第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① グループ経営における効率的な経営資源の活用

当社は、平成30年3月31日時点において、14社の連結子会社(事業会社13社及びファンド1社)と1社の持分法適用会社(ファンド1社)を保有する事業持株会社であり、グループ内での経営資源の効率的な活用とシナジー効果を最大限発揮できるようなグループ全体の事業戦略を立案・推進していくことが課題であります。

当社グループにおける効率的な経営資源配分を図るべくグループ事業の構成の見直しを行っていくことが当社としての課題であり、グループ内での新規事業開発やM&A(合併・買収・売却)といった判断を迅速に行ってまいります。

 

② 既存事業の拡大及び新規事業の開発

 当社グループは、今後も成長が見込まれるスマートフォン領域においてアドテクノロジー事業とコンテンツ事業を注力事業領域としております。

アドテクノロジー事業においては、自社広告プラットフォームの広告在庫の充実・販路の拡大を図ることにより、よりユーザーにマッチした広告枠への配信を実現させ、広告効果の向上を図ることにより、広告主・メディアそれぞれのニーズに応えてまいります。また、コンテンツ事業においては、ユーザーに価値ある体験を提供し、支持されるサービスの開発及び運営を目的としております。両既存事業の拡大に加え、先行投資として新規事業の開発にも努め、さらなる利益規模の成長を目指してまいります。

 

③ 組織体制の強化と内部統制及びコンプライアンス体制の整備

当社グループは、競争の激しいインターネット市場において持続的な成長を遂げるべく、社員のチャレンジ意欲を引き出す人事制度の構築や権限委譲の促進、新卒採用強化等、組織力の強化に取り組んでまいります。また、財務報告の適正性の確保、情報セキュリティの向上、個人情報の保護、リスク管理等の内部統制及びコンプライアンス体制につきまして、より実効性の高い体制となるよう適宜見直し・改善を行い、強化を図ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
 当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の防止及び発生した場合の対応に最大限努める方針です。
 また、以下の記載が当社グループ株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①事業環境に関するリスク
(イ)インターネット市場及びインターネット広告市場の成長性について 

当社グループが行う事業においては、個人及び法人によるインターネット利用の更なる促進が市場拡大には必要となります。しかしながらインターネットの普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな法的規制や業界団体による規制の導入、その他予期せぬ要因により、今後インターネット利用の促進がみられない場合や減少する場合には、想定している事業計画が遂行できない可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループが行う事業の中には、インターネットやスマートフォンにおける広告市場の成長を前提としているものがあります。インターネットやスマートフォン広告市場は堅調に拡大しておりますが、今後の成長については保証されておりません。また、インターネットやスマートフォン広告市場は、他の広告と同様に景気動向の影響を大きく受ける可能性があるほか広告主の広告戦略の変化等による影響を受けやすい状況にあるため、景気低迷の継続や広告主の状況や戦略変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ロ)技術革新及び競合に関するリスクについて

当社グループが行う事業を取り巻く環境であるインターネット関連技術は急速に進歩しており、多くの参入企業によって新技術・新サービスが常に生みだされております。
 当社グループは競争力のある製品・サービス等を提供し続けるために、それらの新技術・新サービスに対応したソフトウェア等の開発や、それらを利用したサービスを展開していく必要があります。
 当社グループといたしましては、常にこれらの変化に対応すべく努力をしておりますが、万が一新技術への対応に遅れが生じ、当社が提供しているソフトウェアやサービス等が陳腐化する場合や、当社が採用した新技術が浸透しなかった場合には、競合他社に対する当社の競争力が低下することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ハ)通信ネットワーク及びシステム障害について

当社グループが行う事業には、スマートフォンをはじめとしてサーバ機器を結ぶ通信ネットワークやコンピューターシステムに依存しているものが多くありますが、自然災害・事故(社内外の人的要因によるものを含む)・故障等による通信ネットワークやコンピューターシステムが使用不能になった場合等、サービスの提供が不可能となった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(ニ)海外展開について

当社グループが行うアドテクノロジー事業及びコンテンツ事業は、米国・アジア諸国等諸外国においても事業を展開しております。しかし、海外においてはユーザーの嗜好、法令、慣習等が国内と大きく異なることがあり、当社グループの想定どおりに事業展開ができない可能性があります。また、法令若しくは規制の変更、為替相場の変動、予期しない不利な経済的若しくは政治的要因の発生又はテロ及び紛争等による社会的混乱などの事象発生により、事業の展開等が計画どおりに進まない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

