第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営方針

①ミッションとビジョン

当社グループのミッションは、次のとおりであります。

「人々の生活の根幹である「住まい」に関する市場、不動産の市場を、全ての参加者にとってより満足度の高い市場にする。」

そのミッションの実現に向けて、当社グループは次のようなビジョンを持って前進してまいります。

「不動産に関するあらゆる情報が集約される、不動産市場になくてはならない情報インフラとなる。」

当社グループは、最新の情報技術を組み込んだシステム・アプリケーションを不動産市場向けに開発し、不動産市場にテクノロジーの力で新たな付加価値を創出することを目指しています。多くの不動産会社が業務の効率化を進めながら不動産物件情報の量的及び質的向上を図れるような仕組みを提供することで、不動産市場における「情報」の量的及び質的改善を推進し、不動産市場全体の効率性向上に貢献してまいります。また、不動産取引の一連のプロセスをデジタル化していくことで、不動産会社にとっても一般消費者にとっても利便性の高い不動産取引を実現してまいります。不動産市場はIT化によって大きく進化する可能性を秘めています。当社グループは、全ての人の生活に直結する不動産市場をITの力でより良いものにすることで、社会に新しい付加価値を提供してまいります。

②経営方針

当社グループの経営基本方針は、不動産市場で必要とされるシステムをクラウド・SaaSとして開発、提供し、不動産市場向けクラウド・SaaSのリーディングカンパニーとして確固たる地位を築くことであります。

当社グループは、不動産市場を主な市場と位置づけ、不動産会社にとって欠くことの出来ない物件情報及び顧客情報をデータベース化し、消費者のニーズに応えると共に業務の効率化を図るためのシステム・アプリケーションを不動産会社向けにクラウド・SaaSとして提供する会社として主導的地位を築いてまいります。

当社グループは、ITを通じて不動産市場及び不動産取引における様々な課題を解決し、不動産会社並びに一般消費者に満足していただけるようなシステム・アプリケーションを提供することで、不動産市場の成長と発展に貢献し、社会に付加価値を提供することによって、当社の利益を最大化してまいります。

(2)経営戦略等

当社グループは、不動産市場向けのクラウド型不動産物件情報管理データベース・システムの提供(クラウドサービス)を通じて、当社のクラウド・アプリケーションを市場のデファクト・スタンダードとすべく事業を推進しております。不動産市場に特化し、業務に精通した開発エンジニア及び営業部隊による自社開発・直販体制が当社の強みであり、不動産業共通の業務効率化ニーズ並びにIT化ニーズを集積し、サービス化することでノウハウを蓄積してまいりました。今後も引き続き、主力サービスであるクラウド型不動産物件情報管理データベース・システムの拡販を一層推進し、顧客基盤の拡大を加速化させて行きたいと考えております。

今後、不動産情報の流通形態は、インターネット関連技術の進歩並びに消費者による情報ニーズが増大し、多様化していくことに伴い、大きく変化していく可能性があります。当社グループは、当社グループの持つ不動産業務ノウハウ、アプリケーション開発技術及びインターネット技術を組み合わせていくことで環境の変化に対応し、消費者並びに不動産会社にとって最適な情報の利活用をITを通じて支え、不動産市場に欠くことの出来ない存在となることで、当社の企業価値を高めていく所存であります。

更に、当社グループのシステム・プラットホームが、市場規模に対して充分な割合の不動産会社に浸透した段階においては、より円滑な不動産物件情報の流通を促進することを目的としたマーケットプレイス機能を提供し、市場全体の利便性向上を図ると共に、新たな収益機会の実現を目指していきたいと考えております。

後につきましては、引き続き、クラウドソリューション事業の主力品目であるクラウドサービス(拡販サービス)の拡販に注力し、事業拡大を図っていく方針であります。当社の収益ドライバーは、クラウドサービス(拡販サービス)の顧客毎収入(顧客単価)の増加と顧客数の増加であり、これらの要素をバランス良く伸ばしていくことが事業の成長及び発展にとって極めて重要であります。

