第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループが属する情報サービス産業において、インターネットにおける情報の発信源に関して第1世代ポータル型(検索エンジン、Eコマース、コンテンツ提供等サービス事業者が情報発信)から、第2世代SNS型(インターネット利用者が情報発信)へと変化し、昨今では、第3世代であるIoT型(ヒトだけではなくモノが情報発信)へと大きな転換点を迎えています。このような中、クラウドサービス市場の拡大やIoT、人工知能、ビッグデータ関連ビジネスに対する機運の高まり等、上向きの傾向にはあるものの、情報サービス産業間の競争は激しさを増しており、事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。

このような環境のもと、当社を中心とするコンピュータプラットフォーム事業においては、データセンターサービスやクラウドサービスをはじめとする既存事業では、サービス品質の高さ等の付加価値を訴求した営業活動を推進いたしました。また、IoT事業等の新規事業では、昨年(平成27年)10月に海外拠点となる連結子会社BBTOWER SAN DIEGO INC.を設立、同年12月には人工知能技術を活用したサービスを提供する株式会社エーアイスクエア(以下、エーアイスクエア)を設立し、本年(平成28年)2月には、国内外のIoTベンチャーの発掘・育成等を目的にグローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社を設立する等、新規事業の基盤整備を推進してまいりました。今後、さらに既存事業と新規事業の融合を図ってまいります。

一方、連結子会社である株式会社ビービーエフ(以下、ビービーエフ)及びその子会社である株式会社ブランチ・アウト(以下、ブランチ・アウト)を中心とするファッションビジネスプラットフォーム事業においては、EC市場の拡大を背景に売り上げが順調に推移いたしました。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。

 

① コンピュータプラットフォーム事業

コンピュータプラットフォーム事業におきましては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、スマート・エネルギー及びその他・海外事業に分け、サービスを展開しております。

データセンターでは、市場規模は堅調に拡大しているものの、当社は、昨年9月に第2サイトのサービスを終了した影響を受けましたが、データセンターの売り上げを増加させるために、既存顧客との関係強化や新規顧客獲得へ向けた営業活動を推進し、顧客ニーズに合ったサービスの提案、提供を行いました。 

クラウド・ソリューションでは、市場規模の拡大を背景に、当社独自のc9サービスは堅調に推移し、Saas(software as a service)型のサービスは伸長いたしました。また、ビッグデータの分析・活用ソリューションをクラウドで提供しているamazon web servicesへの対応に加え、Microsoft Azureへの対応としてAzureの導入前コンサルティングからシステム構築、運用監視までワンストップで対応する「Microsoft Azure構築・運用支援サービス」を開始いたしました。これにより、複数のクラウドサービスを適材適所に組み合わせた環境を提供することが可能となりました。また、資本・業務提携を締結している株式会社セキュア(以下、セキュア)と共同で開発したクラウドベースの監視・録画サービスである「SECURE VSaaS(Video Surveillance as a Service)」の提供を開始いたしました。本サービスでは、専用カメラを監視対象場所に設置しインターネットに接続するだけで監視システムを利用することが可能になります。今後もクラウド・ソリューションのラインアップの拡充を図り、運用管理の効率化に資するサービスを提供してまいります。 

データ・ソリューションでは、増大するデータを保存するニーズが高まっていることを受け、当社の主力プロダクトである米EMC社製の「Isilonシリーズ」の販売に引き続き注力いたしました。加えてその他に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等のユーザーが生成するコンテンツやビッグデータ等の更なる大容量のデータを保存するニーズに対応するため、Scality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品を販売するとともに、本製品のパフォーマンスを最大化するインターコネトクトソリューションの販売も開始いたしました。また、決済関連事業を行う当社子会社の株式会社Lyudia(以下、Lyudia)は、当連結会計年度の第3四半期までは、当社の完全子会社として業績に影響したものの、本年4月に、フランスのIngenico GroupS.A.に対し当社保有のLyudia株式を一部譲渡したため、第4四半期連結会計期間より、連結子会社から持分法適用関連会社になりました。

