第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)関連市場が拡大する中、本市場を新たに注力する事業領域と位置付け、事業の選択と集中を行っております。
 従来から提供しているデータセンター、クラウド・ソリューションを中心とする既存事業については事業基盤を強化し、IoTやAI等の新規事業については新サービスを創出、育成し、社会全体で生成される情報の収集と発信の仕組みを提供する企業へと進化してまいります。具体的には、当社の主力事業であるデータセンターについては、新たなデータセンターモデルへの展開として、本年8月の新データセンター開設を機に、製造業等新たな顧客層を開拓してまいります。
 また、次なる事業の柱として注力しているIoT事業、自然言語解析技術をはじめとする人工知能技術を活用したAI事業については、当社が培った事業基盤、知見、専門性を活用し、必要な技術を開発しながら基盤整備、実証実験等を行い、サービスの拡充、顧客数の増加に繋げてまいります。
 このように、既存事業の強化、新規事業の創出・育成を図り、グループ全体のバリューチェーンを進化させてまいります。
 

 (2)目標とする経営指標

当社グループでは、売上高成長率、営業利益率等、持続的成長性及び収益性に関する財務的指標の向上を目指した事業運営を推進しております。
 

(3)中長期的な会社の経営戦略

IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)技術が普及し進展する等、事業を取り巻く環境は急速に変化しており、成長機会を逃さないためにも事業の選択と集中を進めてまいります。日本初の専業インターネット・データセンター会社(当時の商号はグローバルセンター・ジャパン株式会社)として設立された当社は、インターネット・テクノロジー・トレンドを主導するインターネット・データセンター事業者の草分けとして、大きな技術革新のフェーズを迎えたことを認識し、既存事業を更に強化するべく5G(第5世代移動通信システム)に対応した新データセンターを本年8月に開設いたしました。加えて、新規事業としてIoT、AI事業等を推進しております。
 インターネットを用いた第1フェーズのビジネスモデルは、ポータル(玄関口)サービスモデルで、ニュース等のコンテンツ提供、検索エンジン、ショッピングモール、株式売買等、サービス事業者が集中的に情報提供を行うモデルでした。当社は、このポータルサービス事業者のコンピュータ資源を預かるインターネット・データセンター事業者の草分けとして成長してきました。第2フェーズのビジネスモデルは、ソーシャル・メディアサービスモデルで、サービス利用者が情報を書き込む利用者参加型のモデルで、ソーシャル・メディアサービス事業者は、コンピュータ資源を自社のデータセンター内に構築する傾向にあり、外部のデータセンターを利用せずに内製化しています。第3フェーズのビジネスモデルは、インターネット接続機器が、PC、タブレット、スマートフォンのような人間が扱う端末ではなく、監視カメラ、各種センサーや各種機器等あらゆる自動計測・自動制御機器となるIoT時代を意味しています。IoTに関連してビッグデータ、AI等も急速に普及する中、サービスに必要なシステムの構築、要素技術の開発、技術提携、資本提携等を促進するとともに、自然言語解析技術をはじめとした人工知能技術の開発やサービス化にも注力し、事業を拡大してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)時代が進展する中、これらのビジネス領域を成長機会と捉え、IoT事業、自然言語解析技術をはじめとするAI技術を活用したAIサービス等の新規事業を創出、育成してまいります。新規事業の創出、育成には資金、時間等を要しますが、当社グループが培った事業基盤、知見、専門性を活用し、必要な技術を開発しながら基盤整備や実証実験等を行い、サービスの拡充、顧客数の増加に繋げてまいります。
  また、既存事業においては、当社の主力事業であるデータセンターについては、新データセンターの開設を機に新規顧客を増加させるとともに、既存顧客とは関係強化による取引拡大に努め、データセンター企業の先駆者として、競争に勝ち残るためにも、多様化する顧客ニーズに対応したデータセンターサービスを提供してまいります。クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のサービスについても、サービスラインアップの拡充、サービス品質の維持・向上等により、顧客ニーズに対応してまいります。このように、事業の選択と集中を進めていく中で、新たに当社グループに加わった子会社等とは、早期にシナジー効果を発揮できるように連携を深めてまいります。
  さらに、財務基盤の強化を図り、企業価値を向上させる取組みとして、コンプライアンスを始めとする社員教育の充実を通じて組織力を強化すると共に、内部統制システムの構築および運用にもさらに力を入れ、企業の社会的責任を果たすべく取り組みをしてまいります。
 