②アドテクノロジー事業、コンテンツ事業に関するリスク
(イ)法的規制について

当社グループが行うアドテクノロジー事業及びコンテンツ事業では、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」、「資金決済に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、「職業安定法」及び「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の各種法令のほか、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。これらの法令の制定や改正、新たなガイドライン等や、自主規制ルールの策定又は改定等が行われることにより、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(ロ)知的財産権について

当社グループは、サービス名称について積極的に商標の登録に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。また、当社グループが提供するサービスにおいて、当社グループが所有する知的財産権を第三者に使用許諾する場合や、第三者の所有する知的財産権の使用許諾を受ける場合があり、その場合は使用許諾契約の締結等による管理体制を強化しております。
 しかしながら、当社グループによるコンテンツ提供等に際して、意図せず第三者の知的財産権の侵害が生じてしまった場合には、当社グループに対する損害賠償責任の追及、レピュテーションの低下などにより、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(ハ)ユーザーの嗜好の変化について

当社グループのコンテンツ事業において提供しているソーシャルゲームをはじめとするスマートフォンアプリは、一般消費者を対象としたサービスであり、ユーザーの獲得はその嗜好に左右される可能性があります。ユーザーの嗜好は時代とともに変化するものであり、当社グループがユーザーの嗜好に対応したサービスを提供できない場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(ニ)大手プラットフォームへの依存について

当社グループのコンテンツ事業においては、Apple Inc.やGoogle Inc.をはじめとした大手プラットフォーム事業者の提供するプラットフォームに大きく依存したサービスを提供しており、各社のサービス規約に基づいてサービス提供を行っております。そのため、当該プラットフォーム事業者による手数料率の変更等の事業戦略の転換並びに動向により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

また、一部サービスはコンテンツへの集客の大部分を検索サイトに依存しているため、検索エンジン運営者におけるアルゴリズムの変更等により、当社グループのコンテンツへの集客効率が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(ホ)不正な広告について

 当社グループのアドテクノロジー事業においては、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び法令や公序良俗に反するコンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信に対して、独自の基準を設け規制及び管理をしております。しかしながら、予期せぬ要因により、これらの対応に不備が生じ、顧客への損害補填等が必要になった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③インベストメント事業に関するリスク
(イ)株式市況等の影響による保有株式の価格変動等について

当社グループでは投資先企業の株式公開などによって株式市況等の影響を受ける有価証券を保有しております。
 ベンチャーキャピタル投資においては株式公開後に株式等の売却によって投資回収を図ることがあり、株式公開後の株価水準や株式市場動向等を勘案しつつ、株式等を段階的に売却いたします。そのため、投資先企業が株式公開した場合であっても、株式等を保有している間に、株式市場の低迷や投資先企業の株式の出来高減少、投資先企業の業績低迷等によって、保有する株式等の価格下落や流動性が低下し保有株式等の売却による損失発生や評価損の発生、もしくは長期間売却ができない状況に陥る可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
 このほか、投資先企業の株式公開前の一定期間に当該株式等を取得した場合、各証券取引所にて定めた継続保有期間中の継続保有の義務付け、投資先企業との間で継続保有に関する書類の差入れ等により、売買等が制限され、継続保有期間中の株価下落等により収益の最大化を図れない可能性があります。
 また、当社グループにおいてグループ企業として保有する有価証券や戦略的な関係性構築のための投資として保有する有価証券の中に株式市況等の影響を受ける有価証券を保有しており、これらの有価証券について取得価額から株価が著しく下落した場合には、評価損の計上等によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ロ)創業初期の未公開企業へのベンチャーキャピタル投資、支援を行うことについて

