第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成27年5月1日~平成28年4月30日)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和政策等により企業収益の回復や雇用情勢の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、中国経済の減速や原油安等への懸念の高まりから、年初から急激に円高・株安が進行いたしました。日銀によるマイナス金利導入による景気対策等はあるものの、先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループは「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念に掲げ、各企業間取引のインフラサービス事業の事業規模拡大に努めてまいりました。また、平成28年3月29日には、東京証券取引所市場第一部へ上場市場を変更いたしました。今後も、業容の拡大と企業価値向上を図り、広く社会に貢献できる企業となるように努め、より多くの皆様のご期待にお応えできるよう邁進してまいります。

 当連結会計年度における売上高は、Paid事業、売掛債権保証事業の売上高は順調に伸びましたが、EC事業の「スーパーデリバリー」の国内流通額が、当第1四半期会計期間から当第3四半期会計期間まで前年同期比割れした影響により、2,229,642千円(前年同期比8.4%増)となりました。

 費用面におきましては、販売費及び一般管理費が全般的に低水準で推移いたしました。しかし、「スーパーデリバリー」の当第1四半期会計期間から当第3四半期会計期間までの流通額の前年同期比割れが影響した結果、営業利益は393,717千円(前年同期比17.1%増)となりました。営業外費用に、当第4四半期連結会計期間において株式市場変更に係る上場関連費用22,104千円を計上したこと等により、経常利益は367,760千円(前年同期比12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は239,376千円(前年同期比18.7%増)となりました。

 

 セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

 

①EC事業

 EC事業におきましては、主力事業である「スーパーデリバリー」において、引き続き質の高い会員小売店及び出展企業を獲得した上で、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで流通額を増加させていくことに取り組んでおります。

 平成27年8月25日より開始している越境ECサービス「SD export」については、当第4四半期連結会計期間において、海外小売店・企業の利便性向上のために、新たな決済手段としてPayPal Pte. Ltd.が提供する決済サービス「ペイパル」を導入いたしました。この他、時間をかけても安価な輸送手段で配送してほしいというニーズに対応するために、日本郵便株式会社が提供する航空便と船便を導入いたしました。これらの取り組みにより、海外の会員小売店数、流通額ともに堅調に増加し、海外流通額(SD exportと国内販売向けサイトでの海外流通額の合算)は前年同期比60%以上増加いたしました。

 国内流通額につきましては、当第1四半期会計期間、当第2四半期会計期間、当第3四半期会計期間と連続して、前年同期比割れが続いておりましたが、当第4四半期連結会計期間においては様々な施策により回復傾向が見られ、流通額が再びプラス成長となりました。ただし、第3四半期までの前年同期比割れの影響をカバーするまでには至らず、当連結会計年度における国内流通額は前年同期比割れとなりました。この結果、「スーパーデリバリー」の流通額は9,587,727千円(前年同期比0.6%増)となりました。なお、当連結会計年度末における「スーパーデリバリー」の経営指標は会員小売店数52,372店舗(前期末比8,002店舗増)、出展企業数1,138社(前期末比73社増)、商材掲載数559,272点(前期末比102,923点増)となりました。

 

 「COREC」につきましては、引き続き知名度の向上及びユーザー(サプライヤーとバイヤー)の獲得に注力しております。ユーザーの獲得増加のために、提携先との相互送客の強化に取り組んだ他、平成28年3月15日より「COREC API」の提供を開始し、ユーザー各社が導入している販売管理、倉庫管理、会計管理等のシステムに自動でデータを取込むことができるようになりました。その結果、当連結会計年度末におけるユーザー数は5,903社となり、受発注件数も順調に増加しております。

 

 この結果、EC事業の売上高は1,583,119千円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は223,130千円(前年同期比4.5%減)となりました。

 

