第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、「創造と革新」を経営理念に掲げ、音と映像の事業を基軸としたプロ用AV&ITのトータル・ソリューション企業として、各事業部間及び子会社との相乗効果を高めるとともに、時代の変化を先取りして創造性を最大限に発揮できる体制を企業グループ全体で共有しながら、日々の改善・改革を実行し、事業の継続的な発展により、企業価値の最大化を目指してまいります。

当社グループは、顧客のニーズに、長年の実績により積上げてきたノウハウや技術力に裏打ちされた、信頼性の高い、安全で高品質の製品・商品・サービスを適正な価格で提供してまいります。

事業を拡大していくことで株主の皆様をはじめとしたすべてのステークホルダー(利害関係者)に満足していただくことが最善であるとの考えから、企業価値の最大化に向けて法令等を遵守しながら利潤を追求してまいりますが、社会への貢献や環境への配慮も重要なファクターと考えております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、経営の基本戦略として「ハニカム型経営」を推進しております。「ハニカム型経営」とは、音響、映像、音楽、ライブの領域でオンリーワン、ナンバーワンの企業が集まり、連携する仕組みをつくることによって、強い事業構造の構築を目指すものであります。

この基本戦略に基づき、当社グループは、2022年3月期を最終年度とする4ヵ年の中期経営計画「ビジョン2020」(2019年3月期~2022年3月期)に取り組んでおります。

中期経営計画「ビジョン2020」では、「ヒビノをグローバルブランドへ」をテーマとして掲げ、「既存事業領域の強化」と「新たな成長機会の創造」を実現すべく、M&Aを成長戦略の要として、東京オリンピック・パラリンピック需要の取り込み、業界トップの維持・シェア向上、ものづくり事業の強化、グローバル展開の強化、新規事業の開発という5つの経営課題に取り組みます。定量目標として、最終年度の連結売上高を500億円、海外売上高比率を15%と設定しております。また、長期定量目標として、連結売上高1,000億円、海外売上高比率30%を目指しております。

 

[中期経営計画「ビジョン2020」概要]

① 期間

2019年3月期から2022年3月期

② テーマ

ヒビノをグローバルブランドへ

③ 基本戦略

・「ハニカム型経営」を進化させる

・持続的成長に向けたイノベーションに挑戦する

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「ROA(総資産経常利益率)10%」等の経営指標を意識しながらも、各事業部及び子会社の事業内容の相違等を考慮し、グループ全体で認識の一致する「売上高」「営業利益」「経常利益」を尺度にしております。

独立採算制を採用していることで、各事業部及び子会社が目標として掲げた売上高、営業利益、経常利益を、責任をもって達成することにより、企業価値の最大化を図ってまいります。

 

(4) 経営環境

新型コロナウイルスによる世界的な危機に直面し、当社グループを取り巻く経営環境は極めて厳しい状況が続くものと見込まれます。東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、コンサートやイベントが中止・延期となる影響が生じており、コンサート・イベント業界は未曽有の危機に直面しております。再開時期は未知数であり、休止状態が長期化することも懸念されます。社会全体の経済活動が停滞した結果、当社グループの提供する製品、商品、サービスに対する需要が減少することも想定されるため、現時点において、当社グループの業績に与える影響度合いを見通すことが困難な状況であります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

「既存事業領域の強化」と「新たな成長機会の創造」を実現すべく、M&Aを成長戦略の要として、5つの経営課題に取り組みます。

 

① 東京オリンピック・パラリンピック需要の取り込み

本中期経営計画の最重要ミッションとして、全社をあげて推進してまいります。「2020ビジネス推進室」がプロジェクトを統括し、大会における大型映像・音響(PA)サービスや、競技施設等への映像・音響設備の販売を目指します。これまで培ってきたものづくり力や技術力、信頼のブランドを糧に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に貢献することで、グローバルブランド化への足がかりをつかんでまいります。

 

② 業界トップの維持・シェア向上

高付加価値でオンリーワンの製品・商品、技術を追求することにより事業基盤を盤石なものとし、新たなお客様価値創造につなげてまいります。音響、映像、照明に関連する隣接分野で多角化を進めるとともに、事業間シナジーの最大化を目指します。その一環として拠点を統合し、営業、物流、スタッフ機能、ITの最適化を図ります。

