文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供しております。
「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念として、以下の経営方針に基づいて事業展開を行っております。
a.企業間取引分野、インターネット分野、金融分野などの専門性の向上を重視する。
b.顧客のニーズに真摯に耳を傾け、顧客ニーズを充足することを重視する。
c.システム開発に関しては極力自社開発とする。
d.労働集約的な仕組みでなく、極力自動化し、効率的な経営を行う。
当社グループは、経営理念に従って、企業と企業が取引を行う上で必要なサービスに新しい価値を創出し、進化させていくことが事業拡大に必要であるとしており、また、株主利益の増大が実現されると考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、IT及びFinTechを活用した企業間取引サービスを軸に、事業相互間でのシナジー効果ないしリソースの共有を意識した事業展開により安定成長してきました。今後は成長ペースを速めることを積極的に模索し、早期に2018年4月期の約2倍の水準である「EBITDA 10億円」の達成を目指すことを第一段階の成長目標にしております。この成長目標の早期達成の実現を図るため、以下のグループ経営戦略に取り組んでまいります。
①既存事業の成長スピード加速
当社はこれまでEC事業、フィナンシャル事業ともに安定的かつ堅調な事業成長を歩んでまいりました。今回の持株会社体制への移行により、各事業の意思決定の迅速化を図る体制が整いましたので、成長機会を貪欲に追及することで既存事業の成長スピードを加速させてまいります。
②M&Aの実施
2018年3月28日付「持株会社体制への移行の検討開始に関するお知らせ」以降、新規事業の創出やM&Aの検討・実施を担当する経営企画部の創設及び、M&A及び資本・業務提携の実現のために必要と考えられる資金を確保することを目的とした新株予約権の発行と、必要な体制を整えてまいりました。現時点では、M&Aについては既存事業分野とのシナジー効果のある分野が特に有望と考えております。
③新規事業の創出
スムーズな新規事業の立ち上げを図っていくためにイントレプレナー(社内起業家)制度を新設いたしました。EC事業、フィナンシャル事業ともに業歴が長く、それぞれの事業に精通した人材が多く在席しております。イントレプレナー制度の運用により創造性のある事業を活発に立ち上げてまいる所存であります。特に決済、保証サービスを提供しているフィナンシャル事業は、AIやフィンテック等と親和性の高い金融サービスです。
(3)経営環境
IT及びFinTechを活用した市場は、技術進歩が非常に早く、高い成長が見込まれることを背景にサービスも進化し、多様化しております。変化の激しい市場において、当社は技術進歩に対応しながら、既存事業、新規事業ともに付加価値の高いサービスを提供し続けられるよう努める方針であります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①全社的な課題
新規事業の展開について
当社グループは、これまで企業間取引分野で事業展開することで企業価値を向上させてまいりました。今後も、当社グループの中長期的な成長を持続させていくためには、更なる収益基盤の強化及び事業領域を拡大していくことが課題であると認識しております。
この課題に対応するため、当社グループでは既存事業の事業成長とともに、積極的に新規事業の創出や、必要に応じてM&Aを実施し成長性のあるビジネスを当社の成長に取り込んでまいります。
②EC事業
a.スーパーデリバリーの海外展開
「スーパーデリバリー」は、サービス開始以来、増収を続けておりますが、その成長スピードを上げていくことが課題であると認識しております。
この課題に対応するための施策の一つとして、これまで国内の小売店に限定していた取引を、海外の小売店にも拡張しております。日本製の商品や、日本で企画された商品は海外における人気が高いことから、海外展開を「スーパーデリバリー」の成長施策の一つとして位置づけております。今後、海外の小売店に対する流通額の増加を促進するために、戦略的な広告投資により集客を行い、また、利便性向上のためのシステム投資や仕組みの導入に努める方針であります。
b.スーパーデリバリーの出展企業の確保と安定的な取引の拡大
「スーパーデリバリー」の中長期的な事業規模拡大には、新規の出展企業の獲得とともに、既存会員小売店との安定した継続取引の確保及び取引の拡大が課題であると認識しております。
この課題に対応するために、小売店からのニーズが高い出展企業の更なる獲得、及び出展企業1社の出品する商材掲載数の増加といったEC卸サイト媒体としての価値向上等に取り組み、さらに、会員小売店の購入客数や客単価、リピート率の向上といった稼働率アップを図る方針であります。
③フィナンシャル事業
a.保証サービスの利益の安定性
売掛保証サービス、家賃保証サービスは順調に保証残高を積み上げ成長をしておりますが、まだまだ規模が小さいと認識しております。そのため、今後も積極的に事業規模を拡大し、保証残高を積み上げていく方針ですが、一方で当社グループ内で一定のリスクをとるビジネスモデルであるため、保証履行による損失が利益に与える影響が大きくならないようにしていくことが課題であると認識しております。