②Paid事業

 Paid事業におきましては、加盟企業の獲得増加と獲得した加盟企業の稼働率の向上を図ることに取り組んでおります。加盟企業の獲得増加策として、企業向けにサービスを提供する企業との業務提携にも積極的に取り組んでおりますが、当連結会計年度においては、加盟企業の増加とともに、徐々に「Paid」の知名度が向上し、大手企業の加盟企業の獲得も増加いたしました。これにより、加盟企業数は当連結会計年度末には1,700社を超え、取扱高(グループ内の取扱高6,939,154千円を含む)は13,404,274千円(前年同期比27.7%増)となりました。

 また、FinTech分野に関する最新の技術・サービスに関する情報収集を目的としてSBIインベストメント株式会社が設立・運営する「FinTechファンド」(正式名称:FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合)に対して出資を行いました。

 この結果、Paid事業の売上高は352,770千円(前年同期比30.9%増)、セグメント利益は20,366千円(前期セグメント損失16,641千円)となりました。

 

③売掛債権保証事業

 売掛債権保証事業におきましては、引き続き営業力強化に取り組むことで保証残高の拡大を図っております。また、順調に保証残高が積み上がっている事業用家賃保証サービスにおいては、利用者の獲得増加を図るため、保証内容を従来よりも手厚く使いやすいものにサービス内容を一部改訂いたしました。この結果、保証残高(連結グループ内の保証残高1,224,147千円を含む)は9,123,513千円(前期末比41.0%増)となり、売掛債権保証事業の売上高は666,644千円(前年同期比17.3%増)、セグメント利益は111,248千円(前年同期比50.7%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,858,349千円になりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は398,071千円(前年同期比618,586千円の資金の減少)になりました。この主な要因は、取引量の増加に伴い売上債権が409,872千円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を367,760千円計上及び仕入債務が458,749千円増加したことによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は102,005千円(前年同期比25,527千円の資金の減少)となりました。この主な要因は、ソフトウエア開発及びソフトウエア購入による無形固定資産の取得のための支出が73,450千円発生したことに加え、投資有価証券の取得による支出が25,000千円発生したことによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は81,602千円(前年同期比183,067千円の資金の増加)となりました。この主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入が32,746千円発生した一方で、長期借入金の返済による支出70,000千円、配当金の支払額38,680千円を計上したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注状況

 該当事項はありません。

 

(3)販売実績

①当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

前年同期比(%)

 

EC事業

(千円)

1,583,119

102.3

 

Paid事業

(千円)

171,799

162.8

 

売掛債権保証事業

(千円)

474,723

117.8

 

合計

(千円)

2,229,642

108.4

 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②EC事業の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。

売上種類別

当連結会計年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

前年同期比(%)

 

システム利用料売上

(千円)

957,577

99.4

 

会員小売店向け売上(会費)

(千円)

252,656

100.9

 

出展企業向け売上(基本料等)

(千円)

371,606

111.3

 

その他

(千円)

1,279

1,155.8

 

合計

(千円)

1,583,119

102.3

 (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)全社的な課題

新規事業の展開について

当社グループは、これまで企業間取引分野で事業展開することで企業価値を向上させてまいりました。今後も、当社グループの中長期的な成長を持続させていくためには、更なる収益基盤の強化及び事業領域を拡大していくことが課題であると認識しております。

この課題に対応するため、当社グループでは既存事業の事業成長とともに、新規事業にも積極的に取り組んでまいります。なお、新規事業の創出に際しては、常に事業相互間でのシナジー効果ないしはリソースの共有を意識した事業展開を行う方針です。

 

(2)EC事業

①スーパーデリバリーの海外展開

 「スーパーデリバリー」は、サービス開始以来、増収を続けておりますが、その成長スピードを上げていくことが課題であると認識しております。

 この課題に対応するための施策の一つとして、これまで国内の小売店に限定していた取引を、海外の小売店にも拡張しております。日本製の商品や、日本で企画された商品は海外における人気が高いことから、海外展開を「スーパーデリバリー」の成長施策の一つとして位置づけております。今後、海外の小売店に対する流通額の増加を促進するために、戦略的な広告投資により集客を行い、また、利便性向上のためのシステム投資や仕組みの導入に努める方針です。

