第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や金融政策等により、雇用・所得環境の改善傾向が継続していることから、景気は緩やかな回復への期待が続く一方で、海外において、平成28年6月実施の英国国民投票により決定した英国のEU離脱、平成28年11月実施の米国大統領選挙を契機とした金融市場における急激な値動き等、不確実性の高まる動きがありました。

このような状況の中、当社グループにおきましては、金融市場の変動による影響は限定的で、投資情報サービスが順調に業績を伸ばすとともに、金融関連以外の分野においても事業会社向け受託開発や印刷会社向けW2Pクラウドサービス、翻訳事業などが好調に推移してきております。また、平成28年8月の株式取得により機関投資家向けの運用業務支援アプリケーションを提供する株式会社金融データソリューションズをグループの一員として加えサービスラインナップの充実を図ってまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は4,596百万円(前年同期比354百万円増、8.4%増)、営業利益は588百万円(前年同期比5百万円増、1.0%増)となりました。また、経常利益は592百万円(前年同期比1百万円減、0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は373百万円(前年同期比7百万円減、2.0%減)となりました。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① 投資情報事業

証券会社向けシステムソリューションが、堅調に推移するとともに、『IFIS Research Manager』(アイフィス・リサーチ・マネージャー)や『IFIS Consensus Manager』(アイフィス・コンセンサス・マネージャー)、資本市場関係者向けリアルタイムニュースなどの主力商品が着実に業績を伸ばしてきております。その他、新規サービスとしてテキストマイニングサービスや個人投資家向け情報提供サービス『株予報』のリニューアルなどサービス追加、強化を行ってまいりました。また平成28年8月より株式会社金融データソリューションズがグループの一員に加わり事業内容の拡充を図ってまいりました。

その結果、売上高は942百万円(前年同期比180百万円増、23.7%増)、営業利益は415百万円(前年同期比14百万円増、3.7%増)となりました。

 

② ドキュメントソリューション事業

証券調査レポートやIR関連印刷物の受注量は横ばいとなっておりますが、保険会社向けの印刷物やW2Pクラウドサービス、翻訳サービスが好調に業績を伸ばしております。またW2Pクラウドサービスの新規開発投資も進めてまいりました。

その結果、売上高は1,206百万円(前年同期比135百万円増、12.7%増)、営業利益は112百万円(前年同期比27百万円減、19.9%減)となりました。

 

③ ファンドディスクロージャー事業

投資信託市場は、フィデューシャリー・デューティに関する取組の影響から新規設定投資信託ファンド数の減少と、純資産総額の減少が見られますが、これらの影響は比較的限定的で当社における投資信託関連の印刷受注量は微増となっており、業績もあわせて微増となっております。また確定拠出年金向けのシステムソリューションサービスと印刷サービスが好調で業績を牽引しております。

その結果、売上高は1,682百万円(前年同期比56百万円増、3.4%増)、営業利益は425百万円(前年同期比22百万円増、5.6%増)となりました。

 

④ ITソリューション事業

事業会社向けの受託開発が引き続き業績を伸ばす一方、証券・金融業向けシステムソリューションサービスが市場環境の影響を受け減少となり、セグメント全体の業績に影響しております。

その結果、売上高は721百万円(前年同期比44百万円減、5.8%減)、営業利益は33百万円(前年同期比7百万円減、19.1%減)となりました。

 

⑤ その他事業

「データ化サービス」や「ECワンストップサービス」などの提供を推進し、より利便性の高いサービス内容の追求に従事しております。

その結果、売上高は43百万円(前年同期比26百万円増、158.7%増)、営業損失は20百万円(前年同期は53百万円の営業損失)となりました。

 

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ10百万円減少(前年同期比0.5%減)し、1,971百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度と比べ218百万円減少(前年同期比38.3%減)し、352百万円となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益590百万円、減価償却費62百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額230百万円、売上債権の増加額92百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度と比べ116百万円増加(前年同期比60.3%増)し、309百万円となりました。支出の主な内訳は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出266百万円、差入保証金の差出による支出44百万円であり、収入の主な内訳は、保険積立金の回収による収入79百万円、投資有価証券の償還による収入10百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、前連結会計年度と比べ14百万円減少(前年同期比21.4%減)し、53百万円となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額53百万円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

