文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「埋もれた価値を発掘し、新たな価値を創造していく会社でありたい」と考え、事業運営を行ってまいりました。
その結果、理学系(化学・バイオ系)研究職への人材サービス事業という新たな市場を開拓し、現在では、理学系研究職派遣で働く人の3人に1人が当社グループより就業しています。主に人材サービス事業およびCRO事業を手掛けながら、新規事業の創出にも積極的に取り組んでいます。当社グループの多様な経営資源を組み合わせることにより、新たな価値を創造し、自身の企業価値も高めていく、そんな企業グループでありたいと考えています。
その実現の為に、四つのビジョンを掲げています。
① 顧客に対するビジョン=仕事ではなく「価値」の提供
顧客に対して、「何をするか」ではなく、「どんな役に立てるのか」、「どんな価値を提供できるのか」と考え、対価に対して納得いただけるように真剣に取り組みます。
② 私たちの会社を通じて働く人たちへのビジョン=「働く喜び」の提供
「働くことそのもの」を扱う会社として、仕事の内容、報酬、ライフスタイルに合った働き方、自己の成長などの様々な要素から、働く人それぞれに「働く喜び」を提供できる会社でありたいと考えています。派遣社員および社内の従業員に対してそれぞれの働く喜びを提供し、その喜びの重なりが、事業を形作っていく会社でありたいと考えています。
③ 私たち自身に対するビジョン=「誇りをもって働ける」会社
WDBグループが果たすべき社会的責任を認識し、その一部を担っているのは自分だと思える強い意識を持つことと、今まで積み上げてきた仕組みであっても、状況に応じてスクラップ&ビルドする勇気と覚悟を持つこと。その気概こそWDBグループ社員の誇りであり、グループを牽引する原動力となっています。
④ ステークホルダーに対するビジョン=「価値」の還元
株主、派遣社員、グループ従業員、地域社会など、すべてのステークホルダーに対する経営責任を果たしていきます。高付加価値サービスを提供し続け、企業として発展し、利益を株主に還元することや、新たな雇用を創出し、社会に貢献していくことなどを通じ、WDBグループの価値を高め続けます。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上高経常利益率と自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標と捉えております。今後も収益力の拡大に注力し、株主価値の向上に努めてまいります。なお、過去5年間の実績は以下の通りです。
|
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
売上高経常利益率 |
9.2% |
10.5% |
11.1% |
12.0% |
11.5% |
|
自己資本利益率 |
18.9% |
19.9% |
26.8% |
19.4% |
17.5% |
2021年3月期の目標は、売上高経常利益率は9.3%に設定しております。2020年3月期に比べ、2.2ポイントの低下ですが、これは新型コロナウイルス感染症の広がりによる事業環境の変化を織り込んでおります。ROEについては具体的な数値目標は設定しておりませんが、経常利益率を高めることが、ROEの向上にもつながるという考えのもと、事業運営をしております。
(3)会社の優先的に対処すべき課題および中長期的な会社の経営戦略
国内の採用環境は、労働人口の減少に伴い、今後ますます逼迫していくことが予想されます。派遣業界においても、派遣社員の確保が年々困難になってきており、採用力のある派遣会社だけが成長できる事業環境になりつつあります。
そのような事業環境の中、当社は全国に派遣社員を対象とした研修施設を持ち、実務経験が豊富ではない求職者であっても就業ができる仕組みを作り上げてまいりました。また、雇用した派遣社員が長期間安心して働くことができるよう、就業中の手厚いフォローと研修を行う体制も、長年かけて整えております。人材サービス事業においては、これらの仕組みをさらに強化し、市場の占有率をより拡大することで、着実かつ安定的に売上、利益をあげていきます。
CRO事業については、製薬企業を取り巻く環境が厳しくなり続けていることから、CROへの委託ニーズがより高まっており、市場規模は拡大していく見通しです。また、既存のCROは、経験者を高給で採用し、受託した業務を処理する事業モデルであるため、高コスト体質から抜けきれておらず、それが製薬企業への受託料金の高止まりにも反映されております。当社は派遣事業で培ったノウハウを活かし、未経験者を採用して育成し、経験者と組み合わせて業務を処理する事業モデルを取ることで、受託料金を下げながらも高品質のサービスを提供しております。また、このノウハウは海外でも通用するという考えのもと、海外にも進出し、事業展開を行っております。
プラットフォーム・その他事業については、人材事業、CRO事業でこれまで培ってきたノウハウと、インターネットが発展し、スマートフォンをひとり1台持つ時代になったことではじめて可能になったサービスを組み合わせた新たな事業を展開していきます。