クラウドソリューション事業においては、サービス拡充フェーズ並びに売上拡大フェーズと位置付け、主力サービス「ESいい物件One」(「ESいい物件One賃貸」、「ESいい物件One賃貸管理」、「ESいい物件One売買」及び   「ESいい物件Oneウェブサイト」等)をマーケティング、拡販していくことに一層注力し、顧客数及び売上高の増加に繋げてまいります。また、クラウドサービス(拡販サービス)の開発については、より使いやすいサービスを目指して、機能拡充を進めてまいります。さらに、2018年4月にリリース開始しました不動産管理会社と入居者を繋ぐコミュニケーション・プラットフォームであるアプリケーション「pocketpost(ポケットポスト)」正式版につきましては、機能拡充とマーケティング及び拡販を推進し、当社サービス群における重要な柱として位置づけ、注力してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、成長途上の段階にあり、事業規模の速やかな拡大と利益創出基盤の拡大が急務であります。当面の指標としては売上高及び利益水準を重視し、増収増益基調を維持しながら、将来の更なる成長のための基盤づくりを推進していく所存です。

当社グループのコア事業であるクラウドサービスの成長ドライバー(成長要因)は、①顧客数及び②顧客単価(月額)であります。中長期的には、①顧客数:5,000社、並びに②顧客単価(月額):100,000円以上及び③クラウドサービス粗利(売上総利益率)70%超を達成することを目標としております。

 

(4)経営環境

当社グループは、「ITで不動産市場をより良いものに」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくてはならない情報インフラ」を目指して、不動産市場に必要とされるシステム・アプリケーションを企画・開発し、クラウド・SaaSとして提供する事業を展開しております。「テクノロジー×不動産」という新しい市場領域において、日本全国の不動産業を営む企業を主な顧客として、不動産物件情報、契約情報、顧客情報を管理するデータベース機能を中心とする不動産取引支援システムをクラウド・SaaSとして提供しております。

当社グループが特化している不動産市場の特徴、並びに不動産市場に特化している主な理由は、以下のとおりであります。

・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい

・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、投資を必要としない「使う」システムが最適

・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウドモデルに最適な市場特性

・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い

・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースを構築・管理するシステムが不可欠

社グループが推進するクラウドモデルは、これら不動産市場を取り巻く様々な要因・特性の中において、大きな市場価値を生むものであるとの考えから、当社グループは不動産市場に特化した事業を行っております。

また、その市場において不動産会社は以下のような経営課題に直面しており、当社が開発・提供するクラウドサービスはそれらの課題を解決することを目指しております。

・不動産取引のデジタル化(VR技術を活用した内覧、IT重要事項説明、電子契約等)による利便性向上

・不動産物件情報、契約情報、顧客情報のデータベース管理を通じた利活用と業務効率の向上

・自社ウェブサイト等を通じた消費者向けウェブマーケティング強化による収益機会の向上

・不動産オーナーに対する資産運用管理サービスの強化

・情報セキュリティ、データ保全、事業継続計画への対応

・IT投資及びコストの最適化

・働き方改革推進に伴う業務見直しと省力化(不動産業における在宅業務の実現)

当社グループは、「不動産テクノロジー」領域のリーディング企業として、このようなニーズに対応する一連のシステム・アプリケーションを不動産会社にとってコスト効率性の高いクラウド・SaaSで提供することで、不動産市場のIT化を推進しております。

新型コロナウイルスの感染拡大は現時点で一定の収束局面に向かいつつありますが、当社グループが主たる事業領域としている不動産業界全般の景況感は依然として不透明であります。

他方、外出自粛および在宅勤務によるウェブ会議の一般化等、IT活用に関する市場変化が急速に進んでおり、ウェ
ブ接客やウェブ内見需要の拡大、従業員の在宅勤務体制の確立等、不動産業界においても急速なDX(デジタルトラ
ンスフォーメーション)が進む可能性があります。

当社グループが提供するクラウド・SaaSは、インターネットがあればどこでも業務ができ、万全のセキュリティ
が確保され、サーバ等の初期投資が必要なくスピーディーに立ち上げ可能であり、上記の不動産市場の変化に対応し
た事業継続を図る不動産業にとっては、最適といえる仕組みであります。

上記のような市場分析に基づき、従業員および関係者の皆様の安全確保を第一とする対策に十全に配慮を行いつ
つ、引き続き当社のクラウド・SaaSの新規顧客の開拓活動を行ってまいります。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

わが国の経済及び情報サービス業界においては、重要なITインフラであるインターネットの普及やインターネット利用者の増加を背景に、インターネット周辺の様々な分野で新たなビジネスチャンスが創出されつつあります。このような環境のもと、当社グループの課題としては、主に以下の4項目を認識しております。

①成長の原動力としての人材の確保・育成

当社グループは顧客の問題を解決するITソリューションを提供しており、今後顧客基盤及び事業規模を一層拡大していくためには、優秀な人材こそが最重要経営資源であります。優秀な人材の採用及び教育による早期戦力化は、当社グループのような成長ステージの企業にとって最重要課題であり、継続的な採用活動及び社内教育体制の整備に努め、今後の事業拡大局面において、機動的かつ迅速な事業展開を行い得る組織体制の整備に取り組んでまいります。

