第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更および追加があった事項は以下のとおりです。

 

(端末レンタル取引における信用リスク)

当社は、法人向けにスマートフォン等の端末レンタルサービスを提供しておりますが、取引先の信用状況の急変や管理不十分な利用実態等により、貸与端末の未返却や利用料金の未回収といったリスクが生じる可能性があります。このような事態を防ぐため、当社では賠償義務条項および連帯保証制度の導入、与信審査体制の強化等、防止策を講じておりますが、将来的に上記の事象が完全に排除される保証はなく、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

当社は、新型コロナウイルス感染症の影響による調達難等により2022年4月期に営業損失を計上し、その後も継続して営業損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

しかしながら、これまでの調達力強化や販売チャネル拡充の施策を通じて、当社のリユース関連事業は着実に拡大しており、当中間会計期間においては売上高2,920百万円(前年同期2,626百万円)となりました。また、同期間において戦略的に整理を進めた在庫の放出により、営業活動によるキャッシュ・フローは376百万円(前年同期△250百万円)と大幅に改善いたしました。安定的な黒字体質の確立に向けた改革は着々と進展しており、当期下半期は営業黒字を見込んでおります。また、資金面におきましても十分な流動性を確保しており、今後の資金繰り見通しについても安定して推移することが見込まれ、引き続き財務基盤は安定しているものと判断しております。

以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績及び財政状態の状況

(経営成績の状況)

当中間会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善傾向にある中で、緩やかな回復基調で推移しております。一方で、米国の通商政策や、物価上昇による消費者マインドの下振れ、金融資本市場の変動等が及ぼす影響に依然として注意が必要な状況が続いております。

当社の主な事業分野である携帯電話業界におきましては、円安や製造コストの上昇に伴い、新品端末の価格高騰が続いております。その一方で、高価な最新機能よりも実用性とコストパフォーマンスを求める需要から、リーズナブルに入手可能なリユースモバイル端末への関心はますます高まっております。リユースモバイル端末は、普及が進む低価格帯の回線サービスとも相性がよく、2台目以降としての利用や法人による利用が増加しており、市場は順調に成長を続けております。今後につきましても、リユースモバイル端末の品質や安全性が認知されていくとともに、市場規模の拡大が加速していくことが見込まれます。

このような事業環境の中、当社は社名の一部でもある「ReYuu(注)」に表現されるコーポレート・アイデンティティに基づき、モバイル端末を中心とするリユース関連事業を事業の柱として、企業価値の向上を目指しております。

当中間会計期間におきましては、リユースモバイル市場の拡大を背景に、販売台数、売上高のいずれも前年同期比で増加いたしました。この成長は、2025年1月30日をもって代表取締役社長に就任した重富崇史を中心とする新経営体制のもと、安定的な黒字体制の確立を目指し、販売促進および調達力強化へと取り組んだ結果、新規顧客の獲得や既存取引先との関係強化により事業基盤が強化されたことによるものです。特にグローバル展開においては、調達と販売の両面で取引体制の構築が進んでおります。また、コスト構造の見直しを実施し、販売費及び一般管理費を289百万円から263百万円へと8.7%削減いたしました。

一方で、在庫の回転率や収益性の向上を目的に、従来保有していた一部棚卸資産について、市況や需要動向を踏まえた戦略的な見直しを行い、当中間会計期間に計画的な放出を実施いたしました。この取り組みにより、短期的には採算に一定の影響を及ぼしたものの、営業活動によるキャッシュ・フローの大幅な改善と、保有在庫の圧縮による財務体質の健全化といった成果も得られております。本対応は、在庫構成の最適化を通じた健全な収益構造の確立を目指すものであり、中長期的には収益力の底上げと、持続的な成長に向けた確かな布石と位置づけております。また、法人向けレンタルサービスにおいて、端末の未返却が発生したため、30百万円の特別損失を計上いたしました。

