文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、以下のとおりであります。
① 技術革新によりネットワークインフラを発展させる
インターネット技術のイニシアティブを取り続け、ネットワーク社会が持つ無限の可能性を切り開いていく。
② ネットワーク社会を支える仕組み(ITサービス)を提供する
社会インフラを支えるための高信頼性、高付加価値なITサービスの開発、提供を行なうことにより、ネットワーク社会が最適に運営されることに貢献していく。
③ 自己実現する職場の提供(多様な才能・価値観を有する人材が活躍出来る場)
技術革新や社会貢献に積極果敢に挑戦する人材が集まり、誇りとやりがいをもって自律的に能力を発揮出来る 場を提供していく。
この経営理念に基づき事業運営することにより、継続的に当社グループの企業価値を増大し、また企業グループとしての社会責任を果たしていきたいと考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、売上高の構成、収益性、財務の健全性等に注視しつつ事業活動の推進を図っております。増収率、売上総利益率、営業利益率、ROE等の指標を参考とし、売上高の増加、売上原価、販売管理費及び設備投資水準の管理、事業及びサービス分野毎の採算管理等による収益性の向上に努めております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループが係わるICT(*)関連市場におきましては、クラウドコンピューティングの普及を始めとする企業情報システムの変化、ビッグデータ(*)やIoTに代表される企業活動におけるICT利活用の拡大、情報漏洩等によるセキュリティ需要の高まり、個人向けMVNOサービス市場の拡大等により、競争環境は激化しつつも、中長期にて非常に大きな市場成長機会があるものと想定しております。
このような環境のなか、当社グループは、2017年3月期を初年度とする2021年3月期までの5ヵ年中期計画を策定し、大幅な事業成長を実現すべく、これに沿い取り組んでおります。以下が計画の要旨であります。
≪経営ビジョン≫
● 国内最大級のネットワークとサーバインフラストラクチャーを運営し、信頼性及び付加価値の高いサービスを主軸に、法人顧客の求めるIT環境を提供し続ける。
● 積極的な技術開発と高度な運用技術により、競争優位性を発揮し続ける。
● 培ってきたインターネット関連技術を基に新たな領域に挑戦し続ける。
● それらにより、長期に渡る持続的な事業成長を実現している。

≪業績目標≫
● 2021年3月期の売上高を2,200億円規模とする。
● 増収に伴うスケールメリット(主に売上総利益規模の増加)により、早期に営業利益100億円を超え、営業利益の2桁増益年率を継続していくことを目指す。
≪基本戦略≫
● 法人向けITサービス戦略として、企業のシステム利用形態に即した「ネットワーククラウドサービス」、「システムクラウドサービス」を基幹サービスとしてワンストップで提供のうえ、システムインテグレーション機能を付加し、従来からのオンプレミスや大型請負に代表されるシステムインテグレーション取引からサービス及びアウトソーシング利用への需要変化を的確に捕捉する。サービス拡販を目指し、現状の直接販売に加え、間接販売にも注力していく。
● MVNO事業やセキュリティ事業等の現状競争優位を発揮している分野をより推し進める。
-MVNO事業においては、市場拡大と共に、M2MやIoT分野における新たな法人需要の取り込み、個人への直接及び代理店販売の増加、MVNEによる販売チャネルの大幅拡大等により、契約回線数を増加させ、スケールメリットを享受することを目指す。
-企業向けセキュリティ事業においては、新たにSOC事業領域を確立し、ネットワーククラウド及びシステムクラウドサービスとして提供されるセキュリティ機能と併せ、更なる優位性を発揮する。また各種産業や家庭等の安心安全に向けた商材も開発していく。
● 長期に渡る持続成長を実現するため、新たな領域として、4K(*)伝送等に向けた配信事業、M2M及びIoT関連事業、海外事業開発、ヘルスケア事業開発等にも注力する。
(4) 対処すべき課題
当社グループは、事業の成長に関連して、以下を含む、様々な対処すべき課題があるものと認識をしております。当社グループの事業成長の要は、法人顧客需要に合致した或いはそれを引き出すICTサービスラインアップの適切適時な拡充であり、継続したサービス及び事業の開発が重要であります。技術及び営業部門の一層の連携により、これを効果的に推し進める必要があります。事業成長を支えていく優秀な人材の継続獲得と育成も重要であり、これらを含めて、積極的な事業展開に継続して取り組む必要があります。また、事業運営管理の強化にも取り組み、売上成長と併せた利益の向上を目指す必要があります。
当社グループの事業において、特に次の点において、短期的に新型コロナウイルス感染症の影響が生じようと想定しております。①施設休店等による銀行ATM不稼働でのATM運営事業売上の減少、②企業全般の支出意欲減退によるシステム構築(一時売上)等の低調、③大型商業施設休店等によるモバイルサービス契約獲得の不調。一方でネットワークサービス等の法人向け継続役務提供取引については、景気悪化局面においても一定の継続した売上伸長を期待しております。中期においては、インターネット利用量の益々の増大、クラウド化やリモートアクセス機能も含めた企業ネットワークシステムの変化、安全なネットワーク利用のためのセキュリティ需要の更なる拡大等が期待され、当社グループにて信頼性や付加価値の高いサービスを開発・提供することで社会インフラを支え、ネットワーク社会へ貢献することで売上成長と併せた利益向上を目指す必要があると認識しております。
以下において、当社グループの事業の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項及びその他投資家の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1.当社グループの事業展開について
(1) 事業展開について
当社グループの売上高の大半は国内の顧客からのものであり、2020年3月期の売上高に占める国内売上高は約96%であります。国内景気の低迷、経済情勢の変化等により、企業のネットワークサービスの需要、システム投資及び支出意欲の動向、個別案件の進捗状況や採算等が影響を受ける可能性があり、特に、システムインテグレーションは国内景気及び設備投資の状況に強く影響を受ける傾向があります。景気動向、投資意欲の減退等の様々な要因により、顧客の需要が当社グループの想定通りに伸張しない或いは減退する場合、また、変化の速い市場へ適切に対応できない等で品質面の差別化が困難となり価格低下や契約解除が進む場合は、当社グループの想定通りに売上及び利益を拡大或いは維持することが困難となり、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響が及ぶ可能性があり、そのような場合は見通し通りの配当を実施しない可能性があります。
当社グループは、インターネットに関わる技術力と優良法人顧客基盤を基に、主として法人及び官公庁等の事業用にネットワークを利用する顧客に対し、信頼性及び付加価値の高い法人向けネットワークサービス及びシステムインテグレーションを複合的に提供することを基本方針としております。当社グループが、技術優位性を維持できず、競合他社に対し差別化要素があるネットワークサービスの開発及び提供やシステムインテグレーションの提供を継続して行えない場合は、当社グループの想定通りに事業を展開することが困難となる可能性があります。
法人向けネットワークサービスの原価は、回線費用、減価償却費、人件費、外注費、地代家賃等の売上増減とは直接的に連動しないものが多く、新たなサービスの開発や設備投資及び人員の増加等により順次増加する傾向にあります。法人向けネットワークサービスにおける継続的取引について、特に大口顧客によるサービス提供契約の全部又は一部の解約や大幅な価格の見直しが生じる場合等で、売上が想定通りに伸長しない場合は、現状の或いは増加する費用を賄うことが困難となり利益が低減する可能性があります。2020年3月期において、WANサービスを利用する特定の大口法人顧客が多拠点専用線接続からモバイルサービスへ移行したことにより、WANサービス売上は前年比で40億円減少致しました。
主としてシステム運用保守売上に区分されるクラウドコンピューティングサービスの原価は、減価償却費、ライセンス費用、人件費、外注費、地代家賃等の売上増加に先行して生じるものが多く、設備の継続追加や新たなサービスの開発、人員の増加等により継続増加する傾向にあります。企業のクラウドコンピューティングサービスの利用の低調や普及の遅れ等を含み、クラウドコンピューティングサービスの売上が想定通りに伸長しない場合、既存顧客の全部又は一部の解約や大幅な価格の見直しが生じる場合は、現状の或いは増加する費用を賄うことが困難となり利益が低減する可能性があります。
個人向けネットワークサービスでは、法人向けネットワークサービスに比べ相対的に市場変化が速く、売上及び利益の変動が大きくなる可能性があります。当社グループの個人からの認知度は高くなく、個人向けモバイルサービスでは、直接販売に加えて、代理店による販売やMVNEとの他社へのサービス提供による間接販売を推進しております。個人向けモバイルサービスについて、競合により顧客獲得が想定通りに伸張しない或いは販売価格が下落する場合、代理店及びMVNE提供先とその販売規模が増加しない或いは減少する場合、マーケティング費用が想定より増加する或いは効果的なマーケティングができず顧客獲得が進展しない場合、安定したサービス提供ができず当社の信頼性が失墜する場合、サービス品質維持等のため接続料、通信料及び減価償却費等が想定以上にかかる場合、モバイル通信キャリアによる接続料単価がさほど低下せず想定より乖離する場合等は、当社グループの想定通りに売上及び利益を拡大或いは維持することが困難となる可能性があります。
当社グループの販売管理費は、事業の展開に応じて、人件関連費用、地代家賃、販売手数料、支払手数料、広告宣伝費等が毎年増加しております。これらの販売管理費は、想定以上に増加する可能性があります。また、ネットワークサービス、システムインテグレーション、ATM運営事業の粗利が増加しない或いは減少する場合は、増加する販売管理費を賄うことが困難となり利益が低減する可能性があります。
(2) 事業投資等について
当社グループは、中長期を見据えた継続的な成長のために、新たなサービス及び事業の開発等の事業投資を積極的に行っており、人材獲得や機器等取得及びソフトウェア開発を含む設備投資を強化しております。2019年3月期末及び2020年3月期末における従業員数は各々3,353名及び3,583名であり、2019年3月期及び2020年3月期における従業員数の増加は各々150名及び230名でありました。2019年3月期及び2020年3月期におけるファイナンス・リースによる資産の取得を含む設備投資額は各々15,083百万円及び15,150百万円であり、設備投資償却額(設備投資に関連する減価償却費及び償却費)は各々13,867百万円及び14,422百万円でありました。
