当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による事業への影響について、今後も注視してまいります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当社グループが属する情報サービス産業においては、インターネット利用の増大、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、IoT(モノのインターネット)の普及、企業のデジタル化への対応等により、クラウド市場、AI(人工知能)市場等が拡大しております。
このような環境の下、当社グループは、当社グループが展開するコンピュータプラットフォーム事業、IoT/AIソリューション事業、メディアソリューション事業の3事業について、事業環境の変化に対応しながら事業運営を行っております。
なお、当社グループは、お客様や従業員の新型コロナウイルス感染防止のため、テレワークや時差出勤等の必要な措置を講じております。また、新型コロナウイルス感染症拡大が当第3四半期連結累計期間の業績に与えた影響については、コンピュータプラットフォーム事業、メディアソリューション事業では限定的でしたが、お客様社内での検討・プロセス等に遅れが見受けられる案件も発生しております。IoT/AIソリューション事業では予定した新規受注案件の延期等がありました。新型コロナウイルス感染症拡大による事業への影響について、引き続き注視してまいります。
当第3四半期連結累計期間における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。
(コンピュータプラットフォーム事業)
コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
データセンターでは、大手町の新データセンターにおける本年(2020年)9月末の契約率は7割を超え、稼働率は約35%となりました。また、本年3月には新データセンターの利用価値を高めるべく株式会社アット東京とのデータセンター間接続を開始しました。今後も当社データセンターの特長を訴求した営業活動、お客様のニーズに即したサービスの提案等を行い、新規顧客の開拓を進めるとともに、既存顧客との関係強化を図ってまいります。
クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の拡大を背景に、当社独自のc9サービス、SaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービスの売り上げは伸長しました。
データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案することにより、当社の主力プロダクトであるDELL EMC社製の「Isilonシリーズ」の売り上げは堅調に推移し、Isilonに付随した他の製品販売も堅調に推移しました。また、大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品は第1四半期に大型案件の獲得がありました。
その他では、株式会社ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っております。独自製品である「パイレーツ・バスター®」、「コプリガード®」等の売り上げについて、上期は堅調に推移しましたが、当第3四半期はお客様の検討期間の長期化等の影響により減少しました。他方で、情報セキュリティサービスとして提供しているPCデータのクラウドバックアップサービスの売り上げは堅調に推移しました。
この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は、主に新データセンター、データ・ソリューションの売り上げ増加により7,716百万円(前年同期比23.1%増)となりました。営業利益は、売り上げ増加に加え、旅費交通費をはじめとした販売費及び一般管理費の減少もあり412百万円(前年同期は505百万円の営業損失)となりました。
(IoT/AIソリューション事業)
IoT/AIソリューション事業では、株式会社エーアイスクエア(以下、AI2)、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社(以下、GiTV)等を中心に事業を展開しました。
AI2では、コンタクトセンター業務、ヘルプデスク業務をはじめ、業務の自動化・効率化・高度化を望んでいるお客様に対し、独自開発の自然言語解析技術を活用したAIソリューションを提供しております。企業内外の問合わせ応答業務を支援する自動応答システム「QuickQA」、「QuickQA」に企業の人事・総務部門に特化したQ&Aテンプレート約7,500セットを搭載した「AI人事総務」、会話文から書籍まで様々な文章を要約・分類する「QuickSummary」等の自社ソリューションについて、活用方法や事例紹介のWebセミナー開催等を通じた顧客獲得活動、Sierやソフトウェアベンダーによる代理店販売により拡販に努めております。
GiTVが組成したファンドであるGiTV FundⅠInvestment,L.P.は、海外のAIやIoT関連のベンチャー企業に投資をしております。
この結果、IoT/AIソリューション事業の売上高は284百万円(前年同期比6.9%増)、営業損失は155百万円(前年同期は161百万円の営業損失)となりました。
(メディアソリューション事業)
メディアソリューション事業は、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)及びその子会社である沖縄ケーブルネットワーク株式会社(以下、沖縄ケーブル)が行っております。
JCCにおいては、主力事業であるデジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」は、ケーブルテレビ事業者の多チャンネル放送サービスの高画質化の進展に向け、4K8K放送で新たに採用されたCAS(注1)方式となるACASに対応した高度ケーブル自主放送サービスを昨年(2019年)10月から開始し、ケーブルテレビ事業者のC-CASからACASへの移行を支援しております。
ケーブルテレビのコミュニティチャンネル向けデータ放送サービス「JC-data」は、地域に密着した安心・安全・防犯・防災情報の提供を行っております。長野県伊那市と伊那ケーブルテレビジョン株式会社のコミュニティチャンネル「いなテレ12」に、JCCがハイブリッドキャスト(注2)技術を用いて「ICTライフサポート・チャンネル」システムを構築しました。本コミュニティチャンネルからテレビのリモコン操作で買い物やタクシーの配車予約、ケーブルテレビの利用料との一括決済等が可能となりました。
自治体からのお知らせなどの行政無線や各種緊急情報を伝達する「IP告知システム」は、本年3月に北海道厚岸町、鶴居村への導入を完了し、すでに導入済の自治体と合わせ5自治体でサービス提供を行っております。
凸版印刷株式会社、JCC、当社、株式会社秋田ケーブルテレビ、株式会社秋田ケーブルテレビの子会社である株式会社ALL-Aの5社は、エイジフレンドリーシティの実現を目指す秋田市において、市内の高齢者入居施設及び個人宅への高品質4K映像配信の実証実験を実施中です。
