や新たな法令の制定等に伴い、当社グループのゲームの提供が規制される事態等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
(2)当社グループの事業環境に関するリスクについて
a.競争の激化について
技術革新が急速に進展し、かつユーザーのニーズが多様化する中で、インターネット向けエンターテインメントの供給会社及びゲームのタイトル数は増加の一途を辿っております。このような中、当社グループにおいては、10年を超えるサービスの提供実績を有するPCオンラインゲームで培ったゲームの企画・開発・運営の経験・ノウハウを活かし、様々な端末にゲームを提供することで、より一層のユーザー満足度の向上を図っております。しかしながら、ユーザー獲得競争の熾烈化に伴い、広告枠の獲得競争が激化することによる広告宣伝費の高騰、競合他社の台頭による当社の優位性低下、その他当社の想定外の事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
b.ユーザーの嗜好への対応について
当社グループの提供するゲームのユーザーは、一般消費者であり、ユーザーの獲得はその嗜好に左右される可能性があります。ユーザーの嗜好は時代とともに変化するものであり、当社グループがユーザーの嗜好に対応したゲームを提供できない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
c.風評被害及びユーザーの要望への対応について
当社グループの事業は、インターネットに接続するスマートフォン及びパソコン並びに家庭用ゲーム機向けにゲームの企画・開発・配信・運営・販売を行っており、当社グループの提供するゲームのユーザーは、インターネット上で交わされる情報に頻繁にアクセスする傾向にあります。
インターネットはその特性上、事実の有無に関係無く様々な情報が交わされるため、当社グループの提供するゲームは、特にインターネット上の風評による被害を受けやすくなっております。そこで、当社グループでは、カスタマーサポート機能である「WEBヘルプデスク」を充実させることにより、ユーザーの声を幅広く収集し、顧客満足度の向上に努力しておりますが、風評やユーザーの要望に対する対応が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
d.技術革新への対応について
当社グループが事業を展開しているオンラインゲーム市場は、ネットワーク技術及びサーバー運営技術等のコンピュータ技術に密接に関連しており、これらの分野は、技術革新が著しいという特徴を有しております。当社グループでは、適時にコンピュータ技術の進展に対応していく方針ではありますが、当社グループが想定していない新技術等への対応が遅れた場合や、対応コストが拡大した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
e.知的財産権について
当社グループは、現在、商標権として社名や「パズドラ」等のゲームの名称等について商標登録を行っております。また、ゲーム開発上、独自に開発した技術等のうち事業上の重要性等があるものについては、適宜特許出願を行っております。当社グループでは、知的財産権の取得や管理に関する体制を構築しております。一方、当社グループによる他者の知的財産権侵害が生じないよう、適宜調査等の対応を行っておりますが、当社グループのサービス及び連携する第三者のサービスにおいて、他者の知的財産権侵害の可能性を完全に否定することは困難であります。
また、当社グループが提供するゲームには、第三者が保有する知的財産権のライセンスを受けて事業展開を行うものもあり、他者の知的財産権を侵害しないよう、その取扱いには特に留意しております。当社グループでは、ライセンス取得の検討段階より、取得候補について弁理士及び弁護士を通じて特許庁のデータベース確認等の調査を行っております。当社グループはライセンサーとの契約において、他者の権利侵害を為していない旨の保証と責任を定める等、当社グループ事業での安全な遂行が為されるように留意しております。しかしながら、当社グループの調査範囲が十分かつ妥当であるとは保証できず、また、特許権等の知的財産権が当社グループ事業にどのように適用されるかの全てを正確に想定することは困難であります。万一、当社グループが他者の知的財産権を侵害した場合には、当該他者より損害賠償請求及び使用差止等の訴えを起こされる可能性、並びに当該知的財産権に関する対価の支払い等が発生する可能性があり、このような場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、当社グループは知的財産権に関する訴訟等を起こされた事実はありません。
以上のほか、当社グループがサービスを提供するゲーム等には、ユーザーにより画像や写真等のコンテンツの掲載が行われる場合があることから、これにより他者の著作権等を侵害する可能性があります。当社グループでは、ガイドライン等によって著作権侵害等が生じる利用を禁止すると共に利用違反についてはモニタリングやユーザーからの情報提供を通じて速やかに対応する等の施策を実施しております。しかし、かかる施策が功を奏さず、著作権使用料の支払い要求を受ける等、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
f.システムトラブルについて
当社グループのオンラインゲームは、インターネットサーバーを介してサービス提供を行っており、地震等の自然災害、火災等の地域災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止等、予測不可能な事由によりシステムがダウンした場合には営業継続が不可能となります。また、アクセス数の増加等の一時的な過剰負荷によって当社グループあるいはデータセンターのサーバーが作動不能となった場合や、誤作動が発生した場合等には、システムが停止する可能性があります。さらには、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や役職員の過誤等によって、当社グループが提供するゲームデータが書き換えられたり、重要なデータの消失又は流出が発生する恐れがあります。
