(1) 経営方針
当社グループは『プロシューマ―・ハピネス』を経営ビジョンに掲げており、プロシューマーという生産者と消費者が融合する「新しい人々」が社会でより活躍できるように、幸せを感じてもらえるサービスを提供するとともに企業価値向上に努めてまいります。
当社グループは事業領域として、インターネット上の「CPA型アドネットワーク、CPC/ターゲティング型アドネットワーク」を中心に事業を展開しております。この広告サービスは、広告効果を実際の売上や顧客獲得数などの数値で確認し、その成功数値に応じて広告料金を設定する仕組みで、インターネットの普及を受けて市場規模が拡大してまいりました。
この領域における事業環境は、ブログやSNSなど消費者型コンテンツの普及を受けて広告掲載場所が増加し、またスマートフォン端末やタブレット端末の普及に加えて通信環境の整備が進んでいることによりデータ通信利用者が堅調に増加しております。一方で、業界内の競争や市場動向の変化、プラットフォーマーの影響など事業環境の変化による一部広告主の事業撤退や広告予算の縮小等、厳しい状況も予想されております。
上記の環境において当社は、「CPA型アドネットワーク、CPC/ターゲティング型アドネットワーク」の先駆者として、次のような経営方針のもと、今後もこの分野において確固たるナンバーワン企業になるべく努力していきたいと考えております。
① 当社及びグループ企業の顧客である広告主に対しては、「アドネットワーク」「DSP」「SSP」などの仕組みを通じて、広告・販促のコストパフォーマンスを最大化すること。
② 当社及びグループ企業のビジネスパートナーであるWebサイト/アプリ制作者(以下メディア)に対しては「アドネットワーク」「DSP」「SSP」などの仕組みを提供し、それぞれの広告媒体収益を最大化すること。
③ 当社及びグループ企業が提供するあらゆるサービスを利用する消費者のメリットの最大化を目指すこと。
④ 当社及びグループ企業のあらゆるサービスを利用する広告主、メディア、消費者の3者の間に「共感」「信頼」といったエンゲージメントを構築すること。
⑤ 当社及びグループ企業の従業員に対しては、働くことの喜び(仕事の中の生きがい)と収入を最大化すること。
⑥ 当社の株主に対しては、企業グループの価値を最大化し、株価上昇や配当で還元すること。
⑦ コンプライアンスを遵守し、社会から尊敬される企業グループを目指すこと。
⑧ 企業活動を通じて、社会や経済の発展に可能な限り貢献すること。
(2) 経営戦略等
当社が運営しているアドネットワークサービスの規模(広告主数、メディア数、トラフィック等)を安定的かつネット広告市場の拡大を上回るスピードで成長させることで、アドネットワーク独自開発・運用企業として圧倒的な国内ナンバーワンの地位を築いていきます。また、対応デバイス、広告素材、運用方法など時代の変化に対応して新しい仕組みを積極的に取り込んでいきます。独自のターゲティング手法などアドテクノロジーの研究開発に励み、自社に蓄積された広告関連データを活用した効果的な広告手法を生み出すことで、アドネットワーク企業として世界市場での競争力を獲得していきます。
上記の目標を達成するために、以下の戦略を設定しております。
CPA型アドネットワーク事業
① 当社及びグループ企業が展開するCPA型アドネットワークの知名度と信頼度を向上させることにより、新規広告主及びメディアの効率的な獲得を実現する。
② 広告主及びメディアのCPA型アドネットワークの利用を通じて、満足度や信頼度を向上させ、利用率や継続率の改善を図る。
③ 広告主とメディアが効率よく出会う(広告の掲載を許諾しあう)仕組みの改善及び「広告主の広告出稿ニーズ」と「メディアの広告掲載ニーズ」の最適化を図り、成果が発生する機会を拡大していく。
④ 広告主のCPA型アドネットワークへの信頼(価値認知)を向上させ、より高い成果報酬や成果の上がる目標設定を提案できる営業体制を構築する。
⑤ 素早く、より魅力的なCPA型プロモーションを提示できる運用体制を構築することで、有力なメディアに積極的に利用していただけるようにする。
⑥ CPA型アドネットワークの周辺ビジネス(自社メディアの開発、アドテクノロジーを活用したサービス開発)をさらに拡大することで、収益の多様化を図る。
⑦ パソコン、スマートフォン、タブレットなど消費者及びメディア、広告のデバイスの利用状況を的確につかみ、CPA型アドネットワークに素早くそのニーズを取り入れていく。
CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業
① 当社及びグループ企業が展開するCPC型アドネットワーク、DSP、SSPなどの知名度と信頼度を向上させることにより、新規広告主及びメディアの効率的な獲得を実現する。
② CPC型アドネットワーク、DSP、SSPなどの利用を通じて、広告主及びメディアの満足度や信頼度を向上させ、利用率や継続率の改善を常に図る。
③ 広告主の広告手法への信頼(価値認知)を向上させ、高い広告目標を提案できる営業体制を構築する。
④ 多様な広告素材や効果的なクリエイティブ、広告主からの独占プロモーションの獲得などを通じて有力なメディアと良好な関係を構築していく。
⑤ 当社が保有する広告関連データの活用や最新のアドテクノロジーを取り込むことで効果の高いターゲティング手法を開発し続ける。
⑥ パソコン、スマートフォン、タブレットなど消費者及びメディア、広告のデバイスの利用状況を的確につかみ、CPC型アドネットワーク、DSP、SSPなどに素早くそのニーズを取り入れていく。
グループ共通
① 海外関連売上を拡大する。
② SNS時代にふさわしい発想で、マーケティングや営業ができる体制を構築する。
③ 技術的なノウハウを蓄積し、高品質なサービスを安定的かつ低コストで運営できる体制を構築する。
