(1) 業績
当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)の当社グループを取り巻く経営環境においては、国内外ともに緩やかな景気の回復が続きました。
このような環境の下、当社グループは、引き続き新規リテイナー契約および既存顧客からのオプショナル&スポット案件の獲得に注力いたしました。新規リテイナー契約においては、主に外資系クライアントや情報サービス業のクライアントを獲得し、オプショナル&スポット案件においては、主に機械器具他製造業からの案件を多く受注いたしました。
リテイナー契約に関しては、契約件数が前期比増となり、売上高は前期比79百万円増加しました。主な契約先の業種は、情報サービス業、サービス業および機械器具他製造などとなります。オプショナル&スポット案件に関しては、売上高は前期比99百万円減少しましたが、ペイドパブリシティに関しては、売上高は前期比299百万円増加しました。
利益面につきましては、当社及び子会社共和ピー・アール株式会社の売上増も寄与し、前期と比較し売上総利益が161百万円増加しました。販売費及び一般管理費については人件費の増加に伴い、3.5%の増加となりました。
連結子会社の一社である共和ピー・アール株式会社は、リテイナー契約件数が増加し、さらに新規リテイナー契約顧客よりオプショナル&スポット案件を獲得したこともあり、売上高は増加いたしました。映画のPRに特化した株式会社マンハッタンピープルにつきましては、原価率低減に取り組んだ結果、前期に比べ、減収にはなったものの増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,379百万円(前期比6.8%増)、営業利益264百万円(前期比46.7%増)、経常利益258百万円(前期比43.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益221百万円(前期比35.3%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ48百万円増加し590百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は152百万円(前年同期間は124百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加240百万円、未払消費税等の減少20百万円といった資金減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益の計上256百万円、仕入債務の増加150百万円といった資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は15百万円(前年同期間は16百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入68百万円といった資金増加要因があった一方で、定期預金の預入による支出68百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出8百万円といった資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は89百万円(前年同期間は30百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出109百万円といった資金減少要因があった一方で、短期借入の純増33百万円といった資金増加要因があったことによるものであります。
(1)生産実績
当社の主たる業務は、PR事業であり広報活動を支援するという役務を提供する業務であるため、生産に該当する事項はありません。
(2)受注状況
当社の事業はPR事業であり、製造業等とは異なるため受注実績については記載しておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度のPR事業をサービス区分別に示すと、次の通りであります。
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事業のサービス区分別の名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
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金額(百万円) |
前期比(%) |
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リテイナー |
2,131 |
3.8 |
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オプショナル&スポット |
1,728 |
△5.4 |
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ペイドパブリシティ |
519 |
136.3 |
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合計 |
4,379 |
6.8 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)経営方針・経営環境
昨今のPR業界は、従来の広報活動の支援・代行や危機管理広報のコンサルティングに対する需要は依然堅調であることに加えて、マーケティングやコミュニケーション活動にPR手法を取り入れる施策がさらに広がりをみせており、引き続き市場全体の拡大が見込まれます。
当社グループでは、このような環境の下、顧客課題の多様化やメディアの変化といった市場環境の変化に対応するため、「我々は情熱と創造性で顧客の課題解決を図り、100年のコミュニケーションをつなぐPRエージェンシーである」という経営理念を掲げています。これは、当社の存在理由が、顧客が長期的に成長するためにコミュニケーション活動をサポートすることにあり、また、顧客課題の解決に情熱と創造性を惜しみなく提供することを宣言したものです。
また、経営理念に基づいた中期ビジョンを「No.1 PR」とし、今後は、さまざまなステークホルダーの皆様から、長期的に信頼され選んでいただけるNo.1のPR会社になれるよう、グループ全社員の力をひとつに結集してまいります。
(2)対処すべき課題
① PRコンサルティング業務の質の向上
