第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当社グループが属する情報サービス産業においては、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、IoT(モノのインターネット)の普及、企業のデジタル化への対応等により、クラウド市場、AI(人工知能)市場等が拡大しております。
 このような環境の下、当社グループは、当社グループが展開するコンピュータプラットフォーム事業、IoT/AIソリューション事業、メディアソリューション事業の3事業について、事業環境の変化に対応しながら事業運営を行っております。
  なお、当社グループは、お客様や従業員の新型コロナウイルス感染防止のため、テレワークの導入や時差出勤等の必要な措置を講じております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が当第3四半期連結累計期間の業績に与えた影響については限定的でした。

 

当第3四半期連結累計期間における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。

 

(コンピュータプラットフォーム事業)

コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。

データセンターでは、大手町の新データセンター(以下、新大手町サイト)は、本年9月末の契約率が約75%、稼働率は約55%となり、売り上げが増加しました。他方、利益率の高い運用受託サービスは段階的に売り上げが減少し、また、運用開始から20年が経過した大手町のデータセンター(第1サイト)は、一部のお客様が新大手町サイトへの利用に切り替えたこと等により売り上げが減少しました。なお、新大手町サイトでは、本年9月より、使用する電力をRE100(注1)準拠のトラッキング付FIT非化石証書(注2)を活用した実質再生可能エネルギー由来100%の電力に切り替え、環境負荷の低減に努めております。今後も、当社データセンターの特長を訴求した営業活動、お客様のニーズに即したサービスの提案等を行い、新規顧客の開拓を進めるとともに、既存顧客との関係強化を一層図ってまいります。
  クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の拡大を背景に、当社独自のc9サービス、SaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービスの売り上げは増加しました。
  データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案することにより、当社の主力プロダクトであるDELL Technologies社製の「PowerScale(旧製品名称 Isilon)」の売り上げは堅調に推移し、大容量のデータを収容できるScality社のSDS(ソフトウェア・デファインド・ストレージ)製品については、第2四半期連結会計期間に大型案件の売り上げを計上しました。
  なお、デジタル技術やデジタルサービス等の浸透により、企業のDX(デジタル変革)が加速する中、当社も事業の変革、業務プロセスの見直し、社内システムの高度化・連携等、DXへの取り組みを推進してまいります。
 その他では、株式会社ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っており、独自製品である「パイレーツ・バスター®」、「コプリガード®」等の売り上げは堅調に推移しました。また、情報セキュリティサービスとして提供しているPCデータのクラウドバックアップサービスの売り上げも堅調に推移しました。

この結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高は、データセンターの売り上げ減少により7,208百万円(前年同期比7.1%減)となりました。営業損益は、主に、利益率の高い運用受託サービスの売り上げ減少に伴う利益の減少により25百万円の損失(前年同期は421百万円の営業利益)となりました。

 

(IoT/AIソリューション事業)

IoT/AIソリューション事業では、株式会社エーアイスクエア(以下、AI2)、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社(以下、GiTV)等を中心に事業を展開しております。

 AI2では、自社開発の2つのコアシステムである企業内外の問合わせ応答業務を支援する自動応答システム「QuickQA」と会話文から書籍まで様々な文章を要約・分類する「QuickSummary」に加え、音声認識エンジンやAIの学習に付随する各種サービスを業務の自動化・効率化・高度化を望んでいるお客様に対し提供しております。また、Webセミナー開催・展示会出展等を通じた顧客獲得活動、SIerやソフトウェアベンダーによる代理店販売により売り上げが増加しました。
 GiTVが組成したファンドであるGiTV FundⅠInvestment,L.P.は、海外のAIやIoT関連のベンチャー企業に投資を実行しており、GiTVは、2つ目のファンド組成として、本年8月にGiTV FundⅡInvestment,L.P.を設立しました。
  また、BBTOWER SAN DIEGO INC.は本年6月に清算が結了しました。

この結果、IoT/AIソリューション事業の売上高は、AI2の売り上げ増加等により338百万円(前年同期比40.8%増)となり、営業損失は76百万円(前年同期は164百万円の営業損失)となりました。

なお、GiTV FundⅠInvestment,L.P.は、当第3四半期連結会計期間において投資有価証券評価損680百万円を特別損失として計上しました。

 

(メディアソリューション事業)

メディアソリューション事業は、ジャパンケーブルキャスト株式会社(以下、JCC)及びその子会社である沖縄ケーブルネットワーク株式会社(以下、沖縄ケーブル)が行っております。

JCCにおいては、主力事業であるデジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」は、ケーブルテレビ事業者の多チャンネル放送サービスの高画質化の進展に向け、日本初となる4Kスローテレビチャンネル「ナチュラルウインドウチャンネル」の試験放送を提供開始するとともに、ケーブルテレビ事業者のC-CASからACAS(注3)への移行を支援しております。
  ケーブルテレビのコミュニティチャンネル向けデータ放送サービス「JC-data」は、地域に密着した安心・安全・防犯・防災情報の提供を行っております。