④ 働きやすい環境を整備し、一人ひとりの能力を伸ばしヤリガイのある職場環境を構築する。
⑤ 評価制度やリクルーティング手法の工夫などによって、優秀な人材を確保する。
⑥ 効果的な資本政策や財務戦略を遂行することで会社資産の価値を高める。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、CPA型アドネットワーク事業、CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業という成長力のある市場を事業領域とする企業グループとして、当該事業に経営資源を集中させ、市場スピードを上回る売上高の確保並びに生産性の向上による業界上位の営業利益率を確保することを目標としております。また、当社グループの主要サービスである「A8.net(エーハチネット)」「nend(ネンド)」の利用広告主数(稼働広告主ID数)及び登録パートナーサイト数を、サービス規模の重要指標として、四半期ごとに開示しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループでは下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。
① プロシューマー支援事業の立上げ
当社グループは、創業以来インターネット広告サービスを主力事業として、その周辺事業を展開し、世の中にインターネットを普及する一助を担ってまいりました。そして、今後、インターネットが普及したことによって、生産と消費の区別があいまいになり、どちらの顔も持つプロシューマーであふれる時代が来るものと考えております。そこで、当社グループは、このプロシューマーの方々を支援する事業を展開することで、世の中により一層の価値を提供していこうと考えております。当社グループは、インターネット広告サービスの他に、新たな視点で、プロシューマー支援事業を立ち上げていく方針であります。
② 既存事業におけるサービス改善
当社グループにおいて、依然、主力の事業であるインターネット広告サービスは、消費者である個人の方がメディアとして生産者となる場を提供しており、プロシューマー支援事業の1つとして今後も重要な事業であると捉えております。当社グループは、インターネット広告サービスやその周辺事業について、さらなる事業収益拡大のために、プロシューマー支援の視点を持ったうえで、事業環境の変化への対応や顧客基盤の拡大とともにサービス利用率の向上やサービスの品質改善による差別化をしていきます。また、当社グループでは、今後も継続的に、広告効果の向上、ユーザビリティの改善、広告表示の適正化やインターネット広告における不正の防止等に取り組む方針であります。
③ システム及び内部管理体制のさらなる強化
当社グループの業容拡大を支えていくためには、急激に増加しているトラフィックや取引データを管理するシステムを、費用の増加を抑えながら安定的かつ効率的に拡張するための技術開発及び運用体制の確立に注力すること、外部からの不正アクセスを防止し、取引データ、顧客企業等の情報及び個人情報保全のため、さらなるシステムの安全性強化や危機管理体制を構築すること、また当社グループ全体としての業況推移を常時正確に把握し適時・適切に経営判断へ反映させていくことが、今後さらに重要となってくると考えております。こうした観点から、一層のシステム投資や危機管理体制の確立を進めていくとともに、情報開示やコンプライアンス維持を含めた内部管理体制の充実を図る方針であります。
④ 人材の確保・育成
今後の新たな視点での事業展開のために、営業部門・開発部門・管理部門の人材確保とともに、さらなる既存サービスの質の向上のため、インターネット広告におけるコンサルティング能力や技術力の向上、ノウハウの蓄積、スキルの向上等人材の育成がきわめて重要となります。当社グループといたしましては、これからの社会状況にあった人事制度、教育、研修体系の整備を行い人材育成の強化を進めてまいります。
以下には、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも特に重要なリスクとして考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において、当社グループが想定される範囲内で記載したものであり、全てのリスク要因が網羅されているわけではありません。
①当社グループの事業内容に係るリスクについて
(a)市場環境の変化について
インターネット関連の業界においては顧客やユーザのニーズの変化など、市場環境が大きく変わってきております。当社グループにおいては、これまで、市場環境の変化に対応してインターネット広告事業をメインに事業展開して参りました。また、今後の市場環境の更なる変化を見越して、当社グループの事業をインターネット広告事業を含むより広い領域のプロシューマー支援事業とし、事業の展開をしていきます。しかしながら、今後、市場環境の変化に適切に対応できない場合には、顧客やユーザに価値を提供することができず、その結果、競争力の低下を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(b)技術革新について
インターネット関連分野における技術革新は著しく進展しております。インターネットを利用して事業を運営している会社は、常に業界動向、技術革新、顧客ニーズの変化等に即座に対応する必要があります。当社グループでも、常に新しい技術の研究などを行っておりますが、当社グループがこのような技術革新への対応に時間を要した場合には、その分野においての事業の展開が遅れることとなり、その結果、競争力の低下を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(c)競合について