当社グループにおけるベンチャーキャピタル投資は、投資成長が見込まれると判断した創業後間もない時期のベンチャー企業を中心として、主に当社グループが運営するベンチャー投資ファンドを通じて投資を行っております。
 ベンチャー企業の中でも創業後間もない企業は、業歴の短さから経営基盤が安定していないことが多く、その結果、当該企業の製品、商品、サービスの事業化が初期段階にあるため収益基盤が確立していない、急速な技術進歩に対応できる保証がない、創業者等の特定の人物に対する依存度が著しく高い等、多種多様のリスク要因を包含する場合があります。
 当社グループでは、投資対象企業に応じて必要な審査手続きを経た上で投資判断を行っておりますが、投資後の投資先企業の経営上の問題や欠陥等が存在した場合には、投資先企業の企業価値低下や倒産等の可能性もあり、そのような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
 また、当社グループでは投資先企業の事業拡大を目的として経営・財務・人事・営業・開発等の支援を行っております。しかしながら、こうした支援が必ずしも投資の成果を高めることを保証するものではありません。
 このほか、創業初期の企業に対する投資については投資から売却による投資回収までの期間が長期にわたる傾向にあり、株式公開や他の事業会社等への譲渡等の実現時期を正確に予測することは困難であり、その実現を保証するものではありません。

 

(ハ)法的規制について

当社グループが行うベンチャーキャピタル投資は、その活動にあたり種々の法的規制(会社法、租税法、金融商品取引法、投資事業有限責任組合契約に関する法律等)に対して適切な対応を行ってまいりましたが、これらの法的規制の変更があった場合には事業活動が制限され、法的規制への対応コストが増大する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④仮想通貨取引関連事業に係るリスク

当社グループは、仮想通貨取引関連事業に進出しており、コイネージ株式会社は、現在、資金決済に関する法律に基づく仮想通貨交換業者として、金融庁への登録手続きを行っております。仮想通貨を取り巻く市場環境は流動的であるとともに、金融庁の政策動向や法令及び税制、今後の規制変更等の内容によっては、期待どおりに同社の事業を展開できなくなる可能性があります。
 また、仮想通貨取引関連事業においては、マーケットリスク(仮想通貨の価格、為替等の市場の動向により保有資産の価値が変動し損失を被るリスクや通常より著しく不利な条件での取引を余儀なくすることにより損失を被るリスク)、信用リスク(信用供与先の財務状況の悪化等により保有資産の価値が減少又は消失し損失を被るリスク)、オペレーションリスク(業務プロセスが不適切又は適切に機能しないこと等により損失を被るリスク)、システムリスク(サイバー攻撃や不正アクセス、コンピューターウィルスへの感染、その他不測の事態等の発生により、個人情報の漏洩や滅失、仮想通貨の流出、重要データの改ざんや滅失、システム停止等により損失を被るリスク)等があります。当社グループでは、リスク管理を徹底して行ってまいりますが、これらのリスクが顕在化した場合には、対応費用の増加や当社グループに対する損害賠償請求、当社グループの信用の低下等が発生する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  

⑤新規事業の立ち上げに伴うリスク

当社グループでは、事業成長のためには新たなイノベーションを取り入れた新規事業への取り組みが必要であるとの判断のもとに、その市場性や採算性、計画の妥当性等を検証した上で新規事業開始や子会社設立の意思決定を行い、事業運営を行っておりますが、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた事業計画を実現できない可能性があります。
 また、新規事業の立ち上げには先行投資として人材採用や研究開発又は設備投資等が発生する可能性があります。さらに、新規事業の拡大・成長を図るためにはマネジメント人材の拡充は不可欠であり、このような人材の確保が適切に行えない場合には、新規事業の拡大・成長がなされない可能性があります。
 これらのことなどから新規事業への取り組みは当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥経営体制に関するリスク
(イ)人的資源について

当社グループの取締役及び執行役員は、経営戦略の立案・決定や事業開発等において重要な役割を果たしております。このため、現在の取締役及び執行役員が当社グループから離脱するという事態になった場合には、当社グループの経営に大きな影響を与える可能性があります。
 また、当社グループが今後更なる成長を遂げるには、営業、メディア、システム開発及び経営管理等の各方面に優秀な人材を確保していくことが重要であり、育成研修の強化や社員のチャレンジ精神を促進する人事制度構築に力を入れておりますが、今後退職者の増加や採用の不振等により優秀な人材が確保されない場合、また教育活動が期待する成果をもたらさない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(ロ)内部管理体制について

当社グループは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しております。
 当社は、管理部門の人員の充実を図り、内部管理体制の充実に努めておりますが、事業の急速な拡大や海外展開等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(ハ)子会社及び関連会社について

