当事業年度における我が国経済は、企業収益に改善が見られ、安定した雇用情勢を背景に個人消費が堅調に推移するなど、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、足元の急激な円高や新興国を中心とした海外景気の下振れ懸念などを要因として、先行きが不透明な状況となっております。
景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するメモリアルデザインサービス事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するチャレンジングなビジネスであるパーソナルパブリッシングサービス事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場を創造し、夢の実現を目指すエアリアルイメージング事業、それぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。
平成27年7月は当社設立20周年にあたり、これまでお世話になった方々へ感謝の記念行事を開催いたしました。
前事業年度にリリースしました「ギフトネットコム」は、想定どおりにはサービスの受け入れが進まず、残念ながら平成27年10月末をもってサービスを終了いたしました。
セグメント別の概況を示すと、次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。
① メモリアルデザインサービス事業
当事業におきましては、引き続き画像処理の高い技術力や充実した自社サポート体制という強みを生かし、着実に新規顧客を獲得するとともに、既存顧客には、葬儀演出用ツールや額などの商材、Eコマースサービスなどを紹介し、その浸透を図ってまいりました。
新規顧客は堅調に獲得しましたものの、暖冬の影響により葬儀施工件数が例年より減少したため、遺影写真加工収入が微増にとどまりました。一方、サイネージなどの葬儀演出ツールや、額・サプライ品の売上は順調に推移いたしました。
利益面におきましては、経費の適切なコントロールに努めてまいりましたが、相対的に利益率の高い遺影写真加工収入が伸び悩んだため、セグメント利益は想定を下回り、前期比微増にとどまりました。
以上の結果、売上高は2,332,106千円(前期比102.2%)、セグメント利益は764,553千円(前期比101.0%)となりました。
② パーソナルパブリッシングサービス事業
当事業では、国内プロフェッショナル写真市場は「アスカブック」、海外プロフェッショナル写真市場では「AsukaBook」、国内一般消費者市場は「マイブック」ブランドで展開しております。
国内プロフェッショナル写真市場では、自社営業による顧客獲得に加え、展示会の出展や全国デジタルフォトセミナーの開催などにより市場へのさらなる浸透を図ってまいりました。その結果、主力製品である「ZENレイフラット」を中心に売上は堅調に推移いたしました。
国内一般消費者市場では、競争環境が厳しい中、各種キャンペーンやイベント、フォトコンテストなどの企画を積極的に行い、写真愛好家層などデザインや品質を重要視する層を中心に囲い込みに注力してまいりました。また、展示会「CP+」に出展し、サービスの浸透を図ってまいりました。
本事業年度にはOEM供給を本格的に開始し、売上は想定を下回りましたものの、注文は増加しており、一定の成果を上げてまいりました。さらに、平成28年2月には、スマホやタブレットから気軽に発注できる「MYBOOK LIFE」をリリースいたしました。
利益面におきましては、生産効率が向上し、経費も適切にコントロールしたことに加え、会計方針を変更した影響により減価償却費が減少したため、立ち上がり時期のOEM供給についてはまだ採算があっていないものの、セグメント利益は順調に伸長しました。
以上の結果、売上高は2,781,445千円(前期比105.4%)、セグメント利益は543,161千円(前期比110.6%)となりました。
③ エアリアルイメージング事業
当事業は、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指し、平成23年3月に開始しました事業であります。
当事業におきましては、空中結像を可能にするAIプレートの量産化を最重要課題として取り組んでおります。
ガラス製プレートにつきましては、ある程度確立している量産体制における品質の改善、歩留まりの向上、大型プレートの製作に取り組んでまいりました。また、複数の生産ルートを確立すべく試作を進めました。
樹脂製プレートにつきましては、新製法とガラス製の生産方式と同様の手法の双方でトライを継続しております。ガラス製の生産方式と同様の手法での試作品は、小型プレートにはなりますが、品質は向上しており、サンプル販売を開始しております。一方、新製法につきましては、依然として、最大の課題であります鏡面加工(蒸着)の工程におきまして、技術的な解決をしておりません。解決に向けて、さまざまな手法でトライしているところですが、想定以上の時間を要しているのが現実であり、遅くとも平成29年4月期中には、新製法か、ガラス製の生産方式と同様の手法かのどちらかに絞り込む方針であります。
マーケティング面におきましては、平成27年10月に出展したCEATEC以降多くの反響をいただき、さらに約60の企業等への納品をしておりますが、価格面で充分にマッチしていないことや、大型プレートへの要望などにより、限られた用途での売上や小ロットでの売上に留まっております。今後は、これまで引き合いのあった企業への営業を継続するほか、平成28年6月にはデジタルサイネージジャパンに出展し、サイネージ用途でのマーケティングに注力し、中ロットでの受注につなげてまいりたいと考えております。