 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは本株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

① 当社グループの事業内容について
a)事業環境について

富士キメラ総研の調査によると、データセンタービジネス市場は、IoT、人工知能などのシステム基盤としての需要増が見込まれるIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)の伸びが期待されるとともに、BCP(Business Continuity Plan)を意識したデータセンターへのシステム運用のアウトソース化や冗長化を意識した複数センター利用、データセンターの老朽化による新設データセンターへのシステム移設等の要因で、今後も成長が望める市場であります。しかしながら、価格競争の激化、顧客の要求の多様化等、引き続き厳しい競争環境下にあると認識しております。
 当社は、平成30年8月に新データセンターを開設しましたが、更なるノウハウの蓄積に取り組み、新規事業や新サービスを創出し、より付加価値の高いサービスを提供することで競合会社との差別化を図ってまいりますが、このような状況の中で、当社が優位性を発揮し一定の地位を確保できるか否かについては不確実な面があります。
 今後、さらに競争が激化し競合他社の影響を受け、当社もサービス価格引下げに応じざるを得なくなる事態が生じたり、新データセンターの稼働状況が計画に比べ大幅な乖離が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

b)システム障害について

当社のデータセンターは、大規模地震に耐えられる耐震構造または免震構造、ガス消火設備、停電時に備えてバックアップ電源として非常用自家発電装置の設置、ネットワークの冗長構成等、24時間365日安定した運用ができるように、最大限の業務継続対策を講じております。
 しかしながら、サイバーアタック、システム・ハードの不具合、電力会社の電力不足や大規模停電、想定した規模をはるかに超える地震、台風、洪水等の自然災害、戦争、テロ、事故等予測不可能な事態によってシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

c)データセンターの情報セキュリティ管理について

当社のデータセンターサービスは、顧客企業がインターネット上でコンテンツを配信するためのサーバを預かり、インターネットへの接続環境を提供する他、サーバ運用に伴う様々なサービスを提供しております。データセンター設備内部におきましては監視カメラによる監視を行っているほか、顧客ごとに付与する専用入館カードによって入退出の制限と記録管理を行う等、厳重なセキュリティ体制を構築し、万全を尽くしております。 
 しかしながら、何らかの原因で、万一、外部からの不正アクセス等により情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

d)データセンターの賃貸借契約について

当社は、データセンターのファシリティを自社で保有することなく、他社のファシリティに自社の仕様にあわせた設備を設置、顧客にサービスを提供するノンアセット型データセンターを中心に展開しております。
  当社としては、ファシリティの所有者との間で賃貸借契約を締結しております。
 しかしながら、所有者が何らかの理由で、契約の継続につき全部もしくは一部を拒絶した場合、または契約内容の変更等を求めてきた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

e)電力事情について

当社のデータセンターでは顧客のサーバを設置するとともに、インターネットへの接続回線や保守・運用サービス等を提供しているため、災害や停電等異常時にもサービス継続が可能な設備が必要となります。さらに、消費電力量が多い施設であるため、様々な施策のもと、データセンターの省電力化の対策を進めておりますが、今後予想を上回る原油価格の高騰等に起因する電気料金の大幅な引き上げが発生し、それにより顧客との取引に支障が出るような場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力消費に関して地球温暖化に係る環境規制等がデータセンター事業者に対してなされた場合も、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。

f) 法的規制について 

当社は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法及び関連する省令等を遵守しております。現在のところ、これらの法律による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、今後これらの法律及び省令が変更された場合や当社グループの事業展開を阻害する規制がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

g) 主要顧客との取引について

当社グループの主要顧客は、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)であり、平成30年6月期の売上高に占めるヤフーの割合は30.1%と特定の顧客に対しての依存度が高い傾向が続いております。今後、ヤフーのデータセンターに対する活用方針の見直しや転換等がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

h)IoT事業について  

当社は、インターネット・テクノロジー・トレンドを主導するインターネット・データセンター事業者の草分けとして、大きな技術革新のフェーズを迎えたことを認識し、これまでの既存事業基盤を利活用しつつ、次なる事業の柱としてIoT(Internet of Things、モノのインターネット)関連事業を行う連結子会社株式会社IoTスクエア(以下、IoTスクエア)を設立しました。IoT関連市場は、市場規模の拡大が見込まれておりますが、IoTスクエアのIoT事業は、事業として確立するまでには時間を要することや不安定な要因が発生する可能性があり得ます。また、投資を含め当該事業へ資金を投じることから、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