当社グループは、2009年12月よりクラウドコンピューティングサービスの提供を開始し、顧客需要及び機能の継続強化等に対応するため、データセンター、サーバ、記憶装置、通信機器及びソフトウェアの購入並びに開発等に継続的に投資を行っており、減価償却費等の費用が生じております。2019年3月期及び2020年3月期におけるクラウドコンピューティングサービス関連売上高は各々201億円及び236億円であり、各期における国内のクラウドコンピューティングサービスに係る設備投資額は各々19億円及び26億円でありました。
当社は、クラウドコンピューティングサービスの設備を含み、今後の事業拡大に伴い必要となる設備を収容するため及び東日本地区に分散するサービス設備の一定規模を集約するために、千葉県白井市に、需要に応じ拡張が可能なシステムモジュール型の自社データセンターを建設し、2019年5月より第1期棟の稼動を開始致しました。2019年3月期及び2020年3月期における白井データセンター設備に係る設備投資額は各々21億円及び20億円であり、今後もシステムモジュールの追加により設備投資が生じる見込みです。
当社は、2008年1月より主としてNTTドコモから卸電気通信役務の提供を受け、MVNO形態にて法人及び個人向けにモバイルサービスを提供しております。2019年3月期及び2020年3月期におけるモバイルサービス関連売上高は各々420億円及び461億円であり、2019年3月期末及び2020年3月期末における契約回線数は各々274万回線及び303万回線でありました。モバイルサービス関連売上及び契約回線数等の規模増加に伴い、NTTドコモ等から賃借するモバイルデータ通信回線の帯域を増加する必要があります。当社は、フルMVNOとのサービスを2018年3月に開始しており、顧客管理システム他への設備投資による減価償却費及びNTTドコモのネットワーク改修に伴う接続料の追加等で固定費用がサービス開始時より生じております。2019年3月期及び2020年3月期におけるフルMVNO関連サービスの売上高は各々7億円及び14億円であり、売上伸長により当初の固定費用の増加を吸収しております。
当社グループは、主として海外に進出する国内企業のネットワーク及びシステム利用ニーズに対応するため、クラウドコンピューティングサービスを含むネットワークサービス及びシステムインテグレーション提供との国際事業を行っております。本書提出日現在、当社は、海外連結子会社10社及び海外持分法適用関連会社2社を有しており、米国や欧州に加え、IT関連市場の成長が見込まれるアジア地域(シンガポール、タイ、中国、香港、インドネシア及びベトナム)にて事業を行っております。2019年3月期及び2020年3月期における国際事業の売上高は各々77億円及び85億円で、営業利益は各々1億円及び3億円でありました。当社及び㈱IIJグローバルソリューションズは、2020年3月期末迄に海外連結子会社及び持分法関連会社に総額4,512百万円の資本供与を行い、2020年3月期末において海外連結子会社4社に総額222百万円を貸し付けております。当社グループは、他地域でも海外子会社の設立及び現地事業者との合弁等による拠点追加を行う可能性があります。国際事業は、国内事業よりも相対的に、制度、経済、宗教、文化、地政学及び外交等に係る不確実性を伴うものと想定しています。また、十分に対応しているとの認識ではありますが、不十分な統制により米国のFCPA(連邦海外腐敗行為防止法)等に違反する或いは現地法制等へ適切に対応できない場合は、事業に影響を及ぼす可能性があります。
後記の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク 3.当社グループの事業運営について (2) グループ経営について」に記載の通り、当社の連結子会社㈱トラストネットワークスは、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築、運営のうえATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しており、ATM機器の設置にあたりATM機器を取得及び保有しております。2021年3月期において、㈱トラストネットワークスの運営するATM機器の総数は顧客都合により一部減少すると見込んでおり、また新型コロナウイルス感染症に関連する店舗休店及び外出自粛の影響等でATMの利用件数は前期比で減少し、ATM運営事業は減収減益となろうと見込んでおります。
(3) 通信回線、ネットワーク機器、施設設備等の外部への依存について
当社グループは、インターネット接続サービス等の提供にあたり、通信回線を外部から調達しております。バックボーン回線についてはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱(以下、「NTTコミュニケーションズ」といいます。)及びKDDI㈱(以下、「KDDI」といいます。)等、アクセス回線については東日本電信電話㈱(以下、「NTT東日本」といいます。)、西日本電信電話㈱(以下、「NTT西日本」といいます。)及び地域電力系通信キャリア等、MVNO形態にて提供するモバイル通信回線についてはNTTドコモ及びKDDIより調達をしており、通信回線の安定的な提供をこれらの通信キャリアに依存しております。当社の国内バックボーン回線費用に占めるNTTコミュニケーションズからの調達割合は、2020年3月期において48.6%であり、モバイル通信回線の多くはNTTドコモより調達しております。
当社グループは、ネットワークに使用するルータ等通信機器のいくつかの製品を主として米国の特定購入先から調達しており、購入先である第三者に依存しています。第三者から調達している機器等について、現状は重要な懸念があるわけではありませんが、セキュリティに関連する疑義が提示される等にて実質的に利用が困難となり代替機器等の調達が必要となる可能性があります。
当社グループは、データセンター等の施設設備、事務所設備の多くを第三者より賃借しております。電力料金の高騰が生じ、データセンター設備調達先とのその負担の調整或いは顧客への転嫁等の対応が取れない若しくは電力供給が不安定となり或いは不足し、電力調達に追加的費用が生じる可能性があります。
これまでにそのような事象は発生しておりませんが、当社グループの通信回線、ネットワーク機器、施設設備等の外部第三者への依存について、当該第三者からの役務が提供されない場合若しくは提供される役務に大きな混乱がある場合等で、代替手段の調達ができない或いは当該第三者が良質の製品を適切な期間内に納入できない場合は、当社グループの提供する役務が長時間にわたり中断する或いは遂行できない等の事象が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(4) 当社グループが提供するサービスの信頼性について
①サービス品質の維持及び適正な運用について
当社グループは、提供サービスの品質維持及び改善のために、想定を超えてサーバ、通信機器及びソフトウェア等への投資の増加或いは賃借する通信回線及びインフラストラクチャーの増強が必要となる可能性があります。当社グループはこれまで、このような設備等の管理を適切に行っているものと認識しておりますが、設備等の管理を適切に実行できずにサービスの品質が低下し、当社グループのサービスの差別化が適切に行えない或いは当社グループの想定を超える設備投資が必要となる若しくは過度に設備投資等を行う場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響が及ぶ可能性があります。
②サービスの中断の可能性について
当社グループのネットワーク及びシステムは、火災、地震及びその他の自然災害、電力不足、停電、通信障害、並びにテロ等の当社グループがコントロールし難い事由により、停止或いは遅延等の影響を受ける可能性があります。当社グループは、重大なセキュリティ事故を回避できるよう適切な策を講じていると認識しておりますが、コンピュータクラッキング(*)、コンピュータウイルス、人的過失及びインターネット利用者等の偶発的又は故意による行為等に起因するサービスの中断が、当社グループのサービスの提供を妨げる可能性があります。当社グループのネットワーク及びシステムは、通信回線の二重化等の耐障害性を重視した設計としており、これまでにそのような事象は発生しておりませんが、サービスの提供が中断し当社グループの信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響が及ぶ可能性があります。
③個人情報等顧客情報の取り扱いについて
当社グループは、モバイルサービスに係る個人情報を含む国内外の顧客情報を保有及び管理しております。当社グループはこれらの情報資産の適切な管理に注意を払っており、また、個人情報の保護に関する法律やこれに関連する総務省及び経済産業省制定のガイドラインの要求事項遵守等に努めておりますが、外部からの不正アクセス、システム運用における人的過失、顧客情報の漏洩、消失、改竄又は不正利用等が発生し、当社グループがそのような事態に適切に対応できず信用失墜又は損害賠償による損失が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。また、欧州連合(EU)におけるGDPR(一般データ保護規則 General Data Protection Regulation)など、諸外国で個人情報保護法制が強化されています。GDPRに関して当社の連結子会社IIJ Europe Limitedは、当社グループ内で統一された情報管理ルールを文書化したBCR(拘束的企業準則 Binding Corporate Rules)を英国の監督機関に申請し承認取得に向けた対応を進めております。これまでにそのような事象は発生しておりませんが、意図せず各国の規則に違反し高額な制裁金が課された場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(5) 技術革新について
インターネットを含む通信サービス業界においては、技術、業界標準、顧客ニーズ及び競合環境の変化が速く、頻繁に新商品及び新サービス等の導入がなされております。新技術を使用したサービスの導入又は新たな業界標準の確立等により、当社グループの提供する既存のサービスの市場性が低下する可能性があります。当社グループは、技術優位性を維持していくために技術研究開発に注力しておりますが、重要な新技術の利用権の取得、変化する技術及び業界標準の導入或いは顧客ニーズに合った新サービスの開発、導入及び品質確保等ができない或いは研究開発に当社グループが想定する以上の時間と費用が必要となる場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響が及ぶ可能性があります。
2.外部環境について
(1) 価格競争について
ネットワークサービスにおける価格競争は厳しく、また、システムインテグレーションにおける競合も激しく、競合他社はサービスの開発及びマーケティングを強化しております。低価格競争が進展する場合は、ネットワークサービス及びシステムインテグレーションの売上が想定通りに増加しない或いは利益水準が悪化する若しくは販売促進のために多額の費用を投じる必要が生じる可能性は常にあり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(2) ネットワーク関連コスト等について