②クラウドサービスの拡大に伴う取り組み

当社グループは、主力サービスと位置づけるストック要素であるクラウドサービスの売上高に占める割合を、不動産物件情報管理データベース・システムの拡販を通じて高めていくことで、より安定的な収益構造を築いてまいります。

現在、中期目標であるクラウドサービス顧客数5,000社に対応可能となる設備投資及び社内体制の整備についてはほぼ完了しており、今後は、各拠点(大阪支店、福岡支店及び名古屋支店)をはじめとした全国規模の拡販強化とそれを支えるための営業体制の強化を推進していくことで、クラウドサービスの拡大を実現し、増収増益を目指してまいります。

③新サービス開発への取り組み

当社グループは、不動産市場向けシステム・アプリケーションをクラウド・SaaSとして提供する企業として競争力を維持向上させていくために不動産市場のニーズに対応した新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。

これら新サービスを既存顧客への追加サービスとして追加契約を積み増していくこと(顧客単価増進)、並びに新規顧客の積極的な契約獲得をすること(顧客数増進)を軸に、営業活動を推進していく所存であります。今後も不動産市場のシステムニーズをくみ取り、タイムリーにサービス開発に生かしていくことで、付加価値の高いクラウド型システム・アプリケーションを提供していく所存であります。

④サービス品質と情報セキュリティ管理に対する取り組み

当社グループは、不動産市場におけるクラウド・SaaSのリーディングカンパニーとして、かねてよりクラウド・SaaSとして自らが提供するITサービスの可用性、継続性を確保・維持するための対策を講じることは極めて重要な責務であると認識し、ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の構築とその運用に努めてまいりました。当社は「ISO/IEC20000-1」認証を取得しており、当社のITサービスマネジメントにおいて、適切かつ厳格な管理体制が整っていることが公的に評価されていることになりますが、今後も企業顧客向けサービス提供を行う企業として、サービス内容についてお客様にご満足いただけるよう、当社「ITサービス基本方針」に基づき、ITSMSの改善を続けていくと同時に、第三者視点を取り入れたサービス品質の向上を継続的に実施してまいります。

また、膨大かつ重要な不動産情報を、安全かつ適切に管理・運用するのは当社グループの責務であると認識し、当社はクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を取得しております。当社は本認証を維持することで、当社クラウドサービスの信頼性を確保し、クラウド・SaaS固有のリスク管理を強化してまいります。

さらに、顧客へのシステム・アプリケーションの提供にあたり、個人情報及び顧客情報、機密情報の取扱い及びセキュリティ体制の整備を引き続き推進していく所存です。情報の取扱いに関する社内規程の適切な運用、定期的な社内教育の実施、システム・プラットフォームの一層のセキュリティ強化、システム監査の強化、情報取扱いに関する内部監査等を推進するとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの標準規格である「ISO/IEC27001」認証の維持を推進してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

(1)事業環境について

①インターネットの普及について

当社グループが展開しているクラウドソリューション事業は、主にインターネットを利用する不動産業界の顧客を対象としており、顧客基盤拡大のためには、不動産の物件情報検索等においてインターネットを利用する消費者が増える必要があります。故にインターネットの更なる普及は当社が成長するための基本的な前提条件であると考えております。

これまでのところ、日本国内におけるインターネット利用状況は高水準で推移しており、2018年度における日本国内での13歳から59歳までのインターネット利用が90%を超え、全体としてもインターネット利用者割合は79.8%に達しております(総務省「平成30年通信利用動向調査」)。しかしながら、インターネットの普及に伴う弊害の発生及び利用に関する新たな規制の導入その他予期せぬ要因によって、今後インターネット利用者の順調な増加及び利用コストの安定化が見られない場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

また、インターネット上の情報通信、又は電子商取引が今後も広く普及し、インターネットの利用者にとって快適な利用環境が実現されることも当社の成長のための基本条件となります。こうした通信インフラ環境の向上が一般的な予測を大きく下回る場合、当社の事業環境及び前提条件に一定の制約が生じることとなり、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

