第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、みずみずしい感性で新しい価値を創造し、顧客・社員・社会との共生を図り、永続的な発展を続けていくことを経営の基本方針としており、「みなさまのサプリメントになる」(お客様や株主様を始めとするステークホルダーのみなさまが当社グループとかかわりを持つことで、より良い状態になること)をコンセプトに、グループ各社の経営努力とM&Aの活用により、企業価値のさらなる向上を図ってまいります。

 

(2)経営環境及び経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 移動体通信事業

 移動体通信事業においては、通信キャリア各社の料金値下げによる市場の活性化、流動化、オンライン限定プランの更なる普及等、携帯電話の販売市場において、環境の変化が継続することが予想されます。その一方、デジタル化の進展による情報格差の拡がり、「5G(第5世代移動通信システム)」対応の携帯電話端末の普及や関連サービスの高度化に伴い、リアルのお客様との接点を持つことの価値、対面販売の価値は増していくものと見込んでおります。

 このような認識を踏まえ、当社は、エリアを限定した集中的な店舗展開と、au・UQの両ブランドを取り扱っているという強みを生かして、多様なお客様のニーズにお応えすることにより、質と量の両面で、更なる発展を目指してまいります。また、店舗の魅力を更に高める施策として、引き続き店舗の改装や、集客力のある好立地への店舗移転、オペレーションの見直し等を進めてまいります。

 さらに、企業として変化の速い経営環境に即応し続けていくためには、社員一人一人が向上心を持って継続的に成長してゆくことも非常に重要と考えております。当社は、「会社と個人の人材育成力を高める」との方針のもと、営業スタッフを中心とした研修制度のさらなる充実を図ります。これにより、従来以上に人材の育成に注力し、より自発的かつ持続的な社員と会社の発展向上を目指してまいります。

② 人材派遣事業

 人材派遣事業においては、新型コロナウイルス感染症に端を発した求人需要冷え込みの長期化、社会保険料の上昇による負担増等、厳しい経営環境が継続することが予想されます。

 このような経営環境に対応するため、体制の見直しにより営業活動の強化を図り、一般派遣においては取引先数の拡大及び既存のお客様のシェア拡大、技術者派遣及び業務請負においては既存のお客様のシェア拡大、有料職業紹介においては取扱件数の拡大を行ってまいります。

 また、事業の現状に即し、事業目的の明確化をより図るとともに、今後の事業展開、事業内容の多様化に取り組み、収益性を継続的に高めてまいります。

③ ビルメンテナンス事業

 ビルメンテナンス事業においては、新型コロナウイルス感染症まん延の長期化により、新しい生活様式が定着し、テレワークの推進によって労働環境が変化する中にはあるものの、オフィスビルをはじめとする施設への新規需要は継続しております。しかしながら、高いニーズの一方で、それにかかるコストの削減意識は依然として強く、単価の下落や同業他社との価格競争は、引き続き厳しい状況で推移するものと予想されます。また、長年続いている人材不足への対応、とりわけ若年層、マネジメント層の確保・育成が業界としての課題となっております。

 このような経営環境に対応するため、大手取引先との取引実績による信用力を活かした新規顧客の開拓に注力するとともに、取引価格の見直し、業務工数の最適化、全体的なコスト削減を行い利益率の向上を図ってまいります。また、多様化・高度化するお客様のニーズに対応した高品質なサービスを提供していくため、従業員に対するコンプライアンス、業務品質向上のための教育や研修を推進し、さらなる収益の拡大を図ってまいります。

 

④ 店舗転貸借事業

 店舗転貸借事業においては、外食業界が新型コロナウイルス感染症前の経営環境に戻るまでには相当な時間がかかる可能性があります。原材料費の高騰により、好立地でありながら固定費を抑制できる小規模な居抜き物件への需要の高まりが顕著になっており、こうした市場性の高い店舗物件の仕入れに注力する方針であります。また、テナント募集が増加し、平常時より優良店舗物件の仕入機会が拡大する可能性があり、幅広く情報収集を行いつつ積極的に対応してまいります。

