当社および当社の子会社(以下「当社グループ」という。)の経営方針、対処すべき課題等は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
情報技術に関する全てを当社グループの「事業領域」とし、個人の個性と能力を発揮することに価値を置いた「企業風土」のもと、創造性に富んだ情報技術によってお客様の要求を超えたソリューションを提供し、お客様の夢・理想を実現させ、豊かな社会の発展に貢献することが、当社グループに課せられた「社会的役割」であるととらえております。
当社グループは、「IT can create it.」(クリエイティブな発想で、ITの持つ無限の可能性を現実のものとする)の企業スローガンのもと、情報技術の持つ新たな可能性の実現に取り組んでまいります。
また、当社グループの事業活動において、CSR(企業の社会的責任)への取り組みを重要なものと位置づけ、社会からの信頼や期待に応えていくために、お客様、株主、社員、取引先、地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々と積極的にコミュニケーションを図りながら事業活動を行うことにより、社会の持続的発展への貢献を目指しております。
当社グループは、売上高、営業利益、当期純利益、自己資本比率を最も重要な指標としており、安定性と成長性を兼ね備えた企業集団を目指しております。今後につきましては、経営基盤の強化による更なる収益力の向上と効率化を追求することにより、企業価値を高めてまいります。
当社グループが属する情報サービス産業では、DXを背景とするIT投資需要が今後も拡大すると見込まれております。一方で、IT技術は日々進化し、社会環境や顧客ニーズも大きく変化しております。当社グループは、こうした事業環境のなかで持続的な成長を果たすべく、2023年3月期を初年度とし2027年3月期を最終年度とする5ヵ年中期経営計画「Vision2026」を策定いたしました。ビジョンとして『100年先までも選ばれ続ける企業へ』を掲げ、「基盤事業の質的転換」「プライムビジネスの拡大」「新領域へチャレンジ」の3つの方針のもと、取り組みを推進しております。この5年間の間にこれまで培ってきた当社の強みを磨き高収益化に取り組むとともに、将来の事業環境の変化も見据えて改革を進める計画です。2027年3月期の数値目標はグループ連結で、売上高240億円、営業利益12億円、営業利益率5%を目指しております。
<5カ年中期経営計画「Vision2026」の概要>
今後の国内外の情勢は、当面の間前期と同様に不透明な状況が継続するものと予想しております。特に米国の政策動向、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学的リスクは、わが国の経済環境に大きく影響を及ぼす恐れがあるものと考えております。
一方で、経済産業省が2022年に公表した「DXレポート 2.2」では、企業の情報化投資について、従来の老朽化した基幹システムからの脱却に加え、産業構造全体の変革を目指す方向性が打ち出されており、DXを単なる効率化の手段とするのではなく、全社的な収益力の向上を実現させる手段と位置付けられております。また、DX変革は立ち止まることなく、企業や市場の反応に合わせて継続しなければならないものとされていることから、今後も企業のIT投資に対する意欲は底堅く推移するものと見込んでおります。
これらの前提を踏まえまして、当社グループは2023年3月期を初年度とする5カ年中期経営計画「Vision2026」で掲げた「基盤事業の質的転換」「プライムビジネスの拡大」「新領域へのチャレンジ」の3つの基本方針のもと、事業拡大と高収益化の実現に向けて取り組みを進めております。
当社は、当社が果たすべき社会的役割として、高品質で付加価値の高いソリューションを提供することにより、お客様の夢・理想を実現させ、豊かで安心・安全な社会の発展に貢献してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、社会からの信頼や期待に応えていくために、お客様、株主、社員、取引先、地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々と積極的にコミュニケーションを図りながら持続可能な社会の実現を目指しております。これら実現のため、以下の7つの重点領域においてサステナビリティに関する活動に取り組んでおります。
経営の健全性・透明性を保ちながら、継続的に企業価値を向上させていくために、経営の効率化・意思決定の迅速化を図りながら適切なコーポレート・ガバナンスの構築・維持に取り組みます。
・あらゆる企業活動の場面において、人々の人権を尊重し差別のない職場環境を目指すとともに強制労働を認めません。
