当社グループが属する情報サービス産業においては、クラウド関連市場に加え、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)関連市場が拡大しております。また、これらのビジネスを支える情報通信インフラについては、第4世代移動通信(以下、4G)から第5世代移動通信(以下、5G)へと進んでおります。4Gの利用対象が、主にスマートフォンであるのに対し、5Gの利用対象は、あらゆる機器、センサー等が想定されております。
このような環境のもと、当社を中心とするコンピュータプラットフォーム事業においては、データセンターサービスやクラウドサービス等の既存事業では、顧客ニーズの多様化に即した営業活動を推進し、IoT、AI事業等の新規事業では、これまでの実証実験や基盤整備が結実し、一部でサービスを開始しました。他方、連結子会社であった株式会社ビービーエフ(以下、ビービーエフ)及びその子会社を中心とするファッションビジネスプラットフォーム事業の業績は順調に推移しました。なお、ビービーエフの事業については、ここ数年、安定的に成長しており、収穫期に入ったと判断したことから、本年(平成29年)6月30日に当社が保有していたビービーエフの発行済株式の一部を譲渡しました。これにより、ビービーエフグループは連結子会社から持分法適用関連会社となりましたが、当連結会計年度においては連結子会社であったことから、ファッションビジネスプラットフォーム事業としてセグメントへ記載しております。また、第1四半期連結会計期間より、ファッションビジネスプラットフォーム事業の「ECシステム構築支援・運用サービス」の名称を「EC業務支援サービス」に変更しております。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。
① コンピュータプラットフォーム事業
コンピュータプラットフォーム事業におきましては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、スマート・エネルギー及びその他・海外事業に分け、サービスを展開しております。
データセンターでは、売り上げを増加させるために、既存顧客との関係強化に努めるとともに、新規顧客の獲得に向け、当社データセンターの特長を訴求した営業活動、お客様のニーズに合ったサービスの提案等を行いました。また、専業インターネットデータセンターのパイオニアとして、5GなどIoTを利用対象とする情報通信インフラに対応した新インターネットデータセンターの開設を平成30年8月に予定しており、準備を進めております。
クラウド・ソリューションでは、市場規模の拡大を背景に当社独自のc9サービスに加え、SaaS(Software as a Service)サービス、MSP(Management Services Provider)サービス等が堅調に推移しました。また、DELL EMC社とは、DELL EMC社のストレージ技術を採用したクラウドサービスにおける技術開発、マーケティング、営業活動等で協業しております。
データ・ソリューションでは、増大するデータの保存ニーズの高まりを受け、当社の主力プロダクトであるDELL EMC社製の「Isilonシリーズ」の販売に注力したものの、多少伸び悩みました。また、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等のユーザーが生成するコンテンツやビッグデータ等、データ量が増大傾向にあるため、これまで以上に大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品の販売に加え、広範なストレージ製品の販売を推進しました。なお、当社は、米国Dell Technologies Inc.が高い顧客満足度を得たサービスパートナーに授与する「Partner Services Quality (PSQ) Award」を受賞いたしました。
スマート・エネルギーでは、山口県防府市、群馬県利根郡みなかみ町、栃木県日光市における当社3箇所の太陽光発電事業の売り上げは計画どおり堅調に推移しました。
その他・海外事業では、新規事業に取り組んでおります。当社子会社の株式会社エーアイスクエア(以下、エーアイスクエア)では、独自開発の自然言語解析技術を活用した人工知能と人とのハイブリッドコンタクトセンターである「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)センター」を昨年(平成28年)10月に開設し、コンタクトセンター業務の自動化・効率化・高度化等を望んでいるお客様にサービスを提供しております。また、エーアイスクエアは、株式会社トランスネットとの間で、同社が提供しているシステムヘルプデスク業務において、AIを活用して自動化・高度化する取り組みを開始し、さらに、株式会社メディアドゥとの間では、資本業務提携の締結を行ったことで、電子書籍、新聞記事、ニュース等のウェブコンテンツその他文字情報全般のAIテキスト要約事業を共同で実施してまいります。IoT事業では、昨年10月、当社の持分法適用関連会社である米国EverySense,Inc.の子会社であるエブリセンスジャパン株式会社が、データを売買する取引市場であるIoT情報交換市場を創設し、本市場の活性化に求められる利便性の向上等に取り組んでおります。また、動画配信サービスであるアンカーパーソン.TV事業では、ネットシネマを活用したプロモーションの展開や質の高いコンテンツの配信を行っています。
この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は7,437百万円(前年同期比2.8%増加)、営業損失は67百万円(前年同期は195百万円の営業損失)となりました。
② ファッションビジネスプラットフォーム事業