自治体からのお知らせや各種緊急情報を伝達する「IP告知システム」は、北海道むかわ町、北海道島牧村、北海道大空町、北海道積丹町で導入が決定し、むかわ町は、本年7月に整備完了し8月からサービス提供を開始しました。また、新規取組として、JCCと北海道テレビ放送株式会社(以下「HTB」)は、次世代データ放送サービスのHybridcast(注4)を活用し、HTBのデータ放送画面を通じて各種情報を配信するサービスの事業化に向け、本年9月に基本合意書を締結し、来年のサービス開始に向け準備を進めてまいります。さらに、サービスをご利用中の北海道喜茂別町には、総務省が推進する「地域おこし企業人交流プログラム」(注5)を活用し、本年4月から同町役場へ社員派遣を実施し、加えて、JCCとむかわ町は、防災・ICTの利活用・観光推進に関し包括連携協定を本年6月に締結しました。
 JCCでは、ケーブルテレビを通じたサービス提供にとどまらず、課題のある地域の暮らしを便利にするサービスを、自治体と共創して提供に努めてまいります。
  沖縄ケーブルにおいては、昨今高まるインターネット等の高速通信需要に対応するため、光回線(FTTH(注6))化工事に着手し、本年7月に那覇市の一部で超高速インターネットサービス「ヒカリにらい」の提供を開始しました。引き続き、宜野湾市全域のインフラを順次更新してまいります。また本年8月、株式会社地域ワイヤレスジャパン、沖縄テレビ放送株式会社等と共同で提案した「沖縄県初ローカル5Gを活用した災害時におけるテレビ放送の応急復旧に関する実証実験」が総務省に選定されました。本実証実験を通じ地域への普及展開に向けた汎用性の高いローカル5G活用モデルの構築を目指すとともに、本実証実験で得られた知見を活用し今後もJCCと連携を図りながら沖縄地域に有用なサービスの提供に取り組み、地域の発展とケーブルテレビ加入者数の増加に努めてまいります。

この結果、メディアソリューション事業の売上高は、IP告知システムの機器売り上げ等の減少により4,051百万円(前年同期比8.6%減)となりましたが、営業利益は、JCCにおいて前年第3四半期に計上した本社移転費用が当第3四半期はなくなったことや地上配信回線費用の低減等により204百万円(同5.1%増)となりました。

以上の活動により、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は11,598百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益は118百万円(同74.5%減)、経常利益は86百万円(同81.5%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は投資有価証券評価損を計上したこともあり140百万円(前年同期は379百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 

(注1)RE100とは、英国のClimate Groupと英国ロンドンに本部を置くNGOであるCDPが実施する、事業運営に使

        う電気を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げるイニシアティブ。

(注2)トラッキング付FIT非化石証書とは、自然エネルギー、バイオマスなどの非化石電源で発電された電気が

    持つ「非化石価値」を取り出し証書化した非化石証書に、電源種や発電所所在地などのトラッキング情

        報を付与したもの。

(注3)ACASとは、4K8K放送で新たに採用されたCAS方式。
       CASとは、限定受信方式「CONDITIONAL ACCESS SYSTEM」の略語。

(注4)Hybridcastとは、放送波の中にインターネット上のコンテンツの取得を指示する制御信号を組み込み、テレビ放送とHTML5で記述されたWebコンテンツとの融合を可能とする次世代放送サービス。

(注5)地域おこし企業人交流プログラムとは、総務省が、三大都市圏に所在する民間企業の社員がそのノウハウや知見を活かし、一定期間、地方公共団体において地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事することで地方圏へのひとの流れを創出することを目指して制定したプログラム。令和3年度からは「地域活性化地域おこし企業人交流プログラム」に名称を変更。

(注6)FTTHとは、「Fiber To The Home」の略語で、光ファイバーを利用した家庭用の高速データ通信サービス。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、現金及び預金、有形固定資産、無形固定資産等の減少により、前連結会計年度末に比べ1,133百万円減少22,225百万円となりました。

負債合計は、長期借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,213百万円減少10,079百万円となりました。

純資産合計は、その他有価証券評価差額金、非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ79百万円増加12,146百万円となりました。
 なお、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当第3四半期連結会計期間末の本契約に基づく借入金残高は35億円です。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

第2四半期連結会計期間において、当社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)へ取り組むことを取締役会で決議いたしました。これに伴い、前事業年度の有価証券報告書「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境と経営戦略」のコンピュータプラットフォーム事業の記載を変更しております。なお、変更箇所については下線を付しております。

 

(下線箇所の変更前)

