第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。  

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「あしたの常識をつくる コミュニケーションコンサルティング・グループ」へというビジョンを掲げております。

従来から、PR業務、メディアトレーニング業務、危機管理コンサルティングサービス、デジタル領域におけるPR施策を展開してまいりました。

しかしながら、昨今、企業を取り巻くコミュニケーションの課題は、多様化、複雑化する一方にあり、クライアントが我々に期待する役割も変化しております。特に、デジタル分野において、広告とPRの垣根は低く、競合する企業も多様化しております。

このような環境の下、従来のPR会社の枠を超えて、クライアントの多様化するコミュニケーションの課題に対して、PRも含めた様々な解決策を提案することができるコミュニケーションコンサルティング・グループへと進化し、当社グループ全体で様々なサービスを提供してまいります。

そのため、既存事業を深化させるためのコンサルティング力の向上、新サービスの開発、提供可能サービスの幅の拡大を図り、当社グループの価値を高めるべく努めてまいります。あわせて、多くの優秀な人材の獲得及び育成を通じプロフェッショナルなコンサルティング集団へと進化を図り、当社グループの成長を加速させるとともに、収益力の向上及び株主価値の増大に努めてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するために、成長性、安全性、収益性に関する各指標の改善に努めています。成長性では売上高、営業利益、EBITDAの持続的拡大、安全性では高水準の自己資本比率の維持、収益性では自己資本利益率の向上を目指して、事業展開を実施しております。

当連結会計年度の連結経営指標は、売上高、営業利益ともに前年同期比で増加しました。

安全性と収益性に関して、自己資本比率は73.3%と高水準を維持し、自己資本利益率は9.0%と前年同期比で改善し、目標値の8.0%をクリアしました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 当社グループは、PR活動よりもさらに広い範囲で企業・団体のコミュニケーションを支援する「コミュニケーションコンサルティング・グループ」への成長を目指してまいります。

 このビジョンを実現するため「コア事業拡大」「新規事業拡大」「人材強化」「経営力強化」の4つの分野への投資を続けています。特に今後も成長の見込めるデジタル領域のソリューション拡充、海外でのサービス提供は、当社グループの成長に大きく寄与すると考え、積極的に進めております。

   コア事業拡大、新規事業拡大

・当社の強みであるヘルスケア、IT、危機管理広報コンサルティングなど専門性の高いコンサルティングサービスの提供

・デジタル領域でのサービス強化、拡充、新規サービスの開発

・PRとデジタル/マーケティングを融合したサービス開発

海外において、

・中国、東南アジアでの提供可能サービスの拡大

・新規拠点開発

  人材強化、経営力強化

・専門性を有する優秀人材の確保

・研修、人事交流など多種多様な経験を通した人材育成の機会の創出

・生産性向上のためのIT活用

・人的リソースの適正配置の推進

・多様な働き方への対応

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

当社グループは、企業の公正なコミュニケーション活動をコンサルティングすることで、企業を取り巻く様々なステークホルダーとの関係性を良好にすることをミッションに掲げ、より円滑な経済活動の実現、ひいては社会発展に貢献することを目指しています。

社会からの要請が高まりサステナビリティに関する情報量が急増する中で、当社グループは、クライアントの本質的な情報発信を支援することでサステナブルな社会の実現にコミュニケーションの力で貢献し、また、グループとしてサステナビリティへの対応を組織的に推進し実装します。グループの知見をクライアントへのコンサルティングに還元し、クライアントおよび当社グループの長期的な企業価値向上に積極的に取り組んでまいります。

一方、企業のサステナビリティに関するコミュニケーションは、事業部門、広報部門、IR部門、人事部門など複数の社内関係者の連携や専門家やNGO/NPOなど社外との協働が必要であり、加えて、専門性の高い取り組みの分かりやすい説明、他社との差別化、SNSも含む生活者心理の把握、透明性の確保、経営戦略との整合など、これまで以上に戦略的かつ専門的で精緻なメッセージの設計と発信が求められています。当社グループでは、このような高度なコミュニケーションコンサルティングを担える人材育成を中心とした、人的資本の価値向上への取り組みも推進しております。

 

(1)サステナビリティに関する考え方及び取り組み

当社グループのマテリアリティ(重点課題)

