第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、独立系企業として顧客の企業系列や使用しているハードウエアの制約を受けることなく様々な業種・業態のシステム構築に携わり、確かな技術力とノウハウを蓄積しております。

これらの技術を基に常に顧客の抱える問題に最適なソリューションを提供し続けることを企業の使命とし、収益基盤の拡大と企業の発展・継続を実現するため、①時流に乗る経営、②衆知を集める経営、③運命共同体の経営、④高能率・高配分の経営、⑤顧客志向の経営を経営理念としております。

今後、リモートワークの整備やデータの活用への取り組みがますます重要となり、SDGs(持続可能な開発目標)、ESG(環境・社会・ガバナンス)に代表される環境や社会課題の解決に向け、IT(情報技術)の果たす役割は拡大するとともに、よりいっそう重要になっていくものと考えられます。当社グループは、①継続的な利益確保、②企業価値の向上、③雇用機会の安定の3つを基本ポリシーとしております。

 

(2)目標とする経営指標

会社の成長と収益性を確保するために、売上高伸び率と営業利益率を経営指標としております。毎期10%以上の売上高伸び率を目標とすると共に、営業利益率10%以上を確保することを目標としております。今後は更なる事業拡大に向け、売上高伸び率15%、営業利益率15%の確保を目指してまいります。

また、株主重視のため、株主資本利益率(ROE)を経営指標として重視しております。株主から預かった資本を元手にどれだけの利益を確保できたか、資本コスト以上のROEを維持することを経営目標として取り組んでおります。具体的には、事業継続体制の確立と、経営基盤の安定化を図り、事業拡大を行うことにより、収益力をアップして株主の利益を優先する経営を目指しております。なお、当連結会計年度におけるROEは19.6%(前年度20.0%)であります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を含めた企業の情報化投資は、レガシーシステムの刷新や新たな企業価値を創造、少子高齢化や人口減少などの社会課題への適応等を背景に、今後も活発に推移すると思われます。

このような事業環境のなかにおいて、当社グループは中長期目標『Next Vision 50th』を掲げ、売上高1,000億円、従業員3,000名体制を目指してまいります。

当社グループは、情報サービス事業者として常に自己革新を怠らず、技術力、マーケティング力の強化、専門性の向上などに取り組み、お客様の経営課題に的確に対応する高品質のソリューション・サービスの提供に努めてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

わが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果で緩やかな回復基調が続くものと期待されますが、米国政権の相互関税の発動により景気の下振れリスクが懸念されており、その先行きは不透明な状況であります。

情報サービス産業におきましては、レガシーシステム刷新への早急な対応や、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)による新たな価値創造、人手不足を背景としたAI(人工知能)やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)による業務プロセスの効率化への取り組みなどを背景に企業のIT投資需要は旺盛であり、業界の堅調な成長は、今後も続いていくと考えられます。ただし米国政権の通商政策の影響でIT投資需要が鈍る可能性もあり、動向に注視が必要です。

このようなテクノロジーと社会環境の変化が予想される中、当社は強みである顧客密着で築き上げてきた実績と信頼、専門性を活かしながら、顧客の課題解決に提案、貢献できる「ビジネスに寄り添うITパートナー」になることが重要と考えます。当社の経営課題認識は以下の通りになります。

① 関東・関西マーケットの優良顧客の獲得

② 次世代の中核事業になり得るビジネスの創出

③ 優秀な人材の採用とITエンジニアの確保・育成

④ バックオフィスの強化とエンゲージメントの深化

上記課題に対処するため、当社は中長期目標『Next Vision 50th』を掲げ、外部環境(経済環境・技術革新)の変化を踏まえつつ、全社横断での施策を実行しております。

当社では2024年4月に新しい開発拠点「第1開発センター」を名古屋地区に開設いたしました。今年度中には新オフィス「第2開発センター」を開設し、従業員の働く環境の整備を進めてまいります。

あわせてインナーブランディングの一環として全社員の価値観の共有を図るべく「カルチャーブック」を作成し、より優秀なIT人材の確保と育成、定着率の向上にも努めてまいります。

また、当社グループが持続的に発展していくためには、事業を通じて社会の持続的な発展に寄与することが必要不可欠である、との認識のもと、サステナブルな社会の実現に向けた各種取り組みも、引き続き注力してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 (1)基本方針

