第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀主導の経済・金融政策の継続により企業収益の回復や雇用環境の改善が進みましたが、その一方で、アジア新興国の景気減速や円高の再燃等により外部環境が悪化してきており、その先行きについては不透明感が増してきております。

 このような経営環境のもと、当社グループでは、既存顧客からの堅調なリピートオーダーを確保しつつ、潜在顧客に対する積極的な提案活動に注力した結果、業績は期初の想定を超えて好調に推移することができました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
 

売上高

4,866,682千円

(前連結会計年度比13.1%増)

営業利益

810,495千円

(前連結会計年度比17.8%増)

経常利益

813,209千円

(前連結会計年度比17.2%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

458,017千円

(前連結会計年度比8.0%増)

 

売上高については、主に製造、金融、公共及びサービス業等の既存顧客企業からの受注が一年を通じて堅調に推移するとともに、サービス業を中心とする新規顧客の獲得も着実に進んだ結果、前連結会計年度比564,434千円(13.1%)増加の4,866,682千円となり、過去最高の売上高となりました。

 

②損益面については、売上高の拡大に加え、プロジェクトの品質管理及び効率的なグループ運営の徹底により、営業利益は前連結会計年度比122,268千円(17.8%)増加の810,495千円、経常利益は前連結会計年度比119,471千円(17.2%)増加の813,209千円となり、それぞれ過去最高を記録しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益についても、主に同様の理由により、前連結会計年度比33,915千円(8.0%)増加の458,017千円となり、過去最高を記録しました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況につきましては以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローについては、事業拡大により売掛金等が増加したことにより、前連結会計年度の1,118,848千円の純収入から169,622千円の純支出となりました。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得や設備投資による支出のため、前連結会計年度の178,864千円の純収入から24,524千円の純支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払い額が増加したことにより、前連結会計年度39,260千円の純支出から75,001千円の純支出と、純支出額が増加しました。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

コンサルティング事業(千円)

3,089,151

107.7

合計(千円)

3,089,151

107.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

コンサルティング事業

4,771,015

100.5

1,667,031

94.6

合計

4,771,015

100.5

1,667,031

94.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.受注高及び受注残高は作業指示書入手済みの案件を記載しております。

 

(3)販売実績

当社グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

コンサルティング事業(千円)

4,866,682

113.1

合計(千円)

4,866,682

113.1

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

 

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

 

 

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

 

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

マツダ㈱

583,020

13.6

659,970

13.6

みずほ証券㈱

432,640

10.1

631,900

13.0

札幌総合情報センター㈱

511,000

11.9

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

4.当連結会計年度における札幌総合情報センター㈱に対する販売実績は、当該割合が100分の10未満であったため記載を省略しております。

 

3【対処すべき課題】

① コンサルタントの採用・育成強化と営業力(提案力)の強化
 当社グループの基幹事業であるコンサルティング事業において重視すべき課題は、コンサルタントの採用・育成及び営業力(提案力)の強化です。拡大する顧客からの需要に対応するため短期的には優秀なコンサルタントの採用が課題であり、また中期的には、社内外のトレーニングやOJTを通じた地道なコンサルタントの育成により安定的な成長の礎を築いていく必要があります。さらに、営業面においては、リピート顧客層に対する徹底したサービスの品質管理や継続的な提案活動を実施することで顧客満足度を一層向上させることに加え、高度化・複雑化する顧客ニーズに先鋭的に且つ組織的に対応できるように、新規ソリューションの開発やその提案活動に注力するとともに、外部の事業パートナーとの事業提携を積極的に進め、当該事業の組織的営業力(提案力)を強化していく所存です。

② 品質管理方法の継続的な改善活動
 コンサルティング事業を生業とする当社グループにおいて品質維持・向上活動とは、当社グループの信用力創造の礎となる活動です。特に、請負契約形態でのシステム開発受託案件においては納品に適した成果物であることを組織的に確認・検証する体制が必要であります。拡大する顧客企業からの需要には一定程度の請負契約形態でのシステム開発受託案件が存在しており、当社グループでは、各子会社の担当事業本部における品質レビューに加えて、事業本部から独立したプロジェクトマネジメントの専門部署(プロジェクトマネジメント推進室)による客観的で精緻な品質検証を従来以上に徹底して実施していく所存です。

 

