第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社の基本方針は、「共感をカタチにし、ユニークを創造するITサービスカンパニーへ」です。当社では、実効性あるコーポレートガバナンスのもと、グループの経営資源とITソリューション力を活かした事業活動を通じて、事業会社としての経済的価値と社会課題解決による社会的価値の両立を実現する経営を目指していきます。

 

(2) 当社グループの対処すべき課題と対処方針等

<環境認識>

国内企業を取り巻く環境は、急速な技術革新と社会構造の変化により、大きな転換期を迎えています。生成AIやクラウド、データ利活用の進展により、業務やサービスのあり方が根本から見直される一方、サイバーセキュリティやデータガバナンスの強化への対応も一層重要となっています。また、少子高齢化や人材不足、働き方の多様化、気候変動への対応など、持続可能な成長を見据えた社会的責任が企業に強く求められる時代にもなっています。

このような状況下においては、デジタル技術を活用した経営改革や新たな価値創出、そして環境・社会課題への積極的な取り組みが不可欠です。当社はこの環境認識のもと、持続的な企業価値の向上と社会的価値の創出を目指し、経営基盤の強化と中長期的な成長戦略の実行に取り組んでおります。

 

<中期経営計画「Re.Connect 2026」と対処すべき課題>

当社グループが推進する3か年中期経営計画「Re.Connect2026」(2024年度~2026年度)では、お客様を含めた全てのステークホルダーとの「つながり」のあり方を根本的に見直し「再度、より良い形でつながり直す」ことを重要テーマに、これまでの「IT課題」および「事業課題」の解決、さらには「社会課題」の解決までをカバーする事業を展開し、持続的な成長基盤の確立を図っています。中計初年度を経過した現在、事業戦略および経営戦略の各取り組みと対処すべき課題は以下のようなものです。

 

<事業戦略>「サービス提供型事業の拡大」について

当社グループが持つ各種ITサービスの提供により、お客様のITシステムの最適なモダナイゼーションをご支援してまいりました。今後も多くのお客様において、将来を見据えたビジネスモデルへの変革が加速することが予想され、ITシステムやITサービスは「デジタル化による業務効率化」「顧客データの収集と活用」「新たなサービスを提供する基盤」といった役割を担いつつ、多様化するお客様のニーズや要件への対応力が問われてまいります。これらを踏まえ、今年度の対処すべき課題として、以下の取り組みに注力してまいります。

(1)クラウド成長領域への投資の拡大

当社グループの強みを軸としたクラウドサービスの投資対効果の最大化に向けた開発、販売、サポート体制面の強化とコスト構造の改善

(2)お客様の最適なモダナイゼーションの実現

お客様が抱える課題に合わせたマイグレーション提案と実行に伴うリソースを補完するパートナーとの協業モデル構築

 

<事業戦略>「新たな価値提供モデルの確立」について

事業変革や効率化を目的としたお客様のIT投資において、データマネジメントとサービスマネジメントへの期待と関心が高まる中、当社グループバリューチェーンの最適化を進めてまいりました。また、社名に込めた「利他」の精神を大切にし、持続可能な社会の実現に向け、社会課題の解決に資する事業に取り組むことは、当社グループの使命と考えており、経済的価値向上と社会的価値創出の両立を目指しております。これらを踏まえ、今年度の対処すべき課題として、以下の取り組みに注力してまいります。

(1)グループ横断、エコシステムによる顧客提供価値の高度化

当社グループの強みを軸とした価値提供モデルの確立とお客様への具体的提案

(2)社会課題事業への継続的投資とアライアンス強化

地域交通課題の解決を図る事業の成長に向けた協業パートナーの拡大

 

<事業戦略>「事業プロセスの変革」について

お客様の期待やニーズの多様化、高度化を受け、当社グループとしてのサービス品質の向上と情報セキュリティマネジメント基盤を構築すべく「サービスマネジメント本部」を設置し、その体制と活動を強化してまいりました。今後は、これらの活動の加速が急務と考えております。これらを踏まえ、今年度の対処すべき課題として、以下の取り組みに注力してまいります。

(1)サービスシフトを支える品質マネジメントの強化

当社グループにおけるサービス提供機能連携と品質改善による顧客満足度向上及び事業収益性改善

 