⑤ 不動産売買事業

 不動産売買事業においては、店舗転貸借事業との連携を強化し、情報収集と顧客開拓を進め、物件売買の機会を的確に捉えることで、引き続き不動産業者とのリレーションシップ強化を行ってまいります。

⑥ 卸事業

 卸事業においては、文具・生活用品等の企画・販売では、文具・オフィス家具市場は飽和状態にあることに加え、世界的な物流逼迫、傭船相場の高騰、原材料・エネルギー価格の高騰、恒常的な円安などにより、収益の回復が遅れることが予想されます。

 このような環境下、新商品の上市スピードを上げるとともに、高付加価値品へのシフト、安価な生産委託先の開拓を推し進め、よりよい商品、サービスをお客様へ提供し続けることができるよう努めてまいります。

 自然派化粧品の企画・販売では、百貨店等の販売店舗への来店客数の回復は依然として緩やかではありますが、一方で、社会全体におけるSDGs、サスティナブルな消費スタイルへの関心が高まっていることから、これに合わせた新規販路の開拓や商品開発の基礎の構築を図ってまいります。

⑦ 海外事業

 海外事業においては、東南アジア圏での経済活動は徐々に回復しつつあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による出入国制限は続いており、事業内容の一つである労働ビザ申請に係る件数の見通しについては、不透明な状態が続くものと予想されます。出入国関係の正常化は、各国の経済正常化と比較して時間がかかり、影響が長期化する可能性があるため、出入国手続きが不要である現地国内での給与計算、税金・社会保険計算等の受託業務の強化に加え、出入国関係の情報の積極的な配信によりサービスの質の向上に努めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、既存企業の永続的な構造改革によるグループ各社の業績向上とM&Aやアライアンスによる新規事業取得により、当社グループの収益力向上と業容拡大を図ってまいります。目標とする指標に関しては、連結ベースでの売上高経常利益率とし、当面の数値目標を6.0%としております。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

① 当社グループについて

(イ)日本国内の景気動向及び市場環境について

 当社グループの売上は概ね日本国内向けであり、日本国内の景気動向により、また、国内人口の減少等により市場は飽和状態にとなっており、同業他社との顧客獲得競争の激化から当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(ロ)災害について

 地震・台風等の自然災害が発生した場合は、当社グループの販売、営業、物流拠点に甚大な被害を被ることにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(ハ)個人情報について

 個人情報の漏洩や不正利用などの事態が生じた場合には、社会的信用の失墜及び損害賠償責任等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(ニ)人材採用及び育成について

 当社グループが安定的に成長していくためには、優秀な人材の確保が必要となります。また労働環境の変化に対応できる人材の育成にも取り組んでおります。しかしながら、人材の定着率悪化や新規採用の不調による、人材不足により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(ホ)M&Aへの取り組み方針について

 当社グループは、移動体通信事業を安定基盤として、新規事業分野へのM&A、事業提携に積極的に取り組むことにより、グループの業容拡大を目指す戦略を推し進めております。事前にリスクを回避するように努めておりますが、その後の市場環境の変化や不測の事態等により期待する成果を達成できない可能性があり、そのような事態になった場合には、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(ヘ)のれんの減損について

 当社グループは、M&Aに伴い発生した相当額ののれんを計上しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、事業環境の変化等によりのれんの評価額が帳簿価額より下落した場合に、当該のれんについて減損損失を計上するため、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

(ト)訴訟リスクについて

 当社グループの事業活動に関連して、将来、取引先からのクレーム、労働問題、製造物責任等で訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