②クラウド事業について

クラウドとは、アプリケーションをインターネット経由で提供するサービスで、ソフトウェアの提供における新しい方法・概念として認知され、従来から「SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)」とも呼ばれ、浸透が進んでまいりました。その一方で今後クラウドを扱う企業レベルの競争も激化する可能性があります。このような事業環境のもとで、サービスにおいて新技術への対応が思いどおりの成果をあげられない場合、顧客ニーズを正確に把握することができなかった場合、他社においてより画期的なコンセプトをもった商品・サービスが出現した場合、又はクラウド自体の需要が当社の予測を大きく下回る場合、当社グループの財政状態及び経営成績は悪影響を受ける可能性があります。

③競合による業績への影響について

当社グループは不動産業界のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、それを顧客にクラウドサービスとして提供しております。当社は、第三者が新たに不動産業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、当社と同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えております。しかしながら、当社グループと同等のシステムを再構築することは技術的に不可能とは言い切れず、また、資金力、ブランド力を有する大手企業の参入や全く新しいコンセプト及び技術を活用した画期的なシステムを開発した企業が出現した場合には、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、インターネット業界の技術革新や新規参入等により、競争が一層激化した場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

④技術革新への対応等について

当社はインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、技術革新に対する当社の対応が遅れた場合、当社の競争力が低下する可能性があります。

⑤不動産業界の動向について

当社グループは、不動産業界の顧客向けに不動産物件情報管理データベース・システム等のシステム・アプリケーションを開発し、クラウドサービスとして提供する事業を展開しており、販売先も不動産業界の顧客に集中している状況にあります。不動産業界の中でも賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介等、それぞれの業態にあったサービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。

また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合には、当社グループの事業にも影響が生じる可能性があります。

⑥法的規制について

現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制には電気通信事業法があります。当社は、顧客企業に対し「メール配信機能」を提供している事から、電気通信事業者の届出をしております
(届出番号A-16-8076)。

その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方について現在も様々な議論がなされている段階であります。上記以外に当社が営む事業そのものを規制する法令はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定されたり、既存の法令等の解釈が変更されたりした場合、当社グループの事業が制約される可能性があります。

また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合には当社グループの事業が制約される可能性があります。

(2)当社のシステム等に係るリスクについて

当社は、クラウド形態によるサービスを展開しておりますが、その根幹となるものは自社において開発及び運用するシステムであり、事業展開においては、当該システムを安定的かつ継続的に運用していくことが要求されます。なお、当該システム等については下記のリスクがあるものと認識しております。

①ネットワークセキュリティについて

当社では、ネットワークのセキュリティに関してしかるべき方策を施し、更には個人情報漏洩に関する保険等に加入しておりますが、それらの対策を施してもコンピュータウィルス等の侵入やハッカー等による様々な妨害を原因とした損失発生の際に、それらをすべて補填できない場合があります。その場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

②顧客サービス用システムの不具合(バグ等)発生の可能性について

一般的に、高度なソフトウェアにおいては不具合の発生を完全に解消することは不可能であると言われており、当社グループの顧客サービス用システムにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。今後とも信頼度の高いサービスの開発に努め、また契約において原則として免責事項を定めてはいるものの、特にインターネットを通じて提供される当社のサービスに運用上支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

③自然災害、事故及びシステム等にかかるリスクについて

当社は顧客サービス用システムのサーバ・ソフトウェア設備を外部のデータセンター(東京都中央区)及びクラウド環境に設置して運用しており、加えて社内業務において利用する各種業務用のシステムの一部を外部のクラウド環境、当社本社(東京都港区)及び各支店に設置して運用しております。当社本社及びデータセンターは東京都内に所在しており、地震、台風、津波又は火山活動等の自然災害や、事故、火災、テロ等により、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。外部のクラウド環境に設置しているサーバ・ソフトウェア設備につきましては、上記リスクを一部回避しておりますが、当該クラウド環境を提供している事業者が保守を行っている環境に上記リスクが発生した場合には、同じく当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当該システムはそれぞれ、バックアップ、ハードウェアの二重化及びやファイヤーウォール等の対策を講じ、トラブルの回避に努めております。しかしながら、何らかの要因により当該システムに障害又は問題が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、当社グループの全従業員を対象とした在宅勤務(リモートワーク)の体制を構築済みであり、お客様からのお問い合わせ、サポートセンターに関しましても、従前と変わらないサービスレベルを維持できる体制が整っております。また、お客様へのご訪問やご商談につきましても、Web会議等の活用により、従前と変わらない営業活動を展開できる体制を整えております。しかし、想定を超えるような流行により業務を適切に遂行できないような事態が発生した場合には、同様に当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)情報セキュリティ管理について