バックボーン等の通信回線費用、通信機器に係わる費用、ネットワークオペレーションセンター等のネットワーク運営費用、ネットワーク運営に係わる人件関連費用等のネットワーク関連コストは固定的な費用が主ですが、これらの変動が当社グループの損益状況及びその変動に影響を及ぼす可能性があります。インターネットトラフィックの急激な増加等が生じた場合、バックボーン回線の調達単価の上昇により回線調達費用が増加する場合、当社グループが想定するよりも大容量の通信回線が必要となった場合、必要とする通信回線が調達できない、或いは過度に通信回線を契約した場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、国際回線及び通信機器等の一部費用を外貨建てで支払っており、円建てで支払っているものについてもその価格は外貨建てで算定されるものもあります。
当社グループは、モバイルサービスの提供にあたり、NTTドコモ等のモバイル通信キャリアより卸電気通信役務の提供を受け、当該役務に対して「電気通信事業法」及び総務省が策定する「第二種指定電気通信設備接続料規則」に基づき算定された帯域当たり単価と契約帯域を掛け合わせた通信接続料を支払っております。通信接続料の単価は毎年改定され、低減をしております。2020年3月期迄において、2019年3月期及び2020年3月期に利用した通信接続料の単価は2020年3月に確定し、期中における一定の低減の想定値での費用処理に対して、通信接続料の確定の時点で想定値と確定値の差分を費用の増減として計上しております。2021年3月期からにおいては、将来原価方式として、2021年3月期の通信接続料の単価はモバイル通信キャリアより提示を受けた予測値にて費用処理を行い、通信接続料の確定により予測値と確定値の差分が補正される予定です。当社グループは、モバイルサービスの提供にあたり、契約回線数及び通信トラフィックの増加に伴い、モバイル通信キャリアとの契約帯域を増加する必要があり、通信接続料は継続増加する傾向にあります。通信接続料の帯域当たり単価が上昇或いは想定より低下しない或いは通信トラフィックの増加等により想定よりも多くの契約帯域が必要となる場合は、当社グループの損益状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 外注について
当社グループは、外注人員を活用しており、外注単価が上昇する、適切な外注工程管理ができない、外注費用に見合う売上を計上できない或いは必要となる外注人員を確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(4) 競合について
当社グループの法人向けネットワークサービスの主な競争相手は、NTTコミュニケーションズ及びKDDI等を含む通信キャリア及びそれらの関係会社等であり、また、システムインテグレーションにおける主な競争相手は、日本電気㈱、富士通㈱、㈱エヌ・ティ・ティ・データ及びそれらの関係会社等を含むシステムインテグレーター(*)等であり、これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力、技術力、販売力等の経営資源、幅広い顧客基盤及び高い知名度等を有している企業があり、また、M&A遂行等にて競争力をより強化する可能性があります。これら競合他社の中には、当社グループよりも低価格でサービスを提供するものや当社グループでは提供していないサービスを提供するもの等があります。競合先の営業方針及び価格設定は、当社グループの属する市場に影響を与える可能性があり、これらの競合先に対し効果的に差別化を図れず当社グループが想定している通りの事業進展が図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループのクラウドコンピューティングサービスにおける競争相手は、上記の競合先の他にAmazon Web Services, Inc.やMICROSOFT CORPORATIONを含む外資系等があり、それらの競合先は多大な経営資源をクラウドコンピューティング及びアウトソース関連事業に投入する可能性があります。クラウドコンピューティングサービスについて、当社グループが競合他社との差別化を有効に図ることができない、想定する売上や利益を確保できない或いはクラウドコンピューティングサービスへの投資が効果的なものとならなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループのMVNEを含む個人向けモバイルサービスの主な競争相手は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク㈱を含むモバイル通信キャリア及びそれらの関係会社並びにMVNO事業者であり、競合他社の多くは、当社グループに比べ高い知名度或いは大きな資本力等を有しており、積極的な広告宣伝活動、低価格でのサービス提供及びその他のサービスとの組み合わせ販売による顧客囲い込み等を行っております。競合他社の新規参入も含め競合が強まる可能性もあり、当社グループがこれらの競合先に対し効果的に差別化を図れず想定通りの事業進展が図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループとNTTグループとの競合の状況については、後記の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク 4.NTTグループとの関係について (4) NTTグループとの競合について」に記載の通りであります。
(5) 不可抗力について
自然災害、停電、テロ、感染症を始めとする不可抗力が発生する場合は、安定したサービス役務の提供が困難となる、当社グループの想定を超えた費用及び投資が必要となる、当社グループが想定する通りに事業展開することが出来なくなる等の可能性があり、その場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響が及ぶ可能性があります。
3.当社グループの事業運営について
(1) 人的資源の確保
当社の代表取締役をはじめとする当社グループ各社の経営陣の事業運営に関する能力は、当社グループの事業推進にとって重要であります。また、当社グループの提供するサービスの安定的な提供は、当社グループの技術部門及びその他のスタッフによる継続した役務に依存しております。当社グループの事業規模拡大に伴い、グループ従業員数は増加し人件関連費用は増加しており、継続して技術、営業及び企画管理面の人的資源を適切な時期に適切に確保していく必要があります。当社グループが、必要とする能力のある経営陣及び従業員を確保又は維持できない、必要以上の人員採用等で人件関連費用を適切にコントロールできない、労働市場環境及び法令改定等で想定よりも人件関連費用が増加する場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(2) グループ経営について
当社は、連結子会社及び持分法適用関連会社各社と協働し相乗効果を発揮した経営を目指しており、密接な事業連携のため、当社グループ各社の役員には当社役員及び従業員が一部兼務をしており、当社から従業員の出向も行っております。本書提出日現在、当社は関係会社として連結子会社16社、持分法適用関連会社9社を有しており、各社の損益状況は、連結子会社は当社グループの連結財務諸表に結合され、持分法適用関連会社は持分法損益として当社グループの連結財務諸表に取り込まれております。各社の事業状況により、当社の保有する関係会社株式の価値は変動する可能性があります。関係会社の損益状況が芳しくなく損失が大きい場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
当社は、持分法適用関連会社であった㈱クロスウェイブ コミュニケーションズ(以下、「クロスウェイブ」といいます。)へ投融資を行いましたが、2003年8月のクロスウェイブの会社更生手続き開始の申立により投融資全額が損失となりました。当社グループは、2003年3月期及び2004年3月期にて、クロスウェイブに関する持分法損失、投資及び預託金(拘束預金)並びに貸付金に対する評価損失及び貸倒損失として、各々12,667百万円及び1,720百万円を計上致しました。
当社は、2010年9月に、主としてWANサービス等を提供するIIJグローバルを、AT&TジャパンLLCより9,170百万円にて取得し、当社の完全子会社と致しました。2019年3月期及び2020年3月期の連結業績におけるIIJグローバルに係る売上高は各々30,073百万円及び26,103百万円であり、営業利益は各々713百万円及び1,020百万円でありました。2020年3月期末におけるIIJグローバルに係るのれん及び償却対象の無形資産の残高は合計で3,336百万円であり、同社が、想定通りに売上或いは利益を達成できず将来に亘り当該のれん及び無形資産に見合う価値がないと判断する場合は、これらについて減損損失を計上する可能性があります。
2007年7月に設立した連結子会社㈱トラストネットワークスは、銀行ATM及びそのネットワークシステムを構築、運営のうえATM利用に係る手数料収入を得るATM運営事業を推進しております。当社は、本書提出日現在において、同社に対し累計2,575百万円を出資(出資比率:79.5%)しております。2019年3月期及び2020年3月期におけるATM運営事業セグメントの売上高は各々4,152百万円及び4,081百万円であり、営業利益は各々1,623百万円及び1,645百万円でありました。ATM運営事業において、ATM台数や利用者数が減少する、消費意欲減退や店舗休業等によりATM利用回数が減少する、関係各所との良好な関係を維持できない等の場合は、同社事業の継続が困難となる可能性があります。
当社は、2016年12月に、CDN(*)サービスを提供するJOCDN㈱を合弁会社として新規設立致しました。JOCDN㈱は、2020年3月期に第三者割当増資により日本放送協会及び㈱WOWOWを新たな株主としました。当社は、本書提出日現在において、同社に対し累計142百万円を出資(出資比率:16.8%)しております。
当社は、2018年1月に、デジタル通貨の取引と決済を行う㈱ディーカレットを合弁会社として新規設立致しました。㈱ディーカレットは、2019年3月に暗号資産交換業者の登録を受け、2019年4月より暗号資産の現物取引サービス、8月より証拠金取引サービスを開始致しました。当社は、本書提出日現在において、同社に対し累計5,082百万円を出資(出資比率:41.6%)しております。㈱ディーカレットは事業立ち上げ途上の段階であり、同社の事業が想定通りに伸長しない場合は、㈱ディーカレットの企業価値の棄損、当社の想定以上の持分法投資損失或いは減損の計上、追加の資金拠出が必要となる等の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