この課題に対応し安定的な利益成長をしていくため、保証先企業に対する審査基準を随時見直し、保証履行の発生を抑えるよう努める他、再保証の活用や、免責事項付の商品の提供等によりリスク分散に努めてまいります。
b.商品力の強化
売掛保証サービス、家賃保証サービスの事業規模拡大には、保証残高を積み上げていくことが必要であり、そのためには、売掛保証サービスにおいては、より多くの企業がクライアントとしてサービスを利用することが必要であると認識しております。また、家賃保証サービスにおいては、より多くの不動産会社がサービスを利用することが必要であると認識しております。
この課題に対応するために、様々なニーズに対応した商品の開発を行っていく方針であります。
c.Paidの参加企業の拡大
Paidの事業規模拡大には、取扱高の増加が必要であり、そのためには、Paid内で取引を行う加盟企業とPaidメンバーを増加させることが課題であると認識しております。
この課題に対応するために、積極的かつ戦略的な広告投資による集客を行っていく方針であります。また、獲得した加盟企業やPaidメンバーの利便性向上のためのシステム投資にも努める方針であります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関しリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資家の判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項も併せて慎重に行われる必要があると考えております。また、将来に関する情報は、別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在における当社グループの経営者の判断や一定の前提の下における予測等に基づくものであり、将来、その通りに実現することを保証するものではありません。
(1)事業環境に関するリスク
①B2B-EC業界の成長性について
当社グループは、「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念とし、事業の多くはインターネット技術を活用したサービスの提供をしており、B2B-EC市場の成長を背景にして事業を運営しております。しかしながら、同市場の歴史は浅く、また成長過程にあることから普及に関して将来予測を行うことは困難な状態であります。そのため、今後もこれまでと同様に普及が進展する保証はなく、新たな規制の導入等、同市場の成長が阻害されるような状況が発生した場合においては、当社グループの事業規模拡大に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
当社グループは企業間取引に必要な機能のうち、「情報」と「決済」に関するサービスを提供しております。当社グループの提供する各サービスと同様のサービスを提供する企業はサービスごとにそれぞれ存在しております。当社グループでは、これまで蓄積してきた企業間取引特有の商慣習に対するノウハウを背景に、企業と企業の取引を、よりスピーディーで効率的で便利なものにしていくために、常にユーザビリティの向上を意識した仕組みの構築、商品構成、安心して取引できる環境の提供等に取り組むことで差別化を図っております。しかしながら、当社グループと同様のサービスを提供する企業及び今後新たに参入する企業との競合が激化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)事業内容に関するリスク
①フィナンシャル事業の与信リスクについて
フィナンシャル事業の売掛保証は、顧客である事業会社から徴収する売掛債権の保証料を売上高として計上し、保証を引き受けた結果発生するコスト(保証履行や貸倒等の費用)を差し引いた金額が売上総利益となっております。売掛債権保証の市場は、近年、売掛債権の保全や与信管理の強化に関する企業ニーズの高まりを受け拡大しつづけております。家賃保証は、入居者から徴収する保証料を売上として計上し、保証を引き受けた結果発生するコスト(保証履行や貸倒等の費用)を差し引いた金額が売上総利益となっております。家賃保証の市場についても、民法改正の影響等による物件オーナーからの保証ニーズの高まりを受け拡大しつづけております。
当社グループでは、売掛保証、家賃保証の保証残高を積み上げるとともに、保証履行の発生率を適切にコントロールすべく、最適な保証引受審査を行うことがビジネスモデル上、重要であると考えております。そのため、日々の営業活動を積極的に行うことで保証残高を積み上げることに尽力する一方で、保証履行を適切な水準に抑えるために、保証先企業及び入居者の審査基準についても随時見直し、設立当初から現在までにおける保証履行実績とその時々の経済情勢を反映させて、極度に保証履行率が悪化しないように努めております。また、保険会社等との再保険契約の活用により、保証履行が発生した場合には当社グループが被る損害の一部を担保させることで、当社が負担する保証履行金額を軽減させるよう努めております。さらに、事業会社から徴収する保証料についても、これまでの保証履行実績とその時々の経済情勢を反映させ、随時見直しております。しかしながら、当社グループが想定する以上の保証履行が発生した場合には業績に影響を与える可能性があります。
