第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

① 会社の経営の基本方針

当社は、コーポレートメッセージとして「未来に感動を」を掲げており、最新のデジタルテクノロジーと独自のネットワークシステムで、映像画像が持つ表現力を深め、広げていくとともに、未来に感動を与えるための新しいビジネスモデルを模索してまいります。

 当社のビジネスは、ITデジタル技術・印刷および色管理技術・ヒューマンリテラシーなど広範囲にわたる複合的な技術やノウハウの集約によって成り立っています。インターネットなどの通信インフラにより提供された画像データに高度な画像処理技術や写真印刷技術などを施すことで、完全にカスタマイズされたサービスを一人一人のお客様に提供し、究極の顧客満足を得る企業を目指してまいります。

さらに、画像映像の新しい表現方法や、ITや最新技術を活用した新規ビジネスなど、新しい取り組みにも常に挑戦してまいります。

 

② 目標とする経営指標

当社は、未来に感動を与えるための映像画像の新しい表現方法の創造を使命としており、事業の拡大を通じて、より多くの感動を提供してまいりたいと考えております。そのために、事業の安定的成長と適切な利益の獲得が重要な経営目標であると認識しております。従いまして、当社は、経営指標として、売上高増加率と売上高経常利益率を重要視しております。

 

③ 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社は、ニッチストック型ビジネスであるフューネラル事業と安定成長型ビジネスであるフォトブック事業、空中結像という新しい市場の創造を目指す空中ディスプレイ事業という位置づけの異なる3つの事業にバランスよく力を注いでまいります。

3つの事業に共通する経営環境としましては、従来より進んでおりますIT化、ネットワーク化がさらに加速していくとともに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、事業環境の変容がみられます。その環境変化に適応したサービスの開発や、社内体制の適応が不可欠と認識しております。

また、ユニークな技術を有するスタートアップ企業と提携することで、新しいビジネスの創出とともに、当社の顧客基盤のニーズに対応したサービスの提供も進めていく方針です。

 

各事業の経営環境および事業戦略は以下のとおりです。
 (フューネラル事業)

フューネラル事業が属しております葬儀葬祭業界は、高齢化社会の進展とともに葬儀件数の漸増が期待されるものの、家族葬にみられるような葬儀の小規模化が進行し、経営環境は決して楽観できるものではありません。また、新型コロナウイルス感染症拡大により葬儀の小型化がさらに進んでいる状況であります。そのような環境のもと、葬儀社からは新たな収益機会の提案や業務効率化ツールに対するニーズが高まってきております。

フューネラル事業は、当社設立以来の中核事業であり、長年培ってきた画像処理技術や全国的な自社サポート拠点の設置及び新サービス開発力によって、安定的な成長と利益獲得の基盤が確立しております。当事業では、遺影写真加工のさらなるシェアアップを図るとともに、顧客である葬儀社の新しい収益機会の提供および業務効率化を可能にするITサービス「tsunagoo」の浸透を進めてまいります。さらに葬儀社向けに新しいサービスを開発し、拡充してまいります。また、AIを含めた最新技術の導入やテレワーク対応などへの対応を進めてまいります。

 

(フォトブック事業)

フォトブック事業が属しております写真業界は、デジタル化が進行し、一眼レフカメラでの撮影を主力としたプロフェッショナルを含めたハイエンド層と、スマートフォンでの撮影を主とするカジュアル層の2分化が見られます。インスタグラムなど様々な写真の楽しみ方が見られ、写真撮影の機会は増加傾向にあります。また、プロフェッショナル写真家向けサービスのメインターゲットであるウェディング業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、結婚式の在り方が変化する可能性もあります。一般消費者向け市場においても、新型コロナウイルス感染症拡大により、旅行や各種イベントなどでの撮影機会が減少しており、厳しい環境にあります。
 フォトブック事業は、数千億円といわれる写真アウトプット市場をターゲットにしているため、大きなポテンシャルを有しており、当事業の認知度が一定程度広まってまいりましたが、未だ十分とはいえません。当社が誇る高い写真印刷技術や製品開発力及び充実した営業・サポート体制という強みを背景に、当事業の認知度の向上に努め、印刷による1冊から写真集という新しい写真文化の浸透に注力してまいります。高品質・多品種をコンセプトにしておりますプロフェッショナル写真家向けの「アスカブック」及びコンシューマ向けの「マイブック」はそれぞれにおいて、新製品を継続的に投入し成長を持続してまいります。また、少品種・低価格をコンセプトとするOEM供給は順調に拡大しており、パートナーと良好な提携関係を継続してまいります。生産面においては、業容の拡大に応じた適切な生産能力の増加と生産効率の向上に努めるとともに、顧客ニーズに即した発注ツールの開発や製品ラインナップの充実に注力いたします。また、新しいウェディングや撮影スタイルに適応した新しいサービスの開発にも努めるとともに、スタジオ写真や建築写真などウェディング向け以外のマーケットの開拓も進めてまいります。
 (空中ディスプレイ事業)