i)動画配信サービスについて

当社は、これまでデータセンターサービス、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のBtoBビジネスを展開してまいりました。動画配信サービスは一部BtoCビジネスが含まれるため、個人情報の取扱い等のBtoCビジネス固有のノウハウを蓄積しながらビジネスを推進する必要があります。一般財団法人日本情報経済社会推進協会が付与するプライバシーマークを取得する等、個人情報管理体制の強化を図っておりますが、個人情報が社外に流出した場合、業績や社会的信用に影響を与える可能性があります。

j)ファンド事業について

当社の連結子会社であるグローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社は、GiTV FundⅠInvestment,L.P.を組成しておりますが、ファンド募集において出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

k)ケーブルテレビ関連市場について

連結子会社ジャパンケーブルキャスト株式会社の売上高は、ケーブルテレビ事業者あるいは番組供給事業者といったケーブルテレビ関連市場に依存しております。中でもケーブルテレビの有料多チャンネル放送契約世帯数の規模は大きいですが、他の動画配信サービス等との競合や、視聴者の趣味嗜好の変化、人口減少等によってケーブルテレビの有料多チャンネル放送契約世帯規模が縮小した場合、あるいはこのような傾向を受け、当社サービスを利用するケーブルテレビ事業者が有料多チャンネル放送サービスの提供を終了するような場合、また料金体系が改定された場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

l)新規投資について

当社グループが事業拡大を行うためには、設備投資、シナジー効果を見極めた上での企業再編や資本提携が必要であります。しかしながら、投資のための資金、投資後の投資先の管理体制、投資による会計上の減損処理の発生の可能性等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 m)資金調達について

当社は新データセンターへの投資のために、取引銀行等5社とコミット型シンジケートローン契約を締結しています。当該契約には一定の財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

② その他
a)人材の確保について

当社グループが今後も継続して成長していくためには、新人の育成や優秀な人材の確保が必要であると考えており、定期的な新卒採用を行い、あわせて中途採用を実施し、バランスのとれた採用及び人材の育成強化を図りながら、優秀な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材の流出や採用等が計画通りに進まない場合は、事業推進を行う上で、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

b)配当政策について

当社は、中長期的に企業価値を向上させるとともに、株主の皆様へ利益還元することを重要な経営課題として取り組んでおり、さらなる事業拡大を目指しております。当社は、将来の事業展開に必要な内部留保を確保しながらも、継続的かつ安定的な配当による株主還元を行う考えでありますが、業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。

c)内部管理体制について

当社では、企業価値の向上を図り、企業の社会的責任を果たし、社会やステークホルダーから高い信頼や誠実な企業として認識を得るためには、透明性が高く環境の変化に迅速に対応できる経営体制の確立とコンプライアンス遵守の経営を追求することが不可欠であると考えており、コーポレート・ガバナンス体制の充実を、経営の最重要課題と位置づけて積極的に取り組んでおります。
 しかしながら、今後の当社もしくは当社グループの事業の急速な拡大による会社規模の拡大、もしくは子会社の増加に伴い、十分な内部管理体制の構築が整備できないという状況が生じることで適切な管理体制に支障が出る可能性があります。

d)筆頭株主との関係について

当社の筆頭株主である株式会社インターネット総合研究所とは今後も良好な協力関係を継続していく予定ですが、同社の経営方針の変更等が生じた場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

当社グループが属する情報サービス産業においては、多種多様なデータの生成・収集・流通・分析・活用を行うことにより、社会の抱える課題の解決を図ることが期待され、また、ハードウェア、ソフトウェア等の技術も進展していることから、クラウド市場、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)市場等が拡大しております。
 当社グループは、これらの市場を成長領域と定め、事業の選択と集中を行い、既存事業の強化と新規事業の育成を図っております。
 具体的には、昨年(平成29年)10月に、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)の株式を取得し連結子会社とするとともに、また、新設分割によりIoT事業、コンシューマー事業及び新規事業等を行う株式会社IoTスクエア(以下、IoTスクエア)を設立いたしました。加えて、本年(平成30年)1月に親和性の高い投資戦略を持つファンドへのLP(Limited Partner:有限責任組合員)出資を推進するために、ケイマン諸島にGiTV Fund I Investment,L.P.を組成し、これに伴い、国内で組成していたグローバルIoTテック1号投資事業組合については清算を行いました。一方、株式会社ビービーエフについては、当社が保有していた同社株式を2回に分けて譲渡し、また、本年6月にはIngenico Japan株式会社の株式を譲渡したことにより、それぞれ持分法適用の範囲から外れております。
 なお、第1四半期からセグメント区分を変更しておりますが、以下の前年同期比の記載については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

