第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における業績につきましては、売上高は1,934,535千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は125,550千円(前年同期比4.7%増)、経常利益は125,248千円(前年同期比4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は62,024千円(前年同期比7.1%減)となりました。

連結業績概要

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

対前年同期

(千円)

(千円)

差額

(千円)

増減率

(%)

売上高

1,851,795

1,934,535

82,740

4.5

営業利益

119,929

125,550

5,621

4.7

経常利益

120,332

125,248

4,915

4.1

親会社株主に帰属する当期純利益

66,788

62,024

△4,764

△7.1

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。なお、各業績数値は、セグメント間の内部取引消去前の金額で記載しております。

①クラウドソリューション事業

当連結会計年度においては、引き続き当社のコア事業であるクラウドサービス(拡販サービス)の新規顧客の開拓活動及び既存顧客へのフォローアップ営業活動に注力してまいりました。

クラウドサービスの開発につきましては、「ESいい物件One賃貸」、「賃貸管理機能」、「ESいい物件One売買」、「ESいい物件Oneウェブサイト」に対する機能拡充及び機能改善に係る以下のような追加開発を継続的に実施いたしました。

・エンドユーザー追客支援及びスケジュール管理強化等の営業支援機能に関する拡充開発

・当社拡販サービスのモバイルデバイス対応充実

・不動産売買における成約事例のデータベース化と不動産物件売却価格算定業務に関する支援機能の追加開発

 

この「ESいい物件One」につきましては、特定非営利活動法人ASP・SaaS・クラウドコンソーシアムが主催し、総務省が後援団体として参加する「第9回 ASPIC クラウドアワード2015」におきまして、「社会・業界特化系グランプリ」を受賞いたしました。これは、当社の主力サービス「ESいい物件One」が社会に有益なクラウドサービスであり、不動産取引に特化したクラウドサービスにおいて最も優れたサービスとして社会的にも評価された結果と受けとめております。

また、不動産会社がエンドユーザーに対して行う宅地建物取引に関する「重要事項説明」は、不動産取引における重要な業務の一つでありますが、平成27年8月31日より当該業務のIT化(TV会議システム等の活用)に向けた社会実験(平成29年1月末日終了予定)が開始されました。当社といたしましても当社顧客となる不動産会社に対するセミナー等を開催し、当社サービスを活用した重要事項説明のIT化対応について利便性を訴求するとともに、実験に参加する不動産会社へのサポートを行い、販促活動に取り組んでまいりました。当社グループにおきましては、将来の不動産取引の電子化推進を見据えて、NTTアイティ株式会社と業務提携契約を締結し、新サービスの共同開発等に取り組む予定です。

なお、社内体制面では、取締役会の監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図る観点から、平成27年6月26日開催の第16期定時株主総会におきまして社外取締役を新たに4名選任し、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。

 

(ⅰ)売上高

クラウドサービスにつきましては、主力の不動産物件情報管理データベース・システムである「ESいい物件One」(「ESいい物件One賃貸」並びに「賃貸管理機能」、「ESいい物件One売買」及び「ESいい物件Oneウェブサイト」)を始め、不動産広告媒体向けデータ変換・入稿システム(コンバート・システム)等の当社拡販サービスの全国規模での営業及び販促活動に注力してまいりました。また、上記サービス以外の既存サービスを利用されている顧客に対しても「ESいい物件One」へのアップグレードを促進しており、順次移行を進めてまいりました。これにより、クラウドサービスの顧客数は当連結会計年度末時点で1,266法人(前連結会計年度末時点で1,245法人)となり、売上高は1,829,997千円(前年同期比6.6%増)となりました。

クラウドサービスにおける拡販サービス月次売上高は1,625,503千円(前年同期比8.8%増)、全売上高に占める割合は84.1%(前年同期80.7%)となりました。クラウドサービスにおける拡販サービスが当社の成長の柱であり、一過性の売上に頼らない、安定的な月次料金収入を中心とする売上構造の確立を今後も進めてまいります。

また、クラウドサービス顧客平均月額単価(※)については、1月実績約123,500円/法人、2月実績約123,600円/法人、3月実績約122,800円/法人となりました。

(※)「当月のクラウドサービス売上高」を「当月のクラウドサービス顧客数」で除した数値で、100円未満を切捨てにしております。

アドヴァンスト・クラウドサービスにおいては、「Yahoo!不動産」賃貸物件情報掲載に関する広告取次業務の手数料収入が若干減少したものの、システム受託開発については案件の選択と集中を進める中で受託開発売上が概ね期初予想どおりに推移いたしました。その結果、アドヴァンスト・クラウドサービス全体の売上高では68,026千円(前年同期比30.8%減)となりました。