なお、2019年4月末現在の保証事業保証残高は62,945,450千円(株式会社ラクーンフィナンシャル分21,492,574千円、ALEMO株式会社分41,452,875千円)です。そのうち、当社グループでリスクを保有している保証残高は58,399,309千円であります。
②新規事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、「企業活動を効率化し便利にする」ことを経営理念としております。この経営理念に基づき、これまで、Paid、CORECといった企業間取引にかかる分野での新しいサービスを生み出しており、今後も、企業間取引にかかる分野の新規事業の開発等に積極的に取り組んでいく方針です。新規事業の開発にかかる人材、システム、広告等に対する追加的な支出の発生及び事業が安定して収益を生み出すまでにはある程度の時間がかかることから、新規事業展開によって、当社グループ全体の利益が一時的に低下する可能性があります。また、新規事業を開始した際には、当該事業固有のリスク要因が加わる可能性があるとともに、事業展開が計画通りに進まない場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
①当社の事業を取り巻く法的規制について
EC事業の主力事業である「スーパーデリバリー」では、取り扱う商品の中で一部下記の様な法規制を受ける商品が存在しております。
a.ブランド品の販売について
ブランド品の販売にあたっては、当該ブランド・メーカーの商標権、意匠権、著作権その他の知的財産権等に抵触しないことに留意し、必要に応じてインボイス等の証明書類の提出を求めて出展審査を行っております。また、「出展規約」に特則(「ブランド品などの出展に関する特則」)を規定することで、当該ブランド・メーカーの商標権、意匠権、著作権その他の知的財産権を侵害するものでないことを出展企業に保証させております。
また、並行輸入品も含めた海外ブランド品の取り扱いに関しましては、別途真正商品である旨、偽ブランド品や知的財産権侵害商品を取り扱った場合には出展企業が責任を取る旨の誓約書の提出を求めることで関連法規・法令等の遵守に努めております。しかしながら、販売した商品に万が一、上記記載の知的財産権等を侵害するような事態が生じた場合には、当社グループがその責任を問われかねず、当社グループに対する社会的信用力は低下し、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
b.医薬部外品、化粧品、加工食品、酒類等の販売について
「スーパーデリバリー」の取り扱い商品のひとつであります医薬部外品、化粧品、加工食品(健康食品を含む)、酒類は、販売及び広告表現について主に下表の法律による規制を受けております。当社グループは、出展企業に対し、必要に応じて化粧品等の製造販売業許可を取得した証明書や成分分析表等の証明書類の提出を求め、酒類の販売においては、出展企業が酒類販売業の免許を取得していることを確認しております。また、「出展規約」に特則(「医薬部外品・化粧品などの出展に関する特則」及び「加工食品などの出展に関する特則」)を規定し、関連法規・法令等を遵守していることを保証させるとともに、出展後も広告表現等の法的規制に抵触する内容がないかを当社グループ内において随時チェックすることで関連法規・法令等の遵守に努めております。
しかしながら、将来的に法的規制が強化された場合や、現行の法的規制における法令の解釈・適用によっては、新たな対策が必要となり、これらの商品の販売に支障をきたす可能性があります。また、販売した商品に関し法的規制に抵触するような事態が生じた場合には、当社グループがその責任を問われかねず、当社グループに対する社会的信用力は低下し、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
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法令名 |
主な法的規制の内容 |
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私的独占の禁止及び公正取引の確保 に関する法律 |
不当廉売・再販売価格維持行為・誇大広告の禁止 |
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医薬品、医療機器等の品質、有効性 及び安全性の確保等に関する法律 |
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生 医療等製品の製造販売の承認と許可 虚偽・誇大広告の禁止、医薬品的表現の規制 |
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健康増進法 |
栄養表示基準の明示、誇大表示の禁止 |
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食品衛生法 |
飲食に起因する衛生上の危害発生の防止 誇大表示・広告の禁止 |
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食品表示法 |
名称、アレルゲン、保存の方法、消費期限、原材料、 添加物、栄養成分の量及び熱量、原産地等の食品へ の表示義務 |
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知的財産基本法 |
特許権、著作権、商標権等の知的財産権侵害の禁止 |