当社が創業以来重点的に行ってきている企業の広報活動の支援及びコンサルティング業務において、顧客から長期的に信頼されるには、顧客課題を適切に把握し、解決できる力が求められます。そのために、社員の課題解決力、提案力などPRコンサルティング業務の質を向上してまいります。
② マーケティング分野の取り組み
昨今のPR業界では、マーケティングやコミュニケーション活動にPR手法を取り入れる施策が広がりを見せており、既存の「PR」と「広告」の定義を超えるマーケティング分野への対応が急務となっております。当社では、組織横断的なタスクフォースを組成し、業界の動向や最新のPR手法を共有し、顧客の課題解決に繋げています。
また、広告代理店のコミュニケーションプランや販促プロモーションに、PR手法を活用するケースが年々増加しており、広告代理店への営業、連携を強化してまいります。
③ デジタル・コミュニケーション領域の強化
マーケティング分野において、とりわけネットメディア等を活用したデジタル・コミュニケーション領域の事業強化に取り組んでいます。昨年、エリアマーケティングを支援するメイシス株式会社とともに、地域に影響力があるインフルエンサー※を活用したサービス「ローカルインフルエンサーPR」を開始しました。また、インフルエンサーマーケティング事業等を行う株式会社VAZとの資本業務提携を通じ、この領域の強化を行ってまいります。
※インフルエンサー…YoutubeやInstagramなどのソーシャルメディアを活用して情報を提供し、社会に大きな影響を与える人々の総称。
④ セミナー・コンテンツ事業の強化
PR市場が成長する中で、PRに関する知識の習得、人材の育成に注力する企業・団体が増えています。当社では、現在行っている「広報の学校」などスクール・トレーニング事業などセミナー事業も一層強化してまいります。また、企業のPRを支援するコンテンツの発掘、開発を強化してまいります。
⑤ 経営理念の浸透と従業員の育成
経営理念を全従業員が理解し、その体現を図るよう、経営方針の共有、会社行事の開催、人事制度など社内制度の整備、社員教育を推進してまいります。
⑥ 人材採用の強化
定期的な新卒採用と長期的な人材育成を基本戦略としながらも、経営理念に共感していただけるPR経験者の中途採用、バイリンガル人材や異業種からの人材採用も活用し、より多様性のある組織づくりをしてまいります。
⑦ 「働き方改革」の推進
「働き方改革基本方針」を定め、社員が意欲、能力を十分に発揮でき、生産性を向上できるよう、また多様な働き方に対応できる環境を整備してまいります。
⑧ 子会社の専門特化
映画及び映像に関連した商品を専門にPRする株式会社マンハッタンピープル、医療・医薬品のPRに関する専門人材を抱える共和ピー・アール株式会社については、それぞれ得意とする領域により特化してまいります。これにより、グループ全体で幅広い業界のPRニーズに対応してまいります。
以下において、当社グループの事業展開及びその他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上あるいは当社グループの事業を理解するうえで、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
① 法令順守
重大な過失や不正、法令順守違反が発生した場合には、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 経済環境、PR業界、メディアの変化
PR業務は、企業の状況に応じて調整されやすく、経済環境に影響を受けやすい傾向にあり、経済環境が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、PR業界への他社参入等により競争が激しくなった場合や、PR業界の成長過程においてPR手法そのものが多様化し、当社グループが有する経験や知識・ノウハウが十分に生かせない状況や当社がPR手法の多様化に後れを取るような状況に至った時には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、PR会社の存在意義の一つに、企業・団体等とメディアをつなぐということが挙げられます。企業・団体等はそれぞれの事業目的を達成するために、メディア各社はより価値のあるコンテンツ作りのために活動しておりますが、この双方の目的やニーズをマッチングさせる能力がPR会社の役割となります。企業・団体等は、事業目的に沿った形でメディアに多く取り上げられると、社会的な認知度や業績等が影響を受けることになりますが、一方でインターネット等の台頭によってメディアの多様化は進んできており、今後は、従来の新聞や雑誌において記事が掲載されたとしても、期待する効果が得られないケースが起こり得ます。
③ メディアとの関係性
メディア・リレーションズ(注)の構築においてマスコミ各社の意思決定者と継続的かつ良好な関係を維持することが、顧客へ提供するサービスの品質・効果における重要な要素となります。メディア・リレーションズにおける人的ネットワークの継承は必ずしも容易でなく、多くのネットワークを有する社員がネットワーク継承なく退社するような事態が起きた場合や、誤った情報の提供等の理由によりメディアとの信頼関係を失った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)Media Relations(メディア・リレーションズ)は当社の登録商標であり、「マスコミとの良好な関係の構築と維持がPR事業を支えている」という当社のポリシー及びその為の活動そのものをさしております。
④ 新規事業展開
当社グループはPR事業で培ったノウハウを生かし、さらなる成長を目指して新規事業の開発を推進しております。当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 契約関係の脆弱性
当社グループのPR事業のうち、6ヶ月以上に渡って広報活動を支援するリテイナーでは殆どのケースにおいて業務受託時に契約書を作成しておりますが、オプショナル&スポット等では、長年継続的に取引のある広告代理店から受託する場合や、報道発表等に関わる事業であるという性質上、PR業界特有の取引慣行として、引き合い発生から活動開始まで非常に短期間で進めていくことがあり、その場合、すべての顧客及び案件において契約書を作成するには至っておりません。
当社グループにおいては、主要顧客を中心に基本契約を締結する等、取引上のトラブルの未然防止に努めておりますが、契約書を作成していないことにより、取引関係の内容、条件等について疑義が生じたり、これをもとに紛争が生じたりする可能性があります。
⑥ 人材の確保及び育成