<会社の支配に関する基本方針について>

 当社は、当社グループの事業ドメインである「戦略的IT投資領域」における高付加価値サービスを通じて顧客満足度を向上させることにより安定的に事業成長することを基本的な経営方針としております。従って、当社の業務遂行には、「戦略的IT投資領域」に精通した者が取締役や業務執行者に就任し、事業の方針を決定し、業務執行体制を構築することが必要であり、これによって初めて当社の事業価値の維持・向上が図られるものと認識しております。以上が当社における会社の支配に関する方針であります。
 現時点においては、当社株式の大規模な買付行為に関する具体的な対応方針は特に定めておりませんが、上記の方針に照らして必要性があると判断した場合には、社内外の専門家を含めて検討したうえで適切な対応策を講じます。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社としては、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、日頃からこれらのリスクの正確な把握に努め、社内組織、設備、制度や取引先との関係等を整備し、リスクを低減する努力を続けており、また、リスクが現実化した場合にはその対応に最大限の努力を致しますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行う必要があると考えられます。
 なお、下記記載事項を参考にするにあたって留意すべき事項は次の2点です。

① 文中に将来に関する記載がある場合には、当連結会計年度末現在(平成28年3月31日現在)における当社グループの認識を基礎とした記載であり、将来の環境の変化によって当該認識は変化する可能性があります。
② 下記の記載事項は、当社グループの事業又は当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅的に記載したものではありません。

1.外部環境に起因するリスクについて

(1) 競合優位性について
 情報サービス産業全体の大幅な市場拡大が見込めない経営環境において、当社グループは、次の施策をとることによって、情報サービス産業において独自のポジションを確立し、情報サービス産業全体の動きと一線を画して事業展開を図っております。

① 素材・組立加工業を中心とする製造業、情報通信・サービス業、公共及び金融業を主な対象に、経営資源をフォーカスすること
② これらの業界における顧客の「戦略的IT投資領域」におけるIT戦略の企画・立案・実行を、顧客の立場に立って、顧客の発注力の向上に資するように、高度なIT技術と関連業務ノウハウ(ULBOK(ウルボック))(UL Systems Body Of Knowledge)によって支援すること
 このような事業コンセプトに基づく当社グループ主要事業であるコンサルティング事業の競合相手となる企業は、現在のところ存在していないと考えています。しかしながら、このような新たな事業領域において、他社による積極的な取り組みがあった場合には、その動向次第では当社グループの競合優位性が薄れ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 製造業、情報通信・サービス業、公共及び金融業におけるIT技術動向について
 当社グループは事業ドメインを、製造業、情報通信・サービス業、公共及び金融業を主な事業とする顧客の「戦略的IT投資領域」に絞り、IT戦略の立案及びその実行支援サービスに経営資源を集中的に投入し、この領域における先駆けとなるべく事業を拡大してまいりました。
 当面の事業方針においても、当社グループがターゲットとする顧客の高度な要求にスムーズに対応できる高度なIT技術と、これを適切な局面で適用するためのアイデアを着想し実行するノウハウを蓄積・向上することを最重要課題の一つとして位置づけており、組織的に当社共通の知的基盤「ULBOK(ウルボック)」として最新IT技術の導入・適用並びにノウハウの蓄積を行っております。しかしながら、このような顧客の収益力に直結する「戦略的IT投資領域」におけるIT技術の革新のスピードは目覚しいものがあり、当社が想定している以上にIT技術の著しい進歩があった場合には、当社グループがこれに十分な対応を行えるか否かは不透明であり、当社グループが十分な対応をできない場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