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酒税法 |
酒類取引者の納税義務、酒類製造販売の免許取得義務 |
c.フィナンシャル事業の売掛債権保証について
フィナンシャル事業の売掛債権保証は、「保険業法」上の保険業、「債権管理回収業に関する特別措置法」上の債権管理回収業、「金融商品取引法」上の金融商品取引業、及び「貸金業法」上の貸金業のいずれにも該当いたしません。また、Paid事業についても、「割賦販売法」上の包括信用購入あっせん、「貸金業法」上の貸金業、及び「銀行法」上の為替取引のいずれにも該当いたしません。従って監督官庁は存在せず、いわゆる業法上の法的規制の対象とはなっておりません。しかしながら、今後新たな法律の制定や現行法の解釈に変化があった場合には、これらの事業が法的規制の対象となる可能性があり、その場合、事業の継続に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②取引先情報の管理体制について
当社グループは、事業の性質上、個人情報を含む取引先情報を多数取り扱っており個人情報保護法の適用を受けております。当社グループでは、個人情報の保護を図るため、管理システムへのアクセス者の制限やアクセス履歴の管理、また社員教育の実施等、管理運用面について細心の注意を払っております。しかしながら、万一これらの情報が外部に流出した場合、当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
(4)事業体制に関するリスク
①システム開発及び運用・管理の体制について
当社グループでは、現在、主に自社内にてシステム開発、運用及び管理を行っております。事業の多くはインターネットを通じて取引を行うため、システムの開発やその運用・管理を適切に行うことが事業上重要であります。従って、システム開発、運用及び管理に関わる従業員の退職や、事業の拡大に対応するための人材の採用活動がスムーズに行うことができなかった場合には、システム開発の遅延や運営・管理の不備等が発生する可能性は否定できず、その場合、当社グループの業務運営に支障をきたす可能性があります。
②システム障害について
当社グループの事業の多くはインターネットを通じて取引を行っております。そのため、自然災害や事故などによりインターネット通信網が破壊された場合においては事業の全体、あるいはその一部が中断され、事業の遂行に重大な支障をきたす可能性があります。
また、当社グループでは、サービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策とコンピューターウイルスの感染、ハッカーの侵入による妨害等を回避するよう努めておりますが、こうした要因によるシステム障害が生じた場合も同様に、事業の遂行に重大な支障をきたす可能性があります。
さらに、サーバー等の管理を委託しているデータセンター等の管理会社のサービス低下、アクセスの集中によるサーバーのダウン等によりインターネットへの接続及びシステムの稼動がスムーズに行うことができない状態になった場合においても当社グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
③災害に関するリスク
当社グループは、東京都中央区に本社を置き、グループ全体の経営管理体制機能を集約しております。そのため、大規模な自然災害やその他の事業活動の継続に支障をきたす事象が、本社エリアに発生した場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(5)その他
①M&Aについて
当社グループは、グループ全体の成長戦略を推進していくために必要に応じてM&Aを実施する方針です。M&Aの実行に際しては対象企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスク検討を行う方針でありますが、これらの調査で確認・想定されなかった事象がM&A等の実行後に判明あるいは発生した場合や、市場環境の変化等により事業展開が計画どおりに進まない場合には、対象企業の投資価値の減損処理を行う等、当社グループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&A等により、当社グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、当該事業固有のリスク要因が加わる可能性があります。
②ストック・オプションについて
当社グループは、役員及び従業員の経営参画意識高揚のために会社法第236条、第238条及び第240条の規定に従って、2014年11月13日開催の取締役会の決議に基づく新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後に関しましてもストック・オプションの付与を行う可能性があります。これらストック・オプションの権利行使がなされた場合には、新株式が発行され当社グループ株式価値の希薄化が生じる可能性があります。なお、2019年4月30日現在でのストック・オプションによる潜在株式数は724,500株であり発行済株式総数に対して3.8%に相当します。
③行使条件付新株予約権について
