文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、仮設機材等の提供を通じて質の高いサービスを広くお客様に提供し、事業を通じた社会貢献を果たすことを目指しております。また、常にお客様のニーズにお応えするために新商品の開発及びサービスの向上に努め、新しい価値を提供し続けることにより、当社グループのさらなる発展を図ってまいります。社会、株主、そして従業員に対して信頼と期待に応え、事業の永続的な企業価値向上を目指してまいります。
サステナブルな発展に欠くことのできない安定的なキャッシュ・フローを確保するため、また、景気循環に左右される業界環境において、様々な変化に柔軟に対応できるビジネスモデルの構築を進めてまいります。
(2021 中期経営計画ビジョン)
「トランスフォームにより新たな価値を創造し、お客様のパートナー企業となることで、持続的な成長を目指す。」
(2)経営環境
新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響が続く中で、世界各国でワクチン接種などの抑制施策や経済活動の回復もあり、持ち直しの動きもみられますが、ロシア・ウクライナ情勢によって生じる地政学的リスクの懸念等によって、エネルギー価格や穀物価格の高騰等の影響による物価上昇など、経済成長への不安要素が強く、依然として先行き不透明な状況が続いております。
国内の建設業界において、国土強靭化計画等を背景とする社会インフラの維持修繕工事を中心に底堅さが見られますが、急激な円安進行により、民間の設備投資は、エネルギー価格や建設資材の価格高騰等の影響もあり、慎重に動向を見極めていく必要があります。
海外においては、新型コロナウイルス感染症による経済活動の抑制施策が緩和され、着実に回復しつつあるものの、エネルギー価格や鋼材価格の高騰等、厳しい経営環境が続くものとみております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と中長期的な会社の経営戦略
当社グループの業績は、これまでの実績から外部環境に大きく左右され、特に経済活動が減退する状況下では、業績が著しく変動する傾向にあります。
このような課題の認識から、当社グループは、「次世代足場におけるトップシェアの維持・拡大」、「維持補修工事へと移行する市場への対応」、「仮設部門以外における収益事業の育成」、「海外事業基盤の収益成長」を中期的に対応すべき経営課題と認識し、2022年3月期を初年度とする中期経営計画において、それぞれの課題に対応するための基本戦略を策定いたしました。これら基本戦略に基づき、当社グループは、中期経営計画ビジョンの実現、企業価値向上に努めてまいります。
(2021 中期経営計画 基本戦略)
① 「Iqシステム」を中心としたハードとソフトを融合したサービスの開発
「Iqシステム」の次世代足場における製品面での優位性に代表されるハード面だけではなく、足場の管理・運用・コンサルティングなどのソフト面の強化を図ってまいります。足場をはじめとした仮設機材は、実質的な耐用年数が長く利用価値は変わりません。そのため、製品イノベーションが起こり難く、また、所定の減価償却期間を過ぎれば、売上原価となる賃貸資産償却費の負担が軽減され、価格競争に陥る傾向にあります。特に需要が停滞する環境下においては、価格競争が発生しやすく、製品力(ハード)の優位性は、価格の圧力に押され負けてしまいます。このことから、顧客から選ばれるためには製品力だけではなく、顧客事業における課題に対応した課題解決力(ソフト)の提供が欠かせないと判断しております。製品力と課題解決力、ハードとソフトを融合した新たなサービスの開発と提供によって、顧客から選ばれ続ける企業となることを目指してまいります。
(ハード:製品力)
工事現場における安全性、施工性、作業性を向上させる高付加価値仮設機材の提供
(ソフト:課題解決力)
「開発・製造」、「販売」、「レンタル」、「設計・施工」、「管理・物流」の当社グループの経営基盤を構築する機能の提供
(ハードとソフトを融合した新たなサービス)
「Iqシェアリング」
顧客が保有するIqシステムの管理(整備、入出庫、品質維持など)を当社で担う。「Iqシェアリング」に対応する当社の物流拠点で入出庫が可能。不足部材、周辺部材はレンタルで提供。
② 維持補修・再インフラ関連製品の強化
日本国内の建設工事の元請完工高における維持補修(リフォーム・リニューアル)工事の割合は、増加傾向にあります。日本の高度経済成長期に整備新幹線、高速道路、鉄道などの主要インフラの整備が進み、これらインフラが建設されてから、およそ50年が経過し、全国各地で維持補修工事が進行しております。これら工事に対応する製品として、主に高速道路の維持修繕工事において、優れた施工性と安全性を提供するパネル式吊り棚足場「スパイダーパネル」、システム吊り棚足場「V-MAX」、ダムや送電設備など特に山間部における維持修繕工事において、大型クレーン等の重機の構台を工具レスで組立可能な「YTロックシステム」などの拡販に努めてまいります。また、レンタル事業におきましては、主に高層マンション向けに出荷してきました移動昇降式足場「リフトクライマー」に関しまして、土木分野での活用が広がり、建築・土木の両分野での拡販に努めてまいります。
③ 仮設部門以外の事業育成