スマート・エネルギーでは、山口県防府市、群馬県利根郡みなかみ町において太陽光発電事業を行っており、売り上げは堅調に推移いたしました。加えて、栃木県日光市において、当社3か所目となる太陽光発電所を設置し、本年6月より売電を開始しております。引き続き、インターネットとエネルギーを融合させたサービスへ発展させてまいります。

その他・海外事業では、新規事業であるIoT事業は、当社の持分法適用関連会社である米国EverySense,Inc.と共同でサービスプラットフォームの開発を行っております。本年4月より、オフィス内の環境データを収集、蓄積するためにオフィス内環境モニタリングの実証実験を複数社と共同で行っており、今後、空調・エネルギー管理、運用保守、新規サービスの創出に繋げてまいります。アンカーパーソン.TV事業では、クオリティの高い動画を制作・配信するためのサテライトスタジオをオープンさせるとともに、コンテンツの拡充を図っております。また、当社完全子会社の株式会社エーアイスクエアでは、独自開発の自然言語解析技術を活用したコールセンターの業務効率化に資するサービスの基盤整備を行うとともに、人工知能技術を活用した創薬への取り組みや機械学習による多言語コミュニケーションの実現に向けた協働を開始いたしました。

この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は7,232百万円(前年同期比3.6%減少)、営業損失は新規事業への先行投資、Lyudiaの業績の影響等により195百万円(前年同期は76百万円の営業利益)となりました。

 

② ファッションビジネスプラットフォーム事業

一方、ファッションビジネスプラットフォーム事業におきましては、ビービーエフが行うECシステム構築支援・運用サービス、TVショッピング支援サービス及びブランチ・アウトが行うファッションホールセールサービスを主軸に事業を展開しております。

ECシステム構築支援・運用サービスでは、ブランドオフィシャルECサイト制作から受発注システム構築・運用、倉庫業務、商品配送業務まで、インターネット、携帯、スマートフォンを活用した通信販売に必要となるプラットフォームを一括して提供しております。大手既存ブランドの売り上げが拡大したことにより、業績は順調に推移いたしました。なお、本年6月末時点におけるサイト数は87サイトとなりました。
  TVショッピング支援サービスでは、株式会社QVCジャパンを中心とするTV通信販売会社とファッションメーカーとを繋ぎ、商品企画、在庫・生産管理から販売に至るまでを支援することを可能としております。新規ブランドが順調に拡大しつつあり、売り上げは堅調に推移しました。
  ファッションホールセールサービスでは、ブランチ・アウトが大手小売店に対し、衣料品の販売・企画・デザイン・製造・生産管理を一貫して行っております。特に、大手小売店向けの商品企画、販促企画が奏功し、売り上げは堅調に推移いたしました。また、中国で事業を行っているビービーエフの子会社である上海布藍綺国際貿易有限公司の事業展開が進展してきており、今後、大きな成長が見込まれます。

この結果、ファッションビジネスプラットフォーム事業の売上高は27,556百万円(前年同期比13.9%増加)、営業利益は846百万円(同23.2%増加)となりました。 

 

以上の活動により、当連結会計年度における当社グループの売上高は34,788百万円(前年同期比9.8%増加)となりました。営業利益は新規事業への先行投資等もあり657百万円(同14.5%減少)、経常利益は553百万円(同27.1%減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産の減損損失の計上等により9百万円(前年同期は58百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ728百万円減少し、6,227百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権やたな卸資産の増加、関係会社株式売却益等により前年同期比699百万円の収入減少となる741百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、太陽光発電所等の有形固定資産の取得による支出、新規事業関連の投資有価証券の取得による支出の増加等により前年同期比1,186百万円の支出増加となる1,661百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済を進めたために前年同期比1,475百万円の収入減少となる299百万円の収入となりました。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

 

平成24年6月期

平成25年6月期

平成26年6月期

平成27年6月期

平成28年6月期

自己資本比率(%)

61.6

45.6

43.1

45.1

46.9

時価ベースの
自己資本比率(%)

35.1

55.7

59.9

97.8

59.1

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(%)