当社グループは中期的な目標として想定するM&A及び資本・業務提携の実現のために必要と考えられる資金を確保することを目的として行使条件付新株予約権を発行しております。これら新株予約権の権利行使がなされた場合には、まず自己株式の充当をいたしますが、自己株式充当後につきましては、新株式が発行され当社グループ株式価値の希薄化が生じる可能性があります。
2019年4月30日現在での行使条件付新株予約権による潜在株式数は3,073,000株(第5回新株予約権1,590,000株、第6回新株予約権769,000株、第7回新株予約権714,000株)であり、発行済株式総数の16.2%に相当します。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は以下のとおりであります。
①財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より2,791,288千円増加して8,848,060千円になりました。流動資産は、912,313千円増加して6,493,237千円になりました。増加の主な要因は、取引の増加により売掛金が843,151千円増加したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益が増加した影響により現金及び預金が170,922千円増加したことによるものです。固定資産は、1,878,974千円増加して2,354,823千円になりました。増加の主な要因は、本社ビル取得に伴い土地877,903千円、建物593,759千円を計上したことと、ALEMO株式会社の株式取得に伴いのれん327,813千円を計上した影響により298,970千円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より2,227,150千円増加して6,150,418千円になりました。流動負債は、844,518千円増加して4,729,845千円になりました。増加の主な要因は、新規借入に伴い1年内返済予定の長期借入金が186,664千円、短期借入金が700,000千円増加したことによるものです。固定負債は、1,382,631千円増加して1,420,572千円になりました。増加の主な要因は、新規借入1,700,000千円により長期借入金が1,363,338千円増加したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より564,137千円増加して2,697,642千円になりました。増加の主な要因は、配当金の支払いにより利益剰余金が92,610千円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益379,545千円の計上により利益剰余金が増加したことと、新株予約権の行使により資本金と資本剰余金が合計で153,203千円増加、自己株式が117,794千円減少したことによるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度(2018年5月1日~2019年4月30日)における我が国経済は、記録的な豪雨や台風、地震などの自然災害の影響による景気の停滞が懸念されましたが、堅調な企業業績を背景に雇用環境の改善や設備投資の増加が続き景気は底堅く推移いたしました。しかしながら、海外経済において、米中貿易摩擦の深刻化や英国のEU離脱問題の不確実性などの影響から世界経済の減速懸念が高まっており先行き不透明な状況となっております。
このような状況の中、当社グループは「企業活動を効率化し便利にする」を経営理念に掲げ、各企業間取引のインフラサービス事業の事業規模拡大に努めてまいりました。一方で、第3四半期連結会計期間より、当社グループは持株会社体制へ移行いたしました。持株会社体制への移行により、既存事業の成長スピードを上げていくことに加え、今後、積極的に新規事業の創出や、M&Aを実施していくことで、当社グループ全体の売上、利益の力強い成長を図っていく方針を掲げております。そして、2018年12月7日付で、個人向け居住用物件をメインとした家賃保証サービスを展開しているALEMO株式会社の株式の100%を取得し、子会社化いたしました。2018年9月30日をみなし取得日として業績を取り込んでおります。この結果、当連結会計年度もすべての事業について売上高が増加し2,980,398千円(前年同期比17.1%増)と2桁成長となりました。
費用面におきましては、ALEMO株式会社の株式取得に係る一時的な費用として仲介手数料26,407千円を計上しております。また、当該株式取得により新たに発生したのれんの償却費19,122千円を計上したことで、のれん償却費が増加いたしました。また、子会社取得に伴い人員が増加し人件費が増加いたしましたが、その他の販売費及び一般管理費は抑え目に推移した結果、営業利益548,725千円(前年同期比25.4%増)、経常利益545,697千円(前年同期比26.5%増)となりました。また、持株会社体制移行に係る組織再編関連費用21,888千円を特別損失に計上し、親会社株主に帰属する当期純利益379,545千円(前年同期比34.2%増)となりました。また、2018年11月1日公表の「今後の経営方針に関するお知らせ」に記載のとおり、第2四半期連結累計期間より業績指標として新たにEBITDAを採用しております。当連結累計期間のEBITDAは651,427千円(前年同期比25.1%増)となりました。
