第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成28年5月1日~平成29年4月30日)における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善等から緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、世界経済は、海外における新興国の景気減速、英国のEU離脱問題や米国の政権交代による経済政策の転換に対する警戒感が高まり、先行きは依然として不透明な状態となっております。

 このような状況の中、当社グループは「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念に掲げ、各企業間取引のインフラサービス事業の事業規模拡大に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度における売上高は2,359,311千円(前年同期比5.8%増)となりました。

 費用面におきましては、今期、EC事業の「スーパーデリバリー」におけるSD exportとPaid事業の「Paid」及び平成28年8月より提供開始した保証事業の「URIHO」の認知度・知名度の向上及び集客加速のための広告投資を行いました。一方、保証事業において保証履行額の減少により原価率が低下したことで利益が増加し、全社利益の増加に貢献いたしました。

 この結果、営業利益420,812千円(前年同期比6.9%増)、経常利益414,313千円(前年同期比12.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度においてEC事業のソフトウエアの減損処理に伴う減損損失32,777千円を特別損失に計上し、255,791千円(前年同期比6.9%増)となりました。

 

 セグメントごとの業績は、次のとおりであります。なお、当社は第2四半期連結会計期間より、従来の「売掛債権保証事業」を「保証事業」に、セグメント名称を変更いたしました。当該変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に影響を与える変更はありません。

 

①EC事業

 EC事業におきましては、主力事業である「スーパーデリバリー」において、引き続き質の高い会員小売店及び出展企業を獲得した上で、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで流通額を増加させていくことに取り組んでおります。これに加えて、会員小売店となるターゲットを拡大することで購入客数を増加させ流通額を増加させる施策にも取り組んでおります。現在、ターゲットを海外に広げた「SD export」と、国内においては、これまで対象外としていた飲食業や理美容業、宿泊業、教育関連など小売業以外の事業者まで拡大させていく取り組みを行っております。

 小売店以外の業種への流通については、業務提携により小売店以外の会員を増加させていく取り組みを積極的に実施しております。第3四半期連結会計期間における「民泊物件.com」を運営する株式会社スペースエージェントとの業務提携を皮切りに、民泊事業者による流通額が伸びていることから、仕入れ需要のある業種として注視し、民泊事業者を支援する会社との業務提携に力を入れました。また、第4四半期連結会計期間においては、新たな業種の仕入れニーズの開拓を行うため、「一般社団法人日本ホームステージング協会」と業務連携を行いました。このような取り組みにより、流通額は徐々に増加してきておりますが、従来の会員小売店への流通額が伸び悩んだことで、国内流通額は前年同期比0.5%減となりました。

 一方、「SD export」は、第4四半期連結会計期間において海外小売店の利便性向上のために、新たな配送方法として船便と変わらない料金で利用できる航空便を導入した他、アジアに特化した化粧品口コミプラットフォーム「COSMERIA」と相互連携を行いました。こうした取り組みにより、海外流通額(SD exportと日本語版サイトでの海外向け流通額の合算)が前年同期比63.3%増となりました。

 この結果、「スーパーデリバリー」全体の流通額は9,834,504千円(前年同期比2.6%増)となりました。なお、当連結会計年度末における「スーパーデリバリー」の経営指標は会員小売店数70,520店舗(前期末比18,148店舗増)、出展企業数1,189社(前期末比51社増)、商材掲載数637,652点(前期末比78,380点増)となりました。

 

 「COREC」につきましては、引き続き知名度の向上及びユーザー(サプライヤーとバイヤー)の獲得に注力しております。その結果、当連結会計年度末におけるユーザー数は11,092社となりました。

 

 EC事業の売上高は1,611,979千円(前年同期比1.8%増)、セグメント利益は222,299千円(前年同期比0.4%減)となりました。

 

②Paid事業

 Paid事業におきましては、引き続き、加盟企業の獲得増加と獲得した加盟企業の稼働率向上を図ることに取り組んでおります。平成29年4月期は、今後の成長をより加速するための投資期間と位置づけ、Paidの認知度・知名度の向上を図り加盟企業を増加させるために、積極的な広告投資の実施や人員の増加を図った他、サービスの利便性、信頼性の向上を図り、獲得した企業の稼働率の向上のためにシステム投資を行いました。第4四半期連結会計期間においても、GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供開始する「BtoB EC向け決済パッケージ」等、様々なサービスにPaidが導入されました。また、近年増加しているサブスクリプション型(月額、年額など定額の継続課金)のビジネスモデルに対応するサービスとして、請求を自動化できる新プラン「Paid 定額自動請求」の提供を開始いたしました。こうした取り組み等により、加盟企業数は当連結会計年度末には2,200社を超え、取扱高(連結グループ内の取扱高6,834,491千円を含む)は、16,585,255千円(前年同期比23.7%増)となりました。