ネットワーク・ソリューションにおいては、既存の受託運用サービスが前年並みに推移し、売上高は35,981千円(前年同期比0.0%増)となりました。

(ⅱ)売上原価

主に前連結会計年度以前及び当連結会計年度に導入したサーバ設備、システム基盤及び自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)に係る減価償却費、サーバ及びソフトウェアの保守費用並びにデータセンター運用費用等のシステム管理に係る費用等が増加いたしました。その結果、売上原価は704,198千円(前年同期比5.2%増)となりました。

当連結会計年度に自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)については、製造原価からソフトウェア仮勘定(資産科目)へ振替を行っており(完成・リリース時点でソフトウェア勘定に計上)、その振替額は328,849千円(前年同期比9.9%減)となっております。

(ⅲ)販売費及び一般管理費

賞与等の人件費の増加をはじめ、前述した「IT重説セミナー」などの開催等による販売促進費等営業経費が計上されました。また、社内で利用するシステムについてはクラウド環境への移行を推進しており、そのための修繕費用や通信費等が前年同期に比べて増加いたしました。その結果、販売費及び一般管理費は、1,108,226千円(前年同期比4.0%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度におけるクラウドソリューション事業の売上高は1,934,005千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は121,580千円(前年同期比4.2%増)となりました。

クラウドソリューション事業の品目詳細別売上高の概況は以下のとおりであります。

品目詳細

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

対前年同期

売上高(千円)

構成割合(%)

売上高(千円)

構成割合(%)

差額(千円)

増減率(%)

クラウドサービス

1,717,290

92.8

1,829,997

94.6

112,706

6.6

 

拡販サービス(注)1

1,551,660

83.8

1,697,402

87.8

145,742

9.4

 

 

初期

57,801

3.1

71,898

3.7

14,097

24.4

 

 

月次

1,493,859

80.7

1,625,503

84.1

131,644

8.8

 

拡販サービス以外(注)2

165,630

9.0

132,594

6.8

△33,035

△19.9

 ネットワーク・ソリューション

35,971

1.9

35,981

1.9

9

0.0

アドヴァンスト・クラウドサービス

98,303

5.3

68,026

3.5

△30,277

△30.8

 

広告関連サービス

30,165

1.6

23,242

1.2

△6,922

△22.9

 

受託開発

68,138

3.7

44,784

2.3

△23,354

△34.3

 合計

1,851,566

100.0

1,934,005

100.0

82,439

4.5

(注)1. 拡販サービス  拡販することを前提とした標準型システム・アプリケーションの月額利用料等。

2. 拡販サービス以外拡販サービスをベースに、個々の顧客仕様に受託開発したシステム・アプリケーションの月額利用料等。

 

平成28年3月期におけるクラウドサービスの顧客数の推移は以下のとおりであります。

(単位:法人数)

 

平成27年

 

4月

5月

6月

7月

8月

9月

顧客数

1,245

1,246

1,254

1,242

1,256

1,256

 

 

平成27年

平成28年

 

10月

11月

12月

1月

2月

3月

顧客

1,259

1,269

1,280

1,274

1,267

1,266

 

平成28年3月期におけるクラウドサービスの1社あたり顧客平均月額単価の推移は以下のとおりであります。

(単位:円)

 

平成27年

 

4月

5月

6月

7月

8月

9月

平均月額単価

116,700

117,800

119,000

118,500

122,200

119,400

 

 

平成27年

平成28年

 

10月

11月

12月

1月

2月

3月

平均月額単価

122,900

124,000

121,800

123,500

123,600

122,800

 

(注)「当月のクラウドサービス売上高」を「当月のクラウドサービス顧客数」で除した数値で、100円未満を切捨てにしております。

 

平成27年4月~平成28年3月における「ESいい物件One」(賃貸・管理・売買・ウェブサイト)の顧客数の推移は次のとおりであります。「ESいい物件One」は当社主力サービスであり、新規顧客獲得に向けた営業活動は、「ESいい物件One」に集中しております。また「ESいい物件One」リリース以前の既存サービスをご利用いただいている顧客も、より多くの新しい機能を活用いただくために、最終的には全て「ESいい物件One」に移行させていただく予定にしております。

(単位:課金開始済サービス提供件数、法人数)

ESいい物件One

平成27年

平成28年

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

賃貸

(募集)