当社は顧客向けに顧客情報管理システムを提供しており、そのシステムの運用を通じて蓄積される個人情報等の管理に関して、顧客から委託を受けております。また自社運営サイトを通じて、顧客情報を取得することがあります。

当社では、社内基準に従い個人情報をはじめとする顧客の重要情報を管理し、その情報の外部漏洩防止に関して、情報資産に対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、また、当社においては2009年5月に情報セキュリティマネジメントシステム(以下、ISMSという)の国際標準規格である「ISO/IEC27001」認証を、並びに2017年9月にクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステム(以下、ISMSという)の国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を東京本社、大阪支店、福岡支店及び名古屋支店において取得しており、現時点までにおいて情報管理に関する重大な事故やトラブルの発生は認識しておりません。

しかし、これら顧客重要情報等が何らかの形で外部漏洩したり、不正使用されたりする可能性が完全に排除されているとは言えません。また、これらの事態に備え、個人情報漏洩に対応する保険等に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填するものではありません。従いまして、これらの事態が起こった場合、当社グループへの損害賠償請求や当社の信用の低下等によって当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループは個人情報保護法における個人情報取扱事業者に該当しており、同法の適用を受けております。

(4)事業体制について

①人材の確保について

当社は、サービスの開発業務において自社開発を基本原則としております。今後においても、現在の事業領域を中心に事業拡大を図っていく方針であり、当社のサービス戦略及び開発戦略等の業務遂行にあたり専門的な知識・技術を有した優秀な人材の確保が必要となります。当社において、これらの人的リソースを拡充できない場合は、当社グループの考えるスピードでの効率的な事業展開に支障をきたす可能性があります。

②事業拡大に対する組織的な対応について

当社グループは2020年3月31日現在の従業員数が152名(役員、顧問、派遣及びアルバイト等臨時従業員を含まず)と、まだ小規模な組織であり、内部管理体制もこれに応じたものになっております。今後、企業規模が拡大していくに従って、内部管理体制の更なる充実を図る方針でありますが、当社グループの事業拡大に即応して、適切かつ十分な組織対応が出来ない可能性があります。

今後の急速な事業拡大に備え、既存従業員の育成、採用活動による人員増強などの施策を講じるとともに、管理業務の効率化を図り、組織的効率を維持・向上させることが重要な課題となってまいります。これらの施策が計画どおりに進行しない場合、事業機会の逸失、業務品質の低下などを招き、当社グループの事業拡大及び事業運営に悪影響を与える可能性があります。

また、小規模な組織であるため、業務プロセスを特定の個人に依存している場合があります。今後、業務の定型化、形式化、代替人員の確保などを随時進める予定でありますが、特定の役職員に依存している業務の遂行が当該役職員の退職その他何らかの理由により困難になった場合、一時的に当社グループの業務運営に支障をきたす恐れがあります。

③知的所有権に関する訴訟の可能性について

当社で開発・設計しているソフトウェアやプログラムは、いわゆる「公知の基礎技術」を改良又は組み合わせることにより当社が独自で開発・設計しておりますが、第三者の知的所有権を侵害している可能性があります。特に「ビジネスモデル特許」については、米国等において既に一般化していることや今後国内においても当該特許の認定が進むと予想されることから、これら知的所有権等への対応の重要性は増大すると考えております。

現在のIT分野における技術の進歩やビジネス・アイデアの拡大のスピードは非常に速く、予想が困難であり、また、現在の特許制度のもとでは調査の限界もあるものと考えられます。

過去もしくは現時点におきましては、当社が第三者の知的所有権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、当社グループの事業分野で当社の認識していない特許等が成立していた場合、又は新たに成立し第三者の知的所有権を侵害した場合には、損害賠償やロイヤリティの支払い要求、差止請求等により、当社グループの事業に何らかの悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)商標権の管理について

当社グループは、新たなサービスを開始する際には、サービスの名称等について商標の出願、登録を行うか、又は商標登録には馴染まない一般的な名称を使用する等、第三者の商標権を侵害しないように留意しております。

過去において提供したサービスの名称の一部においては、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていないもの、又は登録未申請のものがありますが、これらについては当社グループとして適切な対応を行っているものと認識しております。

過去もしくは現時点におきましては、当社グループが第三者の商標権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、当社グループの調査内容が十分である保証はなく、当社グループの見解が常に法的に正当であるとは保証できません。万一、当社グループが第三者の商標権等の知的財産権を侵害していると認定され、その結果、損害賠償請求、差止請求などがなされた場合、又は、当該事項により当社の信用力が低下した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。