第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、以下のとおりであります。

① 技術革新によりネットワークインフラを発展させる

インターネット技術のイニシアティブを取り続け、ネットワーク社会が持つ無限の可能性を切り開いていく。

② ネットワーク社会を支える仕組み(ITサービス)を提供する

社会インフラを支えるための高信頼性、高付加価値なITサービスの開発、提供を行なうことにより、ネットワーク社会が最適に運営されることに貢献していく。

③ 自己実現する職場の提供(多様な才能・価値観を有する人材が活躍出来る場)

技術革新や社会貢献に積極果敢に挑戦する人材が集まり、誇りとやりがいをもって自律的に能力を発揮出来る 場を提供していく。

この経営理念に基づき事業運営することにより、継続的に当社グループの企業価値を増大し、また企業グループとしての社会責任を果たしていきたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、売上高の構成、収益性、財務の健全性等に注視しつつ事業活動の推進を図っております。増収率、売上総利益率、営業利益率、ROE等の指標を参考とし、売上高の増加、売上原価、販売管理費及び設備投資水準の管理、事業及びサービス分野毎の採算管理等による収益性の向上に務めております。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループが係わるICT(*)関連市場におきましては、クラウドコンピューティングの普及を始めとする企業情報システムの変化、ビッグデータ(*)やIoT(*)に代表される企業活動におけるICT利活用の拡大、情報漏洩等によるセキュリティ需要の高まり、個人向けMVNOサービス市場の拡大等により、競争環境は激化しつつも、中長期にて非常に大きな市場成長機会があるものと想定しております。

このような環境のなか、当社グループは、2017年3月期を初年度とする2021年3月期までの5ヵ年中期計画を策定し、大幅な事業成長を実現すべく、これに沿い取り組んでおります。以下が計画の要旨であります。

 

 ≪経営ビジョン≫

● 国内最大級のネットワークとサーバインフラストラクチャーを運営し、信頼性及び付加価値の高いサービスを主軸に、法人顧客の求めるIT環境を提供し続ける。

● 積極的な技術開発と高度な運用技術により、競争優位性を発揮し続ける。

● 培ってきたインターネット関連技術を基に新たな領域に挑戦し続ける。

● それらにより、長期に渡る持続的な事業成長を実現している。

 


 

 ≪業績目標≫

● 2021年3月期の売上高を2,200億円規模とする。

● 増収に伴うスケールメリット(主に売上総利益規模の増加)により、早期に営業利益100億円を超え、営業利益の2桁増益年率を継続していくことを目指す。

 

 

 

 ≪基本戦略≫

● 法人向けITサービス戦略として、企業のシステム利用形態に即した「ネットワーククラウドサービス)」、「システムクラウドサービス」を基幹サービスとしてワンストップで提供のうえ、システムインテグレーション機能を付加し、従来からのオンプレミスや大型請負に代表されるシステムインテグレーション取引からサービス及びアウトソーシング利用への需要変化を的確に捕捉する。サービス拡販を目指し、現状の直接販売に加え、間接販売にも注力していく。

● MVNO事業やセキュリティ事業等の現状競争優位を発揮している分野をより推し進める。

-MVNO事業においては、市場拡大と共に、M2MやIoT分野における新たな法人需要の取り込み、個人への直接及び代理店販売の増加、MVNEによる販売チャネルの大幅拡大等により、契約回線数を増加させ、スケールメリットを享受することを目指す。

-企業向けセキュリティ事業においては、新たにSOC事業領域を確立し、ネットワーククラウド及びシステムクラウドサービスとして提供されるセキュリティ機能と併せ、更なる優位性を発揮する。また各種産業や家庭等の安心安全に向けた商材も開発していく。

● 長期に渡る持続成長を実現するため、新たな領域として、4K(*)伝送等に向けた配信事業、M2M及びIoT関連事業、海外事業開発、ヘルスケア事業開発等にも注力する。

 

(4) 対処すべき課題

当社グループは、事業の成長に関連して、以下を含む、様々な対処すべき課題があるものと認識をしております。当社グループの事業成長の要は、法人顧客需要に合致した或いはそれを引き出すICTサービスラインアップの適切適時な拡充であり、継続したサービス及び事業の開発が重要であります。技術及び営業部門の一層の連携により、これを効果的に推し進める必要があります。事業成長を支えていく優秀な人材の継続獲得と育成も重要であり、これらを含めて、積極的な事業展開に継続して取り組んでまいります。

当社グループは、事業成長のために継続的な事業投資を行っており、新たなサービスの提供開始から十分な売上高計上までに一定期間を要する等で、利益水準に先行的費用が内包される傾向があると認識しております。当期におきましては、前期末に開始したフルMVNOサービスに係る固定費の増加がありました。そのようななか、期中においては、ネットワークサービスの売上高積み上げ、システムインテグレーション粗利率の改善等で期初の想定以上に利益増加が進みましたが、例年3月に確定する㈱NTTドコモによるMVNOに係る接続料(定額通信料)の単価の年次低減が従来比小さく、遺憾ながら減益との結果となりました。次期におきましては、フルMVNOサービスの売上高積み上げによる利益反動増やシステムインテグレーション粗利の継続増加等により利益の改善を図ってまいります。中長期においては、IoTの普及に併せ、法人向けのモバイル関連サービスとクラウドコンピューティング、セキュリティ関連サービスやシステムインテグレーション等との複合案件で競争優位性を一層発揮し、売上成長と併せた利益向上を目指してまいります。モバイル関連サービスの収支につきましては、法人のデータ通信トラフィック及び売上高を増加しパターンの異なる法人及び個人のデータ通信トラフィックをバランス良く吸収することでネットワーク収容効率を向上していくことを展望しております。

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項及びその他投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 当社グループは、本書提出時からIFRSを適用しております。本件につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  2  事業等のリスク  8.その他 (2) IFRSに基づく連結財務諸表について」をご参照ください。

 

1.当社グループの事業展開について

(1) 事業展開について

当社グループの売上高の大半は国内の顧客からのものであり、2019年3月期の売上高に占める国内売上高は約96%であります。国内景気の低迷、経済情勢の変化等により、企業のネットワークサービスの需要、システム投資及び支出意欲の動向、個別案件の進捗状況や採算等が影響を受ける可能性があり、特に、システムインテグレーションは国内景気及び設備投資の状況に強く影響を受ける傾向があります。景気動向、投資意欲の減退等の様々な要因により、顧客の需要が当社グループの想定どおりに伸張しない或いは減退する場合、また、変化の速い市場へ適切に対応できない等で品質面の差別化が困難となり価格低下や契約解除が進む場合は、当社グループの想定どおりに売上及び利益を拡大或いは維持することが困難となり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があり、そのような場合は見通しどおりの配当を実施しない可能性があります。

当社グループは、インターネットに関わる技術力と優良法人顧客基盤を基に、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対し、信頼性及び付加価値の高い法人向けネットワークサービス及びシステムインテグレーションを複合的に提供することを基本方針としております。当社グループが、技術優位性を維持できず、競合他社に対し差別化要素があるネットワークサービスの開発及び提供やシステムインテグレーションの提供を継続して行えない場合は、当社グループの想定どおりに事業を展開することが困難となる可能性があります。

法人向けネットワークサービスの原価は、回線費用、減価償却費、人件費、外注費、地代家賃等の売上増減とは直接的に連動しないものが多く、新たなサービスの開発や設備投資及び人員の増加等により順次増加する傾向にあります。法人向けネットワークサービスにおける継続的取引について、特に大口顧客によるサービス提供契約の全部又は一部の解約や大幅な価格の見直しが生じる場合、売上が想定どおりに伸長しない場合は、増加費用を賄うことが困難となる可能性があります。

主としてシステム運用保守売上に区分されるクラウドコンピューティングサービスの原価は、減価償却費、ライセンス費用、人件費、外注費、地代家賃等の売上増加に先行して生じるものが多く、設備の継続追加や新たなサービスの開発、人員の増加等により継続増加する傾向にあります。クラウドコンピューティングサービスの売上が想定どおりに伸長しない場合、既存顧客の全部又は一部の解約や大幅な価格の見直しが生じる場合は、増加費用を賄うことが困難となる可能性があります。

個人向けネットワークサービスでは、法人向けネットワークサービスに比べ相対的に市場変化が速く、売上及び利益の変動が大きくなる可能性があります。当社グループの個人からの認知度は高くなく、個人向けモバイルサービスでは、代理店による販売やMVNEとの他社へのサービス提供による間接販売を特に推進しております。個人向けモバイルサービスについて、MVNO市場が想定より拡大しない或いは拡大に時間を要する場合、競合により顧客獲得が想定どおりに伸張しない或いは販売価格が下落する場合、代理店及びMVNE提供先とその販売規模が増加しない或いは減少する場合、マーケティング費用が想定より増加する或いは効果的なマーケティングができず顧客獲得が進展しない場合、安定したサービス提供ができず当社の信頼性が失墜する場合、サービス品質維持等のため接続料、通信料及び減価償却費等が想定以上にかかる場合、モバイル通信キャリアによるデータ通信料の帯域当たり単価がさほど低下せず想定より乖離する場合は、当社グループの想定どおりに売上及び利益を拡大或いは維持することが困難となる可能性があります。