<経営戦略>「ユニリタグループ理念を軸とした持続的な経営と価値創造」について

中計初年度は、自律型イノベーション人財の育成を企図した「階層別研修」「自己啓発研修」「社会課題解決事業の構想と構築研修」など、広い視野と実行力を兼ね備えた人財の創出に注力してまいりました。また、人事制度面では、ミッショングレード制を導入し、職責や成果に基づく公平な評価と報酬を実現する制度基盤の構築を進めております。この研修や制度を単なる仕組みに留めず「自発的に学ぶ」「学びを共有する」文化への醸成と「労働生産性の向上」に資する運用へとその成熟度を高めてまいります。これらを踏まえ、今年度の対処すべき課題として、以下の取り組みに注力してまいります。

(1)UNIRITA Group Leadership Principlesを軸とした理念経営への進化

グループ共通理念の社内外へのさらなる発信とグループ全社員の行動変容の促進

(2)事業戦略を推進する人的資本の加速

自律型イノベーション人財育成の継続、および人事評価制度の活用による労働生産性向上への取り組み

 

これらの取り組みを着実に実行し、ユニリタグループのお客様のサステナブルな発展に貢献してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

当社グループは、「目指すべき姿」であるMission・Vision・Valueをグループ共通の理念ULP(UNIRITA Group Leadership Principles)として定めております。このULPに基づいた理念経営を実践するために、サステナビリティ方針を策定し、環境、社会、ガバナンスの観点から優先的に取り組むべき課題をマテリアリティとして明確化しました。

(1)サステナビリティ方針

ユニリタグループは、ユニークな発想と利他の精神を起点として、ステークホルダーの皆様と社会課題を解決することにより新たな価値を創造し、サステナブルな社会を実現します。

 


 

①ガバナンス

当社では、取締役会がサステナビリティに関する監督責任を持ち、そのもとで社長執行役員を責任者とする執行役員会が業務執行責任を持ちます。なお、サステナビリティ方針に基づいた推進活動をグループ横断的に実施するため、「サステナビリティ推進会」を設置しました。本推進会は、重点テーマごとの目標設定や、各部門によるKPIの策定・実行支援、活動状況のレビュー、社内外への発信を担っています。その活動状況等については執行役員会に、重要な事項については取締役会にそれぞれ年2回以上報告されます。

 


 

②戦略

当社グループでは、ユニリタグループが目指す「一歩先の未来」の実現に向けて、環境・社会・経済の課題に対し、自社の事業活動への影響や提供できる価値を考慮して、以下をマテリアリティ(重要課題)として特定しております。

 


 

③リスク管理

当社グループでは、事業の継続性および経営目標の達成に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「事業等のリスク」として定義し、以下のとおり主要リスクとして特定しております。

a.外部環境(IT)リスク

b.事業形態上のリスク

c.投資戦略上のリスク

d.情報セキュリティ上のリスク

e.訴訟リスク

f.M&A、資本業務提携のリスク

g.震災等の災害リスク

特に法令及び契約事項に関わるリスクについては、内部監査室や法務部門等が定期的にモニタリングを実施し、その結果を報告書に取りまとめ、取締役会に報告しております。加えて、半期に1度開催される危機管理委員会においても、特にd.情報セキュリティ上のリスクおよびg.震災等の災害リスクを中心とした主要リスクの対策状況等について報告・検討を行い、リスク対応の実効性向上を図っております。

 

また、当社グループでは、事業機会の追求とそれに伴うリスクの適切な評価・管理も重視しており、各事業部門および子会社が新規事業等の探索・企画を行う際には、事業計画の策定・見直しプロセスにおいて、社長執行役員および経営企画部門がレビューを実施する体制を構築しております。これにより、成長機会とリスクの両面を考慮した意思決定の実効性を確保しています。

 

サステナビリティ関連のリスクと機会の識別・評価についても、特定したマテリアリティに関する取組状況を執行役員会、取締役会に定期的に報告するとともに、内部監査室、法務部門等の関連部門と連携しリスク管理体制のの継続的な高度化に取り組んでまいります。

 

指標と目標

マテリアリティの取組状況は、各部門の施策に反映されモニタリングを実施しております。2024年度より人的資本領域について、指標の設定と運用を開始しており、その状況は次に記載しております。

 

(2)人的資本強化に向けた方針と取り組み

当社の中期経営計画「Re.Connect2026」においては、人的資本投資の加速を重要な柱と位置づけ経営目標の達成に不可欠な要素であると認識しております。日本全体において労働力人口が減少し高齢化が進行する中、若年層の安定的な採用やシニア層の活用は、企業全体に共通する喫緊の課題となっております。こうした認識のもと、当社は人的資本の強化に向けて次の4つを基本方針として取り組んでまいりました。