② 移動体通信事業について

(イ)店舗展開について

 移動体通信事業の店舗は、「auショップ/au Style」及び「UQスポット」であり、その新規出店は原則的にKDDI株式会社及びUQコミュニケーションズ株式会社(以下、「KDDIグループ」という。)の戦略に基づいて決定しております。そのため、新規出店の開設場所、規模及び運営形態等については、KDDIグループとの協議の上決定されることとなり、KDDIグループの経営方針によっては、業績に影響が生じる可能性があります。

(ロ)特定取引先への依存について

 移動体通信事業は、KDDIグループと代理店契約を締結しており、当社グループの主要な事業活動の前提となる事項となっております。当該契約は、当社が各条項に著しく違背した場合や円滑な履行が困難となった場合には、KDDIグループが契約を解除できることとなっております。また、当該契約は1年毎の自動更新になっておりますが、契約上はKDDIグループ及び当社の双方とも有効期間内であっても3ヶ月前(UQコミュニケーションズ株式会社は1ヶ月前)に通知することにより契約を解約できることとなっているため、KDDIグループの経営方針等が大きく変更された場合には、契約を解約されるリスクがあります。本報告書提出日現在、当該契約の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該契約の継続に支障を来す要因が発生した場合には、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、当該契約の内容については、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。

 移動体通信事業は、販売する携帯端末をKDDIグループから仕入れており、主な売上高が携帯端末の販売及びKDDIグループから支払われる手数料であることから、KDDIグループへの仕入及び販売依存度がいずれも高くなっております。

 したがいまして、仕入及び販売について、KDDIグループの事業戦略や他移動体通信事業者に対する競争力によっては、業績に影響が生じる可能性があります。

 

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

仕入金額

依存率

販売金額

依存率

仕入金額

依存率

販売金額

依存率

KDDIグループ

9,986

100.0%

13,615

92.4%

12,526

100.0%

17,272

94.4%

(注) 販売金額のうちKDDIグループ以外への販売先のほとんどは一般顧客であります。

(ハ)受取手数料に依存した収益構造について

 移動体通信事業は、KDDIグループが提供する携帯端末の販売や移動体通信サービスの加入契約の取次等を行うことにより、KDDIグループから手数料を収受しております。

(ⅰ)販売手数料 :携帯端末の新規販売並びに機種変更に係るKDDIグループからの受取手数料

(ⅱ)作業系手数料:故障対応等に係るKDDIグループからの受取手数料

(ⅲ)回線系手数料:保有顧客による回線の通話料等に応じたKDDIグループからの受取手数料

 受取手数料の金額、支払対象期間、支払対象サービス、通話料金に対する割合等の条件は、KDDIグループの事業方針等により決定または変更されることから、現在の取引条件から大幅な変更等が生じた場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

 また、顧客が当社の運営する「auショップ/au Style」において移動体通信サービスへの加入契約をした後、一定の期間内に当該契約の解約等を行った場合には、当該加入契約に係る手数料の一部が、KDDIグループから支払われない可能性があります。これにより、一定期間内の解約が予想以上に増加した場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

(ニ)法的規制について

 移動体通信事業者の代理店業務については、「電気通信事業法」、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)、「古物営業法」、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」(総務省告示第695号)及び社団法人電気通信事業者協会が定める「代理店の営業活動に対する倫理要綱」等により規制されており、当社では当該法令等を遵守し販売活動を行っております。しかしながら、当社の営業活動において、上記法令等に違反した場合には、信頼性の失墜、損害賠償請求、代理店契約の解約等の可能性があり、業績に影響が生じる可能性があります。

 なお、当事業においては、古物営業法に基づく古物営業の許可を取得しております。事業主が欠格事由に該当したり法令に違反した場合は、事業の停止を命じられる可能性があり、そのような事態になった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

③ 人材派遣事業について

(イ)法的規制について

 人材派遣事業では、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)に基づく一般労働者派遣事業及び職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可を取得しております。事業主が欠格事由に該当したり法令に違反した場合は、事業の停止を命じられる可能性があり、そのような事態になった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