 

②スーパーデリバリーの出展企業の確保と安定的な取引の拡大

 「スーパーデリバリー」の中長期的な事業規模拡大には、新規の出展企業の獲得とともに、既存会員小売店との安定した継続取引の確保及び取引の拡大が課題であると認識しております。

 この課題に対応するために、小売店からのニーズが高い出展企業の更なる獲得及び、出展企業1社の出品する商材掲載数の増加といったEC卸サイト媒体としての価値向上等に取り組み、さらに、会員小売店の購入客数や客単価、リピート率の向上といった稼働率アップを図る方針です。

 

(3)Paid事業

参加企業の拡大

 Paid事業の事業規模拡大には、取扱高の増加が必要であり、そのためには、Paid内で取引を行う加盟企業とPaidメンバーを増加させることが課題であると認識しております。

 この課題に対応するために、積極的かつ戦略的な広告投資による集客を行っていく方針です。また、獲得した加盟企業やPaidメンバーの利便性向上のためのシステム投資にも努める方針です。

 

(4)売掛債権保証事業

利益の安定性

 売掛債権保証事業は、事業規模が小さく成長過程にあります。保証残高の水準もまだ小さく、売上高である保証料収入も少額であるため、1件あたりの保証履行による損失が利益に与える影響が大きいことが課題であると認識しております。

 この課題に対応するため、保証先企業に対する審査基準を随時見直し、保証履行の発生を抑えるよう努める他、再保証の活用や、免責事項付の商品の提供等によりリスク分散に努めてまいります。一方で、更なる営業力の強化を図ることで、保証残高を積極的に積み上げ、保証料収入を増加し、1件あたりの保証履行による損失の影響を縮小するよう努める方針です。

 

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開その他に関しリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資家の判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も併せて慎重に行われる必要があると考えております。また、将来に関する情報は、別段の記載のない限り、本報告書提出日現在における当社グループの経営者の判断や一定の前提の下における予測等に基づくものであり、将来、その通りに実現することを保証するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

①B2B-EC業界の成長性について

 当社グループは、「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念とし、事業の多くはインターネット技術を活用したサービスの提供をしており、B2B-EC市場の成長を背景にして事業を運営しております。しかしながら、同市場の歴史は浅く、また成長過程にあることから普及に関して将来予測を行うことは困難な状態であります。そのため、今後もこれまでと同様に普及が進展する保証はなく、新たな規制の導入等、同市場の成長が阻害されるような状況が発生した場合においては、当社グループの事業規模拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合について

 当社グループは企業間取引に必要な機能のうち、「情報」と「決済」に関するサービスを提供しております。当社グループの提供する各サービスと同様のサービスを提供する企業はサービスごとにそれぞれ存在しております。当社グループでは、これまで蓄積してきた企業間取引特有の商慣習に対するノウハウを背景に、企業と企業の取引を、よりスピーディで効率的で便利なものにしていくために、常にユーザビリティの向上を意識した仕組みの構築、商品構成、安心して取引できる環境の提供等に取り組むことで差別化を図っております。しかしながら、当社グループと同様のサービスを提供する企業及び今後新たに参入する企業との競合が激化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業内容に関するリスク

①当社グループの与信管理について

 Paid事業ならびにEC事業の「スーパーデリバリー」における掛売り決済での取引は、当社グループの株式会社トラスト&グロースの売掛債権保証事業に基づき提供しております。従って、当社グループの与信リスクは売掛債権保証事業に集約されます。

 売掛債権保証事業は、顧客である事業会社から徴収する売掛債権の保証料を売上高として計上し、保証を引き受けた結果発生するコスト(保証履行や貸倒等の費用)を差し引いた金額が売上総利益となっております。売掛債権保証の市場は、近年、売掛債権の保全や与信管理の強化に関する企業ニーズの高まりを受け拡大しつづけており、当社グループでは、保証残高を積み上げるとともに、保証履行の発生率を適切にコントロールすべく、最適な保証引受審査を行うことがビジネスモデル上、重要であると考えております。