 

① 人材育成および社内環境整備に関する方針

   ・自律型イノベーション人財の育成

   ・ダイバーシティの推進と多様な人財の活躍

   ・「働きやすさ」だけではなく、「働きがい」も実感できる職場

   ・健康経営の実現

 

② 人材育成および社内環境整備に関する指標、目標および実績

a 自律型イノベーション人財の育成

当社は、年齢や社歴に関係なく、能力と成果を発揮できる自律型イノベーション人財を増やすため、2024年4月よりミッショングレード制をベースとした新たな人事制度を導入し、評価制度も刷新しました。あわせて、社員の基礎力強化にも取り組んでまいりました。さらに、事業を自ら構想し推進できる人材の育成に向けて、事業創出に関する研修やワークショップなどを実施し、チャレンジを促す風土の醸成を進めています。全社員が目標と方向性を共有し、具体的な施策を通じて、当社が目指す人材像の実現を図ってまいります。

 

<実施した具体的な施策>

・全社員向けビジネス基礎力強化研修(思考力・対人力強化研修、行動・思考力養成研修等)

・ユニリタアカデミー(グループ会社やパートナー企業が提供する技術・サービスや最新トレンド、各種ナレッジを社内で広く共有する定期的な情報共有会)

・技術力強化研修(ハッカソン、AWS主催の「Angel Dojo」への参画等)

・社会課題解決、事業創造力強化策(事業構想プロジェクト、サステナ研修、新規開発研修、ペンギンチャレンジ等)

<上記に加えて今後実施する具体的な施策>

・発想・着想・想像力強化研修

・グループ内での人事制度・評価制度の標準化、福利厚生の見直し

・幹部向け研修、次世代幹部向け研修、階層別研修

 

b ダイバーシティの推進と多様な人財の活躍

当社は性別・年齢・障がい・国籍を問わず多様な人材の活躍を推進するとともに、育児・介護休業の取得促進を通じて相互に尊重し合う職場環境の構築を目指しております。

女性活躍の指標として女性管理職比率を採用し、役員および管理職への女性登用をさらに推進してまいります。

また、男性社員の育児休業取得に関しては、「くるみん認定」取得や社内での周知活動を通じて改善が進んでおります。加えて、性的マイノリティに対する理解と受容を深めるための基盤づくりとして、2024年11月に「PRIDE指標 ブロンズ」を取得し、啓発活動を推進しております。

さらに、定年年齢を見直し、65歳へ延長することで、年齢にとらわれず、多様な人材がその経験や能力を最大限に発揮し、より一層活躍できる職場環境の整備を進めております。

多様な人材活躍等に関する指標、目標および実績は次のとおりです。

 

多様な人材活躍等に関する指標、目標および実績

 

2025年3月期(実績)

2027年3月期(目標)

女性採用割合(新卒・中途)

52.2%

50%

女性管理職比率

11.1%

15%

男性育児休業取得率

100.0%

90%

男性育児休業取得日数

28.0日

41日

障碍者雇用人数

5名

8名

LGBTQ+(PRIDE指標)への対応

3点/5点満点

5点/5点満点

 

なお、当社グループにおいては、指標及び関連するデータの管理とともに具体的な取り組みの展開を進めておりますが、連結グループに属する全ての会社が対象となっていない指標もあります。そのため、上記の指標においては当社を対象に記載しております。

 

c 「働きやすさ」だけではなく、「働きがい」も実感できる職場

当社では、多様な人材が安心して力を発揮できる「働きやすい環境」の整備に加え、社員一人ひとりが意欲を持ち、自らの成長や社会への貢献を実感できる「働きがい」のある職場づくりを実現するため、制度や職場環境の整備を進めるとともに、社員の自主性を尊重しつつ、部門や世代を超えたつながりを促進する各種施策を展開しています。

 

<実施した具体的な施策>

・働く場所・時間を柔軟に選べる勤務環境の整備(ハイブリッドワーク、フルフレックスタイム制導入等)

・能力を発揮し、成果がより評価される新人事制度制度の導入

・部署や年齢を超えたつながりと成長・心理的安全性を促進(1on1ミーティング)