(千円)

669,458

0.3

合計

(千円)

669,458

0.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.ITソリューション事業以外のセグメントは生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

695,681

△18.2

242,842

△9.7

合計

695,681

△18.2

242,842

△9.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.ITソリューション事業以外のセグメントは受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

投資情報事業

(千円)

942,300

23.7

ドキュメントソリューション事業

(千円)

1,206,369

12.7

ファンドディスクロージャー事業

(千円)

1,682,308

3.4

ITソリューション事業

(千円)

721,801

△5.8

その他事業

(千円)

43,545

158.7

合計

(千円)

4,596,325

8.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主要な販売顧客については、該当するものはありません。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

1 組織体制について

当社では、継続的に企業価値を高めていくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。現在、当社グループは国内に7社の連結子会社、海外に1社の子会社と1社の関連会社を有する規模に拡大してまいりました。各社が適正に事業活動を行っていくために、業容拡大に対応した組織の整備を行い、内部統制が有効に機能する経営管理体制の確立が重要であると認識しております。

 

2 人材の確保と育成について

当社は金融情報サービスベンダーとして、金融市場の進歩や変化に対応できる専門家、IT技術の進化と高度化に対応した技術者、各部門を統括できるマネジメントスキルを備えた人材等の確保及び育成が重要な経営課題であると認識しております。

これまでも即戦力となる人材の採用や、パートナー企業との協業により、必要な専門知識・リソースを確保してきましたが、競合他社を超える革新的な金融情報サービスを提供していくためには、当社グループ各部門の従業員の専門性の維持・向上が不可欠と認識しております。そのために当社グループでは社内外の研修やOJTを通じて従業員の能力向上を図るとともに、優秀な人材の採用も積極的に進めております。

 

3 システム障害の防止と対応

当社グループの主力サービス『IFIS Research Manager』や『IFIS Consensus Manager』は、独自に開発したシステムにより運営されております。既に多くの投資家の情報インフラとして日々活用されていることから、システムの安定運用は経営上最も重要な課題の1つと認識しております。

対策として、効率的なキャパシティ管理のほか、2重化構成、24時間監視、バックアップシステム等の施策により、障害発生を防ぐとともに障害発生時の混乱及び損害の軽減に努めております。

 

4 情報セキュリティの強化

機密性の高い情報を扱う当社グループとしましては、現在も万全の情報セキュリティの体制をとっておりますが、個人情報保護法が普及したことにより、その重要性はますます高まるものと思われます。当社グループといたしましては、ネットワークにおけるデータやプログラムの保護、またはプライバシー保護に関する様々なネットワークセキュリティにおいて、より厳格なセキュリティ体制を構築することを推進してまいります。

 

以上を実現するためには、企業基盤を整備し、正確でタイムリーな情報提供ができる情報処理体制、クオリティーの高いサービスを提供できる営業体制を維持する必要があります。そのためには優秀な人材の採用と社内教育の充実が不可欠であると考えております。

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要な影響を及ぼすと考えられる事項については、積極的に開示しております。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生の際の対応に努力する方針ですが、本株式に関する投資判断は本項目以外の記載内容もあわせて以下の特別記載事項を慎重に検討の上、行なわれる必要があると考えられます。また、以下の記載は当社の事業または本株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんのでご注意下さい。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 「IFIS Research Manager」における開示許諾について

「IFIS Research Manager」は、主要証券会社の証券調査レポートを主なコンテンツとする、機関投資家や上場企業のIR部署を対象とした情報提供サービスです。「IFIS Research Manager」における証券調査レポートは、証券会社がユーザーである機関投資家や上場企業に対する開示許諾を行っており、当社にはその権限がありません。したがって、証券会社の開示許諾の状況によっては機関投資家や上場企業といったユーザーの満足度が左右され、解約の発生や新規顧客の獲得が困難になり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報ベンダーとしての信頼性の低下について

当社グループの主要顧客である金融機関、証券会社、機関投資家において「IFIS Research Manager」などのウェブサービスは広く利用されており、高い認知度を有しているものと当社では認識しております。しかしながら、何らかの原因により情報提供ベンダーとしての信頼性を損なわせるような事態が生じた場合、あるいは当社の提供する情報の価値が損なわれるような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ ウェブサービスにおける技術革新等への対応力について