空中ディスプレイ事業は、空中結像という新しいマーケットの創造にチャレンジしております。事業環境としましては、従来より提案しておりました空中結像による非接触操作が、新型コロナウイルス感染症拡大を機に大きな注目を受けております。また、未来的なサイネージとしての活用も見込まれております。
 当社独自の空中結像技術は高輝度、高精細、高い飛び出し距離などで優位性があります。この技術を活用して画像映像の新しい表現方法の確立を目指しており、結像を可能にするプレートの開発、生産、販売により当社の成長の原動力とすべくチャレンジしてまいります。用途としては、サイネージ用途と、センサーとの組み合わせによる製品組込用途に分けられ、前者はガラス製プレートが、後者は樹脂製プレートが適しており、ガラス製プレートと樹脂製プレートともに開発、生産、販売を進めております。国内外の展示会への出展や活用用途の具体的な提案などにより、プレートの普及を推進してまいります。プレートの生産につきましては、ファブレス形態による生産に加え、技術開発センターを設立し、量産技術の内製化にもチャレンジしてまいります。

また、上記3事業にとどまらず、ベンチャー企業との提携を含め、新しいビジネスや市場の創造に取り組んでまいります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の見通しとしましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、先行きは厳しい状況であるものの、一方でワクチン接種が広がり、新型コロナウイルス抑制への兆しもみえてきております。当社が属しております葬儀葬祭業界、写真業界ともデジタル化、IT化に対するニーズが増加していることに加え、新型コロナウイルス感染症の経験を経て、求められるサービスも変化する可能性があります。このような環境のもと、継続して成長していくために、以下の項目を対処すべき課題と認識しております。

 

① 空中ディスプレイ事業の収益化

当社の独自技術であるASKA3Dプレートによる空中結像は、その鮮明さ、明るさ、大きさにおいて優位性を持っており、その新規性や利用可能性の広さなどから、展示会やデモンストレーションなどでの評価は高いものの、ASKA3Dプレートの生産体制の構築や世界的なマーケティングに時間を要しており、十分に事業として確立していないのが現状です。

新型コロナウイルス感染症拡大の状況のもと、空中結像による非接触操作が高い注目を受けているものの、一方で、営業活動には制約を受けており、案件の長期化を余儀なくされています。今後は、代理店とも協力し国内外での販売活動を加速化するとともに、製造協力会社とともにASKA3Dプレートの生産体制を強化してまいります。また、ガラス製ASKA3Dプレートについては、サイネージ用途への供給を強化するため、技術開発機能の充実を目的として開設した技術開発センターでの生産技術を確立させ、市場投入を図ってまいります。

 

② 既存事業の環境変化への適切な対応

従来より展開しておりますフューネラル事業、フォトブック事業とも安定した事業基盤を確立しておりますが、技術革新や新型コロナウイルス感染症拡大による事業環境の変化を認識しており、その適切な対応を課題としております。

両事業とも、豊富な顧客基盤や技術力を強みとしており、新型コロナウイルス感染症が抑制されればそのニーズは回復するものと認識しております。また、当社が属する業界での環境変化を、アフターコロナを見据えた新しいビジネスチャンスととらえ、AI、3Dなどの技術との融合により、新しい製品・サービスの開発や既存製品・サービスの改良が必要であると考えております。

 

③ イノベーション創出基盤の醸成

変化の激しいこの時代において持続的な成長をするためには、新しい技術との融合や社員のイノベーティブな発想を通じて、新しいサービスの提案、開発が不可欠となっております。