当社が持続的に発展していくためには、事業を通じて社会の持続的な発展に貢献していくことが必要不可欠である、との認識において、主に以下の取組みを推進してまいります。

 

   ダイバーシティ エクイティ&インクルージョンの推進

   健康経営への取り組み

   DX時代の技術対応

  安心、安全、豊かな暮らしへの取組み

 

(2)ガバナンス

当社は取締役会において「サステナビリティ基本方針」を定めており、全社を挙げてサステナビリティの課題に取り組むために2021年4月にサステナビリティ推進委員会を設置いたしました。
 サステナビリティ推進委員会は、多部門にわたり広範に関連するサステナビリティに関する事項を、討議・調整・統制・決定し効率的な推進を図るために設置されています。委員長は代表取締役社長が務めており最終責任を負っております。また、委員として管理部門・現場部門の責任者が参加しております。
 四半期毎に開催するサステナビリティ推進委員会で協議、決定された対応方針等を、取締役会にて決議し、経営会議において共有、当社の課題に対する実行計画の策定と進捗モニタリングを行っています。
 取締役会は、「サステナビリティ推進委員会」で協議・決定された内容を年に1回の頻度で報告を受け、当社のサステナビリティに関する課題への対応方法および実行計画等についての論議・監督を行っています。

 

(3)リスク管理

当社では、事業継続に対して重大な影響を及ぼしうる可能性のある事項をリスクとみなし、「サステナビリティ推進委員会」の中で収集・分析するとともに、課題内容に応じてコンプライアンス委員会/危機管理委員会とも連携しながら、必要な対策を実施していきます。サステナビリティ推進委員会は、特定したリスクおよび機会、評価内容を経営会議にて共有し、リスクに対する実行計画の策定と進捗モニタリングを行い、最終的に取締役会に報告を行います。

 

(4)戦略と指標および目標

①ダイバーシティ エクイティ&インクルージョンの推進

A 戦略

 a 多様な個性の活躍推進

当社は「次世代育成支援対策法及び女性活躍推進法に基づく株式会社システムリサーチ 行動計画」を策定し、女性社員の活躍を推進しています。女性社員を対象とした「キャリアデザイン研修」を実施し、管理者および役務者を目指す女性のキャリア醸成を支援しています。
 また、毎年新任管理者に向けて「ダイバーシティ管理者研修」を実施し、障がい者、LGBT、シニア等多様な社員が活躍できる環境整備を推進しています。

 b 社員の長期的なキャリア形成を支援する風土改革・意識醸成

新卒採用するに当たり、文系理系に捉われない方針を取っています。プログラム未経験の人材でも、入社前勉強会や入社後のプログラミング研修、部門配属後のOJT教育やOFFJT教育を通して、経験者と遜色なく活躍できる環境と、成長を見守る風土を醸成しています。
 また、女性の勤続雇用割合向上の観点から、女性社員を対象とした「キャリアデザイン研修」で、ライフとワークの双方の観点から自分のキャリアを主体的に考え、自分のキャリアオプションを検討する機会と意識を醸成しています。

 

B 指標および目標

  a 多様な個性の活躍推進

     女性管理職比率

   2024年3月期の管理職に占める女性労働者の割合は3.8%でした。

   2025年3月期の数値につきましては「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりであります。

 

   当社における女性役務者の割合

年度

目標値(%)

実績値(%)

2024年3月期

7.0

8.9

 

(注)1 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

   2 2025年3月期の数値につきましては「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりであります。

   3 連結グループ全体としての具体的な取り組みが現時点では行われていないため、記載は単体での取り組みとなります。

 

  b 社員の長期的なキャリア形成を支援する風土改革・意識醸成

  10事業年度およびその前後の事業年度に新卒採用された女性の継続雇用割合

年度

目標値(%)

実績値(%)

2024年3月期

80.0

95.5

2025年3月期

80.0

95.2

 

 

  男女間賃金差異

     2024年3月期の男女間賃金差異は①全従業員78.3% ②従業員78.6% ③準従業員61.8%でした。

   2025年3月期の数値につきましては「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載のとおりであります。

 

(注)連結グループ全体としての具体的な取り組みが現時点では行われていないため、記載は単体での取り組みとなります。

 