・従業員一人ひとりの個性や異なる発想・価値を受け入れ、多様な人材が能力を十分に発揮し成長できる企業を目指します。
情報サービス産業の最大の経営資源は人材であることを認識し、人材の育成と高度化、適正な評価と魅力ある処遇、ワーク・ライフ・バランスなどを実現し、社員一人ひとりが将来を託し夢をかなえられる環境を目指します。
地球環境問題を社会の共通課題と捉え、環境負荷の低減を目指し、持続可能な社会の実現に寄与します。
法令及び定款の遵守に限らず、社会規範や倫理、道徳など基本的な行動規範の遵守を徹底し、公明正大な事業活動を推進します。
品質・情報セキュリティ・個人情報保護・環境についてのマネジメントシステムを運用し、安全・安心かつ安定した製品・サービスを提供します。
企業市民として社会と共生し、次世代人材の育成、地域社会・国際社会への協力、地球環境保護に寄与します。
当社グループは、持続的に成長し、長期的に企業価値を向上させ、社会やステークホルダーの皆様から信頼され成長を期待される企業となるためには、コーポレート・ガバナンスが極めて重要であることを認識しており、経営の健全性・透明性の確保、意思決定の迅速化、経営監督機能の充実化、ステークホルダーの皆様との適切な協働により、コーポレート・ガバナンスの充実を図っております。
また、サステナビリティに関するガバナンスとして、安全・安心かつ安定した最適な製品・サービスを提供すること、事業を通じて持続可能な社会の実現を目指すことが当社の社会的責任と考えており、それらを実現するための組織として社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。推進体制および活動状況は次のとおりです。
<推進体制>

<活動状況>
・サステナビリティ委員会の年2回開催
・サステナビリティ基本方針に則った年度の全社方針および目標の設定
・サステナビリティ委員会の下部組織であるiSMASH推進会議(各部門の代表者で構成)を毎月実施
・iSMASH推進会議では、目標達成の進捗管理、課題への対応等を実施
・上期、通期の達成状況をサステナビリティ委員会(経営会議メンバーおよびグループ会社社長)へ報告
当社グループは、社会からの信頼や期待に応え、持続的に成長し、長期的に企業価値を向上させるため、サステナビリティに関する取り組みを重要な経営課題と位置付けています。情報サービス産業においては、人材、技術力、品質、情報セキュリティ、お客様からの信頼が事業活動の基盤であり、これらに関するリスクおよび機会を的確に把握し、事業活動と一体的に対応していくことが重要であると認識しております。
当社グループは、事業環境の変化や当社グループの事業特性を踏まえ、持続的な成長と企業価値向上に影響を及ぼす主なサステナビリティ関連のリスクおよび機会を以下のとおり認識しております。
優秀な技術者の確保や技術革新への対応は、当社グループのサービス提供力および成長の基盤であり、必要な人材を確保・育成できない場合には、受注機会や業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、採用活動の強化、教育・研修の充実、資格取得支援等を通じて、専門性の高い人材の育成と技術力の向上に取り組んでおります。
品質不具合、納期遅延、不採算プロジェクトの発生は、お客様からの信頼や収益性に影響を与える可能性があります。当社グループは、品質管理体制の強化、プロジェクトレビューの徹底、プロジェクト管理の高度化等を通じて、安全・安心かつ安定した製品・サービスの提供に取り組んでおります。
情報漏えい、サイバー攻撃、個人情報保護への対応不足は、社会的信用や事業継続に影響を与える可能性があります。当社グループは、情報セキュリティ管理体制の強化、社員教育、内部点検等を通じて、情報セキュリティおよび個人情報保護の徹底に取り組んでおります。
お客様のIT投資ニーズの変化や技術革新への対応が遅れた場合、競争力や事業機会に影響を与える可能性があります。一方で、AI、DX、クラウド、サイバーセキュリティ、デジタル金融等の需要拡大を事業機会と捉え、プライムビジネスの拡大、新領域への取り組み、パートナー企業との連携等を通じて、お客様の課題および社会課題の解決に取り組んでおります。
当社グループは、中期経営計画「Vision2026」において掲げる基盤事業の質的転換、プライムビジネスの拡大および新領域へのチャレンジを推進しております。サステナビリティ関連のリスクおよび機会への対応は、同計画における取り組みを支えるものであり、人材の確保・育成、品質・プロジェクト管理、情報セキュリティ、事業領域の拡大・新領域への対応を通じて、お客様の課題および社会課題の解決と、当社グループの持続的な成長および企業価値向上の両立を目指してまいります。