販売管理費について、事業の状況に応じ人件関連費用、地代家賃、販売手数料、広告宣伝費等が想定以上に増加する可能性があります。

 

 

 

(2) 事業投資等について

当社グループは、中長期を見据えた継続的な成長のために、新たなサービス及び事業の開発等の事業投資を積極的に行っており、人材獲得や機器等取得及びソフトウェア開発を含む設備投資を強化しております。2018年3月期末及び2019年3月期末における従業員数は各々3,203名及び3,353名であり、2018年3月期及び2019年3月期における従業員数の増加は各々99名及び150名でありました。2018年3月期及び2019年3月期におけるファイナンス・リースによる資産の取得を含む設備投資額は各々20,744百万円及び15,083百万円であり、減価償却費等は各々13,412百万円及び15,629百万円でありました。

当社グループは、2009年12月よりクラウドコンピューティングサービスの提供を開始し、顧客需要及び機能の継続強化等に対応するため、データセンター、サーバ、記憶装置、通信機器及びソフトウェアの購入並びに開発等に継続的に投資を行っており、減価償却費等の費用が先行的に生じております。2018年3月期及び2019年3月期におけるクラウドコンピューティングサービス関連売上高は各々179.4億円及び201.3億円であり、各期における国内のクラウドコンピューティングサービスに係る設備投資額は各々79億円及び22億円でありました。

当社は、クラウドコンピューティングサービスの設備を含み、今後の事業拡大に伴い必要となる設備を収容するため及び東日本地区に分散するサービス設備の一定規模を集約するために、千葉県白井市に、需要に応じ拡張が可能なシステムモジュール型の自社データセンターを建設し、2019年5月より第1期棟の稼動を開始いたしました。2018年3月期及び2019年3月期における白井データセンターに係る設備投資額は各々12億円及び21億円でありました。

当社は、2008年1月より主としてNTTドコモから卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて法人及び個人向けにモバイルサービスを提供しております。2018年3月期及び2019年3月期におけるモバイルサービス関連売上高は各々353.3億円及び419.6億円であり、2018年3月期末及び2019年3月期末における契約回線数は各々235万回線及び275万回線でありました。モバイルサービス関連売上及び契約回線数等の規模増加に伴い、NTTドコモ等から賃借するモバイルデータ通信回線の帯域を増加する必要があり、販売代理店に対する販売手数料及び広告宣伝費も増加いたします。当社は、フルMVNOとのサービスを2018年3月に開始しており、顧客管理システム他への設備投資による減価償却費及びNTTドコモのネットワーク改修に伴う接続料の追加等で月額約1億円の固定費用がサービス開始時より生じております。2019年3月期におけるフルMVNO関連サービスの売上高は6.6億円であり、売上は伸長しておりますが、費用が先行しております。

当社グループは、主として海外に進出する国内企業のネットワーク及びシステム利用ニーズに対応するため、クラウドコンピューティングサービスを含むネットワークサービス及びシステムインテグレーション提供との国際事業を行っております。本書提出日現在、当社は、海外連結子会社10社及び海外持分法適用関連会社2社を有しており、米国や欧州に加え、IT関連市場の成長が見込まれるアジア地域(シンガポール、タイ、中国、香港、インドネシア及びベトナム)にて事業を行っております。2018年3月期及び2019年3月期における国際事業の売上高は各々62.0億円及び77.2億円で、営業利益は各々0.4億円及び0.9億円でありました。当社及び㈱IIJグローバルソリューションズは、2019年3月期末迄に海外連結子会社及び持分法関連会社に総額4,498百万円の資本供与を行い、2019年3月期末において海外連結子会社5社に総額315百万円を貸し付けております。当社グループは、他地域でも海外子会社の設立及び現地事業者との合弁等による拠点追加を行う可能性があります。国際事業は、国内事業よりも相対的に、制度、経済、宗教、文化、地政学及び外交等に係る不確実性を伴うものと想定しています。また、十分に対応しているとの認識ではありますが、不十分な統制により米国のFCPA(連邦海外腐敗行為防止法)等に違反する或いは現地法制等へ適切に対応できない場合は、事業に影響を及ぼす可能性があります。

後記の「第一部  企業情報  第2  事業の状況  2  事業等のリスク  3.当社グループの事業運営について  (2) グループ経営について」に記載のとおり、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスは、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築、運営のうえATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しており、ATM機器の設置にあたりATM機器を取得及び保有しております。

 

 

(3) 通信回線、ネットワーク機器、施設設備等の外部への依存について

当社グループは、インターネット接続サービス等の提供にあたり、通信回線を外部から調達しております。バックボーン回線についてはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱(以下、「NTTコミュニケーションズ」といいます。)及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。)等、アクセス回線についてはNTT東日本、NTT西日本及び地域電力系通信キャリア等、MVNO形態にて提供するモバイル通信回線についてはNTTドコモ及びKDDIより調達をしており、通信回線の安定的な提供をこれらの通信キャリアに依存しております。当社の国内バックボーン回線費用に占めるNTTコミュニケーションズからの調達割合は、2019年3月期において49.5%であり、モバイル通信回線の多くはNTTドコモより調達しております。

当社グループは、ネットワークに使用するルータ等通信機器のいくつかの製品を主として米国の特定購入先から調達しており、購入先である第三者に依存しています。第三者から調達している機器等について、現在は経営上の重要な懸念があるわけではありませんが、セキュリティに関連する疑義が提示される等にて実質的に利用が困難となり代替機器等の調達が必要となる可能性があります。

当社グループは、データセンター等の施設設備、事務所設備の多くを第三者より賃借しております。また、電力料金の高騰が生じ、データセンター設備調達先とのその負担の調整或いは顧客への転嫁等の対応が取れない若しくは電力供給が不安定となり或いは不足し、電力調達に追加的費用が生じる可能性があります。

これまでにそのような事象は発生しておりませんが、当社グループの通信回線、ネットワーク機器、施設設備等の外部第三者への依存について、当該第三者から提供される役務に大きな混乱があり代替手段の調達ができない或いは当該第三者が良質の製品を適切な期間内に納入できない場合は、当社グループの提供する役務が長時間にわたり中断する或いは遂行できない等の事象が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(4) 当社グループが提供するサービスの信頼性について

①サービス品質の維持及び適正な運用について

当社グループは、提供サービスの品質維持及び改善のために、想定を超えてサーバ、通信機器及びソフトウェア等への投資の増加或いは賃借する通信回線及びインフラストラクチャーの増強が必要となる可能性があります。当社グループはこれまで、このような設備等の管理を適切に行っているものと認識しておりますが、設備等の管理を適切に実行できずにサービスの品質が低下し、当社グループのサービスの差別化が適切に行えない或いは当社グループの想定を超える設備投資が必要となる若しくは過度に設備投資等を行う場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

②サービスの中断の可能性について

当社グループのネットワーク及びシステムは、火災、地震及びその他の自然災害、電力不足、停電、通信障害、並びにテロ等の当社グループがコントロールし難い事由により、停止或いは遅延等の影響を受ける可能性があります。当社グループは、重大なセキュリティ事故を回避できるよう適切な策を講じていると認識しておりますが、コンピュータクラッキング(*)、コンピュータウイルス、人的過失及びインターネット利用者等の偶発的又は故意による行為等に起因するサービスの中断が、当社グループのサービスの提供を妨げる可能性があります。当社グループのネットワーク及びシステムは、通信回線の二重化等の耐障害性を重視した設計としておりますが、サービスの提供が中断し当社グループの信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

③個人情報等顧客情報の取り扱いについて

当社グループは、モバイルサービスに係る個人情報を含む国内外の顧客情報を保有及び管理しております。当社グループはこれらの情報資産の適切な管理に注意を払っており、また、個人情報の保護に関する法律やこれに関連する総務省及び経済産業省制定のガイドラインの要求事項遵守等に努めております。外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、顧客情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社グループがそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。欧州連合(EU)において、2018年5月25日より個人情報保護を目的とする新たな規則であるGDPR(一般データ保護規則 General Data Protection Regulation)が施行されました。当社の連結子会社IIJ Europe Limitedは、当社グループ内で統一された情報管理ルールを文書化したBCR(拘束的企業準則 Binding Corporate Rules)を英国の監督機関に申請し承認取得に向けた対応を進めておりますが、意図せず規則に違反し高額な制裁金が課された場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 技術革新について

インターネットを含む通信サービス業界においては、技術、業界標準、顧客ニーズ及び競合環境の変化が速く、頻繁に新商品及び新サービス等の導入がなされております。新技術を使用したサービスの導入又は新たな業界標準の確立等により、当社グループの提供する既存のサービスの市場性が低下する可能性があります。当社グループは、技術優位性を維持していくために技術研究開発に注力しておりますが、重要な新技術の利用権の取得、変化する技術及び業界標準の導入或いは顧客ニーズに合った新サービスの開発、導入及び品質確保等ができない或いは研究開発に当社グループが想定する以上の時間と費用が必要となる場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