 この結果、Paid事業の売上高は427,646千円(前年同期比21.2%増)、セグメント利益は27,883千円(前年同期比36.9%増)となりました。

 

③保証事業

 保証事業におきましては、引き続き営業力強化に取り組むことで保証残高の拡大を図っております。売掛保証サービスの保証残高は第3四半期連結会計期間末までは、前連結会計年度末よりも低い水準で推移しておりましたが、第4四半期連結会計期間中において、使いやすさ向上のために会員サイトの機能及びデザインをリニューアルした他、利用すればするほど利用料金がお得になる新プラン「売上保証」の開始等、様々な取り組みをしたことで、保証残高が回復いたしました。なお、事業用家賃保証サービス及び平成28年8月よりサービス提供を開始した「URIHO」については、引き続き順調に増加いたしました。この結果、第4四半期連結会計期間中に保証残高は100億円を突破し、11,349,825千円(連結グループ内の保証残高1,560,351千円を含む)と前期末比24.4%増となり、売上高は、720,616千円(前年同期比8.1%増)となりました。セグメント利益は、「URIHO」の知名度向上及びクライアント獲得増加のために広告費を増加しましたが、その他の販売費及び一般管理費が抑えられたことと、引き続き、保証履行額の減少により原価率が低下したことで168,161千円(前年同期比51.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,992,746千円になりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は469,058千円(前年同期比70,986千円の資金の増加)になりました。この主な要因は、取引量の増加に伴い売上債権が384,798千円増加した一方で、税金等調整前当期純利益を375,911千円計上及び仕入債務が552,242千円増加したことによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は153,907千円(前年同期比51,901千円の資金の減少)となりました。この主な要因は、ソフトウエア開発及びソフトウエア購入による無形固定資産の取得のための支出が74,307千円発生したことに加え、投資有価証券の取得による支出が76,000千円発生したことによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は180,754千円(前年同期比99,152千円の資金の減少)となりました。この主な要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入が3,974千円発生した一方で、自己株式の取得による支出50,039千円、長期借入金の返済による支出50,000千円、配当金の支払額78,937千円を計上したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 該当事項はありません。

 

(2)受注状況

 該当事項はありません。

 

(3)販売実績

①当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

前年同期比(%)

 

EC事業

(千円)

1,611,979

101.8

 

Paid事業

(千円)

249,562

145.3

 

保証事業

(千円)

497,769

104.9

 

合計

(千円)

2,359,311

105.8

 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当連結会計年度より、従来「売掛債権保証事業」としていたセグメントの名称を「保証事業」に変更しております。セグメント名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

②EC事業の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。

売上種類別

当連結会計年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

前年同期比(%)

 

システム利用料売上

(千円)

983,375

102.7

 

会員小売店向け売上(会費)

(千円)

247,644

98.0

 

出展企業向け売上(基本料等)

(千円)

377,040

101.5

 

その他

(千円)

3,919

306.4

 

合計

(千円)

1,611,979

101.8

 (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供しております。

 「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念として、以下の経営方針に基づいて事業展開を行っております。

 a.企業間取引分野、インターネット分野、金融分野などの専門性の向上を重視する。

 b.顧客のニーズに真摯に耳を傾け、顧客ニーズを充足することを重視する。

 c.システム開発に関しては極力自社開発とする。

 d.労働集約的な仕組みでなく、極力自動化し、効率的な経営を行う。

 当社グループは、経営理念に従って、企業と企業が取引を行う上で必要なサービスに新しい価値を創出し、進化させていくことが事業拡大に必要であるとしており、また、株主利益の増大が実現されると考えております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

 当社グループは、IT及びFinTechを活用した企業間取引サービスを軸に、事業相互間でのシナジー効果ないしはリソースの共有を意識した事業展開により成長してきました。今後も、既存の事業のさらなる成長に加え、すでに保有するリソースを利用できる新規事業を創造していくことで収益手段の多様化に取り組み、企業間取引を効率化するためのインフラサービスを提供する企業として成長、拡大を行ってまいります。

