第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間における、本半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 当中間連結会計期間における我が国経済は、インバウンド消費の拡大や企業の賃上げなどを背景に、緩やかな回復基調を示しました。一方で、原材料やエネルギー価格の高騰、為替変動などを背景に、食料品や生活必需品を中心とする物価上昇が続いていることで、消費者マインドを抑制しており、依然として先行き不透明な状況が続いています。

 このような状況下、当社グループは、社会的価値と経済的価値創出の両立を経営の基本方針とし、社会貢献性が高く、付加価値の高い事業を複数展開するポートフォリオ経営を推進しております。中でも優良な顧客基盤を有し、高い成長が期待できる「障がい者雇用支援サービス」、「環境経営支援サービス」、「広域行政BPOサービス」を重点注力分野と定め、事業拡大を推進しております。

 そのような中、当社グループの業績は、ビジネスソリューション事業が好調を維持したことに加えて、人材ソリューション事業の減少傾向に歯止めがかかってきたことで、減益予想から一転して売上・営業利益ともに増収増益となりました。計画に対しても、特に利益面で目標を上回り、通期計画達成に向けて順調な折り返しとなりました。ビジネスソリューション事業は、主力の障がい者雇用支援サービスが、設備販売が好調だったことに加え、ベースとなる管理収入も着実に増加したことで、売上・利益ともに安定的に伸びました。広域行政BPOサービスおよび環境経営支援サービスは、上期は閑散期ながらも直近の案件獲得が進み、前期を上回る結果となりました。一方、人材ソリューション事業は、減収減益となりましたが、現状では底打ちの兆しが見え始め、減少幅は縮小傾向にあります。

 以上の結果、当中間連結会計期間の売上収益は12,499百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は806百万円(前年同期比8.7%増)、税引前中間利益は670百万円(前年同期比3.0%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は410百万円(前年同期比40.1%減)となりました。

 

 当中間連結会計期間のセグメント経営成績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。

 

①ビジネスソリューション事業

[事業概要]

 ビジネスソリューション事業では、企業のサステナビリティ経営の推進を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者の就労に適した農園を企業に貸し出し、主に知的障がい者の採用・教育から定着までを支援するサービスを提供しており、株式会社エスプールブルードットグリーンでは、温室効果ガス排出量の算定や環境情報の開示に関するコンサルティング、カーボンオフセット仲介など、企業の環境経営を支援するサービスを提供しています。

 後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールグローカルが、複数の自治体の行政業務を一括で受託する広域行政BPOサービスを提供しています。また、株式会社エスプールリンクは、アルバイトやパートの採用業務を代行するサービスを提供しており、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得業務や販売促進業務を行っています。さらに、株式会社エスプールロジスティクスでは、通販商品の発送を代行する物流サービスを行っています。

 

 

[当中間連結会計期間の経営成績]

 障がい者雇用支援サービスは、新農園を既存農園とは異なる地域に開設したことが功を奏し、新規の採用活動が順調に進み、設備販売も好調に推移しました。また、ベースとなる管理収入も着実に増加し、売上・利益ともに安定的に伸びました。環境経営支援サービスは、カーボンクレジットの大口販売により、売上が大きく増加しました。また、第4四半期に納品が集中するコンサルティングサービスの営業も好調で、企業向けの約9割が受注済みです。広域行政BPOサービスは、国策案件の谷間の時期であったため、売上は微増にとどまりましたが、原価の見直しにより、利益面では大幅な改善が見られました。その他のサービスでは、セールスサポートサービスが、売上・利益ともに大幅に増加しました。対面型プロモーションが高い評価を得た結果、ナショナルクライアントとの取引が拡大し、全国規模の大型案件の受注が増加しました。採用支援サービスでは、応募受付業務は、自動化による単価下落により前年と同水準にとどまりましたが、新サービスの導入により売上は堅調な伸びとなりました。一方、ロジスティクスアウトソーシングサービスは、主要顧客の拡大により売上はわずかに増加しましたが、新センターの収益改善の遅れにより減益となりました。