2.外部環境について

(1) 価格競争について

ネットワークサービスにおける価格競争は厳しく、また、システムインテグレーションにおける競合も激しく、競合他社はサービスの開発及びマーケティングを強化しております。低価格競争が進展する場合は、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションの売上が想定どおりに増加しない或いは利益水準が悪化する若しくは販売促進のために多額の費用を投じる必要が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) ネットワーク関連コスト等について

バックボーン等の通信回線費用、通信機器に係わる費用、ネットワークオペレーションセンター等のネットワーク運営費用、ネットワーク運営に係わる人件関連費用等のネットワーク関連コストは固定的な費用が主ですが、これらの変動が当社グループの損益状況及びその変動に影響を及ぼす可能性があります。インターネットトラフィックの急激な増加等が生じた場合、バックボーン回線の調達単価の上昇により回線調達費用が増加する場合、当社グループが想定するよりも大容量の通信回線が必要となった場合、必要とする通信回線が調達できない、或いは過度に通信回線を契約した場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、国際回線及び通信機器等の一部費用を外貨建てで支払っており、円建てで支払っているものについてもその価格は外貨建てで算定されるものもあります。

当社グループは、モバイルサービスの提供にあたり、NTTドコモ等の無線通信キャリアより卸電気通信役務の提供を受け、当該役務に対して「電気通信事業法」及び総務省が策定する「第二種指定電気通信設備接続料規則」に基づき算定された帯域当たり単価と契約帯域を掛け合わせた通信接続料を支払っております。帯域当たり単価は毎年改定され、2018年3月期及び2019年3月期におけるNTTドコモの利用契約帯域に係る帯域当たり単価は、2018年3月期のNTTドコモの費用実績及び需要他に基づき2019年3月に改定され、前年単価比5.0%減(2018年3月の改定では前年単価比18.2%減)でありました。上述の無線通信キャリアの運営要領により、当社グループは、現状では年度末に単価が確定し通知をされるまで期中において一定の想定で単価減少を見込む費用処理をする必要があり、年度末に見込みと確定した単価の差異により、費用の変動が生じる可能性があります。契約回線数及び通信トラフィックの増加に伴い、無線通信キャリアとの契約帯域を増加する必要があり、通信接続料は継続増加する傾向にあります。通信接続料の帯域当たり単価が上昇或いは想定より低下しない或いは通信トラフィックの増加等により想定よりも多くの契約帯域が必要となる場合は、当社グループの損益状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 外注について

当社グループは、外注人員を活用しており、外注単価が上昇する、適切な外注工程管理ができない、外注費用に見合う売上を計上できない或いは必要となる外注人員を確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

 

(4) 競合について

当社グループの法人向けネットワークサービスの主な競争相手は、NTTコミュニケーションズ及びKDDI等を含む通信キャリア及びそれらの関係会社等であり、また、システムインテグレーションにおける主な競争相手は、日本電気㈱、富士通㈱、㈱エヌ・ティ・ティ・データ及びそれらの関係会社等を含むシステムインテグレーター(*)等であり、これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源、幅広い顧客基盤及び高い知名度等を有している企業があり、また、M&A遂行等にて競争力をより強化する可能性があります。これら競合他社の中には、当社グループよりも低価格でサービスを提供するものや当社グループでは提供していないサービスを提供するもの等があります。競合先の営業方針及び価格設定は、当社グループの属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合先に対し効果的に差別化を図れず当社グループが想定しているとおりの事業進展が図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループのクラウドコンピューティングサービスにおける競争相手は、上記の競合先の他にAmazon Web Services, Inc.やMICROSOFT CORPORATIONを含む外資系等があり、それらの競合先は多大な経営資源をクラウドコンピューティング及びアウトソース関連事業に投入する可能性があります。クラウドコンピューティングサービスについて、当社グループが競合他社との差別化を有効に図ることができない、想定する売上や利益を確保できない或いはクラウドコンピューティングサービスへの投資が効果的なものとならなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループのMVNEを含む個人向けモバイルサービスの主な競争相手は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクグループ㈱を含む無線通信キャリア及びそれらの関係会社並びにMVNO事業者であり、競合他社の多くは、当社グループに比べ高い知名度或いは大きな資本力等を有しており、積極的な広告宣伝活動、低価格でのサービス提供及びその他のサービスとの組み合わせ販売による顧客囲い込み等を行っております。競合他社の新規参入も含め競合が強まる可能性もあり、当社グループがこれらの競合先に対し効果的に差別化を図れず想定どおりの事業進展が図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

なお、当社グループとNTTグループとの競合の状況については、後記の「第一部  企業情報  第2  事業の状況  2  事業等のリスク  4.NTTグループとの関係について (4) NTTグループとの競合について」に記載のとおりであります。

 

 

3.当社グループの事業運営について

(1) 人的資源の確保

当社の代表取締役会長兼CEOの鈴木幸一、代表取締役社長兼COOの勝栄二郎をはじめとする当社グループ各社の経営陣の事業運営に関する能力は、当社グループの事業推進にとって重要であります。また、当社グループの提供するサービスの安定的な提供は、当社グループの技術部門及びその他のスタッフによる継続した役務に依存しております。当社グループの事業規模拡大に伴い、グループ従業員数は増加し人件関連費用は増加しており、継続して技術、営業及び企画管理面の人的資源を適切な時期に適切に確保していく必要があります。当社グループが、必要とする能力のある経営陣及び従業員を確保又は維持できない、必要以上の人員採用等で人件関連費用を適切にコントロールできない、労働市場環境及び法令改定等で想定よりも人件関連費用が増加する場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) グループ経営について

当社は、連結子会社及び持分法適用関連会社各社と協働し相乗効果を発揮した経営を目指しており、密接な事業連携のため、当社グループ各社の役員には当社役員及び従業員が一部兼務をしており、当社から従業員の出向も行っております。本書提出日現在、当社は関係会社として連結子会社16社、持分法適用関連会社8社を有しており、各社の損益状況は、連結子会社は当社グループの連結財務諸表に結合され、持分法適用関連会社は持分法損益として当社グループの連結財務諸表に取り込まれております。各社の事業状況により、当社の保有する関係会社株式の価値は変動する可能性があります。関係会社の損益状況が芳しくなく損失が大きい場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

当社は、持分法適用関連会社であった㈱クロスウェイブ コミュニケーションズ(以下、「クロスウェイブ」といいます。)へ投融資を行いましたが、2003年8月のクロスウェイブの会社更生手続き開始の申立により投融資全額が損失となりました。当社グループは、2003年3月期及び2004年3月期にて、クロスウェイブに関する持分法損失、投資及び預託金(拘束預金)並びに貸付金に対する評価損失及び貸倒損失として、各々12,667百万円及び1,720百万円を計上いたしました。

当社は、2010年9月に、主としてWANサービス等を提供するIIJグローバルを、AT&TジャパンLLCより9,170百万円にて取得し、当社の完全子会社といたしました。2018年3月期及び2019年3月期の連結業績におけるIIJグローバルに係る売上高は各々28,985百万円及び30,073百万円であり、営業利益は各々472百万円及び713百万円でありました。2019年3月期末におけるIIJグローバルに係るのれん及び償却対象の無形資産の残高は合計で3,545百万円であり、同社が、想定どおりに売上或いは利益を達成できず将来に渡り当該のれん及び無形資産に見合う価値がないと判断する場合は、これらについて減損損失を計上する可能性があります。

2007年7月に設立した連結子会社㈱トラストネットワークスは、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築、運営のうえATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。当社は、本書提出日現在において、同社に対し累計2,575百万円を出資(出資比率:79.5%)しております。2018年3月期及び2019年3月期におけるATM運営事業セグメントの売上高は各々4,031百万円及び4,151百万円であり、営業利益は各々1,510百万円及び1,622百万円でありました。ATM運営事業において、ATM台数や利用者数が減少する、消費意欲減退等によりATM利用回数が減少する、関係各所との良好な関係を維持できない等の場合は、同社事業の継続が困難となる可能性があります。

当社は、2016年12月に、CDNサービスを提供するJOCDN㈱を合弁会社として99百万円を出資(出資比率50.0%)し、新規設立いたしました。

当社は、2018年1月に、デジタル通貨の取引と決済を行う㈱ディーカレットを合弁会社として1,830百万円を出資(出資比率35.0%)し、新規設立いたしました。

当社は、当社グループ各社との協働効果を継続し或いは更に発揮するために、各社に対する出資比率の引き上げ、金融支援の提供、保証の供与、グループ編成の変更を行う可能性があります。当社は新規事業の立ち上げにあたり、関係会社の新設或いは資本参加をする可能性があります。当社グループは、事業規模、顧客基盤及びサービス提供領域の拡大等のためM&A等の資本取引を行う可能性があります。当社グループの資本戦略の遂行にあたり、間接或いは直接金融による資金調達が必要となる可能性があります。