当社グループでは、自然災害、事故、伝染病および会社の事業運営に重大な影響を及ぼすリスクの未然防止、発生したリスクへの速やかな対応を行うことにより事業運営を継続することを目的とし、リスクマネジメントを推進しております。推進体制として「リスク管理規程」に基づいてリスク管理委員会を設置し、リスクごとに事業継続のための対処方法等を各種管理規程に定め、それらに基づいたリスクマネジメントを実行しております。推進体制および想定しているリスクカテゴリーは次のとおりです。
<推進体制>

<リスクカテゴリー>
なお、当連結会計年度末において想定されるリスクと対処等の詳細については「
また、サステナビリティに係るリスクに関しては、社長を委員長とするサステナビリティ委員会にてリスクの識別、優先的に対処すべきリスクの絞り込みを行い、具体的な計画・目標の策定、および進捗状況の管理を行っております。
当社グループでは、環境問題への取り組みを企業の社会的責任と認識し、豊かな社会と環境の実現のため、生物多様性の保全及び温室効果ガス削減に取り組んでおります。そのために、電力使用量・紙使用量・廃棄物量の削減に努めるとともに、グリーン調達率の向上を図り、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することを目標としております。
温室効果ガスの排出量を、2030年までに2013年比で46%削減する。
環境パフォーマンスの実績の過去5年間推移は次の通りであります。

※ 1.2023年度から新設子会社であるキーウェア東北株式会社が増えております。
2.CO2排出量は、電力使用量をCO2換算して評価しております。
3.2022年度の廃棄物量の増加は、2020年度から実施しているコロナ対策に伴う廃棄によるものです。
4.2023年度の廃棄物量の増加は、事業所への出社人数の増加によるものです。
5.2025年度の廃棄物量の増加は、組織改編や2026年度に予定している本社移転の準備に伴うものです。
社員がその能力を発揮し、仕事と生活の調和を図り働きやすい雇用環境の整備を行うため、次のような行動計画を策定し実行しております。
2025年4月1日から2028年3月31日(3年間)
目標1:年次有給休暇について、2024年度から年間平均取得日数10%増を目指す。
(対策) 取得状況の実施把握、定期的な社内通知、計画有休休暇の促進、アニバーサリー休暇等の設置検討。
目標2:男性社員の育児休業取得率は継続して20%以上を目指す。
(対策) 定期的な社内通知、制度に関するハンドブック等の作成・配付。
目標3:人材育成の研修プログラムを充実させて、定着率の向上を図る。
(対策) 現状踏まえた計画立案、研修の実施。
目標4:子育てや介護に関する制度の拡大を図る。
(対策) 現状を踏まえた計画立案、規程の見直し。
目標5:所定外労働時間の削減に向けた取り組みを実施し、月の平均所定外労働時間を25時間未満に維持する。
(対策) ノー残業デー定着のための定期的な社内通知、全社会議等での状況報告による実態把握および注意喚起。
・妊娠中や出産後の女性労働者の健康の確保について、労働者に対する制度の周知や情報提供および相談体制の整備の実施
・育児・介護休業法の育児休業制度を上回る期間、回数等の休業制度の実施
・育児休業等を取得し、または子育てを行う女性労働者が就業を継続し、活躍できるようにするための取り組みの実施
・子どもを育てる労働者が利用できる措置の実施
・育児・介護休業法に基づく育児休業等、雇用保険法に基づく育児休業給付、労働基準法に基づく産前産後休業などの諸制度の周知
・所定外労働の削減のための措置の実施
・年次有給休暇の取得の促進のための措置実施
なお、人的資本・多様性に関する指標の当事業年度末の実績につきましては、「
人的資本に関する取り組みにつきましては、「
本有価証券報告書に記載している各事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、日本電気株式会社および関係会社(以下「NEC・関係会社」という。)、日本電信電話株式会社を中心としたNTT関係会社(以下「NTT・関係会社」という。)、東日本旅客鉄道株式会社および関係会社(以下「JR・関係会社」という。)などの特定取引先から安定した受注があり、相応の経営基盤を築いております。その業務内容は主に社会インフラ企業の基盤システム構築業務であり、一般的な業務系システム(会計業務、販売業務、在庫管理業務、購買業務等)とは異なり、特殊業務分野に位置づけられます。当社グループは、この特殊な業務を長年に渡り担当しており、これらシステム構築の実績とノウハウを多く持っていることが強みになっている反面、これら特定取引先からの売上高は、当社グループの売上高の概ね5割を占めており、これら特定取引先への依存度は非常に高い状況にあります。したがって、これら特定取引先の業績動向等によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、基盤事業の拡大および新規事業の創出による事業領域の拡大などにより、新たな取引先獲得に向けた体制を構築し、対応しております。