 そのため、日々の営業活動を積極的に行うことで保証残高を積み上げることに尽力する一方で、保証履行を適切な水準に抑えるために、保証先企業の審査基準についても随時見直し、設立当初から現在までにおける保証履行実績とその時々の経済情勢を反映させて、極度に保証履行率が悪化しないように努めております。また、保険会社等との再保険契約の活用により、保証履行が発生した場合には当社グループが被る損害の一部を担保させることで、当社が負担する保証履行金額を軽減させるよう努めております。さらに、事業会社から徴収する保証料についても、これまでの保証履行実績とその時々の経済情勢を反映させ、随時見直しております。しかしながら、当社グループが想定する以上の保証履行が発生した場合には業績に影響を与える可能性があります。

 なお、平成28年4月末現在の売掛債権保証事業保証残高(連結グループ内の保証残高1,224,147千円を含む)は9,123,513千円です。そのうち、当社グループでリスクを保有している保証残高は6,269,200千円であります。

 

②新規事業展開に伴うリスクについて

 当社グループは、「企業活動を効率化し便利にする」ことを経営理念としております。この経営理念に基づき、これまで、Paid、CORECといった企業間取引にかかる分野での新しいサービスを生み出しており、今後も、企業間取引にかかる分野の新規事業の開発等に積極的に取り組んでいく方針です。新規事業の開発にかかる人材、システム、広告等に対する追加的な支出の発生及び事業が安定して収益を生み出すまでにはある程度の時間がかかることから、新規事業展開によって、当社グループ全体の利益が一時的に低下する可能性があります。また、新規事業が当社グループの想定どおりに推移する保証はなく、その場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)法的規制に関するリスク

①当社の事業を取り巻く法的規制について

 EC事業の主力事業である「スーパーデリバリー」では、取り扱う商品の中で一部下記の様な法規制を受ける商品が存在しております。

 a.ブランド品の販売について

 ブランド品の販売にあたっては、当該ブランド・メーカーの商標権、意匠権、著作権その他の知的財産権等に抵触しないことに留意し、必要に応じてインボイス等の証明書類の提出を求めて出展審査を行っております。また、「出展規約」に特則(「ブランド品などの出展に関する特則」)を規定することで、当該ブランド・メーカーの商標権、意匠権、著作権その他の知的財産権を侵害するものでないことを出展企業に保証させております。

 また、並行輸入品も含めた海外ブランド品の取り扱いに関しましては、別途真正商品である旨、偽ブランド品や知的財産権侵害商品を取り扱った場合には出展企業が責任を取る旨の誓約書の提出を求めることで関連法規・法令等の遵守に努めております。しかしながら、販売した商品に万が一、上記記載の知的財産権等を侵害するような事態が生じた場合には、当社グループがその責任を問われかねず、当社グループに対する社会的信用力は低下し、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

 b.医薬部外品、化粧品、加工食品等の販売について

 「スーパーデリバリー」の取り扱い商品のひとつであります医薬部外品、化粧品、加工食品(健康食品を含む)は、販売及び広告表現について主に下表の法律による規制を受けております。当社グループは、出展企業に対し、必要に応じて製造販売業許可を取得した証明書や成分分析表等の証明書類の提出を求めて出展審査を行っております。また、「出展規約」に特則(「医薬部外品・化粧品などの出展に関する特則」及び「加工食品などの出展に関する特則」)を規定し、関連法規・法令等を遵守していることを保証させるとともに、出展後も広告表現等の法的規制に抵触する内容がないかを当社グループ内において随時チェックすることで関連法規・法令等の遵守に努めております。