中長期的な成長を実現するためには、理学系人材サービス事業に加え、第2、第3の柱となる事業が必要となります。それを目指し、すでに工学系人材サービス事業およびCRO事業に取り組んでおりますが、その他の事業展開も行っていくために、既存事業で得た利益を新規事業に振り向けてまいります。
また、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大していることから、経済の見通しは極めて不透明な状況となっております。当社の事業につきましても、既存スタッフの自宅待機および契約更新の打ち切り、営業活動の自粛などの影響が発生する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、状況は改善していくと予想されますが、それまでの間は、既存の契約を維持することを第一としつつ、可能な範囲での営業活動を行い、業績への影響をできる限り軽減してまいります。
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)派遣社員の確保について
当社グループの営む事業の性質上、派遣社員の確保・育成が競争力を高めていく上で重要なポイントとなります。特に、当社グループの主力分野である理学系研究職の人材派遣においては、派遣先企業の求めるスキルや経験を有する派遣社員を速やかに選任できる体制を整えることが、事業拡大には不可欠な要素であると考えており、全国に技術研修のための施設を設け、派遣社員を教育・養成する戦略を取っております。しかしながら、雇用情勢の変化等により派遣先企業が要望する派遣社員を十分に確保できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制ならびに関連法規の改正について
人材派遣事業は、「労働者派遣法」、「労働契約法」を中心とした、労働に関する各種法令の適用を受けます。また、人材紹介事業は、「職業安定法」の適用を受けます。当社グループは法令順守を重視した事業運営を行っており、現在までに労働者派遣法および職業安定法の欠格事由(注)に該当する事実や業務停止命令を受ける法令違反の事実はありませんが、万一当社グループがこれに該当することがあれば、労働者派遣事業および人材紹介事業を行えない、もしくは一時的に停止する状況となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、労働者派遣法および関連諸法令については、労働市場をとりまく状況の変化等に応じて今後も適宜、改正が予想され、今後の改正内容によりましては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注)人材派遣事業の欠格事由は労働者派遣法第6条に、人材紹介事業の欠格事由は職業安定法第32条にそれぞれ定められております。主な事由としては、役員が禁錮以上の刑や関係諸法令に違反し罰金刑に処せられ5年を経過していない場合、成年被後見人、被保佐人又は破産者となり復権を得ていない場合、当社が労働者派遣法の許可取り消し後5年を経過していない場合等であります。
(3)企業買収に伴うリスクについて
当社グループは、主にCRO事業において企業買収を積極的に進めております。買収にあたっては、対象企業に対する十分なデューデリジェンスを行い、買収後も定期的なモニタリング体制を取っておりますが、計画通りの事業展開ができなかった場合、減損会計の適用に伴うのれんの減失処理が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報の管理について
当社グループは、人材サービス関連事業を行っているため、派遣社員および職業紹介希望者の個人情報を有しております。これらの個人情報保護と派遣先企業、派遣労働者からの信頼の向上のため、当社グループでは個人情報保護関連規程をはじめとするコンプライアンスプログラムを作成・運用しております。また、2001年9月には財団法人日本情報処理開発協会(現 一般財団法人日本情報経済社会推進協会)より個人情報の適切な取扱事業者に付与される「プライバシーマーク」の認定をWDB株式会社が取得しております。しかしながら、万一個人情報の漏洩や不正使用等の事態が発生した場合、企業イメージが悪化し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)自然災害等の影響について
当社グループの想定を大きく上回る規模での台風・地震・洪水・疫病等の自然災害や事故により、当社グループや主要顧客の事業活動の停止又は事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)海外事業の拡大に伴うリスクについて