一方、ファッションビジネスプラットフォーム事業におきましては、ビービーエフが行うEC業務支援サービス、TVショッピング支援サービス及びブランチ・アウトが行うファッションホールセールサービスを主軸に事業を展開しております。
EC業務支援サービスでは、ブランドオフィシャルECサイトの企画、開発のみでなく、商品の受注から発送まで、ECに必要となる一連の業務運営全体をプラットフォーム化することで、各ブランドの商品を消費者の皆様に販売する事業を展開しております。ブランドのEC売り上げを継続して向上させるため、PC、携帯、スマートフォン、タブレット等、新たなデバイスに対応していくだけではなく、個々のブランド独自の世界観を表現できるよう要望に柔軟に応えることで個々のブランドとの密接な関係を構築しております。また、取引関係の見直しを行い幅広いブランド様からご支持を頂いており、売り上げは順調に推移しました。なお、本年(平成29年)6月末時点におけるサイト数は81サイトとなりました。
TVショッピング支援サービスでは、株式会社QVCジャパンをはじめとするTV通信販売会社とアパレルメーカーとの間に入り、ブランドの構築、商品企画、生産管理から販売の際のプレゼンテーションまで、TV通販に関する一連の業務を支援するサービスを提供しております。既存ブランドに加え、新規ブランドの売り上げも概ね堅調に推移しました。
ファッションホールセールサービスでは、ブランチ・アウトが国内大手小売店に対して、上海布藍綺国際貿易有限公司が中国大手小売店に対して、衣料品の企画、デザイン、製造、生産管理、販売を行っております。季節によっては気温や天候の影響を受けましたが、商品企画、販促企画が奏功し堅調な売り上げとなりました。
この結果、ファッションビジネスプラットフォーム事業の売上高は31,550百万円(前年同期比14.5%増加)、営業利益は911百万円(同7.7%増加)となりました。
以上の活動により、当連結会計年度における当社グループの売上高は38,987百万円(前年同期比12.1%増加)、営業利益は846百万円(同28.7%増加)、経常利益は767百万円(同38.8%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失や投資有価証券評価損の計上、繰延税金資産の取崩しもありましたが、株式会社ビービーエフ株式の一部譲渡等もあり427百万円(前年同期は9百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ735百万円増加し、6,963百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、利益の増加、仕入債務の増加等により、前年同期比135百万円の収入増加となる877百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出等の減少、定期預金の払戻による収入等により、前年同期比760百万円の支出減少となる901百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加等により前年同期比413百万円の収入増加となる712百万円の収入となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
|
|
平成25年6月期 |
平成26年6月期 |
平成27年6月期 |
平成28年6月期 |
平成29年6月期 |
|
自己資本比率(%) |
45.6 |
43.1 |
45.1 |
46.9 |
59.6 |
|
時価ベースの |
55.7 |
59.9 |
97.8 |
59.1 |
95.5 |
|
キャッシュ・フロー対 |
151.7 |
225.8 |
216.5 |
377.7 |
339.1 |
|
インタレスト・ |
30.0 |
23.6 |
34.8 |
19.6 |
30.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3. キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年7月1日 至 平成29年6月30日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
コンピュータプラットフォーム事業 |
7,437,199 |
+2.8 |
|
ファッションビジネスプラットフォーム事業 |
31,550,292 |
+14.5 |
|
合計 |
38,987,492 |
+12.1 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年7月1日 至 平成28年6月30日) |
当連結会計年度 (自 平成28年7月1日 至 平成29年6月30日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社しまむら |
5,445,649 |
15.7 |
6,128,537 |
15.7 |
|
株式会社QVCジャパン |
3,680,204 |
10.6 |
3,500,013 |
9.0 |
|
ヤフー株式会社 |
3,267,996 |
9.4 |
3,228,215 |
8.3 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、データセンターサービス、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のサービスを中心とするコンピュータプラットフォーム事業、当社の連結子会社である株式会社ビービーエフ(以下、ビービーエフ)及び株式会社ブランチ・アウトが行うファッション分野に特化したファッションビジネスプラットフォーム事業を展開しておりましたが、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)関連市場が拡大する中、本市場を注力する事業ドメインと位置付け、事業の選択と集中を図ることといたしました。