2.当社グループ固有のリスクについて

(1) プロジェクトのリスク管理体制について
 プロジェクトの提案・受注・実行及びこれらを支援する業務は、当社グループの企業活動の主要な部分を占めており、これら一連の活動から発生する種々のリスク(見積もりリスク、信用リスク、契約内容に関するリスク、人繰りに関するリスク、プロジェクト管理に関するリスク、品質に関するリスク、外注管理リスク等)を回避又は管理することは当社グループ経営上の重要課題の一つとして認識しております。このため、当社グループではプロジェクトを直接運営する各子会社の各事業本部による社内規程に基づいた厳格なレビュー等に加え、事業本部から独立してプロジェクト・マネジメントを専門的に支援する部署としてプロジェクトマネジメント推進室を、また当社の社長直轄に内部監査室を設置し、プロジェクトに関わるリスクを専門的・全社的な見地から把握・管理する体制を整備し、運営しております。
 現在の事業規模と事業内容を考慮すると現体制で十分機能しておりますが、現状のリスク管理体制に甘んじることなく将来の事業拡大や事業内容の変化に備え、組織的にリスク把握や解決手段に関するノウハウや経験を蓄積し、これを社内で共有しています。しかしながら、これらのリスク管理体制の能力の向上には一定の時間を要するものであり、将来の事業拡大や事業内容の変化が想定以上に速く進んだ場合には、当社グループのリスク管理体制が有効に機能しない可能性があり、この場合には、当社グループの円滑な事業拡大や経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 検収時期等の遅延による経営成績への影響について
 当社グループでは受注制作のソフトウェア開発プロジェクトに関する売上の計上基準に進行基準又は完成基準を採用しております。いずれの基準でも顧客の受入検査に基づく「検収」は直接又は間接に売上計上の重要な要件の1つであります。当社グループでは、当該検収を予定通りに受けることができるように、プロジェクト管理及び品質管理について厳しい内規を定め運用しておりますが、顧客の都合等により検収時期が遅延した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 投資目的のプロジェクト発生の可能性について
 当社グループでは、顧客企業の高い要求水準に対応できる高いIT技術を組織的に維持・拡大していくため、先進性や革新性、更には将来の利用可能性等の観点から有望なIT技術の獲得には非常に貪欲であり、これらの技術の獲得のために意図的に収益性の非常に低い(投資目的の)プロジェクトを受注する場合があります。このような中長期的な競争力維持・向上のための投資目的プロジェクトの受注も想定して全体の収益計画に織り込んでおりますが、想定を上回る低採算のプロジェクトが発生した場合には、短期的に当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) システム開発に関する工程見積もりリスクについて
 国内外のシステム・インテグレーター各社がしのぎを削る受託システム開発業界においては、昨今の景気回復基調を背景として需給が好転してきている一方で、競合の多いケースでは、受注活動を優先し、顧客のシステム要件が確定していない段階でも一括請負契約形態による契約の締結が行われているケースがあります。請負契約は、一定の納期において、一定の品質以上での仕事の完了(システムの納品)を顧客に対して約する契約であり、作業開始時の開発作業量の見積もりを誤ると大幅なコストオーバーランや作業遅延もしくはこれに伴う損害賠償責任が生じる可能性があります。当社グループにおいても常にこのようなリスクにさらされており、過年度において複数のプロジェクトで損失計上を余儀なくされました。このようなリスクに対処するため、特に当社グループでは、「ULBOK(ウルボック)」として蓄積してきた製造業、情報通信・サービス業、公共及び金融業を中心とする業務ノウハウと経験及びプロジェクト遂行の方法論を十分に活かすことができ且つ先端のIT技術を適用できる参入障壁の高い開発案件にフォーカスしたり、可能な限り作業及び契約を細分化し、顧客の要件が明確化してから請負契約を締結する等の内部ポリシーを設定することにより、リスクを回避しています。しかしながら、こうした対処によっても全てのリスクを回避することは困難であり、将来において不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 瑕疵担保責任及び品質保証引当金について
 当社グループが受注する一部のプロジェクトでは、顧客との間で請負契約を締結しております。当該契約には、一般に顧客による受入検査に基づく検収の後にも必要に応じて一定期間無償で役務の提供を実施する旨を約した瑕疵担保条項が含まれており、当社グループではこのような売上後の追加原価発生に備えて、当社グループ内規に従い品質保証引当金を計上しております。追加原価の最大の発生原因である不具合(いわゆるバグ)は完全に解消することは不可能といわれており、当社グループとしては不具合発生の低減のために品質維持・向上活動に注力し、且つそれでも発生する場合の追加原価に対応する品質保証引当金を見積もり計上しておりますが、実際のプロジェクトで発生した瑕疵等の補修費用が見積もり額を超える場合には、当該引当金の追加計上が必要となり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(6) プロジェクトにおける委託先管理について
 当社グループが受注する一部のプロジェクトでは、人的資源等の制約から外部業者に対して再委託をすることがあります。当社グループでは、委託先選定に当たっては、財務体質等の他、プロジェクト遂行能力を様々な側面から評価する手続となっております。しかしながら、委託先のプロジェクト管理が適切に行われない場合には、コストの増加や納期遅延あるいは品質の低下等を招く可能性があります。当社グループでは、各職責でのレビューにより早期の問題の顕在化及び対処を行っておりますが、不測の事態によりそのような問題の早期発見や対処を適切に行うことができない場合には、損失を計上しなければならず、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 人員の確保と育成について
 当社グループは、平成28年3月31日現在、当社役員7名(非常勤監査役を含む)、子会社役員4名(当社役員との兼務は含まず)、従業員264名からなる事業体グループであり、このうちコンサルティング事業に携わるコンサルタントは合計236名(当社グループへの出向者を含み、当社グループ外への出向者を含まないコンサルタントの人数)です。コンサルティング事業については、労働集約的な要素を極力排除しておりますが、当社グループのコンサルタントの数が当社グループの売上の額を決定する大きな要因の1つになると考えられます。従って、今後当社グループが事業を拡大するためには、既存のコンサルタントに加えて当社グループのコンサルティング事業に関して業務遂行能力を有する人員の確保が重要課題となります。また、これと同時に、人員の育成と定着率の向上が不可欠です。このため、当社グループでは各人の適性とキャリアプランを考慮した人材の配置、透明性の高い人事考課の徹底等の諸施策を実施していますが、当社グループのこれらの施策が将来にわたって効果的である保証はなく、今後退職者の増加や採用の不振等により必要な人員確保ができなかった場合には当社グループの事業拡大に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 代表取締役への依存度について
 当社の代表取締役社長である漆原茂は、当社の設立以来、当社の経営方針や戦略の決定を始め、事業開発、ブランド力の向上等において重要な役割を果たしております。また、漆原茂は平成15年12月に当時の筆頭株主であったWP Japan Holdings, L.L.C.から当社株式の大半を買い取り、平成28年3月31日現在当社発行済株式総数の40.7%を有する筆頭株主でもあります。当社は、事業拡大に伴い社長に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により社長に不測の事態が生じた場合、または社長が退任するような事態が生じた場合には、当社グループの今後の経営成績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 組織体制について
 平成28年3月31日現在、当社グループは、当社役員7名(非常勤監査役を含む)、子会社役員4名(当社役員との兼務は含まず)、従業員264名からなる事業体グループであり、そのうちコンサルティング事業を直接推進する人員249名(各事業部のコンサルタント、事業部長並びに営業部員(当社グループへの出向者を含み、当社グループ外への出向者を含まない人数))を支える持株会社である当社及び連結子会社所属のいわゆる管理部門の従業員は15名と現在の事業規模に応じたものとなっております。今後は、事業の拡大に伴い、人員の質・量とも強化し充実した内部統制組織の構築を図っていく方針でありますが、採用活動が計画通りに進まなかった場合には、事業規模に適した組織体制の構築に遅れが生じ、適切な組織的対応ができないことにより当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