当社グループは、CRO事業において、米国、欧州、インドでの事業展開を行っております。現在は、まだグループ全体への影響は少ない状況ですが、各国における政治・社会体制の急激な変化などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)社会保険(健康保険および厚生年金保険)の改定に伴う影響について
2004年6月に「年金制度改革法」が成立して以来、標準報酬月額に対する厚生年金保険料の会社負担率は、毎年増加しておりました。増加は2017年9月をもって一旦終了しておりますが、制度改革に伴う社会保険料の料率改定や、社会保険加入要件の見直し等により、雇用事業主である当社グループの社会保険料負担が増減した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)技術革新に伴う無人化について
当社グループは、AIやロボットをはじめとした技術革新に伴い、将来的には当社の顧客が労働者を雇用することなく事業を行える状況になると考えております。当社グループではそのような状況を見据えた事業展開に取り組んでおりますが、想定以上のスピードで技術革新およびそれに伴う無人化が進み、派遣社員の需要が大きく減少した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症により、当社事業は以下の影響を受けております。いずれの影響も、新型コロナウイルス流行の収束に伴い改善していくと考えております。
<人材サービス事業>
① 既存スタッフの稼働率低下
顧客からの指示によるスタッフの自宅待機および時短勤務が発生しております。大半の顧客からはそれらに対する補償を受けておりますが、一部の顧客からは補償を受けられないケースが発生しております。
また、学校、保育園などの閉鎖に伴い、派遣スタッフの出勤が困難となるケースも発生しております。
② 新規派遣依頼の減少
景気に関する先行き不透明感に伴い、新規の採用を凍結する顧客が一部発生しております。それに加え、顧客訪問をはじめとした営業活動を自粛しているため、新規派遣依頼の獲得件数は例年に比べ減少しております。
③ 既存契約の更新停止
既存派遣契約の多くは、6月末および9月末に契約期限を迎えます。契約更新を獲得できるよう、顧客フォローに努めておりますが、顧客の業務量減少、業績悪化などに伴い、一部の契約更新を獲得できない可能性があります。
<CRO事業>
① 新規依頼の減少
営業活動を自粛しているため、新規受注は例年に比べ獲得しづらくなっております。
② 既存受託案件の売上計上遅れ
受託済案件の業務処理を行うためには、病院から症例データを集めるなどの作業が必要になりますが、病院への訪問が行いづらい状態になっているため、業務処理が遅れ、売上への計上もそれに伴って一部遅れが生じております。
<その他>
① 新規受注の減少
営業活動を自粛しているため、新規受注は例年に比べ獲得しづらくなっております。
② 既存受注の納品遅れ
受注した製品の製造に必要となる部品の調達が遅れているため、納品および売上計上に遅れが生じております。
③ 保守点検の遅れ
顧客への訪問が難しいため、納品済み製品の定期点検について、点検実施および売上計上に遅れが生じております。
また、新型コロナウイルスの感染対策が大きな課題となっております。当社グループでは、従業員の感染を防ぐため、2020年3月にコロナウイルス対策本部を設置し、政府、関連機関および顧客、派遣スタッフの状況に関する情報を収集した上、以下の対応を行ってまいりました。
・従業員に対し、出社前の検温及び執務中のマスク着用を義務化
・営業活動および会議、研修などはすべてテレビ電話にて実施
・社内の各種イベントの中止または延期
・在宅勤務の実施(緊急事態宣言発令期間中のみ)
・公共交通機関での通勤を原則禁止(自動車、自転車、徒歩での出勤)
・各拠点へのアルコール消毒液の設置および従業員へのマスク、ゴーグルの配布
・従業員に対し、不要不急の外出を行わないように指示
今後も、情報収集を続け、感染拡大防止のための、適切な対応を行ってまいります。
(経営成績等の状況の概要)
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年末まで緩やかな回復基調が続いたものの、2020年1月以降は新型コロナウイルスによる影響を大きく受け、今後の見通しは極めて不透明な状況となっております。
また、国内の雇用情勢に目を向けますと、厚生労働省が発表した有効求人倍率(季節調整値)は、2019年4月~2020年3月の平均が1.55倍となり、前年度に比べ0.07ポイント低下いたしました。また、総務省が発表した完全失業率(季節調整値)は、2019年4月~2020年3月の平均が2.4%となり、前年度と同じ水準となりました。これらのデータにも表れているとおり、採用環境は依然として厳しい1年でありました。その影響を受け、当社グループの主要顧客である医薬、化学、食品などの製造業における研究所、品質管理部門および大学、公的機関の研究所においても人手不足は解消されず、人材派遣サービスに対する需要は前年度に引き続き旺盛でありました。
