文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)関連市場が拡大する中、本市場を新たに注力する事業領域と位置付け、事業の選択と集中を行っております。
従来から提供しているデータセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューションを中心とする既存事業については事業基盤を強化し、AI等の新規事業については新サービスを創出、育成し、社会全体で生成される情報の収集と発信の仕組みを提供する企業へと進化してまいります。
具体的には、当社の主力事業であるデータセンターについては、新たなデータセンターモデルへの展開として、2018年8月に開設した新データセンターの第2期工事を2019年9月に完了させ、製造業等新たな顧客層も開拓しております。また、連結子会社が行っている人工知能技術を活用したAI事業については、必要な技術を開発しながらサービスの拡充、顧客数の増加に繋げてまいります。
今後も事業ポートフォリオの入れ替え、他の企業とのコラボレーションを実施しながら、既存事業の強化、新規事業の育成を図り、グループ全体のバリューチェーンを進化させてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、売上高成長率、営業利益率等、持続的成長性及び収益性に関する財務的指標の向上を目指した事業運営を推進しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
ソフトウェア・ハードウェア技術の進化、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)市場の拡大等、当社の事業を取り巻く環境は急速に変化しており、成長機会を逃さないためにも、環境の変化に対応した事業運営を行ってまいります。日本初の専業インターネット・データセンター会社(当時の商号はグローバルセンター・ジャパン株式会社)として設立された当社は、インターネット・テクノロジー・トレンドを主導するインターネット・データセンター事業者の草分けとして、大きな技術革新のフェーズを迎えたことを認識し、既存事業を更に強化するべく5G(第5世代移動通信システム)に対応した新データセンターを2018年8月に開設し、新規事業としてAI事業等を推進しております。
インターネットを用いた第1フェーズのビジネスモデルは、ポータル(玄関口)サービスモデルで、ニュース等のコンテンツ提供、検索エンジン、ショッピングモール、株式売買等、サービス事業者が集中的に情報提供を行うモデルでした。当社は、このポータルサービス事業者のコンピュータ資源を預かるインターネット・データセンター事業者の草分けとして成長してきました。第2フェーズのビジネスモデルは、ソーシャル・メディアサービスモデルで、サービス利用者が情報を書き込む利用者参加型のモデルで、ソーシャル・メディアサービス事業者は、コンピュータ資源を自社のデータセンター内に構築する傾向にあり、外部のデータセンターを利用せずに内製化しています。第3フェーズのビジネスモデルは、インターネット接続機器が、PC、タブレット、スマートフォンのような人間が扱う端末ではなく、監視カメラ、各種センサーや各種機器等あらゆる自動計測・自動制御機器となるIoT時代を意味しています。IoTに関連してビッグデータ、AI等も急速に普及する中、サービスに必要なシステムの構築、要素技術の開発、技術提携、資本提携等、他の企業とコラボレーションを推進し、自然言語解析技術をはじめとした人工知能技術の開発やサービス化を加速させ、事業を拡大してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)等の市場が拡大する中、これらのビジネス領域を成長機会と捉え、自然言語解析技術をはじめとするAI技術を活用したAIサービス等の新規事業を創出、育成してまいりました。新規事業の創出、育成には資金、時間等を要しますが、当社グループが培った事業基盤、知見、専門性を活用し、必要な技術を開発しながら基盤整備や実証実験等を行ってまいりました。業績につきましては、連結経常損失を2018年6月期、2018年12月期、2019年12月期と3期連続して計上しましたが、主な要因は、2018年に大手町に開設した新データセンターの投資と回収のタイムラグ、新規事業を立ち上げてから黒字基調にするまでのタイムラグであります。このような経営環境の中、財務基盤の強化が必要であります。
本体事業では、当社の主力事業であるデータセンターにおいて、新データセンターの開設を機に新規顧客獲得に向けた受注活動を行うとともに、既存顧客との関係強化による取引拡大にも努め、データセンター企業の先駆者として、競争に勝ち残るためにも、多様化する顧客ニーズに対応したデータセンターサービスを今後も提供してまいります。また、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のサービスについても、サービスラインアップの拡充、サービス品質の維持・向上等により、顧客ニーズに対応してまいります。
子会社の事業については、各子会社を取り巻く事業環境の変化に対応した必要な投資、開発等を行うとともに、シナジー効果を発揮できるように連携を深めてまいります。
なお、企業価値を向上させる取組みとして、コンプライアンスを始めとする社員教育の充実を通じて組織力を強化すると共に、引き続き、内部統制システムの構築および運用にも力を入れ、企業の社会的責任を果たすべく取り組んでまいります。
当社グループの事業活動に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは本株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
富士キメラ総研の調査によると、データセンタービジネス市場は、IoT、人工知能などのシステム基盤としての需要増が見込まれるIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)の伸びが期待されるとともに、BCP(Business Continuity Plan)を意識したデータセンターへのシステム運用のアウトソース化や冗長化を意識した複数センター利用、データセンターの老朽化による新設データセンターへのシステム移設等の要因で、今後も成長が望める市場であります。しかしながら、価格競争の激化、顧客の要求の多様化等、引き続き厳しい競争環境下にあると認識しております。