また、 当社とJCCは更なるシナジー効果発揮のためオフィスを統合することとし、JCCは本年11月2日に本社移転(東京都千代田区内幸町の当社オフィス)いたしました。今後ますます当社とJCCは連携を深め、ケーブルテレビを通じたサービス提供にとどまらず、課題のある地域の暮らしを便利にするサービスを、メディアを超えて提供できるように取り組んでまいります。
沖縄ケーブルにおいては、解約防止と新規顧客獲得に向けサービスの魅力度向上のため、本年10月からデータ放送に新コンテンツを追加することとしました。また自治体案件獲得にも力を入れており、当第3四半期は電波障害調査を受注しました 。今後もJCCと連携を図りながら沖縄地域に有用なサービスの提供に取り組み、地域の発展とケーブルテレビ加入者数の増加に努めてまいります。
この結果、メディアソリューション事業の売上高は、第1四半期に計上したIP告知システムの機器売上等により4,431百万円(前年同期比2.9%増)となりましたが、営業利益はJCCにおけるACASの償却費・運用管理費や本社移転費用、沖縄ケーブルにおける県内プロスポーツチームを応援する地域スポーツ振興活動費等により194百万円(同52.6%減)となりました。
以上の活動により、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は12,432百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は464百万円(前年同期は250百万円の営業損失)、経常利益は470百万円(前年同期は273百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は379百万円(前年同期は529百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
(注1)CASとは、限定受信方式「CONDITIONAL ACCESS SYSTEM」の略語。
(注2)ハイブリッドキャストとは、放送と通信を連携させた新しいデータ放送サービス。利用するには、
ハイブリッドキャストに対応したテレビもしくはSTB(セットトップボックス)と、その機器が
インターネットに接続されていることが必要。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、売掛金の減少、大型投資がなく償却が進んだことによる有形固定資産や無形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ631百万円減少し23,751百万円となりました。
負債合計は、買掛金、長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,126百万円減少し11,588百万円となりました。
純資産合計は、配当金の支払いはあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ494百万円増加し12,162百万円となりました。
なお、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当第3四半期連結会計期間末の本契約に基づく借入金残高は40億円です。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)等の市場が拡大する中、これらのビジネス領域を成長機会と捉え、自然言語解析技術をはじめとするAI技術を活用したAIサービス等の新規事業を創出、育成してまいりました。新規事業の創出、育成には資金、時間等を要しますが、当社グループが培った事業基盤、知見、専門性を活用し、必要な技術を開発しながら基盤整備や実証実験等を行ってまいりました。業績につきましては、連結経常損失を2018年6月期、2018年12月期、2019年12月期と3期連続して計上しましたが、主な要因は、2018年に大手町に開設した新データセンターの投資と回収のタイムラグ、新規事業を立ち上げてから黒字基調にするまでのタイムラグであります。このような経営環境の中、財務基盤の強化が必要であります。
本体事業では、当社の主力事業であるデータセンターにおいて、新データセンターの開設を機に新規顧客獲得に向けた受注活動を行うとともに、既存顧客との関係強化による取引拡大にも努め、データセンター企業の先駆者として、競争に勝ち残るためにも、多様化する顧客ニーズに対応したデータセンターサービスを今後も提供してまいります。クラウド・ソリューション、データ・ソリューション等のサービスについては、サービスラインアップの拡充、サービス品質の維持・向上等により、顧客ニーズに対応してまいります。
子会社の事業については、各子会社を取り巻く事業環境の変化に対応した必要な投資、開発等を行うとともに、シナジー効果を発揮できるように連携を深めてまいります。
また、企業価値を向上させる取組みとして、コンプライアンスを始めとする社員教育の充実を通じて組織力を強化すると共に、引き続き、内部統制システムの構築および運用にも力を入れ、企業の社会的責任を果たすべく取り組んでまいります。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は69百万円であり、主にコンピュータプラットフォームセグメントに係るものであります。
コンピュータプラットフォームセグメントでは、当社内に設置したCloud&SDN研究所において、SDN(Software Defined Networking)技術を応用したInternet eXchange(IX)の研究及び実証実験を進め、IXとクラウド間を相互接続するサービスを提供するとともに、更なる高度化にも取り組んでおります。仮想化技術については、ネットワーク機能を汎用サーバ上で実現するNFV(Network Functions Virtualization)の検証を進めております。また、ホワイトボックススイッチとネットワークOSの技術、DDoS(Distributed Denial of Service Attack)対策技術、コンテナ技術、データセンター間接続の伝送技術等にも着目し、研究を進めております。なお、株式会社ティエスエスリンクでは情報漏洩対策ソフトの開発を行っております。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、事業に必要な資金を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達については、自己資金のほか、金融機関からの借入により行っております。資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、2018年8月に開設した大手町の新データセンターへの投資資金として機動的な資金調達を行うため、取引銀行等と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当第3四半期連結会計期間末の本契約に基づく借入金残高は40億円です。
当第3四半期連結会計期間において、「経営上の重要な契約等」の決定又は締結等はありません。