 

③ ものづくり事業の強化

研究開発体制を強化し、新技術を導入した高画質・高信頼性のLEDディスプレイ・システムの開発、音の「可視化」「予測」「識別」に関する新製品・サービスの開発に取り組みます。強みを活かした特長あるものづくりにより差別化されたポジションを獲得し、確固たるブランドを育成してまいります。

 

④ グローバル展開の強化

日本、アジア、北米、欧州の世界4極体制の確立に取り組みます。米国子会社は基礎固めに軸足を置き、海外拠点間の連携・協業も促進しながら有機的成長を目指します。併せて海外同業他社のM&Aを実施し、海外売上高比率の向上を図ってまいります。

 

⑤ 新規事業の開発

照明分野を音響、映像に次ぐ柱へと育成するとともに、ライブハウス運営事業の強化を図ってまいります。また、新たな成長機会を創造する専門部署「未来事業グループ」が中心となり、新規事業開拓、イノベーション活動を推進し、中長期でのグループ価値向上を目指します。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、経営への影響度と発生可能性等で評価を行い、対策すべきリスクの優先度を決定しております。これに基づき、優先度が特に高いリスクを「特に重要なリスク」、それ以外を「重要なリスク」としております。

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスクは「災害等の発生について」「安全について」の2項目であり、それ以外の重要なリスクと合わせ、計12項目を当連結会計年度末現在において主要なリスクと捉えております。

 

(1) 災害等の発生について

地震、津波、台風等の自然災害、火災、停電、感染症の拡大(パンデミック)、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

とりわけ、新型コロナウイルス感染症の拡大により、東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、コンサートやイベントが中止・延期となる影響が生じており、コンサート・イベント業界は未曽有の危機に直面しております。再開時期は未知数であり、休止状態が長期化することも懸念されます。社会全体の経済活動が停滞した結果、当社グループの提供する製品、商品、サービスに対する需要が減少することも想定されます。

他方、当社グループの主要な拠点において、これらの災害等が発生する場合には、当社グループの事業活動自体が困難になる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループは、災害・事故等の発生を防ぎ、また、万が一発生した場合の被害を最小限に抑えるため、リスク管理委員会を設置し、傘下の各実行委員会(安全管理委員会・防災管理委員会・交通安全管理委員会・衛生委員会)における活動を通じて各種対策を検討しております。具体的には、事業継続計画(BCP)の策定、大規模地震及び新型インフルエンザ発生時におけるマニュアルの整備、安否確認システムの導入、定期的な防災訓練、テレワークの推進等の対策を講じております。

新型コロナウイルス感染症に対しては、2020年2月26日付でヒビノGMC担当取締役を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を立ち上げ、従業員の健康と安全、並びに雇用の維持を最優先事項として対応を進めております。そのうえで、当面の方針として、①徹底した緊縮経営を前提とした「即効性のある収益改善策の実行」、②機動的な資金調達手段の確保と投資抑制による「十分な手元資金の確保」、③回復時、アフターコロナへの準備として「経営改革による未来収益の創造」の3点を優先順位の高い経営課題と位置づけております。

 

(2) 安全について

当社グループは、多数の施工現場、コンサート・イベント現場で業務を遂行しております。現場の安全確保に万全を期しておりますが、万が一、人身・施工物等に関わる重大な事故が発生した場合には、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループは、災害・事故等の発生を防ぎ、また、万が一発生した場合の被害を最小限に抑えるため、リスク管理委員会を設置し、傘下の各実行委員会(安全管理委員会・防災管理委員会・交通安全管理委員会・衛生委員会)における活動を通じて各種対策を検討しております。具体的には、現場におけるヒヤリハット事例の原因究明と共有、安全教育の実施、工事を担当する指定工事業者への教育や指導を通じて安全の確保に努めております。

 