仮設部門以外での事業分野では、アグリ事業の成長を促進させてまいります。埼玉県羽生市におきまして、当社が製造販売する農業用グリーンハウス「G-Castle NEO48(ジー・キャッスル・ネオ・48)」、「G-Castle Pro1(ジー・キャッスル・プロ・1)」を用いて果菜類を栽培し、その性能を評価するための実証農場を建設いたしました。この実証農場では、当社製グリーンハウスの性能評価だけではなく、顧客の施設見学を受け入れ、また、ハウス内の環境制御装置や最適な栽培方法の検証を行い、その検証結果を販売促進に活用いたします。センシング技術を導入し、栽培に関する各種データを収集し、これらデータを顧客へ提供するなどの二次活用も進め、事業拡大に努めてまいります。
④ 海外事業基盤の再整備
海外事業基盤の再整備につきましては、特にフィリピンの子会社において、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けました。フィリピンは、依然として経済成長率は高く、有望な市場であり、建設投資はコロナ以前に回復すると見込んでおります。引き続き、管理体制や事業基盤の整備を進め、さらなる成長に向けて強化してまいります。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、毎期の業績目標を着実に達成することが企業価値の増大に繋がると考えております。そのため、2023年3月期の業績目標の達成に注力してまいります。
当社グループは、2021年5月に2022年3月期を初年度とする3ヵ年計画「2021 中期経営計画」を発表いたしました。当社グループの中期的な経営指標として、本中期経営計画において、最終年度となる2024年3月期連結業績の営業利益50億円を目標に掲げております。
本中期経営計画の経営ビジョンの実現に向けた各基本戦略を推進し、トランスフォームを完成させるため、施策の推進、積極的な投資を実施し、目標達成へ向けて尽力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)建設投資動向等の影響について
当社グループは、建設用仮設機材の開発・製造・販売及びレンタルを主たる事業としております。当社グループの主要取扱品目は、主に建設現場で使用される仮設機材であるため、当社グループの業績は建設投資動向の影響を受ける傾向にあります。建設投資動向は、民間設備投資や国及び地方公共団体の公共事業予算に影響を受けます。そのため、建設投資動向が著しく変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)貸倒れリスクについて
当社グループの取引先は3,000社以上に及んでおり、売上債権は特定の取引先に集中することなく、多数の取引先に対して分散されております。売上債権の貸倒れリスクは、これら多数の取引先の財務状況に影響を受けることになりますが、当社グループの取引先のほとんどは建設会社であり、建設業界を含む全般的な景気低迷の結果、売上債権の貸倒れが増加し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。そのため当社グループでは、信用不安のある取引先とはその信用状況を勘案して慎重に取引を行うように努めております。
(3)借入金を中心とした有利子負債への依存について
当社グループは、仮設機材の購入代金の大部分を借入金、社債及び割賦払いにより調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率は下表のとおり高い水準で推移しております。今後、借入金利が上昇に転じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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2021年3月期 (百万円) |
2022年3月期 (百万円) |
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有利子負債残高 (対総資産額比率) |
27,620 (48.9%) |
28,209 (47.7%) |
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純資産額 (自己資本比率) |
18,768 (32.3%) |
19,337 (31.8%) |
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総資産額 |
56,454 |
59,081 |
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支払利息 |
239 |
206 |
(注) 有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定のものを含む)、社債(1年内償還予定のものを含む)、リース債務(流動負債及び固定負債)、流動負債の「その他」のうちの未払金、固定負債の「その他」のうちの長期未払金の合計であります。
(4)長期借入金等の財務制限条項について
当社は、金融機関数社とシンジケートローン契約を締結しておりますが、これらの契約には、各年度の第2四半期会計期間末及び年度決算期末における連結貸借対照表において、純資産の部の金額が資産の部の合計額の10%を下回らないことや、各年度の決算期末における連結損益計算書の経常損益の額が2期連続して赤字とならないこととする財務維持要件が付加されております。これらの条件に抵触した場合には、シンジケート団の貸付金額の三分の二以上を占める多数貸出人の要請があれば、当社は期限の利益を喪失し直ちに返済義務を負うこととなり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)仕入価格の変動について