・表彰制度や全社プロジェクトで連携強化とモチベーション向上を促進(月間MVP、部門賞、社長賞等)

・年次・職種を問わず提案されたビジネスアイデアが、審査を経て事業化される「ペンギンチャレンジ」制度

・副業・資格取得支援で主体的なスキル向上とキャリア拡大を支援

・社員同士のコミュニケーションを活性化する仕組み(社長のおごり自販機、沿線や誕生月などの

 テーマに沿った懇親会等)

・イベントを通じたグループ会社間の交流促進(同好会活動、ユニリタフェスティバル、

 ユニリタ杯(GOLF親睦)等)

・社員の中長期的な資産形成を支援するためのインセンティブ制度(社員持株会)

 

<上記に加えて今後実施する具体的な施策>

・グループ全体を通じたジョブローテーションによる多面的なキャリア形成

・資格奨励制度の見直しによる自己成長の支援

・社員の年代や属性に応じた階層別研修の実施

・役職定年後の再活躍を見据えたライフステージ支援

 

 

d 健康経営の実現

当社は、多様な人財が活躍し、共に成長できる組織を実現するためには、社員一人ひとりの心身の健康が何より重要と考えており、「Work in Life」の実現に向けて、柔軟かつ主体的に働ける職場環境の整備を推進しています。その一環として健康経営を積極的に推進し、社員およびそのご家族を含めたエンゲージメントの向上と、心理的安全性の高い職場づくりに取り組んでおります。

今後の具体的な取り組みとしては、メンタル不調者への継続的なフォロー、健康診断における要所見者への適切な対応、メタボリックシンドローム該当者に対する専門プログラムの受診促進に加え、社員の健康意識を高めることを目的としたウォーキングイベント等の企画・実施にも注力してまいります。

これらの包括的な健康施策を通じて、社員一人ひとりの健康維持・増進を支援するとともに、「健康経営優良法人」認定の取得を目指してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、これらは当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 外部環境(IT市場)リスク

世界規模で加速するデジタルトランスフォーメーション(DX)の環境下では、今後、新たなデジタルビジネスの立ち上がりや、急速に進化するAIやゲームチェンジャーともいうべき企業の出現、さらには想定外の変化の発生も考えられます。デジタル技術の革新スピードは速く、その方向性を予測することは極めて難しいため、当社グループが先進技術に適合した魅力的な新サービスをタイムリーに開発できるとは限りません。当社グループは、サステナブルな社会基盤を支えるお客様のDXを支援するべく、当社の強みを深化させた高付加価値型のサービス事業を推進してまいりますが、加速化するデジタル技術の革新スピードやお客様ニーズに適応できない場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、中期経営計画の進捗管理やローリングを通じ、かかる環境変化によるリスクの低減を図っております。

 

(2) 事業形態上のリスク

当社グループのプロダクトサービス事業やクラウドサービス事業においては、お客様の高度なデータ活用を担うプロダクトやサービスならびにシステム運用の自動化や帳票管理など特定領域向けのプロダクトやサービスの提供を行っています。現在のデジタル技術の進化のスピードは極めて速く、競争環境の中で、当社グループの事業領域への参入を図るためのお客様の囲い込み、あるいはオープンソース方式による類似機能のソフトウェアの提供などにより、プロダクトやサービスの提供による収益が極端に減少し、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

当社グループの各事業において、完成責任を負う請負契約で受注した場合、契約内容の曖昧性等による当初想定していた見積りからの乖離や、開発段階に当初想定し得ない技術的な問題、プロジェクト管理等の問題が発生し、請負金額に対しコスト超過となることがあります。このような不採算案件が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループのプロダクトサービス事業におけるメインフレーム事業は、現在、高い収益性を保持しています。本事業の製品は、お客様の基幹システムに多く組み込まれているため、オペレーティングシステム(OS)の変更等に伴う保守サービスが重要であり、本事業の安定的な収益源になっております。しかしながら、企業の統廃合、IT技術革新、クラウド化の進展等により従来のメインフレームコンピュータが使用されなくなったり、当社グループが適時適切に製品の改良版の提供ができず、保守サービスの解約が急激に増加したりした場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3) 投資戦略上のリスク