当社は、当社グループ各社との協働効果を継続し或いは更に発揮するために、各社に対する出資比率の引き上げ、金融支援の提供、保証の供与、グループ編成の変更を行う可能性があります。当社は新規事業の立ち上げにあたり、関係会社の新設或いは資本参加をする可能性があります。当社グループは、事業規模、顧客基盤及びサービス提供領域の拡大等のためM&A等の資本取引を行う可能性があります。当社グループの資本戦略の遂行にあたり、間接或いは直接金融による資金調達が必要となる可能性があります。また、子会社及び関連会社に関連する特定の法令等により当社グループ各社の事業が制約をうける場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
当社が支配的持分を有していない持分法適用関連会社について、当社及び連結子会社と当該関連会社との戦略に乖離が生じる場合は、当社の利害はこれら関連会社又はこれら関連会社の当社以外の株主の利害から乖離し、グループとして連携した事業運営ができず相乗効果を発揮できない可能性があります。
4.NTTグループとの関係について
(1) NTT及びNTTコミュニケーションズの出資経緯等について
NTT及びNTTコミュニケーションズと当社グループとの資本取引は、1996年1月の当社の資本強化のための第三者割当増資におけるNTTの資本参加、1997年9月のインターネットマルチフィード㈱のNTT(その後、NTTの組織改編によりいずれもNTTコミュニケーションズに株主が変更。)との合弁設立、2003年9月のクロスウェイブの会社更生手続開始による財務損失を補うためのNTT及びNTTコミュニケーションズを主要引受先とする第三者割当増資の実施等があります。NTTは、当社のその他の関係会社に該当し、2020年3月期末現在、NTT及びNTTコミュニケーションズはあわせて当社の議決権比率の26.9%を所有しております。
(2) NTTグループとの人的関係について
本書提出日現在、当社の取締役会は、社外取締役5名を含む13名により構成されております。そのうち、社外取締役(非常勤)である海野忍は、NTT出身者でありますが、社外取締役として当社の経営執行監視機能を担っており、当社の社外取締役への従事にあたり資本的関係又は取引関係その他の利害関係を取り決めたことはありません。
(3) NTTグループとの取引関係について
当社は、インターネット接続サービス等の提供にあたり、アクセス回線等についてNTT東日本及びNTT西日本、国内バックボーン回線及び国際バックボーン回線並びにデータセンター施設設備等についてNTTコミュニケーションズ、モバイル通信回線及び設備等についてNTTドコモの提供するサービスを多く利用しております。2020年3月期における、これらに係る費用は36,228百万円でした。
当社は、設備の調達にあたり、リース会社とリース取引を行っており、2020年3月期末におけるNTTファイナンス㈱に係るファイナンス・リース債務は2,535百万円でした。
NTTグループとの商取引は、いずれも通常の商慣習の範囲であり、出資関係にあることによる特別な取り決めは存在しておりません
(4) NTTグループとの競合について
NTTグループにおいて、当社グループ同様のネットワークサービス及びシステムインテグレーション営む企業として、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、㈱エヌ・ティ・ティ・データ、NTTセキュリティ㈱、㈱エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ、㈱NTTぷらら等があります。
これらNTTグループ各社とは、一部の案件で一定の競合が生じることはありますが、当該競合について特段の調整事項は存在せず、当社グループとして自主性をもった経営を推進しております。
5.業績等について
(1) 業績の変動について
当社グループの年間、半期及び四半期における売上及び営業損益の規模並びに計上時期は、国内景気の動向、企業のシステム投資及び支出の動向、ネットワークサービスにおける継続的な売上の積み上げ、システムインテグレーションにおける案件数及び規模と利益率、クラウドコンピューティング及びモバイルサービスの収支、ネットワーク関連コストの推移、モバイルサービスにおける通信接続料単価の低減率の想定及び実績の状況、減価償却費の推移、有形固定資産、のれん及び無形資産の減損損失等の有無と規模、販売管理費の推移状況、M&Aを含む資本取引の影響等により変動し、税引前利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益の規模並びに計上時期は、営業利益の変動に加え、金融収益及び費用の規模、持分法適用関連会社に関する持分法投資損益の変動、税効果を含む法人所得税費用の認識額、非支配持分損益等により変動し、当社グループの年間、半期及び四半期の業績は当社グループの今後の業績予想の目安とはならない可能性があります。
当社グループの業績結果は、事業等のリスクに記載する事象或いはその他の事象等により、開示する業績見通しから乖離する可能性があります。当社グループは、2014年3月期、2015年3月期、2017年3月期及び2020年3月期において連結業績予想修正との適時開示を行っております。新たなサービス及び事業に係わる投資及び費用の増加に対する当該売上の規模及び計上時期は、概して変動しやすい傾向があります。
(2) システムインテグレーションについて
システムインテグレーションの売上は、一時売上であるシステム構築(機器売上を含む)と継続売上であるシステム運用保守により構成されております。一般に、システム構築の取引は、多数の国内企業の決算月である3月末に偏重する傾向があります。当社グループの四半期毎の売上及び損益の変動は、システムインテグレーションにおいて大きく、売上及び利益の金額は第4四半期に増加する傾向があります。当社グループがシステムインテグレーションにより売上及び利益を計上する能力並びにかかる売上及び利益を実現する時期、特に大口案件における売上実現の時期及び利益の変動は、当社グループの売上、損益状況及びその変動に影響を及ぼす可能性があります。
システムインテグレーションにおいては、運用保守案件では継続的な売上計上が期待されますが、新規構築案件の案件数の状況や運用保守契約内容の見直し等により、売上及び損益が変動する可能性があります。クラウドコンピューティングサービス関連の案件が増加した場合、構築におけるハードウェアの売上部分が減少し、売上規模が変動する可能性があります。大規模な構築案件では、一般的に検収までの期間が長くなることがあり、より緻密なプロジェクトの進捗管理が求められ、また、案件獲得のため、顧客に価格競争力のある提案をすることで収益性が低下する等の競合による利益率低下の可能性があります。システムの不具合、仕様の変更、想定外の人員稼動等の要因により当社グループが適切にプロジェクトの進捗管理を行うことができない場合は、適正な利益水準を確保できず、また案件単位にて赤字となる可能性があります。システムインテグレーションにおいては外注を活用しておりますが、外注単価が上昇し、或いは適切な外注工程管理ができず、若しくは外注費用に見合う規模の売上を計上できない場合等には、適正な利益水準を確保できず、また案件単位にて赤字となる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。当社グループが、システムインテグレーションの案件の完遂に必要な技術者、外注先を含むソフトウェア開発要員を適切に確保できない場合は、売上計上が遅延し、或いは契約が解消される可能性があります。また、顧客のデータを適切に取り扱うことができなかった場合は、訴訟の提起等の可能性があります。
(3) 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損損失の計上について
当社グループは、主としてネットワークサービス及びシステムインテグレーション事業に係る、通信機器、サーバ機器、データセンター等の構築物、事業用ソフトウェア等の資産、また、バックオフィスシステム、事務所附帯設備等の資産を保有しております。事業の状況に重要な変化が生じている場合は、減損テストの実施により、これら有形固定資産或いは無形資産が毀損していると判断され減損損失を計上する可能性があります。
当社グループは、M&A等の資本取引を行った場合に、連結財政状態計算書にのれん及び顧客関係等の無形資産を計上する場合があります。2020年3月期末現在の当社グループの連結財政状態計算書におけるのれんの残高は6,082百万円でありました。また、償却対象の無形資産である顧客関係の残高は1,969百万円でありました。2020年3月期末現在の当社グループの連結財政状態計算書における顧客関係のうち、IIJグローバル及び2010年4月に吸収合併した㈱アイアイジェイテクノロジーに係る残高は各々1,048百万円及び922百万円でありました。これらののれん及び顧客関係はこれまでに減損をしたことはありませんが、事業の状況に重要な変化が生じている場合は、減損テストの実施により、のれん及び無形資産が毀損していると判断され減損損失を計上する可能性があります。
(4) M&Aについて
当社グループは、今後も事業規模拡大のために、人材、顧客基盤、アプリケーション関連技術、海外事業基盤等の経営資源の拡充及び当社グループとのシナジー効果の発揮等を目的として、M&A取引を実行する可能性があります。これまでにそのような事象は発生しておりませんが、M&A取引実行にあたって過大な経営資源を投入した場合、取引条件が良好ではない場合、想定する業績やシナジー効果が達成されない場合、適切なM&A取引を実行できず事業拡大のための経営資源を十分に確保できない可能性があります。
(5) 保有投資有価証券の価値の変動について
当社グループは、当社の関係会社以外にも、事業関係の強化を目的とした事業会社に対する出資、資金運用を目的とした株式等への投資、主として非上場企業へ投資を行う投資事業有限責任組合(ファンド)等へ投資をしております。2020年3月期末現在の当社グループの連結財政状態計算書におけるその他の投資に含まれる保有投資有価証券の残高の内訳は、上場株式5,163百万円、非上場株式1,488百万円及びファンド出資金2,348百万円等でありました。当社グループは、今後も新たに投資有価証券を取得する可能性があります。当社グループが保有する投資有価証券の価値は、各々の時価、経営状況等により変動し、それらの公正価値の変動は包括損益または純損益として認識されます。保有株式については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産として会計処理され、保有株式の公正価値の変動に伴う含み損益或いは売却に伴う実現損益(税効果後)は連結損益計算書において純損益として認識されません。投資有価証券を処分するにあたり経済的に有利な条件で処分できるかどうかは定かではなく、処分金額の規模及びタイミングの変動により当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
6.法的規制等について
(1) 電気通信事業法について