②健康経営への取り組み

A 戦略

当社は社員の仕事と生活の調和を目指し、時短勤務や時差出勤、テレワークなどの柔軟な勤務制度を取り入れております。また社内の各種制度や、育児休業制度の活用事例について社内イントラネットに公開し、広報活動を強化することで仕事と家庭の両立を支援しています。
 2021年4月に「株式会社システムリサーチ健康経営基本方針・健康宣言」を採択し、社員の健康保持・増進を経営の最重要課題の一つとして捉え、会社と社員が一体となっての健康づくり、職場環境づくりを推進しています。また、働き方改革による業務効率化、生産性向上が、ワークライフバランスの実践に繋がるものと考え、毎月長時間労働、ノー残業デーの実施状況、有給休暇取得日数のモニタリングを行い、その結果を経営会議にて管理責任者に報告し、是正機能を強化しております。

 

B 指標および目標

  有給休暇取得日数

年度

目標値(日)

実績値(日)

2024年3月期

12.0

13.4

2025年3月期

12.0

12.7

 

(注)連結グループ全体としての具体的な取り組みが現時点では行われていないため、記載は単体での取り組みとなります。

 

③DX時代の技術対応

A 戦略

当社は、カーボンニュートラル、ESG対応、人口減少、インフラの老朽化など社会課題の解決は企業の経営課題ともリンクしている考え方の下、経営課題をIT技術とDXソリューションで解決し、顧客ビジネスのデジタル変革に貢献してまいります。

2022年4月に他部門から独立した社長直属組織である「DX推進委員会」を設置し、SIサービスをはじめ、プロダクト開発、AI、RPA、クラウド、ローコード等のDX技術を用いた各種システムやサービスとの組み合わせにより、顧客のニーズに合わせたトータルソリューションを提案し、円滑なデジタルシフトを支援しております。

また、近年のDX推進ニーズの高まりを踏まえ、より精力的にDXを推し進めていくため「株式会社システムリサーチ経営ビジョン・DX戦略」を策定し、自社業務のDX化推進と、IT人材の育成に取り組む体制を整えた結果、経済産業省が定める「DX認定事業者」として認定されました。

 

B 指標および目標

前ページ A 戦略に対しての具体的な取り組み内容とKPIを「株式会社システムリサーチ経営ビジョン・DX戦略」として策定いたしました。取り組み内容、KPIと2025年3月期までの実績は以下の通りです。

DX戦略

取り組み内容

KPI

実績

1.自社業務とサプライチェーンのDX化を推進

a.社内のペーパーレス化

・紙提出書類60種類以上ペーパーレス化

・ペーパーレス化前と比較して年間5000枚/年以上の紙資源節約

経費支払依頼書・議事録・出張報告書等、約60種類の社内提出書類のペーパーレス化で年間約73,000枚の紙資源の削減を達成

b.サプライチェーンのペーパーレス化・データ連携

・ビジネスパートナー(全400社)にペーパーレスの仕組を提供

・受発注-検収・請求まで一貫した社内外のデータ連携を実施

約490社中、425社との電子取引化を実現、発注から請求業務のハンド作業廃止により、約6,000時間の工数削減

c.社内管理会計データの活用

・社内の管理会計資料のBIツールを活用した見える化

・戦略策定へ活用

一人当たり売上や利益率等、6種の管理会計用データのBI化を実現、マニュアル資料作成を廃止し、各部署が自由に分析可能な環境を整備

d.リモートアクセス環境の拡充

・社内サーバーのクラウド化

・リモートアクセス端末(スマートフォン・タブレット・モバイルPC)の配布

・ゼロトラスト導入

・在宅勤務率60%

パソコン、会社スマホに加えBYODによるリモートアクセス環境の整備を実現、在宅勤務や社外でのモバイル作業による多様な働き方やワークライフバランスの向上に寄与

(在宅率約55%)

2.DXソリューションの拡充と新規デジタルビジネスの創出

a.業務に特化したプロダクト&サービスの提供強化

・プロダクト&サービスの受注毎期10%アップ

受注18%Up

b.デジタル技術を活用した新規プロダクト&サービスの開発・提携

・新規プロダクト&サービスの開発実績 毎期10%アップ

実績60%Up

c.新事業、新サービス創出に向けた社内活動の活性化

・デザイン思考ワークショップ参加者 毎期30名以上

・SRコンテスト参加者

 毎期50名以上

・デザイン思考ワークショップ

 ⇒41名参加

・SRコンテスト(メタバースとのハイブリッド開催)