(ロ)派遣登録者の確保について

 派遣登録者の確保は就職情報誌、ホームページ等の活用により求人活動を行う他、既登録者からの紹介も推奨しております。また、派遣登録者の能力については各派遣登録者のレベルに合わせた様々な研修及び制度でスキルアップに努めております。しかしながら、派遣登録者の確保が計画通り進まなかった場合や適格な派遣登録者がいない場合は、派遣機会を逃すことになり、業績に影響が生じる可能性があります。

(ハ)社会保険について

 社会保険に加入する必要のある派遣労働者については、派遣元事業者が保険に加入させる義務があります。そのため、社会保険料の料率が改定された場合には人材派遣事業に負担が発生する可能性があり、業績に影響が生じる可能性があります。

④ ビルメンテナンス事業について

(イ)特定取引先への依存について

 ビルメンテナンス事業を行ういすゞビルメンテナンス株式会社は、2003年1月にいすゞエステート株式会社よりビルメンテナンス事業を新設分割して設立し、現在もいすゞ自動車株式会社からの出資を受けております。主な取引先はいすゞ自動車株式会社であり、同社に対する販売依存度は2022年3月期において34.3%となっております。特定取引先への依存度が高いため、特定取引先の方針変更等によっては、業績に影響が生じる可能性があります。

 

(ロ)法的規制について

 ビルメンテナンス事業の主な業務内容は、商業施設やオフィスビル等の清掃、設備管理及び施設警備等であり、消防法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律、警備業法、建築基準法、電気事業法、環境基本法等、法的規制に基づく各種許可、登録ならびに認可等を受けております。

 今後、これらの法的規制の要件を満たすことができなかった場合には、事業活動に制約を受けるため、業績に影響が生じる可能性があります。

(ハ)管理委託費(価格)の低下について

 管理委託費の低下傾向は依然として継続しており、コスト削減要請に伴う管理仕様の見直しや契約更新時の値下げ要請による価格水準低下により、業績に影響が生じる可能性があります。

⑤ 店舗転貸借事業について

(イ)与信管理について

 店舗の開店希望者に対しては、面談を通じて事業計画や資金計画等の把握を行っており、管理物件については預り保証金を受領しております。

 不動産所有者に対しては、賃借契約に際して差入保証金を預託するため、審査及び与信管理を徹底しております。しかしながら、不動産所有者の倒産等が発生した場合は、差入保証金等の回収ができないリスクがあり、業績に影響が生じる可能性があります。

(ロ)法的規制について

 店舗転貸借事業では、店舗造作物売買における「古物営業法」、不動産取引における「宅地建物取引業法」及び「建築基準法」等の法的規制を受けております。

 今後、これらの法令等の改正や新たな法令等の制定により規制が強化された場合、業績に影響が生じる可能性があります。

(ハ)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について

 店舗転貸借事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大やパンデミックの発生に伴い、新規出店意欲の低下や転貸借契約の解約増加等により、売上高の減少や後継となる入居者が見つからず空き家が増加する可能性があります。また、テナントからの家賃減額要請や賃料収入が滞納又は回収不能となる可能性があります。株式会社テンポイノベーションでは、後継となるテナント入居者への営業や早期賃料回収及び家主等との賃料交渉等によりテナントからの賃料収入の滞納リスク等を事前に防止するよう努力しておりますが、長期にわたり新型コロナウイルス感染症による影響が継続した場合、業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

⑥ 不動産売買事業について

(イ)販売用不動産の在庫について

 不動産売買事業では、販売用不動産及び仕掛販売用不動産を保有しております。これらの不動産については、販売計画に基づいて適切な不動産管理を行っておりますが、当初の販売計画から大幅な乖離が発生する可能性があります。また、不動産は市場動向によっては滞留又は販売価格の見直しが発生する可能性があり、販売計画や不動産の市場価格に基づいて見直しが発生する可能性があります。この場合、不動産の評価損の計上等により、業績に影響が生じる可能性があります。