当社グループは、事業の特性上、契約期間として年度(4月から翌年3月)を基準にしている案件が多く、納期に合わせ作業も増える傾向にあることから、第4四半期連結会計期間に認識される収益の割合が高くなる傾向にあります。このため、当社グループの売上高は、第4四半期連結会計期間に増加し、業績に季節的変動が生じます。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、単年度事業計画作成時において予測可能な範囲で季節的変動を織り込んだうえで利益計画を策定するほか、経営の安定化を図るため、季節的変動の少ない案件の受注拡大に注力しております。
当社グループが属する情報サービス産業においては、一般的に受注ソフトウェア開発について多様な顧客のニーズ対応および最新の技術が求められることから、そのサービス内容を契約締結段階で詳細に確定することが困難な場合があり、当初の見積りと実際発生した工数との間に乖離が生じる可能性があります。このような事態が発生し、プロジェクトの採算が確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、品質、コスト、納期の目標を達成するためのリスク管理要領において、プロジェクトレビュー基準を定めるほか、直接プロジェクトを推進する部門から独立したプロジェクト管理部門を設けて、契約時、計画書作成時、工程終了時ごとにプロジェクト監視を行い、リスク管理に努めております。また、会社が重要であると判断したプロジェクトについては「全社レビュー対象プロジェクト」に指定し、プロジェクトの工程レビューにプロジェクト管理部門が参加し、全社として問題解決に当たる仕組みを構築しております。
当社グループは、業務遂行上必要に応じて協力会社に業務の一部を委託しており、当社グループの売上原価に占める外注費の割合は約4割となっております。協力会社を活用する理由としては、固定費の削減や、事業展開が柔軟になるなどのメリット確保のためのものと考えております。しかしながら、協力会社の活用は、当社グループのみならず、競合他社においても行われており、必ずしも高度な技術レベルの協力会社を一定数以上確保できるとは限りません。優良な協力会社を安定的また継続的に確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、協力会社の活用に際しては、要求事項を明確にし、請負型発注への転換、協力会社の集約を実施し、ビジネスパートナーとしての位置づけを明確に行ったうえで、長期・安定的な取引の構築を図るとともに、納品物の品質向上を指導し実現しております。
当社グループがお客様に提供するシステムにおいて、誤作動、バグ、納期遅延等の不具合が生じた場合、顧客に損害を与えるだけでなく、損害賠償責任の発生や当社グループに対する信頼を喪失することにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、品質、コスト、納期の目標を達成するためリスク管理要領において、プロジェクトレビュー基準を定めるほか、直接プロジェクトを推進する部門から独立したプロジェクト管理部門を設けて、契約時、計画書作成時、工程終了時ごとにプロジェクト監視を行い、リスク管理に努めております。また、お客様へ納品する際には、出荷判定会議を行い、バグの状況や品質など最終的に確認を行う仕組みを構築しております。
当社グループの提供するサービスは人材、特に情報処理技術者の能力や、資質に大きく依存しております。当社グループの今後の事業戦略を考えると、ITコンサルティングやプロジェクトマネジメントのノウハウを有する人材の確保が重要となります。現時点においては、必要な技術者は確保されていると考えておりますが、労働市場の逼迫等により、必要とする優秀な技術者または労働力を確保できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、新卒者を対象とした定期採用と中途採用を積極的に実施し、徹底した能力・実績主義に基づく評価・報酬体系を導入し、優秀な人材の確保に努めております。
当社グループが属する情報サービス産業においては、技術革新のスピードが速いため、先進のノウハウとシステムを保有し、かつそれらを継続的にアップデートしていく必要があります。当社グループにおいては、急速な環境変化に対応できるような組織運営を進めておりますが、想定している以上の技術革新等による保有技術の陳腐化等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、新しい技術の習得に向けた研修の実施や新たな技術・サービスの創出に、継続的に取り組んでおります。