新規

237

241

251

253

267

273

285

304

315

322

323

322

移行

242

249

261

276

288

297

300

311

321

334

340

340

賃貸(募集)合計

479

490

512

529

555

570

585

615

636

656

663

662

One

管理

新規

88

92

104

101

110

111

114

120

125

126

126

122

移行

82

86

94

105

107

114

114

120

121

123

127

127

One管理合計

170

178

198

206

217

225

228

240

246

249

253

249

売買

新規

140

148

153

152

158

161

164

167

175

177

177

180

移行

80

83

84

85

91

94

95

97

101

103

107

106

売買合計

220

231

237

237

249

255

259

264

276

280

284

286

ウェブ

サイト

新規

256

265

272

274

283

290

301

323

335

343

345

344

移行

216

221

230

243

258

268

271

281

290

298

305

305

ウェブサイト合計

472

486

502

517

541

558

572

604

625

641

650

649

法人数

623

643

669

688

721

741

760

794

820

840

849

848

(注)1.移行とは、ご利用中の既存サービスから「ESいい物件One」へ移行された件数を表示しております

また、上記数値には、無料版の提供数は含まれておりません

2.「One 賃貸(管理オプション)」、「One 賃貸(専任管理)」及び「One 賃貸(家賃管理)」については、合計した件数を「One 管理」として表示しております

②不動産事業

当社の100%子会社である株式会社いい生活不動産については、主に当社従業員向けの福利厚生サービス(住宅紹介支援サービス等)、不動産の売買仲介及び賃貸仲介を中心とした事業運営をしてまいりました。

当連結会計年度においては、売上高は4,581千円(前年同期比21.6%増)、営業利益は3,250千円(前年同期比29.2%増)となっております。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、625,012千円(前連結会計年度の資金期末残高は564,942千円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、当連結会計年度において508,510千円の増加(前年同期586,496千円の増加)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益110,511千円及び減価償却費470,861千円等であり、主な支出は、法人税等の支払額59,377千円、消費税の納付に伴う未払消費税等の減少額40,851千円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、当連結会計年度において369,789千円の減少(前年同期405,281千円の減少)となりました。収入の要因は、敷金及び保証金の償還による収入227千円であり、支出の要因は、有形・無形固定資産の取得による支出357,562千円、敷金及び保証金の差入による支出12,453千円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、当連結会計年度において78,651千円の減少(前年同期62,619千円の減少)となりました。支出の要因は、ファイナンス・リース債務の返済による支出54,058千円、配当金の支払額24,592千円であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループのクラウドソリューション事業におけるアドヴァンスト・クラウドサービスは、受注生産であるため、当該品目に係る生産実績はその販売実績と一致しております。従って、当該品目に係る生産実績に関しては販売実績の欄を参照してください。

(2)受注状況

 当連結会計年度のクラウドソリューション事業における受注実績を品目別に示すと、次の通りであります。

品目

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

アドヴァンスト・クラウドサービス

63,761

70.9

5,360

55.7

(注)1.金額は販売金額で表示しており、消費税等は含まれておりません。

    2.アドヴァンスト・クラウドサービスに係る受注の状況を記載しております。

(3) 販売実績

 当連結会計年度のクラウドソリューション事業における販売実績を品目別に示すと、次の通りであります。

品目

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

クラウドサービス (千円)

1,829,757

106.6

アドヴァンスト・クラウドサービス (千円)

68,026

69.2

ネットワーク・ソリューション (千円)

35,981

100.0

合計(千円)

1,933,765

104.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

わが国の経済及び情報サービス業界においては、重要なITインフラであるインターネットの普及やインターネット利用者の増加を背景に、インターネット周辺の様々な分野で新たなビジネスチャンスが創出されつつあります。このような環境のもと、当社グループの課題としては、主に以下の4項目を認識しております。

(1)成長の原動力としての人材の確保・育成

 当社グループは顧客の問題を解決するITソリューションを提供しており、今後顧客基盤及び事業規模を一層拡大していくためには、優秀な人材こそが最重要経営資源であります。優秀な人材の採用及び教育による早期戦力化は、当社グループのような成長ステージの企業にとって最重要課題であり、継続的な採用活動及び社内教育体制の整備に努め、今後の事業拡大局面において、機動的かつ迅速な事業展開を行い得る組織体制の整備に取り組んでまいります。

(2)クラウドサービスの拡大に伴う取り組み

当社グループは、受注状況に収益が左右されやすいフローの要素であるアドヴァンスト・クラウドサービスの受託開発部分の売上高に占める割合を高めていくのではなく、当社グループが主力サービスと位置づけるストック要素であるクラウドサービスの売上高に占める割合を、不動産物件情報管理データベース・システムの拡販を通じて、高めていくことで、より安定的な収益構造を築いてまいります。

現在、中期目標であるクラウドサービス顧客数5,000社に対応可能となる設備投資及び社内体制の整備についてはほぼ完了しており、今後は、各拠点(大阪支店、福岡支店及び名古屋支店)をはじめとした全国規模の拡販強化とそれを支えるための営業体制の強化を推進していくことで、クラウドサービスの拡大を実現し、増収増益を目指してまいります。