当社グループは、このような事態の発生を事前に防ぐべく、セキュリティを重視したシステム構成、ネットワークの負荷分散、365日24時間の監視体制等、安全性を重視した体制作りに取り組んでおります。また、当社グループが提供するオンラインゲームに不良箇所(バグ)が発生した場合、これらゲーム配信サービスを中断・停止させて、原因究明及び復旧作業を行っております。
このような対応にも拘らず大規模なシステムトラブルが発生した場合には、当社グループに直接的な損害が生じる他、当社グループシステム自体への信頼性の低下等が想定され、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
g.M&A等に関するリスク
当社グループは、グローバル展開の強化等を進めるため海外での現地子会社の設立や当社グループの事業に関係性の高い企業の買収等(M&A等)により、事業の拡大に取り組んでおります。これら、子会社の設立もしくは買収等においては、当初想定した効果が得られないことによって損失が発生するリスクが存在することに加え、出資先企業の財政状態や経営成績によっては、グループ全体の信用低下を招く虞があり、そのような場合には、財政状態及び経営成績や今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
h.スマートフォンユーザーの課金トラブルについて
スマートフォンユーザーの幅広い普及に伴い、昨今では中高生のユーザーも増加、またスマートフォンをもたない未成年者が家族の端末を利用しゲームで遊ぶ等、未成年者のゲームユーザーも増加しております。当社グループのスマートフォンゲームでは、ゲーム内で有料アイテムを販売しており、アイテムを購入する際には、クレジットカードの利用や通信キャリア決済、又はプリペイドカードを利用するなど決済手段がいくつか存在します。特に家族の端末を利用したクレジットカード決済においては、未成年者が誤って有料アイテムを購入すること等により多額の請求が発生するなど、課金に関するトラブルが発生しております。当社グループでは、地域の消費生活センターや消費者庁と情報交換を行い、健全な市場環境の形成に取り組んでおりますが、当社グループが想定していないトラブルの発生・増加や、それに伴い新たな規制等が制定された場合は、当社グループの経営成績や今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
i.Apple Inc.及びGoogle Inc.の動向について
当社グループの売上高に占めるスマートフォン向けゲームの売上高比率が高まっており、Apple Inc.及びGoogle Inc.等の決済代行業者(プラットフォーム企業)による回収代行への収益依存、及びプラットフォーム等のシステム利用への業務依存が拡大しております。これらプラットフォーム企業とは、良好な信頼関係の構築に努めておりますが、何らかの要因により契約継続が不可能となる場合や、またプラットフォーム企業の事業戦略の転換や動向によって手数料率の変動等が行われた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制について
a.個人情報保護について
当社グループが提供するゲームの一部について、会員登録、ゲームの利用登録及び課金に際して、個人情報を取得して利用するとともに当社サーバー内に個人情報をストックしております。また、経済産業省より「個人情報の保護に関する法律」が為される等、企業の個人情報保護に対する要請は厳格になっております。
また、当社グループは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、顧客個人情報の保護及び取扱いに関する規程等を制定し、個人情報の取扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全社員を対象として社内教育を徹底するなど、同法及び関連法令並びに当社グループに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
さらに、当社グループでは独自に、ガンホーゲームズユーザーについてはガンホーIDとアトラクションIDの2段階管理を行い、重要な個人情報の管理を物理的に分けることで外部からの個人情報アクセスを防ぐとともに、当社グループ内においても個人情報にアクセスできる人員を制限する等の方策により、個人情報が外部漏洩しないよう留意しております。
しかしながら、個人情報等について漏洩、改ざん、不正使用等の問題が発生した場合、対応するための相当のコストの負担、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
b.インターネットに関する法的規制について
当社グループがサービスを展開するオンラインゲームにおいて、インターネットに関連する各種法的規制等の適用を受けております。
当社グループではこれらの法的規制に対して適切に対応しておりますが、万が一、当該規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合や、今後これらの法令等が強化され、もしくは新たな法令等が定められ当社グループの事業が制約を受ける場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
c.スマートフォンゲームに関連する法的規制について