当社グループがプロシューマー支援事業の1つとして主に展開しているインターネット広告事業において、複数の競合会社が存在しており、また将来的にさらに増える可能性があります。
インターネット広告業界において、当社グループは比較的早期に参入しており、パートナーサイトの獲得数においても優位に立っていると認識しています。パートナーサイトが多いことは、広告主を獲得する際に、有利に働いていると当社グループでは認識しています。この他にも、システムの改良、ノウハウの蓄積等、当社グループの過去の業績には先行者メリットとしての要因が含まれている可能性があります。
しかし、当社グループが、将来に亘っても、インターネット広告事業において優位性を構築・維持・発揮し、一定の地位を確保・継続できるという保証はなく、また、競合の結果、当社グループの売上、収益が低下する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(d)特定事業への依存について
当社グループは、現在、プロシューマー支援事業のうち、インターネット広告事業が主力事業となっております。また、新たにプロシューマー支援事業やその他周辺領域の事業を立ち上げ展開することにより、事業の多様化を進めていきます。ただし、現在は特定の主力事業にほぼ依存している状況であり、主力事業の業績変動が全社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(e)法的規制について
現時点において、当社グループの主力事業であるインターネット広告サービスに関連して、事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しております。しかし、インターネットの利用者及び事業者を規制対象とする法令の制定や改正は継続的に行われており、当社グループは、規制内容に合わせた対応を適宜行っておりますが、今後、法令、行政指導、その他の規制等により当社グループのサービスの利用の一部または全部が制限された場合や当社グループが取得している様々なデータが個人情報等と捉えられ想定している利用ができなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループネットワーク上で広告配信、成果のトラッキング及び不正行為防止のために使用している技術が規制、制限された場合には、代替手段の開発に多額の投資が必要となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(f)設備及びネットワークの安定性について
当社グループは、提供しているサービスのほとんどをWeb上で提供し、またインターネット広告サービスにおいては、成果報酬の集計管理をシステムを通じて提供しております。そのため、当社グループにおいて、サービスの提供を維持するためには、当社グループ設備及びネットワークを24時間、年中無休で稼働させることが求められております。また、サービス規模が大きくなることに応じて、その負荷に耐えうるネットワーク構成を構築する必要があります。システムに支障が生じることは、サービス全般の停止を意味するため、設備及びネットワークの監視や冗長化、定期的なデータのバックアップなど、障害の発生防止に努めております。
しかしながら、地震、火事などの災害のほか、コンピュータウイルスやハッカーなどの行為、ハードウェア・ソフトウェアの不具合、人為的ミスによるもの、トラフィックの急増によるシステムへの負荷の増大、その他予期せぬ重大な事象の発生により、万一、当社グループの設備又はネットワークが利用できなくなった場合には、サービス停止に伴う信用の低下を引き起こし、顧客の解約はもちろん今後の新規顧客の獲得に影響が生じることが考えられ、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(g)情報のセキュリティ管理について
当社グループは、サービスの提供にあたり会員情報や銀行口座の情報等の個人情報を取得し、利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課されております。また、当社グループは運営サービスの提供にあたり、成果報酬のトラフィックや取引データを当社グループのサーバで管理し、インターネットを通じて広告主企業やパートナーサイトに提供しております。また、当社グループの運営する自社媒体では、サービス運営のため多数の個人会員情報を当社グループのサーバで管理しております。
取引データの管理や、社内における顧客企業等の情報及び個人情報についてもその取扱には細心の注意を払い、法令を遵守するほか入退室管理、ハードウェアやネットワーク管理について最大限の取り組みを行っております。
しかしながら、以上のような当社グループの努力にもかかわらず、万一、外部からの不正アクセスなどにより情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループへの損害賠償の請求や当社の社会的信用の失墜等によって、当社グループの事業や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(h)有害コンテンツを含む広告及びパートナーサイトに対する規制について
当社グループの主力事業であるインターネット広告事業は、広告主及びパートナーサイトの募集において、プログラムへの参加時に審査を行なうなど、規約を設けて参加手続面での管理を実施しております。また、参加時だけでなくその後も当社グループの社員がサイトの内容など規約の遵守状況を定期的にモニターする体制をとっており、規約に違反する行為が見られた場合には、警告や契約解除などの措置をとっております。