そこで、イノベーション推進機能を有する戦略企画部の強化や、若手社員に向けたイノベーション教育の継続的な実施、社内提案制度の充実などを通じて社内のイノベーション創出基盤を醸成していくとともに、ベンチャー企業との提携などにより社外の技術やノウハウとの融合を進めることにより、企業成長を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、当事業年度より、メモリアルデザインサービス事業をフューネラル事業に、パーソナルパブリッシングサービス事業をフォトブック事業に、エアリアルイメージング事業を空中ディスプレイ事業にそれぞれ名称変更しております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意下さい。

 

(1) 葬儀施行価格の低下傾向の影響等について

当社のフューネラル事業が対象とする葬儀業界においては、高齢化社会が一段と進行する中でマーケット自体の拡大が見込まれるものの、会葬者の減少により、葬儀施行価格が全般的に低下傾向にあります。当社が取扱う遺影写真等の葬儀施行価格全体に占める割合は相対的に低く、葬儀施行価格の低下の影響は限定的なものと考えており、また、当社では遺影写真自体の高品質化による他社との差別化や葬儀演出関連の新サービスの提案により販売単価の低下を抑制するよう努めております。さらに、画像加工業務の効率化などにより利益率向上にも努めております。しかしながら、このような施策を行ったにもかかわらず、全体的な葬儀施行価格の低下の影響を受け、遺影写真の販売単価の低下が余儀なくされた場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、昨今、お亡くなりになった方を葬儀を行わず直接火葬場へ送る、いわゆる直葬が増加傾向にあり、直葬におきましては遺影写真を作成しないことが多くあります。現在のところ、全体に占める割合は僅少でありますが、将来大きく増加した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 競合の影響について

当社が、フューネラル事業において主として行っている、遺影写真等画像のデジタル加工、通信出力サービスは、当社が独自に他社に先駆けて開発したものであり、長年培ってきた技術やノウハウによって高い品質を維持するとともに、全国的な自社サポート拠点の設置による安定的なサービス供給体制を構築しており、他社の追随を許さないものとなっております。当サービスにおきましては、全体の遺影写真に対する、フルリモートコントロールによる通信出力を活用したデジタル画像加工が占める割合は現在のところまだ相対的に低く、今後とも同方法への切り替え需要が見込めるものと認識しております。現在のところ、当社と類似したサービスを提供している会社はありますが、品質、サポート体制、顧客基盤、新サービス開発力において当社に優位性があるものと認識しております。従いまして、当事業を推進していくうえで、他社との競合が激化するような可能性は低いものと考えておりますが、将来において、新たな技術、手法による遺影写真等の画像加工サービスが開発され、当社が提供するサービスに置き換わるような事象が生じた場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、フォトブック事業において提供しております、高品質なオンデマンド写真印刷による、少ロット、低価格の個人向け写真集の作製は、フューネラル事業で蓄積してきた高い画像処理ノウハウや、高度なカラーマネジメント技術、特殊印刷機制御技術など広範囲にわたる技術やノウハウを基として確立した事業であります。当社と同様の事業を行う会社は存在しますが、品質、営業・サポート体制、顧客基盤、新製品開発力において当社に優位性があるものと認識しております。しかしながら将来において、技術開発とマーケティングの両面において能力の高い企業が市場に参入し、競争の激化によって当社の優位性が失われた場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(3) システム障害について

当社の事業はインターネットなど通信ネットワークを利用しているため、地震や水害等の自然災害、火災・電力供給の停止等の事故あるいはコンピューターウィルス等の外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入等により、通信ネットワークの切断、ネットワーク機器等の作動不能や誤作動等の事態が生じた場合に、当社の事業に大きな影響を与える可能性があります。

当社においては、このようなリスクを回避するため、自動バックアップシステムの構築や、緊急時のシステム対応の徹底、自家発電設備の導入等の対策を講じておりますが、このような対策にもかかわらず何らかの要因でシステムに障害が発生した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 顧客情報や顧客資産の管理について

当社は、写真画像の加工や写真集作製のサービス提供を行っており、この過程において顧客情報を取扱うことになります。また、サービスによってはネガフィルムなど顧客資産を預かることになります。

そうした顧客情報の機密保持につきましては、情報を取扱うデータベースへのパスワードによるアクセス制御等セキュリティ対策を整えるほか、徹底した社員へのモラル教育実施や内部監査の強化などを行うことで、当社内部からの漏洩防止に努めるとともに、個人情報に関してはプライバシーマークを取得するなど管理体制を整備しております。また、顧客資産の管理につきましては、管理手法の徹底、教育、付保などの対策を講じております。こうした対策にもかかわらず、不測の事態により顧客情報の漏洩または顧客資産の紛失が発生した場合、当社の社会的信用の低下や賠償の支払などにより、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) サービスの展開について