⑦ 卸事業について

(イ)海外経済の大きな変動について

 卸事業では、中国等を中心とした海外からの仕入を行っており、各地域の政治、経済、社会情勢の変化及び各種規制の動向等により、仕入が予定通りに出来ないリスクがあります。また、為替相場の大幅な変動があった場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

(ロ)在庫リスクについて

 卸事業では、適切な在庫管理と販売予測により、品切れによる販売機会ロス削減と過剰在庫の防止を行っておりますが、販売予測を誤った場合は在庫不足または過剰在庫となり、業績に影響が生じる可能性があります。なお、当該リスクに対し、親会社である株式会社クロップスにおいて内部監査の充実等、子会社管理体制の強化を図っております。

(ハ)知的財産権について

 商品の企画にあたっては、他社メーカーの特許権、商標権、意匠権等の侵害について細心の注意を払っておりますが、これらの権利を侵害したとして裁判等の紛争に至った場合には、多額の費用負担が発生し、業績に影響が生じる可能性があります。

(ニ)製造物責任について

 卸事業が提供する商品において欠陥が生じるリスクがあり、製造物責任による賠償やリコール等が発生した場合は、顧客の信頼喪失を招くとともに、多額の費用負担が発生し、業績に影響が生じる可能性があります。

⑧ 海外事業について

(イ)海外事業展開リスクについて

 海外事業では、アジア地域を中心とした11ケ国に海外展開しており、予期しない法規制の改正、政情不安等により業績に影響が生じる可能性があります。

(ロ)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について

 海外事業では、国を超えた人材の流動性を前提としているため、新型コロナウイルス感染症の拡大やパンデミックの発生に伴い、労働者の移動制限が長期に及ぶ場合には、業績に影響が生じる可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、経済活動の停滞が続きました。今後、新型コロナウイルス感染症の新しい変異株への警戒感や、原油をはじめとした原材料・エネルギーの価格の上昇、為替動向のリスク、サプライチェーンの混乱、ロシア連邦のウクライナ国への軍事侵攻をはじめとした不安定な世界情勢等により、今後も国内外問わず不透明な経済状況が続くことが予想されます。

 このような経済環境の中、移動体通信事業につきましては、オンラインに特化した新ブランドの市場への浸透や、格安ブランドの台頭、国から通信事業者に対する公正な競争環境の確保に向けた取組みの要請など、事業環境の変化が依然続いております。こうした中、通信事業者は、携帯電話の販売だけでなく、ポイントサービスやコンテンツの充実、スマートフォンを利用した決済サービスを通じて、ARPU(1契約あたり収入)の向上や、長期的な顧客基盤の維持・拡大に引き続き注力しております。

 人材派遣事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響下、人員過剰となっている業種・分野から人員不足となっている業種・分野へのシフトによる、労働市場のミスマッチの解消に対する取り組みが、業界に対して求められております。

 ビルメンテナンス事業につきましては、オフィスビルや医療機関、マンションなどの施設において継続的なメンテナンスサービスが求められており、また、新型コロナウイルス感染症予防のための追加的な清掃・消毒といった公衆衛生関連業務の需要が高い状態が続きました。

 店舗転貸借事業および不動産売買事業につきましては、主要顧客である外食業界においては、度重なる休業・営業時間短縮及び酒類提供時間の短縮要請により、売上高、来客数が大幅に減少し、特に飲酒業態においては極めて厳しい状況が継続しました。また不動産市況については、事業展開している東京主要地域の商業不動産賃料は近年高止まりの状況が継続していたものの、新型コロナウイルス感染症の影響拡大により、インバウンド売上比率が高い地域や飲食・アミューズメント施設が強い地域では、テナント募集が大幅増となりました。特に、固定費が膨らむ大型の店舗物件や、駅外周部及び空中階に所在する店舗物件等については、出店需要の弱さが継続しており、家賃の下方圧力が強まる状況となりました。