当社グループは、競争力を維持し顧客の需要を喚起し、ユニークな製品やサービスを持続的に提供していくために研究開発投資を積極的に推進する計画です。当社グループは、「サービス提供型事業の拡大」戦略の下、クラウドサービスの成長領域での売上拡大や新規の事業領域創出等に向けた研究開発投資を継続的に行っています。しかしながら、絶えず変化する市場動向を適時的確に把握できない場合や技術開発で競合他社に先行されてしまう場合等、開発投資からの収益化に成功しない可能性があります。

 

(4) 情報セキュリティ上のリスク

当社グループでは業務遂行上、お客様が保有するさまざまな機密情報に接する機会が多いため、情報セキュリティに関する体制を強化し、必要な社員教育等を行うことでかかる事態を予防するとともに事態が発生した際の損失を最小化するための体制を構築しております。しかし万が一、何らかの理由で紛失、破壊、漏洩等が生じた場合、当社グループの社会的信用の低下や失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの業績および事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 訴訟リスク

当社グループでは、グループ法務機能を強化し、必要な社員教育等を行うことで訴訟リスクを軽減するとともに訴訟等の事態が発生した際の損失を最小化するための体制を構築しております。

しかしながら、当社グループの製品やサービスが、他人の特許等の存在を知らずに使用したことによる知的財産権侵害などを理由とした訴訟その他の請求(以下「訴訟等」といいます)の対象とされる可能性があるほか、当社グループの製品やサービスに起因するシステム障害などによってお客様に損害を与え、このために訴訟等を提起される可能性もあり、その訴訟等の内容によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(6) M&A、資本業務提携のリスク

当社グループは、技術革新のスピードの速いIT業界にあってマーケットニーズに俊敏に対応し持続的成長を実現するために、M&Aおよび資本・業務提携を重要な成長戦略の要素と考えています。当社グループは、事業を補完し成長させるために、他企業の買収、他企業への出資、他企業との提携および協力体制構築等の検討を行い、その結果、当社グループの業績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあり得ます。これらの実行にあたっては、対象となる企業の財務・税務・法務・事業内容等に関するデューデリジェンス(買収監査)を行い、意思決定のために必要な情報収集のもと各種リスクの低減を図りますが、実行後に次のような事項が発生することを完全に払拭することはできません。すなわち、市場および競争環境に著しい変化が生じた場合、事前に認識していなかった問題が顕在化した場合、買収した事業における優秀な人材を保持し又は従業員の士気を維持することができない場合、当初想定した計画との間に齟齬が生じ当社グループの期待する成果が得られない場合等には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 震災等の災害リスク

異常気象や地震等により突如引き起こされる大きな災害は、社会のライフラインを一瞬で破壊します。IT業界においても、電力供給の停止や制限下におけるデータ管理、システム運用を保持することの重要性がクローズアップされています。当社グループにおいても、提供する製品やサービスが社会インフラの維持に関わっているという認識を強く持ち、危機管理委員会によるBCP計画策定などを通じ、災害対策には十分配慮してまいりますが、想定を超えた災害等が発生した場合、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

なお、以上に述べた事項は当社グループの事業活動その他に係る全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外のリスクも存在しています。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境や所得水準の改善、活況なインバウンド需要などを背景に、緩やかな回復基調が続いております。一方で、長期化する地政学的リスクの高まりや中国経済の減速、米国による大幅な関税引き上げなどが影響し、景気の先行きは依然として不透明な状況となっています。

このような経済環境のもと、国内企業のIT投資動向は、データドリブン経営の実現に向けてDXやAIを中心とした投資が拡大しています。また、既存のレガシーシステムの更改ニーズに伴うクラウド移行やインフラ及びアプリケーションのモダナイゼーションといった投資も堅調に推移し、多くの企業が成果を上げつつあります。

このような環境下、当社グループは、コアコンピタンスである「データマネジメント」と「サービスマネジメント」を基軸とした各種サービスにより、お客様の価値創出を支援しています。

そして、中期経営計画「Re.Connect2026」(2024年度~2026年度)では、お客様を含めた全てのステークホルダーとの「つながり」のあり方を根本的に見直し「再度、より良い形でつながり直す」ことを重要テーマに、持続的な成長基盤の確立を図っています。

 

当連結会計年度累計期間の業績は、売上高116億87百万円(前年同期比2.5%減)となり、利益面では、営業利益8億40百万円(同17.8%減)、経常利益10億1百万円(同14.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7億16百万円(同12.1%減)となりました。

 