当社グループは、平成30年3月31日現在、当社・連結子会社14社・持分法適用関連会社1社により構成されておりますが、当社グループの事業再編やグループ各社の意向等によっては、連結範囲が変更される可能性があります。また、これらの企業の経営状況や不測の事態等によって業績が著しく変動する場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ニ)会計基準の変更について

近年、会計基準に関する国際的なルールの整備の流れがある中で、当社グループは金融商品会計基準や投資事業組合に関する会計基準等の各種会計基準の変更に対して適切な対応を行ってまいりました。
 しかしながら、今後会計基準の更なる大きな変更があった場合には、当社グループの連結範囲の変更等が行われる等の可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑦当社グループが行うM&A(合併・買収)戦略について

当社グループにおいてはグループ全体の事業拡大やグループ事業構成の最適化を図ることを目的として、他社の買収や合併、グループ会社の売却や合併等(M&A)を行う場合があります。M&Aの実施に際しては十分な調査等を行いますが、その後の市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた効果を得ることができず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧訴訟リスク、取引上のトラブルについて

当社グループでは細心の注意を払ってリスク管理体制の整備・改善を継続的に図っていく所存でありますが、今後のグループ各社の事業展開においては訴訟を受ける可能性を完全には否定することはできず、訴訟の内容及び金額、訴訟が提起されることによる当社グループの社会的な評価の低下、事業の全部又は一部の継続が困難となるなどの可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、下記はその一例であります。

・個人情報管理における当社グループの過失により、所有する顧客情報や顧客企業から受託されている個人情報が流出、喪失した場合において、流出した個人情報等が悪用された場合に対する損害賠償請求等

・当社グループの事業の中で利用している技術等と抵触関係をなす特許権等の知的財産権をすでに第三者が取得していた場合の第三者からの損害賠償請求等
・ベンチャー投資ファンドを通じた投資活動を展開する中で、ベンチャー投資ファンドの業務執行組合員等としての善管注意義務違反を理由とする訴訟、ファンド間、当社グループとベンチャー投資ファンド又はベンチャー投資ファンドへの出資者、出資者間の利益相反等を理由とする訴訟等
・当社グループでの自己資金投資における投資先企業等との訴訟等

このほか、当社グループでは投資先企業の企業価値を高めることなどを目的として当社グループの役職員が一部の投資先企業の社外取締役等に就任していることがあり、これらの企業に対する株主代表訴訟によって損害賠償の支払いを担保する保険への加入や、社外取締役の責任軽減に関する契約を行う等の適切な対策を講じるように努めておりますが、上記のような訴訟が提起された場合、当該役職員が訴訟の対応等のために、業務遂行に支障が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨情報セキュリティ及び個人情報の管理について

当社では、各種会員登録等を通じて取得した個人情報を保有しております。当社は、これらの個人情報の管理に関して、プライバシーポリシーを有しており、その遵守に努めております。さらに、プライバシーマーク認定を取得するなど、個人情報の管理に関して水準の維持・向上につながる取り組みを行っております。しかし、なんらかの事情によって外部からの不正手段によるサーバ等のネットワーク内への侵入や役職員の不適切な作業により、システム障害、機密情報や個人情報の流出が生じた場合には、当社グループの社会的な信用低下や顧客や被害を被った第三者からの損害賠償等によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩株式価値の希薄化に係るリスク

当社ではこれまでに当社グループ会社役職員等に対するインセンティブとして新株予約権を発行しており、今後も状況に応じて発行する可能性があります。当社では新株予約権による株価に対する影響度を低くするために段階的行使可能期間を設定するなど様々な行使条件を付しておりますが、新株予約権の行使により1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、新株予約権の行使による需給関係の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の生産活動と雇用環境の改善を中心とした緩やかな回復基調にあるものの、個人消費が伸び悩むなど、先行きが不透明な状態にあります。

当社グループが主に事業展開を行うスマートフォン関連市場においては、平成30年4月の内閣府の報告によりますと、平成30年3月末の国内スマートフォン世帯普及率は前年度比5.5%増の75.2%と増加を継続しております(*1)。