 しかしながら、将来的に法的規制が強化された場合や、現行の法的規制における法令の解釈・適用によっては、新たな対策が必要となり、これらの商品の販売に支障をきたす可能性があります。また、販売した商品に関し法的規制に抵触するような事態が生じた場合には、当社グループがその責任を問われかねず、当社グループに対する社会的信用力は低下し、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

法令名

主な法的規制の内容

私的独占の禁止及び公正取引の確保

に関する法律

不当廉売・再販売価格維持行為・誇大広告の禁止

医薬品、医療機器等の品質、有効性

及び安全性の確保等に関する法律

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生

医療等製品の製造販売の承認と許可

虚偽・誇大広告の禁止、医薬品的表現の規制

健康増進法

栄養表示基準の明示、誇大表示の禁止

食品衛生法

飲食に起因する衛生上の危害発生の防止

誇大表示・広告の禁止

食品表示法

名称、アレルゲン、保存の方法、消費期限、原材料、

添加物、栄養成分の量及び熱量、原産地等の食品へ

の表示義務

知的財産基本法

特許権、著作権、商標権等の知的財産権侵害の

禁止

 

 

 c.売掛債権保証事業及びPaid事業について

 売掛債権保証事業は、「保険業法」上の保険業、「債権管理回収業に関する特別措置法」上の債権管理回収業、「金融商品取引法」上の金融商品取引業、及び「貸金業法」上の貸金業のいずれにも該当いたしません。また、Paid事業についても、「割賦販売法」上の包括信用購入あっせん、「貸金業法」上の貸金業、及び「銀行法」上の為替取引のいずれにも該当いたしません。従って監督官庁は存在せず、いわゆる業法上の法的規制の対象とはなっておりません。しかしながら、今後新たな法律の制定や現行法の解釈に変化があった場合には、これらの事業が法的規制の対象となる可能性があり、その場合、事業の継続に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②取引先情報の管理体制について

 当社グループは、事業の性質上、個人情報を含む取引先情報を多数取り扱っており個人情報保護法の適用を受けております。当社グループでは、個人情報の保護を図るため、管理システムへのアクセス者の制限やアクセス履歴の管理、また社員教育の実施等、管理運用面について細心の注意を払っております。しかしながら、万一これらの情報が外部に流出した場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

(4)事業体制に関するリスク

①システム開発及び運用・管理の体制について

 当社グループでは、現在、主に自社内にてシステム開発、運用及び管理を行っております。事業の多くはインターネットを通じて取引を行うため、システムの開発やその運用・管理を適切に行うことが事業上重要であります。従って、システム開発、運用及び管理に関わる従業員の退職や、事業の拡大に対応するための人材の採用活動がスムーズに行うことができなかった場合には、システム開発の遅延や運営・管理の不備等が発生する可能性は否定できず、その場合、当社グループの業務運営に支障をきたす可能性があります。

 

②システム障害について

 当社グループの事業の多くはインターネットを通じて取引を行っております。そのため、自然災害や事故などによりインターネット通信網が破壊された場合においては事業の全体、あるいはその一部が中断され、事業の遂行に重大な支障をきたす可能性があります。

 また、当社グループでは、サービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策とコンピューターウイルスの感染、ハッカーの侵入による妨害等を回避するよう努めておりますが、こうした要因によるシステム障害が生じた場合も同様に、事業の遂行に重大な支障をきたす可能性があります。

 さらに、サーバー等の管理を委託しているデータセンター等の管理会社のサービス低下、アクセスの集中によるサーバーのダウン等によりインターネットへの接続及びシステムの稼動がスムーズに行うことができない状態になった場合においても当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

③災害に関するリスク

 当社グループは、東京都中央区に本社を置き、グループ全体の経営管理体制機能を集約しております。そのため、大規模な自然災害やその他の事業活動の継続に支障をきたす事象が、本社エリアに発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)ストック・オプションについて