研究面におきましては、従来より開発に取り組んでおりました再帰反射による視野角拡大型プレートの初期試作が完成し、まだ開発途上ではありますが、デジタルサイネージジャパンに参考出品いたします。また、積極的に特許の申請、取得を進めており、平成28年3月にはパイオニア株式会社より、空中結像に関する特許を取得いたしました。
以上の結果、売上高は58,336千円(前期比103.5%)、セグメント損失は88,845千円(前期は82,108千円の損失)となりました。
④ その他
「ギフトネットコム」は平成27年10月末をもってサービスを終了いたしました。
その結果、粗利ベースでの手数料収入は1,607千円(前期比140.9%)、セグメント損失は16,176千円(前期は94,822千円の損失)となりました。
以上の結果、売上高は5,173,363千円(前期比103.9%)となり、利益面につきましては、OEM供給に伴う先行費用が発生したものの、前事業年度計上しましたギフトネットコムの損失の減少、会計方針の変更に伴う減価償却費の減少等により、経常利益は776,468千円(前期比120.7%)、当期純利益は547,006千円(前期比128.7%)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、設備投資、ソフトウェア開発投資を行うとともに、自己株式の取得を行った一方、確実な利益の計上により営業活動からの資金を順調に獲得した結果、前事業年度末に比べ、207,606千円増加し、1,313,143千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、765,127千円(前事業年度は757,933千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益771,665千円、減価償却費273,401千円を計上した一方、法人税等の支払額として185,452千円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、357,110千円(前事業年度は680,353千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得249,857千円、無形固定資産の取得106,499千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、200,401千円(前事業年度は278,063千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払132,606千円、自己株式の取得91,068千円によるものであります。
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 第20期 (自 平成26年5月1日 至 平成27年4月30日) | 第21期 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) | ||
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) | 生産高(千円) | 前期比(%) |
パーソナルパブリッシングサービス事業 | 1,309,766 | 107.0 | 1,353,149 | 103.3 |
エアリアルイメージング事業 | 36,282 | 115.1 | 70,208 | 193.5 |
その他 | 375 | ― | ― | ― |
合計 | 1,346,423 | 107.2 | 1,423,358 | 105.7 |
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 メモリアルデザインサービス事業は、主に役務提供及び仕入商品の販売であり、生産を伴わないため、生産実績を記載しておりません。
仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 第20期 (自 平成26年5月1日 至 平成27年4月30日) | 第21期 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) | ||
セグメントの名称 | 仕入高(千円) | 前期比(%) | 仕入高(千円) | 前期比(%) |
メモリアルデザインサービス事業 | 466,357 | 98.5 | 512,782 | 110.0 |
パーソナルパブリッシングサービス事業 | 1,267 | 204.0 | ― | ― |
エアリアルイメージング事業 | 190 | ― | ― | ― |
合計 | 467,815 | 98.7 | 512,782 | 109.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
メモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業、エアリアルイメージング事業とも受注実績はありますが、受注から売上計上までが、メモリアルデザインサービス事業においては概ね1日以内、パーソナルパブリッシングサービス事業においては概ね20日以内、エアリアルイメージング事業においては概ね1か月以内であるため、記載を省略しております。
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 第20期 (自 平成26年5月1日 至 平成27年4月30日) | 第21期 (自 平成27年5月1日 至 平成28年4月30日) | ||
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) | 販売高(千円) | 前期比(%) |
メモリアルデザインサービス事業 | 2,282,526 | 102.2 | 2,332,106 | 102.2 |