当社グループが属するスマートフォンゲーム業界においては、近年、過度に射幸心を誘発するゲームシステムが問題化し、「コンプリートガチャ(注)」と呼ばれる課金方法が不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反するとの見解が平成24年7月に消費者庁より示されております。
当社グループはこれに対して、自主的に対処・対応するとともに、一般社団法人日本オンラインゲーム協会が公表する「ランダム型アイテム提供方式を利用したアイテム販売における表示および運営ガイドライン」に賛同し、消費者保護の観点及び各種法令遵守の観点から、安心・安全な環境づくりに取り組んでおります。また、当社グループのスマートフォンゲームに係る課金において「資金決済に関する法律」や、消費税法をはじめとした各種税法が適用されます。
当社グループでは、法令を遵守したサービスを提供するのは当然のこと、当社グループが加入する業界団体等と情報交換を行い、あるいは業界団体等の意見を取り入れ、サービスを提供しております。
しかしながら、今後、社会情勢の変化によって既存の法令等の解釈の変更や新たな法令等の制定等、法的規制が行われた場合には、当社グループの事業が著しく制約を受け、経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(注)コンプリートガチャとは、ランダムに入手するアイテムやカードを特定種類揃えることで希少なアイテムやカードを入手できるシステムを指します。
d.リアル・マネー・トレード(RMT)に関するリスクについて
オンラインゲーム業界においては、ユーザー間においてゲーム内のアイテム又はユーザーIDをオークションサイト等で売買するリアル・マネー・トレード(以下「RMT」)と呼ばれる行為が一部ユーザーにより行われております。当社グループでは、利用規約により本行為の禁止を明記するとともに、オークションサイト等の適時監視も行い、違反者に対しては強制退会させる等、厳正な対策を講じております。しかしながら、当社グループが提供するゲームに関し大規模なRMTが発生する等、不測の事態が生じた場合には、サービスの信頼性が低下し、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(4)当社グループの事業体制について
a.代表取締役社長CEO森下一喜への依存について
当社グループの事業推進者は、代表取締役社長CEOである森下一喜であります。同氏は、平成13年5月に当社に入社し、オンラインゲームの立ち上げに関わってきた人物であります。PCオンラインゲームにおける主力商品である「ラグナロクオンライン」を韓国で発掘、日本での配信権を確保した他、近年では、スマートフォンゲームの提供において「パズドラ」のエグゼクティブプロデューサーを務めるなど、当社のヒットタイトルの創出に大きく貢献しております。また、現在では新規ゲーム開発にあたって、同氏が企画・開発・監修まで全ての行程に携わる最高責任者であることから、同氏への依存度は高いものと考えられます。
当社グループは、事業運営において権限移譲や人員拡充等により組織的対応の強化を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループでの事業推進が困難となった場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
b.人材の確保等について
当社グループは、オンラインゲームのシステム技術者、ゲーム企画開発者及び拡大する組織に対応するための管理担当者等、各方面での優秀な人材を確保していくことが重要と考えております。一方で、特にオンラインゲームに関する技術者及び企画開発者については、技術革新が著しく、また、オンラインゲーム自体に携わった経験を保有する人材の絶対数が少ないことから、優秀な人材確保は容易ではないと認識しております。
当社グループでは、優秀な人材の確保を継続していく方針でありますが、今後適時適切な人材確保及び人材配置に失敗した場合、又は人材が流出した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
c.内部管理体制について
当社グループは、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、法令遵守に係る規程等を制定し、国内外の法令・ルール等の遵守を徹底しております。また、社長直轄の独立した組織として内部監査室を設置し、法令・ルール等の遵守状況の確認等を行い、内部管理体制の充実に努めております。
しかしながら、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為等、不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
有価証券報告書提出日現在における経営上の重要な契約等は次のとおりであります。
(1) コンシューマゲームの開発・販売に係る契約
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会社名 |
国名 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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任天堂株式会社 |
日本 |
ニンテンドー3DSライセンス/製造委託契約書 |
ニンテンドー3DS向けゲームプログラムカード開発及び販売許諾 |
自:平成24年9月7日 |
|
株式会社ソニー・ |
日本 |
PlayStation Global Developer and Publisher Agreement |
PlayStation®シリーズ向けゲームソフトウエア開発及び販売許諾 |
自:平成27年12月1日 |
|