72.5

151.7

225.8

216.5

377.7

インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)

35.9

30.0

23.6

34.8

19.6

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3. キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

コンピュータプラットフォーム事業

7,232,350

△3.6

ファッションビジネスプラットフォーム事業

27,556,521

+13.9

合計

34,788,871

+9.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年7月1日

至 平成27年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成27年7月1日

至 平成28年6月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社しまむら

4,077,430

12.9

5,445,649

15.7

株式会社QVCジャパン

3,832,757

12.1

3,680,204

10.6

ヤフー株式会社

3,395,303

10.7

3,267,996

9.4

 

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、中期事業計画を着実に実行するために、次の課題に取り組んでまいります。

当社グループでは、当社を中心とするコンピュータプラットフォーム事業と、連結子会社であるビービーエフグループを中心とするファッションビジネスプラットフォーム事業との売上の割合が1:4とビービーエフグループの業績が依然として高い水準で推移しております。そのため引き続き、当社事業を強化・拡大することにより当社の業績を増大させる必要があると考えております。そこで、既存事業の強化と新規事業の事業展開の加速と確立が急務であります。 
  既存事業においては、当社の主力サービスであるデータセンターサービスについては、新規顧客の獲得、既存顧客との関係強化による取引拡大に努めるなどの営業活動を推進し、データセンター企業の先駆者として、競争に勝ち残るためにも、多様化する顧客ニーズに対応したデータセンターサービスを提供するとともに、クラウドサービス、データソリューション等のサービスについても、サービスラインアップの拡充を図ることにより、顧客ニーズに対応してまいります。
 新規事業では、次なる事業の柱として注力しているInternet of Things(モノのインターネット、以下IoT)事業、自然言語解析技術をはじめとする人工知能技術を活用したサービスについて、当社が培った事業基盤、知見、専門性を活かし、必要な技術を開発しながら基盤整備、実証実験等を行いサービスに繋げてまいります。加えて、コンシューマ向けサービスである「アンカーパーソン.TV」等、新しいサービスについては、コンテンツの拡充や市場のニーズの調査等を検証を行いながら収益化を図ってまいります。これらにより、既存事業と新規事業の融合でグループ全体のバリューチェーンを進化させてまいります。
 また、財務基盤の強化を図り、企業価値を向上させる取組みとして、当社グループにおける連結対象となる会社数や社員数が増加していることから、コンプライアンスを始めとする社員教育の充実、組織力を強化すると共に、内部統制システムの構築および運用にもさらに力を入れ、企業の社会的責任を果たすべく取り組みをしてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは本株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

① 当社グループの事業内容について
a)事業環境について

富士キメラ総研の調査によると、クラウドサービスの需要拡大、BCP(Business Continuity Plan)を意識したデータセンターへのシステム運用のアウトソース化や冗長化を意識した複数センター利用、また、自社データセンターの老朽化による商用データセンターへのシステム移設等の要因で、今後も成長が望める市場であります。
 しかしながら、顧客とのアライアンスによる新規市場開拓、提供サービスや顧客セグメント拡充といったビジネスモデルの転換等、市場が劇的に変化する可能性があるため、引き続き大変厳しい競争環境下にあると認識しております。当社は、更なるノウハウの蓄積に取り組み、新規事業や新サービスを創出し、より付加価値の高いサービスを提供することで競合会社との差別化を図ってまいりますが、このような状況の中で当社が優位性を発揮し、一定の地位を確保できるか否かについては不確な面があります。
 また、今後市場においてさらに競争が激化した場合、競合他社の動向によっては、当社もサービス価格引下げに応じざるを得なくなる事態も想定され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
スマート・エネルギー事業は、天候不順による発電量不足、自然災害等による設備損壊、故障、経年劣化等による性能不足・低下による発電量不足等に加えて、大規模な機器故障等が発生した場合の設備の維持困難、機器調達及び交換工事期間の発電量が低下した場合、また、電力会社配電網が自然災害や人為的な原因により損壊した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