 当社グループは、役員及び従業員の経営参画意識高揚のために会社法第236条、第238条及び第240条の規定に従って、平成23年7月8日及び平成26年11月13日開催の取締役会の決議に基づく新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後に関しましてもストック・オプションの付与を行う可能性があります。これらストック・オプションの権利行使がなされた場合には、新株式が発行され当社グループ株式価値の希薄化が生じる可能性があります。なお、平成28年4月30日現在でのストック・オプションによる潜在株式数は1,702,500株(発行済株式総数に対して9.3%)となっております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

 当連結会計年度における売上高は、2,229,642千円(前期比8.4%増)を計上しました。

 セグメント別の売上高は、EC事業においては前期比2.3%増の1,583,119千円を計上しております。

 EC事業におきましては、主力事業である「スーパーデリバリー」において、引き続き質の高い会員小売店及び出展企業を獲得した上で、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで流通額を増加させていくことに取り組んでおります。

 平成27年8月25日より開始している越境ECサービス「SD export」については、当第4四半期連結会計期間において、海外小売店・企業の利便性向上のために、新たな決済手段としてPayPal Pte. Ltd.が提供する決済サービス「ペイパル」を導入いたしました。この他、時間をかけても安価な輸送手段で配送してほしいというニーズに対応するために、日本郵便株式会社が提供する航空便と船便を導入いたしました。これらの取り組みにより、海外の会員小売店数、流通額ともに堅調に増加し、海外流通額(SD exportと国内販売向けサイトでの海外流通額の合算)は前期比60%以上増加いたしました。

 国内流通額につきましては、当第1四半期会計期間、当第2四半期会計期間、当第3四半期会計期間と連続して、前期比割れが続いておりましたが、当第4四半期連結会計期間においては様々な施策により回復傾向が見られ、流通額が再びプラス成長となりました。ただし、第3四半期までの前期比割れの影響をカバーするまでには至らず、当連結会計年度における国内流通額は前期比割れとなりました。この結果、「スーパーデリバリー」の流通額は9,587,727千円(前期比0.6%増)となりました。

 「COREC」につきましては、引き続き知名度の向上及びユーザー(サプライヤーとバイヤー)の獲得に注力しております。ユーザーの獲得増加のために、提携先との相互送客の強化に取り組んだ他、平成28年3月15日より「COREC API」の提供を開始し、ユーザー各社が導入している販売管理、倉庫管理、会計管理等のシステムに自動でデータを取込むことができるようになりました。

 

 Paid事業の売上高は、前期比30.9%増の352,770千円を計上しております。引き続き、加盟企業の獲得増加と獲得した加盟企業の稼働率の向上を図ることに取り組んでおります。加盟企業の獲得増加策として、企業向けにサービスを提供する企業との業務提携にも積極的に取り組んでおりますが、当連結会計年度においては、加盟企業の増加とともに、徐々に「Paid」の知名度が向上し、大手企業の加盟企業の獲得も増加いたしました。これにより、加盟企業数は当連結会計年度末には1,700社を超え、取扱高(グループ内の取扱高6,939,154千円を含む)は13,404,274千円(前期比27.7%増)となりました。

 また、FinTech分野に関する最新の技術・サービスに関する情報収集を目的としてSBIインベストメント株式会社が設立・運営する「FinTechファンド」(正式名称:FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合)に対して出資を行いました。

 

 売掛債権保証事業の売上高は前期比17.3%増の666,644千円を計上しております。引き続き営業力強化に取り組むことで保証残高の拡大を図っております。また、順調に保証残高が積み上がっている事業用家賃保証サービスにおいては、利用者の獲得増加を図るため、保証内容を従来よりも手厚く使いやすいものにサービス内容を一部改訂いたしました。この結果、保証残高(連結グループ内の保証残高1,224,147千円を含む)は9,123,513千円(前期末比41.0%増)となりました。

 

②売上総利益

 上記の諸要因により、売上総利益は、1,851,715千円となり、売上総利益率は、83.0%となりました。

 

③販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費が全般的に低水準で推移しました。その結果、販売費及び一般管理費は1,457,998千円となり、売上高に対する比率は65.4%となりました。