パーソナルパブリッシングサービス事業 | 2,638,055 | 105.4 | 2,781,312 | 105.4 |
エアリアルイメージング事業 | 56,338 | 193.6 | 58,336 | 103.5 |
その他 | 1,141 | ― | 1,607 | 140.9 |
合計 | 4,978,061 | 104.4 | 5,173,363 | 103.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の見通しとしましては、企業業績の回復など明るい兆しがあるものの、市場における競争環境の激化により楽観できない状況が継続するものと思われます。このような環境のもと、継続して成長していくために、以下の項目を対処すべき課題と認識しております。
(1) エアリアルイメージング事業の収益化
平成23年より開始しましたエアリアルイメージング事業は、そのユニークな技術力、シンプルな構造、利用可能性の広さなどから、展示会やデモンストレーションなどでの評価は高いものの、AIプレートの低コストでの量産化には想定以上の時間を要しており、サンプルとしての販売が多いのが現状です。
さらなる量産化研究を進めることにより、高品質なプレートを適価で提供する体制を整え、市場を開拓し、収益化の実現に向けて努めてまいります。
(2) 既存事業のさらなる成長
従来より展開しておりますメモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも安定した売上、利益を獲得しておりますが、さらなる飛躍を課題として認識しております。
両事業とも、豊富な顧客基盤を生かした新しい製品・サービスの展開や、技術力を生かした新しいマーケットの創出により、さらなる成長を実現してまいります。
(3) 社内体制の充実
会社の成長を実現するためには、強固な社内体制とそれを支える優秀な人材が必要となります。社内体制を強固にするために、コンプライアンスの徹底、リスク管理の強化を図ってまいります。特に、情報セキュリティ対策には注力してまいります。また、社員教育を充実させるとともに、コーポレートサイトやサービスサイトのリニューアルなどにより情報発信力も強化する方針です。
以下において、当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意下さい。
(1) 葬儀施行価格の低下傾向の影響等について
当社のメモリアルデザインサービス事業が対象とする葬儀業界においては、高齢化社会が一段と進行する中でマーケット自体の拡大が見込まれるものの、会葬者の減少により、葬儀施行価格が全般的に低下傾向にあります。当社が取扱う遺影写真等の葬儀施行価格全体に占める割合は相対的に低く、葬儀施行価格の低下の影響は限定的なものと考えており、また、当社では遺影写真自体の高品質化による他社との差別化や葬儀演出関連の新サービスの提案により販売単価の低下を抑制するよう努めております。さらに、画像加工業務の効率化などにより利益率向上にも努めております。しかしながら、このような施策を行ったにもかかわらず、全体的な葬儀施行価格の低下の影響を受け、遺影写真の販売単価の低下が余儀なくされた場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、昨今、お亡くなりになった方を葬儀を行わず直接火葬場へ送る、いわゆる直葬が増加傾向にあり、直葬におきましては遺影写真を作成しないことが多くあります。現在のところ、全体に占める割合は僅少でありますが、将来大きく増加した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 競合の影響について
当社が、メモリアルデザインサービス事業において主として行っている、遺影写真等画像のデジタル加工、通信出力サービスは、当社が独自に他社に先駆けて開発したものであり、長年培ってきた技術やノウハウによって高い品質を維持するとともに、全国的な自社サポート拠点の設置による安定的なサービス供給体制を構築しており、他社の追随を許さないものとなっております。当サービスにおきましては、全体の遺影写真に対する、フルリモートコントロールによる通信出力を活用したデジタル画像加工が占める割合は現在のところまだ相対的に低く、今後とも同方法への切り替え需要が見込めるものと思われます。現在のところ、当社と類似したサービスを提供している会社はありますが、品質、サポート体制、顧客基盤、新サービス開発力において当社に優位性があるものと認識しております。従いまして、当事業を推進していくうえで、他社との競合が激化するような可能性は低いものと考えておりますが、将来において、新たな技術、手法による遺影写真等の画像加工サービスが開発され、当社が提供するサービスに置き換わるような事象が生じた場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、パーソナルパブリッシングサービス事業において提供しております、高品質なオンデマンド写真印刷による、少ロット、低価格の個人向け写真集の作製は、メモリアルデザインサービス事業で蓄積してきた高い画像処理ノウハウや、高度なカラーマネジメント技術、特殊印刷機制御技術など広範囲にわたる技術やノウハウを基として確立した事業であります。当社と同様の事業を行う会社は存在しますが、品質、営業・サポート体制、顧客基盤、新製品開発力において当社に優位性があるものと認識しております。しかしながら将来において、技術開発とマーケティングの両面において能力の高い企業が市場に参入し、競争の激化によって当社の優位性が失われた場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) システム障害について