こうした環境のもと、当社グループにおきましては、今後も市場の成長が見込まれるスマートフォン広告に特化した「アドテクノロジー(*2)事業」、及び「コンテンツ事業」を中心に積極的に投資を実施し、売上高・営業利益を拡大するべく事業展開してまいりました。

当連結会計年度においては、アドテクノロジー事業はエージェンシー事業からの撤退と組織体制の強化を含む積極的な先行投資等の影響によって減収減益、コンテンツ事業は㈱アラン・プロダクツ(*3)をはじめとしたグループ会社の好調な業績に加え、注力ゲームが利益回収フェーズに移行し増収増益となりました。また、インベストメント事業は、株式売却益等が前連結会計年度を上回り増収増益となっております。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(*1) 内閣府『平成30年3月実施調査結果:消費動向調査』 (平成30年4月)

(*2) アドテクノロジー:インターネット広告における広告配信等の技術やシステムを指す。

(*3) 平成29年10月2日付で「ゴロー㈱」から「㈱アラン・プロダクツ」へ社名を変更

 

 a. 財政状態

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末に比べて676百万円増加し、12,793百万円となりました。当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べて52百万円減少し、2,511百万円となりました。当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて729百万円増加し、10,281百万円となりました。

 

 b. 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は14,444百万円(前連結会計年度比1.0%減)となり、営業利益は1,648百万円(前連結会計年度比18.1%増)、経常利益は1,626百万円(前連結会計年度比14.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は849百万円(前連結会計年度比8.0%減)となりました。

 

当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、従来「広告事業」としていた報告セグメントを「アドテクノロジー事業」に名称変更しております。また、従来の報告セグメントに加え、それらの区分に含まれない事業を「その他」としております。セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

 (a) アドテクノロジー事業

アドテクノロジー事業は、DSP(広告主向け広告配信プラットフォーム)『Bypass(バイパス)』、動画広告プラットフォーム『VidSpot(ビッドスポット)』、及びSSP(メディア向け広告管理プラットフォーム)『adstir(アドステア)』等を提供しており、これらを「アドテクノロジー事業」としております。

当事業におきましては、動画広告分野の成長が寄与し、前期に撤退したエージェンシー事業を除いて増収を達成したものの、『VidSpot』への先行投資及び『adstir』の利益率低下の影響により、減収減益となりました。

以上の結果、当連結会計年度におけるアドテクノロジー事業の売上高は7,753百万円(前連結会計年度比5.6%減)となり、セグメント利益は569百万円(前連結会計年度比49.5%減)となりました。

  

 

 (b) コンテンツ事業

コンテンツ事業は、スマートフォン向けアプリにて提供するゲーム事業及び、スマートフォン向けアプリやWEBサイトを通してユーザーにコンテンツを提供する非ゲームコンテンツ事業のサービス群を「成長事業群」と位置づけ、事業育成を図っております。また、メール広告等のデータベースマーケティング事業、スポーツマーケティング事業を「安定収益事業群」とし、安定的な利益貢献を期待する事業と位置づけております。

当事業におきましては、前期より順調に成長したネイティブソーシャルゲーム『クラッシュフィーバー』が利益回収フェーズに入り安定した収益基盤となったことや、㈱アラン・プロダクツやキラメックス㈱をはじめとした子会社も成長を継続し、増収増益となりました。

以上の結果、当連結会計年度におけるコンテンツ事業の売上高は5,785百万円(前連結会計年度比3.9%増)となり、セグメント利益は1,105百万円(前連結会計年度比116.9%増)となりました。

 

 (c) インベストメント事業

 インベストメント事業は、主にシード/アーリーステージを中心としたベンチャー企業への投資を提供しております。

当事業におきましては、当連結会計年度において株式売却益等の計上額が前連結会計年度を上回り、売上高は952百万円(前連結会計年度比4.1%増)、セグメント利益は837百万円(前連結会計年度比92.0%増)となりました。

 

 (d) その他事業

その他事業の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、主に新規事業立ち上げの取り組みを推進し、当連結会計年度においてセグメント損失72百万円(前連結会計年度はなし)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、5,576百万円となり、前連結会計年度末に比べ614百万円増加しました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,511百万円(前年同期は1,087百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上1,622百万円があった一方で、法人税等の支払額594百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は569百万円(前年同期は1,801百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出215百万円があったこと、及びソフトウエア開発費などの無形固定資産の取得による支出176百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は298百万円(前年同期は118百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額297百万円によるものであります。