当社が支配的持分を有していない持分法適用関連会社について、当社及び連結子会社と当該関連会社との戦略に乖離が生じる場合は、当社の利害はこれら関連会社又はこれら関連会社の当社以外の株主の利害から乖離し、グループとして連携した事業運営ができず相乗効果を発揮できない可能性があります。

 

 

4.NTTグループとの関係について

(1) NTT及びNTTコミュニケーションズの出資経緯等について

NTT及びNTTコミュニケーションズと当社グループとの資本取引は、1996年1月の当社の資本強化のための第三者割当増資におけるNTTの資本参加、1997年9月のインターネットマルチフィード㈱のNTT(その後、NTTの組織改編によりいずれもNTTコミュニケーションズに株主が変更。)との合弁設立、2003年9月のクロスウェイブの会社更生手続開始による財務損失を補うためのNTT及びNTTコミュニケーションズを主要引受先とする第三者割当増資の実施等があります。NTTは、当社のその他の関係会社に該当し、2019年3月期末現在、NTT及びNTTコミュニケーションズはあわせて当社の議決権比率の26.9%を所有しております。

 

 

(2) NTTグループとの人的関係について

本書提出日現在、当社の取締役会は、社外取締役5名を含む13名により構成されております。そのうち、社外取締役(非常勤)である海野忍は、NTT出身者でありますが、社外取締役として当社の経営執行監視機能を担っており、当社の社外取締役への従事にあたり資本的関係又は取引関係その他の利害関係を取り決めたことはありません。

 

 

(3) NTTグループとの取引関係について

当社は、インターネット接続サービス等の提供にあたり、アクセス回線等についてNTT東日本及びNTT西日本、国内バックボーン回線及び国際バックボーン回線並びにデータセンター施設設備等についてNTTコミュニケーションズ、モバイル通信回線及び設備等についてNTTドコモの提供するサービスを多く利用しております。2019年3月期における、これらに係る費用は34,082百万円でした。

当社は、設備の調達にあたり、リース会社とリース取引を行っており、2019年3月期末におけるNTTファイナンス㈱に係るリース債務は3,026百万円でした。

NTTグループとの商取引は、いずれも通常の商慣習の範囲であり、出資関係にあることによる特別な取り決めは存在しておりません。

 

 

(4) NTTグループとの競合について

NTTグループにおいて、当社グループ同様のネットワークサービス及びシステムインテグレーション営む企業として、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、㈱エヌ・ティ・ティ・データ、NTTセキュリティ㈱、㈱エヌ・ティ・ティピー・シー コミュニケーションズ、㈱NTTぷらら等があります。

これらNTTグループ各社とは、一部の案件で一定の競合が生じることはありますが、当該競合について特段の調整事項は存在せず、当社グループとして自主性をもった経営を推進しております。

 

 

 

5.業績等について

(1) 業績の変動について

当社グループの年間、半期及び四半期における売上及び営業損益の規模並びに計上時期は、国内景気の動向、企業のシステム投資及び支出の動向、ネットワークサービスにおける継続的な売上の積み上げ、システムインテグレーションにおける案件数及び規模と利益率、クラウドコンピューティング及びモバイルサービスの収支、ネットワーク関連コストの推移、モバイルサービスにおけるデータ通信料単価の低減率の想定及び実績の状況、減価償却費の推移、有形固定資産、のれん及び無形資産の減損損失等の有無と規模、販売管理費の推移状況、M&Aを含む資本取引の影響等により変動し、税引前利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益の規模並びに計上時期は、営業利益の変動に加え、金融収益及び費用の規模、持分法適用関連会社に関する持分法投資損益の変動、税効果を含む法人所得税費用の認識額、非支配持分損益等により変動し、当社グループの年間、半期及び四半期の業績は当社グループの今後の業績予想の目安とはならない可能性があります。

当社グループの業績結果は、事業等のリスクに記載する事象或いはその他の事象等により、開示する業績見通しから乖離する可能性があります。当社グループは、2014年3月期、2015年3月期及び2017年3月期において連結業績予想修正との適時開示を行っております。新たなサービス及び事業に係わる投資及び費用の増加に対する当該売上の規模及び計上時期は、概して変動しやすい傾向があります。

当社グループは、2016年5月13日付の2016年3月期決算短信にて、2017年3月期を初年度とする2021年3月期までの中期計画を公表しました。当該中期計画における業績目標は、売上及び費用等を項目毎に積み上げて算出したものではなく、立案時点からの市場、経済状況及び競合状況の変化等により達成できない可能性があり、当社グループは、2019年2月7日付の2019年3月期第3四半期決算短信にて当該中期計画の一部修正を行いました。

 

 

(2) システムインテグレーションについて

システムインテグレーションの売上は、一時売上であるシステム構築(機器売上を含む)と継続売上であるシステム運用保守により構成されております。一般に、システム構築の取引は、多数の国内企業の決算月である3月末に偏重する傾向があります。当社グループの四半期毎の売上及び損益の変動は、特にシステムインテグレーションにおいて大きく、売上及び利益の金額は第4四半期に増加する傾向があります。当社グループがシステムインテグレーションにより売上及び利益を計上する能力並びにかかる売上及び利益を実現する時期、特に大口案件における売上実現の時期及び利益の変動は、当社グループの売上、損益状況及びその変動に影響を及ぼす可能性があります。

システムインテグレーションにおいては、運用保守案件では継続的な売上計上が期待されますが、新規構築案件の案件数の状況や運用保守契約内容の見直し等により、売上及び損益が変動する可能性があります。クラウドコンピューティングサービス関連の案件が増加した場合、構築におけるハードウェアの売上部分が減少し、売上規模が変動する可能性があります。大規模な構築案件では、一般的に検収までの期間が長くなることがあり、より緻密なプロジェクトの進捗管理が求められ、また、案件獲得のため顧客に価格競争力のある提案をすることで収益性が低下する等の競合による利益率低下の可能性があります。システムの不具合、仕様の変更、想定外の人員稼動等の要因により当社グループが適切にプロジェクトの進捗管理を行うことができない場合は、適正な利益水準を確保できず、また案件単位にて赤字となる可能性があります。システムインテグレーションにおいては外注を活用しておりますが、外注単価が上昇し、或いは適切な外注工程管理ができず、若しくは外注費用に見合う規模の売上を計上できない場合等には、適正な利益水準を確保できず、また案件単位にて赤字となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループが、システムインテグレーションの案件の完遂に必要な技術者、外注先を含むソフトウェア開発要員を適切に確保できない場合は、売上計上が遅延し、或いは契約が解消される可能性があります。また、顧客のデータを適切に取り扱うことができなかった場合は、訴訟の提起等の可能性があります。

 

(3) 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損損失の計上について

当社グループは、主としてネットワークサービス及びシステムインテグレーション事業に係る、通信機器、サーバ機器、データセンター等の構築物、事業用ソフトウェア等の資産、また、バックオフィスシステム、事務所附帯設備等の資産を保有しております。事業の状況に重要な変化が生じている場合は、減損テストの実施により、これら有形固定資産或いは無形資産が毀損していると判断され減損損失を計上する可能性があります。

当社グループは、M&A等の資本取引を行った場合に、連結財政状態計算書にのれん及び顧客関係等の無形資産を計上する場合があります。2019年3月期末現在の当社グループの連結財政状態計算書におけるのれんの残高は6,082百万円でありました。また、償却対象の無形資産である顧客関係の残高は2,316百万円でありました。2019年3月期末現在の当社グループの連結財政状態計算書における顧客関係のうち、IIJグローバル及び2010年4月に吸収合併した㈱アイアイジェイテクノロジーに係る残高は各々1,257百万円及び1,058百万円でありました。事業の状況に重要な変化が生じている場合は、減損テストの実施により、のれん及び無形資産が毀損していると判断され減損損失を計上する可能性があります。

 

(4) M&Aについて

当社グループは、今後も事業規模拡大のために、人材、顧客基盤、アプリケーション関連技術、海外事業基盤等の経営資源の拡充及び当社グループとのシナジー効果の発揮等を目的として、M&A取引を実行する可能性があります。M&A取引実行にあたって過大な経営資源を投入した場合、取引条件が良好ではない場合、想定する業績やシナジー効果が達成されない場合、適切なM&A取引を実行できず事業拡大のための経営資源を十分に確保できない可能性があります。

 

 

(5) 保有投資有価証券の価値の変動について

当社グループは、当社の関係会社以外にも、事業関係の強化を目的とした事業会社に対する出資、資金運用を目的とした株式等への投資、主として非上場企業へ投資を行う投資事業有限責任組合(ファンド)等へ投資をしております。2019年3月期末現在の当社グループの連結財政状態計算書における保有投資有価証券の残高の内訳は、上場株式7,619百万円、非上場株式1,379百万円及びファンド出資金2,199百万円等でありました。当社グループは、今後も新たに投資有価証券を取得する可能性があります。当社グループが保有する投資有価証券の価値は、各々の時価、経営状況等により変動し、それらの公正価値の変動は包括損益または純損益として認識されます。保有株式については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産として会計処理され、保有株式の公正価値の変動に伴う含み損益或いは売却に伴う実現損益(税効果後)は連結損益計算書において純損益として認識されません。投資有価証券を処分するにあたり経済的に有利な条件で処分できるかどうかは定かではなく、処分金額の規模及びタイミングの変動により当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