当社及び当社グループの一部は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法の規制を受けております。当社らの業務に関し通信の秘密の確保に支障があるとされた場合、その他当社らの業務の方法が適切でないとされた場合は、総務大臣より業務方法の改善命令その他の措置がとられる可能性があります。
また、当社は総務省への届出を行っている電気通信事業者(届出電気通信事業者)であり、総務省への登録を必要とする電気通信事業者(登録電気通信事業者)と比べて行政の監督は相対的に緩やかなものですが、電気通信事業法において、国民生活に重要な役割を果たす優良かつ大規模なサービスを提供する者として総務大臣に指定された事業者は、登録電気通信事業者と同等の規制の適用を受ける制度が定められています。本書提出日現在において、当社はかかる指定を受けておりませんが、近い将来当該指定を受ける可能性が高いと認識をしております。指定を受けた後はより強い監督を規制当局から受けることとなり、当社の業務遂行が適切でない場合は、前記の業務方法の改善命令等の措置がとられる可能性があります。
このほか、電気通信事業法においては、利用者保護を目的として、電気通信事業者及び取次代理店(媒介等業務受託者)を対象とした、重要事項説明義務、初期契約解除制度、取次代理店の監督義務などが定められています。これらに加えて、2019年には、モバイルサービス市場の競争適正化の観点から、モバイル端末の販売を伴うモバイルサービスの提供条件等に多様な規制が定められています。当社又は取次代理店において業務の方法が適当でないとされた場合は、前記の業務方法の改善命令、社名の公表を伴う行政指導等の措置がとられる可能性があります。
業務改善命令等を受けたことにより、当該命令に基づく改善対応に係るコスト増や企業イメージの悪化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(2) インターネット等に関する法的規制について
インターネットの利用態様に関する法的規制については既に多くの制度が存在しますが、インターネット上の違法及び有害情報への対処の強化、サービス利用者の本人確認厳格化、青少年保護対策等の観点を中心に、規制強化の必要性が継続的に主張されており、これらの点について、具体的な対処義務を電気通信事業者に課する制度が検討、実施される可能性があります。制度の内容次第では、対応するための多くの処理コストや設備投資が発生する可能性があります。
一方で、インターネットの利用用途の多様化や役務を利用する当事者関係の複雑化により、第三者の権利への侵害を防ぐために通信の秘密にどこまで関与することが許されるのか等の、既存の法令を明快に解釈することが困難な事象も増加しつつあります。これまでにそのような事象は発生しておりませんが、当社グループがこれらに対する対応等を誤り当社グループの信用が毀損した場合や、法令解釈が不明確であることを理由に当社の顧客が新規投資を抑制する行動をとる可能性があります。
また、事業の一定範囲を占める個人向けサービスの領域について、前記の電気通信事業法の他、消費者保護法、不当景品類及び不当表示防止法等の消費者保護関連法令が適用されます。これらの法令に当社グループ又は当社グループの取次代理店等が違反した場合、総務省以外の行政当局による不利益処分、法的責任の追及及び企業イメージの悪化等を招く可能性があります。
このほか、当社グループの事業に関わる法規制或いは施策等が新設又は強化された場合等には、当社グループの事業運営の自由度や迅速性が損なわれ、又は、当社グループの顧客による当社のサービスの利用が制約され、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(3) 外国法について
当社は、日本国外に関係会社を有しており、かかる関係会社において当該国の法令を遵守するよう努めておりますが、国によっては、法令の解釈運用が不明確な場合もあり、当社グループの意図にかかわらず法令違反が指摘される恐れがあります。このような場合には、当該国における事業展開に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
また、国外法令の中には、当該国の当該関係会社の行為に限定されず、企業集団全体に適用される法制度を設けている場合があります。例えば、米国のFCPA、EUのGDPR等が挙げられますが、当社グループとしてそれらの法制度への対応を誤った場合、多額の罰金が課せられる等の可能性があります。
(4) 知的財産権等について
当社グループは、第三者の特許権その他の知的財産権を侵害することのないよう万全を期しておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合は、損害賠償の負担が生じる可能性があります。また、当社の役務に関わる基盤技術の重要な一部について第三者の特許取得が認められた場合或いは将来特許取得が認められた第三者の技術が基盤技術の重要な一部を構成することとなった場合は、当社グループは、事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する必要が生じる可能性があります。
当社グループは、サービスの開発及び運用にあたりオープンソース(*)ソフトウェアを積極的に活用しておりますが、オープンソースソフトウェアについてはライセンス条件の法的位置付けが不明確である等の問題があり、予期しない利用上の制約が発生する可能性があります。
また、当社グループは自社が保有する知的財産権について適切な保護管理策を講じており、今後も講じていく考えでありますが、第三者が当社グループの知的財産権を侵害する可能性を完全に排除することは困難でもあり、当社グループの重要な知的財産権が第三者に不当に侵害された場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
(5) 訴訟等について
本書提出日現在、当社グループの財政状況に大きな影響が及ぶ当社グループに対する訴訟は提起されておりませんが、将来に亘り、サービスの不具合、システムインテグレーションの納期遅延や契約上の不適合、知的財産等第三者の権利の侵害、個人情報を含む顧客情報の漏えい若しくは毀損、不適切な消費者対応、不適切な人事労務管理又は当社の株式等に関連して、損害賠償請求等の訴訟を起こされる可能性があります。
これらの訴訟を起こされ、当社グループの責に帰すものと認められた場合は、また訴訟を起こされることにより当社グループの事業に対する信頼感が損なわれた場合は、当社グループの経営成績及び財政状況に影響が及ぶ可能性があります。
7.今後の資金需要について
当社グループの2020年3月期末における現金及び現金同等物の残高は38,672百万円と、前年同期末比6,714百万円の増加となりました。また、当社グループの2020年3月期末における銀行借入残高は27,750百万円と前年同期末比1,000百万円増加し、ファイナンス・リース負債(1年内返済予定を含む)残高は18,063百万円と前年同期末比29百万円増加致しました。当連結会計年度においてIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務は34,591百万円でありました。
当社グループは、今後もネットワーク設備、クラウドコンピューティングサービス関連設備、バックオフィス関連設備等の維持、更新及び拡張に関わる投資及び費用、サービス開発及び運営並びに事業開発に関わる投資及び費用、自社データセンター建設に関わる投資及び費用、人員拡大に伴うオフィススペース拡張等に関わる投資及び費用、事業拡大に伴う運転資金の増加、グループ事業拡大のための投融資及びM&A取引等に資金を投下していくと想定しております。当社グループは、通信機器等の購入は、リース取引による調達を主体としております。事業環境の変化に起因して、当社グループの事業において想定を上回る資金需要が生じる可能性があり、今後のリース取引を含む資金調達について、当社グループにとって好ましい条件で実行できる保証はなく、それが当社グループの事業進展の制約要因となる可能性があります。
8.株式の希薄化について
当社は、2013年7月に公募増資にて4,700千株、2013年8月に公募増資に関連したオーバーアロットメントによる売出しにかかる第三者割当増資にて700千株の新株を発行致しました。今後も、将来の戦略的M&Aや大規模事業投資等を目的とした資金需要に応じて、新株、新株予約権付社債又は新株予約権等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。
当社は、当社の取締役(非常勤取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員に対して、各々の退職慰労金及び退職金の代替として、新株予約権方式による株式報酬型ストックオプション制度を導入しております。当該新株予約権の概要は、後記の「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載の通りであります。
当社は、2020年6月に当社の取締役(非常勤取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員に対し、賞与等の現金支給の一部に変えて譲渡制限付株式を割当し、今後も業績に応じて実施する可能性があります。当該スキームの概要は、後記の「第一部 企業情報 第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等 ①役員の報酬等の額又はその算定方式の決定に関する方針」に記載の通りであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の連結業績の概要
当連結会計年度におけるわが国の景気は、期中は緩やかな回復基調が継続したものの、3月に新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に下押しされ厳しい状況となりました。先行きにつきましては、感染症の影響による厳しい状況が続くと見込まれ、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに注意し、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループが係わる法人ICT関連市場では、そのような景気環境下においても、クラウドコンピューティングの普及を始めとする企業情報システムの変化、企業活動におけるIoT等のICT利活用の進展、情報漏洩等に対応するセキュリティ需要や働き方改革他に関連するリモートアクセス需要の高まり等を背景に、信頼性の高いネットワークサービスへの需要は継続すると想定しております。一方、一時売上であるシステム構築等につきましては、景気影響による企業の支出抑制等で短期的な需要減退もあろうと想定しております。
このような市場環境のなか、当社グループは、当連結会計年度において、インターネットに係わる技術力と優良法人顧客基盤を基に、信頼性及び付加価値の高いサービスを開発のうえ提供し、企業の情報ネットワークシステムに関連するアウトソーシング需要を取り込むとの従来からの戦略を推進いたしました。主として、インターネット接続サービス、セキュリティ関連サービスを含むアウトソーシングサービス及びクラウドコンピューティング関連サービス等のストック売上(*)が好調に推移し、売上高総額は、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となり、営業利益は、ネットワークサービス及びシステムインテグレーション各々の粗利増加が販売管理費の増加を吸収し、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。