(3) 景気変動について

当社グループの一部の事業は、日本国内の景気変動の影響を受けやすい傾向があります。企業の販売促進活動やその他のイベントは、景況に応じて広告宣伝費支出を増減させる企業が多いことから、開催数や規模が変動しやすい傾向にあります。また、景況感の悪化により企業の設備投資の抑制が進んだ場合や、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合、計画されていたプロジェクトが中止や延期となる可能性があります。

これらの影響により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループは、「ハニカム型経営」によって事業の多角化を図るとともに、特定の顧客に依存することなく、広範囲の業種にわたる顧客基盤を構築しております。また、海外売上高比率を30%にまで引き上げることを目標に、世界4極(日本、アジア、北米、欧州)での展開を進めることで、日本国内の景気変動リスクを最小限に抑えるよう努めてまいります。

 

(4) 海外ブランド商品の輸入代理店契約について

当社グループは、海外メーカーと輸入代理店契約を締結して国内における輸入販売権を取得しております。これらの契約内容はメーカーごとに異なりますが、メーカーとの間で最低仕入額を設けるケースが多くなっており、輸入実績がメーカーの希望する金額を下回った場合は次回の契約に影響が及ぶ可能性があります。また、商品の開発・生産等に関しては、メーカーの事情に影響されるため、新商品の発表や商品供給に対する大幅な遅延や、メーカーの商品戦略に当社グループが考えているものと大きな乖離が発生する可能性があります。また、買収・統合等によりメーカー側の経営方針等が転換した場合、代理店が変更される可能性があります。これらの要因により、仕入先の海外メーカーとの取引関係が継続困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループは、多数の優秀なブランドの輸入販売権を確保することで、特定仕入先への依存によるリスクを軽減しております。著名なブランドだけではなく、まだ国内での知名度は高くなくても優秀であると当社グループが見極めたブランドの輸入代理店契約締結を推進し、優れた商品を直輸入販売することで業績拡大に努めております。

なお、現在、当社グループと仕入先の海外メーカーとの取引関係は安定しており、今後も良好な関係を継続する方針であります。

 

(5) M&Aについて

当社グループは、音響、映像、音楽、ライブの分野でナンバーワン、オンリーワンの企業が集まり連携する仕組みをつくる「ハニカム型経営」の推進を目的として、積極的なM&Aを進めており、これを成長戦略の要と位置づけております。しかしながら、M&A後の事業環境の変化等により業績計画との乖離が生じる場合や、事業や人材等の統合が進まず期待するシナジー効果が得られない場合には、投下資本の回収に一定の期間を要する、または、回収ができない可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは、M&Aの実施に際しては、対象企業の財務、法務、事業等について詳細なデューデリジェンスを行い、リスクを検討し正常収益力を分析したうえで機関決定いたします。当社グループの経営戦略との整合性や将来における成長性、シナジー効果等についても、事前に十分に議論し進めるように努めております。

M&A後においては、シナジー実現に向けたフォローアップを行うとともに、業績が当初計画から大きく乖離していないかを月次で確認し、経営会議で報告しております。必要に応じて、関係部門は、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しております。

当社は、2020年3月31日現在において、国内11社、海外9社の連結子会社があり、うち、国内11社、海外4社はM&Aによる子会社であります。2019年3月期及び2020年3月期に実施したM&Aの寄与により、売上高が前連結会計年度と比べ約80億円増加し、連結業績に大きく貢献しております。

 

(6) 為替変動について

当社グループは、事業のグローバル化を推進しており、為替相場の変動は、外国通貨建ての売上高や仕入コストに影響を及ぼします。また、連結決算における海外連結子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループは、取引先企業との間で円建て等特定通貨による取引の交渉を進めるとともに、外貨通貨建て取引については、為替予約等のヘッジ取引により為替変動リスクの軽減に努めております。また、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時、経営会議に報告しております。そして、吸収できない為替変動に関しては、競合他社の動きも見つつ適切に売価反映を行うなど、関係部門は事業への影響を軽減する対策を講じております。

 