当社グループが提供するウェブサービスはインターネット関連技術を基盤としておりますが、今後の技術革新や技術的な顧客ニーズの変化への対応に遅れが生じることとなる場合には、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システムトラブルの影響について

当社グループのウェブサービスは、主にインターネット上において金融情報サービスを提供しているという性格上、当社グループの事業運営は社内外の様々なネットワーク・システム及びコンピューター・システムに依存しております。

ⅰ 当社グループにおけるシステムトラブル

当社グループでは、システムの主要な部分を占めるインターネットを介しての情報配信やアプリケーションサービス、コンテンツの提供において、そのサーバ等の管理はセキュリティを重視したシステム構成を整えています。

サーバについてはハードウェア管理をアウトソーシングし、システム的・人的なモニター監視を行い、障害発生時に即座に対応できる体制とシステムの二重化やバックアップ体制を整えております。

しかしながら、アクセスの急激な増加等の一時的な負荷増大によって委託先のサーバが動作不能な状態に陥った場合や、火災・震災をはじめとする自然災害、停電等の予期せぬ事由により委託先のシステムやサーバに障害が生じた場合、またはインターネットの通信業者であるISP等のシステムに障害が生じた場合、当社グループのサービスを停止せざるを得ない状況が起こる可能性があります。

 これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ⅱ 事業パートナー、その他のシステムトラブル

当社グループのプロダクトの一部は、そのサービスを顧客に提供する際に事業パートナーやISP等のシステムに依存しております。そのプロダクトはインターネット上における利用を前提にしており、当社グループのプロダクトを利用する証券会社、機関投資家、上場企業では何らかの形でISP等のシステムを利用することになります。

このような状況であるため、事業パートナーやISP等のネットワーク環境やハードウェアの不具合により、当社グループの提供するサービスに障害が生じるおそれがあります。また、アクセスの急激な増加等の一時的な負荷増大によって事業パートナーやISP等のサーバが動作不能な状態に陥った場合や、火災・震災をはじめとする自然災害、停電等の予期せぬ事由により事業パートナーやISP等のシステムに障害が生じた場合、当社グループのサービスを停止せざるを得ない状況が起こる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 証券会社再編等による調査レポートの発行数の影響について

当社の主要な顧客基盤の一つである証券会社において、株式市場の低迷や証券会社間の競争激化等の環境変化により、合併、統合などによる証券会社数の減少、調査レポート総数の減少の可能性があります。このような事態が生じた場合、「IFIS Research Manager」の顧客満足度の低下に伴う解約の発生や新規顧客の獲得が困難となり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 外注依存について

当社グループは、ドキュメントソリューション事業、ファンドディスクロージャー事業において、印刷、製本、宛名印字・封入・封緘、配送までをトータルにサービス展開してきました。多様な顧客要求に柔軟に対応するため、印刷、配送の多くを外注とするファブレス経営を行っており、複数の印刷会社及び配送会社と外注契約を締結しております。これにより、印刷物の特性に応じた最適な印刷会社を選定することが可能となっております。このように当社グループは、外注印刷配送のインフラを拡大強化することで業務量増大に対応してきたため、外注委託先の経営動向は当社グループの事業戦略上重要な要素となっております。当社グループとしては、外注委託先の多様化を図ることによってリスク分散を行っておりますが、外注委託先の経営に問題が生じたり、外注委託先に自然災害や不慮の事故が発生し、顧客要求に柔軟に対応することが困難な状況になった場合には、事業の収益性に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑦ 投資信託市場における電子交付制度の普及について

ファンドディスクロージャー事業においては、ファンド募集の際に必要となる目論見書の印刷・配送業務を行っております。電子交付とは、販売会社から投資家へ交付が義務付けられている書類のうち、法令により定められた目論見書等について、紙媒体に代えて電磁的な方法で交付するものであり、投資信託における目論見書の電子交付制度も既に存在いたしますが、現状の活用度合いは高くないものと認識しております。しかし、今後の規制緩和や技術革新などでその利用が促進されることとなった場合には、目論見書印刷が減少する可能性があります。目論見書印刷市場が大幅に縮小した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 経済、株式市場の低迷の影響について