当社グループは、事業運営上関係する各法令へ対応するための体制を整備し、法令遵守に努めており、現状において法令に違反する事象は認識されておりません。
しかしながら、法令違反等の事象の発生、あるいは当社グループの事業を規制する現行法令の改正および新法令が制定される可能性があります。そうした場合に、当社グループの社会的信用の失墜や、当該規制への対応に際して、サービス内容の変更や新たなコストが発生すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社では、他部門から独立した組織としての内部監査部門を設け、グループ子会社を含めあらゆる方面での内部監査を実施しております。また、コンプライアンス教育を実施するほか、定期的にコンプライアンス等に関する教育や案内をグループ全社に実施し、社員の意識向上を図っております。
当社グループは、顧客の情報システムを構築する過程において、個々の顧客業務内容等の内部情報を入手しうる立場にあり、情報セキュリティの確立・維持が重要な課題と認識しており、情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、不測の事態により、顧客情報や従業員の個人情報が外部へ漏えいすることとなった場合には、社会的信用の失墜や損害賠償請求の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループは、顧客データ管理の安全性や信頼性に重点をおいた施策をとるほか、QMS(品質マネジメントシステム)、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)、プライバシーマーク認証取得企業として、品質重視の開発・運用の推進および個人情報の管理強化に取り組んでおります。
当社グループが属する情報サービス産業においては、自社技術保護のための特許申請が増加する傾向にあります。このような環境において、当社グループも自社特殊技術の保護、他社との差別化および競争力のあるサービスを永続的に提供するために、知的財産権、特に特許の出願の推進を行っております。
また、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めており、現時点において侵害はないものと認識しておりますが、将来において第三者の知的財産権への侵害が生じてしまう可能性は否定できません。第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合、当社グループへの損害賠償請求、信用の低下およびブランド力の劣化により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、社内の全コンピュータ機器を対象にソフトウェアのインストール状況を監視するシステムを導入するとともに、社内におけるライセンスの利用状況を定期的に調査し、知的財産権の侵害やソフトウェアライセンスの不適切な利用の防止に努めております。
当社グループでは、地震・台風等の自然災害、人的災害、新型インフルエンザ等の感染症の拡大などの災害発生により被災した場合には、迅速かつ適切な対応による事業継続が優先であると認識しております。しかし、想定を超える規模の災害に被災した場合には、事業の全てまたは一部が停止するなど、重大な影響を受ける可能性があります。また、当社グループの取引先が被災された場合についても、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに備えるため、当社グループでは、災害対策規程を策定し、対応方針を定めております。また、緊急事態時において、継続して事業推進ができるよう、テレワークの環境整備も併せて行っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要、ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復が続きました。一方で、中東情勢の影響や金融資本市場の変動、米国の通商政策をめぐる動向などから、先行きについては依然として不透明な状況が続きました。
当社グループが属する情報サービス産業につきましては、本年4月に総務省が発表した2026年2月のサービス産業動態統計調査(速報)によれば、売上高合計は前年同月比6.5%増と47ヵ月連続で前年を上回りました。また、当社グループの売上高の半分を占める「受注開発ソフトウェア業」も前年同月比1.1%増と前年を上回り、業界全体として底堅い需要が続きました。
このような事業環境のもと、当社グループは、5ヵ年中期経営計画「Vision2026」に基づき、「基盤事業の質的転換」「プライムビジネス※の拡大」「新領域へのチャレンジ」を推進しました。