当社の事業はインターネットなど通信ネットワークを利用しているため、地震や水害等の自然災害、火災・電力供給の停止等の事故あるいはコンピューターウィルス等の外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入等により、通信ネットワークの切断、ネットワーク機器等の作動不能や誤作動等の事態が生じた場合に、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、このようなリスクを回避するため、自動バックアップシステムの構築や、緊急時のシステム対応の徹底、自家発電設備の導入等、対策を講じておりますが、このような対策にもかかわらず何らかの要因でシステムに障害が発生した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(4) 顧客情報や顧客資産の管理について
当社は、写真画像の加工や写真集作製のサービス提供を行っており、この過程において顧客情報を取扱うことになります。また、サービスによってはネガフィルムなど顧客資産を預かることになります。
そうした顧客情報の機密保持につきましては、情報を取扱うデータベースへのパスワードによるアクセス制御等セキュリティ対策を整えるほか、徹底した社員へのモラル教育実施や内部監査の強化などを行うことで、当社内部からの漏洩防止に努めるとともに、個人情報に関してはプライバシーマークを取得するなど管理体制を整備しております。また、顧客資産の管理につきましては、管理手法の徹底、教育、付保などの対策を講じております。こうした対策にもかかわらず、不測の事態により顧客情報の漏洩または顧客資産の紛失が発生した場合、当社の社会的信用の低下や賠償の支払などにより、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) サービスの展開について
当社は、新しい写真文化の創造を目指して、常に他社に先駆けて積極的に新サービスを展開する方針であります。新サービスの展開にあたっては、当社において研究開発やシステム開発を行う必要があり、当該開発が様々な要因により時間を要して対応が遅れた場合や、必ずしも当初の想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、開発が想定どおりに進捗した場合であっても、販売網の構築や新サービスの認知に時間がかかることや顧客ニーズに十分応えることができないなどの原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) エアリアルイメージング事業について
当社は、映像画像の新しい表現方法として、空中結像技術を取得し、エアリアルイメージング事業として、事業を開始しました。非常に斬新でユニークな技術であるがゆえに、さらなる技術開発に想定より時間がかかったり、コストがかかる可能性があります。また、空中結像を可能にする反射パネルの試作化には成功しており、これから量産化研究を進めますが、量産化が想定通り進まない可能性があります。マーケティングが上手く行えなかったり、販売パートナーの開拓や製品・技術の認知に時間がかかったり、顧客ニーズに十分応えることができない可能性があります。これらの原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当技術は、高照度、高精細、高い飛び出し距離など優位性を持っておりますが、当技術より優れた技術が出現し、当技術が陳腐化する等の原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外での事業展開の進捗について
当社は、特にパーソナルパブリッシングサービス事業においては、新しい写真文化の創造を目指して、アメリカなど海外に事業を展開する方針であります。海外への事業展開にあたっては、文化、言語、習慣の違いなどからマーケティングに想定以上の時間がかかったり、適切な代理店網の構築が十分にできないことやサービスの認知に想定以上の時間がかかるなどの原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 販売代理店との関係について
当社は、海外におけるパーソナルパブリッシングサービス事業の展開においては、各エリアごとに販売代理店を設置し、販売代理店と協働して市場の拡大を図っております。現時点では、販売代理店と友好的かつ安定的な関係を維持しておりますが、今後何らかの理由により有力な販売代理店との関係が悪化した場合、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 為替変動の影響について
当社は、特にパーソナルパブリッシングサービス事業においては、新しい写真文化の創造を目指して、アメリカなど海外に事業を展開する方針であり、海外向け売上も一定の規模があります。海外向け売上は外貨建て取引が中心であり、急激な円高となった場合は、海外向け売上の採算が悪化し、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 知的財産権について
当社は、積極的に特許権、商標権等の出願を行い、知的財産権の保全を図っていく方針でありますが、これらの登録出願が認められない可能性があり、そのような場合には当社の今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の知的財産権が侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用が発生するなど、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社ではこれまで知的財産権に関しての侵害訴訟等を提起されておりません。しかしながら、当社の事業分野における知的財産権の現況を完全に把握することは非常に困難であり、当社が把握できないところで知的財産権を侵害している可能性は否定できません。また、今後当社の事業分野における第三者の特許権など知的財産権が新たに成立し、損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性があり、そのような場合には当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 生産能力の集中について