当社グループは、2020年3月期を、人材サービス事業の分野において、競争力を高めるための投資を行う1年と位置づけ、WDB株式会社において、以下3点の取り組みを行いました。
①営業強化
新たな営業拠点を設け、営業担当者を大幅に増員することで、営業活動をより積極的に行い、派遣依頼の件数を増加させること
②研修強化
派遣社員向けの技術研修拠点を大幅に新設し、より多くの登録者に研修を行うことで、稼働スタッフ数を増加させること
③派遣サービス提供システムの刷新
オンラインで派遣依頼、派遣登録、マッチングと紹介、契約、就業後のフォローといった一連の派遣サービスを提供するシステムを提供し、顧客、派遣社員の利便性を大幅に高め、業務効率を高めること
このうち、営業拠点の増設は計画通り進捗いたしましたが、営業担当者の増員は、採用および戦力化について、計画より遅れが生じたため、売上を計画通り伸ばすことができませんでした。研修所の増設は計画通り完了し、受講者の人数も増加しております。新しい派遣サービス提供システムについては、2019年5月に一旦リリースしたものの、課題が多かったため、現在は一部の機能を顧客および派遣社員に提供しながら、内容刷新のための追加開発を行っております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、2020年3月以降、派遣スタッフの自宅待機、営業活動の自粛が発生いたしました。2020年3月期の業績に対する影響は軽微でしたが、今後の状況によっては、派遣スタッフの契約更新が打ち切られる可能性もありますので、顧客フォローを行い、契約の維持に努めてまいります。
CRO事業については、国内ではWDBココ株式会社(WDBアイシーオー株式会社から社名変更)の業績が堅調に推移し、全体の業績を牽引いたしました。また、WDBココ株式会社につきましては、2019年12月25日に東京証券取引所マザーズに上場を果たしました。海外については、フィンランド、アメリカ、インドの各拠点において活動を行っており、業績は改善に向かっております。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、安全性試験および各種治験に関する医療データの提供について、一部遅れが発生しております。そのため、業務処理および売上への計上にも遅れが生じておりますが、緊急事態宣言の解除に伴い、状況は改善しつつあります。
以上のような活動の結果、当連結会計年度の売上高は43,108百万円(前期比3.7%増)となりました。事業別の構成比は、人材サービス事業が89.6%、CRO事業が9.6%、その他事業が0.8%であります。営業利益は、4,956百万円と前連結会計年度と比べ6百万円の減益(前期比0.1%減)、経常利益は4,961百万円と前連結会計年度と比べ27百万円の減益(前期比0.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,114百万円と前連結会計年度に比べ191百万円の増益(前期比6.6%増)となりました。なお、当社が重視している経営指標である売上高経常利益率は11.5%(前年同期比0.5ポイント減)、ROEは17.5%(前年同期比1.9ポイント減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額であります。
①人材サービス事業
当セグメントの売上高は、38,614百万円と前年同期と比べ1,438百万円の増収(前年同期比3.9%増)、セグメント利益(営業利益)は、5,077百万円と前年同期と比べ18百万円の増益(前年同期比0.4%増)となりました。増収の要因は、派遣社員の増加および派遣料金のアップによるものです。売上の伸びと比較してセグメント利益の伸びが小さい理由は、営業拠点および研修所の増設と、営業担当者の大幅増員、システム開発により、販管費が増加したためです。
②CRO事業
当セグメントの売上高は、4,144百万円と前年同期と比べ503百万円の増収(前年同期比13.8%増)、セグメント利益(営業利益)は、314百万円と前年同期と比べ155百万円の増益(前年同期比97.7%増)となりました。増収の主な要因は、WDBココ株式会社の受注が堅調に推移したことによります。増益の主な要因は、WDBココ株式会社の利益が伸びたことに加え、海外子会社の赤字が縮小したことです。
③その他
当セグメントの売上高は、348百万円と前年同期と比べ403百万円の減収(前年同期比53.6%減)、セグメント利益(営業利益)は9百万円と前年同期と比べ57百万円の減益(前年同期比86.3%減)となりました。大幅な減収減益の理由は、2018年12月にWDB機能化学株式会社を解散し、株式会社WDB環境バイオ研究所の全株式を売却したことにより、この2社の売上および利益が当期には計上されていないためです。
(2)キャッシュ・フローの状況
①資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金(派遣社員および従業員給与等の人件費、家賃)、法人税の支払いならびに配当金の支払いであります。
②財務政策