6.法的規制等について

(1) 電気通信事業法について

当社及び当社グループの一部は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法の規制を受けております。当社らの業務に関し通信の秘密の確保に支障があるとされた場合、その他当社らの業務の方法が適切でないとされた場合は、総務大臣より業務方法の改善命令その他の措置がとられる可能性があります。

また、当社は総務省への届出を行っている電気通信事業者(届出電気通信事業者)であり、総務省への登録を必要とする電気通信事業者(登録電気通信事業者)と比べて行政の監督は相対的に緩やかなものですが、電気通信事業法において、国民生活に重要な役割を果たす優良かつ大規模なサービスを提供する者として総務大臣が指定された事業者は、登録電気通信事業者と同等の規制の適用を受ける制度が定められています。当社は現時点でかかる指定を受けておりませんが、近い将来当該指定を受ける可能性が高いと認識をしております。指定を受けた後はより強い監督を規制当局から受けることとなり、当社の業務遂行が適切でない場合は、前記の業務方法の改善命令等の措置がとられる可能性があります。

このほか、近年、電気通信事業法においては消費者保護対策が強化されており、電気通信事業者及び取次代理店(媒介等業務受託者)を対象とした、説明義務の強化、初期解除制度の導入、取次代理店の監督義務導入などの措置が為され、規制強化が行われています。当社又は取次代理店において業務の方法が適当でないとされた場合は、前記の業務方法の改善命令等の措置がとられる可能性があります。

 

(2) インターネット等に関する法的規制について

インターネットに関する法的規制については既に多くの制度が存在しますが、インターネット上の違法及び有害情報への対処の強化、サービス利用者の本人確認厳格化、青少年保護対策等の観点を中心に、規制強化の必要性が継続的に主張されており、これらの点について、具体的な対処義務を電気通信事業者に課する制度が検討、実施される可能性があります。制度の内容次第では、対応するための多くの処理コストや設備投資が発生する可能性があります。

一方で、インターネットの利用用途の多様化や役務を利用する当事者関係の複雑化により、第三者の権利への侵害を防ぐために通信の秘密にどこまで関与することが許されるのかといった著作権法等の既存の法令に関して明快に解釈することが困難な事象も増加しつつあります。当社グループがこれらに対する対応等を誤り当社グループの信用が毀損した場合や、法令解釈が不明確であることを理由に当社の顧客が新規投資を抑制する行動をとる可能性があります。

また、個人向けサービスの契約者数が増加傾向にあり、消費者保護法を始めとする消費者保護関連法令が適用される事業領域が拡大しています。これらの法令に当社グループ又は当社グループの取次代理店等が違反した場合、行政による不利益処分、法的責任の追及及び企業イメージの悪化等を招く可能性があります。

このほか、当社グループの事業に関わる法規制或いは施策等が新設又は強化された場合等には、当社グループの事業運営の自由度や迅速性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(3) 外国法について

当社は、日本国外に関係会社を有しており、かかる関係会社において当該国の法令を遵守するよう努めておりますが、国によっては、当該国の当該関係会社の行為に限定されず、企業集団全体に適用される法制度を設けている場合があります。例えば、米国のFCPA、EUのGDPR等が挙げられますが、当社グループとしてそれらの法制度への対応を誤った場合、多額の罰金が課せられる等の可能性があります。これらにつきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  2  事業等のリスク  1.当社グループの事業展開について (2) 事業投資等について」及び「第一部  企業情報  第2  事業の状況  2  事業等のリスク  1.当社グループの事業展開について (4) 当社グループが提供するサービスの信頼性について ③個人情報等顧客情報の取り扱いについて」もご参照ください。

 

(4) 知的財産権等について

当社グループは、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害することのないよう万全を期しておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合は、損害賠償の負担が生じる可能性があります。また、当社の役務に関わる基盤技術の重要な一部について第三者の特許取得が認められた場合或いは将来特許取得が認められた第三者の技術が基盤技術の重要な一部を構成することとなった場合は、当社グループは、事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する必要が生じる可能性があります。

当社グループは、サービスの開発及び運用にあたりオープンソース(*)ソフトウェアを積極的に活用しておりますが、オープンソースソフトウェアについてはライセンス条件の法的位置付けに不明点がある等の問題があり、予期しない利用上の制約が発生する可能性があります。

また、当社グループは自社が保有する知的財産権について適切な保護管理策を講じており、今後も講じていく考えでありますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難でもあり、当社グループの重要な知的財産権が第三者に不当に侵害された場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 訴訟等について

本書提出日現在、当社グループの財政状況に大きな影響が及ぶ当社グループに対する訴訟は提起されておりませんが、将来に亘り、サービスの不具合、システムインテグレーションの瑕疵や納期遅延、知的財産等第三者の権利の侵害、個人情報を含む顧客情報の漏えい若しくは毀損、不適切な消費者対応、不適切な人事労務管理又は当社の株式等に関連して、損害賠償請求等の訴訟を起こされる可能性があります。

これらの訴訟を起こされ、当社グループの責に帰すものと認められた場合は、また訴訟を起こされることにより当社グループの事業に対する信頼感が損なわれた場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

7.今後の資金需要について

当社グループの2019年3月期末における現金及び現金同等物の残高は31,958百万円と、前年同期末比10,638百万円の増加となりました。また、当社グループの2019年3月期末における銀行借入残高は26,750百万円と前年同期末比2,000百万円増加し、ファイナンス・リース負債(1年内返済予定を含む)残高は18,034百万円と前年同期末比1,469百万円増加いたしました。

当社グループの設備投資は増加しており、今後もネットワーク設備、クラウドコンピューティングサービス関連設備、バックオフィス関連設備等の維持、更新及び拡張に関わる投資及び費用、サービス開発及び運営並びに事業開発に関わる投資及び費用、自社データセンター建設に関わる投資及び費用、人員拡大に伴うオフィススペース拡張等に関わる投資及び費用、事業拡大に伴う運転資金の増加、グループ事業拡大のための投融資及びM&A取引等に資金が必要となる可能性があります。当社グループは、通信機器等の購入は、リース取引による調達を主体としております。事業環境の変化に起因して、当社グループの事業において想定を上回る資金需要が生じる可能性があり、今後のリース取引を含む資金調達について、当社グループにとって好ましい条件で実行できる保証はなく、それが当社グループの事業進展の制約要因となる可能性があります。

 

8.その他

(1) 株式の希薄化について

当社は、2013年7月に公募増資にて4,700千株、2013年8月に公募増資に関連したオーバーアロットメントによる売出しにかかる第三者割当増資にて700千株の新株を発行いたしました。今後も、将来の戦略的M&Aや大規模事業投資等を目的とした資金需要に応じて、新株、新株予約権付社債又は新株予約権等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。

当社は、当社の取締役(非常勤取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員に対して、各々の退職慰労金及び退職金の代替として、新株予約権方式による株式報酬型ストックオプション制度を導入しております。当該新株予約権の概要は、後記の「第一部  企業情報  第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

 

(2) IFRSに基づく連結財務諸表について

当社グループは、本書提出時からIFRSを適用しております。2019年3月期の決算短信及び定時株主総会事業報告書における連結財務諸表は米国会計基準を適用しており、本書におけるIFRSによる連結財務諸表とでは業績数値等が異なります。詳細は、「第一部  企業情報  第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記38.初度適用」をご参照ください。

  

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 経営成績の状況

①当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の連結業績の概要

当連結会計年度におけるわが国の景気は、輸出や生産で一部弱含みがありましたが、個人消費の持ち直し、設備投資の増加、雇用情勢の改善等があり、緩やかに回復いたしました。先行きにつきましては、雇用や所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復が期待されますが、通商問題や中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があります。

当社グループが係わる法人ICT関連市場におきましては、クラウドコンピューティングの普及を始めとする企業情報システムの変化、企業活動におけるIoT等のICT利活用の進展、情報漏洩等に対応するセキュリティ需要の高まり等を背景に、信頼性の高いネットワーク及びシステムへの需要は継続して増加していくものと認識しております。

このような市場環境のなか、当社グループは、当連結会計年度において、インターネットに係わる技術力と優良法人顧客基盤を基に、信頼性及び付加価値の高いサービスを開発のうえ総合的に提供し、企業の情報ネットワークシステムに関連するアウトソーシング需要を取り込むとの従来からの戦略を継続して推進いたしました。特に、法人向け各種サービスの機能強化に注力することで差別化をより発揮し、法人向けストック売上高(*)を順調に積み上げました。