 

①EC事業

 「スーパーデリバリー」は、アパレルメーカー・雑貨メーカーと小売店を繋ぐ企業間取引(BtoB)サイトです。当社グループでは、企業間取引(BtoB)は「仕入取引」であるため、本来、継続的な取引が中心であると考えております。そのため、「スーパーデリバリー」においては、メーカーと小売店の継続的な取引を拡大させることが重要な要素であると認識し、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで流通額を増加させていく方針であります。

 また、より質の高い「会員小売店」及び「出展企業」の獲得や、マーケットの信頼性を高めるための施策を行うことにより、「スーパーデリバリー」の「ブランド価値」を高めていくことに取り組んでいく方針であります。

 

②Paid事業

 「Paid」については、加盟企業とPaidメンバーの獲得に注力してまいります。加盟企業とPaidメンバーの増加により、取扱高の増加を図り、さらに保証料収入を増加させることで事業規模を拡大していく方針であります。そのために、知名度・信頼性の向上を図ることで、集客の促進を行ってまいります。また、獲得した加盟企業とPaidメンバー間の利用を増加させるために積極的にシステム投資を行うことで利便性の向上にも努めてまいります。

 

③保証事業

 保証事業については、保証残高を拡大することで、保証料収入を増加させ事業拡大に努める一方で、審査精度の向上に努めてまいります。また、インターネットを活用したサービス提供のためのシステム投資にも努め、クライアントの利便性向上を図ってまいります。

 

(3)経営環境

 IT及びFinTechを活用した市場は、技術進歩が非常に早く、高い成長が見込まれることを背景にサービスも進化し、多様化しております。変化の激しい市場において、当社は技術進歩に対応しながら、既存事業、新規事業ともに付加価値の高いサービスを提供し続けられるよう努める方針であります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

①新規事業の展開について

当社グループは、これまで企業間取引分野で事業展開することで企業価値を向上させてまいりました。今後も、当社グループの中長期的な成長を持続させていくためには、更なる収益基盤の強化及び事業領域を拡大していくことが課題であると認識しております。

この課題に対応するため、当社グループでは既存事業の事業成長とともに、新規事業にも積極的に取り組んでまいります。なお、新規事業の創出に際しては、常に事業相互間でのシナジー効果ないしはリソースの共有を意識した事業展開を行う方針であります。

 

 

②EC事業

a.スーパーデリバリーの海外展開

 「スーパーデリバリー」は、サービス開始以来、増収を続けておりますが、その成長スピードを上げていくことが課題であると認識しております。

 この課題に対応するための施策の一つとして、これまで国内の小売店に限定していた取引を、海外の小売店にも拡張しております。日本製の商品や、日本で企画された商品は海外における人気が高いことから、海外展開を「スーパーデリバリー」の成長施策の一つとして位置づけております。今後、海外の小売店に対する流通額の増加を促進するために、戦略的な広告投資により集客を行い、また、利便性向上のためのシステム投資や仕組みの導入に努める方針であります。

 

b.スーパーデリバリーの出展企業の確保と安定的な取引の拡大

 「スーパーデリバリー」の中長期的な事業規模拡大には、新規の出展企業の獲得とともに、既存会員小売店との安定した継続取引の確保及び取引の拡大が課題であると認識しております。

 この課題に対応するために、小売店からのニーズが高い出展企業の更なる獲得、及び出展企業1社の出品する商材掲載数の増加といったEC卸サイト媒体としての価値向上等に取り組み、さらに、会員小売店の購入客数や客単価、リピート率の向上といった稼働率アップを図る方針であります。

 

③Paid事業

参加企業の拡大

 Paid事業の事業規模拡大には、取扱高の増加が必要であり、そのためには、Paid内で取引を行う加盟企業とPaidメンバーを増加させることが課題であると認識しております。

 この課題に対応するために、積極的かつ戦略的な広告投資による集客を行っていく方針であります。また、獲得した加盟企業やPaidメンバーの利便性向上のためのシステム投資にも努める方針であります。

 

④保証事業

a.利益の安定性

 保証事業は順調に保証残高を積み上げ成長をしておりますが、まだまだ規模が小さいと認識しております。そのため、今後も積極的に事業規模を拡大し、保証残高を積み上げていく方針ですが、一方で当社内で一定のリスクをとるビジネスモデルであるため、保証履行による損失が利益に与える影響が大きくならないようにしていくことが課題であると認識しております。