 ⇒204名参加

3.デジタル変革を支えるITプロフェッショナルの育成

a.デジタル技術の資格取得者の拡大

・資格取得者 毎期100名以上

・資格取得186名

 (主なカテゴリー)

  クラウド:79名

  RPA:26名
  ローコード:17名

  アジャイル:10名

b.DX検定、DXビジネス検定等の受験推奨

・検定受験者数 毎期150名以上

・受験225名

 (ハイグレード合格者  事例)

・DX検定

 プロフェッショナル:3名

 エキスパートレベル:19名

・DXビジネス検定

 エキスパートレベル:17名

c.プロジェクトマネージャー人材育成

・プロジェクトマネージャー毎期20人以上

29名育成中

(うち4名カリキュラム終了を認定済み)

 

 

2026年3月期以降の取り組み内容とKPIは以下の通りです。今後も定期的な数値モニタリングにより進捗状況を総合的に検証していく方針です。

DX戦略

取り組み内容

KPI

1.自社業務とサプライチェーンのDX化を推進

a.自社業務改善とペーパーレス化

以下の自社業務改善とペーパーレス化により2,000枚/年以上の紙資源節約

・入社手続きの業務プロセス改善

・お客様からの請求書の電子化

・契約変更に関する覚書の電子化

b.サプライチェーンのペーパーレス化・データ連携

・ビジネスパートナー(全500社)にペーパーレスの仕組を提供。実施率90%以上

・受発注-検収・請求まで一貫した社内外のデータ連携を実施

c.BI化によるデータのリアルタイム活用

以下のデータをBI化する(括弧内は活用目的)

・社内管理会計データ

 (経営戦略策定)

・営業業務報告データ 半期単位集計(部門単位分析/評価)

・営業成績データ

 (営業戦略)

・プロダクト&サービスデータ

 (ソリューションサービスの拡充)

d.DX戦略実現環境の拡充

・社内サーバーのクラウド化

・ゼロトラストにセキュリティオプションを追加

・電子帳簿保存法に対応したスキャナ保存&タイムスタンプ保管の環境整備

・ペーパレス化・データ連携の自動化拡充

2.DXソリューションの拡充と新規デジタルビジネスの創出

a.業務に特化したプロダクト&サービスの提供強化

・プロダクト&サービスの受注毎期10%アップ

b.デジタル技術を活用した新規プロダクト&サービスの開発・提携

・新規プロダクト&サービスの開発実績 毎期10%アップ

c.新事業、新サービス創出に向けた社内活動の活性化

・アイデア募集 120件以上

・デザイン思考ワークショップ参加者 毎期30名以上

・SRコンテスト参加者毎期200名以上

3.デジタル変革を支えるITプロフェッショナルの育成

a.デジタル技術の資格取得者の拡大

・資格取得者 毎期180名以上

b.DX検定、DXビジネス検定等の受験推奨

・検定受験者数 毎期300名以上

c.プロジェクトマネージャー人材育成

・プロジェクトマネージャー毎期20人以上

・SEコンベンション 毎期全部門参加

 

 

④安心・安全・豊かな暮らしへの取り組み

A 戦略

当社の気候変動リスクに関するマテリアリティ(重点課題)に対する主なリスクと機会、対応するための取り組みは以下の通りです。

 

リスク

機会

対応

気候変動リスク対応

〇移行リスク

炭素税や温室効果ガスの排出規制等の関連規制の導入による事業コストの増加や、規制等に適合できないことによる企業レピュテーションの低下

 

〇物理的リスク

気候変動を起因とした大規模な自然災害による業務運営への影響や当社の施設等の損壊

環境負荷の高い業種からの気候変動リスクを低減するシステム開発の受注機会

再生可能エネルギーへの切替や、省エネルギー施策の実施

 

BCP策定によるレジリエンス体制の強化

 

環境負荷の高い業種への新規顧客開拓

 

 

B 指標および目標

当社グループ全体でのGHG(温室効果ガス)スコープ1、スコープ2の排出量およびスコープ1、スコープ2の削減目標につきましては下記の通りです。

 

2021年3月期CO2排出量(t-CO2)

基準年度

2025年3月期CO2排出量
(t-CO2)