当社グループの資金需要は、営業活動の結果得たキャッシュ・フロー等の自己資金で賄っております。
③キャッシュ・フローの状況と主な増減要因
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ2,912百万円増加し、16,187百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果により得られた資金は、税金等調整前当期純利益4,926百万円を計上しましたが、法人税等の支払額が1,865百万円となったこと等により、前連結会計年度に比べ279百万円減少の3,043百万円の収入(前期は3,322百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出された資金は、前連結会計年度に比べ98百万円増加し531百万円の支出(前期は432百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出318百万円、敷金の差入による支出238百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ816百万円増加し428百万円の収入(前期は388百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額485百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の売却による収入524百万円、連結子会社増資に伴う非支配株主からの払込による収入401百万円があったことによるものであります。
④資金の振り分け方針
営業活動により得られた資金を元に、企業買収、システムの改築、人材採用などに投資を行います。また、株主還元については、2022年3月期まで増配を続ける方針です(2021年3月期:37円50銭、2022年3月期:49円50銭)。2023年3月期以降の配当方針は未定です。
(3)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当社グループは、主として人材サービス事業を営んでおり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
②受注状況
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③販売実績
当社グループは、主として人材サービス事業を営んでおり、当連結会計年度における売上実績の内訳は、以下のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
構成比(%) |
|
|
人材サービス事業 |
38,614,614 |
89.6 |
|
(理学系研究職) |
29,836,794 |
69.2 |
|
(工学系技術職) |
2,769,463 |
6.4 |
|
(一般事務職) |
4,874,001 |
11.3 |
|
(その他派遣) |
385,615 |
0.9 |
|
(人材紹介他) |
748,738 |
1.7 |
|
CRO事業 |
4,144,856 |
9.6 |
|
その他 |
348,866 |
0.8 |
|
合計 |
43,108,338 |
100.0 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における売上実績を地域別に示すと、以下のとおりであります。
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
構成比(%) |
|
|
北海道・東北 |
1,164,669 |
2.7 |
|
関東・甲信越 |
23,035,533 |
53.4 |
|
東海・北陸 |
3,757,940 |
8.7 |
|
近畿 |
8,951,356 |
20.8 |
|
中国・四国・九州 |
4,689,335 |
10.9 |
|
海外 |
1,509,502 |
3.5 |
|
合計 |
43,108,338 |
100.0 |
(注)1.支店・営業部・子会社の所在する地域によって区分しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であり、将来に関する事項にはリスクと不確実性を内在しており、将来生じる実際の結果と異なる可能性もありますので、ご留意ください。また、当社グループの用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要なものはなく、新型コロナウイルスの影響は軽微であると考えております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
(連結経営成績)
|
|
2019年3月期(千円) |
2020年3月期(千円) |
増減 (千円) |
増減率 (%) |
||
|
|
|
売上比(%) |
|
売上比(%) |
||
|
売上高 |