(7) コンプライアンスについて

当社グループは、事業活動を営むうえで、建設業法、製造物責任法、電気用品安全法、独占禁止法、下請法、労働基準法(その他 労務管理に関わる法令等を含む)等さまざまな法規制の適用を受けております。それらの法令の改廃、法的規制の新設・強化等が行われた場合、何らかの事情により法律に抵触する事態が生じた場合、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは、「ヒビノグループ行動規範」において法令を遵守することを定め、役員・従業員に対し研修等を通じて徹底を図っております。社内体制としては、代表取締役社長を委員長、全取締役を委員、全監査役をオブザーバーとする内部統制委員会を設置し、その機能を補完する下部組織であるコンプライアンス委員会に対して指示を行い、報告を求める仕組みとなっております。さらに、代表取締役社長直轄の内部監査室が子会社を含め内部監査を実施するとともに、内部通報制度を設置し、違法行為等の未然防止や早期発見に努めております。

 

(8) 情報管理について

当社グループは、事業活動において取引先企業等の機密情報や個人情報等を保有しております。これらの情報が人的及び技術的な過失や、違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があり、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社は、個人情報の保護に関する法律に則った個人情報保護方針並びに情報セキュリティ基本方針を策定し、役員・従業員に対し研修等を通じて徹底を図っているほか、プライバシーマークの認証取得等により情報管理の強化に努めております。

 

(9) 資金調達について

当社グループは、事業活動に必要な資金調達を、金融機関からの借入等により行っております。金融市況及び景気動向の急激な変動があった場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループは、調達時の金利情勢、外部マクロ環境、当社グループの状況等を総合的に勘案し、資金調達を実施することとしております。また、金融機関との良好な関係を維持し、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、資金調達先及び期間の適度な分散等に努めております。

 

(10) 競合について

当社グループは音響と映像を中心とした製品、商品、サービスを多様な市場に提供しており、他の業務用音響・映像機器メーカーや、コンサート・イベントの音響サービス、大型映像サービス会社をはじめ、さまざまな企業と競合しております。今後、さらなる価格競争の激化や、当社グループよりも顧客のニーズに合った製品、商品及びサービスを提供できる企業が新たに台頭してくることも否定はできません。また、経済のグローバル化に伴い、欧米等先進国の企業だけでなく新興成長国の企業との競争も激化しつつあります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

電気音響・施工事業及び映像製品の開発・製造・販売事業においては、競合他社との間で品質や機能・性能を含むさまざまな要素で競争しており、特に近年は、低価格化競争が激化しております。これらに対し、当社グループは、音と映像をコアとしたトータル・ソリューションの提供、顧客サービスの向上等によって競合他社との差別化を図り、競争力を維持・強化しております。

また、コンサート・イベントサービス事業においては、最新鋭かつ大量の機材を保有して競合他社との差別化を図るべく積極的な設備投資を実施しておりますが、今後、急速な技術革新により保有機材が陳腐化する可能性や、機材のコモディティ化、低価格化が進行した結果、機材での差別化が困難になる可能性があります。これらに対し、当社グループは、技術力やノウハウといった強みを生かすことはもとより、付加価値を生み出す源泉を機材等の有形資産から人的資産へとシフトするビジネスモデル変革を進めております。

 

(11) 技術革新について

当社グループの属する業務用音響・映像業界においては、技術の進化及び変化が著しく、当社グループが競争力を維持するためには、急速な技術革新に適時に対応していく必要があります。しかしながら、技術や市場ニーズの変化の読みと対応が遅れた場合、重点技術領域を強化するために必要な人材確保を含め適切な資源投下ができなかった場合などにおいては、当社グループの製品、商品、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応が可能な場合であったとしても、研究開発等に多額の費用が発生する可能性があります。かかる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

これらに対し、当社グループでは、常に最新のソリューションを顧客に提供するため、最新の技術情報を把握し、将来における顧客ニーズや業界トレンドを予測して、新しい技術への投資と事業化を継続的に行っております。

また、2018年より、代表取締役社長を責任者とする「ヒビノ・イノベーション活動」(新アイデア提案制度)を開始しております。アイデアから事業化までのプロセスの構築と体制整備を行うことで、新規事業のスピーディーな開発を可能としております。