当連結会計年度の事業概況につきましては、ネットワークサービスにおいて、法人向けインターネット接続サービスは、ネットワークインフラストラクチャーを継続拡張しながら増加する通信トラフィックを取り込み、安定的に増収しました。モバイル関連サービスは、主として監視カメラやセンサー接続等の法人向け案件が順調で、モバイル関連総売上高は前年の419.6億円から460.9億円へと増加いたしました。MVNE戦略等による個人向け回線の獲得も進め、モバイル提供回線総数は302.9万回線(前年同期末より28.5万回線増加)となりました。そのうち、フルMVNO関連サービスの売上高は、公共施設や工場等での様々な端末やデバイス等のIoT接続に加え組み込み型チップSIMの提供も開始し、14.1億円(前年同期6.6億円)へと伸長しました。IoT関連では多様な商談が活況で、製造業や農業でのセンサーによる遠隔監視やリモートメンテナンス等の案件も積み上げました。セキュリティ関連では、ゲートウェイ型セキュリティサービス(*)やSOCサービス(*)等の既存サービス群が高増収を牽引し、「IIJマネージドWAFサービス」(*)等の新たなサービスも追加し、セキュリティ関連月額サービスの売上高は163.5億円(前年同期141.1億円)、システム構築を含めたセキュリティ関連総売上高は191.8億円(前年同期167.7億円)となりました。 システムインテグレーションにおいては、企業のシステム需要は旺盛で、システム構築売上高は前年同期比14.7%増、システム運用保守売上高は前年同期比11.1%増となりました。システム運用保守に一部含まれるクラウドコンピューティング関連サービスは、企業内システムの継続的なクラウド移行需要に対応しながら他社クラウド連携とのマルチクラウド戦略を進め、クラウド関連サービス売上高は235.8億円(前年同期201.3億円)へと増加いたしました。設備面では、増大するデジタルデータ需要に備え、期初にシステムモジュール型の「白井データセンターキャンパス」の稼働を開始しサーバーラックを順次拡大いたしました。分散する東日本地区のデータセンター及びサービス設備基盤の集約を順次進めてまいります。国際事業は、米国及び欧州拠点が利益を牽引し、立ち上げ途上のアジア各拠点の伸長もあり、売上高85.5億円、営業利益2.5億円(前年同期各々77.2億円及び0.9億円)となりました。新規事業においては、デジタル通貨を扱う持分法適用関連会社㈱ディーカレットが、4月に暗号資産現物取引サービス、8月に証拠金取引サービスを開始いたしました。配信事業では、民放各局との合弁の持分法適用関連会社JOCDN㈱が、㈱WOWOW及び日本放送協会(NHK)への第三者割当増資を実施し事業基盤を強化いたしました。ヘルスケア事業では、医療介護情報共有プラットフォーム「IIJ電子@連絡帳サービス」(*)を愛知県中心に61自治体へ導入し、全国への展開を推進しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、ネットワークサービス売上高は、前年同期比2.8%増の121,999百万円(前年同期 118,626百万円)、システムインテグレーション売上高(機器販売を含む)は、前年同期比12.5%増の78,394百万円(前年同期 69,652百万円)、ATM運営事業売上高は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となりました。売上原価につきまして、ネットワークサービス売上原価は、前年同期比0.8%増の102,092百万円(前年同期 101,257 百万円)、システムインテグレーション売上原価(機器販売を含む)は、前年同期比12.9%増の67,584百万円(前年同期 59,872百万円)、ATM運営事業売上原価は、前年同期比5.3%減の2,204百万円(前年同期 2,326百万円)となり、売上原価総額は前年同期比5.2%増の171,880百万円(前年同期 163,455百万円)となりました。売上総利益につきまして、ネットワークサービス売上総利益は、前年同期比14.6%増の19,907百万円(前年同期 17,369 百万円)、機器販売を含むシステムインテグレーション売上総利益は、前年同期比10.5%増の10,810百万円(前年同期 9,780百万円)、ATM運営事業売上総利益は、前年同期比2.9%増の1,877百万円(前年同期 1,825百万円)となり、売上総利益総額は前年同期比12.5%増の32,594百万円(前年同期 28,974百万円)となりました。売上総利益率は15.9%(前年同期 15.1%)となりました。販売管理費等(販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益及びその他の費用)は、前年同期比6.2%増の24,369百万円(前年同期 22,952百万円)となりました。これらより、当連結会計年度における営業利益は、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。税引前利益は、前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上収益は、前年同期比6.4%増の200,679百万円(前年同期 188,634百万円)となり、営業利益は前年同期比46.3%増の6,729百万円(前年同期 4,599百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上収益は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となり、営業利益は前年同期比1.4%増の1,645百万円(前年同期 1,623百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比39,235百万円増加し、206,524百万円(前連結会計年度末 167,289百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、現金及び現金同等物、前払費用及びその他の金融資産の増加、営業債権及び棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末比7,619百万円増加の86,590百万円となりました。非流動資産は、IFRS第16号の適用により認識した使用権資産の増加及びその他の投資の売却による減少等により、前連結会計年度末比31,616百万円増加の119,934百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、IFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに係るその他の金融負債の増加、借入金及び未払法人所得税の増加、営業債務及びその他の債務の減少等により、前連結会計年度末比12,782百万円増加の65,687百万円となりました。非流動負債は、IFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに係るその他の金融負債の増加、1年以内返済予定の借入金の流動負債への振替等により、前連結会計年度末比23,515百万円増加の60,780百万円となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比2,804百万円増加の79,076百万円(前連結会計年度末76,271百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は38.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、38,672百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益7,159百万円、減価償却費及び償却費28,520百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費12,207百万円)に対して、営業債務の減少、契約負債の増加等で営業資産及び負債の増減にて909百万円の支出となり、法人所得税の支払い2,611百万円等もあり、33,394百万円の収入(前連結会計年度 25,152百万円の収入)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,197百万円の支出、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,642百万円の支出、その他の投資の売却による収入2,750百万円等があり、7,265百万円の支出(前連結会計年度 8,688百万円の支出)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,500百万円、その他の金融負債の支払い20,556百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円)等により、19,354百万円の支出(前連結会計年度5,890百万円の支出)となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、以下のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.当社グループは、ネットワークサービス並びにATM運営事業において生産を行っておりませんので、これらに係る生産実績の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
当連結会計年度における受注実績及び受注残高は、以下のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.当社グループは、ネットワークサービス及びATM運営事業において受注生産を行っておりませんので、これらに係る受注実績及び受注残高の記載事項はありません。なお、各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
当連結会計年度における役務区分別の販売実績は、以下のとおりであります。
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前年同期比の欄の%表示は、対前期比での増減率を記載しております。
3.各役務と事業セグメントの関連につきましては、本書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照下さい。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(IFRS)に準拠して作成しております。
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。