41,569,779 |
100.0 |
43,108,338 |
100.0 |
1,538,558 |
3.7 |
|
売上原価 |
30,953,865 |
74.5 |
31,726,423 |
73.6 |
772,558 |
2.5 |
|
売上総利益 |
10,615,914 |
25.5 |
11,381,914 |
26.4 |
766,000 |
7.2 |
|
販売費及び一般管理費 |
5,653,214 |
13.6 |
6,425,778 |
14.9 |
772,564 |
13.7 |
|
営業利益 |
4,962,700 |
11.9 |
4,956,135 |
11.5 |
△6,564 |
△0.1 |
|
営業外収益 |
39,171 |
0.1 |
24,381 |
0.1 |
△14,790 |
△37.8 |
|
営業外費用 |
12,780 |
0.0 |
19,330 |
0.0 |
6,549 |
51.2 |
|
経常利益 |
4,989,090 |
12.0 |
4,961,186 |
11.5 |
△27,903 |
△0.6 |
|
特別利益 |
18,573 |
0.0 |
275 |
0.0 |
△18,297 |
△98.5 |
|
特別損失 |
351,743 |
0.8 |
35,150 |
0.1 |
△316,592 |
△90.0 |
|
税金等調整前当期純利益 |
4,655,920 |
11.2 |
4,926,311 |
11.4 |
270,391 |
5.8 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,922,634 |
7.0 |
3,114,138 |
7.2 |
191,503 |
6.6 |
(売上高の内訳)
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
増減 (千円) |
増減率 (%) |
|||
|
売上高(千円) |
構成比(%) |
売上高(千円) |
構成比(%) |
||||
|
人材サービス事業 |
理学系研究職 |
28,669,359 |
69.0 |
29,836,794 |
69.2 |
1,167,435 |
4.1 |
|
工学系技術職 |
2,540,126 |
6.1 |
2,769,463 |
6.4 |
229,337 |
9.0 |
|
|
一般事務職 |
4,883,103 |
11.7 |
4,874,001 |
11.3 |
△9,102 |
△0.2 |
|
|
その他派遣 |
287,869 |
0.7 |
385,615 |
0.9 |
97,746 |
34.0 |
|
|
人材紹介他 |
795,412 |
1.9 |
748,738 |
1.7 |
△46,673 |
△5.9 |
|
|
計 |
37,175,871 |
89.4 |
38,614,614 |
89.6 |
1,438,742 |
3.9 |
|
|
CRO事業 |
3,641,537 |
8.8 |
4,144,856 |
9.6 |
503,319 |
13.8 |
|
|
その他 |
752,370 |
1.8 |
348,866 |
0.8 |
△403,504 |
△53.6 |
|
|
総合計 |
41,569,779 |
100.0 |
43,108,338 |
100.0 |
1,538,558 |
3.7 |
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① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ1,538百万円増加し、43,108百万円(前期比3.7%増)となりました。事業別の構成比は、人材サービス事業が89.6%、CRO事業が9.6%、その他事業が0.8%であります。
人材サービス事業は、前連結会計年度に比べ1,438百万円増加し、38,614百万円(前期比3.9%増)となりました。分野別では、当社グループの主力分野である理学系研究職の派遣が、前連結会計年度に比べ1,167百万円増加し29,836百万円(前期比4.1%増)、工学系技術職の派遣が、前連結会計年度に比べ229百万円増加し2,769百万円(前期比9.0%増)、一般事務職が9百万円減少し4,874百万円(前期比0.2%減)となりました。理学系、工学系分野においては、派遣社員の人数増および派遣料金のアップにより、売上がそれぞれ伸びております。
CRO事業は、前連結会計年度に比べ503百万円増加し、4,144百万円(前期比13.8%増)となりました。売上伸びの要因は、WDBココ株式会社の業績が堅調であったことおよび、2018年8月に買収したDZS社の売上が業績に通期で反映したことです。
その他は、前連結会計年度に比べ403百万円減少し、348百万円(前期比53.6%減)となりました。
② 売上原価および売上総利益