Sony Interactive Entertainment America LLC |
米国 |
|||
|
Sony Interactive Entertainment Europe LLC |
英国 |
(2) スマートフォン・タブレット端末向けアプリプラットフォーム運営事業者との契約
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会社名 |
国名 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
|
Apple Inc. |
米国 |
iOS Developer Program License Agreement |
iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
1年間(1年毎の自動更新) |
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Google Inc. |
米国 |
Androidマーケットデベロッパー販売/配布契約書 |
Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
定めなし |
当連結会計年度の研究開発活動は、主にPCオンラインゲーム、スマートフォンゲーム、コンシューマゲームの開発段階にて行われております。
当連結会計年度における研究開発活動に関わる費用の総額は、830百万円であります。
なお、当社グループは、単一セグメントであるためセグメント情報に関連付けて記載しておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号 平成25年9月13日)第39項に掲げられた定め等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。なお、この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載のとおりであります。当連結会計年度の連結損益計算書に重要な影響を与えた原因は以下のとおりであります。
(経営成績の分析)
①売上高
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
②営業利益
当連結会計年度の売上原価は、スマートフォンゲームの売上減少によりプラットフォーム企業への手数料が減少したことから38,822百万円(前連結会計年度比23.9%減)となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に新規・既存ゲームタイトルの広告宣伝費の減少により27,553百万円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。その結果、営業利益は46,081百万円(前連結会計年度比36.4%減)となりました。
③経常利益
営業外収益は、受取利息及び為替差益の減少により98百万円(前連結会計年度比67.3%減)となりました。また、営業外費用は、支払利息等の減少により98百万円(前連結会計年度比17.1%減)となりました。その結果、経常利益は46,081百万円(前連結会計年度比36.5%減)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益の計上額はありませんでした。なお、前連結会計年度においては、関係会社清算益66百万円を計上しております。また、特別損失は、減損損失の減少により2,225百万円(前連結会計年度末比21.7%減)となりました。以上の損益に加え、法人税等合計を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は27,911百万円(前連結会計年度比35.7%減)となりました。
(財政状態の分析)
①資産
当連結会計年度における資産合計は、55,032百万円(前連結会計年度末比53,045百万円減少)となりました。これは主に、公開買付けにより自己株式を取得した結果、現金及び預金が減少したことによります。
②負債
負債合計は、14,047百万円(前連結会計年度末比3,673百万円減少)となりました。これは主に、未払法人税等が減少したことによります。
③純資産
純資産合計は、40,984百万円(前連結会計年度末比49,371百万円減少)となりました。これは主に、純資産が自己株式の取得に伴い減少したことによります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える原因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 事業環境と戦略的見通し
当社グループを取り巻く事業環境は、国内市場におけるスマートフォンの契約台数が日本人口の半数を超え、海外にも拡大しております。また、中国市場をはじめ東南アジア市場においても、今後の成長期待が大きく、スマートフォンゲーム市場はさらなる拡大が予測されます。
このような事業環境の中、当社グループの次期の見通しにつきましては、「新規価値の創造」と「既存価値の最大化」を経営方針とし、その実現のための具体的な課題と戦略につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。また、事業展開上のリスクにつきましては「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、現金及び現金同等物が当連結会計年度末現在33,044百万円であります。今後の営業活動及び財務活動によって確保される将来キャッシュ・フローと併せ、成長を維持・発展させていく為にも十分なものであると考えております。当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。