当社は、2018年8月に新データセンターを開設し、更なるノウハウの蓄積に取り組むとともに、新規事業や新サービスを創出し、より付加価値の高いサービスを提供することで競合会社との差別化を図ってまいりますが、このような状況の中で、当社が優位性を発揮し一定の地位を確保できるか否かについては不確実な面があります。
今後、さらに競争が激化し競合他社の影響を受け、当社もサービス価格引下げに応じざるを得ない事態が生じたり、新データセンターの受注、稼働状況が計画に比べ大幅な乖離が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデータセンターは、大規模地震に耐えられる耐震構造または免震構造、ガス消火設備、停電時に備えてバックアップ電源として非常用自家発電装置の設置、ネットワークの冗長構成等、24時間365日安定した運用ができるように、最大限の業務継続対策を講じております。
しかしながら、サイバーアタック、システム・ハードの不具合、電力会社の電力不足や大規模停電、想定した規模をはるかに超える地震、台風、洪水等の自然災害、戦争、テロ、事故等予測不可能な事態によってシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデータセンターサービスは、顧客企業のサーバを預かり、インターネットへの接続環境を提供する他、サーバ運用に伴う様々なサービスを提供しております。データセンター設備内部におきましては監視カメラによる監視を行っているほか、顧客ごとに付与する専用入館カードによって入退出の制限と記録管理を行う等、厳重なセキュリティ体制を構築し、万全を尽くしております。
しかしながら、何らかの原因で、万一、外部からの不正アクセス等により情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、データセンターのファシリティを自社で保有することなく、他社のファシリティに自社の仕様にあわせた設備を設置、顧客にサービスを提供するノンアセット型データセンターを中心に展開しております。
当社としては、ファシリティの所有者との間で賃貸借契約を締結しておりますが、所有者が何らかの理由で、契約の継続につき全部もしくは一部を拒絶した場合、または契約内容の変更等を求めてきた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社のデータセンターでは顧客のサーバを設置するとともに、インターネットへの接続回線や保守・運用サービス等を提供しているため、災害や停電等異常時にもサービス継続が可能な設備が必要となります。さらに、消費電力量が多い施設であるため、様々な施策のもと、データセンターの省電力化の対策を進めておりますが、今後予想を上回る原油価格の高騰等に起因する電気料金の大幅な引き上げが発生し、それにより顧客との取引に支障が出るような場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力消費に関して地球温暖化に係る環境規制等がデータセンター事業者に対してなされた場合も、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社は、電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法及び関連する省令等を遵守しております。現在のところ、これらの法律による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、今後これらの法律及び省令が変更された場合や当社グループの事業展開を阻害する規制がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要顧客は、ヤフー株式会社(以下、ヤフー)であり、2019年12月期の売上高に占めるヤフーの割合は25.0%と特定の顧客に対しての依存度が高い傾向が続いております。今後、ヤフーのデータセンターに対する活用方針の見直しや転換等がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の連結子会社であるグローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社は、GiTV FundⅠInvestment,L.P.を組成しておりますが、ファンド募集において出資者から十分な資金を集めることができない場合には、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、投資先の業績が悪化した場合や、投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できない場合には、減損損失や評価損が発生する可能性や、投資の回収ができない可能性があります。
連結子会社ジャパンケーブルキャスト株式会社及び沖縄ケーブルネットワーク株式会社の売上高は、ケーブルテレビ事業者、番組供給事業者及び有料多チャンネル放送契約世帯数等のケーブルテレビ関連市場に依存しております。ケーブルテレビの有料多チャンネル放送契約世帯数の規模は大きいものの、他の動画配信サービス等との競合や、視聴者の趣味嗜好の変化、人口減少等によってケーブルテレビの有料多チャンネル放送契約世帯規模が縮小した場合、あるいはこのような傾向を受け、当社サービスを利用するケーブルテレビ事業者が有料多チャンネル放送サービスの提供を終了するような場合、料金体系が改定された場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、4K8K衛星放送が開始されたことに伴い、JCCでは次世代高精細放送の普及促進並びにプラットフォームの拡充に向け、4K、IPリニア放送、ACASサービス等への対応準備を進めており、これらの対応準備には多額の投資や費用が生じております。このため、サービスの提供に遅れが生じたり、想定した売り上げが計上できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループが事業拡大を行うためには、設備投資、シナジー効果を見極めた上での企業再編や資本提携が必要であります。しかしながら、投資のための資金、投資後の投資先の管理体制、投資による会計上の減損処理の発生の可能性等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は新データセンターへの投資のために、取引銀行等5社とコミット型シンジケートローン契約を締結しています。当該契約には一定の財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