当社グループが取り扱う仮設機材は、主に鋼製品であり、鉄鋼原材料市況に大きく影響されます。そのため、当該市況により仕入価格が著しく変動した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)賃貸資産に係る会計処理について
当社の取り扱う仮設機材は、主に建設現場で使用されており、取引先がレンタル先の建設現場において当社の仮設機材を紛失した場合や、損耗の激しい状態等で返却され、当社が同一機材として使用不可能と判断した場合は、取引先から当該仮設機材の滅失価格(仮設機材の再調達価額相当の金額)を受領することとなっております。当社は、この場合、会計処理上滅失価格の受領額を売上計上し、当該機材の帳簿価額を売上原価に計上しております。また、レンタル終了時に貸し出した仮設機材以外の同種機材を取引先より受け入れる場合があります。これは、取引先が不要と判断した機材を当社で受け入れているものであり、これらの機材に関して、その後の整備により当社の品質基準に適合し、新たに当社の仮設機材として活用可能であると判断した場合には、当該機材を資産計上し、資産計上額を賃貸資産受入益として営業外収益に計上しております。そのため、滅失価格の受領に伴う売上高、レンタル終了時の仮設機材の受け入れに伴う営業外収益等が変動し、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(7)関連当事者取引について
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種類 |
会社等の名 称又は氏名 |
所在地 |
資本金又 は出資金 (百万円) |
事業の内容又は職業 |
議決権等の所有(被所有)割合(%) |
関連当事者 との関係 |
取引の内容 |
取引金額 (百万円) |
科目 |
期末残高 (百万円) |
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主要株主 |
髙宮東実 (注)1 |
- |
- |
当社 名誉会長 |
(被所有) 直接11.5 |
名誉会長業務の委嘱 (注)1 |
名誉会長業務の委嘱 (注)1 |
12 |
- |
- |
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役員及びその近親者が議決権の過半数を所有している会社等 |
㈱アットキャド |
東京都 渋谷区 |
30 |
CAD製図の総合アウトソーシングサービス |
- |
仮設計画図面の作成・ 人材派遣 |
仮設計画図面の作成 (注)2 |
13 |
- |
- |
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人材派遣料の支払 (注)2 |
14 |
- |
- |
(注)1.当社の主要株主髙宮東実は、2006年4月1日付で取締役を退任し、名誉会長に就任いたしました。名誉会長業務の委嘱の具体的な内容は、必要に応じて取締役会等の諮問にこたえるほか、事業運営に関する助言、幹部社員教育に関する相談等であります。報酬額については、委嘱する業務の内容等を勘案し、取締役会にて協議の上決定しております。
2.取引条件及び取引条件の決定方針等については、市場価格を勘案し、一般の取引条件と同様に決定しております。
(8)建設業法について
当社工事部が行う仮設工事事業及びアグリ事業部が行う農業用ハウス建設工事事業は、建設業法に定められた特定建設業「とび・土工工事業」の許可を受け施工しております。工事部の主な取引先は建設会社又はリフォーム業者等、アグリ事業部の主な取引先は農業協同組合等であり、取引を行う場合建設業の許可を取得していることは必須事項となっておりますので、建設業許可の取消や停止事由が発生した場合は当社の業績に影響を及ぼす可能性がございます。
(9)為替変動リスクについて
為替相場の変動は、連結決算における在外子会社財務諸表の円貨換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)製造物責任(PL)について
当社グループの製品及び商品には、製造物責任のリスクが内在しております。製品の欠陥や商品の経年劣化に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)自然災害・感染症の流行について
当社グループでは、地震、台風等の自然災害及びウイルス等の感染症の流行により操業停止をせざるを得ないような事態の発生に備え、国内外での生産拠点及びレンタル機材物流拠点の分散や従業員の安全確保及び早期復旧対策等を実施しておりますが、予想を超える規模・範囲での従業員や建物の被災や新型インフルエンザ等世界規模での感染症流行が発生した場合、操業停止・各国の経済停滞やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営・業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、流行中の新型コロナウイルスについては、在宅勤務比率の引上げや交代勤務、営業人員の直行直帰徹底により従業員の感染リスクを抑えながら、顧客への製品・サービス供給を維持しております。