(3)新サービス開発への取り組み

当社グループは、不動産市場向けシステム・アプリケーションをクラウドサービスとして提供する企業として競争力を維持向上させていくために不動産会社のニーズに対応した新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。

これら新サービスを既存顧客への追加サービスとして追加契約を積み増していくこと(顧客単価増進)に加え、新規顧客の積極的な契約獲得をすること(顧客数増進)により、営業活動を推進していく所存であります。今後も不動産業界のシステムニーズをくみ取り、タイムリーにサービス開発に生かしていくことで、付加価値の高いクラウド型システム・アプリケーションを提供していく所存であります。

当社グループでは、「クラウド・コンピューティング」にいち早く取り組んできた企業として、かねてよりクラウドサービスとして自らが提供するITサービスの可用性、継続性(つまり、お客様にとって便利で使いやすい最新のサービスがいつでも利用可能であること)を確保・維持するための対策を講じることは極めて重要な責務であると認識し、ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の構築とその運用に努めてまいりました。当社は「ISO/IEC20000-1」認証を取得したことで、当社のITサービスマネジメントにおいて、適切かつ厳格な管理体制が整っていることが公的に評価されたことになりますが、今後もお客様へサービス提供を行う企業として、サービス内容についてお客様にご満足いただけるよう、当社「ITサービス基本方針」に基づき、ITSMSの改善を続けていくと同時に、第三者視点を取り入れたサービス品質の向上を継続的に実施してまいります。

(4)機密情報管理に対する取り組み

顧客へのシステム・アプリケーションの提供にあたり、個人情報及び顧客情報、機密情報の取扱い及びセキュリティ体制の整備を引き続き推進していく所存です。情報の取扱いに関する社内規程の適切な運用、定期的な社内教育の実施、システム・プラットフォームの一層のセキュリティ強化、システム監査の強化、情報取扱いに関する内部監査等を推進するとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの標準規格である「ISO/IEC27001」認証の維持・強化を推進してまいります。

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

(1)事業環境について

①インターネットの普及について

当社グループが展開しているクラウドソリューション事業は、主にインターネットを利用する不動産業界の顧客を対象としており、顧客基盤拡大のためには、不動産の物件情報検索等においてインターネットを利用する消費者が増える必要があります。故にインターネットの更なる普及は当社が成長するための基本的な前提条件であると考えております。

これまでのところ、日本国内におけるインターネット利用人口は高水準に推移しており、平成26年末の日本国内の利用者数は1億18万人、人口普及率は82.8%に達しております(総務省「平成26年通信利用動向調査」)。しかしながら、インターネットの普及に伴う弊害の発生及び利用に関する新たな規制の導入その他予期せぬ要因によって、今後インターネット利用者の順調な増加及び利用コストの安定化が見られない場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

また、インターネット上の情報通信、又は電子商取引が今後も広く普及し、インターネットの利用者にとって快適な利用環境が実現されることも当社の成長のための基本条件となります。こうした通信インフラ環境の向上が一般的な予測を大きく下回る場合、当社の事業環境及び前提条件に一定の制約が生じることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

②クラウド(ASP・SaaS)事業について

クラウドとは、アプリケーションをインターネット経由で提供するサービスで、ソフトウェア販売における新しい方法・概念として認知され、従来から「ASP(エー・エス・ピー)」や「SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」とも呼ばれ、浸透が進みつつあります。その一方で今後クラウドを扱う企業レベルの競争も激化する可能性があります。このような事業環境のもとで、サービスにおいて新技術への対応が思いどおりの成果をあげられない場合、顧客ニーズを正確に把握することができなかった場合、他社においてより画期的なコンセプトをもった商品・サービスが出現した場合、又はクラウド自体の需要が当社の予測を大きく下回る場合、当社グループの財政状態及び経営成績は悪影響を受ける可能性があります。

③競合による業績への影響について

当社グループは不動産業界のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、それを当社システム基盤上で顧客にクラウドサービスとして提供しております。当社は、第三者が新たに不動産業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社と同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えております。しかしながら、当社グループと同等のシステムを再構築することは技術的に不可能とは言い切れず、また、資金力、ブランド力を有する大手企業の参入や全く新しいコンセプト及び技術を活用した画期的なシステムを開発した企業が出現した場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、インターネット業界の技術革新や新規参入等により、競争が一層激化した場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

④技術革新への対応等について

当社はインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、技術革新に対する当社の対応が遅れた場合、当社の競争力が低下する可能性があります。

⑤不動産業界の動向について

当社グループは、不動産業界の顧客向けに不動産物件情報管理データベース・システム等のシステム・アプリケーションを開発し、クラウドサービスとして提供する事業を展開しており、販売先も不動産業界の顧客に集中している状況にあります。不動産業界の中でも賃貸、賃貸管理、売買等、それぞれの業態にあったサービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