「Vision2026」の4年目となる当連結会計年度は、「基盤事業の質的転換」に向けて、プロダクトやクラウドサービスなどの活用拡大に取り組むとともに、2021年に資本業務提携を締結した3社(株式会社JR東日本情報システム、兼松エレクトロニクス株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)との連携を一層推進したほか、請負案件の拡大、不採算案件の抑制に引き続き取り組みました。また、医療ヘルスケア領域における専門性の確立と提供価値の向上を図るため、本年1月15日付で連結子会社であるキーウェアメディカル株式会社を設立し、本年4月1日の事業開始に向けた準備を進めました。
「プライムビジネスの拡大」に向けては、ERPパッケージ(SAP、Biz∫、IFS等)を活用した基幹システム刷新の提案活動を推進したほか、Biz∫を活用した自社開発テンプレートの新バージョン提供に向けた開発を進めました。あわせて、インフラやセキュリティサービスを含む一貫したソリューションの提案を通じて高付加価値案件の獲得に努めたほか、ホテル業界向けに現場業務の効率化を支援する「ホテル業務効率化ソリューション」の提供を開始するなど、ソリューションの拡充に取り組みました。また、営業部門および部門役職者を対象に外部講座を活用した情報セキュリティ教育を実施し、プライム案件における提案力および経営視点でのリスク判断力の強化を図りました。加えて、2025年9月には株式会社岩手銀行との資本業務提携を締結し、東北地域における営業基盤とソリューション提供力の強化に取り組みました。
「新領域へのチャレンジ」に向けては、連結子会社である株式会社オーガルが、宮崎県で次世代型施設園芸への参入を目指す合同会社継に出資し、農業ICTを活用したキュウリの次世代型生産事業へ参画しました。また、サイバーセキュリティ領域における体制強化を目的として、エンジニアおよび営業担当者の育成に取り組んだほか、デジタル金融領域への取り組みの一環として、関連領域への参画やブロックチェーン技術を活用したサイバーレジリエンスサービス「デジタルシェルター」の導入提案活動を推進しました。
※ 当社グループでは、お客さまと直接契約を結びサービスやソリューションを提供する事業を「プライムビジネス」と称しております。
当社グループの当連結会計年度の受注高は21,846百万円(前年同期比227百万円増、1.1%増)、売上高は22,724百万円(同1,623百万円増、7.7%増)、営業利益は1,130百万円(同209百万円増、22.8%増)、経常利益は1,196百万円(同28百万円減、2.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は801百万円(同229百万円減、22.3%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、期初に行った組織改編およびグループ会社間での事業譲渡等に伴い、前連結会計年度まで「システム開発事業」に所属していた事業の一部を「SI事業」に移管し、「SI事業」に所属していた事業の一部を「その他事業」に移管いたしました。これに伴い、各報告セグメントの前連結会計年度の数値を当連結会計年度の表示に合わせて組替再表示しており、前期比較につきましては、変更後の区分方法に組み替えたものにより行っております。
受注高は12,766百万円(前年同期比242百万円増、1.9%増)、売上高は13,439百万円(同1,528百万円増、12.8%増)、営業利益は476百万円(同152百万円増、47.1%増)となりました。
当連結会計年度におけるシステム開発事業は、安定的な収益獲得を実現すべく、今後更なる拡大が見込まれるIoTやクラウド等のDX関連の技術力強化を進めるとともに、プロダクトやAIの活用による業務効率化・生産性向上に努めるなど、積極的に事業を推進してまいりました。また、医療ヘルスケア領域における専門性の確立とお客さまへ提供するサービス価値の更なる向上を図るべく、医療ソリューション事業を専門とする子会社を設立するなど、将来を見据えた体制強化にも努めてまいりました。
この結果、受注高につきましては、前期に大型案件の受注獲得があった公共系での反動減があったものの、運輸系や医療系での案件拡大などにより前期比で増加いたしました。売上高につきましては、運輸系、医療系での案件拡大に加え、前期に大型案件の受注があった公共系、IoT関連の開発が順調に進捗したことなどにより前期比で大幅に増加いたしました。損益面につきましては、売上高の増加に加え、業務効率化・生産性向上を図り収益力の強化に努めたことなどにより、前期比で大幅に増加いたしました。
受注高は6,629百万円(前年同期比122百万円減、1.8%減)、売上高は6,815百万円(同339百万円増、5.2%増)、営業利益は596百万円(同62百万円増、11.6%増)となりました。