具体的には、ネットワークサービスにおいて、法人向けインターネット接続サービスでは、ネットワークインフラストラクチャーを継続拡張しながら、顧客の契約帯域増加等で安定増収を継続しつつ、セキュリティやクラウドコンピューティング関連サービス等の複合提供を進めました。モバイル関連サービスでは、フルMVNOサービスの継続開発及び販促に注力し、「IoT応援パック(*)」「IIJmio IoTサービス(*)」「チップ型SIM(*)」等の提供を開始しました。前期末より提供開始したフルMVNOサービスは、法人向けでは公共施設や工場等でのカメラ接続等の需要が多く、個人向けでは海外販売網拡張で訪日外国人向けトラベルSIMの販売が伸長し、売上高は目標を超過し6.6億円となりました。また、MVNE戦略他による個人向け回線の獲得も進め、モバイル提供回線総数は274.5万回線(前年同期末より40万回線増加)、モバイル関連総売上高は前年の353.3億円から419.6億円へと増加いたしました。機能追加が容易なクラウド型ネットワークサービスである「IIJ Omnibusサービス(*)」では、SD-LAN(*)等の機能拡張で企業のネットワーク更新需要等を捉え、年増収率83.2%と伸長しました。セキュリティ関連サービスでは、「IIJ C-SOCサービス(*)」「IIJセキュアエンドポイントサービス(*)」「仮想デスクトップ(*)サービス」等の追加や機能拡充を行い、セキュリティ関連月額サービスの売上高は141.1億円、システム構築を含めたセキュリティ関連総売上高は167.7億円となりました。IoT関連分野では、フルMVNO、クラウド、セキュリティ、ネットワーク構築等の総合力により、住宅、交通、工場及び農業分野等を中心に案件が増加し、事例を積み上げました。その他のアウトソーシングサービスやWANサービスにおいても、企業のネットワークシステム関連需要は根強く、堅調に売上推移いたしました。また、システムモジュール型データセンターである「白井データセンターキャンパス」が予定通りに本年5月初に開所し、クラウドコンピューティングやIoTの普及により増大するデータ需要を吸収しつつ、分散する東日本地区のデータセンター及びサービス設備を順次集約することで費用効果を実現し、今後のストック売上高増加に対応してまいります。

システムインテグレーションにおいては、企業のシステム構築需要は、ネットワーク基盤、情報系基盤、セキュリティ、BtoCシステム、仮想デスクトップやクラウドに付帯する個別構築等で引き続き全般的に活況で、システム構築売上高(機器販売を含む)は前年同期比6.4%増、それに伴うシステム運用保守とのストック売上高は前年同期比10.2%増となりました。システム運用保守に一部含まれるクラウドコンピューティング関連サービスでは、企業内システムの継続的なクラウド移行需要に対応し、「IIJ GIO移行ソリューション(*)」「IIJマネージドデータベースサービス(*)」「IIJ統合運用管理サービス(UOM)(*)」等の付加機能の追加や拡充を行い、クラウド関連売上高は、前年同期の179.4億円から計画通りの201.3億円へと継続増加いたしました。

国際事業においては、立ち上げ途上であったアジア子会社群が事業進展とともに計画通りに全体で黒字化し、国際事業全体の売上高は77.2億円、営業利益は0.9億円となりました。
  新規事業においては、デジタル通貨を扱う持分法適用関連会社㈱ディーカレットが、金融庁による仮想通貨交換業者登録の再開以来新規事業者として初めての登録を受け、本年4月より投資家向けの仮想通貨取引サービスを開始いたしました。今後、取引サービスの拡充と㈱ディーカレットの法人株主他と連携した決済基盤サービスの展開を進めてまいります。配信事業では、民放各局との合弁の持分法適用関連会社JOCDN㈱が、放送事業者や大規模動画配信事業者向けにCDN(*)サービスを提供し動画需要とともに提供帯域が順次拡大しつつあり、今後の映像配信や伝送のIP化に向け備えております。

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、法人向けストック売上高の積み上げ、MVNE等によるモバイル関連サービス売上高の伸長、システムインテグレーションの継続増収等により、連結子会社㈱ハイホー売却による約13億円の減収影響を吸収し、前年同期比9.2%増の192,430百万円(前年同期 176,233百万円)となりました。そのうち、ネットワークサービス売上高は、前年同期比9.8%増の118,626百万円(前年同期 108,084百万円)、システムインテグレーション売上高(機器販売を含む)は、前年同期比8.6%増の69,652百万円(前年同期 64,119百万円)、ATM運営事業売上高は、前年同期比3.0%増の4,152百万円(前年同期 4,031百万円)となりました。

売上原価につきまして、ネットワークサービス売上原価は、前年同期比14.3%増の101,257百万円(前年同期 88,557百万円)、システムインテグレーション売上原価(機器販売を含む)は、前年同期比5.1%増の59,872百万円(前年同期 56,942百万円)、ATM運営事業売上原価は、前年同期比1.7%減の2,326百万円(前年同期 2,365百万円)となり、売上原価総額は前年同期比10.5%増の163,455百万円(前年同期 147,864百万円)となりました。

売上総利益につきまして、期中において、法人向けストック売上高の積み上げ及びシステムインテグレーションにおけるSE(*)の稼働率向上等により期初想定以上に利益増加が進んだものの、2019年3月に確定したモバイル関連サービスの調達原価の一部である㈱NTTドコモによる接続料(定額通信料)の単価の年次低減が前年比5.0%減と従来比小さく、期初想定の利益水準に対し20.5億円のマイナス影響を及ぼし、ネットワークサービス全体の売上総利益が縮小しました。ネットワークサービス売上総利益は、前年同期比11.0%減の17,369百万円(前年同期 19,526百万円)、機器販売を含むシステムインテグレーション売上総利益は、前年同期比36.3%増の9,780百万円(前年同期 7,177百万円)、ATM運営事業売上総利益は、前年同期比9.6%増の1,825百万円(前年同期 1,665百万円)となり、売上総利益総額は前年同期比2.1%増の28,974百万円(前年同期 28,368百万円)となりました。売上総利益率は、15.1%(前年同期 16.1%)となりました。

販売管理費等(販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益及びその他の費用)は、広告宣伝費、人件関連費用、モバイル関連サービスに係わる販売手数料及び固定資産除却損の増加等があり、前年同期比6.3%増の22,952百万円(前年同期 21,599百万円)となりました。

これらより、当連結会計年度における営業利益は、前年同期比11.0%減の6,023百万円(前年同期 6,770百万円)となりました。税引前利益は、前年同期比15.0%減の5,843百万円(前年同期 6,872百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比20.4%減の3,521百万円(前年同期4,423百万円)となりました。

セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上高は、前年同期比9.3%増の188,634百万円(前年同期 172,553百万円)となり、営業利益は前年同期比15.4%減の4,599百万円(前年同期 5,438百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上高は、前年同期比3.0%増の4,152百万円(前年同期 4,031百万円)となり、営業利益は前年同期比7.4%増の1,623百万円(前年同期 1,510百万円)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比12,126百万円増加し、167,289百万円となりました。

当連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、営業債権、棚卸資産及び前払費用の増加、その他の金融資産の減少等により、前連結会計年度末比13,128百万円増加の78,971百万円となりました。非流動資産は、その他の投資の減少及び無形資産の増加等により、前連結会計年度末比1,002百万円減少の88,318百万円となりました。

当連結会計年度末における流動負債は、営業債務及びその他の債務、借入金、繰延収益及びその他の金融負債の増加等により、前連結会計年度末比10,767百万円増加の52,904百万円となりました。非流動負債は、繰延収益の増加、1年以内返済予定の借入金の流動負債への振替、繰延税金負債の減少等により、前連結会計年度末比513百万円減少の37,265百万円となりました。

当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比1,743百万円増加の76,271百万円(前連結会計年度末74,529百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は45.6%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、31,958百万円となりました。

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益5,843百万円、減価償却費及び償却費15,629百万円に対して、営業債権の増加、前払費用の増加等で営業資産及び負債の増減にて6,568百万円の収入となり、法人所得税の支払い3,421百万円等もあり、25,152百万円の収入(前連結会計年度 14,664百万円の収入)となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,080百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による5,400百万円の支出、セール・アンド・リースバック取引等による有形固定資産の売却での3,071百万円の収入、その他の投資の売却による収入565百万円等があり、8,688百万円の支出(前連結会計年度 14,297百万円の支出)となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,000百万円、その他の金融負債の支払い7,322百万円、2018年3月期の期末配当金及び2019年3月期の中間配当金の合計1,217百万円の支払い等により、5,890百万円の支出(前連結会計年度718百万円の支出)となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。

役務区分

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

システムインテグレーション(含む機器販売)

60,959,155

8.9

合計

60,959,155

8.9

 

(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。

3.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。

役務区分

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システムインテグレーション
(構築及び機器販売)

28,954,777

12.2

7,839,843

12.1

システムインテグレーション(運用保守)

45,347,299

5.0

43,274,709

9.3

合計

74,302,075

7.7

51,114,552

9.7

 

(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。

3.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。

役務区分

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ネットワークサービス売上高合計

118,626,271

9.8

 

うち、法人向けインターネット接続サービス

33,185,825

18.6

 

うち、個人向けインターネット接続サービス

25,234,295

1.9

 

うち、WANサービス

30,990,637

5.8

 

うち、アウトソーシングサービス

29,215,514

12.1

システムインテグレーション売上高合計

69,652,389

8.6

 