b)システム障害について

当社のデータセンターは、大規模地震に耐えられる耐震構造または免震構造、ガス消火設備、停電時に備えてバックアップ電源として非常用自家発電装置の設置、ネットワークの冗長構成等、24時間365日安定した運用ができるように、最大限の業務継続対策を講じております。
 しかしながら、サイバーアタック、システム・ハードの不具合、電力会社の電力不足や大規模停電、想定した規模をはるかに超える地震、台風、洪水等の自然災害、戦争、テロ、事故等予測不可能な事態によってシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

c)データセンターの情報セキュリティ管理について

当社のデータセンターサービスは、顧客企業がインターネット上でコンテンツを配信するためのサーバを預かり、インターネットへの接続環境を提供する他、サーバ運用に伴う様々なサービスを提供しております。データセンター設備内部におきましては監視カメラによる監視を行っているほか、顧客ごとに付与する専用入館カードによって入退出の制限と記録管理を行う等、厳重なセキュリティ体制を構築し、万全を尽くしております。 
 しかしながら、何らかの原因で、万一、外部からの不正アクセス等により情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

d)データセンターの賃貸借契約について

当社は、データセンターのファシリティを自社で保有することなく、他社のファシリティに自社の仕様にあわせた設備を設置、顧客にサービスを提供するノンアセット型データセンターを中心に展開しております。
  当社としては、ファシリティの所有者との間で賃貸借契約を締結しております。
 しかしながら、所有者が何らかの理由で、契約の継続につき全部もしくは一部を拒絶した場合、または契約内容の変更等を求めてきた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

e)電力事情について

当社のデータセンターでは顧客のサーバを設置するとともに、インターネットへの接続回線や保守・運用サービス等を提供しているため、災害や停電等異常時にもサービス継続が可能な設備が必要となります。さらに、消費電力量が多い施設であるため、様々な施策のもと、データセンターの省電力化の対策を進めておりますが、今後予想を上回る原油価格の高騰等に起因する電気料金の大幅な引き上げが発生し、それにより顧客との取引に支障が出るような場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力消費に関して地球温暖化に係る環境規制等がデータセンター事業者に対してなされた場合も、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

f) 法的規制について 

当社は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法及び関連する省令等を遵守しております。現在のところ、これらの法律による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、今後これらの法律及び省令が変更された場合や当社グループの事業展開を阻害する規制がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

g) 主要顧客との取引について

当社グループの主要顧客は、株式会社しまむら(以下、しまむら)、株式会社QVCジャパン(以下、QVC)、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)の3社であり、平成28年6月期の売上高に占めるしまむらの割合は15.7%、QVCの割合は10.6%、ヤフーの割合は9.4%と特定の顧客に対しての依存度が高い傾向が続いております。3社との関係は良好に推移しており、今後とも取引の維持・拡大に努める所存ですが、3社の事業方針に大きな変更が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

h)連結子会社である株式会社ビービーエフ(以下、ビービーエフ)及び株式会社ブランチ・アウト(以下、ブランチ・アウト)について

ビービーエフは、ファッションブランドのECシステム構築支援・運用サービス及びTVショッピング支援事業を、ブランチ・アウトは、ファッションホールセールサービスを中心に展開しており、両社の売上高合計は当社連結売上高の約7割以上を占めております。これら連結子会社2社の規模が大きいため、今後、当社におけるビービーエフの持分比率低下、財政状態及び経営成績等によっては、当社グループの連結業績へ影響を及ぼす可能性があります。
 また、両社は、中国を重要なマーケットと捉え、中国上海市にビービーエフの完全子会社を設立しておりますが、中国国内情勢の変化によるカントリーリスクや海外取引における為替変動リスクにより、当社グループの連結業績へ影響を及ぼす可能性があります。

i)IoT事業について  

当社は、インターネット・テクノロジー・トレンドを主導するインターネット・データセンター事業者の草分けとして、大きな技術革新のフェーズを迎えたことを認識し、これまでの既存事業基盤を利活用しつつ、次なる事業の柱としてIoT(Internet of Things、モノのインターネット)関連事業を行っております。IoT市場は、市場規模の拡大が見込まれておりますが、当社のIoT事業は基盤整備を進めている段階であり、事業として確立するまでには時間を要することや不安定な要因が発生する可能性があり得ます。
 また、投資を含め当該事業へ資金を投じることから、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