 この課題に対応し安定的な利益成長をしていくため、保証先企業に対する審査基準を随時見直し、保証履行の発生を抑えるよう努める他、再保証の活用や、免責事項付の商品の提供等によりリスク分散に努めてまいります。

 

b.商品力の強化

 保証事業の事業規模拡大には、保証残高を積み上げていくことが必要であり、そのためには、より多くの企業がクライアントとしてサービスを利用することが必要であると認識しております。

 この課題に対応するために、様々な業界や規模のクライアントのニーズに対応した商品の開発を行っていく方針であります。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開その他に関しリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資家の判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も併せて慎重に行われる必要があると考えております。また、将来に関する情報は、別段の記載のない限り、本報告書提出日現在における当社グループの経営者の判断や一定の前提の下における予測等に基づくものであり、将来、その通りに実現することを保証するものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

①B2B-EC業界の成長性について

 当社グループは、「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念とし、事業の多くはインターネット技術を活用したサービスの提供をしており、B2B-EC市場の成長を背景にして事業を運営しております。しかしながら、同市場の歴史は浅く、また成長過程にあることから普及に関して将来予測を行うことは困難な状態であります。そのため、今後もこれまでと同様に普及が進展する保証はなく、新たな規制の導入等、同市場の成長が阻害されるような状況が発生した場合においては、当社グループの事業規模拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合について

 当社グループは企業間取引に必要な機能のうち、「情報」と「決済」に関するサービスを提供しております。当社グループの提供する各サービスと同様のサービスを提供する企業はサービスごとにそれぞれ存在しております。当社グループでは、これまで蓄積してきた企業間取引特有の商慣習に対するノウハウを背景に、企業と企業の取引を、よりスピーディで効率的で便利なものにしていくために、常にユーザビリティの向上を意識した仕組みの構築、商品構成、安心して取引できる環境の提供等に取り組むことで差別化を図っております。しかしながら、当社グループと同様のサービスを提供する企業及び今後新たに参入する企業との競合が激化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業内容に関するリスク

①当社グループの与信管理について

 Paid事業ならびにEC事業の「スーパーデリバリー」における掛売り決済での取引は、当社グループの株式会社トラスト&グロースの売掛債権保証事業に基づき提供しております。従って、当社グループの与信リスクは保証事業に集約されます。

 保証事業は、顧客である事業会社から徴収する売掛債権の保証料を売上高として計上し、保証を引き受けた結果発生するコスト(保証履行や貸倒等の費用)を差し引いた金額が売上総利益となっております。売掛債権保証の市場は、近年、売掛債権の保全や与信管理の強化に関する企業ニーズの高まりを受け拡大しつづけており、当社グループでは、保証残高を積み上げるとともに、保証履行の発生率を適切にコントロールすべく、最適な保証引受審査を行うことがビジネスモデル上、重要であると考えております。

 そのため、日々の営業活動を積極的に行うことで保証残高を積み上げることに尽力する一方で、保証履行を適切な水準に抑えるために、保証先企業の審査基準についても随時見直し、設立当初から現在までにおける保証履行実績とその時々の経済情勢を反映させて、極度に保証履行率が悪化しないように努めております。また、保険会社等との再保険契約の活用により、保証履行が発生した場合には当社グループが被る損害の一部を担保させることで、当社が負担する保証履行金額を軽減させるよう努めております。さらに、事業会社から徴収する保証料についても、これまでの保証履行実績とその時々の経済情勢を反映させ、随時見直しております。しかしながら、当社グループが想定する以上の保証履行が発生した場合には業績に影響を与える可能性があります。

 なお、平成29年4月末現在の保証事業保証残高(連結グループ内の保証残高1,560,351千円を含む)は11,349,825千円です。そのうち、当社グループでリスクを保有している保証残高は8,554,628千円であります。

 

②新規事業展開に伴うリスクについて

 当社グループは、「企業活動を効率化し便利にする」ことを経営理念としております。この経営理念に基づき、これまで、Paid、CORECといった企業間取引にかかる分野での新しいサービスを生み出しており、今後も、企業間取引にかかる分野の新規事業の開発等に積極的に取り組んでいく方針です。新規事業の開発にかかる人材、システム、広告等に対する追加的な支出の発生及び事業が安定して収益を生み出すまでにはある程度の時間がかかることから、新規事業展開によって、当社グループ全体の利益が一時的に低下する可能性があります。また、新規事業が当社グループの想定どおりに推移する保証はなく、その場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)法的規制に関するリスク