コンピュータプラットフォーム事業においては、主力サービスであるデータセンターは、新たなデータセンターモデルへの展開として、2018年8月、大手町に新データセンター(新大手町サイト)を開設し、新たな顧客層を開拓しております。また、クラウド・ソリューション、データ・ソリューションについてもサービスラインアップの拡充を図っております。顧客ニーズの多様化に対応するべく、これまで蓄積してきた提案力、技術力を更に向上させ、新規顧客の開拓と既存顧客との関係強化を図ってまいります。また、デジタル変革(DX)の流れが加速しつつある中、当社ならではの「DataセンターからDXセンターへの進化」を図ってまいります。

 

(変更後の全文)

ソフトウェア・ハードウェア技術の進化、IoT/ビッグデータ/人工知能(AI)市場の拡大等、情報通信業界は急速に変化しております。このような業界環境の中、当社グループに関連するデータセンター市場、クラウド市場は拡大傾向が続くと見込まれ、ケーブルテレビ市場も一定の規模があります。市場規模が拡大する中で、当社グループは成長機会を逃さないためにも事業環境の変化に対応し、次の3つのセグメントで事業運営を行っております。
 コンピュータプラットフォーム事業においては、当社は、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション(ストレージ(大容量記憶装置)・ソリューション)を個別に提供してまいりました。これまでの姿勢は、ITサービスを従来型のITベンダー企業の供給者側論理に基づく取組姿勢でした。しかし、世界は、DX(デジタル変革)という一大転換点を迎えております。当社としては、このDXという転換点を、過去の供給者側論理によるITシステムの利用ではなく、需要者側論理に基づく、ユーザー企業主導のITシステムの利用であると位置づけ、DXビジョンの起点といたします。また、日本の社会課題として、首都圏と大企業への一極集中があります。当社は、今後、ユーザー視点に立脚し、社会課題を解決し、地方創生と中小企業の活性化に貢献できるよう3つの事業の変革を行い、ユーザーが最適なデータセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューションを享受できる環境を整備し、ユーザー企業が自由に当社のサービスとソリューションを選択可能とする以下の事業変革を行ってまいります。

第1に、データセンター事業の刷新を図ります。具体的には、RTT (Round-Trip Time、ラウンドトリップタイム、信号やデータを発信してから、応答が帰ってくるまでにかかる時間)で分類し、これまで提供してきた全国型DC(National Data Center)(RTT:20~100ms)をコアデータセンターとして位置づけます。次に、新たに政令指定都市などの地域の中心都市に地域型データセンター(Regional DC)(RTT: 5~20ms)、さらに、新世代モバイル通信網である5GおよびBeyond5Gの低遅延特性を活用するエッジ型データセンター(RTT:1~5ms)の三階層データセンターを整備し、ユーザー企業や政府・自治体へのニーズに応えてまいります。

第2に、クラウド事業の刷新を図ります。具体的には、海外の巨大IT企業の提供するメガクラウドサービスとの連携を強化します。また、自社オリジナルのクラウドサービスの性能、機能、信頼性を向上させ、当社の提供するデータセンターで、各種クラウドサービスの利用促進を図る接続環境を強化してまいります。

第3に、ストレージ事業の刷新を図ります。スケールアウト(台数による大型化可能な)NAS(Network Attached Storage、アプライアンス〔専用〕ストレージ)、SDS(Software Defined Storage、汎用サーバーを多数接続しソフトウェアで定義した統合型ストレージ)、ハードディスク型ストレージ、半導体型ストレージのあらゆる組み合わせ提供を可能としてまいります。
 当社は、上記3つの刷新によって、ユーザー企業が、特定のクラウドベンダーやITベンダーにロックインされず、柔軟性のある情報システムを構築できるようユーザー企業のDXを支援するために、DataセンターカンパニーからDXセンターカンパニーへの転換を図ってまいります。
 IoT/AIソリューション事業においては、AIサービスについては販路の拡大を図り、投資事業については、アーリーステージの企業への投資を実行しております。
 メディアソリューション事業においては、ジャパンケーブルキャスト株式会社及び沖縄ケーブルネットワーク株式会社が属するケーブルテレビ業界が、放送の高画質化(SD標準から4K8K超高精細)、限定受信方式(CAS)の効率化・高セキュリティ化(C-CASからACAS)等、大きく変化しております。次世代放送サービス対応を進めるとともに、トータルオペレーションの効率化を図ってまいります。
 また、当社グループ内における連携だけでなく、グループ外の他企業との連携も図り、新たなサービスの創出に努めてまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営環境に与える影響は、当社グループの事業内容を踏まえ、現時点において限定的と判断しておりますが、先行きは不透明な部分もあり、今後も継続的に注視してまいります。

 

 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 (6) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は101百万円であります。

なお、コンピュータプラットフォームセグメントにおける研究開発活動の状況に重要な変更はありませんが、メディアソリューションセグメントにおいては、IP技術やクラウドを活用した次世代放送システムの研究開発を行っております。

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。

 

  (8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当第3四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、「経営上の重要な契約等」の決定又は締結等はありません。