なお、2018年6月8日公表の「報告セグメントの変更に関するお知らせ」に記載のとおり、「Paid事業」と「保証事業」の2つのセグメントを集約し、「フィナンシャル事業」として同一の報告セグメント区分へ変更しております。この変更に伴い、前年同期比較については、前年同期の数字を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。当該変更に関する詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(EC事業)
EC事業の主力サービスである「スーパーデリバリー」は、事業規模の拡大とBtoBにおけるEC市場の拡大とともに、海外事業者及び国内の小売業以外の事業者からの仕入れニーズの高まりを受け、ターゲットを従来からの国内の小売店だけではなく、国内の小売業以外の事業者及び海外事業者にも拡大しております。そのため、現在、それぞれの仕入れニーズを高める施策及び、販路の広がった出展企業が安心して取引拡大できる施策に取り組むことで流通額を増加させることに努めております。当第4四半期連結会計期間におきましては、引き続きアジア圏向けにコストパフォーマンスのより良い物流サービスの導入に努め、韓国向けに安価な航空便、香港向けに混載コンテナサービスを導入いたしました。また、SEO対策及びSNSへの広告強化により購入意欲の高い会員小売店の獲得増加を図りました。この結果、当連結累計期間の流通額につきましては、国内流通額は引き続き小売業以外の事業者による流通額が大幅に増加したことに加え、小売業に対する流通額も当第4四半期会計期間において前年同期比プラス成長になったことにより、国内流通額全体は前年同期比1.1%増となりました。海外流通額(SD exportと日本語版サイトでの海外向け流通額の合算)につきましても、順調に増加し前年同期比44.4%増となりました。この結果、「スーパーデリバリー」全体の流通額は、11,244,752千円(前年同期比6.2%増)となりました。
なお、当連結会計年度末における「スーパーデリバリー」の会員小売店数は127,162店舗(前期末比29,962店舗増)、出展企業数1,419社(前期末比147社増)、商材掲載数874,943点(前期末比163,310点増)となりました。
この結果、EC事業の売上高は1,763,055千円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は714,528千円(前年同期比10.8%増)となりました。
(フィナンシャル事業)
「Paid」におきましては、獲得した加盟企業の稼働率の向上を図ることに取り組んでおります。当連結会計年度末の加盟企業数は3,300社と順調に増加し、また、当連結累計期間における売上企業数、売上企業単価の増加と、稼働率の向上により、グループ外の取扱高は16,323,745千円(前年同期比34.3%増)と順調に増加した結果、全体の取扱高(グループ内の取扱高6,721,840千円を含む)は23,045,586千円(前年同期比21.0%増)となりました。
保証におきましては、「T&G売掛保証」、「URIHO」では引き続き、地域金融機関との業務提携を進め、販売チャネルを拡大することに取り組んでおります。また、家賃保証サービスにつきましては、事業用家賃保証、居住用家賃保証ともに、不動産会社に対する知名度向上に取り組みました。当連結累計期間末の保証残高は、62,945,450千円(株式会社ラクーンフィナンシャル分21,492,574千円、ALEMO株式会社分41,452,875千円)と前期末比276.7%増になりました。
この結果、売上高は、1,392,280千円(前年同期比35.1%増)となりました。なお、フィナンシャル事業の販売費及び一般管理費に、ALEMO株式会社の株式取得に係る一時的な費用として仲介手数料26,407千円を計上しております。また、当該のれんの発生に伴うのれん償却費19,122千円を計上したことでのれん償却費が増加しており、セグメント利益は142,834千円(前年同期比87.3%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は2,323,730千円になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は569,335千円(前年同期比943,611千円の資金の減少)になりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益を523,809千円計上及びALEMO株式会社の株式取得によるのれん償却費19,122千円を計上したことで減価償却費が102,702千円増加、売掛債権が取引の増加と売掛債権流動化解約の影響により842,557千円増加しました。一方で10連休となったゴールデンウィークの影響により、5月支払い分の買掛金が4月支払いに前倒しになったことにより仕入債務の増加額が778,424千円過少となりました。これに加えて、売掛債権流動化の解約により預り金が392,259千円減少、債権流動化に伴う支払債務が141,000千円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,679,165千円(前年同期比1,581,237千円の資金の減少)となりました。この主な要因は、本社ビル取得に伴う有形固定資産の取得による支出1,468,200千円とALEMO株式会社の株式取得による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出186,214千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は2,416,788千円(前年同期比2,530,440千円の資金の増加)となりました。この主な要因は、新規借入に伴い長期借入金による収入1,700,000千円の計上と、短期借入金が700,000千円増加したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注実績