当連結会計年度におけるSI事業は、お客さまに対しより高い価値のサービスを提供すべく、インフラ構築、基幹システム・周辺システム導入からセキュリティサービスの提供まで一貫したソリューションの提案を推進するとともに、社員個々人のスキルの更なる向上を目指し教育投資や資格取得等を強力にサポートするなど、積極的に事業を推進してまいりました。
この結果、受注高につきましては、前期に大型受注の獲得があった官公庁向け案件での反動減などが影響し、前期比で減少となりました。売上高につきましては、前期に受注した官公庁向けの大型案件の開発が順調に進捗したことに加え、小売・卸業向け、ホテル業向けで案件の拡大などがあったことなどにより、前期比で増加いたしました。損益面につきましては、売上高の増加に加え、開発生産性の向上を図り原価低減に努めたことなどにより、前期比で増加いたしました。
受注高は2,451百万円(前年同期比107百万円増、4.6%増)、売上高は2,469百万円(同244百万円減、9.0%減)、営業利益は83百万円(同2百万円増、3.3%増)となりました。
当連結会計年度におけるその他事業は、事業拡大による継続的な成長を実現すべく、提案力やコンサルティング力の強化やAI技術の積極的な活用を進めるとともに、農業ICTを活用した次世代型生産事業への参画、デジタル金融領域やサイバーセキュリティ領域への取り組みに向けた体制強化など、積極的に事業を推進してまいりました。
この結果、受注高につきましては、サポートサービス系が堅調に推移したことなどにより、前期比で増加いたしました。売上高につきましては、コンサルティング系が軟調に推移したことなどが影響し、前期比で減少となりました。損益面につきましては、固定費の抑制等に努めた結果、前期比で増加いたしました。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
流動資産残高は、9,863百万円(前連結会計年度末比1,304百万円増、15.2%増)となりました。主な変動要因は、現金及び預金の増加、電子記録債権の増加、売掛金の増加、契約資産の減少であります。
固定資産残高は、2,149百万円(前連結会計年度末比71百万円減、3.2%減)となりました。主な変動要因は、建物及び構築物の減少、繰延税金資産の増加であります。
流動負債残高は、3,936百万円(前連結会計年度末比1,082百万円増、37.9%増)となりました。主な変動要因は、買掛金の増加、未払法人税等の増加、未払消費税等の増加、資産除去債務の増加、事務所移転費用引当金の増加であります。
固定負債残高は、70百万円(前連結会計年度末比284百万円減、80.0%減)となりました。主な変動要因は、資産除去債務の減少であります。
純資産残高は、8,004百万円(前連結会計年度末比434百万円増、5.7%増)となりました。主な変動要因は、利益剰余金の増加であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,365百万円(前連結会計年度末比1,501百万円増、80.6%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益の計上(1,199百万円)、売上債権の減少(170百万円)、仕入債務の増加(150百万円)、未払消費税等の増加(152百万円)、事務所移転費用引当金の計上(163百万円)などにより、1,987百万円の増加(前期は333百万円の減少)となりました。
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出(48百万円)、無形固定資産の取得による支出(47百万円)などにより、77百万円の減少(前期は398百万円の増加)となりました。
財務活動による資金は、配当金の支払い(408百万円)により、408百万円の減少(前期は166百万円の減少)となりました。
当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金および設備資金につきましては、自己資金または取引金融機関からの借入により調達しております。このうち、借入による資金調達につきましては、短期の運転資金の調達は短期借入金を基本とし、大規模な設備投資や長期の運転資金の調達は長期借入金を基本としております。
当社グループは、運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、取引銀行との間でコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結しております。これら契約に基づく当連結会計年度末における極度額および借入金残高は、次のとおりであります。なお、コミットメントライン契約には、財務制限条項が付されております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、グループの事業内容なども踏まえ会計方針を定めております。