当社は、新しい写真文化の創造を目指して、常に他社に先駆けて積極的に新サービスを展開する方針であります。新サービスの展開にあたっては、当社において研究開発やシステム開発を行う必要があり、当該開発が様々な要因により時間を要して対応が遅れた場合や、必ずしも当初の想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、開発が想定どおりに進捗した場合であっても、販売網の構築や新サービスの認知に時間がかかることや顧客ニーズに十分応えることができないなどの原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(6) 空中ディスプレイ事業について

当社は、映像画像の新しい表現方法として、空中結像技術を取得し、空中ディスプレイ事業として、事業を開始しました。非常に斬新でユニークな技術であるがゆえに、さらなる技術開発に想定より時間がかかったり、コストがかかる可能性があります。また、空中結像を可能にするプレートの少量生産には成功しており、本格量産段階への移行を進めていますが、量産化が想定どおりに進まない可能性があります。マーケティングが上手く行えなかったり、販売パートナーの開拓や製品・技術の認知に時間がかかったり、顧客ニーズに十分応えることができない可能性があります。これらの原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当技術は、高輝度、高精細、高い飛び出し距離など優位性を持っておりますが、当技術より優れた技術が出現し、当技術が陳腐化する等の原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(7) 海外での事業展開の進捗について

当社は、フォトブック事業においては、新しい写真文化の創造を目指して、アメリカなど海外に事業を展開する方針であります。また、空中ディスプレイ事業においても、海外市場を含めて営業展開を図っております。海外への事業展開にあたっては、文化、言語、習慣の違いなどからマーケティングに想定以上の時間がかかったり、適切な代理店網の構築が十分にできないことやサービスの認知に想定以上の時間がかかるなどの原因により、収益獲得が想定どおりに進捗しなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 販売代理店との関係について

当社は、海外におけるフォトブック事業及び空中ディスプレイ事業の展開においては、各エリアごとに販売代理店を設置し、販売代理店と協働して市場の拡大を図っております。現時点では、販売代理店と友好的かつ安定的な関係を維持しておりますが、今後何らかの理由により有力な販売代理店との関係が悪化した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9) 為替変動の影響について

当社は、フォトブック事業及び空中ディスプレイ事業においては、主に海外代理店を通じての海外展開を図っており、海外向け売上も一定の規模があります。海外向け売上は外貨建て取引が中心であり、急激な円高となった場合は、海外向け売上の採算が悪化し、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 知的財産権について

当社は、積極的に特許権、商標権等の出願を行い、知的財産権の保全を図っていく方針でありますが、これらの登録出願が認められない可能性があり、そのような場合には当社の今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の知的財産権が侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用が発生するなど、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

当社ではこれまで知的財産権に関しての侵害訴訟等を提起されておりません。しかしながら、当社の事業分野における知的財産権の現況を完全に把握することは非常に困難であり、当社が把握できないところで知的財産権を侵害している可能性は否定できません。また、今後当社の事業分野における第三者の特許権など知的財産権が新たに成立し、損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性があり、そのような場合には当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(11) 生産能力の集中について

当社は、フューネラル事業の生産能力の約3分の2、フォトブック事業の生産能力のほとんどが広島県広島市の本社及びその周辺に集中しております。これは生産能力の集中による生産設備の高稼動や、効率的な生産体制の構築、生産人員の教育の容易さなど集中させているメリットが十分にあると判断しているためであります。フューネラル事業では、オペレーションセンターを国内3か所(広島・千葉・滋賀)に分けて設置するなど、そのリスクを分散すべく対策をとっておりますが、地震や水害等の自然災害、火災・電力供給の停止等の事故、物流網の障害などが生じた場合、製品・サービスの供給が滞り、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(12) 特定取引先への集中について

当社は、フォトブック事業において、株式会社NTTドコモへのOEM供給を行っており、一定以上の販売比率となっております。
 当事業年度末現在、株式会社NTTドコモとは良好かつ安定的な関係を構築しておりますが、同社との取引条件の変更等があった場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