①地域と産業の持続的な発展に貢献

 環境や社会のサステナビリティを追求する企業・自治体の取り組みをコミュニケーションの側面からコンサルテーションすることで、持続可能な発展・成長に寄与します。

②公正で多様性のある社会の実現

 誰にとっても公正なコミュニケーションを展開することによって、多様な個を尊重しお互いを受容する社会を促進します。

③インテグリティのある組織づくり

 誰からも信頼されるコミュニケーションコンサルティング・グループとして、ガバナンス・コンプライアンスを強化し 健全な経営を行います。

<マテリアリティ推進を支える取り組み>

④「あしたの常識をつくる」人材育成

 誠実で寛容な姿勢で社会と向き合い、真摯なコミュニケーションによって次世代につながる価値創造ができる人材を育成し、社会全体の公正なコミュニケーション環境構築に貢献します。

 

推進体制

サステナビリティに関する収益機会の獲得およびリスクの管理をグループ横断で推進することを目的として、国内主要グループ会社が参画する「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。グループ各社のサステナビリティ関連のコミュニケーションコンサルティングや人材育成の事例共有、社会動向の分析などに基づき討議しています。

本委員会は、取締役管理本部長が委員長となり、委員長が選任したメンバーで年3回開催しており、当社グループのサステナビリティに関する取り組みを推進・評価し、本委員会の審議内容は、取締役会へ適宜報告します。

 

ガバナンス

当社グループのサステナビリティ経営に関するガバナンス体制は、以下のとおりであります。

①取締役会

定期的にリスク対策委員会や内部統制プロジェクトチームなどから報告を受け、対応策の進捗状況について監督するとともに、重要リスクについては、各取締役及び各監査役から意見を積極的に述べてもらい、リスクの拡大防止に努めております。

②リスク対策委員会

代表取締役を委員長とするリスク対策委員会を設置し、グループ全体のリスクマネジメント体制の構築と、運用の監督を行っています。

グループ各社で事業に影響を与える社内外のリスクの洗い出しと評価を実施し、重要度の高いリスクに対しリスク対応計画を策定して予防及び低減に努めています。リスク対策委員会では、グループ各社のリスク対応計画の進捗をモニタリングし、当社取締役会に報告しレビューを受けています。

また、当社グループのガバナンス、コンプライアンスのリスクが顕在化した場合は、調査委員会を設置し、監査役会や内部監査チームと連携して、調査および再発防止の方策を実施します。

 

(2)人的資本価値向上への取り組み

人材育成

 時代の変化に合わせて必要なスキルを柔軟に獲得できる仕組みとして、当社グループ独自の社内教育制度である「プラップ大学」を設置し、幅広いカリキュラムを提供しています。内定者研修、新入社員研修、階層別研修、管理職研修といった立場によって身に着けるべき知識を提供する講座から、より業務に直結する能力や知識を習得する実践型講座などのプログラムを展開しています。また、外部のオンデマンド研修や専門性の高い講座、セミナーなども組み合わせ、重層的な教育機会を提供しています。

 キャリア開発においては、1on1のキャリアディスカッション、ジョブローテーション制度や社内公募制度により多様なキャリアプランの選択を後押しする制度を整備しています。その他、社内外のアワードを対象とした表彰制度があり、社員のエントリーを推奨し個々人がスキルアップを目指すモチベーション向上につなげています。

 

多様な働き方

 当社グループでは、社員のパフォーマンスの最大化を目指し、リモートと出社のハイブリッド型勤務の導入やサテライトオフィスの活用、時間単位での有給休暇取得など多様な働き方を制度として整備しています。また、社員のニーズに沿って定期的に社内のレイアウトや設備、システムについて見直すことにより、より働きやすい環境となることを目指しております。その他、メンター制度やサークル活動制度、慰労会補助制度により、社員同士のコミュニケーションが活性化する環境を整備しております。

 

リスク管理

グループ全体でリスクマネジメント活動を組織的に推進しており、経営や事業に影響を与えうる人材流出リスク、コンプライアンスリスク、ステークホルダーとのコミュニケーションにおけるリスク等を識別、評価した上で、必要な対策を講じています。

 