財務制限条項の内容については、以下のとおりでありますが、当連結会計年度末において、当該財務制限条項に抵触しておりません。
①2018年6月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計 額を、2017年6月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の80%に相当する金額、又は直近の事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の80%に相当する金額のうち、いずれか高いほうの金額以上に維持すること。
②2020年12月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結損益計算書に記載される経常損益を2回連続して損失としないこと。
③2020年12月期第2四半期末日(2020年6月末日)における連結損益計算書に記載される経常損益を損失としないこと。
当社グループが今後も継続して成長していくためには、新人の育成や優秀な人材の確保が必要であると考えており、定期的な新卒採用を行い、あわせて中途採用を実施し、バランスのとれた採用及び人材の育成強化を図りながら、優秀な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材の流出や採用等が計画通りに進まない場合は、事業推進を行う上で、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、中長期的に企業価値を向上させるとともに、株主の皆様へ利益還元することを重要な経営課題として取り組んでおり、業績改善、事業拡大を目指しております。当社は、将来の事業展開に必要な内部留保を確保しながらも、継続的かつ安定的な配当による株主還元を行う考えでありますが、業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、企業価値の向上を図り、企業の社会的責任を果たし、社会やステークホルダーから高い信頼や誠実な企業として認識を得るためには、透明性が高く環境の変化に迅速に対応できる経営体制の確立とコンプライアンス遵守の経営を追求することが不可欠であると考えており、コーポレート・ガバナンス体制の充実を、経営の最重要課題と位置づけて積極的に取り組んでおります。
しかしながら、今後の当社もしくは当社グループの事業の急速な拡大による会社規模の拡大、もしくは子会社の増加に伴い、十分な内部管理体制の構築が整備できないという状況が生じることで適切な管理体制に支障が出る可能性があります。
当社の筆頭株主である株式会社インターネット総合研究所とは今後も良好な協力関係を継続していく予定ですが、同社の経営方針の変更等が生じた場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2018年12月期より決算日を6月30日から12月31日に変更しております。これに伴い、前連結会計年度(2018年7月1日から2018年12月31日)は6カ月間となり、当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日)は12カ月間であるため、前連結会計年度との増減の比較については記載しておりません。
当社グループが属する情報サービス産業においては、インターネット利用の増大、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、IoT(モノのインターネット)の普及により、クラウド市場、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)市場等が拡大しております。
このような環境の下、当連結会計年度においては、事業環境の変化に対応し事業を拡大するため、事業基盤の整備及び強化を行いました。
具体的には、コンピュータプラットフォームセグメントにおいて、当社は、2019年1月にサービス基盤拡充のため株式交換により株式会社ティエスエスリンク(以下、ティエスエスリンク)を子会社化し、同年9月には新データセンターの第2期工事を完了させました。また、IoT/AIソリューションセグメントにおいては、同年1月、当社は株式会社IoTスクエアの全株式を譲渡し、同社は連結子会社から外れました。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。
(コンピュータプラットフォーム事業)
コンピュータプラットフォーム事業においては、従来どおり、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
データセンターでは、大手町の新データセンターについて、2019年9月に第2期工事を完了させ、新データセンター全体の設置可能ラック数は約750ラックとなりました。お客様のご利用用途はCASE注1やAI用途に広がっており、新データセンターでは、より柔軟なネットワーク接続を可能にするため、株式会社アット東京様とデータセンター間接続に向け準備を進めており、今後も利用価値を高めてまいります。なお、同年12月末時点における新データセンター(約750ラック)の契約率は約7割、稼働率は約2割となっており、お客様のサーバ等の移設に伴い売り上げが増加する予定です。また、データセンター需要の増加が予想される中、当社はこれまで培った経験やノウハウを活用したデータセンター構築・運用サービスを開始し、事業展開を図ってまいります。
クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の規模は拡大しており、当社独自のc9サービス、セキュリティ関連のSaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービスの売り上げは伸長しました。
データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案することにより、当社の主力プロダクトであるDELL EMC社製の「Isilonシリーズ」、大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品の販売は概ね堅調でした。
その他では、ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っており、独自製品である「パイレーツ・バスター®」、「コプリガード®」等の売り上げは堅調に推移しました。また、情報セキュリティサービスとして提供しているPCデータのクラウドバックアップサービスの売り上げも堅調に推移しました。
この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は8,696百万円、営業損益は新データセンターの固定費負担等により508百万円の損失となりました。
(IoT/AIソリューション事業)
IoT/AIソリューション事業では、株式会社エーアイスクエア(以下、AI2)、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社(以下、GiTV)等を中心に事業を展開しております。
AI2では、コンタクトセンター業務、ヘルプデスク業務をはじめ、業務の自動化・効率化・高度化を望んでいるお客様に対し、独自開発の自然言語解析技術を活用したAIソリューションを提供しております。企業内外の問合わせ応答業務を支援する自動応答システム「QuickQA」、会話文から書籍まで様々な文章を要約・分類する「QuickSummary」等の自社ソリューションについて、セミナー開催や展示会出展を通じた顧客獲得活動に加え、SIerやソフトウェアベンダーによる代理店販売の拡大にも取り組んでおります。
GiTVが組成したファンドであるGiTV FundⅠInvestment,L.P.は、AIやIoT関連のベンチャー企業に投資を実行しております。
この結果、IoT/AIソリューション事業の売上高は362百万円、営業損益は、営業損益は事業拡大に伴う採用や人件費の増加等により237百万円の損失となりました。
(メディアソリューション事業)
メディアソリューション事業では、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)及びその子会社である沖縄ケーブルネットワーク株式会社(以下、沖縄ケーブル)が事業を展開しております。
日本全国のケーブルテレビ事業者及び番組供給事業者向けの通信ネットワーク事業を行うJCCは、デジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」、ケーブルテレビのコミュニティチャンネル向けデータ放送サービス「JC-data」をはじめ多様なサービスを提供しております。加えて、北海道情報通信基盤利用促進協議会の参加5自治体に対し、緊急情報や地域情報を操作しやすい受話器一体型端末等で提供するIP告知システムのサービスを2019年4月より開始しました。また、凸版印刷株式会社、JCC、当社の3社では、超高精細・高品質の風景映像等、ヒーリング効果が期待される4K映像を家庭用4K対応テレビ向けに配信するサービスの提供を目指し実証実験を行っております。さらに、4K8K放送で新たに採用されたCAS注2方式となる「ACAS」に対応したデジタル多チャンネル配信プラットフォームサービスを開始しました。4KやIPリニア放送サービスへの対応等、今後も次世代高精細放送の普及促進並びにサービスの機能拡充を図ってまいります。
沖縄ケーブルは、同年4月より超高画質・超高精細な4K衛星放送サービス、24時間いつでも地域の防災・防犯情報が見られるデータ放送等の新サービスを開始し、同年8月からは日テレ系7番組の区域外再放送を開始しました。また、同年12月には、加入者様に加え、一般の方も来場可能な沖縄ケーブル30周年謝恩イベントを開催し、多数の来場者様に沖縄ケーブルのサービス内容や取り組みをアピールしました。今後もJCCと連携を図りながら沖縄地域に有用なサービスの提供に取り組み、地域の発展とケーブルテレビ加入者数の増加に努めてまいります。
この結果、メディアソリューション事業の売上高は5,601百万円、営業利益はACASの償却費等の費用増加もありましたが434百万円となりました。
以上の活動により、当連結会計年度における当社グループの売上高は14,660百万円、営業損失は303百万円、経常損失は352百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失、投資有価証券評価損、繰延税金資産の取り崩し等により912百万円となりました。
注1: C=「Connected:コネクティッド化」、A=「Autonomous:自動運転化」、
S=「Shared/Service:シェア/サービス化」、E=「Electric:電動化」の頭文字を取った造語。
注2: CASは限定受信方式を意味する「CONDITIONAL ACCESS SYSTEM」の略語。
当連結会計年度末における総資産は、主に、当社における新データセンター第2期工事関連の有形固定資産の増加、子会社における無形固定資産や投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,232百万円増加し24,383百万円となりました。
負債合計は、借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ264百万円減少し12,714百万円となりました。