PR市場が成長している背景に、PR手法の有効性、重要性が認識されており、広範囲な業界においてPRに関わる人材の需要が高まっています。当社グループでは、大学新卒者の定期採用だけではなく、中堅社員の獲得も積極的に進めておりますが、当社グループの業容拡大に応じて人材を採用または育成できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 就労環境
当社グループでは、個別のチームが顧客対応からプランニング、メディア・リレーションズまでを担当しており、一時的に業務が集中する場合があります。当社では「働き方改革基本方針」を定めた上で、社員への啓発活動などを通じ労務管理及び安全管理の徹底を図っています。
しかしながら、何らかの不測の事由から事故等が発生する可能性があり、この事故等が訴訟問題や行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 情報管理
当社グループは、PR事業を通じて、顧客の情報並びに個人情報を入手する場合があります。当社グループは、これら情報の機密を保持し、セキュリティを確保するために必要と考えられる措置を講じております。その一環として平成17年6月に第三者の認証である「ISMS認証基準」及び「BS7799」を取得いたしました。また、平成19年5月には「ISO27001」への移行を果たしました。
しかし、かかる措置にもかかわらずこれらの情報が漏洩した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
⑨ 知的財産権について
当社グループは、PR事業を通じて、当社グループが所有するまたは使用許諾を受けている以外の知的財産権等を侵害してしまう可能性があります。当社グループは、このような事態を防止するため、必要と考えられる社員教育等各種の措置を講じておりますが、かかる措置にもかかわらず、他者の知的財産権を侵害してしまった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1) 財政状態の分析
(資 産)
当連結会計年度末における流動資産は1,747百万円となり、前連結会計年度末に比べ301百万円増加いたしました。これは主に、売掛金の増加217百万円があったためであります。固定資産は365百万円となり、前連結会計年度末に比べ27百万円増加いたしました。これは主に、退職給付に係る資産の増加11百万円、投資有価証券の増加9百万円等によるものであります。
この結果、総資産は2,113百万円となり、前連結会計年度末に比べ329百万円増加いたしました。
(負 債)
当連結会計年度末における流動負債は996百万円となり、前連結会計年度末に比べ196百万円増加いたしました。これは主に、買掛金の増加150百万円、未払法人税の増加41百万円等があったためであります。固定負債は108百万円となり、前連結会計年度末に比べ93百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少102百万円があったためであります。
この結果、負債合計は1,105百万円となり、前連結会計年度末に比べ102百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,008百万円となり、前連結会計年度末に比べ226百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加221百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は47.5%(前連結会計年度末は43.8%)となりました。
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(2) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度比279百万円(6.8%)増加の4,379百万円となりました。これは主に、当社単体の売上高が286百万円増加したことが影響しております。連結子会社の売上高は、共和ピー・アール株式会社が181百万円、株式会社マンハッタンピープルが339百万円となりました。
<リテイナー>
当社及び共和ピー・アール株式会社においてはリテイナー契約数の伸張に取り組み、両社とも契約件数が前期比増となったことから、リテイナーの売上高は、前連結会計年度比79百万円(3.8%)増加の2,131百万円となりました。
<オプショナル&スポット>
共和ピー・アール株式会社において前期比10.5%増加となりましたが、株式会社マンハッタンピープルにおいて利益に重点を置いた原価率低減に取り組んだ結果、前期比8.4%減少、さらに、当社単体についても5.5%減少したことにより、オプショナル&スポットの売上高は、前連結会計年度比99百万円(5.4%)減少の1,728百万円となりました。
<ペイドパブリシティ>
当連結会計年度のペイドパブリシティにおける売上高は、当社単体のみの結果となりました。ペイドバブリシティの売上高は、前連結会計年度比299百万円(136.3%)増加の519百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、当社単体において前期比5.7%増加したことに加えて、共和ピー・アール株式会社が前期比8.9%増加、株式会社マンハッタンピープルも前期比14.5%と増加したため、前連結会計年度比161百万円(6.7%)増加の2,557百万円となりました。
(営業損益)
営業損益は、当社単体において人件費の他、人材採用費、ソフトウエアライセンス等の一時費用の増加及び貸倒引当金の計上に伴い、当社単体の販売費及び一般管理費が55百万円(2.9%)増加したものの、売上総利益の増加が寄与し、前連結会計年度比84百万円(46.7%)増加の264百万円の営業利益となりました。
(経常損益)
経常損益は、受取賃貸料を含む営業外収益2百万円、支払利息6百万円を含む営業外費用8百万円を計上し、前連結会計年度比77百万円(43.1%)増加の258百万円の経常利益となりました。
(税金等調整前当期純損益)
税金等調整前当期純損益は、前連結会計年度比75百万円(42.0%)増加の256百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益は、税金等調整前当期純利益256百万円だったことに加え、税金費用35百万円が計上されたことにより、前連結会計年度比57百万円(35.3%)増加の221百万円の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。