 卸事業につきましては、文具・生活用品等の企画・販売では、在宅勤務の推奨によって生み出された文具や家具類への需要が一巡した一方、密集を避けるためにアウトドアレジャーへの人気が高まったことから、関連商品への需要が堅調に推移しました。一方で、原材料・エネルギー価格の上昇や、円安の進行と長期化など、先行き不透明な状況も続いております。自然派化粧品の企画・販売では、環境を重視したライフスタイルを意識した消費者の増加、サスティナビリティやSDGsへの社会的な関心の高まり等により、国内の自然派・オーガニック化粧品市場は拡大を維持しております。一方で、新型コロナウイルス感染症により、百貨店への来店客数の回復の程度が緩やかであることも相まって、今後、商品開発や販売方法について、他社との差別化が求められております。

 海外事業につきましては、国を越えた人材の流動性を前提としているため、新型コロナウイルス感染症による労働者の移動制限が業績に与える影響は大きく、また出入国関係の正常化は、各国の経済正常化と比較して時間を要するため、影響が長期化する可能性があります。

 このような事業環境の下、当連結会計年度の連結業績は、売上高45,318百万円(前年同期比10.4%増)となりました。損益面におきましては営業利益2,508百万円(前年同期比21.7%増)、経常利益2,672百万円(前年同期比16.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,477百万円(前年同期比73.2%増)となりました。

 セグメント別の概況は、次の通りであります。

ⅰ 移動体通信事業

 移動体通信事業においては、お客様・販売スタッフともに安心できる店舗運営に努め、終了する「3G」サービスから「4G・5G」サービスへの移行促進に注力した結果、増収となりました。

 損益面においては、売上の牽引や、利益率の高い商材の販売を強化したことにより、増益となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は18,300百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益は886百万円(前年同期比13.7%増)となりました。

 

ⅱ 人材派遣事業

 人材派遣事業においては、空港施設等の運輸業や製造業、百貨店等の小売業を中心に、新型コロナウイルス感染症の影響によるクライアント企業からの需要の減少傾向が続いており、減収・減益となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は2,190百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は3百万円(前年同期比75.4%減)となりました。

ⅲ ビルメンテナンス事業

 ビルメンテナンス事業においては、設備関連のスポット案件の受注等により増収となりました。

 損益面においては、販売費及び一般管理費の増加により、減益となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は5,956百万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は339百万円(前年同期

比12.6%減)となりました。

ⅳ 店舗転貸借事業

 店舗転貸借事業においては、当連結会計年度における新規契約件数及び後継付け件数(閉店した店舗に対し新規出店者と転貸借契約を締結したもの)の転貸借契約件数の合計は407件(前年同期比29.6%増)となりました。また、当連結会計年度末における転貸借物件数は前連結会計年度末より245件増加し、合計1,951件となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は10,445百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は723百万円(前年同期

比46.1%増)となりました。

ⅴ 不動産売買事業

 不動産売買事業においては、店舗転貸借事業を更に推進する為に、不動産業者とのリレーションシップ強化を目的として、店舗不動産の仕入販売や建築販売を行っております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により市場が不活発化する中、様子見傾向が残るなかで5物件を売却、6物件を取得し、当連結会計年度末における保有物件数は3件となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は970百万円(前年同期比25.3%増)、営業利益は186百万円(前年同期比21.3%減)となりました。

ⅵ 卸事業

 卸事業においては、主に文具・生活用品等の企画・販売について、アウトドア商品が好調に推移したものの、文具・オフィス系商品の売上の減少により、減収となりました。

 損益面においては、主に文具・生活用品等の企画・販売での利益を重視した販売方針への転換など、収益体質の強化及び財務体質の改善による販売費及び一般管理費の減少により、増益となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は7,194百万円(前年同期比5.4%減)、営業利益は292百万円(前年同期比28.1%増)となりました。