該当事項はありません。
(3)販売実績
①当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) |
前年同期比(%) |
||
|
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EC事業 |
(千円) |
1,763,055 |
104.0 |
|
|
フィナンシャル事業 |
(千円) |
1,217,342 |
143.1 |
|
|
合計 |
(千円) |
2,980,398 |
117.1 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②EC事業の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。
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売上種類別 |
当連結会計年度 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) |
前年同期比(%) |
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システム利用料売上 |
(千円) |
1,156,147 |
107.5 |
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会員小売店向け売上(会費) |
(千円) |
243,840 |
99.6 |
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出展企業向け売上(基本料等) |
(千円) |
354,242 |
95.9 |
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その他 |
(千円) |
8,824 |
152.3 |
|
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合計 |
(千円) |
1,763,055 |
104.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、EC事業、フィナンシャル事業ともに増加したことにより2,980,398千円(前年同期比17.1%増)となりました。
(売上総利益)
売上原価は、保証事業において、求償債権引当金の引当率の増加と、従来と収益モデルの異なる事業用家賃保証、「URIHO」の売上高が順調に増加していること及びALEMO株式会社の子会社化に伴う居住用家賃保証分が加わったことにより売上原価が610,392千円(前年同期比38.6%増)となりました。
この結果、売上総利益は2,370,005千円(前年同期比12.6%増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は、ALEMO株式会社の子会社化に伴う費用計上や増加により、1,821,280千円(前年同期比9.2%増)となりました。具体的には、株式取得に係る一時的な費用として仲介手数料26,407千円を計上と、株式取得により新たに発生したのれんの償却費19,122千円を計上したことでのれん償却費が増加したことと、子会社取得に伴い人員が増加したことで人件費が増加いたしました。
この結果、営業利益は548,725千円(前年同期比25.4%増)となりました。
(経常利益)
2016年2月より投資している「FinTech ファンド」の投資事業組合運用益6,511千円を営業外収益に計上した結果、経常利益は545,697千円(前年同期比26.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
持株会社体制移行に係る組織再編関連費用21,888千円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は379,545千円(前年同期比34.2%増)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものはPaid事業の販売側企業に対する買掛金の支払いになります。Paid事業の取引代金の回収・支払のサイクルは基本的には取引先企業から回収の後に販売側企業へ支払いとなり、手元資金で賄える状況ですが、事業戦略上、多種多様な回収・支払のサイクルに対応していくために、必要に応じて銀行からの借入を行う方針です。
今後、既存事業の事業成長を図りながら、積極的に新規事業の創出や、必要に応じてM&Aを実施し成長性のあるビジネスを当社の成長に取り込んでいく考えでありますが、資金需要の必要性に応じて柔軟に資金調達を実施いたします。
該当事項はありません。
該当事項はありません。