これらの見積及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告期間の末日現在において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。
しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
詳しくは、後記の連結財務諸表の注記をご参照ください。
(2) 当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)の経営成績の分析
<主要な連結経営指標>
(注)1.システムインテグレーションには機器販売を含んでおります。
2.販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)、その他の収益、その他の費用の合計額を記載しております。
<セグメント情報>
当連結会計年度における当社グループの売上収益(売上高)は、法人向けストック売上高の積み上げ、MVNE等によるモバイル関連サービス売上高の伸長、システムインテグレーションの継続増収等により、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となりました。
営業利益につきましては、各サービスの粗利増加が販売管理費等の増加を吸収し、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となり、税引前利益は前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
セグメント別では、当連結会計年度のネットワークサービス及びシステムインテグレーション(SI)事業の売上収益は、前年同期比6.4%増の200,679百万円(前年同期 188,634百万円)となり、営業利益は前年同期比46.3%増の6,729百万円(前年同期 4,599百万円)となりました。当連結会計年度のATM運営事業の売上収益は、前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となり、営業利益は前年同期比1.4%増の1,645百万円(前年同期 1,623百万円)となりました。
当社グループの売上の大部分がネットワークサービス及びSI事業からのものであるため、役務別の分析により記載しております。
ⅰ)売上収益
当連結会計年度における売上収益は、前年同期比6.3%増の204,474百万円(前年同期 192,430百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上高>
法人向けインターネット接続サービスの売上高は、MVNE及びフルMVNO設備を活用したIoT関連等のモバイル関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比10.4%増の36,635百万円(前年同期 33,186百万円)となりました。
個人向けインターネット接続サービスの売上高は、個人向けモバイルサービス売上高の増加等により、前年同期比3.3%増の26,055百万円(前年同期 25,234百万円)となりました。
WANサービスの売上高は、多拠点専用線接続の法人大口顧客のモバイル接続への移行等があり、前年同期比13.0%減の26,972百万円(前年同期 30,991百万円)となりました。
アウトソーシングサービスの売上高は、セキュリティ関連サービス売上高の増加等があり、前年同期比10.7%増の32,337百万円(前年同期 29,215百万円)となりました。
これらの結果、ネットワークサービス売上高は、前年同期比2.8%増の121,999百万円(前年同期 118,626百万円)となりました。
ネットワークサービス売上高の内訳、法人向け及び個人向けインターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域は、各々以下のとおりであります。
<ネットワークサービス売上高の内訳>
<インターネット接続サービス契約数及び回線数の内訳並びに法人向けインターネット接続サービスの契約総帯域(注)2>
(注)1.IPサービスには、データセンター接続サービスを含めております。
2.法人向けインターネット接続サービス及び個人向けインターネット接続サービスの内訳において、「IIJモバイルサービス(法人向け)」及び「IIJ提供分」は回線数を表示しており、それ以外は契約件数を表示しております。
3.法人向けインターネット接続サービスのうち、IPサービス、インターネットデータセンター接続サービス及びブロードバンド対応型サービス各々の契約数と契約帯域を乗じることにより算出しております。
4.当社グループは、2019年3月期の有価証券報告書からIFRSを適用しており、連結財務諸表における海外子会社の財務数値の報告期間が、従来採用していた米国基準における期間と異なっております。これに伴い、上記に含まれる、海外子会社における契約数及び契約帯域数につきましても、従前の開示数値と異なる数値となっております。
<システムインテグレーション売上高>
システム構築及び機器販売による一時的な売上高は、システム構築案件の継続獲得等により、前年同期比14.7%増の31,976百万円(前年同期 27,882百万円)となりました。システム運用保守による継続的な売上高は、案件の継続積み上げ及びプライベートクラウドサービスの売上増加等があり、前年同期比11.1%増の46,418百万円(前年同期 41,770百万円)となりました。これらの結果、システムインテグレーション(含む機器販売)の売上高は、前年同期比12.5%増の78,394百万円(前年同期 69,652百万円)となりました。
当連結会計年度のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注は、前年同期比11.9%増の83,143百万円(前年同期 74,302百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注は前年同期比9.3%増の31,643百万円(前年同期 28,955百万円)、システム運用保守に関する受注は前年同期比13.6%増の51,500百万円(前年同期 45,347百万円)でありました。
当連結会計年度末のシステムインテグレーション(含む機器販売)の受注残高は、前年同期末比9.3%増の55,864百万円(前年同期末 51,115百万円)となりました。このうち、システム構築及び機器販売に関する受注残高は、前年同期末比4.2%減の7,507百万円(前年同期末 7,840百万円)、システム運用保守に関する受注残高は前年同期末比11.7%増の48,357百万円(前年同期末 43,275百万円)でありました。
<ATM運営事業売上高>
ATM運営事業売上高は、銀行ATM利用件数に応じた利用料金とATM設置に関わる月額収入があり、利用件数の変動等で前年同期比1.7%減の4,081百万円(前年同期 4,152百万円)となりました。
ⅱ)売上原価
当連結会計年度における売上原価は、前年同期比5.2%増の171,880百万円(前年同期 163,455百万円)となりました。
<ネットワークサービス売上原価>
ネットワークサービスの売上原価は、モバイル関連サービス売上高の増加等に伴う外注関連費用の増加等及びWANサービス売上高の減少等に伴う回線関連費用の減少等があり、前年同期比0.8%増の102,092百万円(前年同期 101,257百万円)となりました。㈱NTTドコモ他のモバイルインフラストラクチャーの利用に関するモバイル接続料につきましては、総務省の定める接続料見直しのルールにより毎年帯域当たり単価が低減しており、2018年度及び2019年度の利用帯域に係わる㈱NTTドコモの接続料単価は、2020年3月に前年単価比6.0%低減との通知を受け確定いたしました。当社は、当第3四半期まで8%低減との合理的算定による想定値で費用計上していたところ、当第4四半期に当該差分等による3.5億円の追加費用の計上がありました。ネットワークサービスの売上総利益は、前年同期比14.6%増の19,907百万円(前年同期 17,369百万円)となりました。ネットワークサービスの売上総利益率は16.3%(前年同期 14.6%)となりました。
<システムインテグレーション売上原価>
システムインテグレーション(含む機器販売)の売上原価は、売上増加に伴う設備関連費用の増加及び仕入の増加等があり、前年同期比12.9%増の67,584百万円(前年同期 59,872百万円)となりました。機器販売を含むシステムインテグレーションの売上総利益は、前年同期比10.5%増の10,810百万円(前年同期 9,780百万円)となり、売上総利益率は13.8%(前年同期 14.0%)となりました。
<ATM運営事業売上原価>
ATM運営事業売上原価は、前年同期比5.3%減の2,204百万円(前年同期 2,326百万円)となりました。売上総利益は、1,877百万円(前年同期 1,825百万円)となり、売上総利益率は46.0%(前年同期 44.0%)となりました。
ⅲ)販売管理費等
当連結会計年度における販売費及び一般管理費(含む研究開発費)は、人件費及び外注関連費用の増加等があり、前年同期比6.3%増の24,076百万円(前年同期 22,652百万円)となりました。
その他の収益は223百万円(前年同期 47百万円)となりました。その他の費用は主として固定資産除却損により516百万円(前年同期 347百万円)となりました。
ⅳ)営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前年同期比36.6%増の8,225百万円(前年同期 6,023百万円)となりました。
ⅴ)金融収益、金融費用及び持分法による投資損益
当連結会計年度における金融収益は、ファンド等の金融資産評価益128百万円(前年同期 399百万円)及び受取配当金95百万円(前年同期 87百万円)等により、350百万円(前年同期 570百万円)となりました。
当連結会計年度における金融費用は、支払利息583百万円(前年同期 430百万円)等により、610百万円(前年同期 432百万円)となりました。
当連結会計年度における持分法による投資損益は、㈱ディーカレットの持分法投資損失1,005百万円等があり、806百万円の損失(前年同期 318百万円の損失)となりました。
ⅵ)税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、前年同期比22.5%増の7,159百万円(前年同期 5,843百万円)となりました。
ⅶ)当期利益