 その結果、当中間連結会計期間の売上収益は7,618百万円(前年同期比15.8%増)、営業利益は1,420百万円(前年同期比20.1%増)となりました。

 

②人材ソリューション事業

[事業概要]

 人材ソリューション事業は、人材派遣サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンター等のオフィスサポート業務、スマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務、建設業界向けの施工管理業務に関する人材サービスを展開しています。サービスの特徴は、フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれる同社の従業員と派遣スタッフをチームで派遣する「グループ型派遣」の形態を採用している点になります。派遣先に常駐するFCが派遣スタッフを現場で手厚くフォローすることで、未経験者を短期間で育成できるだけでなく、定着率の向上にもつながり、顧客満足度の向上とシェア拡大に貢献しています。

 

[当中間連結会計期間の経営成績]

 主力のコールセンター向けの人材派遣は、新型コロナ関連業務の縮小に伴い、長らく売上の減少が続いていましたが、足元では緩やかに需要回復の兆しが見え始めています。派遣スタッフの新規採用や退職者抑制も進んだことで、売上はわずかながらも13四半期ぶりに増加に転じました。販売支援系の派遣は、売上の減少が依然として続いていますが、新規案件の獲得に注力したことで、減少幅は縮小しました。また、前期から開始した施工管理技士派遣は、当第1四半期での黒字化して以降も順調な伸びを見せています。

 その結果、当中間連結会計期間の売上収益は4,912百万円(前年同期比11.6%減)、営業利益は369百万円(前年同期比13.0%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

①資産

 当中間連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末から217百万円減少し、8,560百万円となりました。営業債権及びその他の債権の回収により現金及び現金同等物が1,362百万円増加し、一方、営業債権及びその他の債権が1,399百万円減少しております。

 当中間連結会計期間末の非流動資産は、前連結会計年度末から1,143百万円増加し、32,080百万円となりました。障がい者雇用支援サービス拡大のため、株式会社エスプールプラスにて、新規農園の建設や既存農園の増設をしており、有形固定資産が435百万円、使用権資産が509百万円増加しております。

 

②負債

 当中間連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末から389百万円増加し、11,916百万円となりました。1年内返済予定の長期借入金の流動負債への振替により借入金(流動)が300百万円増加しております。

 当中間連結会計期間末の非流動負債は、前連結会計年度末から1,189百万円増加し、19,550百万円となりました。資金調達等により借入金(非流動)が617百万円、リース負債(非流動)が515百万円増加しております。

 

③資本

 当中間連結会計期間末の資本は、親会社の所有者に帰属する中間利益により410百万円増加し、一方、第25期期末配当790百万円、自己株式の取得273百万円によりそれぞれ減少し、9,173百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当中間連結会計期間の現金及び現金同等物は前連結会計年度末から1,362百万円増加し、5,176百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比1,246百万円増加の3,678百万円の収入(前年同期は2,431百万円の収入)となりました。これは、税引前中間利益が670百万円、減価償却費及び償却費が1,829百万円、営業債権及びその他の債権の減少が1,399百万円、営業債務及びその他の債務の増加が234百万円、法人所得税の支払額が418百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比997百万円減少の1,054百万円の支出(前年同期は2,051百万円の支出)となりました。これは、主に株式会社エスプールプラスの新農園建設等による有形固定資産の取得による支出974百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比1,027百万円増加の1,261百万円の支出(前年同期は233百万円の支出)となりました。これは、長期借入による収入1,500百万円、長期借入金の返済による支出582百万円、リース負債の返済による支出1,117百万円、配当金の支払額789百万円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(8)従業員数

 当中間連結会計期間において、連結会社及び提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(9)生産、受注及び販売の実績

 当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(10)主要な設備

 当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定、または締結等はありません。