①当社の事業を取り巻く法的規制について

 EC事業の主力事業である「スーパーデリバリー」では、取り扱う商品の中で一部下記の様な法規制を受ける商品が存在しております。

 a.ブランド品の販売について

 ブランド品の販売にあたっては、当該ブランド・メーカーの商標権、意匠権、著作権その他の知的財産権等に抵触しないことに留意し、必要に応じてインボイス等の証明書類の提出を求めて出展審査を行っております。また、「出展規約」に特則(「ブランド品などの出展に関する特則」)を規定することで、当該ブランド・メーカーの商標権、意匠権、著作権その他の知的財産権を侵害するものでないことを出展企業に保証させております。

 また、並行輸入品も含めた海外ブランド品の取り扱いに関しましては、別途真正商品である旨、偽ブランド品や知的財産権侵害商品を取り扱った場合には出展企業が責任を取る旨の誓約書の提出を求めることで関連法規・法令等の遵守に努めております。しかしながら、販売した商品に万が一、上記記載の知的財産権等を侵害するような事態が生じた場合には、当社グループがその責任を問われかねず、当社グループに対する社会的信用力は低下し、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

 b.医薬部外品、化粧品、加工食品等の販売について

 「スーパーデリバリー」の取り扱い商品のひとつであります医薬部外品、化粧品、加工食品(健康食品を含む)は、販売及び広告表現について主に下表の法律による規制を受けております。当社グループは、出展企業に対し、必要に応じて製造販売業許可を取得した証明書や成分分析表等の証明書類の提出を求めて出展審査を行っております。また、「出展規約」に特則(「医薬部外品・化粧品などの出展に関する特則」及び「加工食品などの出展に関する特則」)を規定し、関連法規・法令等を遵守していることを保証させるとともに、出展後も広告表現等の法的規制に抵触する内容がないかを当社グループ内において随時チェックすることで関連法規・法令等の遵守に努めております。

 しかしながら、将来的に法的規制が強化された場合や、現行の法的規制における法令の解釈・適用によっては、新たな対策が必要となり、これらの商品の販売に支障をきたす可能性があります。また、販売した商品に関し法的規制に抵触するような事態が生じた場合には、当社グループがその責任を問われかねず、当社グループに対する社会的信用力は低下し、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

法令名

主な法的規制の内容

私的独占の禁止及び公正取引の確保

に関する法律

不当廉売・再販売価格維持行為・誇大広告の禁止

医薬品、医療機器等の品質、有効性

及び安全性の確保等に関する法律

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生

医療等製品の製造販売の承認と許可

虚偽・誇大広告の禁止、医薬品的表現の規制

健康増進法

栄養表示基準の明示、誇大表示の禁止

食品衛生法

飲食に起因する衛生上の危害発生の防止

誇大表示・広告の禁止

食品表示法

名称、アレルゲン、保存の方法、消費期限、原材料、

添加物、栄養成分の量及び熱量、原産地等の食品へ

の表示義務

知的財産基本法

特許権、著作権、商標権等の知的財産権侵害の

禁止

 

 

 c.保証事業及びPaid事業について

 保証事業は、「保険業法」上の保険業、「債権管理回収業に関する特別措置法」上の債権管理回収業、「金融商品取引法」上の金融商品取引業、及び「貸金業法」上の貸金業のいずれにも該当いたしません。また、Paid事業についても、「割賦販売法」上の包括信用購入あっせん、「貸金業法」上の貸金業、及び「銀行法」上の為替取引のいずれにも該当いたしません。従って監督官庁は存在せず、いわゆる業法上の法的規制の対象とはなっておりません。しかしながら、今後新たな法律の制定や現行法の解釈に変化があった場合には、これらの事業が法的規制の対象となる可能性があり、その場合、事業の継続に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②取引先情報の管理体制について

 当社グループは、事業の性質上、個人情報を含む取引先情報を多数取り扱っており個人情報保護法の適用を受けております。当社グループでは、個人情報の保護を図るため、管理システムへのアクセス者の制限やアクセス履歴の管理、また社員教育の実施等、管理運用面について細心の注意を払っております。しかしながら、万一これらの情報が外部に流出した場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