 

(12) 人材の確保について

当社グループの持続的な成長を可能とするためには、多様で優秀な人材の確保が欠かせません。たとえば、当社グループが提供する音響・映像機器のオペレートや、システム設計、メンテナンス等においては、専門的な知識や技術、ノウハウが要求されます。

一方で、少子高齢化の到来、ESG経営、わが国が推進するSociety 5.0社会といった潮流の中で、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。大きな環境の変化を先取りし、各分野、とりわけデジタル分野で高度な専門性を持つ人材や、変化を先導するリーダーの確保・育成が計画どおりに進まない場合、また、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

当社グループでは、新卒社員の採用を強化するともに、高度な専門性を持つ人材の中途採用を進めております。また、教育研修の実施や自己啓発推進制度の導入により成長に資する機会を提供するとともに、評価制度の充実、社内表彰制度の運用、ワークライフバランスを支える各種制度の整備、健康増進支援等の施策により、従業員がいきいきと働き、最大限の能力を発揮できるよう、環境整備に努めております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1) 財政状態

当連結会計年度末の資産につきましては、33,384百万円となり、前連結会計年度末と比べ862百万円増加しました。これは仕掛品及びのれんが増加したことが主な要因であります。

負債合計につきましては、23,101百万円となり、前連結会計年度末と比べ614百万円増加しました。これは支払手形及び買掛金並びに前受金が増加したことが主な要因であります。

純資産合計につきましては、10,283百万円となり、前連結会計年度末と比べ248百万円増加しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の利益剰余金への計上が主な要因であります。

 

(2) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、当連結会計年度の終盤にかけて景気は急速に悪化し、先行きについても極めて厳しい状況が続くものと見込まれます。

このような状況のもと当社グループ(当社と連結子会社20社)は、中期経営計画「ビジョン2020」において、音響、映像、音楽、ライブの分野でナンバーワン、オンリーワンの企業が集まり、連携する仕組みをつくる「ハニカム型経営」に取り組んでおります。

この基本戦略に基づき、第1四半期には、ホールやスタジオの建築音響、商業施設や事業施設の防音対策及び鉄道や道路の騒音に対する防音対策に強みを持つ日本板硝子環境アメニテイ株式会社(現 日本環境アメニティ株式会社)を連結子会社化いたしました。また、第3四半期には、連結子会社であったスチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社を経営資源の集中と効率化の観点から吸収合併した一方で、グローバル展開を加速するため、欧州地域の統括会社として、オランダ王国にHibino Europe B.V.を設立いたしました。さらに、第4四半期には、展示会や企業イベント等の大型映像サービスを展開する株式会社シグマ映像を連結子会社化するなど、成長戦略を着実に実行しております。

当連結会計年度における2020年1月までの業績は、2019年10月30日に公表しました修正予想数値に対して、事業ごとにばらつきはあるものの、ほぼ計画どおりに推移いたしました。M&Aによる事業拡大に加え、東京オリンピック・パラリンピック関連や東京都内・地方主要都市の再開発需要、コンサート・イベント需要の拡大を追い風に、順調な進捗を示しておりました。しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大多数のコンサート・イベントが中止・延期となりました。当社グループの主たる収益源であるコンサート・イベントサービス事業において需要の著しい減少に見舞われたことから、売上高は前連結会計年度と比べ増加いたしましたが、営業利益及び経常利益は減少いたしました。

また、当社の連結子会社であるH&X Technologies, Inc.が固定資産に計上している事業用設備(LEDディスプレイ・システム)について、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要の急減等により収益性が悪化したため、資産の健全化を目的として、固定資産の減損損失107百万円を特別損失に計上しております。

これらの結果、売上高40,825百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益1,267百万円(同11.4%減)、経常利益1,428百万円(同17.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益694百万円(同28.8%減)となりました。

なお、2019年2月28日に行われたTLS PRODUCTIONS,INC.との企業結合について、前連結会計年度に暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による影響を反映した後の金額を用いております。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度よりセグメントの区分方法及び名称を変更しております。また、セグメント別の利益の算定方法の変更を行っております。業績における前年同期比較については、前年同期の数値を変更後の区分方法、名称及び算定方法に組み替えて比較しております。