当連結会計年度におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。

 

(コンピュータプラットフォーム事業)

コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
 データセンターでは、売り上げを増加させるために、既存顧客との関係強化に努めるとともに、新規顧客の獲得に向け、当社データセンターの特長を訴求した営業活動、お客様のニーズに合ったサービスの提案等を行い、売り上げは堅調に推移しました。また、専業インターネットデータセンターのパイオニアとして、5G(第5世代移動通信システム)モバイル等のIoTを利用対象とする新世代の情報通信インフラに対応した新インターネットデータセンターを本年8月に大手町に開設し、製造業等お客様の範囲を拡げて受注活動を積極的に行っております。
 クラウド・ソリューションでは、市場規模の拡大を背景に当社独自のc9サービスに加え、セキュリティ関連のSaaS(Software as a Service)サービス等、クラウドの利用方法が明確なサービスが堅調に推移しました。また、DELL EMC社とは、DELL EMC社のストレージ技術を採用したクラウドサービスにおける技術開発、マーケティング等で協業しており、データを定期的にバックアップするサービスを提供しております。
 データ・ソリューションでは、データを保存するニーズの高まり、ストレージの活用方法の提案等により、当社の主力プロダクトであるDELLEMC社製の「Isilonシリーズ」の販売は順調に推移しました。また、ユーザーの生成するコンテンツやビッグデータ等、データ量が増大傾向にあるため、これまで以上に大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品についてもお客様のニーズに合わせた提案を行い、売り上げは概ね堅調に推移しました。

   この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は7,339百万円(前年同期比5.0%増加)、営業利益は136百万円(同61.0%減少)となりました。

 

 

(IoT/AIソリューション事業)

IoT/AIソリューション事業では、当社、株式会社エーアイスクエア(以下、AI2)、IoTスクエア等を中心に事業を展開しました。
 スマート・エネルギーでは、山口県防府市、群馬県利根郡みなかみ町、栃木県日光市の3箇所で太陽光発電事業を行っておりましたが、本年6月に日光市の太陽光設備を譲渡し、山口県防府市の太陽光設備も本年8月に譲渡契約を締結いたしました。
 AI2では、コンタクトセンター業務、ヘルプデスク業務の自動化・効率化・高度化等を望んでいるお客様に対し、独自開発の自然言語解析技術を活用したAIソリューションを提供しております。本年4月には、企業の総務・人事部門向けに、人工知能(AI)と問合せ回答(Q&A)テンプレートを活用して、問合せ応答業務を支援する自動応答システム「QuickQA for 総務・人事」の販売を開始しました。また、株式会社メディアドゥと共同で、電子書籍、新聞記事、ニュース等のウェブコンテンツその他文字情報全般のAI自動要約サービスの事業化に取り組んでおります。
 IoTスクエアでは、2020年までにIoT機器に関するセキュリティサービス等のサービスを逐次提供することを目指しており、当面は基盤開発等の開発投資が先行する状況であります。

この結果、IoT/AIソリューション事業の売上高は603百万円(前年同期比55.6%増加)、営業損失は366百万円(前年同期は252百万円の営業損失)となりました。

 

(メディアソリューション事業)

メディアソリューション事業は、IoTスクエア及びJCCが行っております。
 IoTスクエアでは、動画配信サービス及びネットシネマを活用したプロモーションの展開や質の高いコンテンツの配信を行っています。
  また、日本全国のケーブルテレビ事業者及び番組供給事業者向けの通信ネットワーク事業を行うJCCは、デジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」等、ケーブルテレビ事業者向けに多様なサービスを提供するとともに、次世代高精細放送の普及促進並びにプラットフォームの機能拡充にも取り組んでおります。