スコープ1+2

CO2排出量の削減目標

スコープ1

8.1

5.7

2030年度までに

2020年度比で80%削減

(目標排出量70.6

t-CO2)

スコープ2

345.0

71.6

スコープ1+2

353.1

77.3

 

今後、スコープ3もデータ収集と削減目標の設定を検討してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、および発生した場合の対応に努める所存であります。文中における将来に関する事項については有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化に伴う影響について

地政学的リスクによる原材料価格の更なる高騰やグローバルなインフレの拡大、米国の通商政策による追加関税の導入等により企業の情報化投資の抑制傾向が強まると、それまで予定されていたシステム開発の案件が中断・縮小される可能性があります。こうした企業の情報化投資削減により、当社技術者の稼働率が低下し、売上高減少・収益悪化となる可能性があります。このような状況が長引き、当社予想に反し企業の情報化投資が動き出さない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。顧客の情報化投資削減は、顧客の業績悪化の6~12か月後に現れる傾向があり、顧客の業績動向を注視すると共に、必要に応じて技術者を最適配置しております。

また、事業環境の変化における影響はユーザーの業種や地域によって影響度合いが大きく異なるため、如何に影響の少ないユーザーを確保するかが今後の課題であり、事前にユーザー動向を正確にキャッチし、対策と準備を欠かさず実施する方針であります。

 

(2) 主要顧客との取引について

当社の主要商圏であります東海地区におけるトヨタグループとの取引は、重要な位置を占めております。トヨタ自動車株式会社本体の業務となる売上高は下記のとおりであります。

 

売上金額

売上比率

2024年3月

4,086百万円

17.5%

2025年3月

4,542百万円

17.5%

 

現状は、自動車関連製造業を中心に受注が順調に推移しており、顧客との取引は安定的に推移しておりますが、トヨタ自動車株式会社の事業動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

トヨタグループとの取引の拡大を推進すると共に、他の顧客の取引や新規顧客との取引も拡大することで売上比率が極端に偏らない方針としております。

(注)当社では、トヨタ自動車株式会社の連結子会社、関連会社をトヨタグループとしております。

 

(3) 業績の季節変動について

当社の四半期における営業利益、経常利益が、第1四半期が他の四半期に比べ低い傾向にあります。これは新入社員の配属が第2四半期以降になるためであり、今後もこの傾向は続くものと考えております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

通期

 

 

上半期

 

 

下半期

 

第1四半期

第2四半期

 

第3四半期

第4四半期

 

 

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 (百万円)

6,190

6,445

12,635

6,577

6,718

13,295

25,931

構成比(%)

23.8

24.9

48.7

25.4

25.9

51.3

100.0

営業利益

 

 

 

 

 

 

 

 (百万円)

474

747

1,221

837

938

1,775

2,997

構成比(%)

15.8

25.0

40.8

27.9

31.3

59.2

100.0

経常利益

 

 

 

 

 

 

 

 (百万円)

489

748

1,238

883

944

1,827

3,066

構成比(%)

16.0

24.4

40.4

28.8

30.8

59.6

100.0

 

 

 

(4) 低収益ならびに不採算プロジェクトの発生可能性について

当社では、品質管理強化に向けたPRM (プロジェクト・リスク・マネジメント)活動を強化した「PRiMER」(注)を重要な柱として位置付け、システム開発部門、経営企画部門が連携を密にし、受注時の利益の確保とリスク回避のための改善活動を組織的に推進しております。しかしながら、受託した案件のうち、開発の難易度やバグ(コンピュータプログラムに含まれる誤りや不具合のこと)等の想定外のコスト発生のため、収益の低いプロジェクトが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(注)プロジェクトの計画段階から進行段階に至るまでの重要なチェックポイントを定義し、プロジェクトリスク管理と、その状況報告の手法ならびに運用を、当社がプロジェクト・リスク・マネジメントとして体系化したものです。当社社員とプロジェクト管理をより密接なものと捉えることから「Project Risk Management and Educational activities for System Research」とし、略してPRiMERと名付けました。

 