うち、構築及び機器販売

27,882,017

6.4

 

うち、運用保守

41,770,372

10.2

ATM運営事業売上高

4,151,525

3.0

合計

192,430,185

9.2

 

(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。

3.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当社は当年度より、従前の米国基準に替えてIFRSを適用しております。また、前年度の財務数値についても、IFRSに組替えて比較分析を行っております。文中の将来に関する事項は、当年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。

当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。

これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。

しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。

 

 

(2) 当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の経営成績の分析

①連結経営成績サマリー

<主要な連結経営指標>

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

増減率

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

営業収益合計

176,233

192,430

9.2

 

ネットワークサービス売上高

108,083

118,626

9.8

 

システムインテグレーション売上高(注1)

64,119

69,652

8.6

 

ATM運営事業売上高

4,031

4,152

3.0

売上原価合計

△147,864

△163,455

10.5

 

ネットワークサービス売上原価

△88,557

△101,257

14.3

 

システムインテグレーション売上原価(注1)

△56,942

△59,872

5.1

 

ATM運営事業売上原価

△2,365

△2,326

△1.7

売上総利益合計

28,368

28,974

2.1

 

ネットワークサービス売上総利益

19,526

17,369

△11.0

 

システムインテグレーション売上総利益(注1)

7,177

9,780

36.3

 

ATM運営事業売上総利益

1,665

1,825

9.6

販売管理費等(注2)

△21,599

△22,952

6.3

営業利益

6,770

6,023

△11.0

税引前利益

6,872

5,843

△15.0

親会社の所有者に帰属する当期利益

4,423

3,521

△20.4

 

 (注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。

 2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。

 

<セグメント情報>

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

金額(百万円)

金額(百万円)

連結営業収益

176,233

192,430

 

ネットワークサービス及びSI事業

172,553

188,634

 

ATM運営事業

4,031

4,152

 

セグメント間取引消去

△351

△356

連結営業利益

6,770

6,023

 

ネットワークサービス及びSI事業

5,438

4,599

 

ATM運営事業

1,510

1,623

 

セグメント間取引消去

△178

△199

 

 

 

②概要

当連結会計年度における当社グループの売上収益(売上高)は、法人向けストック売上高の積み上げ、MVNE等によるモバイル関連サービス売上高の伸長、システムインテグレーションの継続増収等により、連結子会社㈱ハイホー売却による約13億円の減収影響を吸収し、前年同期比9.2%増の192,430百万円(前年同期 176,233百万円)となりました。

売上総利益につきまして、期中において、法人向けストック売上高の積み上げ及びシステムインテグレーションにおけるSEの稼働率向上等により期初想定以上に利益増加が進んだものの、2019年3月に確定したモバイル関連サービスの調達原価の一部である㈱NTTドコモによる接続料(定額通信料)の単価の年次低減が前年比5.0%減と従来比小さく、期初想定の利益水準に対し20.5億円のマイナス影響を及ぼし、ネットワークサービス全体の売上総利益が縮小し、売上総利益は、前年同期比2.1%増の28,974百万円(前年同期 28,368百万円)となりました。

営業利益につきましては、ネットワークサービスの粗利減少及び販売管理費等の増加等により、前年同期比11.0%減の6,023百万円(前年同期 6,770百万円)となり、税引前利益は前年同期比15.0%減の5,843百万円(前年同期 6,872百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比20.4%減の3,521百万円(前年同期4,423百万円)となりました。

セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上高は、前年同期比9.3%増の188,634百万円(前年同期 172,553百万円)となり、営業利益は前年同期比15.4%減の4,599百万円(前年同期 5,438百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上高は、前年同期比3.0%増の4,152百万円(前年同期 4,031百万円)となり、営業利益は前年同期比7.4%増の1,623百万円(前年同期 1,510百万円)となりました。

 

③経営成績の分析

当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであることより、役務別の分析により記載しております。

 

ⅰ)売上収益

当連結会計年度における売上高は、前年同期比9,2%増の192,430百万円(前年同期 176,233百万円)となりました。

 

<ネットワークサービス売上高>

法人向けインターネット接続サービスの売上高は、MVNE等による  モバイル関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比18.6%増の33,186百万円(前年同期27,982百万円)となりました。

個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス売上高等の増加が2017年12月末までの連結子会社(株)ハイホー売却による売上高の減少を相殺し、前年同期比1.9%増の25,234百万円(前年同期 24,753百万円)となりました。

WANサービスの売上高は、WAN回線獲得等による売上高の増加等があり、前年同期比5.8%増の30,991百万円(前年同期29,295百万円)となりました。

アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比12.1%増の29,215百万円(前年同期26,054百万円)となりました。

これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比9.8%増の118,626百万円(前年同期108,083百万円)となりました。

 

 

ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、各々以下のとおりであります。

 

<ネットワークサービス売上高の内訳>

 

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

増減率

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

ネットワークサービス売上高合計

108,083

118,626

9.8

 

法人向けインターネット接続サービス

27,982

33,186

18.6

 

 

IPサービス(注)1

10,144

10,572

4.2

 

 

IIJモバイルサービス(法人向け)

14,619

19,420

32.8

 

 

 

MVNOプラットフォームサービス

10,866

14,555

33.9

 

 

その他

3,219

3,194

△0.8

 

個人向けインターネット接続サービス

24,753

25,234

1.9

 

 

IIJ提供分

23,439

25,234

7.7

 

 

 

IIJmioモバイルサービス

20,710

22,538

8.8

 

 

ハイホー提供分

1,313

-

-

 

WANサービス

29,295

30,991

5.8

 

アウトソーシングサービス

26,054

29,215

12.1

 

 

<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)2>

 

前連結会計年度末

(2018年3月31日現在)

当連結会計年度末

(2019年3月31日現在)

増減数

契約数(件)

契約数(件)

(件)

法人向けインターネット接続サービス契約数合計

1,414,809

1,757,761

342,952

 

IPサービス(1Gbps以上)(注)1

709

743

34

 

IPサービス(1Gbps未満)(注)1

1,299

1,265

△34

 

IIJモバイルサービス(法人向け)

1,339,586

1,675,123

335,537

 

 

MVNOプラットフォームサービス

824,731

1,047,856

223,125

 

その他

73,215

80,630

7,415

個人向けインターネット接続サービス回線数合計

1,363,531

1,400,928

37,397

 

IIJ提供分

1,363,531

1,400,928

37,397

 

 

IIJmioモバイルサービス

1,005,092

1,062,921

57,829

 

 

 

 

 

 

 

帯域(Gbps)

帯域(Gbps)

増減

法人向けインターネット接続サービス契約総帯域(注)3

3,120.2

3,897.2

777.0

 

(注)1.IPサービスには、データセンター接続サービスを含めております。

 2.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJ提供分」は回線数を表示しており、それ以外は契約件数を表示しております。

 3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。

 4.当社グループは、本書提出時からIFRSを適用しており、連結財務諸表における海外子会社の財務数値の報告期間が、従来採用していた米国基準における期間と異なっております。これに伴い、上記に含まれる、海外子会社における契約数及び契約帯域数につきましても、従前の開示数値と異なる数値となっております。

 

 

<システムインテグレーション売上高>

システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、モバイル端末販売の増加等により、前年同期比6.4%増の27,882百万円(前年同期 26,212百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、案件の継続積み上げ及びプライベートクラウドサービスの売上高増加等があり、前年同期比10.2%増の41,770百万円(前年同期 37,907百万円)となりました。これらの結果、システムインテグレーション(機器販売を含む)の売上高は、前年同期比8.6%増の69,652百万円(前年同期 64,119百万円)となりました。

当連結会計年度のシステムインテグレーション(機器販売を含む)の受注は、前年同期比7.7%増の74,302百万円(前年同期 68,996百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比12.2%増の28,955百万円(前年同期 25,814百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比5.0%増の45,347百万円(前年同期 43,182百万円)でありました。

当連結会計年度末のシステムインテグレーション(機器販売を含む)の受注残高は、前年同期末比9.7%増の51,115百万円(前年同期末 46,596百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は前年同期末比12.1%増の7,840百万円(前年同期末 6,995百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比9.3%増の43,275百万円(前年同期末 39,601百万円)でありました。

 

<ATM運営事業売上高>

ATM運営事業売上高は、前年同期比3.0%増の4,152百万円(前年同期 4,031百万円)となりました。当連結会計年度末のATM設置済台数は、1,138台となりました。

 

ⅱ)売上原価

当連結会計年度における売上原価は、前年同期比10.5%増の163,455百万円(前年同期 147,864百万円)となりました。

 

<ネットワークサービス売上原価>

ネットワークサービスの売上原価は、モバイル関連サービス売上高の増加及びフルMVNOサービスの提供開始等に伴う外注関連費用の増加、設備関連費用の増加、WANサービス売上高の増加等に伴う回線関連費用の増加等があり、前年同期比14.3%増の101,257百万円(前年同期 88,557百万円)となりました。MVNOに係る㈱NTTドコモの接続料(定額通信料)の単価の年次低減が前年比5.0%減と従来比小さく、ネットワークサービス全体の売上総利益が縮小しました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比11.0%減の17,369百万円(前年同期19,526百万円)となり、売上総利益率は14.6%となりました。