ⅶ 海外事業

 海外事業においては、東南アジアにおける現地での従業員の採用件数が増加し、増収となりました。

 損益面においては、人件費等の販売費及び一般管理費の減少により、増益となりました。

 この結果、当該セグメントの売上高は347百万円(前年同期比16.3%増)、営業利益は68百万円(前年同期は営業損失89百万円)となりました。

 

a.財政状態の分析

ⅰ 流動資産

 流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.7%増加し、15,476百万円となりました。これは、主として現金及び預金の増加(657百万円)等によるものであります。

   ⅱ 固定資産

 固定資産は、前連結会計年度末に比べて12.4%増加し、12,025百万円となりました。これは、主として差入保証金の増加(789百万円)等があったことによるものであります。

   ⅲ 流動負債

 流動負債は、前連結会計年度末に比べて9.0%増加し、8,556百万円となりました。これは、主として買掛金の増加(491百万円)等があったことによるものであります。

ⅳ 固定負債

 固定負債は、前連結会計年度末に比べて8.4%増加し、7,555百万円となりました。これは、主として長期預り保証金の増加(826百万円)等があったことによるものであります。

ⅴ 純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べて15.4%増加し、11,390百万円となりました。これは、主として利益剰余金の増加(1,323百万円)等があったことによるものであります。

 

 b.経営成績の分析

ⅰ 売上高

 主に移動体通信事業や店舗転貸借事業の増収により、売上高は前連結会計年度に比べて10.4%増加し、45,318百万円となりました。

   ⅱ 営業利益

 主に移動体通信事業における手数料収入の増加や店舗転貸借事業の物件数の増加等により、営業利益は前連結会計年度に比べ21.7%増加し、2,508百万円となりました。

ⅲ 経常利益

 売上高及び営業利益の増加等により、経常利益は前連結会計年度に比べて16.4%増加し、2,672百万円となりました。

ⅳ 売上高経常利益率

 売上高の増収による営業利益率の改善等により経常利益率は前連結会計年度に比べて0.3%増加し、5.9%となりました。

ⅴ 親会社株主に帰属する当期純利益

 前連結会計年度は特別損失としてのれん償却額380百万円を計上していたため、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて73.2%増加し、1,477百万円となりました。

 最近5年間における売上高経常利益率の推移は、以下のとおりであります。

 

決算年月

2018年

3月期

2019年

3月期

2020年

3月期

2021年

3月期

2022年

3月期

経常利益(百万円)

1,094

1,316

2,114

2,296

2,672

売上高経常利益率(%)

2.9

3.2

4.9

5.6

5.9

 

 c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ687百万円増加し、7,285百万円となりました。キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は2,228百万円(前年同期は1,918百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益(2,624百万円)、預り保証金の増加額(826百万円)、法人税等の支払額(745百万円)等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は725百万円(前年同期は112百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出(468百万円)や事業譲受による支出(175百万円)等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は871百万円(前年同期は1,237百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出(308百万円)、配当金の支払額(153百万円)、子会社の自己株式の取得による支出(135百万円)等があったことによるものであります。

 

②資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループは主に営業活動によって得られた資金により、また必要に応じて経済動向、金融市況を踏まえた調達

手段によって得られた資金により、新規出店及び既存店舗の改装に係る設備投資等を行っております。

 なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の通りであります。

 また、過去3年のフリーキャッシュ・フローの推移については以下の通りであります。

(単位:百万円)

回次

決算年月

第43期

2020年3月

第44期

2021年3月

第45期

2022年3月

営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー

3,094

△413

△338

1,918

△112

△1,237

2,228

△725

△871

現金及び現金同等物の期末残高

6,044

6,598

7,285

フリーキャッシュ・フロー

前年増減額

2,680

3,149

1,806

△874

1,502

△303

(注) フリーキャッシュ・フローは、以下の計算式によっております。

フリーキャッシュ・フロー = 営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 a.資金需要の主な内容と配分