(5) 技術者および協力会社の確保、育成について

情報システムの設計、構築等は、知識集約型の業務であると同時に労働集約的な面があり、事業拡大のためには一定水準以上のスキルを有する優秀な技術者の確保が不可欠なものと認識しております。現時点では、当社の人事制度・教育制度により、必要な技術者は確保されておりますが、労働市場の逼迫により当社が必要とする優秀な技術者または労働力を確保、育成できない場合、または当社の従業員が大量に退職した場合には、当社の事業展開が制約される可能性を有しております。このため、プロジェクト管理者および技術者の育成や、積極的な採用活動に努めると共に、働き方改革等を通じて労働環境の改善に取り組んでおります。

また、当社は業務上必要に応じて、協力会社に外注しております。現状、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、協力会社において質・量(技術力および技術者数)が確保できない場合は、当社の事業運営に支障をきたすことが考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、協力会社と良好な取引関係を継続すると共に、優秀な協力会社と取引できるよう営業活動を推進しております。

 

(6) ソフトウエアパッケージの開発・販売について

ソフトウエアパッケージの開発は、OS(基本ソフト)や開発ツールのバージョンアップやベンダー側からの製品サポートの終了等予想を超える事態により開発計画の遅延・コスト増ならびに品質精度の問題が発生する場合があります。また、ソフトウエアパッケージ市場の動向等により将来の収益計画を下方修正するに至った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、ソフトウエアパッケージ市場動向を注視すると共に、ベンダーより積極的に情報収集しております。

 

(7) 法的規制等について

当社は事業活動を行うにあたり、「個人情報の保護に関する法律」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という)、「下請代金支払遅延等防止法」等関係法令の規制を受けております。

当社は、労働者派遣法に基づき一般労働者派遣事業の認可(許可番号 般23-300001(現番号 派23-300001))を得ております。なお、労働者派遣事業は労働者派遣法第6条の欠格事項が設けられており、この欠格事項に該当するときは、事業の許可が取り消されるか、事業の停止となる旨が定められております。

当社は法令を遵守した事業を運営するため、コンプライアンス委員会の定期開催や監査の実施等の対策を講じておりますが、万一法令違反に該当するような場合、または法的な規制が変更等になった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、許可の有効期限の満了後、許可が更新されない場合においても労働者派遣事業ができないこととなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は事業活動を行うにあたり、協力会社から派遣された技術者と一体となってプロジェクトを組織しシステム開発を行うことがありますが、当社が継続利用している協力会社が、許可の有効期間の満了後、許可が更新されない場合や、法的な規制が変更等になった場合、技術者の確保が困難となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、下請代金支払遅延等防止法でいう下請業者に当たる協力会社に対し開発を依頼しております。現在では支払代金の遅延等を未然に防止する体制を構築しておりますが、万一法令違反に該当するような場合、または法律の改正等が行われた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 個人情報の管理および情報セキュリティについて

高度情報化社会の進展に伴い、個人情報の保護は極めて重要な問題となっております。企業が取り扱う機密情報や個人情報について、情報管理が不十分であると会社経営に重大な影響を与える可能性があることを認識しております。また昨今、マルウェア感染やサイバー攻撃等、インターネット上での犯罪行為が高度化、巧妙化しており、悪意ある攻撃に当社が晒される危険性もあります。

当社は、システム開発事業において、取引先の顧客データを取り扱うことがある事業環境にありますので、顧客の安全性・信頼性に重点を置いた政策をとり、ISO9001に準拠した品質重視の開発・運用の推進、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム/ISO27001)およびプライバシーマーク認証取得企業として、法令や社内規程に則った管理体制の維持と、全社員向けの教育や理解度テストを実施することにより、情報セキュリティの強化に取り組んでおります。また脅威メール対策やゼロトラストネットワークの導入による外部からの攻撃への対策や、サイバー攻撃等を想定し、要求レベルを設定した上での復旧テストを実施しております。

しかしながら、今後、不測の事態や外部からの悪意ある攻撃により、顧客情報や従業員の個人情報の漏洩、長期間に及ぶ事業活動の停止といった状況が発生した場合には、社会的な信用等の失墜や損害賠償責任の発生、修復に要する多額の費用の発生等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害等の発生について

当社の本社は、東海地震や東南海地震等の大規模な地震や、低い海抜の地域への水害が想定される東海地方にあります。こうした自然災害のほか、火災、停電、感染症等により、コンピュータ機器の破壊やデータの破損・消失、人的被害等でシステム開発能力の低下に陥る可能性があるため、当社では本社基幹サーバの代替機保管やデータのクラウド保管・システムのクラウド化、危機管理委員会の定期開催や安否確認訓練の実施、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を講じております。