 

<システムインテグレーション売上原価>

システムインテグレーション(機器販売を含む)の売上原価は、クラウド関連売上高等の増加に伴うライセンス費用及び設備関連費用の増加、モバイル端末の仕入れの増加、組織改組・稼働管理強化に伴う外注関連費用の減少等があり、前年同期比5.1%増の59,872百万円(前年同期56,942百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比36.3%増の9,780百万円(前年同期7,177百万円)となり、売上総利益率は14.0%となりました。

 

<ATM運営事業売上原価>

ATM運営事業売上原価は、前年同期比1.7%減の2,326百万円(前年同期 2,365百万円)となりました。ATM運営事業の売上総利益は、前年同期比9.6%増の1,825百万円(前年同期 1,665百万円)となり、売上総利益率は44.0%となりました。

 

 

ⅲ)販売管理費等

販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)は、人件関連費用及び販売手数料の増加等があり、前年同期比5.5%増の22,652百万円(前年同期 21,474百万円)となりました。

その他の収益は47百万円(前年同期 62百万円)となりました。その他の費用は主として固定資産除却損により347百万円(前年同期 187百万円)となりました。
 

ⅳ)営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前年同期比11.0%減の6,023百万円(前年同期 6,770百万円)となりました。

 

ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益

当連結会計年度における金融収益は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ファンド等)に関する収益399百万円(前年同期 24百万円)及び受取配当金等87百万円(前年同期 243百万円)により、570百万円(前年同期 407百万円)となりました。
 当連結会計年度における金融費用は支払利息430百万円(前年同期 405百万円)等により、432百万円(前年同期 439百万円)となりました。
 当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットに係る持分法投資損失503百万円があり、318百万円の損失(前年同期135百万円の利益)となりました。

 

ⅵ)税引前利益

当連結会計年度における税引前利益は、前年同期比15.0%減の5,843百万円(前年同期 6,872百万円)となりました。

 

ⅶ)当期利益

当連結会計年度における法人所得税費用は、2,144百万円の費用(前年同期 2,279百万円の費用)となりました。
 これらの結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比19.5%減の3,699百万円(前年同期 4,593百万円)となりました。
 非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により178百万円(前年同期 170百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期比20.4%減の3,521百万円(前年同期 4,423百万円)となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度末(2019年3月31日現在)の財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比12,126百万円増加し、167,289百万円(前連結会計年度末155,163百万円)となりました。
 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末比13,128百万円増加の78,971百万円(前連結会計年度末65,843百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、現金及び現金同等物10,638百万円増加の31,958百万円、営業債権1,806百万円増加の33,376百万円、棚卸資産1,858百万円増加の3,403百万円、前払費用927百万円増加の8,523百万円、その他の金融資産(未収入金等)2,177百万円減少の1,581百万円等でありました。
 当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比1,002百万円減少の88,318百万円(前連結会計年度末89,320百万円)となりました。主な増減及び残高の内訳は、上場株式の時価変動及びファンドの分配等によるその他投資1,482百万円減少の11,402百万円、ソフトウェア等の取得による無形資産1,056百万円増加の18,819百万円、有形固定資産388百万円減少の33,136百万円等でありました。
 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比10,767百万円増加の52,904百万円(前連結会計年度末42,137百万円)となりました。主な増減及び残高の内訳は、営業債務及びその他の債務5,432百万円増加の21,962百万円、借入金3,500百万円の増加(短期借入金2,000百万円の増加及び1年内返済予定長期借入金1,500百万円の非流動負債からの振替え)の12,750百万円、繰延収益(流動)1,306百万円増加の5,462百万円、その他の金融負債1,066百万円増加の7,032百万円等でありました。
 当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比513百万円減少の37,265百万円(前連結会計年度末37,778百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、1年内返済予定長期借入金1,500百万円の流動負債への振替にて14,000百万円、繰延税金負債930百万円減少による421百万円、繰延収益(非流動)1,770百万円増の5,518百万円等でありました。
 当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比1,743百万円増加の76,271百万円(前連結会計年度末74,529百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は45.6%となりました。

 

 

(4) 当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)の流動性及び資金の源泉の分析

①概要

当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。

 

②キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、31,958百万円(前連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高 21,320百万円)となりました。

 

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益5,843百万円、減価償却費及び償却費15,629百万円に対して、売上増加に伴う営業債権の増加、ソフトウェアライセンスや機器等保守費の一括前払い等による前払費用及び長期前払費用等の増加等で営業資産及び負債の増減にて6,568百万円の収入となり、また、法人所得税の支払い3,421百万円等もあり、25,152百万円の収入(前連結会計年度 14,664百万円の収入)となりました。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,080百万円の支出(前年同期 11,092百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による5,400百万円の支出(前年同期 6,121百万円の支出)、セール・アンド・リースバック取引等による有形固定資産の売却での3,071百万円の収入(前連結会計年度 3,271百万円の収入)、ファンド及び株式等のその他の投資の売却による収入565百万円(前年同期1,364百万円の収入)等があり、8,688百万円の支出(前連結会計年度 14,297百万円の支出)となりました。 

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,000百万円、その他の金融負債の支払い7,322百万円(前連結会計年度6,264百万円の支払い)、2018年3月期の期末配当金及び2019年3月期の中間配当金の合計1,217百万円の支払い(前連結会計年度1,217百万円の支払い)等があり、5,890百万円の支出(前連結会計年度718百万円の支出)となりました。

 

③借入金

当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。

 

当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は12,750百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は10,450百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は14,000百万円でありました。

 

④ファイナンス・リース

当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の現在価値は18,034百万円であります。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

本書提出日現在、記載すべき経営上の重要な契約はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、連結子会社である㈱IIJイノベーションインスティテュートを基礎技術研究の中核として、当社の事業部門等と連携を取りながら様々な研究開発に取り組んでおります。

インターネットに関する基礎技術の研究については、主として、ネットワークの計測及び解析、インターネット基盤技術、セキュリティに関する研究等を行いました。ネットワークの計測及び解析においては、インターネットの通信トラフィック量、通信フロー情報、通信経路情報などの膨大なネットワークデータを基に、統計解析や機械学習手法を用い、トラフィック傾向や通信品質を把握し、異常検知を行う研究を行いました。この研究は、当社にとってネットワーク設計等を検討していくうえで有用であるだけでなく、国際的にも貴重な研究成果として認知されており、情報通信業界へ広く貢献しております。インターネット基盤技術については、ますます大規模化するインターネット基盤をより効率的に運用できるよう、インターネットで利用されるプロトコルの標準化、運用管理の自動化等の研究を行いました。セキュリティについては、バイナリ解析技術(*)を用い、攻撃に繋がる可能性のある動きを事前に捉える技術の研究を行いました。

当社は、当連結会計年度において、事業部門においても、事業活動と並行して、新サービスの開発、モバイルサービスの機能追加、チップ型SIMやIoT向け低通信容量サービス等のフルMVNOサービスの開発、各種PoC(*)案件推進によるIoT関連サービスの開発、セキュリティ技術の評価、検討、サービス開発及び機能追加、クラウドコンピューティングサービスの機能追加、事業に必要な関連ソフトウェアの評価、検討、開発、改良及び実装、通信機器の評価及び検討、次世代システムインフラの開発、ネットワーク運用技術の評価、検討及び開発等の研究開発活動を行いました。

当社は、インターネット技術の標準化団体といえるISOC(*)及びIETF(*)、国際連合の専門機関ITU(*)の電気通信標準化部門であるITU-T(*)、セキュリティに関する国際組織FIRST(*)、日本のインターネット技術者及び利用者への貢献を目的としてインターネットにおける技術的事項及びそれに係るオペレーションに関する事項の議論、検討及び紹介等を行うJANOG(*)、日本の情報通信分野の安全の確保を目的として活動するICT-ISAC(*)、クラウドコンピューティングを重要な社会インフラとして普及・発展させることを目的として活動するASPIC(*)等の国内外のインターネット・通信関連技術団体に加盟及び参加しており、ネットワーク関連技術の発展に積極的に取り組んでおります。

インターネットは、通信手順を一般に公開し共通化することにより普及してきたという経緯があります。当社グループは、インターネットを含むデータ通信等に関わる研究開発において、個別に多額の予算を注ぎ込んで独自の技術を新規開発するというよりも、基礎技術の標準化過程への参画、次世代の技術情報の収集、評価及び習得、新技術の既存サービスへの応用及び実装、所与の技術による付加価値の高いサービス及びプロダクトの創出及び開発等が重要であると認識しており、主としてそのような研究開発活動を推進しております。

当社グループの研究開発は上述のような内容であり、その費用の殆どは人件費であります。当社グループは、主として基礎技術研究に従事した人員に関する人件費等を研究開発費として計上し、サービス開発等に関する費用は原価計上しております。当連結会計年度における研究開発費は、ネットワークサービス及びSI事業にかかるものであり、前年同期比8.4%減の446百万円でありました。