世界経済・金融情勢の悪化、また国内外の株式市場が低迷した場合、当社グループの主要顧客である金融機関、証券会社、機関投資家の業績が悪化する可能性があります。その場合、情報提供ベンダーへの予算縮小・削減が想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 競合環境について

当社グループは、投資情報事業におけるウェブサービスと、ドキュメントソリューション事業及びファンドディスクロージャー事業における印刷・配送サービスを主力に事業展開していますが、それぞれの競合環境は以下のとおりです。

ⅰ 投資情報事業におけるウェブサービス

現在、証券調査レポート閲覧サービスを行っている企業は、国内系大手証券情報ベンダー、外資系大手情報ベンダー合わせて数社あります。当社グループ以外は、主にリアルタイムのマーケット情報を提供する情報端末ベンダーであり、証券情報のフルラインの情報提供を主力サービスとしている企業です。

「IFIS Research Manager」はウェブサービスであることから、他社の端末サービスのように初期導入コストが発生せず、また証券調査レポートに特化したサービスであることから、金融情報のフルラインサービスと比べて1ID毎の低価格化を実現しております。また、全文検索機能を備えたユーザーフレンドリーなインターフェースを提供し、機関投資家を中心に高い満足度を得ていると認識しております。しかしながら、今後競合関係の激化、この機能に特化したサービスに他の競合企業が参入した場合、プロダクトやサービスの質への要求及び価格競争が激しくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、コンセンサスについては、現在コンセンサスを提供している競合他社は外資系情報ベンダーを含めて数社あります。『IFIS Consensus』は、データの精緻性・即時性追求のために社内の専門スタッフがデータ制作に従事し、また、当社独自のチェック体制を確立しており、精緻性・即時性の面でユーザーから高い評価をいただいていると認識しており、競合他社に対する優位性はこの点にあると考えております。しかしながら、今後競合関係の激化、また即時性・精緻性の点で優れた企業が現れた場合は、プロダクトやサービスの質への要求及び価格競争が激しくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

ⅱ ドキュメントソリューション事業及びファンドディスクロージャー事業における印刷・配送サービス

 証券・生命保険資料、投信目論見書ならびに決算短信・決算説明会資料といった金融・財務関連ドキュメントの印刷・配送サービスにおいては、大手印刷会社をはじめ競合企業が数社あります。当社グループは、金融・財務関連ドキュメントに特化することで専門性の高い印刷・配送サービスを提供しており、価格面・品質面において競合企業との間で差別化が可能であると考えています。

しかしながら、今後の競合関係の激化や金融・財務関連ドキュメント印刷・配送に特化した他の競合企業が市場に参入した場合には、価格及び品質における競争が激しくなり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 情報セキュリティ等について

ⅰ 情報セキュリティ及び個人情報保護について

当社グループでは、システムダウンやコンピュータウイルス、不正アクセスなどにより、システム障害や情報の流出、漏洩、改ざんなどのリスクを防止し、安全な情報環境を確保することが情報セキュリティの観点から重要であると認識しております。特に利害関係者や外部関係機関から受領した重要な情報資産を適切に保護することは、業務運営上最重要事項と認識しております。このため、当社グループでは情報セキュリティ基本方針を策定するとともに徹底した社員へのモラル教育や内部監査の強化を行うことで、内部からの漏洩防止に努めております。また現在当社はISMS認証基準の国際規格であるISO27001の認証を平成18年9月に取得し、そのガイドラインに基づき情報セキュリティシステムを構築・運用しております。一方当社が保有する個人情報の取り扱いについては、個人情報保護方針及び個人情報保護規程を策定することによって、不正利用、不正アクセス、情報漏洩、改ざんなどのリスクから個人情報を保護するための安全管理措置を講じております。個人情報の取り扱いについてもISMSの管理手法に基づく適正管理を実施し、その社内運用プロセスとして、情報セキュリティポリシー文書の策定(Plan)→運用(Do)→運用チェック(Check)→改善(Act)を継続的に行うことにより個人情報の保護体制を構築しております。しかしながら、上記のような対策を講じていたとしても、利害関係者や外部関係機関から受領した重要な情報資産である証券調査レポートや決算短信資料ならびに個人情報の漏洩、改ざんが発生した場合、当社グループに対する何らかの形による損害賠償の請求、訴訟その他責任追及がなされる可能性があります。