しかしながら、大規模な自然災害等によるリスクの全てを回避することは困難であり、これにより、事業の復旧に多大な費用が生じ売上が減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)M&A、資本提携等について

当社では今後の事業拡大への経営資源を取得するために、M&Aによる企業買収や資本提携等も積極的に推進してまいります。それらを実施する場合には、対象となる企業の財務内容や事業についてのデューデリジェンスを行い、事前にリスクを把握するとともに、収益性や投資回収の可能性について検討しています。

しかしながら、国内外の経済環境の変化等の理由から、当社がM&Aや資本提携等を行った企業の経営、事業、資産等に対して十分なコントロールを行えない可能性があります。結果として当社が期待したシナジーが得られず、当社が既に行った投資額を十分に回収できないリスクが存在し、当初の期待通りに事業を展開できない場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。

 

当連結会計年度におけるわが国の経済は、インバウンド需要の増加や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調となりました。一方で円安や原材料・エネルギー価格の高止まり、米国の政策動向等、依然として経済の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

当社グループが属する情報サービス産業におきましては、総務省の「サービス産業動態統計」によると2025年1月の情報サービス業の売上高合計は、前年同月比15.4%増となり34か月連続の増加となりました。その内、「受託開発ソフトウェア業」は21.8%増となりDX(デジタルトランスフォーメーション)技術を活用した業務プロセスやビジネスモデルの変革が進む中、企業のIT投資需要は引き続き旺盛であります。

 

このような経営環境の中、当社は当連結会計年度の基本方針として次の項目について取り組んでまいりました。

a) ソリューションビジネスの更なる拡大とプライムベンダー化

当社の基幹分野であるソリューションビジネスの拡大、特に得意分野へのさらなる特化と、優良顧客を高い利益率が期待できるプライムベンダー化(エンドユーザーからの一次請け)に取組みました。

b) ストックビジネスの拡大と優良顧客の獲得を重点的に実行

既存顧客からの継続受注を安定的に確保したことに加え、新規顧客からの案件を積極的に受注しました。

c) DX関連事業への取り組み

ペーパーレスソリューション「デジペーパー」や生成AIを活用した文書検索支援サービス「デジクエリ」といった自社製品や、販売パートナーの提供するサービスを活用したソリューションの提供により、お客様のDXや働き方改革、業務改革のニーズに応えてまいりました。

d) 赤字プロジェクト・低採算プロジェクト縮小施策の推進

PRM(プロジェクト・リスク・マネジメント)活動を実施することにより、赤字プロジェクト・低採算プロジェクトの縮小に繋がりました。

e) 働きやすい環境・多様な働き方の推進と企業風土の醸成

労務面については、従前からの「グッド・ジョブ・チャレンジ」(ノー残業デーの実施強化、事前承認残業の徹底、有給休暇の取得率向上など)を推進するとともに、社内制度の周知や啓蒙活動を継続的に行い、社員が働きやすい環境の整備と、社員の長期的なキャリア形成を支援する風土改革・意識醸成に取り組みました。

 

業務区分別の売上高につきましては、次のとおりであります。なお、当社グループは、ソフトウエア関連事業の単一セグメントであるため、業務区分別の業績を記載しております。

企業のシステム構築を中心とするSIサービス業務は、自動車関連をはじめとする当社の主要顧客のIT投資需要が堅調で、請負案件の受注が増加したことから、売上高は10,480百万円(前年同期比14.1%増)となりました。

ソフトウエア開発業務は、既存顧客からの保守・メンテナンス業務を安定的に受注出来たことにより、売上高は14,248百万円(前年同期比8.4%増)となりました。

ソフトウエアプロダクト業務におきましては、コールセンター系システム「CTIコネクテル」の売上増加などにより421百万円(前年同期比18.6%増)、商品販売ではパソコン・情報機器、ソフトウエア等の商品仕入れ販売により、売上高は410百万円(前年同期比7.8%増)となりました。

その他WEBサイトの運営ならびにクラウドサービス(SaaS)等では、オンラインショップの利用店舗数および流通総額が増加したことから、売上高は371百万円(前年同期比36.3%増)となりました。