  当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、派遣人件費、販売費及び一般管理費等の営

 業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、

 株主還元につきましては、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。

 b.資金調達

  当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び金融機関からの借入に

 よる外部資金を有効に活用しております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加え

 て強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調

 達に関しては問題なく実施可能と認識しております。

 

③仕入及び販売の実績

ⅰ仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメント

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

移動体通信事業

12,526

25.4

ビルメンテナンス事業

129

△5.6

不動産売買事業

503

47.0

卸事業

5,890

△17.0

合計

19,049

8.5

(注) セグメント間の取引については相殺消去しておりません。

 

ⅱ販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメント

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

移動体通信事業

携帯端末等販売

16,478

25.9

作業系手数料

298

60.8

回線系手数料

1,426

8.8

その他

97

△32.5

小計

18,300

24.3

人材派遣事業

人材派遣

1,497

△13.7

業務請負

543

8.1

その他

149

90.1

小計

2,190

△5.4

ビルメンテナンス

事業

清掃

2,341

1.2

設備・警備

1,813

△1.1

その他

1,801

4.4

小計

5,956

1.4

店舗転貸借事業

店舗転貸借

10,445

9.2

不動産売買事業

不動産売買

970

25.3

卸事業

小売業

2,990

36.8

通販業

3,901

△11.7

卸売業

302

△69.9

小計

7,194

△5.4

海外事業

労務管理受託

347

16.3

報告セグメント計

45,404

10.3

その他

△85

△28.6

合計

45,318

10.4

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しておりません。1

2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

KDDI株式会社

14,157

34.4

17,819

39.3

 

 

④重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 (卸事業における滞留在庫の評価)

  株式会社ハピラは2022年3月期において商品898百万円を保有しております。商品の評価については、収益性の

 低下に基づく簿価切下げの方法によっており、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を正味売却価

 額まで減額し、当該減少額を評価損として計上しております。また、正常営業循環過程から外れた滞留在庫につい

 ては、収益性の低下の事実を反映するために、処分見込価額まで帳簿価額を切下げております。

  同社では、適切な在庫管理と販売予測により、品切れによる販売機会ロス削減と過剰在庫の防止に努めておりま

 すが、卸事業では同業他社との価格競争及び市場ニーズの変化が激しいことから、販売予測を誤った場合や市場環

 境の変化により、過剰在庫が発生する可能性があります。そのため、過去の販売動向を加味して、正常営業循環過

 程から外れた商品の評価を処分見込価額まで切下げておりますが、商品の販売可能性を踏まえた正常営業循環過程

 にあるか否かの判断には不確実性があることから、販売可能性の判断に影響を与えるような状況の変化が発生した

 場合には、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

  ⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

⑥経営戦略の現状と見通し

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、1994年4月1日に日本移動通信株式会社(現、KDDI株式会社)と代理店契約を締結しております。契約内容は次の通りであります。

① 契約内容

移動電話サービス加入に関する業務委託並びに移動電話端末機及びその関連商品の売買

② 契約期間

自 1994年4月1日 至 1995年3月31日(以降1年毎の自動更新)

③ 営業施設の届け出

 当社が直営拠点を設置する場合には、KDDI株式会社に対してその旨を書面で申し出た上、事前にKDDI株式会社の承認を得ることとなっております。

④ 広告宣伝

 販売活動を行うに当たり、KDDI株式会社の商標・意匠・その他標章を使用する場合は、事前にKDDI株式会社の承認を得ることとなっております。

⑤ 契約解除

 本契約の各条項に著しく違背した場合や、本契約の円滑な履行が困難となった場合などには、KDDI株式会社は催告を要さずに通知のみをもって、本契約を解除できることとなっております。

⑥ 期間内解約

 本契約の有効期限内といえども、解約希望日の3ヶ月前迄に書面で相手方に通知することにより、本契約を解約できることとなっております。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。