ⅱ 提供情報の制作・配信ミスによる影響

当社グループは、証券会社、機関投資家やメディアに対し、『IFIS Consensus』等の情報コンテンツを提供しておりますが、その提供に当たりデータの制作、配信は自社で行っております。データの制作、配信の工程に関しては、独自のチェック体制を確立しております。しかしながら、技術的な問題や人為的なミスなどからデータの欠落や誤謬が発生する場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下等により、事業運営及び業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑪ 小規模組織であることについて

当社は本有価証券報告書提出日現在、取締役5名、監査役3名、従業員79名の小規模な組織であります。そのため内部管理体制も当社の組織規模に応じたものとなっております。今後も事業拡大に伴い人員増強を図っていく方針であり、内部管理体制もそれにあわせて強化・充実させていく予定であります。

 

⑫ 特定人物への依存について

当社の代表取締役である大沢和春は、当社グループのビジネスモデルの構築や経営戦略の決定などにおいて重要な役割を果たしてきました。今後は同代表取締役に依存しない経営体制の整備を進めてまいりますが、何らかの理由により同代表取締役の業務の遂行が困難となった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の各事業の遂行は業務担当取締役3名及びディレクター2名に大きく依存しております。今後は事業規模の拡大に伴い役員の増員及び業務遂行体制の強化を図る方針でありますが、現状の役職員の流出が生じた場合や優秀な役職員の採用・育成ができなかった場合には、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 投資情報事業及びファンドディスクロージャー事業における人員の維持・確保

当社グループが今後、投資情報事業の拡大を図っていくためには、企業財務データやアナリスト業績予想データの分析能力、データ運用コンサルティングの知見を備えた人材の採用及び育成が必要であると考えております。また、ファンドディスクロージャー事業の持続的拡大を行うためには、金融商品取引法を中心とした関係法令知識、金融商品知識ならびに印刷ドキュメント処理提案のスキルを備えた人材の採用及び育成が必要であると考えております。当社グループでは、継続的に優秀な人材の確保を図るための努力を続けており、今後も継続していく方針でありますが、今後人材が流出した場合、または適切な人材確保及び育成ができなかった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

⑭ 法律や制度の変更による受注への影響

当社は、投資信託の目論見書、運用報告書や各種販売用資料などの企画・制作から印刷・配送までトータルにサポートするサービスを提供しておりますが、それらの多くは金融商品取引法をはじめとする諸法令により規定されており、関連する諸法令の改正によって、提供する製品やサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。その変化の影響により、印刷・配送の受注量の減少や、提供するサービスの競争力が著しく落ちるケースがあります。

 

⑮ ITソリューション事業における価格競争について

当社グループのITソリューション事業においては、顧客からのIT投資に対する要求が厳しさを増しており、価格面、品質面から常に同業他社との競争にさらされております。このような市場環境の中で当社グループでは、プロジェクト管理のノウハウ等得意分野を活かし、より付加価値の高いサービスを提供することにより、単なるコストダウンのみの価格競争の影響を最小限にとどめるように努めておりますが、当社の見込みを超えた何らかの外的要因による価格低下圧力を受けた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成28年8月31日開催の取締役会において株式会社金融データソリューションズを完全子会社化することについて決議を行い、同日付で株式取得に関する契約の締結と全株式の取得を完了しております。なお、株式取得の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

 「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ557百万円増加し、3,614百万円となりました。

流動資産は70百万円増加し、2,657百万円となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が103百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は486百万円増加し、957百万円となりました。主な要因は、株式会社金融データソリューションズを連結範囲に取り込んだことにより固定資産が353百万円、当社の本社増床により差入保証金が39百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ241百万円増加し、880百万円となりました。

流動負債は133百万円増加し、755百万円となりました。主な要因は、未払法人税等が46百万円、前受金が36百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は107百万円増加し、124百万円となりました。主な要因は、株式会社金融データソリューションズを連結範囲に取り込んだことにより固定負債が105百万円増加したことによるものであります。

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ315百万円増加し、2,734百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益373百万円の計上による増加及び剰余金の配当53百万円による減少であります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

 「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

②財務政策

 当社グループは、運転資金および設備投資資金などの資金需要につきましては、自己資金において賄っております。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。