指標及び目標

当社グループでは、性の在り方や国籍、障害、疾病、文化などに基づく多様な価値観やバックグラウンドを持つ全ての人材が、多様性(ダイバーシティ)を尊重し、お互いを包摂(インクルージョン)しながら成長できる組織であることを目指しています。誰もがいきいきと活躍できることが、事業を推進する強い原動力になると考えています。まずは、全社員の50%以上を占める女性の活躍推進にフォーカスし、管理職比率や賃金格差において、公平性を向上させます。人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境に関する方針について、次の目標と対策を定めております。

 

 

提出会社における多様性に関する指標及び目標

計画期間

指標及び目標

対策

2023年9月1日~

2025年8月31日までの

2年間

男性の育児目的の休暇取得率を30%以上とする

①2023年9月~ 法定の制度と会社独自の制度の違いをまとめた資料を作成(産後パパ育休と会社独自の有給休暇の違い等)

②2023年9月~ 休暇取得までの申請フローを整備

③2023年12月~ 上記を社内イントラネット等に掲載・周知

管理職に占める女性労働者の割合を30%以上を維持する

①2023年10月~ 資格取得支援や外部研修を実施しスキルの底上げを実施
②2023年11月~ OJT制度やメンター制度により指導、育成する機会を創出
③2024年3月~ 活躍する労働者について公正に判断し積極的に管理職に登用

全労働者における男女の賃金の差異を80%以上とする

①2023年9月~ リモートと出社のハイブリッド型勤務、時間単位での有給休暇取得、時差勤務等を活用し多様な働き方の支援を継続
②2023年9月~ 活躍する労働者について公正に判断し積極的に賃上げや管理職への登用を実施
③2024年3月~ 活躍する非正規労働者について公正に判断し積極的に賃上げや雇用形態の変更を実施

 

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。又、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。又、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

1.コミュニケーションコンサルティング事業に関するリスク

(1)人材の確保

当社グループの成長性及び優位性は、優秀な人材の確保に大きく依存します。当社グループでは、新卒採用及び経験者採用を積極的に行い、独自の教育・研修制度によりコミュニケーション領域におけるプロフェッショナルの早期育成に努めておりますが、人材を十分に確保できなかった場合や、人材の流出があった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

このリスクへの対策として、離職の抑制及び多様性のある人材の確保のため、多様な働き方への対応、ハイブリッドワークの導入、公正で柔軟な人事制度の導入など労務環境のさらなる改善を推進しております。

 

(2)メディアとの関係

当社グループは、マスメディア及びデジタルメディア各社に対し有用な情報を長期的かつ継続的に提供することにより、メディア各社と良好な関係を築いておりますが、誤った情報の提供等により、メディアとの信頼関係を失った場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、社内教育機関においてメディアを含めた多様な講師によるコミュニケーション研修を実施しております。

 

(3)情報管理

当社グループは、業務の性質上クライアントの機密情報や個人情報を取り扱う機会があるため、万が一これらの情報の漏洩や不正使用などがあった場合、損害賠償、クライアントの信頼喪失、社会的信用の失墜等により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社グループでは、取り扱う情報の種類に応じてISO27001(ISMS/情報セキュリティマネジメントシステム)認証又はプライバシーマークの認証の取得をする他、情報セキュリティガイドラインの徹底、定期的な社内教育、内部監査の実施等の対策を講じており、情報セキュリティの継続的な確保に努めております。

 

(4)知的財産権

当社グループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう社内教育やチェック体制等による防止に努めておりますが、万が一、事業の過程で第三者の知的財産権の侵害が発生し、知的財産に係る訴訟等の紛争に発展した場合、当社グループの経営成績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

リスクへの対応策として、法務部門において第三者の知的財産権等を調査するとともに、社員が法令遵守を徹底するようコンプライアンスマニュアルの配布及び定期的な社内教育を実施しております。

 

2.事業環境、経営戦略に関するリスク

(1)経済の状況

当社グループは、既存のクライアントと長期的・安定的な関係を築くとともに、積極的な営業による新規クライアントの獲得に努めておりますが、経済状況の変化に伴うクライアントのPR・マーケティング関連予算の増減により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