<セグメント業績>

セグメントごとの業績は次のとおりです。なお、当社は組織変更に伴い、当連結会計年度の期首より、「プロダクトサービス」事業に含めていた一部の部門を「クラウドサービス」事業に変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しております。

(百万円)

セグメント

項目

1Q

2Q

3Q

4Q

4Q累計

前期

前期比

増減率

プロダクト

サービス

売上高

1,124

1,137

1,069

1,136

4,468

4,394

1.7%

営業利益

325

362

277

321

1,286

1,225

5.0%

営業利益率

29.0%

31.9%

25.9%

28.3%

28.8%

27.9%

0.9pt

クラウド

サービス

売上高

836

879

901

1,076

3,693

3,642

1.4%

営業利益

△151

△123

△152

14

△412

△99

営業利益率

1.4%

プロフェッ

ショナル

サービス

売上高

879

888

836

920

3,525

3,944

△10.6%

営業利益

18

81

62

141

303

369

△17.9%

営業利益率

2.1%

9.1%

7.5%

15.3%

8.6%

9.4%

△0.8pt

 

 

プロダクトサービス

自動化事業は、お客様のシステムをとりまく環境変化を背景に、基幹システムの更改や再構築、マイグレーションなどのニーズが高まる中、既存のお客様に対する提案活動やパートナー企業との連携が奏功し、案件が増加しました。特に、経営統合に伴うシステム統合などの更改案件の増加により、自動化事業の主力製品である「A-AUTO(エーオート)」の導入が堅調に推移しました。

帳票事業は、法改正に伴う電子化や業務効率化ニーズの高まりを背景に、「まるっと帳票クラウドサービス」が同事業のサービスシフトを牽引しました。また、自動化事業と同様にマイグレーション需要を受けた帳票システムの更改案件が増加、帳票管理・制御の統合システム「BSP-RM(ビーエスピーアールエム)」や技術支援の受注が、同事業の業績を下支えしました。

 

メインフレーム事業は、メインフレーム市場が依然として縮小傾向にあるものの、金融業や生命保険業を中心に継続利用の動きが堅調であり、メインフレーム領域における当社の優位性を活かした提案活動が奏功し、計画通りに推移しました。また、メインフレームベンダーの製品保守終了に伴う更改案件の引き合いも多く、本事業の増収増益を牽引しました。

 以上を踏まえ、プロダクトサービス全体として増収増益となりました。

 

クラウドサービス

IT活用クラウド事業は、DX推進に伴う、事業モデルのサービスシフトと品質向上を図る企業の増加を受け、国内市場におけるサービスマネジメント領域のトップブランドSaaSである「LMIS(エルミス)」の受注が伸長しました。その他データ連携基盤の更改ニーズに対応する「Waha! Transformer(ワッハー・トランスフォーマー)」や、セキュリティ対策・ガバナンス強化に関連するID管理およびSSO構築サービスとして「infoScoop×DigitalWorkforce(インフォスクープ デジタルワークフォース)」の提案件数は増加傾向にあります。しかしながら、同サービス群におきましては、案件の大型化に伴う検討期間の長期化や市場ニーズへの対応不足等が影響し、受注が低迷しました。

事業推進クラウド事業は、リモートワーク主体から出社主体へと企業の出勤形態が変容する中、通勤費管理サービス「らくらく通勤費」の受注が伸長しました。また、人材派遣業界向けの人事管理クラウドサービス「DigiSheet(デジシート)」や「The Staff-V(スタッフブイ)」も、景気回復による派遣市場の活況を受けて提案件数が増加しました。しかしながら、多様化する個社要件への対応といった受注プロセスに課題を残し、足踏みとなりました。その他、デジタルサービスを展開する企業のカスタマーサクセス体制構築ニーズを受け、「Growwwing(グローウィング)」の受注が伸長しました。

ソーシャルクラウド事業は、地方自治体が抱える高齢運転者の免許返納や交通空白地といった社会課題の解決手段として、「Community MaaS(コミュニティマース)」の引き合いが増加しました。国や地方公共団体との連携に加え、全国に販売拠点を持つパートナー企業との協業が奏功し、引き合いが増加した一方で、受注までのプロセスに課題を残しました。

以上を踏まえ、当期中の成約には至らなかったことや調達コストの増加などが影響し、クラウドサービス全体として増収減益となりました。

 