売上高の増加に伴い、売上原価は前連結会計年度に比べ772百万円増加し、31,726百万円(前期比2.5%増)となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ766百万円増加し、11,381百万円(前期比7.2%増)となり、売上総利益率は、26.4%(前連結会計年度は25.5%)となりました。総利益率が改善した主な要因は、派遣料金のアップに伴うマージン率の改善によるものです。
③ 販売費および一般管理費、営業利益
販売費および一般管理費は、前連結会計年度に比べ772百万円増加し、6,425百万円(前期比13.7%増)となり、売上高に対する割合は14.9%(前連結会計年度は13.6%)となりました。この要因は、人材サービス事業において、営業拠点および研修拠点の新規開設および営業担当の増員を行ったことと、システム開発に伴う費用が増加したことであります。
この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6百万円減少し、4,956百万円(前期比0.1%減)となり、営業利益率は11.5%(前連結会計年度は11.9%)となりました。
④ 営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ14百万円減少し、24百万円(前期比37.8%減)となりました。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ6百万円増加し、19百万円(前期比51.2%増)となりました。
⑤ 特別損益
特別利益は、前連結会計年度に比べ18百万円減少し、0.2百万円(前期比98.5%減)となりました。
特別損失は、前連結会計年度に比べ316百万円減少し、35百万円(前期比90.0%減)となりました。特別損失が前連結会計年度に比べ大幅に減少している理由は、前年度に発生した、WDB機能化学株式会社の工場解体および清算に伴う損失が今年度は発生しなかったためであります。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ270百万円増加し、4,926百万円(前期比5.8%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ191百万円増加し、3,114百万円(前期比6.6%増)となりました。
⑦ 2020年3月期の計画達成状況
売上高は計画に対し、3,529百万円の未達(計画達成率92.4%)となりました。未達の主な理由は、営業担当の増員が計画に対して遅れたため、営業活動を計画通りに実施できなかったためであります。
経常利益は計画に対し、38百万円の未達(計画達成率99.2%)となりました。また、経常利益率は、10.7%の計画に対し、11.5%の実績となりました。売上高に比べて未達幅が小さく、経常利益率が計画を上回った理由は、派遣単価の上昇に伴って売上総利益率が改善したことに加え、営業担当の増員が遅れたことにより、人件費が計画を下回ったためであります。
親会社株主に帰属する当期純利益は計画に対し、14百万円の上回り(計画達成率100.5%)となりました。
(2)財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は21,998百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,851百万円の増加となりました。主な増加要因は、現金及び預金が2,909百万円増加したことであります。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は4,546百万円となり、前連結会計年度末に比べ230百万円増加しました。主な増加要因は、敷金及び保証金が168百万円増加したことであります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は5,753百万円となり、前連結会計年度末に比べ557百万円減少しました。主な減少要因は、未払金が690百万円減少したことおよび未払法人税等が285百万円減少したことであります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,104百万円となり、前連結会計年度末に比べ226百万円増加しました。主な増加要因は、資産除去債務の増加116百万円および退職給付に係る負債の増加65百万円によるものであります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産合計は19,687百万円と前連結会計年度末に比べ3,413百万円の増加となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増加2,628百万円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析については、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。