j)アンカーパーソン.TV事業について

当社は、これまでデータセンターサービス、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のBtoBビジネスを展開してまいりました。アンカーパーソン.TV事業はBtoCビジネスであるため、個人情報の取扱い等のBtoCビジネス固有のノウハウを蓄積しながらビジネスを推進する必要があります。一般財団法人日本情報経済社会推進協会が付与するプライバシーマークを取得する等、個人情報管理体制の強化を図っておりますが、個人情報が社外に流出した場合、業績や社会的信用に影響を与える可能性があります。

k)ファンド事業について

当社の連結子会社であるグローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社はファンド事業を行いますが、ファンド募集において出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、業績に影響を及ぼす可能性があります。

l)新規投資について

当社グループが事業拡大を行うためには、シナジー効果を見極め、企業再編や資本提携が必要であります。しかしながら、投資のための資金、投資後の投資先の管理体制、投資による会計上の減損処理の発生の可能性等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② その他
a)人材の確保について

当社グループが今後も継続して成長していくためには、新人の育成や優秀な人材の確保が必要であると考えており、定期的な新卒採用を行い、あわせて中途採用を実施し、バランスのとれた採用及び人材の育成強化を図りながら、優秀な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材の流出や採用等が計画通りに進まない場合は、事業推進を行う上で、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

b)配当政策について

当社は、中長期的に企業価値を向上させるとともに、株主の皆様へ利益還元することを重要な経営課題として取り組んでおり、さらなる事業拡大を目指しております。当社は、将来の事業展開に必要な内部留保を確保しながらも、継続的かつ安定的な配当による株主還元を行う考えでありますが、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。

c)内部管理体制について

当社では、企業価値の向上を図り、企業の社会的責任を果たし、社会やステークホルダーから高い信頼や誠実な企業として認識を得るためには、透明性が高く環境の変化に迅速に対応できる経営体制の確立とコンプライアンス遵守の経営を追求することが不可欠であると考えており、コーポレート・ガバナンス体制の充実を、経営の最重要課題と位置づけて積極的に取り組んでおります。
 しかしながら、今後の当社もしくは当社グループの事業の急速な拡大による会社規模の拡大、もしくは子会社の増加に伴い、十分な内部管理体制の構築が整備できないという状況が生じることで適切な管理体制に支障が出る可能性があります。

d)筆頭株主との関係について

当社の筆頭株主である株式会社インターネット総合研究所とは今後も良好な協力関係を継続していく予定ですが、同社の経営方針の変更等が生じた場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 第1サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

平成18年3月1日

建物賃貸借契約

自:平成18年3月1日
至:平成20年5月31日
(以後2年毎の自動更新)

平成18年3月1日

建物賃貸借契約

自:平成18年3月1日
至:平成20年5月31日
(以後2年毎の自動更新)

平成18年3月1日

建物賃貸借契約

自:平成18年3月1日
至:平成20年5月31日
(以後2年毎の自動更新)

 

 

  (2) 第2サイトに関する契約につきましては、平成27年11月末日をもって終了しました。

 

(3) 第3サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

KDDI株式会社

平成17年9月1日

データセンターサービス契約

 自:平成17年9月1日
 至:終期なし

(ただし、事前通知により解約することが出来る) 

 

 

(4) 西梅田サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

住友不動産株式会社

平成17年12月27日

貸室賃貸借契約

自:平成18年1月1日
至:平成27年12月31日
(以後2年毎の自動更新)

 

 

(5) 第5サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

富士ソフト株式会社

平成26年12月26日

データセンターサービス契約

自:平成27年2月1日
至:平成32年2月29日
(以後1年毎の自動更新)

 

 

(6) 販売先とのデータセンターサービス基本契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

ヤフー株式会社

平成15年3月31日

以下のサービス及び設備の提供

(1) インターネットへの接続(インターネット接続サービス)