プロフェッショナルサービス

コンサルティング事業は、データマネジメント領域においては、企業のデータドリブン経営への取り組みが活発化しており、これを支援するコンサルティング案件の受注が順調に推移しました。特に、製造業向けの支援事例の横展開が奏功し、新規受注の拡大にもつながりました。また、サービスマネジメント領域では、企業の事業部門における顧客視点を重視したサービス事業の拡大や、ITベンダー各社によるシステム運用ビジネスの拡大を背景に引き合いが増加しました。

システムインテグレーション事業は、主要パートナー企業からの受注減少や一括請負案件の縮小により、通期で減収となりましたが、DX推進ニーズの高まりを背景に、新規および既存のパートナー企業からの引き合いが増加し、後半は回復傾向となりました。また、メジャークラウドプラットフォームに精通した技術者の育成と、当社グループの顧客基盤を活用した提案活動により、クラウドサービスにおける各事業との連携強化が奏功し、高付加価値事業への転換が進展しました。

アウトソーシング事業は、DX投資を背景としたシステム運用のアウトソーシング需要を捉え、システム運用代行サービスが堅調に推移しました。また、当社グループの各種サービスに運用サービスを加えた提案や、マイグレーション案件の増加に伴う受注も堅調に推移し、当社グループの競争力の向上に寄与しました。

以上を踏まえ、収益ともに回復傾向ではあるものの、期初におけるシステムインテグレーション事業の低迷が影響し、プロフェッショナルサービス全体では、減収減益となりました。

 

 

<脚注>

A-AUTO(エーオート) システム運用管理、監視業務のタスク自動化ツール。システム管理者向けソフトウェアとしての信頼性、安定性、コストパフォーマンスの観点からエンタープライズ企業が利用するバッチ・ジョブ管理ツールとして40年以上にわたり採用されている。

BSP-RM(ビーエスピーアールエム) メインフレームのスプールデータから電子帳票のようなオープン環境を含め、各種帳票を管理・制御する統合システム。

まるっと帳票クラウドサービス 一般的な請求書の電子化やWeb配信から、多くのエンタープライズ企業に見受けられる専用封筒や専用紙を利用した郵送・宅配便などの特殊な帳票業務要件まで、幅広いアウトソーシングニーズに対応可能。帳票運用にまつわる全ての業務のDXを推進。

LMIS(エルミス) 事業者が顧客に提供するサービスを適切にマネジメントし、サービスによる課題解決と継続的なカイゼンを実現するプラットフォーム。 サブスクリプション形式での提供で、導入コストやランニング費用を抑えた利用を可能にしている。

Waha!Transformer(ワッハー・トランスフォーマー) 純国産のノーコードETLツール。大手企業を中心に2000ライセンス以上の導入実績を持つ。企業のビジネス環境にあわせて、基幹系システムからクラウドデータベース、Web APIやExcelファイルまで、さまざまなデータ連携を実現している。

infoScoop×Digital Workforce(インフォスクープ デジタルワークフォース) 利用者と管理者(IT部門)の生産性とセキュリティの向上を支援する働き方改革のプラットフォーム。「ポータル」、「シングルサインオン」、「ID管理」、「API管理」、「セキュアブラウザ」の機能を組み合わせたリモートワーク環境を構築することができる。

らくらく通勤費 通勤費管理のあらゆる業務に対応し、経路チェックや払い戻し精算、運賃改定等、多数の機能を備え業務改善を実現する。パソコンやスマートフォンでの利用に対応。

DigiSheet(デジシート) 人材派遣業に特化した、勤怠業務効率化サービス。流動人材の勤怠管理業務のスピードアップ、正確性の向上、コストダウンといった業務の効率化を可能にしている。

The Staff-V(スタッフブイ) スタッフ管理から契約管理、顧客管理、給与管理、請求管理、勤怠管理などといった、人材派遣ビジネスに求められる管理機能がこれひとつに集約された管理サービス。

Growwwing(グローウィング) LTVの最大化を実現するためのカスタマーサクセス支援サービス。同サービスが持つ低コストかつ短期で導入できる顧客データの一元管理プラットフォームを使うことで、顧客の成功体験を促進させる分析、施策、活動に必要なリソースを確保する。

Community MaaS(コミュニティマース) 複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせ、路線検索や予約、決済などを一括で行うサービスであるMaaSに、移動の目的を促すサービスを連携させ、そのサービスで収集したデータを活用できるプラットフォーム。公共交通と地域活性化の実現を支援する。

 

 