  (13) ベンチャー企業への投資について

当社は、持続的な成長を実現するために、優秀な技術を有するベンチャー企業に投資を行い、シナジー効果により当社事業が進展することや、ベンチャー企業の成長を通して当社の業績に寄与することを期待しております。そのために、経営者との面談、保有技術の評価、市場性や事業計画の吟味など必要な手続きをとっております。
 しかしながら、ベンチャー企業との相乗効果が想定ほど得られなかったり、ベンチャー企業の成長が想定以上の時間がかかるなどの原因により、投資からの収益獲得が想定どおりに進まなかった場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(14) M&Aについて

まだ実績はありませんが、当社は、事業拡大等を目的として、M&Aを一つの選択肢として考えております。M&Aの実行に際しては、ビジネスや財務、法務等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、リスクの低減に努める方針であります。
 しかしながら、これらのデューデリジェンスで想定・確認がされなかった事項がM&A等の実行後に判明あるいは発生した場合や、市場環境の変化等により事業展開が想定どおりに進まない場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(15) 小規模組織であることについて

当社は、当事業年度末現在、取締役5名、監査役4名並びに従業員389名と規模が比較的小さく、社内管理体制もこの規模に応じたものになっております。今後につきましては、事業拡大に伴い人員増強を図り、社内管理体制もあわせて強化・充実させていく方針でありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応が出来なかった場合は、結果として当社の事業遂行及び拡大に悪影響を与える可能性があります。

また、小規模な組織であるため、業務を特定の個人に依存している場合があります。2018年5月より執行役員を設け、権限委譲を進めており、今後も、さらなる権限委譲や業務の定型化、代替人員の確保・育成などを進める予定でありますが、特定の役職員の社外流出などにより、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(16) 新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症拡大は、世界的な経済停滞を引き起こし、景気の厳しさは継続するものと想定されます。また、個人の働き方や生活様式、行動様式にも大きな影響を与えております。

このような状況の中、当社は、この変革をチャンスととらえ、具体的には空中ディスプレイ事業にて推進しております空中結像による非接触操作は大きな注目を受けており、その事業化に努めてまいります。また、冠婚葬祭業界や写真業界においてもこの変化を的確に捉えたサービス提供に努めてまいります。
 しかしながら、冠婚葬祭においては新型コロナウイルス感染症拡大による葬儀の小規模化や婚礼の延期などは確実に当社の業績に影響を与えており、写真関連においても旅行やイベントの自粛は撮影機会を減少させております。また、空中ディスプレイ事業におきましても、当社及び当社代理店の営業活動に制約を受けております。その影響がいつまで継続するのか見通すことが困難な状況であり、その影響が長期化したり、また、冠婚葬祭や写真撮影の在り方が変容し、その結果当社サービスの価値が減少してしまう場合には、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(全般)

当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ、430,885千円増加し、6,896,235千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が184,089千円、棚卸資産が150,940千円それぞれ増加したためであります。また、自己資本比率は前事業年度末に比べ2.8ポイント減少し、87.3%となりました。

(流動資産)

当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ、362,341千円増加し、3,433,537千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が184,089千円、棚卸資産が150,940千円それぞれ増加したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ、68,544千円増加し、3,462,698千円となりました。その主な要因は、機械及び装置が54,695千円、投資有価証券が54,233千円それぞれ増加したためであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べ、231,465千円増加し、864,587千円となりました。その主な要因は、未払金が50,742千円、未払法人税等が116,000千円それぞれ増加したためであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べ、4,233千円増加し、10,862千円となりました。

(純資産)

当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ、195,186千円増加し、6,020,785千円となりました。その主な要因は、利益剰余金が214,867千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及に伴い感染対策を実施しながらの経済活動正常化への動きがみられましたが、世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱による原材料価格の上昇、緊迫するウクライナ情勢など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

このような環境の中、当社は景気動向に左右されにくい葬祭市場に対し、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するフューネラル事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するフォトブック事業、空中結像という今までにないユニークな技術で新しい市場を創造し、夢の実現を目指す空中ディスプレイ事業というそれぞれに位置づけや特色が異なる三つの事業を展開してまいりました。

2022年1月には、成長に向けての重点分野であるxRや3D領域を中心に投資するベンチャー投資ファンドに出資いたしました。

当事業年度より、メモリアルデザインサービス事業はフューネラル事業に、パーソナルパブリッシングサービス事業はフォトブック事業に、エアリアルイメージング事業は空中ディスプレイ事業にそれぞれ名称変更しております。

 