利益面におきましては、受注量の増加に伴い技術者の稼働率が高い水準を維持していることに加え、収益性の高いSIサービスの売上高が増加したことや、PRM(プロジェクト・リスク・マネジメント)活動による不採算プロジェクトを発生させない取り組みなどにより、安定した利益を計上いたしました。

以上の結果、当期における連結業績は、売上高25,931百万円(前年同期比11.1%増)、営業利益2,997百万円(前年同期比10.8%増)、経常利益3,066百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,194百万円(前年同期比11.4%増)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

当社グループはソフトウエア関連事業の単一セグメントであるため、業務区分別の実績を記載しております。

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。

業務区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

SIサービス業務

10,480

114.1

ソフトウエア開発業務

14,248

108.4

ソフトウエアプロダクト業務

421

118.6

その他

371

136.3

合計

25,521

111.2

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

② 外注実績

当連結会計年度の外注実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。

業務区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

SIサービス業務

4,420

118.1

ソフトウエア開発業務

5,793

108.4

ソフトウエアプロダクト業務

106

134.7

その他

0

144.2

合計

10,322

112.6

 

 

③ 仕入実績

当連結会計年度の仕入実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。

業務区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

商品販売

347

112.6

 

(注) 金額は、仕入価格によっております。

 

④ 受注実績

当連結会計年度の受注実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。

業務区分

受注高

(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比
(%)

SIサービス業務

9,973

104.8

1,802

78.0

ソフトウエア開発業務

13,472

102.3

1,674

68.3

ソフトウエアプロダクト業務

419

111.5

123

98.1

商品販売

472

126.8

103

251.1

合計

24,337

103.9

3,704

75.1

 

 

⑤ 販売実績

当連結会計年度の販売実績を業務区分別に示すと、次のとおりであります。

業務区分

金額(百万円)

前年同期比(%)

SIサービス業務

10,480

114.1

ソフトウエア開発業務

14,248

108.4

ソフトウエアプロダクト業務

421

118.6

商品販売

410

107.8

その他

371

136.3

合計

25,931

111.1

 

(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱トヨタシステムズ

3,742

16.0

4,641

17.8

 

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当連結会計年度末の流動資産は13,607百万円であり、前連結会計年度末に比べ618百万円増加しました。主な要因は、売掛金603百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の固定資産は3,918百万円であり、前連結会計年度末に比べ762百万円増加しました。主な要因は、建設仮勘定が896百万円増加したことによるものであります。

② 負債の部

当連結会計年度末の流動負債は5,130百万円であり、前連結会計年度末に比べ170百万円増加しました。主な要因は、未払法人税等163百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の固定負債は566百万円であり、前連結会計年度末に比べ94百万円減少しました。

③ 純資産の部

当連結会計年度末の純資産は11,829百万円であり、前連結会計年度末に比べ1,304百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が1,525百万円増加したことによるものであります。

 

当社グループの自己資本比率および流動比率は、当連結会計年度末においてそれぞれ、67.3%、265.2%となり、良好な財政状態を保っております。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ117百万円減少し、8,203百万円(前年同期末は8,321百万円)となりました。

また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は、2,056百万円(前年同期は2,458百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,073百万円などの増加要因が、法人税等の支払額788百万円などの減少要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は、1,139百万円(前年同期は926百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,085百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により減少した資金は、1,035百万円(前年同期は546百万円の減少)となりました。これは主に、長・短期借入れによる収入1,630百万円長・短期借入金の返済による支出1,774百万円配当金の支払額668百万円によるものであります。

 

当社グループの資本の財源および資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保と金融機関からの借入による資金調達を基本方針としております。

現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は8,203百万円であり、資金の流動性は十分に確保できております。なお、資金の主要な使途としては、運転資金であり、経済情勢の悪化等により、万一事業環境が悪化した場合でも一定程度の運転資金の水準を維持することとしております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 当連結会計年度の研究開発活動は、当社東京ソリューション部でのAI-FAQ(注)の研究開発に取り組みました。AI-FAQを利用した、コールセンターの自動問い合わせ対応用チャットポットの研究開発費用となります。

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は19,733千円であります。

 

(注)AI-FAQ:FAQはFrequently Asked Questionsの略で、頻繁に尋ねられる質問を指す。AI-FAQは、FAQをAIで対応する事。問い合わせ対応をAIが支援、あるいは自動化することで解決率の向上やオペレーターの負荷軽減が期待される。