当社グループでは会員規約等により独自の基準を設けており、法令や公序良俗に反する広告及びパートナーサイトに掲載されているコンテンツを排除するように規制並びに管理をしております。また、当該規制の対象となる広告並びにパートナーサイトの内容については「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」等を念頭におき、広告主が運営するサイト並びにパートナーサイトの内容について定期的な確認を行い、当社グループの基準に反する広告コンテンツ等が存在している場合は、広告主並びにパートナーサイト運営者に対して警告を行い排除に努めております。当社グループが行なった警告に従わない場合は契約の解除等の対策を行なっております。
しかしながら、当社グループによる審査が行き届かない場合など広告主並びにパートナーサイト運営者が法令や公序良俗に反する広告や商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を継続する事により、当社グループの信用が低下し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(i)パートナーサイトの監視体制について
当社グループの主力事業であるインターネット広告事業において、パートナーサイトの品質管理のために、パートナーサイトの成果報酬の不正請求等の監視を実施しております。プログラムへの参加時に審査を行なうなど、規約を設けて参加手続面での管理を実施しているほか、その後も当社グループの社員がパートナーサイトの成果報酬に関する調査を定期的に行うことで不正請求を排除し、広告主とパートナーサイトを仲介するアフィリエイトサービスプロバイダーとしての信頼獲得に努めております。故意もしくは悪意により悪質な違反行為を行っていると判断される場合は、即時に契約解除することもあります。
しかしながら、当社グループによる監視が行き届かない場合や未知の不正が発生した場合などによりこれらの対応に漏れが生じ、不正が継続してしまった場合には当社の信用が低下し、また損害賠償を請求された場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(j)他社の知的財産権を侵害するリスクについて
アフィリエイト広告サービスというビジネスモデルについては、アマゾンドットコム社が米国において、自社運営型のアフィリエイト広告サービスについて特許権を取得しています。
また当社グループの調査によると、同業他社の関係者が日本国内において仲介型アフィリエイト広告サービスについての特許申請・取得を行っています。当社グループは、当該特許に関して調査を行い、その結果、当社グループが行っているサービスとは技術的に手法が異なる等の理由により、当該特許が当社の事業に与える影響はないと確信しております。
しかし万が一、当社グループの事業が当該特許に抵触すると判断された場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響及ぼす可能性があります。
②当社グループの事業体制について
(a)特定経営者への依存及び人材確保に係るリスクについて
当社グループでは、事業拡大に伴って優秀な人材の確保とその育成は重要な課題となっており、人材採用と人材育成に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、十分な人材確保が困難になった場合や、人材が外部に流出した場合には、当社グループの業務に支障をきたすおそれがあります。
また、当社グループでは、特定の人物に過度に依存しない体制を構築すべく経営組織及び技術スタッフの強化を図っておりますが、重要な役割を担う役職員が何らかの理由で退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合には、当社グループの事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(b)内部管理体制について
当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性を確保し、財務報告の信頼性を高め、さらに法令遵守を徹底することを目的に、社長直轄組織である社長室が内部監査を実施する等、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、財務報告に係る内部統制の評価(いわゆる日本版SOX法)への対応等での支障が生じる可能性や当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③その他
(a)投融資に係るリスクについて
当社グループでは事業方針に則り、インターネット関連の企業に対して投資を実施しております。これらの投資は、それぞれの投資先企業と当社グループとの事業上のシナジー効果等を期待して投資を実行しておりますが、投資先企業の今後の業績の如何によっては、これらの投資が回収できなくなることや減損適用による評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、今後の事業拡張や事業環境の大幅な変化に備えるため、手許流動性を比較的高い水準で維持しております。当社グループでは事業への投資の原資として運用資金を保有しているため、安全性の高い公社債等の金融商品を中心に投資を行っております。しかし、債券市場や株式市場等の金融市場の急激な変化、又は保有する公社債等の信用リスクの増大に伴い、当社グループが保有する金融資産に損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、当社連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が続く中、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済は、米中貿易摩擦の長期化による中国経済の減速、中東情勢の緊迫化による不確実性や金融資本市場の変動の影響等に留意が必要な状況となっております。