セグメント別の概況を示すと、次のとおりであります。各セグメントの業績数値にはセグメント間の内部売上を含んでおります。

 (フューネラル事業)

当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け葬儀の小規模化傾向は継続しているものの、葬儀の施行自体はほぼ正常化している状況です。主力である遺影写真加工収入は、ピント復元技術を切り口とした営業が効果的で新規契約が順調だったことに加え、全国的に葬儀施行件数が増加したことにより、想定より伸長いたしました。それに伴い、額やペーパーなどのサプライ品の売上やハード機器の売上も順調に増加いたしました。
 取組みとしましては、葬儀業界向けDXサービス「tsunagoo(つなぐ)」に、参列者が制限されるコロナ禍の状況に有用な「tsunagoo AFTER」をリリースするなど機能強化を図るとともに、その拡販を進めてまいりました結果、利用件数は大きく伸びました。また、相続・不動産など喪主の困りごとを解決するサービスとの連携も図ってまいりました。

利益面につきましては、展示会の出展による広告宣伝費の増加や、旅費交通費、備品費などの経費が増加したものの、売上の増加やそれに伴うオペレーションセンターの稼働率の上昇等によりセグメント利益は増加いたしました。その反面、遺影写真加工件数の増加に伴い、繁忙期においてオペレーションセンターの稼働が超過状況に陥ったため、人員の増強等運営の改善に取り組んでいるところです。

以上の結果、売上高は2,773,460千円(前期比111.3%)、セグメント利益は713,054千円(前期比115.6%)となりました。

 

 (フォトブック事業)

当事業におきましては、国内プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、国内一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開しております。また、スマートフォンで撮影された写真をもとにフォトブックや写真プリントをOEM供給しております。
 国内プロフェッショナル写真家向け市場では、主力であるウェディング向け写真集が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を引き続き受けており、結婚式の小規模化がみられ、大都市を中心に一部では延期されているものの、地方を中心に対策を施したうえでの結婚式の開催が戻ってきており、想定よりは売上が回復いたしました。また、家族写真や子ども写真などスタジオ向け写真集の売上も順調に増加いたしました。コロナ禍環境に適応したオンラインセミナーの開催や動画配信を積極的に進めるほか、「赤ちゃん等身大フォトコンテスト」などの企画も行ってまいりました。

国内一般消費者向け市場は、旅行や様々なイベントの自粛、またマスク着用の常態化による撮影機会の減少により厳しい環境は継続しており、自社ブランド「マイブック」、OEMともに売上の減少を余儀なくされました。このような厳しい状況の中、様々なキャンペーンの実施やSNSの活用、新製品の投入などの施策を実施してまいりました。また、等身大アルバム付出張撮影サービスを東京都内23区より開始いたしました。

利益面につきましては、原材料価格の値上げや、広告宣伝費や旅費交通費の増加があったものの、自社工場の稼働率が上昇することにより粗利率が改善するとともに、発送配達費や地代家賃の抑制が奏功し、セグメント利益は順調に増加いたしました。
 以上の結果、売上高は3,410,229千円(前期比108.0%)、セグメント利益は644,083千円(前期比136.7%)となりました。

 

 (空中ディスプレイ事業)

当事業におきましては、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指しており、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれを開発、製造、販売しております。

営業面につきましては、国内は自社営業を主として、海外は代理店を主として販売を進めております。国内では、サイネージ用途での設置案件や、コンビニエンスストアやマンションでの実証実験、自治体への導入などの実績を重ねてまいりました。海外は、期初の想定より新型コロナウイルス感染症の影響が長引き、代理店の営業活動や当社の営業サポートに大きな制限を受け、特に中国市場では活動が困難な状況となっております。その結果、有力案件の長期化を余儀なくされ、売上の伸び悩みに繋がりました。展示会につきましては、国内では出展ができなかったものの、海外では代理店の協力を得て3か所出展いたしました。

製造・開発面では、ガラス製、樹脂製プレートとも、外製による生産の拡充、歩留まりの改善への取組を継続するとともに、ASKA3Dプレートの大型化にトライしてまいりました。また、技術開発センターでは、ガラス製ASKA3Dプレートの内製化に挑んでおり、工場の増設、生産設備の拡充を行い、中型サイズまでの生産技術の確立及び早期市場投入を目指しております。