 

(10) 知的所有権に関する訴訟の可能性について
 当社グループの円滑な事業発展のためには、積極的な知的所有権の蓄積及び活用が重要な要素になると考えられます。当社グループは、現在のところ研究開発活動の一環として数件の特許申請及び商標登録並びに著作権登録をしており、今後も積極的に当社グループの権利保護や収益の拡大を目的とした知的所有権の出願・登録を実施してまいります。当社の法務部はこれらの司令塔的役割を担っており、特許事務所又は法律事務所を通じて知的所有権の調査・確認及び契約上の責任の限定(損害賠償責任制限条項等)を随時行っております。現時点では、当社グループが第三者から他人の特許権、著作権、商標権等の知的所有権の侵害を理由として、また取引先から当社グループの過失等による契約違反を理由として、裁判上又は裁判外の損害賠償等の請求を受けたという事実は存在しません。しかしながら、IT産業における知的所有権の調査・確認作業も煩雑化しており、また、想定されるトラブル事例も不足しているのが実情であります。このため、当社グループの調査・確認作業の遅れ、不測のトラブル等により、当社グループが提供するサービス又は製品及び当社グループが使用している著作物、商標等に関して第三者から知的所有権の侵害を理由とする裁判上又は裁判外の損害賠償請求又は差止請求を受ける可能性があります。また、当社グループが提供する各種サービス及び製品に起因する知的所有権侵害があり且つ契約に損害賠償責任制限条項がないときには間接損害まで含めた多額の損害賠償請求を受ける可能性があります。