(4)事業体制に関するリスク

①システム開発及び運用・管理の体制について

 当社グループでは、現在、主に自社内にてシステム開発、運用及び管理を行っております。事業の多くはインターネットを通じて取引を行うため、システムの開発やその運用・管理を適切に行うことが事業上重要であります。従って、システム開発、運用及び管理に関わる従業員の退職や、事業の拡大に対応するための人材の採用活動がスムーズに行うことができなかった場合には、システム開発の遅延や運営・管理の不備等が発生する可能性は否定できず、その場合、当社グループの業務運営に支障をきたす可能性があります。

 

②システム障害について

 当社グループの事業の多くはインターネットを通じて取引を行っております。そのため、自然災害や事故などによりインターネット通信網が破壊された場合においては事業の全体、あるいはその一部が中断され、事業の遂行に重大な支障をきたす可能性があります。

 また、当社グループでは、サービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策とコンピューターウイルスの感染、ハッカーの侵入による妨害等を回避するよう努めておりますが、こうした要因によるシステム障害が生じた場合も同様に、事業の遂行に重大な支障をきたす可能性があります。

 さらに、サーバー等の管理を委託しているデータセンター等の管理会社のサービス低下、アクセスの集中によるサーバーのダウン等によりインターネットへの接続及びシステムの稼動がスムーズに行うことができない状態になった場合においても当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

 

③災害に関するリスク

 当社グループは、東京都中央区に本社を置き、グループ全体の経営管理体制機能を集約しております。そのため、大規模な自然災害やその他の事業活動の継続に支障をきたす事象が、本社エリアに発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)ストック・オプションについて

 当社グループは、役員及び従業員の経営参画意識高揚のために会社法第236条、第238条及び第240条の規定に従って、平成23年7月8日及び平成26年11月13日開催の取締役会の決議に基づく新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後に関しましてもストック・オプションの付与を行う可能性があります。これらストック・オプションの権利行使がなされた場合には、新株式が発行され当社グループ株式価値の希薄化が生じる可能性があります。なお、平成29年4月30日現在でのストック・オプションによる潜在株式数は1,644,900株(発行済株式総数に対して9.0%)となっております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

 当連結会計年度における売上高は、2,359,311千円(前期比5.8%増)を計上しました。

 セグメント別の売上高は、EC事業においては前期比1.8%増の1,611,979千円を計上しております。

 EC事業におきましては、主力事業である「スーパーデリバリー」において、引き続き質の高い会員小売店及び出展企業を獲得した上で、客単価や稼働率の向上を図り、両者の継続した取引を拡大することで流通額を増加させていくことに取り組んでおります。これに加えて、会員小売店となるターゲットを拡大することで購入客数を増加させ流通額を増加させる施策にも取り組んでおります。現在、ターゲットを海外に広げた「SD export」と、国内においては、これまで対象外としていた飲食業や理美容業、宿泊業、教育関連など小売業以外の事業者まで拡大させていく取り組みを行っております。

 小売店以外の業種への流通については、業務提携により小売店以外の会員を増加させていく取り組みを積極的に実施しております。第3四半期連結会計期間における「民泊物件.com」を運営する株式会社スペースエージェントとの業務提携を皮切りに、民泊事業者による流通額が伸びていることから、仕入れ需要のある業種として注視し、民泊事業者を支援する会社との業務提携に力を入れました。また、第4四半期連結会計期間においては、新たな業種の仕入れニーズの開拓を行うため、「一般社団法人日本ホームステージング協会」と業務連携を行いました。このような取り組みにより、流通額は徐々に増加してきておりますが、従来の会員小売店への流通額が伸び悩んだことで、国内流通額は前年同期比0.5%減となりました。

 一方、「SD export」は、第4四半期連結会計期間において海外小売店の利便性向上のために、新たな配送方法として船便と変わらない料金で利用できる航空便を導入した他、アジアに特化した化粧品口コミプラットフォーム「COSMERIA」と相互連携を行いました。こうした取り組みにより、海外流通額(SD exportと日本語版サイトでの海外向け流通額の合算)が前年同期比63.3%増となりました。

 この結果、「スーパーデリバリー」全体の流通額は9,834,504千円(前年同期比2.6%増)となりました。なお、当連結会計年度末における「スーパーデリバリー」の経営指標は会員小売店数70,520店舗(前期末比18,148店舗増)、出展企業数1,189社(前期末比51社増)、商材掲載数637,652点(前期末比78,380点増)となりました。