費用面につきましては、技術開発センター関連の先行費用の増加に加え、外製ASKA3Dプレート大型化のための研究開発費や特許関連費用、旅費交通費などの費用が増加いたしました。

以上の結果、売上高は148,116千円(前期比119.2%)、セグメント損失は352,037千円(前期は272,628千円の損失)となりました。
 

以上の結果、売上高は6,331,332千円(前期比109.7%)となり、利益面につきましては、フューネラル事業とフォトブック事業のセグメント利益が増加したことが主要因となり、経常利益は452,715千円(前期比136.8%)、当期純利益は332,810千円(前期比147.6%)となりました。

 
③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当期純利益の増加や長期性預金を短期性預金に振り替えたことにより、前事業年度末に比べ、584,089千円増加し、1,994,178千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、827,132千円(前事業年度は359,336千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益452,043千円、減価償却費468,455千円を計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、91,260千円(前事業年度は335,819千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得が370,085千円、無形固定資産の取得が65,510千円あった一方で、長期性預金の払戻400,000千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、157,761千円(前事業年度は169,864千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払118,502千円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

   a. 生産実績

生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

第26期

(自 2020年5月1日

至 2021年4月30日)

第27期

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

生産高(千円)

前期比(%)

フォトブック事業

1,585,284

89.9

1,669,148

105.3

空中ディスプレイ事業

156,367

202.2

218,937

140.0

合計

1,741,652

94.6

1,888,085

108.4

 

(注) 1 金額は、製造原価によっております。

2 フューネラル事業は、主に役務提供及び仕入商品の販売であり、生産を伴わないため、生産実績を記載しておりません。

 

  b. 仕入実績

仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

第26期

(自 2020年5月1日

至 2021年4月30日)

第27期

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

仕入高(千円)

前期比(%)

フューネラル事業

528,581

88.1

614,212

116.2

フォトブック事業

26

9.4

合計

528,607

88.1

614,212

116.2

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入価格によっております。

3 空中ディスプレイ事業は、主に生産であり、仕入を伴わないため、仕入実績を記載しておりません。

 

 c. 受注実績

フューネラル事業、フォトブック事業、空中ディスプレイ事業とも受注実績はありますが、受注から売上計上までが、フューネラル事業においては概ね1日以内、フォトブック事業においては概ね20日以内、空中ディスプレイ事業においては概ね1か月以内であるため、記載を省略しております。

 

 d. 販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 

第26期

(自 2020年5月1日

至 2021年4月30日)

第27期

(自 2021年5月1日

至 2022年4月30日)

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

フューネラル事業

2,492,188

97.4

2,773,460

111.3

フォトブック事業

3,157,864

80.8

3,410,229

108.0

空中ディスプレイ事業

123,591

114.0

147,642

119.5

合計

5,773,644

87.8

6,331,332

109.7

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

  第26期及び第27期において、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありますが、守秘義務を負っているため、顧客の名称、売上高の公表は控えさせていただきます。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

新型コロナウイルス感染症拡大による当事業年度における影響は一定程度ありますが、会計上の見積りに大きな影響を与えるとは認識しておりません。

 

② 当事業年度における経営成績等の状況に関する認識等
 a. 経営成績等の状況

当事業年度の経営成績は、売上高6,331,332千円(前期比109.7%)、経常利益452,715千円(前期比136.8%)、当期純利益332,810千円(前期比147.6%)となりました。