 

 

④営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益

 上記の諸要因により、営業利益は393,717千円となりました。経常利益は営業外費用に、当連結会計年度において株式市場変更に係る上場関連費用22,104千円を計上したこと等により、367,760千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は239,376千円となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題及び4 事業等のリスク」をご参照ください。

(4)経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、インターネットを活用した企業間取引サービスを軸に、事業相互間でのシナジー効果ないしはリソースの共有を意識した事業展開により成長してきました。今後も、既存の事業のさらなる成長に加え、すでに保有するリソースを利用できる新規事業を創造していくことで収益手段の多様化に取り組み、企業間取引を効率化するためのインフラサービスを提供する企業として成長、拡大を行ってまいります。

 

①EC事業

 「スーパーデリバリー」は、アパレルメーカー・雑貨メーカーと小売店を繋ぐ企業間取引(BtoB)サイトです。当社グループでは、企業間取引(BtoB)は「仕入取引」であるため、本来、継続的な取引が中心であると考えております。そのため、「スーパーデリバリー」においては、メーカーと小売店の継続的な取引を拡大させることが重要な要素であると認識し、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで流通額を増加させていく方針です。

 また、より質の高い「会員小売店」及び「出展企業」の獲得や、マーケットの信頼性を高めるための施策を行うことにより、「スーパーデリバリー」の「ブランド価値」を高めていくことに取り組んでいく方針です。

 

②Paid事業

 「Paid」については、加盟企業とPaidメンバーの獲得に注力してまいります。加盟企業とPaidメンバーの増加により、取扱高の増加を図り、さらに保証料収入を増加させることで事業規模を拡大していく方針です。そのために、知名度・信頼性の向上を図ることで、集客の促進を行います。また、獲得した加盟企業とPaidメンバー間の利用を増加させるために積極的にシステム投資を行うことで利便性の向上にも努めてまいります。

 

③売掛債権保証事業

 売掛債権保証事業については、保証残高を拡大することで、保証料収入を増加させ事業拡大に努める一方で、審査精度の向上に努めてまいります。また、インターネットを活用したサービス提供のためのシステム投資にも努め、クライアントの利便性向上を図ってまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①流動性及び資金の源泉

 当連結会計年度における流動比率及び自己資本比率は、それぞれ流動比率が149.5%、自己資本比率が35.7%となりました。

 

②キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

③財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より641,962千円増加して4,969,086千円になりました。流動資産は、632,281千円増加して4,615,162千円になりました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益が増加した影響により現金及び預金が214,503千円増加したことに加え、取引の増加により売掛金が409,872千円増加したことによるものです。固定資産は、9,681千円増加して353,924千円になりました。増加の主な要因は、有形固定資産の減価償却費10,763千円の計上の一方で、投資有価証券が取得により25,000千円増加したことによるものです。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より408,519千円増加して3,191,891千円になりました。流動負債は453,388千円増加して3,087,850千円になりました。増加の主な要因は、取引の増加により買掛金が458,749千円増加したことによるものです。固定負債は44,868千円減少して104,041千円になりました。減少の主な要因は、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金への振替により50,000千円減少したことによるものです。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より233,442千円増加して1,777,194千円になりました。増加の要因は配当金の支払いにより利益剰余金が38,680千円減少した一方で、新株予約権の行使により資本金と資本準備金が合計で33,123千円、親会社株主に帰属する当期純利益239,376千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループでは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営戦略を立案し、実行するように努力しておりますが、当社グループの事業はいずれも歴史が浅く、今後も競合他社の参入などによる競争激化も予想されます。そのような事業環境の中で、当社は中長期的な事業規模の拡大と企業価値向上のために各事業の成長ステージや競合の状況などに応じた最適な経営戦略を立案すると同時に、事業相互間でのシナジー効果ないしはリソースの共有を意識した新規事業の創出にも取り組んでまいります。