このような経済状況のもとで、当社グループの主要事業であるインターネットマーケティングサービス分野では、グローバルなプライバシー保護の高まりを受け、プラットフォーマーによるITP(※)の実装や検索アルゴリズムの変更など、広告を掲載するメディアの構造変化が起きております。
一方、インターネットユーザーの動画視聴時間の増加や今後の通信環境のさらなる高速化等もあり、動画広告市場の成長が見込まれております。
当連結会計年度において当社グループは、ITPへの継続的な対応や動画広告への取り組みを推進してまいりました。しかしながら、検索アルゴリズムの変更等の影響により売上高が減収となりました。
営業利益は、売上高固定費比率の上昇により減益となりました。経常利益は、前連結会計年度において営業外収益に投資事業組合運用益を計上したこと等により減益幅が拡大いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度においてシーサー株式会社を取得した際に発生したのれんについて減損損失を計上したこと等に伴い減益幅が縮小いたしました。
この結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高34,200,488千円(前期比3.2%減)、営業利益3,747,153千円(前期比11.0%減)、経常利益3,785,697千円(前期比13.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,488,514千円(前期比2.6%減)となりました。
※ ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは、iOS上の機能で、Safariブラウザが広告配信等を目的とする追跡用Cookieを識別すると一定期間後にCookieの利用制限等を行うことを言います。
当社グループは、当社グループの事業を、CPA型アドネットワーク事業、CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業、その他の各セグメントに分けておりますが、各セグメントの業績は、次のとおりであります。
a)CPA型アドネットワーク事業
当社グループは、主力サービスでありますアフィリエイト広告サービス「A8.net(エーハチネット)」、「seedApp(シードアップ)」等を提供しております。当連結会計年度においては、seedAppはブランドセーフティを意識した広告主からの引き合いが多く順調に拡大したものの、A8.netにおいては、ITPへの継続的な対応や検索アルゴリズムの変動による影響を受け、また、adcrops(アドクロップス)の事業撤退等によりCPA型アドネットワーク事業の売上高は減収となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は24,064,731千円(前期比3.7%減)、セグメント利益は4,336,991千円(前期比6.7%減)となりました。
b)CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業
当社グループは、主力サービスでありますスマートフォン向け運用型広告サービス「nend(ネンド)」及びリターゲティング広告配信サービス「nex8(ネックスエイト)」等を提供しております。当連結会計年度においては、ITPの実装によってCookieをベースにしたターゲティング広告に影響を与えnex8の事業撤退を行ったほか、前連結会計年度におけるオーバーレイ広告の配信停止の影響を現在注力している動画広告でカバーしきれず売上高は減収となりました。その結果、当連結会計年度の売上高は9,391,889千円(前期比2.1%減)、セグメント利益は696,010千円(前期比16.5%減)となりました。
c)その他
当社グループは、「Seesaaブログ(シーサーブログ)」を代表とするメディア事業等を展開しております。当連結会計年度においては、メディア事業の広告収入が低調に推移いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は743,867千円(前期比2.0%減)、セグメント損失は160,844千円(前期はセグメント損失171,035千円)となりました。
○ セグメント別の売上高の内訳
|
セグメントの名称 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
||||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
金額(千円) |
構成比(%) |
|||
|
CPA型アドネットワーク事業 |
24,986,622 |
70.7 |
24,064,731 |
70.4 |
||
|
CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業 |
9,594,911 |
27.2 |
9,391,889 |
27.4 |
||
|
その他 |
759,134 |
2.1 |
743,867 |
2.2 |
||
|
合計 |
35,340,668 |
100.0 |
34,200,488 |
100.0 |
||
なお、提出会社の主力サービスであるアフィリエイト広告サービスにおける当連結会計年度末の利用広告主数(稼働広告主ID数)、参加メディア数(登録パートナーサイト数等)は、下記のとおりであります
|
サービス |
区分 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
|
「A8.net (エーハチネット)」 |
稼働広告主ID数 |
3,491 |
3,468 |
|
登録パートナーサイト数 |