   この結果、メディアソリューション事業の売上高は2,788百万円(前年同期比4,441.4%増加)、営業利益は221百万円(前年同期は166百万円の営業損失)となりました。

 

   以上の活動により、当連結会計年度における当社グループの売上高は10,731百万円(前年同期比72.5%減少)となりました。利益面におきましては、IoT事業を行うIoTスクエアが開発への投資が先行する状況であるため、営業損失は80百万円(前年同期は846百万円の利益)となり、経常損失は持分法による投資利益等により20百万円(前年同期は767百万円の利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、関係会社株式売却益を計上したものの、減損損失の計上等により330百万円(前年同期は427百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

② 資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における総資産は、JCCを子会社化したことに伴いのれん及び顧客関連資産を計上したほか、本社移転に伴う新オフィスの設備、本年8月に開設を予定している新データセンター設備のために建設仮勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,704百万円増加し18,235百万円となりました。
 負債合計は、未払金、借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ3,729百万円増加し9,053百万円となりました。
 純資産合計は、JCCを子会社化したことに伴う非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ975百万円増加し9,182百万円となりました。
 なお、当社は、本年8月に大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、本年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結し、6月末における残高は11億円です。

 

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ445百万円減少し、6,517百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費の増加、売上債権の減少等はありましたが、法人税等の支払額の増加等により196百万円の支出(前年同期は877百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動によるキャッシュ・フローは、新データセンター用の設備、新オフィスへ移転したことに伴う設備等、有形固定資産の取得による支出がありましたが、関係会社株式の売却による収入等もあり、前年同期比34百万円の支出減少となる866百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動によるキャッシュ・フローは、借入による収入は増加したものの、配当金の支払額が増加し、前年同期比88百万円の収入減少となる624百万円の収入となりました。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

 

平成26年6月期

平成27年6月期

平成28年6月期

平成29年6月期

平成30年6月期

自己資本比率(%)

43.1

45.1

46.9

59.6

38.4

時価ベースの
自己資本比率(%)

59.9

97.8

59.1

95.5

47.4

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(%)

225.8

216.5

377.7

339.1

△3,151.4

インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)

23.6

34.8

19.6

30.6

△7.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3. キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(受注実績)

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

前年同期比(%)

金額(千円)

コンピュータプラットフォーム事業

7,339,375

+5.0

IoT/AIソリューション事業

603,931

+55.6

メディアソリューション事業

2,788,222

+4,441.4

合計

10,731,529

△72.5

 

(注) 1 第1四半期連結会計期間より、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントを従来の「コンピュータプラットフォーム事業」「ファッションビジネスプラットフォーム事業」から「コンピュータプラットフォーム事業」、「IoT/AIソリューション事業」、「メディアソリューション事業」に変更しております。

2 第2四半期連結会計期間において、ジャパンケーブルキャスト株式会社の株式を取得し、連結の範囲に含めたことにより、前連結会計年度に比べ、「メディアソリューション事業」の売上高が増加しております。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

当連結会計年度

(自 平成29年7月1日

至 平成30年6月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社しまむら

6,128,537

15.7

株式会社QVCジャパン

3,500,013

9.0

ヤフー株式会社

3,228,215

8.3

3,234,809

30.1

 

5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

      経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
  す。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。

 

 ② 経営成績等の分析

 (売上高)

売上高は、前年同期比72.5%減少となる10,731百万円となりました。これは主に、前連結会計年度まで連結子会社であったビービーエフが、当連結会計年度では持分法適用を経て、連結対象外となったことによるものです。しかしながら、第2四半期からジャパンケーブルキャスト株式会社を連結子会社としたことにより、利益率は上昇しております。

 (営業損益)

営業損益は、前年同期に比べ減益となる80百万円の営業損失(前年同期は846百万円の利益)となりました。これは主に、IoT事業を行うIoTスクエアが開発投資が先行する状況であること、ファンド関連の子会社も赤字であること等によるものです。

 (経常損益)

経常損益は、前年同期に比べ減益となる20百万円の経常損失(前年同期は767百万円の利益)となりました。経常損失は、持分法による投資利益等の営業外収益が、シンジケートローン手数料等の営業外費用を上回ったため、当連結会計年度の営業損失からは改善いたしました。

 (税金等調整前当期純利益)