また、今後において、不動産業界に対する規制強化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合には、当社グループの事業にも影響が生じる可能性があります。

⑥法的規制について

現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制には電気通信事業法があります。当社は、顧客企業に対し「メール配信機能」を提供している事から、電気通信事業者の届出をしております
(届出番号A-16-8076)。

その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方について現在も様々な議論がなされている段階であります。上記以外に当社が営む事業そのものを規制する法令はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定されたり、既存の法令等の解釈が変更されたりした場合、当社グループの事業が制約される可能性があります。

また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。

(2)当社のシステム等に係るリスクについて

当社は、クラウド形態によるサービスを展開しておりますが、その根幹となるものは自社において開発及び運用するシステムであり、事業展開においては、当該システムを安定的かつ継続的に運用していくことが要求されます。なお、当該システム等については下記のリスクがあるものと認識しております。

①ネットワークセキュリティについて

当社では、ネットワークのセキュリティに関してしかるべき方策を施し、更には個人情報漏洩に関する保険等に加入しておりますが、それらの対策を施してもコンピュータウィルス等の侵入やハッカー等による様々な妨害を原因とした損失発生の際に、それらをすべて補填できない場合があります。その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

②顧客サービス用システムの不具合(バグ等)発生の可能性について

一般的に、高度なソフトウェアにおいては不具合の発生を完全に解消することは不可能であると言われており、当社グループの顧客サービス用システムにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。今後とも信頼度の高いサービスの開発に努め、また契約において原則として免責事項を定めてはいるものの、特にインターネットを通じて提供される当社のサービスに運用上支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

③自然災害、事故及びシステム等にかかるリスクについて

当社は顧客サービス用システムのサーバ・ソフトウェア設備を外部のデータセンター(東京都中央区)に設置して運用しており、加えて社内の各業務において各種社内業務用のシステムの一部を当社本社(東京都港区)及び各支店に設置して運用しております。当社本社及びデータセンターは東京都内に所在しており、地震、台風、津波又は火山活動等の自然災害や、事故、火災、テロ等により、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当該システムはそれぞれ、バックアップ、ハードウェアの二重化及びやファイヤーウォール等の対策を講じ、トラブルの回避に努めております。しかしながら、何らかの要因により当該システムに障害又は問題が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)情報セキュリティ管理について

当社は顧客向けに顧客情報管理システムを提供しており、そのシステムの運用を通じて蓄積される個人情報等の管理に関して、顧客から委託を受けております。また自社運営サイトを通じて、顧客情報を取得することがあります。

当社では、社内基準に従い個人情報をはじめとする顧客の重要情報を管理し、その情報の外部漏洩防止に関して、情報資産に対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、また、当社においては平成21年5月に、情報セキュリティマネジメントシステム(以下、ISMSという)の国際標準規格である「ISO/IEC27001(JIS Q 27001)」認証を東京本社、大阪支店、福岡支店及び名古屋支店において取得しており、現時点までにおいて情報管理に関する重大な事故やトラブルの発生は認識しておりません。

しかし、これら顧客重要情報等が何らかの形で外部漏洩したり、不正使用されたりする可能性が完全に排除されているとは言えません。また、これらの事態に備え、個人情報漏洩に対応する保険等に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填するものではありません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社グループへの損害賠償請求や当社の信用の低下等によって当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは個人情報保護法における個人情報取扱事業者に該当しており、同法の適用を受けております。

(4)事業体制について

①人材の確保について

当社は、サービスの開発業務において自社開発を基本原則としております。今後においても、現在の事業領域を中心に事業拡大を図っていく方針であり、当社のサービス戦略及び開発戦略等の業務遂行にあたり専門的な知識・技術を有した優秀な人材の確保が必要となります。当社において、これらの人的リソースを拡充できない場合は、当社グループの考えるスピードでの効率的な事業展開に支障をきたす可能性があります。

②事業拡大に対する組織的な対応について

当社グループは平成28年3月31日現在の従業員数が127名(役員、顧問、派遣及びアルバイト等臨時従業員を含まず)と、まだ小規模な組織であり、内部管理体制もこれに応じたものになっております。今後、企業規模が拡大していくに従って、内部管理体制の更なる充実を図る方針でありますが、当社グループの事業拡大に即応して、適切かつ十分な組織対応が出来ない可能性があります。

今後の急速な事業拡大に備え、既存従業員の育成、採用活動による人員増強などの施策を講じるとともに、管理業務の効率化を図り、組織的効率を維持・向上させることが重要な課題となってまいります。これらの施策が計画どおりに進行しない場合、事業機会の逸失、業務品質の低下などを招き、当社グループの事業拡大及び事業運営に悪影響を与える可能性があります。