 

[電気音響・販売施工事業]

電気音響・販売施工事業は、市場や事業を取り巻く外部環境が大きく変化する中、連結子会社であったスチューダー・ジャパン-ブロードキャスト株式会社を経営資源の集中と効率化の観点から吸収合併いたしました。

売上高は、Sama Soundグループ及び株式会社テクノハウスの通期連結等により前連結会計年度を上回りました。しかしながら、前連結会計年度と比べ大型案件が減少したことや、工事の遅れにより検収が翌期に遅延した案件が発生するなど、一部の低調さが影響し、利益は前連結会計年度を下回りました。

これらの結果、売上高16,229百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益342百万円(同55.0%減)となりました。

 

[建築音響・施工事業]

建築音響・施工事業は、日本環境アメニティ株式会社の新規連結により、売上高は前連結会計年度を上回りました。東京都内・地方主要都市の再開発や放送局の建て替えなど、大型案件が集中したことに加え、これらの大型案件で特に高い利益率を確保できたことから、のれん償却額が増加したものの、利益が大幅に増加いたしました。

これらの結果、売上高8,871百万円(前年同期比77.7%増)、セグメント利益909百万円(同146.8%増)となりました。

 

[映像製品の開発・製造・販売事業]

映像製品の開発・製造・販売事業は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設整備や都市圏の再開発事業の増加、また、すでにLEDディスプレイ・システムを導入している施設等でのリプレイス需要を背景に、国内市場は拡大基調で推移いたしました。

このような状況のもと、東京オリンピック・パラリンピック関連施設や公営競技場、オフィスビル、東京都内の再開発等を手掛け、売上高及び利益は前連結会計年度を上回りました。

これらの結果、売上高2,012百万円(前年同期比2.5%増)、セグメント利益231百万円(同101.0%増)となりました。

 

[コンサート・イベントサービス事業]

コンサート・イベントサービス事業は、コンサート市場が引き続き好調に推移したことに加え、大型国際会議やラグビーワールドカップ2019日本大会、東京モーターショー等の大規模な国際行事が開催され、これらの特需案件を確実に獲得したことから、売上高が伸長いたしました。

しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、大多数のコンサート・イベントが中止・延期となりました。当連結会計年度における2020年1月までの業績は、ほぼ順調に推移いたしましたが、2月、3月の落ち込みが大きく、特に深刻な影響が及んだアメリカ子会社では、損失が拡大いたしました。

これらの結果、売上高13,180百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益1,052百万円(同20.2%減)となりました。

 

[その他の事業]

その他の事業は、業務用照明機器の販売、システム設計・施工・メンテナンスを行っております。

売上高531百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益40百万円(同59.6%増)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度に比べ2,056百万円減少し、2,718百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は6,724百万円(前年同期比267.6%増)となりました。
  資金の主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益1,339百万円の計上及び減価償却費2,740百万円、売上債権の減少額2,877百万円並びに前受金の増加額1,818百万円であります。また、主な減少要因としては、たな卸資産の増加額1,616百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は5,766百万円(前年同期比31.9%増)となりました。
  資金の主な減少要因としては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,323百万円及び有形固定資産の取得による支出3,400百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は2,976百万円(前年同期は4,696百万円の資金獲得)となりました。
  資金の主な減少要因としては、短期借入金の純減額3,367百万円及び長期借入金の返済による支出2,395百万円であります。また、主な増加要因としては、長期借入れによる収入3,300百万円であります。

 

生産、受注及び販売の実績

    (1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

電気音響・販売施工事業

         (千円)

2,487,498

129.6

建築音響・施工事業

         (千円)

5,172,747

155.3

映像製品の開発・製造・販売事業

          (千円)

979,604

164.3

合計          (千円)

8,639,850

147.8

 (注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業の金額は、一部の国内連結子会社における当期完成工事高を記載しております。

2.映像製品の開発・製造・販売事業の金額は、製造原価によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電気音響・販売施工事業