連結財務諸表の作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これら見積りについて、現在入手可能な情報や過去の実績などを勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主なものは次に記載のとおりであります。なお、そのうち特に重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
① 収益及び費用
受注制作のソフトウェア開発に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれるものについては、原価回収基準により収益を認識しております。また、契約の開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる期間がごく短い案件については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。
サポートサービス等の役務提供のうち顧客に対する役務提供の都度その成果が顧客に移転していると考えられる取引については、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、顧客との契約等に基づくアウトプット法で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれるものについては、原価回収基準により収益を認識しております。
なお、サポートサービス等の役務提供のうち工数や作業量等に基づき履行義務が充足された部分の対価を顧客から受け取る権利を有している取引については、役務提供に係る工数又は作業量等に応じて契約に定められた単価を乗じた金額に基づき収益を認識しております。
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。
従業員に対する賞与支給に備えるため、将来の支給見込み額のうち当連結会計年度において負担すべき金額を計上しております。
株主優待制度の実施に伴い発生する費用に備えるため、当連結会計年度末を基準日とする株主名簿をもとに、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる額を計上しております。
確定した事務所移転・解約の計画に伴い、翌連結会計年度以降に予定される原状回復工事期間に係る賃借料の支出に備えるため、発生が見込まれる額を計上しております。
⑥ 投資有価証券
取引関係等の維持・強化のため、特定の取引先に対する投資を行っております。当連結会計年度末における市場価格のない株式等の評価については、投資先の資産状況、経営状況などを勘案し、必要と判断した場合には減損処理を行っております。投資先の資産状況、経営状況がさらに悪化した場合には、追加の減損処理が必要となる可能性があります。
⑦ 無形固定資産
無形固定資産のうち子会社の株式取得および企業結合により発生したのれんについては、のれんの効果の及ぶ期間(10年から20年)にわたり均等償却しております。当該子会社の将来における収益によっては、減損処理が必要となる可能性があります。
また、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と見込有効期間(3年)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却しております。販売が見込数量に達しない場合は、見込販売数量の見直しによる償却額の見直しが必要となる可能性があります。
⑧ 繰延税金資産
企業会計上の収益・費用と課税所得計算上の益金・損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき連結貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(当社と連結子会社との間の事業承継契約)
当社は、2025年12月19日に開催した取締役会において、2026年1月15日付で当社の100%子会社となるキーウェアメディカル株式会社(以下「キーウェアメディカル」という。)を設立すること、および2026年4月1日付で当社が営む医療ソリューション事業を吸収分割によりキーウェアメディカルに承継させることを決議し、事業承継を実施いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、注記事項(重要な後発事象)」に記載の(企業結合等関係)をご参照ください。
該当事項はありません。