また、小規模な組織であるため、業務プロセスを特定の個人に依存している場合があります。今後、業務の定型化、形式化、代替人員の確保などを随時進める予定でありますが、特定の役職員に依存している業務の遂行が当該役職員の退職その他何らかの理由により困難になった場合、一時的に当社グループの業務運営に支障をきたす恐れがあります。

③知的所有権に関する訴訟の可能性について

当社で開発・設計しているソフトウェアやプログラムは、いわゆる「公知の基礎技術」を改良又は組み合わせることにより当社が独自で開発・設計しておりますが、第三者の知的所有権を侵害している可能性があります。特に「ビジネスモデル特許」については、米国等において既に一般化していることや今後国内においても当該特許の認定が進むと予想されることから、これら知的所有権等への対応の重要性は増大すると考えております。

現在のITの分野における技術の進歩やビジネス・アイデアの拡大のスピードは非常に速く、予想が困難であり、また、現在の特許制度のもとでは調査の限界もあるものと考えられます。

過去もしくは現時点におきましては、当社が第三者の知的所有権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社の認識していない特許等が成立していた場合又は新たに成立し、第三者の知的所有権を侵害した場合には、損害賠償やロイヤリティの支払い要求、差止請求等により、当社グループの事業に何らかの悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)商標権の管理について

当社グループは新たなサービスを開始する際には、サービスの名称等について商標の出願、登録を行うか、又は商標登録には馴染まない一般的な名称を使用する等、第三者の商標権を侵害しないように留意しております。

過去において提供したサービスの名称の一部においては、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていないもの、又は登録未申請のものがありますが、これらについては当社グループとして必要な対応を行っているものと認識しております。

過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の商標権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、当社グループの調査内容が十分である保証はなく、当社グループの見解が常に法的に正当であるとは保証できません。万一、当社グループが第三者の商標権等の知的財産権を侵害していると認定され、その結果、損害賠償請求、差止請求などがなされた場合、又は、当該事項により当社の信用力が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社では、顧客とそのエンドユーザーである消費者により良いサービスを提供し続けるために、新しい情報技術を日常的に調査し、有用と判断したものについては顧客向けサービスに取り込むことで当社の提供するクラウドサービスを進化させ続けております。

なお、研究開発活動は、個々のプロジェクト及びサービス開発の過程で実施されており、研究開発費として計上しているものはありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

特に、当社は、主要なサービスの一つであるクラウドサービスの提供にあたり、サービス提供用のシステムを開発しており、収益獲得効果が確実なものについて資産計上しておりますが、マーケット状況の急激な変化等によりその効果が実現しない可能性があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

(クラウドソリューション事業)

当社グループは、「ITで不動産市場を全ての参加者にとってより良いものにする」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくてはならない情報インフラ」を目指して、不動産市場に必要とされるシステム・アプリケーションを自社で開発し、クラウドサービスとして提供する事業を展開しております。「IT×不動産」、「不動産テクノロジー」という新しい市場領域において、日本全国の不動産業を営む企業を主な顧客として、不動産物件情報管理データベース・システムを中心とする不動産取引支援システムをクラウドサービスとして提供しております。

消費者による不動産物件情報検索ニーズの多様化並びに情報ニーズの高度化という流れはますます強まる傾向にあり、その高度化する消費者ニーズは、不動産業の情報産業化・不動産市場のIT化を強く促しております。不動産会社にとって、そのようなニーズに対応し、より良いサービスをエンドユーザーに提供していくためには、不動産物件情報及び顧客情報をデータベースで運用・管理し、情報の正確性、即時性を確保することが必須となってきております。

また、不動産物件情報検索における主導権が消費者側に移行していく中で、不動産会社にとって顧客との適切な関係構築、顧客情報の管理、及び情報セキュリティ確保の重要性はますます高まりつつあります。更に、不動産業界においても事業継続計画の必要性が高まる中で、その解決策としてのクラウドサービスへの期待はますます大きくなっております。当社グループは、「不動産テクノロジー」領域のリーディング企業として、このようなニーズに対応する一連のシステム・アプリケーションを不動産会社にとってコスト効率性の高いクラウドサービスで提供することで、全国の不動産会社の業務を支援する事業を展開しております。

当連結会計年度においては、引き続き当社のコア事業であるクラウドサービス(拡販サービス)の新規顧客の開拓活動及び既存顧客へのフォローアップ営業活動に注力してまいりました。

クラウドサービスの開発につきましては、「ESいい物件One賃貸」、「賃貸管理機能」、「ESいい物件One売買」、「ESいい物件Oneウェブサイト」に対する機能拡充及び機能改善に係る以下のような追加開発を継続的に実施いたしました。