当社は、メモリアルデザインサービス事業の生産能力の約3分の2、パーソナルパブリッシングサービス事業の生産能力のほとんどが広島県広島市の本社及びその周辺に集中しております。これは生産能力の集中による生産設備の高稼動や、効率的な生産体制の構築、生産人員の教育の容易さなど集中させているメリットが十分にあると判断しているためであります。メモリアルデザインサービス事業では、オペレーションセンターを国内3か所(広島・千葉・滋賀)に分けて設置するなど、そのリスクを分散すべく対策をとっておりますが、地震や水害等の自然災害、火災・電力供給の停止等の事故、物流網の障害などが生じた場合、製品・サービスの供給が滞り、当社の業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 代表取締役社長への依存について
当社の代表取締役社長である福田幸雄は、当社の創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめとして、当社の事業推進において重要な役割を果たしております。
このため、当社では同氏に対する過度な依存を回避するよう、権限の委譲などにより経営リスクの軽減を図るとともに、他の経営陣の育成に努めるなど経営体制の構築に努めておりますが、同氏が何らかの理由により業務遂行に支障を来たすような事態となった場合、当社の業績や事業の推進に影響を与える可能性があります。
(13) 小規模組織であることについて
当社は、平成28年4月末現在、取締役4名、監査役3名並びに従業員317名と規模が比較的小さく、社内管理体制もこの規模に応じたものになっております。今後につきましては、事業拡大に伴い人員増強を図り、社内管理体制もあわせて強化・充実させていく方針でありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応が出来なかった場合は、結果として当社の事業遂行及び拡大に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、小規模な組織であるため、業務を特定の個人に依存している場合があります。今後、さらなる権限委譲や業務の定型化、代替人員の確保・育成などを進める予定でありますが、特定の役職員の社外流出などにより、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(14) 役員退職慰労金について
当社では、役員退職慰労金については在任期間の経過ではなく、在任中の功労に応じて支給する方針のため、会社の業績動向により、その金額は減額されたり、場合によっては支払われないこともあります。従いまして、支給金額の上限の目安となる算定基準は設けているものの、支給見込額の合理的予測は困難であり、引当金を計上しておりませんが、役員が退任し、費用負担が発生した場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当事業年度の研究開発活動は、デジタル技術を応用したネットワーク型情報社会が確立していく中、当社の強みである画像処理技術や写真印刷技術を生かした新製品の開発及び新市場の開拓に積極的に取り組んでおります。ネットワーク型情報社会では、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク技術、画像処理技術、組版技術、写真印刷技術、製本技術など専門分野が細分化しており、当社は画像処理技術及び写真印刷技術の研究をメインとし、各専門分野のエキスパートと情報交換、技術協力により、新たなサービスの企画開発を行っております。また、新しい映像画像の表現方法として、空中結像技術を取得し、さらなる研究開発を進めております。
研究開発体制としましては、メモリアルデザインサービス事業とパーソナルパブリッシングサービス事業につきましては、システム開発グループが中心となり、両事業部門と密接に連携することにより、効率的な研究開発活動を行っております。また、エアリアルイメージング事業につきましては、AI事業開発室が研究開発活動を行っております。
当事業年度の研究開発費の総額は101,773千円となっております。メモリアルデザインサービス事業とパーソナルパブリッシングサービス事業は共有の研究開発も行っているため、研究開発費は、両事業につきましては、セグメント別に区分しておりません。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
メモリアルデザインサービス事業
メモリアルデザインサービス事業では、主として、お客様の多様なニーズにこたえる高付加価値サービスの開発、商品化に取り組んでおります。当事業年度は、主としてお客様向けEコマースサービスの開発に取り組んでまいりました。
パーソナルパブリッシングサービス事業
パーソナルパブリッシングサービス事業では、「デジタルカメラから写真集」という新しい写真表現方法に役立つ発注ツールやコミュニケーションツールの開発に重点的に取り組んでおります。当事業年度は、主として、フォトブック等の受注システムの改良開発や新サービスに係るソフト開発に取り組んでまいりました。
エアリアルイメージング事業