2,539,128 |
2,711,938 |
|
|
「nend(ネンド)」 |
稼働広告主ID数 |
314 |
267 |
|
登録パートナーサイト枠数 |
928,948 |
982,499 |
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は前連結会計年度末から1,373,631千円増加し23,970,606千円となりました。主な増加要因は、現金及び預金が832,942千円増加、有価証券が218,973千円増加したことによります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は前連結会計年度末から38,685千円減少し3,154,585千円となりました。主な減少要因は、投資有価証券が202,311千円減少したことによります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は前連結会計年度末から116,779千円増加し5,917,643千円となりました。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は前連結会計年度末から659千円増加し154,237千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は前連結会計年度末から1,217,506千円増加し21,053,310千円となりました。主な増加要因は、利益剰余金が1,049,091千円増加したことによります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は18,610,946千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,533,021千円の収入(前期より468,784千円の収入減少)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を3,676,794千円計上した一方、法人税等の支払額が1,216,337千円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、418,844千円の支出(前期より470,841千円の支出増加)となりました。主な要因は、事業譲受による支出が405,000千円、投資有価証券の取得による支出が715,769千円あった一方、投資有価証券の償還による収入が850,908千円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,285,040千円の支出(前期より814,645千円の支出減少)となりました。主な要因は、配当金の支払額が1,285,040千円あったことによります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前期比(%) |
|
CPA型アドネットワーク事業(千円) |
24,064,731 |
96.3 |
|
CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業(千円) |
9,391,889 |
97.9 |
|
その他(千円) |
743,867 |
98.0 |
|
合計(千円) |
34,200,488 |
96.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国で一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積もりは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、検索アルゴリズムの変動の影響等により、総売上高は34,200,488千円となりました。総売上高に占めるセグメントごとの売上高及び構成比は、CPA型アドネットワーク事業が24,064,731千円で70.4%、CPC/ターゲティング型アドネットワーク事業が9,391,889千円で27.4%、その他が743,867千円で2.2%となっております。
売上原価は26,225,676千円、売上総利益は7,974,811千円となりました。売上原価率が相対的に高いCPA型アドネットワークの売上比率上昇に伴い、売上原価率は76.7%となりました。
販売費及び一般管理費は4,227,657千円となりました。販売費及び一般管理費の主な内訳は給料1,417,718千円、販売手数料744,230千円、賞与引当金繰入額99,442千円であります。
経常利益は、3,785,697千円となりました。売上高経常利益率は11.1%となりました。
税金等調整前当期純利益は、特別利益に新株予約権戻入益47,781千円を計上した一方、特別損失に投資有価証券評価損113,822千円、減損損失を43,590千円計上したこと等により、3,676,794千円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,488,514千円となりました。これにより、売上高当期純利益率は7.3%となりました。1株当たり当期純利益は、32円85銭となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、財務の健全性や資本効率など最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本方針としております。また、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資等の長期資金の調達につきましては、自己資金を基本としております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。