4,479,951

117.2

1,241,269

145.0

建築音響・施工事業

6,943,596

111.7

3,638,511

64.4

映像製品の開発・製造・販売事業

2,173,909

167.5

1,660,169

399.1

合計

13,597,457

119.9

6,539,950

94.4

 (注)1.電気音響・販売施工事業及び建築音響・施工事業は、一部の国内連結子会社における建設工事に限定しております。

2.映像製品の開発・製造・販売事業の受注実績は、特注品を対象にしております。

(3) 商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

電気音響・販売施工事業

         (千円)

4,411,598

101.8

映像製品の開発・製造・販売事業

                  (千円)

573,422

121.0

その他の事業   (千円)

320,062

82.0

合計          (千円)

5,305,084

102.1

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

電気音響・販売施工事業

         (千円)

16,229,793

109.5

建築音響・施工事業

         (千円)

8,871,307

177.7

映像製品の開発・製造・販売事業

                  (千円)

2,012,651

102.5

コンサート・イベントサービス事業

                   (千円)

13,180,787

113.2

その他の事業   (千円)

531,282

107.3

合計        (千円)

40,825,821

120.4

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において分析、判断したものであります。

 

(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして経営陣は、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務等の開示に関連した種々の見積りを行っております。これら見積りにつきましては過去の実績や状況を勘案した合理的な仮定に基づき判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況の1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、当社は次のものを連結財務諸表作成における重要な見積り項目と考えております。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は、「第5経理の状況」の連結財務諸表及び財務諸表の「注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

① 完成工事高及び完成工事原価の計上方法

     当社グループは、工事契約に関して、成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用し、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用に当たっては、工事収入総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積もっており、工事の進捗部分については成果の確実性が認められるものと判断しております。

② のれん

     当社グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。

(2) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 売上高及び売上総利益

当連結会計年度における2020年1月までの業績は、M&Aによる事業拡大に加え、東京オリンピック・パラリンピック関連や東京都内・地方主要都市の再開発需要、コンサート・イベント需要の拡大を追い風に、順調な進捗を示しておりました。しかしながら、2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、流通商品の販売が鈍化し、大多数のコンサート・イベントが中止・延期になりました。

 これらの結果、売上高は40,825百万円(前年同期比20.4%増)、売上総利益は13,701百万円(同24.8%増)となりました。

② 営業損益、経常損益

営業利益については、連結子会社の増加による販管費の増加及び新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループの主たる収益源であるコンサート・イベントサービス事業において需要の著しい減少に見舞われたことから前連結会計年度に比べ減少いたしました。経常利益については、為替差損78百万円の計上等により前連結会計年度と比べ減少しました。

 これらの結果、営業利益は1,267百万円(前年同期比11.4%減)、経常利益は1,428百万円(同17.2%減)となりました。

③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損益

  当社の連結子会社であるH&X Technologies, Inc.が固定資産に計上している事業用設備(LEDディスプレイ・システム)について、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う需要の急減等により収益性が悪化したため、資産の健全化を目的として、固定資産の減損損失107百万円を特別損失に計上しております。

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は694百万円(前年同期比28.8%減)となりました。

 

(3) 経営成績等に重要な影響を与える要因について

 経営成績等に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に詳述したとおりであります。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

 経営戦略の現状と見通しは、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に詳述したとおりであります。

 

(5) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① キャッシュ・フロー

  当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に詳述したとおりであります。

 

② 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金であります。設備(機材)投資資金は、最新鋭かつ大量の機材を保有し他社との差別化を図るために欠かすことの出来ないものです。また運転資金としては、売上債権の入金時期と仕入債務の支払時期に差異が出るため、一定の資金を常に保有しておく必要があります。

 

③ 財務政策

 当社グループは、運転資金、子会社取得に要する資金及び設備投資資金について、必要に応じて借入による資金調達を行っております。運転資金につきましては、貸出コミットメント契約を締結し機動的な調達を行なっております。子会社取得に要する資金及び設備投資資金につきましては、長期借入金による調達を行っております。また、グループ全社資金の効率化を図るため、資金余剰状態にある子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している子会社に貸出を行うグループファイナンスを実施しております。