純資産合計は、株式会社ティエスエスリンクを完全子会社とする株式交換に伴う自己株式の減少及び資本剰余金の増加、新株予約権の行使に伴う株式の発行による資本金及び資本剰余金の増加、非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,497百万円増加し11,668百万円となりました。
また、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、借入残高は40億円です。
当社は、2018年12月期より決算日を6月30日から12月31日に変更しております。これに伴い、前連結会計年度(2018年7月1日から2018年12月31日)は6カ月間となり、当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日)は12カ月間であるため、前連結会計年度との増減の比較については記載しておりません。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末と比較して1,336百万円減少し、5,904百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失を計上したものの、減価償却費、仕入債務の増加、未払消費税の増加等により、1,406百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、新データセンターに係る有形固定資産の取得による支出、ソフトウェアの取得による支出、投資有価証券の取得による支出等により、4,449百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使に伴う株式の発行等により、1,588百万円の収入となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3. キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前連結会計年度は決算期変更により、2018年7月1日から2018年12月31日までの6ヵ月となっております。このため、対前年同期比については記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の報告数値と異なる可能性があります。
当社は、2018年12月期より決算日を6月30日から12月31日に変更しております。これに伴い、前連結会計年度(2018年7月1日から2018年12月31日)は6カ月間となり、当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日)は12カ月間であるため、前連結会計年度との増減の比較については記載しておりません。
売上高は14,660百万円となりました。売上高を事業別(セグメント別)に区分すると、コンピュータプラットフォーム事業が約59%、IoT/AIソリューション事業が約3%、メディアソリューションセグメントが約38%となっております。コンピュータプラットフォーム事業では、新データセンターの第2期工事を2019年9月に完了させ、お客様のサーバ等の移設に伴い、第4四半期に売上高が増加しました。
営業損益は303百万円の営業損失となりました。営業損益を事業別に区分すると、コンピュータプラットフォーム事業が508百万円の損失、IoT/AIソリューション事業が237百万円の損失、メディアソリューション事業が434百万円の利益となっております。コンピュータプラットフォーム事業が営業損失であるのは、新データセンターの固定費負担等のためであり、IoT/AIソリューション事業が営業損失であるのは、AI事業、ファンド事業が赤字のためです。メディアソリューション事業は営業利益となっておりますが、第4四半期の営業利益は、ACASの償却費等の費用増加もあり、第1四半期、第2四半期、第3四半期と比べ、減少しました。
経常損益は352百万円の経常損失となりました。受取配当金等の営業外収益よりも、支払利息、投資事業組合運用損等の営業外費用が上回ったことによるものです。
税金等調整前当期純損益は660百万円の損失となりました。経常損失に、リース債務解約損、減損損失、投資有価証券等の特別損失を計上したことによるものです。
親会社株主に帰属する当期純損益は912百万円の損失となりました。税金等調整前当期純損失に、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純損失を加減算した結果です。
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、新データセンターへの投資資金として機動的な資金調達を行うため、取引銀行等とコミット型シンジケートローン契約を締結し、4,000百万円の借入をしております。また、2019年9月に完了した新データセンター第2期工事の資金需要に対しては、同年4月に第三者割当による新株式の発行、行使価額修正条項付第10回新株予約権の発行及び当該新株予約権の行使、並びに無担保社債を発行し合計2,453百万円の資金調達を行いました。
(4) 第5サイトに関する契約
(5) 新大手町サイトに関する契約
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
コンピュータプラットフォームセグメントでは、当社内に設置したCloud&SDN研究所において、SDN(Software Defined Networking)技術を応用したInternet eXchange(IX)の研究及び実証実験を進め、IXとクラウド間を相互接続するサービスを提供するとともに、更なる高度化にも取り組んでおります。仮想化技術については、ネットワーク機能を汎用サーバ上で実現するNFV(Network Functions Virtualization)の検証を進め、また、データセンター間接続の伝送技術については、実施に向け準備を進めております。加えて、ホワイトボックススイッチとネットワークOSの技術、コンテナ技術等にも着目し、研究を進めております。また、株式会社ティエスエスリンクでは情報漏洩対策ソフトの開発を行っております。