第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」から重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当中間連結会計期間(以下、当中間期)におけるわが国経済は、堅調な企業業績を背景にした株式市場の活況や雇用・所得環境の改善がみられるなど緩やかな回復基調が続いている一方、緊迫した世界情勢や、資源価格や原材料価格の高騰、円安による物価の上昇など、景気の下振れリスクには、引き続き十分注意する必要があります。

当社グループが属する情報サービス産業においては、ソフトウェア・ハードウェア技術の進展、企業のDX化(デジタルトランスフォーメーション)への対応やデータ活用に対する取組み等により、データセンター市場、クラウド市場等は今後も中長期的に拡大していくと見込んでおります。

このような環境の下、当社グループは、当社グループが展開するコンピュータプラットフォーム事業とメディアソリューション事業について、事業の変化に対応しながら事業運営をおこなっております。

 

当中間期におけるセグメント別の概況は以下のとおりであります。

 

(コンピュータプラットフォーム事業)

コンピュータプラットフォーム事業においては、データセンター、クラウド・ソリューション、データ・ソリューション、その他に分け、サービスを展開しております。
  データセンターでは、昨今のデータ通信量の増加により、低遅延かつ優れた接続性を特長とした都市型データセンターの需要が高く、今期計画のネットワークサービス等の販売が好調に推移した結果、売り上げが増加しました。また、サービス価格の見直しやデータセンターの運用コストの削減等、事業全体の収支構造を改善した結果、増益となりました。なお、新大手町サイトの契約率・稼働率は、高い水準を維持しております。また、本年6月には、北海道石狩市において再生可能エネルギー100%で運用されるデータセンター(以下、「石狩再エネDC」)の事業化に向けて、合同会社石狩再エネデータセンター第1号(以下、「ISRD」)と、建物賃貸借予約契約、コンサルティング業務委託契約および建物管理業務委託契約を締結しました。石狩再エネDCでは、建物や設備をISRDが所有し、当社はISRDから建物管理業務の委託を受け、併せて、石狩再エネDCのテナントとして一部の区画内でデータセンター事業を展開する予定です。今後はこの石狩再エネDCでの実績を基に、SPC(Special Purpose Company)を用いたストラクチャーやパートナー企業との協業モデルを積極的に活用し、これまでよりも更にアセットライトな事業モデルにシフトすることによって、ハイパースケールデータセンター等、大規模なデータセンター開発プロジェクトの立ち上げを目指しております。
  この結果、データセンターの売上高は2,709百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
  クラウド・ソリューションでは、クラウド市場の拡大を背景に、当社独自のc9サービス、SaaS(Software as a Service)サービス等の売り上げは堅調に推移し、パブリッククラウドサービス等の売り上げは増加しました。
 この結果、クラウド・ソリューションの売上高は921百万円(前年同期比20.3%増)となりました。
  データ・ソリューションでは、大容量化への対応、安定運用等、お客様のニーズに即したストレージの活用方法を提案しております。当社では、主力であるDell Technologies社製の「Dell PowerScale / Isilon」の提供及びランサムウェア対策としてカナダSuperna社が開発したソフトウェア製品群の日本国内での提供・サポートを行っております。主力プロダクトである「Dell PowerScale / Isilon」は、保守サービスとSuperna社のサイバーセキュリティソリューションの売り上げが増加しているものの、大型案件の減少により、前年同期に比べ売り上げが減少しております。
 この結果、データ・ソリューションの売上高は1,047百万円(前年同期比35.5%減)となりました。
 その他では、株式会社ティエスエスリンクが情報漏洩対策ソフトウェア製品の開発、販売等を行っております。新規受注が堅調に増加し、その他の売上高は80百万円(前年同期比8.5%増)となりました。

以上の結果、コンピュータプラットフォーム事業の売上高の合計は、主にデータ・ソリューションにおける大型案件の売り上げ減少により4,758百万円(前年同期比4.9%減)となりました。営業利益は、データセンターにおける事業全体の収支構造の改善およびデータセンター関連サービス等の売り上げ増加により391百万円(前年同期は85百万円の損失)となりました。

 

(メディアソリューション事業)

メディアソリューション事業では、ジャパンケーブルキャスト株式会社がケーブルテレビ事業者向けデジタル多チャンネル配信のプラットフォームサービス「JC-HITS」を中心としたコンテンツプラットフォームのサービスと、ケーブルテレビ事業者のコミュニティチャンネル向けデータ放送配信サービス「JC-data」と地方自治体向け「地域・防災DXサービス」を中心としたインフォメーションプラットフォームのサービスを展開しております。
 コンテンツプラットフォームのサービスは、ケーブルテレビ局の多チャンネル放送サービスのユーザー数の減少が影響し、売り上げが減少しました。また、インフォメーションプラットフォームのサービスは、地方自治体によるデジタル田園都市国家構想関連の補助金利用の活発化を背景に、新規受注を獲得し、売り上げが増加しております。
 この結果、メディアソリューション事業の売上高は、主にインフォメーションプラットフォームのサービスの売り上げ増加により、1,810百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は販管費等の削減により、104百万円(同102.3%増)となりました。メディアソリューション事業を取り巻く環境下では地方自治体によるデジタル田園都市国家構想関連の補助金利用が活発化しており、引き続き、インフォメーションプラットフォーム関連サービスの販売促進活動を精力的に行い、売り上げの増加を目指してまいります。

 

以上の活動により、当中間期における当社グループの売上高は6,604百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益はコンピュータプラットフォーム事業の増益により452百万円(前年同期は89百万円の損失)となりました。経常利益は営業利益および営業外収益の増加等により590百万円(前年同期は97百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は405百万円(前年同期は87百万円の損失)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は、売掛金の減少、減価償却による有形固定資産及び無形固定資産の減少等はあったものの、現金及び預金の増加、有価証券及び投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ759百万円増加20,237百万円となりました。

負債合計は、買掛金及び長期借入金等は減少したものの、未払法人税等の増加、その他流動負債に含まれる預り金の増加等により、前連結会計年度末に比べ141百万円増加7,953百万円となりました。

純資産合計は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加、非支配株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ617百万円増加12,284百万円となりました。

  この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の42.6%から0.7ポイント増加し43.3%となりました。

なお、当社は、大手町に開設した新データセンターの投資に伴う資金需要に対し、機動的な資金調達を行うため、2018年3月に取引銀行等5社と総額40億円のコミット型シンジケートローン契約を締結しており、当中間連結会計期間末の本契約に基づく借入金残高は21億25百万円であります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1,090百万円増加し、7,237百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益の計上、非現金支出費用である減価償却費の計上、売上債権の減少等により1,958百万円の収入(前年同期は263百万円の収入)となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により308百万円の支出(前年同期は352百万円の支出)となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により560百万円の支出(前年同期は417百万円の支出)となりました。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

 (6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 (7) 研究開発活動

当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

なお、当中間連結会計期間における当社グループの研究開発費の総額は47百万円であります。

 

(8)生産、受注及び販売の実績

当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。

 

(9) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当中間連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性に重要な変更はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

石狩再エネデータセンター事業に関する契約

契約先

契約年月日

契約の内容

契約期間

合同会社石狩再エネデータセンター第1号

2024年6月28日

建物管理業務受託契約

自:2026年4月1日
至:2041年3月31日
(以後原則2年毎の自動延長)