 なお、貸出コミットメント契約の締結につきましては以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、借入先の請求に基づき、借入金を一括返済することがあり(複数ある場合は、条件の厳しい方を記載しております。)、当社グループの財政状態、経営成績及び信用に影響が及ぶ可能性があります。

  ①各年度及び第2四半期の決算期末日において、貸借対照表(連結及び個別)における純資産の部の金額を、前年度決算期末日における純資産の部の合計額の80%以上に維持すること。

 ②各年度及び第2四半期の決算期末日における、損益計算書(連結及び個別)の営業損益及び経常損益においてそれぞれ損失を計上しないこと。

 なお、当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しておりません。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループを取り巻く経営環境は、技術革新や社会インフラ整備の進行により日々変化し続けております。

  当社グループの経営陣は、当社グループを「仕事にこだわりを持つ、技術力を背景にした信頼度の高いプロ集団」と位置づけ、グループ全体でヒビノブランドの知名度拡大・浸透を図りながら、プロ用AV&IT業界の牽引役になれるよう法令等の遵守のもと改善・改革を推し進め、時代の変化を先取りして創造性を十二分に発揮することで事業を継続的に発展させ、企業価値の最大化を目指してまいります。

  とりわけ、電気音響・販売施工事業においては、すでに品質の良さを認知されている著名なブランドだけでなく、国内での知名度は高くなくても当社グループが品質等に関して優秀であると見極めたブランドについても輸入販売権を確保することで、より一層の業績拡大を図ってまいります。

 LEDディスプレイ・システムを中心とした映像製品の開発・製造・販売事業においては、高品質・高精彩によって世界的な評価を得ている当社製LEDディスプレイ・システムの性能をさらに高めることやコンサート・イベントサービス事業との連携を強化すること等により、事業基盤を拡充してまいります。また、さらなる「ものづくり」事業の強化に向けて、LED関連のオリジナル製品や、市場ニーズを先取りした製品の研究開発に注力するとともに、製造面で一層のコストダウンを図り収益性を高めてまいります。

 さらにM&Aや業務提携による事業分野の拡大を進めるとともに、グループ全体の連携、共同事業の拡大、業務の効率化にも努めてまいります。

 グループ経営に関しては、引き続き内部統制体制を強化しつつ、リスク管理の徹底、公正な経営の推進ならびに透明性の確保によりコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、「創造と革新」を経営理念に掲げ、音と映像の事業を基軸としたプロ用AV&ITのトータル・ソリューション企業として、当社グループの持続的な成長の牽引力となるよう取り組んでおります。

 

  当社グループは、レンタルシステムや常設型システム等の研究開発をしております。

(1)レンタルシステム

 当社製LEDディスプレイ・システムを多数採用することによりクライアント等から好評を博しているコンサート・イベントサービス事業は、当該システムの広告塔にしてかつ最大のユーザーでもあることから、セグメントの枠を超えた厳しい要求や意見が非常に有効な助言となり製品開発はもちろん、効率的な研究開発の一助となっております。

  (2) 常設型システム

  あらゆる設置条件に最適な提案が行えるトータル・ソリューションシステムと同時に軽量、シンプルかつ堅牢で厳しい環境下においても耐久性に優れた全天候対応型構造について研究開発しております。

 

 当連結会計年度における研究開発費の総額は450百万円となっております。なお、当社グループの行っている研究開発活動は、概ね各セグメントに共通するものであり、セグメントに関連づけての記載は行っておりません。

 

 現在の主な研究開発テーマは、以下のとおりであります。

(1)より高精彩な、より臨場感あふれる「空間の演出に相応しい」LED表示装置

(2)高精彩(色調補正・輝度補正)の最適化

(3)LED表示装置用の映像信号変換装置及びLEDプロセッサーの操作性・利便性の向上

(4)現状の色再現性を超える次世代向けLED表示装置

(5)LEDを使用した表示装置以外の応用製品

 

(注) LED(エルイーディー): Light Emitting Diode(発光ダイオード)

   プロセッサー: Processor(映像信号制御装置)