資産、負債及び純資産の状況として、当期末における資産は、前期末と比較して3億96百万円減少153億66百万円となりました。これは主に、流動資産その他30百万円増加した一方で、現金及び預金2億11百万円ソフトウエア70百万円及びのれん75百万円減少したことによるものであります。

負債は、前期末と比較して6億42百万円減少33億94百万円となりました。これは主に、繰延税金負債75百万円増加した一方で、未払法人税等1億87百万円賞与引当金1億72百万円及び流動負債その他3億55百万円減少したことによるものであります。

純資産は、前期末と比較して2億45百万円増加119億71百万円となりました。これは主に、利益剰余金1億94百万円増加したのに加え、自己株式30百万円減少したことによるものであります。利益剰余金については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により7億16百万円増加し、配当金の支払いにより5億22百万円減少しております。

この結果、当期末の自己資本比率は77.9%(前期末は74.4%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は前期末と比較して2億11百万円減少し、88億1百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は4億29百万円となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上10億70百万円であり、減少要因は、賞与引当金の減少1億72百万円、未払費用の減少1億69百万円及び法人税等の支払額4億96百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は1億23百万円となりました。主な資金増加要因は、投資有価証券の売却による収入76百万円であり、減少要因は、無形固定資産の取得による支出1億92百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は5億22百万円となりました。支出の主な内容は、配当金の支払額5億22百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

プロダクトサービス

707,520

93.3

クラウドサービス

556,997

92.2

プロフェッショナルサービス

3,437,472

88.6

合計

4,701,991

89.7

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

プロダクトサービス

341,615

107.0

クラウドサービス

798,199

120.2

プロフェッショナルサービス

47,266

57.0

合計

1,187,080

111.3

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.仕入高は主にロイヤリティであります。

 

c.受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

プロダクトサービス

643,817

81.7

52,603

46.1

クラウドサービス

588,726

106.1

68,428

187.2

プロフェッショナルサービス

3,473,468

89.2

725,134

105.3

合計

4,706,012

89.9

846,166

100.9

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

プロダクトサービス

4,468,652

95.7

クラウドサービス

3,693,093

109.6

プロフェッショナルサービス

3,525,382

89.4

合計

11,687,128

97.5

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.損益の状況

当連結会計年度(以下、「当期」)の損益の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。

b.財政状態の分析

当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。

当期末における資産、負債及び純資産に関する状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析

当期のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.契約債務

当社グループの第三者に対する保証は、ユニリタ共済会の金融機関からの借入金に対する債務保証であり、2025年3月31日現在の債務残高は、20,510千円であります。

c.財務政策

当社グループは、運転資金および設備資金につきましては、自己資金により資金調達することとしております。

また、金融機関との間で10億円のコミットメントライン契約を締結しておりますが、当連結会計年度末において当契約に係る借入れは実行されておりません(借入未実行残高10億円)。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度(以下、当期)における研究開発費は414百万円(前期比15.6%増)となり、対売上高比率は3.5%(前期は3.0%)となりました。各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は以下のとおりであります。

(1) プロダクトサービス事業

当事業においては既存の主力製品に新たな付加価値を追加するための研究開発や、今までに培った知見やノウハウを基に、多様化するシステム運用形態に適応する新製品の開発を主に実施しました。

当期の主な成果としては、SaaS型ジョブ管理クラウドサービスとして研究開発してきた「auttit(オーティット)」をリリースしました。

当期におけるプロダクトサービス事業に係る研究開発費は74百万円であります。

 

(2) クラウドサービス事業

当事業においては、お客様ニーズの変化を見据えた競争力強化のための研究開発に注力しました。

当期の主な成果としては、主力サービスである「Waha!Transformer(ワッハー・トランスフォーマー)」と生成AIを連携させ、機密性の高い情報を安全に活用できるオプションサービスをリリースしたほか、人材派遣管理システム「The Staff-V(スタッフブイ)」の競争力向上のために統合型サービスとしての機能の拡充や操作性の向上を図りました。

当期におけるクラウドサービス事業に係る研究開発費は75百万円であります。

 

(3) プロフェッショナルサービス事業

当事業については、クラウドサービス事業やプロダクトサービス事業にて開発し、提供している製品・サービスに関連するコンサルティングや技術支援サービスを提供する事業であることから、研究開発活動は行っておらず、当該費用は発生しておりません。

 

(4) その他

上記セグメントに属さない研究開発費は264百万円であります。