その一環として、これまで当社グループの連結業績に貢献してきたビービーエフの発行済株式を一部譲渡したことにより得た資金を、IoT/ビッグデータ/AI等の新規事業の創出とデータセンターを中心とする既存事業の強化のために投じ、社会全体で生成される情報の収集と発信の仕組みを提供する企業へと進化してまいります。
具体的には、当社の主力事業であるデータセンター事業については、新たなデータセンターモデルへの展開として平成30年8月の新データセンター開設に向け準備を進めております。また、次なる事業の柱として注力しているIoT事業、自然言語解析技術をはじめとする人工知能技術を活用したAI事業については、当社が培った事業基盤、知見、専門性を活用し、必要な技術を開発しながら基盤整備、実証実験等を行い、サービスの拡充、顧客数の増加に繋げてまいります。
このように、既存事業の強化、新規事業の創出・育成を図り、グループ全体のバリューチェーンを進化させてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、売上高成長率、営業利益率等、持続的成長性及び収益性に関する財務的指標の向上を目指した事業運営を推進しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
IoT/ビッグデータ/人工知能技術の進展等、事業を取り巻く環境は急速に変化しており、成長機会を逃さないためにも事業の選択と集中を進めてまいります。日本初の専業インターネット・データセンター会社(当時の商号はグローバルセンター・ジャパン株式会社)として設立された当社は、インターネット・テクノロジー・トレンドを主導するインターネット・データセンター事業者の草分けとして大きな技術革新のフェーズを迎えたことを認識し、既存事業を更に強化するべく新データセンターを開設するとともに、新規事業としてIoT、人工知能事業等を推進しております。
インターネットを用いた第1フェーズのビジネスモデルは、ポータル(玄関口)サービスモデルで、ニュース等のコンテンツ提供、検索エンジン、ショッピングモール、株式売買等でありました。これは、サービス事業者が集中的に情報提供を行うモデルであります。当社は、このポータルサービス事業者のコンピュータ資源を預かるインターネット・データセンター事業者の草分けとして成長してきました。第2フェーズのビジネスモデルは、ソーシャル・メディアサービスモデルで、サービス利用者が情報を書き込む利用者参加型のモデルであります。ソーシャル・メディアサービス事業者は、コンピュータ資源を自社のデータセンター内に構築する傾向にあり、外部のデータセンターを利用せずに内製化しています。第3フェーズは、インターネット接続機器が、PC、タブレット、スマートフォンのような人間が扱う端末ではなく、監視カメラ、各種センサーや各種機器等あらゆる自動計測・自動制御機器となるIoT時代の到来を意味しています。当社は、このIoT時代の到来、進展に対応するために、インターネットを通じてIoTサービスに必要なシステム構築、必要な要素技術の開発、技術提携、資本提携を促進するとともに、自然言語解析技術をはじめとした人工知能技術の開発やサービス化にも注力してまいります。
このような事業の選択と集中を行う上で、これまでの「コンピュータプラットフォーム事業(データセンター、クラウドサービス、データ・ソリューション、スマートエネルギー、その他)」と「ファッションビジネスプラットフォーム事業(EC業務支援サービス、TVショッピング支援サービス、ファッションホールセールサービス)」の2つのセグメントを見直し、「コンピュータプラットフォーム事業(データセンター、クラウド、ストレージ、その他)」、「IoT/AIソリューション事業(IoT(太陽光等)、AI(エーアイスクエア社)、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ等)」、「メディアソリューション事業(ネットシネマ、動画配信等)」の3つのセグメントへ変更し、事業環境の変化に対応し、事業を拡大してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当社グループの連結業績に貢献してきたビービーエフグループについては、本年(平成29年)6月30日にビービーエフの発行済株式を一部譲渡したことに伴い、連結子会社から持分法適用関連会社となり、売上高の減少等連結業績に影響を及ぼします。しかしながら、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)時代が進展する中、これらのビジネス領域を成長機会と捉え、IoT事業、自然言語解析技術をはじめとするAI技術を活用したAIサービス等の新規事業については、当社が培った事業基盤、知見、専門性を活用し、必要な技術を開発しながら基盤整備や実証実験等を行い、サービスの拡充、顧客数の増加に繋げてまいります。
また、既存事業においては、当社の主力事業であるデータセンターについては、新データセンターの開設に向け準備を進めるとともに、新規顧客の獲得、既存顧客との関係強化による取引拡大に努める等の営業活動を推進し、データセンター企業の先駆者として、競争に勝ち残るためにも、多様化する顧客ニーズに対応したデータセンターサービスを提供してまいります。クラウドサービス、データ・ソリューション等のサービスについても、サービスラインアップの拡充、サービス品質の維持・向上等により、顧客ニーズに対応してまいります。
さらに、財務基盤の強化を図り、企業価値を向上させる取組みとして、コンプライアンスを始めとする社員教育の充実を通じて組織力を強化すると共に、内部統制システムの構築および運用にもさらに力を入れ、企業の社会的責任を果たすべく取り組みをしてまいります。