  

 

③ 生産、受注及び販売の状況

 a. 生産実績

生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

 b. 受注実績

受注確定から売上日までの期間が短期間であり、期末日現在の受注残高が年間売上高に比して僅かであるため、その記載を省略しております。

  

 c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

アドテクノロジー事業

7,736,355

95.1

コンテンツ事業

5,755,777

103.8

インベストメント事業

952,287

104.1

合計

14,444,420

99.0

 

(注) 1.上記の金額は、セグメント間の内部売上高を除いております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ワンダープラネット㈱

1,469,055

10.1

 

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

4.当連結会計年度における割合は10%未満であるため、金額の記載を省略しております。

  

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a. 財政状況の分析

 (資産の部)

 当連結会計年度末における資産の額は前連結会計年度末に比べて676百万円増加し、12,793百万円となりました。これは主に、投資先株式の株価上昇により営業投資有価証券が706百万円増加したこと、オフィス移転に伴い建物附属設備が60百万円、敷金が84百万円増加したことによるものであります。

 (負債の部)

 当連結会計年度末における前連結会計年度末に比べて52百万円減少し、2,511百万円となりました。これは主に、買掛金が128百万円減少したことに加え、前受金及び預り金が58百万円減少したことによるものであります。

 (純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産の額は、前連結会計年度末に比べて729百万円増加し、10,281百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当実施に伴う増減により利益剰余金が550百万円増加したこと、並びに株式報酬費用の計上により新株予約権が112百万円増加したことによるものであります。

 

 b. 経営成績の分析

 (売上高)

 当連結会計年度における売上高は14,444百万円(前連結会計年度比1.0%減)となり、前連結会計年度に比べ151百万円減少しました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 (売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は4,829百万円(前連結会計年度比19.5%増)となり、前連結会計年度に比べ789百万円増加しました。

 (販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,180百万円(前連結会計年度比20.3%増)となり、前連結会計年度に比べ536百万円増加しました。

 (営業利益)

 当連結会計年度における営業利益は1,648百万円(前連結会計年度比18.1%増)となり、前連結会計年度に比べ252百万円増加しました。セグメント別の営業利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 (経常利益)

 当連結会計年度における経常利益は1,626百万円(前連結会計年度比14.1%増)となり、前連結会計年度に比べ201百万円増加しました。

 (特別損益)

 当連結会計年度における特別損失として、7百万円を計上しております。これは主に投資有価証券評価損4百万円、固定資産除却損3百万円を計上したこと等によるものであります。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は849百万円(前連結会計年度比8.0%減)となり、前連結会計年度に比べ74百万円減少しました。

 

 c. キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 (1) スマートフォン・タブレット端末向けアプリプラットフォーム運営事業者との契約

会社名

国名

契約の名称

契約内容

契約期間

Apple Inc.

米国

iOS Developer Program
License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

Google Inc.

米国

販売者サービス契約

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

契約期間は定められておりません。

 

 

  (2) 共同事業契約

会社名

国名

契約の名称

契約内容

契約期間

ワンダープラネット㈱

日本

企画、開発及び運営に関する契約書

iOS及びAndroid搭載端末向けアプリケーション「クラッシュフィーバー」の企画、開発及び運営に関する契約書

平成27年3月1日から平成28年7月7日(以降1年ごとの自動更新)

 

 

  (3) ロックアップ契約

 ①㈱メルカリに対するもの

当社が保有する㈱メルカリの普通株式のうち5,250,000株について、同社が実施するグローバル・オファリングに係る元引受契約締結日から同社の上場日(当日を含む。)後3年目の応当日(平成33年6月19日)までの期間、㈱メルカリの事前の書面による同意なしには、同社普通株式の売却等を行わない旨を約束する書面を差し入れております。

 

 ②大和証券㈱及びMorgan Stanley & Co. International plcに対するもの

上記①とは別に当社が保有する㈱メルカリの普通株式のうち5,250,000株について、同社の上場日(当日を含む)後180日目(平成30年12月15日)までの期間、大和証券㈱及びMorgan Stanley & Co. International plcの事前の書面による同意なしには、㈱メルカリの普通株式の売却等を行わない旨を約束する書面を差し入れております。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。