このようなリスクを踏まえ、当社グループはコミュニケーションコンサルティング事業を軸に、さらなる事業領域の拡大のため、M&A、新規事業の開拓や競合他社とのサービスの差別化等を推進し、経営成績の向上に努めてまいります。あわせて、財政状況の向上のためコスト削減、生産性の向上等の対策を継続して実施しております。

 

(2) M&A、新規事業等

当社グループは、企業価値の向上と事業領域の拡大を目的に、M&A・事業提携、新規事業や新規市場の開拓を積極的に推進する方針です。しかしながら、財務状況の悪化、予測と異なる状況による事業計画との著しい乖離等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

このリスクへの対策として、市場状況・事業環境のタイムリーで的確な把握と、予測精度向上のための調査・分析、事業計画の進捗把握と改善に注力しております。

 

(3)海外市場における事業展開

当社グループは、中国子会社、シンガポール子会社及び欧米企業・団体の業務を中心とする国内子会社が連結業績へ組み入れられております。さらに積極的に海外市場における事業展開や新規事業の開拓を推進しておりますが、カントリーリスクや為替変動リスクのほか、当該地域のマーケットと事業戦略とのずれ等のリスクが存在し、それらによる損失の発生により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクへの対策として、現地子会社及び事業部と定期的に情報を共有し、当該地域のマーケットの状況把握に努めております。又、経営企画部門に多国籍に対応できる人材を配し、海外市場のタイムリーで的確な把握に基づいた事業戦略の構築を図っております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 経営成績の状況

 当社グループは、「世の中のあらゆる関係性を良好にする」というミッションを軸に、日本・中国・シンガポールに拠点を有するコミュニケーション分野に専門性を持ったグループ会社と連携し、PR発想でのコミュニケーションコンサルティングサービスを包括的に提供しております。

 

 当連結会計年度(2022年9月1日~2023年8月31日)における日本経済は、入国制限措置の緩和後の訪日外国人の増加によって、インバウンド需要が顕著な回復傾向にあり、さらには、新型コロナウイルスが5類感染症に移行され、経済活動の正常化に向けた動きが進展しました。

 

 また、中国において、ゼロコロナ政策の転換が図られ、厳しい行動制限が解除されるなど、当社グループが拠点を有する地域では、国境を越えた人の移動や企業投資が活発化しております。

 

 このような状況のもと、当社グループは、この数年間注力してきたリアルとデジタルの両面でクライアントのコミュニケーション活動を支援するためのサービス提供に努めました。

 

これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,635百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は730百万円(前年同期比66.0%増)、経常利益は747百万円(前年同期比69.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は436百万円(前年同期比177.7%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度における流動資産の残高は、5,720百万円と前連結会計年度に比べ720百万円の増加となりました。これは、現金及び預金615百万円が増加したことが主な要因であります。

 

(固定資産)

当連結会計年度における固定資産の残高は、1,131百万円と前連結会計年度に比べ274百万円の減少となりました。これは、差入保証金235百万円が減少したことが主な要因であります。

 

(流動負債)

当連結会計年度における流動負債の残高は、1,453百万円と前連結会計年度に比べ105百万円の増加となりました。これは、支払手形及び買掛金80百万円が減少したものの、未払法人税等79百万円、流動負債その他に含まれる未払消費税等50百万円、未払金25百万円が増加したことが主な要因であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度における固定負債の残高は、100百万円と前連結会計年度に比べ40百万円の減少となりました。これは、固定負債その他に含まれる長期未払金34百万円が減少したことが主な要因であります。

 

(純資産)

当連結会計年度における純資産の残高は、5,298百万円と前連結会計年度に比べ380百万円の増加となりました。これは、利益剰余金262百万円、非支配株主持分51百万円が増加したことが主な要因であります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ635百万円増加し、4,130百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、789百万円(前年同期は得られた資金398百万円)となりました。これは主に、仕入債務の減少額80百万円が生じたものの、税金等調整前当期純利益747百万円、減価償却費107百万円、のれん償却額78百万円が生じたことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、36百万円(前年同期は得られた資金117百万円)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出100百万円、無形固定資産の取得による支出66百万円、有形固定資産の取得による支出46百万円が生じたものの、敷金及び保証金の回収による収入237百万円が生じたことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用された資金は、195百万円(前年同期は得られた資金165百万円)となりました。これは、配当金の支払額172百万円が生じたことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が営んでいる事業に「生産、受注」に該当する事項はありません。当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