・エンドユーザー追客支援及びスケジュール管理強化等の営業支援機能に関する拡充開発

・当社拡販サービスのモバイルデバイス対応充実

・不動産売買における成約事例のデータベース化と不動産物件売却価格算定業務に関する支援機能の追加開発

 

この「ESいい物件One」につきましては、特定非営利活動法人ASP・SaaS・クラウドコンソーシアムが主催し、総務省が後援団体として参加する「第9回 ASPIC クラウドアワード2015」におきまして、「社会・業界特化系グランプリ」を受賞いたしました。これは、当社の主力サービス「ESいい物件One」が社会に有益なクラウドサービスであり、不動産取引に特化したクラウドサービスにおいて最も優れたサービスとして社会的にも評価された結果と受けとめております。

また、不動産会社がエンドユーザーに対して行う宅地建物取引に関する「重要事項説明」は、不動産取引における重要な業務の一つでありますが、平成27年8月31日より当該業務のIT化(TV会議システム等の活用)に向けた社会実験(平成29年1月末日終了予定)が開始されました。当社といたしましても当社顧客となる不動産会社に対するセミナー等を開催し、当社サービスを活用した重要事項説明のIT化対応について利便性を訴求するとともに、実験に参加する不動産会社へのサポートを行い、販促活動に取り組んでまいりました。当社グループにおきましては、将来の不動産取引の電子化推進を見据えて、NTTアイティ株式会社と業務提携契約を締結し、新サービスの共同開発等に取り組む予定です。

なお、社内体制面では、取締役会の監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図る観点から、平成27年6月26日開催の第16期定時株主総会におきまして社外取締役を新たに4名選任し、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。

(不動産事業)

当社の100%子会社である株式会社いい生活不動産については、主に当社従業員向けの福利厚生サービス(住宅紹介支援サービス等)、不動産の売買仲介及び賃貸仲介を中心とした事業運営をしてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における業績につきましては、売上高は1,934,535千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は125,550千円(前年同期比4.7%増)、経常利益は125,248千円(前年同期比4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は62,024千円(前年同期比7.1%減)となりました。

また、当社グループの当連結会計年度におけるクラウドソリューション事業及び不動産事業の概況については、「1.業績等の概要(1)業績」を参照ください。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績は、様々な要因から影響を受けております。中でも経営成績に特に重要な影響を与える要因は、クラウドサービス(拡販サービス)における「顧客数」及び「平均月額単価」であります。「顧客数」及び「平均月額単価」が計画どおりに達成できない場合や新サービスの開始時期等が計画通りに進捗しなかった場合は、経営成績に悪影響を与える可能性があります。

なお、上記に記載した事項以外に、「3.対処すべき課題」及び「4.事業等のリスク」に記載している事項も経営成績に影響を与えることが考えられると見ております。

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、不動産市場向けのクラウド型不動産物件情報管理データベース・システムの提供(クラウドサービス)を通じて、当社のクラウド・アプリケーションを市場のデファクト・スタンダードとすべく事業を推進しております。不動産市場に特化し、業務に精通したエンジニア及び営業部隊による自社開発・直販体制が当社の強みであり、不動産業共通の業務効率化ニーズ並びにIT化ニーズを集積し、サービス化することでノウハウを蓄積してまいりました。今後も引き続き、主力サービスであるクラウド型不動産物件情報管理データベース・システムの拡販を一層推進し、顧客基盤の拡大を加速化させて行きたいと考えております。

今後、不動産情報の流通形態は、インターネット関連技術の進歩並びに消費者による情報ニーズが増大し、多様化していくことに伴い、大きく変化していく可能性があります。当社グループは、当社グループの持つ不動産業務ノウハウ、アプリケーション構築技術及びインターネット技術を組み合わせて行くことで環境の変化に対応し、消費者並びに不動産会社にとって最適な情報の利・活用をITを通じて支え、不動産市場に欠くことの出来ない存在となることで、当社の企業価値を高めていく所存であります。

更に、当社グループのシステム・プラットホームが、市場規模に対して充分な割合の不動産会社に浸透した段階においては、より円滑な不動産物件情報の流通を促進することを目的としたマーケットプレイス機能を提供し、市場全体の利便性向上を図ると共に、新たな収益機会の実現を目指していきたいと考えております。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①財政状態の分析

(ⅰ)資産

当連結会計年度末における資産合計は2,009,177千円となり、前連結会計年度末から34,689千円の増加となりました。

当連結会計年度末における流動資産の残高は706,542千円となり、前連結会計年度末から45,952千円の増加となりました。主な増加要因としては、現金及び預金の増加60,069千円等であります。