今後も供給責任を果たすべく、働き方と生産性の検証を進めて参ります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限と緩和が繰り返される中、持ち直しの動きが見られましたが、足元では原材料価格の高騰やロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが関連する国内建設業界は、民間建設工事の一部の現場において、工事の中断や遅延、着工の延期など、厳しい状況でのスタートとなりましたが、首都圏の改修工事を中心に回復基調が見られました。海外におきましては、販売子会社が所在するフィリピンでは、政府による外出・移動制限措置により事業活動が制限され、また、製造子会社が所在するベトナムにおいても一時フィリピン同様の制限措置が設けられるなど、厳しい状況が続きました。
このような環境の中で、当社グループは2021年5月31日に発表しました中期経営計画において、「トランスフォームにより新たな価値を創造し、お客様のパートナー企業となることで、持続的な成長を目指す。」という経営ビジョンを掲げ、「Iqシステム」を中心としたハードとソフトを融合したサービスの開発、維持補修・再インフラ向け製品の強化、仮設部門以外の事業育成、海外事業基盤の再整備、この4施策に取り組んでまいりました。
a.財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、59,081百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,626百万円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金の増加804百万円、受取手形及び売掛金の減少840百万円、原材料及び貯蔵品の増加614百万円、賃貸資産(純額)の減少1,032百万円、建物及び構築物(純額)の増加1,511百万円等によるものであります。
負債合計は、39,744百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,058百万円増加いたしました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の増加1,271百万円、短期借入金の減少866百万円、社債(1年内償還予定の社債を含む)の増加1,129百万円等によるものであります。
純資産合計は、19,337百万円となり、前連結会計年度末と比べ568百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金の増加313百万円、為替換算調整勘定の増加203百万円等によるものであります。
b.経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高39,800百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益1,682百万円(前年同期比6.0%増)、経常利益1,954百万円(前年同期比24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益965百万円(前年同期比12.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(販売事業)
仮設部門においては、「Iqシステム」に対する関心は依然として高く、新規及び継続案件ともに引合いは堅調に推移いたしました。ベトナムの外出・移動制限措置により、一時生産量の低下はありましたが、出荷は順調に推移いたしました。
仮設部門以外においては、農業用高機能ガラスハウス建設工事等により、アグリ関連売上が増加いたしました。
これらの結果、売上高13,629百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益1,633百万円(前年同期比16.3%増)となりました。
(レンタル事業)
民間建設工事においては、工事の中断や遅延、着工の延期など、厳しい状況が継続する中、首都圏の維持改修工事を中心に「Iqシステム」の貸出量が高く推移いたしました。一方、建築、土木分野では見込まれていた大型現場の遅延、着工の延期などにより、仮設機材の貸出量が減少いたしました。利益面におきましても、仮設機材の貸出量の減少に伴い、減価償却費等の固定原価割合が増加したことによりセグメント利益率が低下いたしました。
これらの結果、売上高23,283百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益1,221百万円(前年同期比31.9%減)となりました。
(海外事業)
販売子会社であるDIMENSION-ALL INC.(フィリピン)においては、マニラ首都圏の外出・移動制限措置により事業活動制限が継続され、厳しい状況ではありましたが、販管費の削減に努め、収益改善を進めました。また、製造子会社であるホリーベトナム(ベトナム)においては、政府による一時外出・移動制限により事業活動が制限され、日本国内向け製品の生産量が一時低下もありましたが、原材料・部品の調達に大きな影響はなく順調に推移し、売上が増加いたしました。