至 2023年8月31日

前年同期比(%)

コミュニケーションサービス事業(百万円)

5,720

106.1

デジタルソリューション事業(百万円)

915

103.8

合計(百万円)

6,635

105.8

 

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

② 経営成績の分析

当連結会計年度(2022年9月1日~2023年8月31日)における日本経済は、入国制限措置の緩和後の訪日外国人の増加によって、インバウンド需要が顕著な回復傾向にあり、さらには、新型コロナウイルスが5類感染症に移行され、経済活動の正常化に向けた動きが進展しました。

 

 また、中国において、ゼロコロナ政策の転換が図られ、厳しい行動制限が解除されるなど、当社グループが拠点を有する地域では、国境を越えた人の移動や企業投資が活発化しております。

 

 このような状況のもと、当社グループは、この数年間注力してきたリアルとデジタルの両面でクライアントのコミュニケーション活動を支援するためのサービス提供に努めました。

 

これらの結果、当連結会計年度の売上高は6,635百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益は730百万円(前年同期比66.0%増)、経常利益は747百万円(前年同期比69.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は436百万円(前年同期比177.7%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績などの概要は、以下のとおりです。

 

①コミュニケーションサービス事業

当社単体を含むコミュニケーションサービス事業では、コミュニケーション戦略策定などのコンサルテーション、メディアやインフルエンサーとの関係性を構築するリレーション活動や、情報をメディアを通じてステークホルダーへ伝えるパブリシティ活動を含めた情報流通のデザインなど、コミュニケーション活動において包括的なサービス提供を行っております。

 

国内では、クライアントのニーズが高まっているサステナビリティ関連のコミュニケーションコンサルティングや、豊富な経験と実績を有するヘルスケア・IT関連の案件などにおいて、収益性の高い案件を中心に受注獲得を図りました。また、前期に実施した本社移転に伴うオフィス関連費用の削減効果もセグメント利益の増加に貢献しました。

 

海外では、中国事業において、営業体制強化によって現地日系企業の案件獲得などで業績を拡大し、東南アジアにおいて、訪日観光客向けプロモーションや日系企業の東南アジアでのマーケティング支援といったインバウンド・アウトバウンド案件の受注が増加しました。

 

これらの結果、コミュニケーションサービス事業の売上高は5,731百万円(前年同四半期比6.1%増)、セグメント利益は737百万円(前年同四半期比73.7%増)となりました。

また、当社単体としては、個別受注業務による売上高1,606百万円、その他の業務による売上高は1,949百万円となりました。

 

②デジタルソリューション事業

デジタルソリューション事業では、広報PRのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するクラウドツールの提供、デジタル広告やソーシャルメディアの運用、動画・バナー・WEBサイト等のクリエイティブ制作といったサービスを提供しております。

 

プラップノードが提供する広報PR業務のSaaS型クラウドサービス「PRオートメーション」は、広報PRのDX推進に向けて、クライアントのニーズに対応した機能追加・改善を継続的に実施しながら堅調に導入クライアント数を増やしており、中長期的なクライアント増加に向けて人材採用などの先行投資を実施しました。

 

また、プレシジョンマーケティングは、継続してクライアントのニーズが高いデジタル広告やSNS運用といったデジタルマーケティング関連サービスの受注が拡大しました。

 

これらの結果、デジタルソリューション事業の売上高は1,139百万円(前年同四半期比7.4%増)、セグメント利益は70百万円(前年同四半期比20.6%減)となりました。

 

当連結会計年度における主な勘定科目等の増減の状況は次の通りです。

(売上高)

当連結会計年度において売上高は6,635百万円となりました。これはコミュニケーションサービス事業が底堅く推移したことに加え、デジタルソリューション事業が伸長したことによるものです。

 

(営業利益)

営業利益は、730百万円と前連結会計年度に比べ290百万円(66.0%)の増益となりました。これは、販売費及び一般管理費が104百万円(5.8%)増加したものの、売上総利益が前連結会計年度より394百万円17.7%)の増益となったことによるものです。

 

(経常利益)