また、当連結会計年度末における固定資産の残高は1,302,634千円となり、前連結会計年度末から11,263千円の減少となりました。主な増加要因としては、クラウドソリューション事業における主力サービス「ESいい物件One」やその他クラウドサービスのシステム基盤となるサーバ設備等をリース取引によって増強したことに伴うリース資産(純額)の増加51,774千円、名古屋支店のオフィス移転に伴う敷金及び保証金の増加9,200千円であります。一方、主な減少要因としては、ソフトウェア仮勘定からの振替処理による増加よりも償却額のほうが大きかったことに伴うソフトウェアの減少39,990千円及びソフトウェア仮勘定からソフトウェアへの振替処理や開発方針見直しに伴うソフトウェア仮勘定の減少24,886千円等であります。ここで振替処理とは、「ESいい物件One」の追加開発等で自社開発したクラウドサービス(拡販サービス)のうち完成・リリースした部分について、ソフトウェア仮勘定からソフトウェアに振替処理していることを指します。

(ⅱ)負債

当連結会計年度末における負債合計は403,706千円となり、前連結会計年度末から3,179千円の減少となりました。

当連結会計年度末における流動負債の残高は296,773千円となり、前連結会計年度末から46,322千円の減少となりました。主な減少要因としては、消費税の納付に伴う未払消費税等(流動負債「その他」に含む)の減少41,068千円、法人税の中間納付等の影響に伴う未払法人税等の減少9,259千円等によるものであります。

また、当連結会計年度末における固定負債の残高は106,932千円となり、前連結会計年度末から43,143千円の増加となりました。主な増加要因としては、前述のリース取引に係るリース債務が46,974千円増加したこと、一方で主な減少要因は、「Yahoo!不動産」賃貸物件情報掲載に関する広告取次業務に係る預り保証金が3,831千円減少したことによるものであります。

(ⅲ)純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は1,605,470千円となり、前連結会計年度末から37,868千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加62,024千円、配当金実施に伴う利益剰余金の減少24,155千円によるものであります。

②キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、625,012千円(前連結会計年度の資金期末残高は564,942千円)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次の通りであります。

(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動による資金は、当連結会計年度において508,510千円の増加(前年同期586,496千円の増加)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益110,511千円及び減価償却費470,861千円等であり、主な支出は、法人税等の支払額59,377千円、消費税の納付に伴う未払消費税等の減少額40,851千円等であります。

(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動による資金は、当連結会計年度において369,789千円の減少(前年同期405,281千円の減少)となりました。収入の要因は、敷金及び保証金の償還による収入227千円であり、支出の要因は、有形・無形固定資産の取得による支出357,562千円、敷金及び保証金の差入による支出12,453千円であります。

(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動による資金は、当連結会計年度において78,651千円の減少(前年同期62,619千円の減少)となりました。支出の要因は、ファイナンス・リース債務の返済による支出54,058千円、配当金の支払額24,592千円であります。

(6) 今後の方針について

 今後については、引き続き、クラウドソリューション事業の主力品目であるクラウドサービス(拡販サービス)の拡販に注力し、事業拡大を図っていく方針であります。当社の収益ドライバーは、クラウドサービス(拡販サービス)の顧客毎収入(顧客単価)の増加と顧客数の増加であり、この両要因をバランス良く伸ばしていくことが事業の成長及び発展にとって極めて重要であります。

クラウドソリューション事業においては、サービス拡充フェーズ並びにサービス及び売上の拡大フェーズと位置付け、新サービス「ESいい物件One」(「ESいい物件One賃貸(賃貸管理機能含む)」、「ESいい物件One売買」及び「ESいい物件Oneウェブサイト」)をマーケティング、拡販していくことに一層注力し、顧客数及び売上高の増加に繋げてまいります。

また、既存サービスをご利用のお客様につきましては、引き続き新サービス「ESいい物件One」への移行を順次実施してまいります。

「ESいい物件One」の開発については、より使いやすいサービスを目指して、機能拡充を進めてまいります。

 当社グループの経営基本方針は、不動産市場で必要とされるシステムをクラウドサービスとして開発、提供し、不動産市場向けクラウドサービスのリーディングカンパニーを目指すことであります。

当社グループは、不動産市場を主な市場と位置づけ、不動産会社にとって欠くことの出来ない物件情報及び顧客情報をデータベース化し、消費者のニーズに応えると共に業務の効率化を図るためのシステム・アプリケーションを不動産会社向けにクラウドサービスとして提供する会社として主導的地位を築いてまいります。

当社グループは、ITを通じて不動産市場及び不動産取引における様々な課題を解決し、不動産会社並びに一般消費者に満足していただけるようなシステム・アプリケーションを提供することで、不動産市場の成長と発展に貢献し、社会に付加価値を提供することによって、当社の利益を最大化してまいります。