(2) インターネット接続サービスを利用するための機器(対象ハードウェア)の販売

(3) 対象ハードウェアを保管・運用するスペースの使用権(スペースサービス)

(4) 上記(1)から(3)までのサービス及び対象ハードウェアに関する管理、企画及びコンサルティング(プロフェッショナルサービス)

 自:平成21年8月31日
 至:平成23年8月30日

(以後原則1年毎の自動延長)

平成18年3月22日

データセンター運用受託契約

 

 

 

(7) 業務・資本提携に関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

ヤフー株式会社

平成21年8月31日

(1) ヤフー株式会社に対し、データセンターサービスを安定的かつ継続的に、市場競争力のある価格にて提供するよう努める。

(2) ヤフー株式会社と協力して、データセンターサービスの運用に伴うコストの圧縮を行う。

(3) ヤフー株式会社が指名した取締役候補者1名の選任を議案とするのに必要な法令上の手続を実施する。

(4) ヤフー株式会社との間で締結されているデータセンターサービス関連契約の契約期間を本契約締結日から2年間とする。当該契約期間満了後は、事前に書面による契約終了の通知がない限り、自動的に原則1年間延長され、以後も同様とする。

自:平成21年8月31日

至:契約終了を書面で
合意するまで

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の総額は170百万円であり、全てコンピュータプラットフォームセグメントに関するものであります。
主な研究開発活動は以下のとおりであります。
 当社内に設置したCloud&SDN研究所では、産学連携のインターネット研究団体であるWIDEプロジェクトと連携し、SDN技術を応用したInternet eXchange(IX)の研究及び実証実験を進め、IXとクラウド間を相互接続するサービスを開始いたしました。また、仮想化技術を使ってネットワーク機能を汎用サーバ上で実現するNFV(Network Functions Virtualization)の検証や日本仮想化技術株式会社とオープンスタックの検証も進めております。
 また、IoT事業では、当社の持分法適用関連会社である米国EverySense,Inc.と共同で、マーケティング等に活用するために必要な情報を収集できるIoTプラットフォーム等の開発を行っており、一部、実証実験を行っております。

一方、第3四半期連結会計期間まで当社の連結子会社であった株式会社Lyudiaでは、世界最大のカード決済端末メーカーであるフランスIngenico.S.A.の国内総代理店として国内のクレジットカード会社、小売企業、POSレジメーカーなどから受注した決済端末機器に搭載する各種決済アプリケーションや関連ソフトウェアの開発、さらに決済端末機器のプロセッサーとの接続を容易にするPOSゲートウェイサービスの開発を行っております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当連結会計年度末における総資産は、売り上げの増加に伴う受取手形及び売掛金の増加、当社3か所目となる太陽光発電所の設置、新規事業等に関係する投資有価証券の増加等により前連結会計年度末に比べ511百万円増加し、16,287百万円となりました。 

② 負債の部

負債合計は、買掛金や設備投資未払金は増加しましたが、借入金の返済を進めたこともあり、前連結会計年度末に比べ127百万円減少し7,884百万円となりました。

③ 純資産の部

純資産合計は、主に非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ638百万円増加し、8,402百万円となりました。 

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「1.業績等の概要、(2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(4) 経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループの売上高は34,788百万円(前年同期比9.8%増加)、営業利益は657百万円(同14.5%減少)、経常利益は553百万円(同27.1%減少)、親会社株主に帰属する当期純損失は9百万円(前年同期は58百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

売上高の増収要因は、ファッションビジネスプラットフォーム事業のECシステム構築支援・運用サービスにおいて、大手既存ブランドの売り上げが拡大したことによるものです。

営業利益の減益要因は、IoT事業等の新規事業への先行投資が主要因であります。

経常利益の減益要因は、持分法による投資損失、為替差損を計上したことによるものです。

親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は純利益)となった要因は、関係会社株式売却益を計上したものの、固定資産の減損損失を計上したこと、繰延税金資産の取崩しを行ったことによるものであります。