 

(11) 情報管理について
 当社グループの事業においては、その性格上、個人情報を含む顧客に関する機密情報を取り扱うケースが多くあります。当社グループでは、これらの顧客情報について社内規程に基づく厳格な管理を行っており、過去に顧客情報の重大な漏洩が起きた事実はありません。また、これらに起因する損害賠償請求を受けた事実もありません。しかし、今後、顧客情報管理について何らかの問題が生じた場合には、損害賠償責任の発生や当社グループに対する信頼の低下により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 投資有価証券等の減損処理の可能性について
 当社は、将来有望と思われるIT技術を有する企業や潜在的に大きな相乗効果が見込まれる顧客企業・協力企業等との間では、業務上の関係のみならずより強固な関係を構築するため、当該企業へ直接または間接に投資(株式等の取得)を行っています。このような活動は、将来の相乗効果の発現による当社資産価値増大を通じてより多くの果実を当社グループにもたらす可能性がある反面、当初見込んでいた相乗効果が発現しなかったり、対象企業の事業の成長性や収益性が期待通り実現しない場合には、株価や実質価値の下落等により取得した投資有価証券等について減損処理が必要となる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。


(1) 重要な会計方針及び見積もり
 当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しています。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積もりを必要とします。経営者は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
 当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「同2財務諸表等(1)財務諸表 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に下記に示す重要な会計方針が財務諸表における重要な見積もりの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 受注損失引当金
 当社では、手持ち受注プロジェクトのうち当連結会計年度末で将来の特定の損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができるプロジェクトについては、連結会計年度末以降に発生が見込まれる損失について引当計上しております。当社グループでは、プロジェクトのリスク管理を経営上の最重要課題として位置づけ、各子会社の担当事業本部及びプロジェクト・マネジメント推進室を中心にリスクの把握とその解決手段に関する知識・経験の蓄積に注力しています。上記の引当金の計上についても蓄積した知識と経験に基づく最も合理的な数値を算出するよう最善の注意を払っておりますが、実際のプロジェクトで発生した損失額が、見積額と異なる場合には引当金の追加計上等が必要になる場合があります。

 

② 品質保証引当金
 当社では、プロジェクトの瑕疵担保期間において、契約に従い顧客に対して無償で役務提供を実施する場合があります。このような売上計上後の追加原価に備えるため、個別に追加原価の発生可能性を勘案し計算した見積もり額を品質保証引当金として計上しております。当社は、プロジェクトの品質管理を経営上の最重要課題の一つとし、受注時から検収・納品まで最善の努力を傾けていますが、実際のプロジェクトで発生した瑕疵等の補修費用が見積もりと異なる場合には、引当金の追加計上が必要になる場合があります。

 

(2)財政状態に関する分析

① 資産、負債及び純資産の状況
 総資産は、事業拡大による売掛金等の流動資産の増加により前連結会計年度末比319,375千円(7.1%)増加の4,822,811千円となりました。また、負債は、未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末比69,126千円(5.8%)減少の1,116,234千円となりました。

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比388,501千円(11.7%)増加の3,706,577千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上が主な増加の要因です。

 

② キャッシュ・フローの概況
 キャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

(3)経営成績に関する分析

① 売上高
 売上高については、主に製造、金融、公共及びサービス業等の既存顧客企業からの受注が一年を通じて堅調に推移するとともに、サービス業を中心とする新規顧客の獲得も着実に進んだ結果、前連結会計年度比564,434千円(13.1%)増加の4,866,682千円となり、過去最高の売上高となりました。

 

② 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益及び経常利益
 売上高の拡大に加え、プロジェクトの品質管理及び効率的なグループ運営の徹底により、営業利益は前連結会計年度比122,268千円(17.8%)増加の810,495千円、経常利益は前連結会計年度比119,471千円(17.2%)増加の813,209千円となり、それぞれ過去最高を記録しました。

 

③ 親会社株主に帰属する当期純利益
 親会社株主に帰属する当期純利益についても、主に上記②までの増益要因により前連結会計年度比33,915千円(8.0%)増加の458,017千円となり、過去最高を記録しました。