これらの結果、当中間会計期間における売上高は2,973百万円(前年同期比12.3%増)、営業損失は205百万円(前年同期営業損失9百万円)、経常損失は211百万円(前年同期経常損失16百万円)、中間純損失は242百万円(前年同期中間純損失17百万円)となりました。

 

(注)「ReYuu(リユー)」は、「①『リユー』スの輪を広げる、②選ばれる『理由』がある、③『Re(何度も)』+『Yuu(結う=繋げる)』」という想いを込めた、当社の目指す姿を示すコーポレート・アイデンティティです。

 

事業部門別の状況は次のとおりであります。

当社の事業は、情報通信関連事業の単一セグメントでありますが、業績の状況を事業部門別に記載しております。

 

(リユース関連事業)

当中間会計期間におけるリユース関連事業におきましては、販売・調達の両面で事業基盤の強化に取り組んでまいりました。

卸業者向けの販売につきましては、グローバル市場のハブとなる香港、ドバイをはじめ、リユースモバイルへの需要が旺盛な地域の海外市場開拓に取り組み、ネットワークの強化と海外取引の拡大が進行しております。今後は、為替動向等に応じて国内と海外の販売バランスを柔軟に最適化し、利益の最大化を図ってまいります。

MVNO事業者、携帯販売代理店、小売業者、一般企業といった国内法人向けの販売につきましては、販売・買取・レンタル・商品保証・キッティングを一体化した総合的な端末サービスを強みとして、既存取引先の深耕営業および新規顧客の開拓に取り組み、堅実に取引基盤が拡大しました。

個人向けオンライン販売においては、人件費等のコスト構造の見直しを実施し、利益率を重視した取組みを推進しております。

また、当社は引き続き調達力の強化を重点課題と位置づけており、国内外の仕入先との関係深化に加え、価格競争力のある商材の安定調達に向けた体制整備を進めております。具体的には、海外現地業者との関係強化を通じた安定供給ルートの構築、および法人向けにおける業務端末の買取営業を拡充し、粗利率の改善に取り組んでおります。

これらの結果、売上高2,920百万円(前年同期2,626百万円)、販売台数は92,453台(前年同期68,059台)となりました。

 

(その他の事業)

当中間会計期間におけるその他の事業におきましては、売上高53百万円(前年同期21百万円)となりました。

 

(財政状態の状況)

① 総資産

当中間会計期間末の総資産は、前事業年度末と比べて256百万円減少し、1,631百万円となりました。

これは主に、現金及び預金が248百万円増加したものの、商品が329百万円、売掛金が130百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債

当中間会計期間末の負債は、前事業年度末と比べて13百万円減少し、1,007百万円となりました。

これは主に、買掛金が102百万円増加したものの、短期借入金が99百万円、長期借入金が19百万円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

当中間会計期間末の純資産は、前事業年度末と比べて242百万円減少し、623百万円となりました。

これは、中間純損失242百万円の計上によるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、659百万円となりました。

当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間の営業活動の結果、獲得した資金は376百万円となりました。これは主に、税引前中間純損失241百万円の計上あったものの、棚卸資産の減少額が324百万円、売上債権の減少額が130百万円、仕入債務の増加額が102百万円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間の投資活動の結果、使用した資金は1百万円となりました。これは主に、固定資産の取得による支出が1百万円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間の財務活動の結果、使用した資金は119百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入が394百万円あったものの、短期借入金の返済による支出が293百万円、短期借入金の純減額が200百万円あったことによるものです。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当社は、株式会社ショーケースとの資本業務提携契約について、取締役指名権等に関する条項を削除し、業務提携契約として継続する旨の覚書を締結し、2025年3月25日より改定後の契約内容が適用されております。

相手方の名称

契約内容

契約期間

株式会社

ショーケース

(業務提携)

・同社の「eKYC」に関する技術を利用した当社のオンライン買取サービス、買取プラットフォームおよびAIを利用した自動査定・買取システムの構築および導入

・当社の法人向けレンタルサービスにおけるサブスクリプションモデルの強化

・リユースモバイル事業全体のDX化の推進

期間の定めなし