 

 「COREC」につきましては、引き続き知名度の向上及びユーザー(サプライヤーとバイヤー)の獲得に注力しております。その結果、当連結会計年度末におけるユーザー数は11,092社となりました。

 

 Paid事業の売上高は、前期比21.2%増の427,646千円を計上しております。引き続き、加盟企業の獲得増加と獲得した加盟企業の稼働率向上を図ることに取り組んでおります。平成29年4月期は、今後の成長をより加速するための投資期間と位置づけ、Paidの認知度・知名度の向上を図り加盟企業を増加させるために、積極的な広告投資の実施や人員の増加を図った他、サービスの利便性、信頼性の向上を図り、獲得した企業の稼働率の向上のためにシステム投資を行いました。第4四半期連結会計期間においても、GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供開始する「BtoB EC向け決済パッケージ」等、様々なサービスにPaidが導入されました。また、近年増加しているサブスクリプション型(月額、年額など定額の継続課金)のビジネスモデルに対応するサービスとして、請求を自動化できる新プラン「Paid 定額自動請求」の提供を開始いたしました。こうした取り組み等により、加盟企業数は当連結会計年度末には2,200社を超え、取扱高(連結グループ内の取扱高6,834,491千円を含む)は、16,585,255千円(前年同期比23.7%増)となりました。

 

 保証事業の売上高は前期比8.1%増の720,616千円を計上しております。引き続き営業力強化に取り組むことで保証残高の拡大を図っております。売掛保証サービスの保証残高は第3四半期連結会計期間末までは、前連結会計年度末よりも低い水準で推移しておりましたが、第4四半期連結会計期間中において、使いやすさ向上のために会員サイトの機能及びデザインをリニューアルした他、利用すればするほど利用料金がお得になる新プラン「売上保証」の開始等、様々な取り組みをしたことで、保証残高が回復いたしました。なお、事業用家賃保証サービス及び平成28年8月よりサービス提供を開始した「URIHO」については、引き続き順調に増加いたしました。この結果、第4四半期連結会計期間中に保証残高は100億円を突破し、11,349,825千円(連結グループ内の保証残高1,560,351千円を含む)と前期末比24.4%増となりました。

 

②売上総利益

 保証事業において保証履行額の減少により原価率が低下したことで、売上総利益は1,984,719千円となり、売上総利益率は、84.1%となりました。

 

③販売費及び一般管理費

 今期、EC事業の「スーパーデリバリー」におけるSD exportとPaid事業の「Paid」及び平成28年8月より提供開始した保証事業の「URIHO」の認知度・知名度の向上及び集客加速のための広告投資を行いました。その結果、販売費及び一般管理費は1,563,906千円となり、売上高に対する比率は66.3%となりました。

 

④営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益

 上記の諸要因により、営業利益は420,812千円、経常利益は414,313千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度においてEC事業のソフトウエアの減損処理に伴う減損損失32,777千円を特別損失に計上し、255,791千円となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等及び4 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①流動性及び資金の源泉

 当連結会計年度における流動比率及び自己資本比率は、それぞれ流動比率が143.5%、自己資本比率が34.2%となりました。

 

②キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より596,991千円増加して5,566,077千円になりました。流動資産は、561,337千円増加して5,176,499千円になりました。増加の主な要因は、取引の増加により売掛金が384,798千円増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益が増加した影響により現金及び預金が134,749千円増加したことによるものであります。固定資産は、35,653千円増加して389,577千円になりました。増加の主な要因は、EC事業のソフトウエアの減損処理に伴う減損損失32,777千円の計上と減価償却により、ソフトウエアとソフトウエア仮勘定が合計で30,358千円減少し、また、のれんの償却9,720千円があった一方で投資有価証券が72,664千円増加したことによるものであります。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より466,201千円増加して3,658,093千円になりました。流動負債は520,436千円増加して3,608,286千円になりました。増加の主な要因は、取引の増加により買掛金が552,242千円増加したことによるものです。固定負債は54,234千円減少して49,806千円になりました。減少の主な要因は、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金への振替により50,000千円減少したことによるものであります。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より130,789千円増加して1,907,984千円になりました。増加の主な要因は、自己株式取得により自己株式が50,039千円増加した一方で、配当金の支払い78,937千円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益255,791千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。