当連結会計年度における法人所得税費用は、2,965百万円の費用(前年同期 2,144百万円の費用)となりました。この結果、当連結会計年度における当期利益は、前年同期比13.4%増の4,194百万円(前年同期 3,699百万円)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、㈱トラストネットワークスに係る利益等により187百万円(前年同期 178百万円)となりました。この結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属す当期利益は、前年同期比13.8%増の4,007百万円(前年同期 3,521百万円)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比39,235百万円増加し、206,524百万円(前連結会計年度末 167,289百万円)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末比7,619百万円増加の86,590百万円(前連結会計年度末 78,971百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、現金及び現金同等物6,714百万円増加の38,672百万円、営業債権393百万円減少の32,982百万円、棚卸資産927百万円減少の2,476百万円、前払費用1,174百万円増加の9,697百万円及びその他の金融資産1,090百万円増加の2,671百万円でありました。
当連結会計年度末における非流動資産は、前連結会計年度末比31,616百万円増加の119,934百万円(前連結会計年度末 88,318百万円)となりました。IFRS第16号の適用により新規に認識した使用権資産は事務所及びデータセンター等の賃借契約に係るオペレーティング・リースに関する34,477百万円(増加)及びファイナンス・リースに関する16,084百万円(主として前期末の有形固定資産及び無形資産からの振替)でありました。その他の投資は上場株式の売却等による2,216百万円の減少により9,187百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比12,782百万円増加の65,687百万円(前連結会計年度末 52,904百万円)となりました。主な増減及び残高の内訳は、営業債務及びその他の債務3,675百万円減少の18,288百万円、借入金2,830百万円の増加(うち短期借入金による調達2,500百万円、1年内返済予定の長期借入金の返済1,500百万円及び非流動負債からの振替1,830百万円)の15,580百万円、その他の金融負債はIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務の増加10,008百万円等により10,814百万円増加の17,845百万円となりました。
当連結会計年度末における非流動負債は、前連結会計年度末比23,515百万円増加の60,780百万円(前連結会計年度末 37,265百万円)となり、主な増減及び残高の内訳は、 借入金1,830百万円の流動負債への振替にて12,170百万円、その他の金融負債はIFRS第16号の適用により認識したオペレーティング・リースに関する債務の増加24,584百万円等により24,154百万円増加の36,306百万円となりました。
当連結会計年度末における親会社の所有者に帰属する持分の額は、前連結会計年度末比2,804百万円増加の79,076百万円(前連結会計年度末 76,271百万円)、親会社の所有者に帰属する持分比率は38.3%となりました。
当社グループの資金需要のうち主なものは、ネットワークの構築と拡張、社内システムへの投資、クラウドコンピューティングサービス推進に伴う投資、データセンター等の施設設備に対する賃借料及び投資(土地取得含む)、ネットワークサービス原価及びシステムインテグレーション仕入等に伴う増加運転資金、当社グループ会社等に対する投融資、国際事業推進に伴う投資、販売活動及び運転資金等であります。こうした必要資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、銀行からの借入金並びにファイナンス・リース契約等で調達されております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、38,672百万円(前年同期末 31,958百万円)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益7,159百万円、減価償却費及び償却費28,520百万円(うちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る使用権資産の減価償却費12,207百万円)に対して、前期に計上した営業債務等の当期における支払、ソフトウェアライセンスや機器等保守費の一括前払い等による前払費用等の支払が営業債権・繰延収益等の収入を上回り、営業資産及び負債の増減にて909百万円の支出となり、また、法人所得税の支払い2,611百万円等もあり、33,394百万円の収入(前年同期 25,152百万円の収入)となりました。
前期比較においては、IFRS第16号の適用によりオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円が財務活動の支出となったことによる改善が、営業資産及び負債の増減影響による7,752百万円の支出の増加(主として営業債務等の支払増加)を上回り、キャッシュ・フローを伴う損益の改善等の影響もあり8,241百万円の収入の増加となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による7,197百万円の支出(前年同期 7,080百万円の支出)、ソフトウェア等の無形資産の取得による4,642百万円の支出(前年同期 5,400百万円の支出)、その他の投資(株式等)の売却による収入2,750百万円等があり、7,265百万円の支出(前年同期 8,688百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金による調達2,500百万円、その他の金融負債の支払20,556百万円(前年同期 7,322百万円の支払。支出の増加のうちIFRS第16号の適用によるオペレーティング・リースに係る支払12,141百万円)等があり、19,354百万円の支出(前年同期 5,890百万円の支出)となりました。
当社グループの主要取引銀行は、㈱三菱UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行及び三井住友信託銀行㈱であります。
当社グループの当連結会計年度末現在における短期借入金の残高は13,750百万円でありました。当社グループは、主要取引銀行を含む邦銀各行との間にて当座借越契約を締結しており、当連結会計年度末現在において、その未使用残高合計は7,900百万円でありました。また、当社グループの当連結会計年度末現在における長期借入金残高は14,000百万円でありました。
当社グループは、ファイナンス・リース契約により調達したデータ通信及びその他の設備を利用してインターネット接続サービス及びその他のインターネット関連サービスを行っております。当連結会計年度末現在のファイナンス・リース負債の現在価値は18,063百万円であります。
(5) 新型コロナウイルス感染症の影響について
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローへの影響は軽微でありましたが、2021年3月期において短期的に新型コロナウイルス感染症の影響が生じようと想定しております。詳細は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 対処すべき課題」をご参照下さい。
本書提出日現在、記載すべき経営上の重要な契約はありません。
当社グループは、連結子会社である㈱IIJイノベーションインスティテュートを基礎技術研究の中核として、当社の事業部門等と連携を取りながら様々な研究開発に取り組んでおります。
インターネットに関する基礎技術については、主として、インターネットトラフィックの調査、計測及び解析、インターネット基盤技術に関する研究及びセキュリティに関する研究など幅広い活動を行いました。インターネットトラフィックの調査、計測及び解析においては、2004年から総務省及び他ISPと協力して国内インターネットのトラフィック量を把握するための調査及びその動向報告を継続的に行っており、直近では、新型コロナウイルス感染拡大に伴うインターネットトラフィックへの影響に関するレポートが高い評価を得ております。この研究は、当社にとってネットワーク設計等を検討していくうえで有用であるだけでなく、国際的にも貴重な研究成果として認知されており、情報通信業界へ広く貢献する研究と認識しております。インターネット基盤技術については、ますます大規模化、高速化するインターネットをより効率的に運用できるよう調査及び解析を行い、インターネットで利用されるプロトコルの標準化、運用管理の自動化等の研究を行いました。セキュリティについては、SOC(Security Operation Center)にて集積しているログを用いた早期警戒システムの設計、機械学習及びバイナリ解析技術を基に攻撃に繋がる可能性のある動きを事前に捉える技術の研究等を行いました。
当社は、当連結会計年度において、事業部門においても、事業活動と並行して、新サービスの開発、モバイルサービスの機能追加、eSIM及びSoftSIM(*)等のフルMVNOサービスの開発、各種PoC(*)案件推進によるIoT関連サービスの開発、セキュリティ技術の評価、検討、サービス開発及び機能追加、クラウドコンピューティングサービスの機能追加、事業に必要な関連ソフトウェアの評価、検討、開発、改良及び実装、通信機器の評価及び検討、次世代システムインフラの開発、ネットワーク運用技術の評価、検討及び開発等の研究開発活動を行いました。
当社は、インターネット技術の標準化団体といえるISOC(*)及びIETF(*)、国際連合の専門機関ITU(*)の電気通信標準化部門であるITU-T(*)、セキュリティに関する国際組織FIRST(*)、日本のインターネット技術者及び利用者への貢献を目的としてインターネットにおける技術的事項及びそれに係るオペレーションに関する事項の議論、検討及び紹介等を行うJANOG(*)、日本の情報通信分野の安全の確保を目的として活動するICT-ISAC(*)、クラウドコンピューティングを重要な社会インフラとして普及・発展させることを目的として活動するASPIC(*)等の国内外のインターネット・通信関連技術団体に加盟及び参加しており、ネットワーク関連技術の発展に積極的に取り組んでおります。
インターネットは、通信手順を一般に公開し共通化することにより普及してきたという経緯があります。当社グループは、インターネットを含むデータ通信等に関わる研究開発において、個別に多額の予算を注ぎ込んで独自の技術を新規開発するというよりも、基礎技術の標準化過程への参画、次世代の技術情報の収集、評価及び習得、新技術の既存サービスへの応用及び実装、所与の技術による付加価値の高いサービス及びプロダクトの創出及び開発等が重要であると認識しており、主としてそのような研究開発活動を推進しております。
当社グループの研究開発は上述のような内容であり、その費用の殆どは人件費であります。当社グループは、主として基礎技術研究に従事した人員に関する人件費等を研究開発費として計上し、サービス開発等に関する費用は原価計上しております。当連結会計年度における研究開発費は、ネットワークサービス及びSI事業にかかるものであり、前年同期比1.9%減の