当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは本株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
富士キメラ総研の調査によると、データセンタービジネス市場は、IoT、人工知能などのシステム基盤としての需要増が見込まれるIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)の伸びが期待されるとともに、BCP(Business Continuity Plan)を意識したデータセンターへのシステム運用のアウトソース化や冗長化を意識した複数センター利用、データセンターの老朽化による新設データセンターへのシステム移設等の要因で、今後も成長が望める市場であります。
しかしながら、顧客とのアライアンスによる新規市場開拓、提供サービスや顧客セグメント拡充といったビジネスモデルの転換等、市場が劇的に変化する可能性があるため、引き続き大変厳しい競争環境下にあると認識しております。当社は、更なるノウハウの蓄積に取り組み、新規事業や新サービスを創出し、より付加価値の高いサービスを提供することで競合会社との差別化を図ってまいりますが、このような状況の中で当社が優位性を発揮し、一定の地位を確保できるか否かについては不確な面があります。
また、今後市場においてさらに競争が激化した場合、競合他社の動向によっては、当社もサービス価格引下げに応じざるを得なくなる事態も想定され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
スマート・エネルギー事業は、天候不順による発電量不足、自然災害等による設備損壊、故障、経年劣化等による性能不足・低下による発電量不足等に加えて、大規模な機器故障等が発生した場合の設備の維持困難、機器調達及び交換工事期間の発電量が低下した場合、また、電力会社配電網が自然災害や人為的な原因により損壊した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデータセンターは、大規模地震に耐えられる耐震構造または免震構造、ガス消火設備、停電時に備えてバックアップ電源として非常用自家発電装置の設置、ネットワークの冗長構成等、24時間365日安定した運用ができるように、最大限の業務継続対策を講じております。
しかしながら、サイバーアタック、システム・ハードの不具合、電力会社の電力不足や大規模停電、想定した規模をはるかに超える地震、台風、洪水等の自然災害、戦争、テロ、事故等予測不可能な事態によってシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデータセンターサービスは、顧客企業がインターネット上でコンテンツを配信するためのサーバを預かり、インターネットへの接続環境を提供する他、サーバ運用に伴う様々なサービスを提供しております。データセンター設備内部におきましては監視カメラによる監視を行っているほか、顧客ごとに付与する専用入館カードによって入退出の制限と記録管理を行う等、厳重なセキュリティ体制を構築し、万全を尽くしております。
しかしながら、何らかの原因で、万一、外部からの不正アクセス等により情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、データセンターのファシリティを自社で保有することなく、他社のファシリティに自社の仕様にあわせた設備を設置、顧客にサービスを提供するノンアセット型データセンターを中心に展開しております。
当社としては、ファシリティの所有者との間で賃貸借契約を締結しております。
しかしながら、所有者が何らかの理由で、契約の継続につき全部もしくは一部を拒絶した場合、または契約内容の変更等を求めてきた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデータセンターでは顧客のサーバを設置するとともに、インターネットへの接続回線や保守・運用サービス等を提供しているため、災害や停電等異常時にもサービス継続が可能な設備が必要となります。さらに、消費電力量が多い施設であるため、様々な施策のもと、データセンターの省電力化の対策を進めておりますが、今後予想を上回る原油価格の高騰等に起因する電気料金の大幅な引き上げが発生し、それにより顧客との取引に支障が出るような場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力消費に関して地球温暖化に係る環境規制等がデータセンター事業者に対してなされた場合も、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法及び関連する省令等を遵守しております。現在のところ、これらの法律による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、今後これらの法律及び省令が変更された場合や当社グループの事業展開を阻害する規制がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
本年(平成29年)6月末に、当社がビービーエフの発行済株式を一部譲渡したことにより、ビービーエフ及びブランチ・アウトは連結子会社から持分法適用関連会社となりました。ビービーエフは、ファッションブランドのEC業務支援サービス及びTVショッピング支援サービスを、ブランチ・アウトは、ファッションホールセールサービスを中心に展開しており、両社の売上高合計は当社連結売上高の約8割を占めておりました。これら連結子会社であった2社の規模が大きいため、平成30年6月期以降、当社グループの連結業績について、売上高の減少等の影響を及ぼします。