これらの結果、売上高6,410百万円(前年同期比20.9%増)、営業利益277百万円(前年同期は営業損失99百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ804百万円増加し、8,516百万円(前年同期比10.4%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,294百万円の収入(前連結会計年度は5,035百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益1,666百万円、減価償却費4,784百万円、仕入債務の増加額1,204百万円等に対して、棚卸資産の増加額2,966百万円等があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,979百万円の支出(前連結会計年度は1,382百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,955百万円等があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、588百万円の支出(前連結会計年度は2,873百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入6,610百万円、社債の発行による収入1,957百万円等があったものの、短期借入金の純減少額910百万円、長期借入金の返済による支出6,333百万円、社債の償還による支出871百万円等があったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
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販売事業(百万円) |
5,332 |
103.7 |
|
レンタル事業(百万円) |
- |
- |
|
海外事業(百万円) |
4,178 |
115.7 |
|
合計(百万円) |
9,511 |
108.6 |
(注)金額は、製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは、製造する製品のほとんどが見込生産であり、レンタルや販売する製品についても、顧客企業と締結している契約に規定されているのは、料金算定の基礎となる単価及び概算の見積金額であり、受注金額の算定に必要なレンタル期間や滅失機材の数量等については、工事の進捗状況や使用状態により変動いたします。従いまして、受注金額を確定することが困難な状況であるため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比 (%) |
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販売事業(百万円) |
13,193 |
112.5 |
|
レンタル事業(百万円) |
23,265 |
97.4 |
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海外事業(百万円) |
3,341 |
104.8 |
|
合計(百万円) |
39,800 |
102.5 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、2022年3月期を初年度とした中期経営計画において「トランスフォームにより新たな価値を創造し、お客様のパートナー企業となることで、持続的な成長を目指す。」とのビジョンを掲げ、その実現に向けて取り組んでおります。
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制限と緩和が繰り返される中、持ち直しの動きが見られましたが、本格的な回復には至らず、また、原材料価格の高騰などにより、厳しい事業環境となりました。そのような環境下において、2021年10月29日に発表いたしました通期業績の修正予想には届きませんでしたが、前連結会計年度と比較し、増収増益となりました。
事業セグメント別では、販売事業におきまして、「Iqシステム」の新規及び従来足場からの更新需要は引き続き強いものがありました。更新の際に引き受けた従来足場等の中古仮設機材の販売もあり、仮設機材及び中古販売は前年を上回る結果となりました。また、太陽光発電パネル架台の販売は、脱炭素社会に向けた企業の取り組みが進み、引き合いとなっていた案件が実績として現れてまいりました。アグリ事業は、前連結会計年度の農業用グリーンハウスの大型建設工事を受注してから目立った大型案件もなく、また、新型コロナウイルス感染症拡大防止施策により海外からの就労者を確保できず、グリーンハウスの新築や増床計画を見送るケースがございました。
レンタル事業におきまして、次世代足場「Iqシステム」の賃貸資産稼働率は、第3四半期会計期間におきまして過去最高を記録し、新型コロナウイルス感染症拡大以前のトレンドを取り戻しつつあります。一方、前連結会計年度の後半から稼働率が停滞しておりました土木関連機材は、当第3四半期会計期間からの回復を見込んでおりましたが、着工の遅延や延期により稼働率の伸長が見られませんでした。当第4四半期会計期間から徐々に出荷は開始されましたが、稼働率を押し上げるまでには至りませんでした。
海外事業につきまして、フィリピンの現地子会社においては、首都圏の外出・移動制限措置等により引き続き営業活動が制限され、売上高に大きな変化は見られませんでしたが、販管費を抑制したことで収益は改善されました。ベトナムの現地子会社は「Iqシステム」を中心に日本国内向けの製品を製造していることから、日本国内の需要が追い風となり好調に推移いたしました。また、韓国子会社も韓国国内の経済環境が回復し始め、収益は大きく改善いたしました。