エアリアルイメージング事業では、映像画像の新しい表現方法として、空中結像技術の開発に取り組んでおります。当事業年度は、主として、空中結像を可能にするパネルの量産化技術の醸成、大型パネルの製作、視野角拡大型パネルの試作に重点的に取り組んでまいりました。当事業年度における研究開発費の金額は66,844千円であります。
(1) 財政状態の分析
(全般)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ、324,605千円増加し、4,820,417千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が207,606千円増加、有形固定資産が48,242千円増加したためであります。また、自己資本比率は前事業年度末に比べ1.2ポイント増加し、86.8%となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ、302,260千円増加し、2,803,106千円となりました。その主な要因は、利益の順調な計上により現金及び預金が207,606千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ、22,344千円増加し、2,017,310千円となりました。その主な要因は、設備投資により有形固定資産が48,242千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ、1,887千円減少し、623,410千円となりました。その主な要因は、買掛金が23,545千円、未払法人税等が14,835千円増加した一方、未払金が20,917千円、前受金が19,875千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ、1,415千円減少し、6,634千円となりました。その主な要因は、長期未払金が1,254千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ、327,908千円増加し、4,190,372千円となりました。その主な要因は、自己株式が50,184千円増加した一方で、利益剰余金が404,359千円増加したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの分析
当事業年度における現金及び現金同等物は1,313,143千円と前事業年度と比べ207,606千円増加しました。
営業活動により獲得した資金は、順調に税引前当期純利益を計上したことなどにより、765,127千円(前事業年度は757,933千円の獲得)となりました。投資活動におきましては、生産設備の購入、ソフトウェアの開発などによって357,110千円の使用(前事業年度は680,353千円の使用)となりました。財務活動におきましては、配当金の支払や自己株式の取得などにより200,401千円の使用(前事業年度は278,063千円の使用)となりました。
(3) 経営成績の分析
(全般)
当事業年度の経営成績は、売上高5,173,363千円(前期比103.9%)、経常利益776,468千円(前期比120.7%)、当期純利益547,006千円(前期比128.7%)となりました。
売上高につきましては、メモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業、エアリアルイメージングサービス事業いずれも前事業年度を上回る結果となりました。利益面につきましては、OEM供給について先行費用が発生したものの、前事業年度計上したギフトネットコム関連損失の減少、会計方針の変更による減価償却費の減少等により、利益は前事業年度を上回る結果となりました。
(売上高)
売上高は5,173,363千円(前期比103.9%)となりました。
メモリアルデザインサービス事業におきましては、主力の遺影写真加工収入が伸び悩んだものの、額やサプライ品売上などが増加しました。その結果、売上高は2,332,106千円(前期比102.2%)となりました。
パーソナルパブリッシングサービス事業におきましては、国内プロフェッショナル市場におきまして、主力製品「ZENレイフラット」や「オンデマウント」が好調でした。海外市場におきましては、アメリカ市場での苦戦は継続しております。国内一般消費者市場におきましては、写真愛好家などこだわり層へのアプローチを強化しつつ、OEM供給を本格的に開始いたしました。その結果、売上高は2,781,445千円(前期比105.4%)となりました。
エアリアルイメージングサービス事業におきましては、CEATECへの出展や積極的なデモンストレーションの実施などで試作品の販売を進めましたが、パネル製造の低コスト化は想定より遅れております。その結果、売上高は58,336千円(前期比103.5%)となりました。
(売上原価)
売上原価は、前事業年度に比べ、89,249千円増加し2,532,252千円となり、売上原価率は前事業年度に比べ、0.2ポイント減少の、48.9%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ、28,944千円減少し1,867,846千円となり、売上高販売費一般管理費比率は、前事業年度に比べ、2.0ポイント減少の、36.1%となりました。これは主に、ギフトネットコムサービスに係る広告宣伝費が減少したことによるものであります。
(営業外損益及び特別損益)
営業外収益は、前事業年度に比べ、1,293千円減少し4,352千円となりました。
営業外費用は、前事業年度に比べ、722千円増加し1,148千円となりました。
特別利益は、前事業年度に計上した受取保険金がなくなったため、前事業年度に比べ、77,819千円減少し計上はありませんでした。
特別損失は、前事業年度に計上した減損損失がなくなったため、前事業年度に比べ、72,282千円減少し4,802千円となりました。