税金等調整前当期純利益は、前年同期に比べ、主に関係会社株式売却益が減少したため前年同期比88.4%減少となる229百万円となりました。税金等調整前当期純利益は、関係会社売却益等の特別利益が、減損損失等の特別損失を上回ったことにより、当連結会計年度の経常損失から改善いたしました。

 (親会社株主に帰属する当期純損益)

親会社株主に帰属する当期純損益は、前年同期に比べ減益となる330百万円の損失(前年同期は427百万円の利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益が損失となった主な理由は、税金等調整前当期純損益は229百万円の利益でしたが、法人税等調整額を含めた法人税等合計額が581百万円であったことによるものです。

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。資金調達については、 自己資金のほか、金融機関からの借入により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、機動的な資金調達を行うため、取引銀行等とコミット型シンジケートローン契約を締結しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 第1サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

平成18年3月1日

建物賃貸借契約

自:平成18年3月1日
至:平成20年5月31日
(以後2年毎の自動更新)

平成18年3月1日

建物賃貸借契約

自:平成18年3月1日
至:平成20年5月31日
(以後2年毎の自動更新)

平成18年3月1日

建物賃貸借契約

自:平成18年3月1日
至:平成20年5月31日
(以後2年毎の自動更新)

 

 

(2) 第3サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

KDDI株式会社

平成17年9月1日

データセンターサービス契約

 自:平成17年9月1日
 至:終期なし

(ただし、事前通知により解約することが出来る) 

 

 

(3) 西梅田サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

住友不動産株式会社

平成17年12月27日

貸室賃貸借契約

自:平成18年1月1日
至:平成27年12月31日
(以後2年毎の自動更新)

 

 

(4) 第5サイトに関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

富士ソフト株式会社

平成26年12月26日

データセンターサービス契約

自:平成27年2月1日
至:平成32年2月29日
(以後1年毎の自動更新)

 

 

(5) 販売先とのデータセンターサービス基本契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

ヤフー株式会社

平成15年3月31日

以下のサービス及び設備の提供

(1) インターネットへの接続(インターネット接続サービス)

(2) インターネット接続サービスを利用するための機器(対象ハードウェア)の販売

(3) 対象ハードウェアを保管・運用するスペースの使用権(スペースサービス)

(4) 上記(1)から(3)までのサービス及び対象ハードウェアに関する管理、企画及びコンサルティング(プロフェッショナルサービス)

 自:平成21年8月31日
 至:平成23年8月30日

(以後原則1年毎の自動延長)

平成18年3月22日

データセンター運用受託契約

 

 

 

(6) 業務・資本提携に関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

ヤフー株式会社

平成21年8月31日

(1) ヤフー株式会社に対し、データセンターサービスを安定的かつ継続的に、市場競争力のある価格にて提供するよう努める。

(2) ヤフー株式会社と協力して、データセンターサービスの運用に伴うコストの圧縮を行う。

(3) ヤフー株式会社が指名した取締役候補者1名の選任を議案とするのに必要な法令上の手続を実施する。

(4) ヤフー株式会社との間で締結されているデータセンターサービス関連契約の契約期間を本契約締結日から2年間とする。当該契約期間満了後は、事前に書面による契約終了の通知がない限り、自動的に原則1年間延長され、以後も同様とする。

自:平成21年8月31日

至:契約終了を書面で
合意するまで

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費の総額は217百万円であり、主な研究開発活動は以下のとおりであります。
 コンピュータプラットフォームセグメントでは、当社内に設置したCloud&SDN研究所において、産学連携のインターネット研究団体であるWIDEプロジェクトと連携し、SDN(Software Defined Networking)技術を応用したInternet eXchange(IX)の研究及び実証実験を進め、IXとクラウド間を相互接続するサービスを開始しておりますが、更なる高度化にも取り組んでおります。仮想化技術については、ネットワーク機能を汎用サーバ上で実現するNFV(Network Functions Virtualization)の検証や日本仮想化技術株式会社とOpenStack(オープンソースで開発されているクラウド環境構築用のソフトウェア群)の検証を進めております。また、ホワイトボックススイッチとネットワークOSの技術、DDoS(Distributed Denial of Service Attack)対策等にも着目し、研究を進めております。
  また、IoT/AIソリューションセグメントでは、IoTや人工知能関連の基盤開発等を行っております。