新型コロナウイルス感染症の再拡大の不安が続く中で、世界各国でワクチン接種などの抑制施策や経済活動の回復もあり、持ち直しの動きもみられますが、ロシア・ウクライナ情勢によって生じる地政学的リスクの懸念等によってエネルギー価格や穀物価格の高騰等の影響による物価上昇など、経済成長への不安要素が強く、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社事業は、経済環境の激しい変化によって、業績が著しく変動することがあり、将来に向けての継続的な企業成長並びに安定収益の確保、今後起こりうる様々な外部環境変化への柔軟性を保持し、将来を見据えた先行投資を継続する体制・体質づくりを推進していくことが課題と認識し、中期経営計画の実現に取り組んでおります。
中期経営計画の基本戦略「Iqシステムを中心としたハードとソフトを融合したサービスの開発」は、当社収益の源泉である開発・製造、販売、レンタル、設計・施工、管理・物流の各種機能を有した事業基盤(プラットフォーム)を顧客へ解放し、収益を生むプラットフォーム事業の確立が最大のテーマとなります。
プラットフォーム事業のIqシェアリングは、顧客が購入したIqシステムを当社のプラットフォームを使って、利用する工事現場へ出荷や返納後の整備を行うサービスで、顧客は、Iqシステムの保管場所、整備体制や物流網を構築する必要はありません。Iqシェアリングの他、サービスを提供するプラットフォームは、DX、IT等を活用した生産性の向上を図り、顧客の満足度を高めてまいります。
国内の建設業界では、国土強靭化計画等を背景とする社会インフラの維持修繕工事を中心に底堅さが見られますが、急激な円安進行により、民間の設備投資は、エネルギー価格や建設資材の価格高騰等の影響もあり、建設コストの上昇や着工の遅れ等、特に2023年3月期の上半期において需要動向を慎重に見極めていく必要があります。一方、同第3四半期以降において、レンタル事業では着工が期待されることから、製品供給体制を整える建築及び土木工事の着実な受注活動を進めてまいります。販売事業においては、当連結会計年度を上回る需要を見込む当社主力製品であるIqシステムの増産体制を整え、需要期を逃さない安定的な製品供給に努めてまいります。
海外事業におきましては、新型コロナウイルス感染症による経済活動の抑制施策が緩和され、着実に回復しつつあるものの、エネルギー価格、鋼材価格の高騰等、引き続き難しい経営環境が続くものとみております。これまでの経済活動抑制による影響が根強く、設備投資需要の強い回復は期待できない状況ではありますが、堅調な需要が期待される型枠材、支保工材の受注案件を着実に積み上げるための体制づくりを進めてまいります。製造部門においては、材料価格の高騰による影響は無視できないものの、日本国内でのIqシステムの需要が堅調に推移すると予想していることから、安定供給体制の整備に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、掲げている「トランスフォームにより新たな価値を創造し、お客様のパートナー企業となることで、持続的な成長を目指す。」という経営ビジョン達成のための設備投資と、日々の生産及び営業活動に必要な運転資金です。これらの資金需要の当社グループの調達方針は、「安定的・継続的な資金調達」と「財務体質の健全性の維持・強化」を基本方針としております。
安定的・継続的な資金調達を目的に、国内においては、参加金融機関10行とのシンジケートローンによる資金調達をメインとしております。海外の必要資金については、ドル建て親子ローンを実行する一方で、参加金融機関3行とのグローバル・クレジット・ファシリティー契約に基づく、各海外子会社の自国通貨での調達を行なう事で、調達コスト及び為替変動リスクの低減に努めております。また、当社グループの有利子負債総額の半分程度を、金利スワップ等により固定化する事で金利上昇リスクの低減にも努めております。
金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの運営に必要な資金の安定的・継続的な調達は、今後も可能であると考えております。
今後も、「安定的・継続的な資金調達」と「財務体質の健全性の維持・強化」という二つの方針の両立を目指すべく、間接金融または直接金融の多様な調達手段の中から、当社にとって有利な手段を適宜選択し、資金調達を行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りに関しましては、当社グループにおける過去の実績率等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
シンジケートローン契約について
当社は、2021年6月18日開催の取締役会決議に基づき、設備資金の安定的かつ効率的調達を目的として、㈱三菱UFJ銀行を主幹事とする金融機関10行からなるシンジケート団と以下のとおりシンジケートローン契約を締結いたしました。
契約日 2021年6月25日
契約金額 4,000百万円
借入利率 3ヶ月Tibor+0.6%
契約期限 2026年4月30日
担保 無担保
保証 無保証
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は
なお、当該研究開発費は、当社における建設用仮設機材等の開発によるものであります。