当社は経営指標として、売上高増加率と売上高経常利益率を重要視しております。当事業年度の売上高増加率はプラス9.7%であり、前事業年度がマイナス12.2%であったことに比べると、売上の回復が見られました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は依然として継続しており、特にフォトブック事業において、プロフェッショナル部門はメインターゲットであるウェディング市場は想定ほどではなかったものの、コロナ禍前に比べるとまだ回復しきってはおりません。また、コンシューマー部門におきましても、旅行やイベントの自粛によるダメージが継続しているうえ、マスク着用の常態化により写真撮影機会が減少していると推察しております。OEM供給部門も同様の傾向となりました。外部環境により売上の落ち込みはみられますが、基本的な需要は持続しており、環境の回復とともに、受注は回復していくと考えております。とはいえ、フォトブック事業では新型コロナウイルス感染症の抑制による需要の回復を待つだけでなく、現在活況となっておりますフォトウェディングや、スタジオ写真、建築写真など一般ウェディング以外の市場に向けた営業を継続してまいります。また、既存サービスのシェアアップだけでなく、新製品・サービスの開発や新しい市場開発を重要視してまいります。フューネラル事業におけるtsunagooなどのITサービスは市場の性格上、普及には一定の時間を要するものの、サービス自体の評価は高く、インサイドセールス機能の強化などの施策が奏功し、着実に契約数及び利用数を増加させておりますので、この動きを継続させてまいりたいと考えております。また、空中ディスプレイ事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が想定以上に長期化し、特に海外において代理店の営業活動に制約が生じました。その結果、有力案件の長期化、新規案件獲得への対応が十分に行えず、売上の伸び悩みに繋がったと分析しております。外製での生産体制の拡充を図るとともに、技術開発センターでの量産技術の確立と早期の市場投入を実現し、売上の増加を図ってまいります。
 売上高経常利益率は7.2%となり、前事業年度に比べ、1.5ポイント回復いたしました。これは、フューネラル事業、フォトブック事業とも、売上の回復により、画像処理センター及び生産部門の稼働率が上昇したことが主な要因になっております。空中ディスプレイ事業につきましては、継続してセグメント損失を計上しており、事業化に想定以上の時間を要していることは重く受け止めております。国内では有力な実証実験や官公庁等への納入実績を積み重ねており、売上拡大を図ってまいります。また、海外では中国市場では依然として活動の制約が継続しているものの、欧米、中近東市場を中心に売上獲得を進めてまいります。

 

 b. キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 c. 資本の財源及び資金流動性についての分析

当社は、十分な手元流動性を有しており、運転資金及び投資資金は基本的に自己資金で賄うこととしております。

当社の事業活動における資金需要の主なものは、フォトブック事業における生産設備や空中ディスプレイ事業における生産設備や研究開発費等になります。

翌事業年度においては、フォトブック事業における印刷機等生産設備の購入のほか、空中ディスプレイ事業におけるASKA3Dプレート大型化や技術開発センターでの生産技術確立のための研究開発投資などの資金需要がありますが、これらは自己資金で賄う予定であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発活動は、デジタル技術を応用したネットワーク型情報社会が確立していく中、当社の強みである画像処理技術や写真印刷技術を生かした新製品の開発及び新市場の開拓に積極的に取り組んでおります。ネットワーク型情報社会では、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク技術、画像処理技術、組版技術、写真印刷技術、製本技術など専門分野が細分化しており、当社は画像処理技術及び写真印刷技術の研究をメインとし、各専門分野のエキスパートと情報交換、技術協力により、新たなサービスの企画開発を行っております。また、新しい映像画像の表現方法として、空中結像技術を取得し、さらなる研究開発を進めております。
 研究開発体制としましては、フューネラル事業とフォトブック事業につきましては、戦略企画部が中心となり、両事業部門と密接に連携することにより、効率的な研究開発活動を行っております。また、空中ディスプレイ事業につきましては、空中ディスプレイ事業部が研究開発活動を行っております。また、事業部門に属さない新規事業開発等につきましては、戦略企画部が担っております。

当事業年度の研究開発費の総額は303,153千円となっております。フューネラル事業とフォトブック事業は共有の研究開発も行っているため、研究開発費は、両事業につきましては、セグメント別に区分しておりません。

 

セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

(フューネラル事業)

フューネラル事業では、主として、お客様の多様なニーズにこたえる高付加価値サービスの開発、商品化に取り組んでおります。当事業年度は、主として、葬儀社と喪主と会葬者をつなぐ新サービス「tsunagoo」の機能強化開発と最新技術によるピント復元ツールの実証実験に取り組んでまいりました。

 

(フォトブック事業)

フォトブック事業では、「デジタルカメラから写真集」という新しい写真表現方法に役立つ発注ツールやコミュニケーションツールの開発に重点的に取り組んでおります。当事業年度は、主として、データ納品サービス「グランピック」や写真集発注用ソフトウェアの機能強化開発に取り組んでまいりました。

 

(空中ディスプレイ事業)

空中ディスプレイ事業では、映像画像の新しい表現方法として、空中結像技術の開発に取り組んでおります。当事業年度は、主として、空中結像を可能にするプレートにおきまして、樹脂製プレートおよびガラス製プレートの大型化開発、ならびに技術開発センターによるガラス製プレートの量産技術の研究開発に重点的に取り組んでまいりました。当事業年度における研究開発費の金額は249,526千円であります。