当社グループの主要顧客は、株式会社しまむら(以下、しまむら)、株式会社QVCジャパン(以下、QVC)、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)の3社であり、平成29年6月期の売上高に占めるしまむらの割合は15.7%、QVCの割合は9.0%、ヤフーの割合は8.3%と特定の顧客に対しての依存度が高い傾向が続いております。なお、しまむらはブランチ・アウトの顧客であり、QVCはビービーエフの顧客であるため、平成30年6月期以降、当社グループの連結業績について、売上高の減少等の影響を及ぼします。
当社は、インターネット・テクノロジー・トレンドを主導するインターネット・データセンター事業者の草分けとして、大きな技術革新のフェーズを迎えたことを認識し、これまでの既存事業基盤を利活用しつつ、次なる事業の柱としてIoT(Internet of Things、モノのインターネット)関連事業を行っております。IoT市場は、市場規模の拡大が見込まれておりますが、当社のIoT事業は、事業として確立するまでには時間を要することや不安定な要因が発生する可能性があり得ます。また、投資を含め当該事業へ資金を投じることから、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、これまでデータセンターサービス、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のBtoBビジネスを展開してまいりました。アンカーパーソン.TV事業はBtoCビジネスであるため、個人情報の取扱い等のBtoCビジネス固有のノウハウを蓄積しながらビジネスを推進する必要があります。一般財団法人日本情報経済社会推進協会が付与するプライバシーマークを取得する等、個人情報管理体制の強化を図っておりますが、個人情報が社外に流出した場合、業績や社会的信用に影響を与える可能性があります。
当社の連結子会社であるグローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社は、グローバルIoTテック1号投資事業組合を組成しておりますが、ファンド募集において出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業拡大を行うためには、シナジー効果を見極め、企業再編や資本提携が必要であります。しかしながら、投資のための資金、投資後の投資先の管理体制、投資による会計上の減損処理の発生の可能性等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが今後も継続して成長していくためには、新人の育成や優秀な人材の確保が必要であると考えており、定期的な新卒採用を行い、あわせて中途採用を実施し、バランスのとれた採用及び人材の育成強化を図りながら、優秀な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材の流出や採用等が計画通りに進まない場合は、事業推進を行う上で、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、中長期的に企業価値を向上させるとともに、株主の皆様へ利益還元することを重要な経営課題として取り組んでおり、さらなる事業拡大を目指しております。当社は、将来の事業展開に必要な内部留保を確保しながらも、継続的かつ安定的な配当による株主還元を行う考えでありますが、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、企業価値の向上を図り、企業の社会的責任を果たし、社会やステークホルダーから高い信頼や誠実な企業として認識を得るためには、透明性が高く環境の変化に迅速に対応できる経営体制の確立とコンプライアンス遵守の経営を追求することが不可欠であると考えており、コーポレート・ガバナンス体制の充実を、経営の最重要課題と位置づけて積極的に取り組んでおります。
しかしながら、今後の当社もしくは当社グループの事業の急速な拡大による会社規模の拡大、もしくは子会社の増加に伴い、十分な内部管理体制の構築が整備できないという状況が生じることで適切な管理体制に支障が出る可能性があります。
当社の筆頭株主である株式会社インターネット総合研究所とは今後も良好な協力関係を継続していく予定ですが、同社の経営方針の変更等が生じた場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
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契約先 |
契約年月日 |
契約の内容 |
契約期間 |
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株式会社エヌ・ティ・ティ・データ |
平成18年3月1日 |
建物賃貸借契約 |
自:平成18年3月1日 |
|
平成18年3月1日 |
建物賃貸借契約 |
自:平成18年3月1日 |
|
|
平成18年3月1日 |
建物賃貸借契約 |
自:平成18年3月1日 |
|
契約先 |
契約年月日 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
KDDI株式会社 |
平成17年9月1日 |
データセンターサービス契約 |
自:平成17年9月1日 (ただし、事前通知により解約することが出来る) |
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契約先 |
契約年月日 |
契約の内容 |
契約期間 |
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住友不動産株式会社 |