経常利益は、747百万円と前連結会計年度に比べ306百万円(69.3%)の増益となりました。これは、前連結会計年度に比べ自己株処分費用8百万円、為替差損9百万円が減少したものの、営業利益が290百万円(66.0%)の増益となったことによるものです。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益) 

親会社株主に帰属する当期純利益は、436百万円と前連結会計年度に比べ279百万円(177.7%)の増益となりました。これは、事務所移転費用127百万円が減少したものの、法人税、住民税及び事業税127百万円、法人税等調整額8百万円の増加に加え、経常利益が306百万円(69.3%)の増益となったことによるものです。

 

③資本の財源及び資金の流動性について

当社グループにおける資金需要の主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによる資金調達となります。

内部留保金の使途につきましては、更なる成長に向け、長期的な視点に立ったサービス開発への投資、事業拡大のための買収資金確保、IT/デジタルへの投資等の資金需要に活用していく方針としております。

 

④キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記の通りであります。

回次

第49期

第50期

第51期

第52期

第53期

 決算年月

2019年8月

2020年8月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

 自己資本比率(%)

79.7

82.0

71.4

         73.2

         73.3

 時価ベースの自己資本比率(%)

110.2

104.2

89.0

70.6

68.4

 債務償還年数(年)

0.0

0.1

0.1

0.1

 インタレスト・カバレッジ
 ・レシオ(倍)

1,025.3

313.5

1,285.7

1,258.4

 

 

各指標の算出式は次の通りであります。

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。又、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

⑤経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な企業価値の向上を実現するために、成長性、安全性、収益性に関する各指標の改善に努めております。成長性では売上高、営業利益、EBITDAの持続的拡大、安全性では高水準の自己資本比率の維持、収益性では自己資本利益率の向上を目指して、事業展開を実施しております。

当連結会計年度の経営上の目標達成状況については、当社グループが強みを有するヘルスケア、IT、危機管理広報コンサルティング等の受注拡大およびコロナ禍においてニーズが増加したデジタルサービスの受注拡大により、売上、営業利益ともに前期比で増加しました。

安全性と収益性に関して、自己資本比率は73.3%と高水準を維持し、自己資本利益率は前年同期比で改善しました。

当社グループの強みは、総合力と専門性、豊富な経験とナレッジによるコミュニケーションコンサルティングサービスです。この強みをさらに最大化させるべく、中長期における戦略として、「コア事業の拡充」「新規事業の推進・開発」「人材強化」「経営力の強化」に取り組んでおります。コア事業においては、長年にわたり、様々な業種/分野のコミュニケーション領域における課題解決を支援してきた経験をもとにそれぞれの業種/分野に即した専門性の高いサービスの提供を実施していきます。

新規事業においては、「デジタル領域の拡大・強化」「海外事業の展開」に取り組んでおります。「デジタル領域の拡大・強化」として、広報・PR業務のSaaS型クラウドサービス「PRオートメーション」を提供しているプラップノードを中心に、デジタル領域のソリューション拡大/新サービスの提供を実施していく考えです。又、コミュニケーションコンサルティング・グループへの進化に向けて、プレシジョンマーケティング、WILD ADVERTISING & MARKETINGを中心に、デジタルマーケティング領域へ事業の幅を拡大していきます。

「海外事業の展開」としては、中国・東南アジア地域でのビジネスを推進しており、提供サービスの拡大、新規拠点開発に取り組んでいきます。

これらの施策を支える「人材強化」「経営力強化」として、専門性を有する優秀人材の確保・成長のための教育機会の創出に加え、生産性向上のためのITツールの活用、多様な働き方に対応する制度導入などを積極的に実施していく考えです。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

業務提携契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約書名

契約内容

契約期間

㈱プラップジャパン

オグルヴィ・パブリック・リレーションズ・ワールドワイド

米国

Principles of
Partnership

WPP Group plc.のPR部門であるオグルヴィ・パブリック・リレーションズ・ワールドワイドからPR先進国である米国のPR情報及びノウハウの提供を受けるとともに、同社が担当しているクライアントを当社に紹介するというものであります。

2005年3月16日~2006年3月15日以降1年毎自動更新

 

(注)オグルヴィ・パブリック・リレーションズ・ワールドワイドとのPrinciples of Partnership は、2002年1月22日に締結されたものが改定されたものです。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。