平成17年12月27日 |
貸室賃貸借契約 |
自:平成18年1月1日 |
(4) 第5サイトに関する契約
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契約先 |
契約年月日 |
契約の内容 |
契約期間 |
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富士ソフト株式会社 |
平成26年12月26日 |
データセンターサービス契約 |
自:平成27年2月1日 |
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契約先 |
契約年月日 |
契約の内容 |
契約期間 |
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ヤフー株式会社 |
平成15年3月31日 |
以下のサービス及び設備の提供 (1) インターネットへの接続(インターネット接続サービス) (2) インターネット接続サービスを利用するための機器(対象ハードウェア)の販売 (3) 対象ハードウェアを保管・運用するスペースの使用権(スペースサービス) (4) 上記(1)から(3)までのサービス及び対象ハードウェアに関する管理、企画及びコンサルティング(プロフェッショナルサービス) |
自:平成21年8月31日 (以後原則1年毎の自動延長) |
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平成18年3月22日 |
データセンター運用受託契約 |
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契約先 |
契約年月日 |
契約の内容 |
契約期間 |
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ヤフー株式会社 |
平成21年8月31日 |
(1) ヤフー株式会社に対し、データセンターサービスを安定的かつ継続的に、市場競争力のある価格にて提供するよう努める。 (2) ヤフー株式会社と協力して、データセンターサービスの運用に伴うコストの圧縮を行う。 (3) ヤフー株式会社が指名した取締役候補者1名の選任を議案とするのに必要な法令上の手続を実施する。 (4) ヤフー株式会社との間で締結されているデータセンターサービス関連契約の契約期間を本契約締結日から2年間とする。当該契約期間満了後は、事前に書面による契約終了の通知がない限り、自動的に原則1年間延長され、以後も同様とする。 |
自:平成21年8月31日 至:契約終了を書面で |
当連結会計年度における研究開発費の総額は118百万円であり、全てコンピュータプラットフォームセグメントに関するものであります。
主な研究開発活動は以下のとおりであります。
当社内に設置したCloud&SDN研究所では、産学連携のインターネット研究団体であるWIDEプロジェクトと連携し、SDN技術を応用したInternet eXchange(IX)の研究及び実証実験を進め、IXとクラウド間を相互接続するサービスを開始し、更なる高度化にも取り組んでおります。仮想化技術については、ネットワーク機能を汎用サーバ上で実現するNFV(Network Functions Virtualization)の検証や日本仮想化技術株式会社とのOpenStack(オープンソースで開発されているクラウド環境構築用のソフトウェア群)の検証を進めております。また、ホワイトボックススイッチとネットワークOSの技術にも着目し、その活用について研究を進めております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。
当連結会計年度末における総資産は、平成29年6月30日に当社が保有していた株式会社ビービーエフの発行済株式を一部譲渡したことに伴い、当連結会計年度末時点で株式会社ビービーエフ及びその子会社(以下、ビービーエフグループ)が連結子会社ではなくなったことによる売掛金等の減少により、前連結会計年度末に比べ2,756百万円減少し、13,530百万円となりました。
負債合計も、ビービーエフグループが連結子会社ではなくなったことによる買掛金等の減少により、前連結会計年度末に比べ2,561百万円減少し5,323百万円となりました。
純資産合計は、非支配株主持分の減少により前連結会計年度末に比べ195百万円減少し、8,207百万円となりました。
「1.業績等の概要、(2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの売上高は38,987百万円(前年同期比12.1%増加)、営業利益は846百万円(同28.7%増加)、経常利益は767百万円(同38.8%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は427百万円(前年同期は9百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
売上高の増収要因は、主に、ファッションビジネスプラットフォーム事業において、EC業務支援サービスでは大手既存ブランドの売り上げが拡大し、ファッションホールセールサービスでは商品企画や販促企画が奏功し、売り上げが順調に推移したことによるものです。
営業利益の増益要因は、ビービエフグループの利益の増加等であります。
経常利益の増益要因は、持分法による投資損失は増加しましたが、営業利益が増加したことによるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益(前連結会計年度は純損失)は、減損損失と投資有価証券評価損の計上、繰延税金資産の取崩しを行いましたが、ビービーエフの発行済株式の一部譲渡により増益となりました。